90年6月 世界間移動を果たし、冒険者となって最初の仕事です 本来の機能は医療ですが、戦闘用アタッチメントも搭載しているので問題ありません ゴブリンの討伐依頼でしたが、大半は大きな鼠でした いけませんね、衛生環境が酷く悪いです もっとも、洞窟ですから当然なのですが 徹底的に駆除させていただきました 90年7月 何らかの探索を行うことは、私のような看護人形の本分ではありません しかしそれが冒険者の仕事であるならば従います 今回の仕事では大蝙蝠の攻撃、および罠による負傷者が出ました 衛生環境が悪いためにこれを早急に処置 どちらも軽症であったため、依頼を続行 間もなく捜索対象を発見し、依頼は成功に終わりました 次回は茸の捜索です やや原始的ではありますが、なんらかの薬剤の材料を補給できる可能性があります 90年8月 茸探しのついでにどのような植物が生息しているのかを見てまいりました 有用な植物もありますが、薬品は町での補給経路を確保した方が良いと判断します 今回は森林での探索と言うことで、未知の病原体との接触を懸念 皆様に消毒処理を施させていただきました。 結果は成功、捜索対象を発見。それにしてもこの茸、危ない効能を持ってそうですね エミット・キリエ様に肖像画を描いていただきました 僅かにあった喜びのデータが充実し、増えていくのを感じます 90年9月 今回も未知の病原体と接触することを懸念し、事前の消毒を行っておきました 鉱脈の探索ということで洞窟に潜りましたが、森よりも一層危険と存じます ゴブリンや蝙蝠が生息しているのはまだしも、トラップの存在は解せません 以前になんらかの形で使用されていた痕跡、あるいはゴブリンが仕掛けたもの どちらにせよ直撃を避けることが出来たのは喜ばしく思います 町に帰還すると、エミット・キリエ様が亡くなられたことを知りました 私は看護機械人形、死に涙することはありません しかしこちらに来てから得た情報が渦を巻き、そして今また新たな刺激があって…… 理解に時間のかかる感情が、構築されようとしています 90年10月 いつものように消毒処理を施した後、冒険へと赴きました 森は森でも前回とは違うので、生息植物の観察も兼ねております 大型の鼠と交戦した以外は特に戦闘もなく あとは空の箱を開けたくらいで冒険は成功 特筆すべきことはありません 先月よりポヘミアン・アーク・ンダヤク様が管理する地下施設に拠点を確保しました 自動人形ブリュンヒルデの情報提供に感謝を 90年11月 消毒処理に関しては今回より省略することにいたします 特に何もかかれていなければ、それは消毒したということです 鉱脈の捜索はスムーズに完了しました 交戦はゴブリンとが1 その後間もなく捜索対象を発見、帰還の途に着きました 先月は地下施設に篭もっており、通常スケジュールで動いていたので特筆すべきことはありません 90年12月 戦闘が2回に、罠の回避を2回。冒険は成功、問題はありません。 先月はブリュンヒルデの分体が全損、本体も中破となっていましたので様子を見に行きました 修復状況は芳しくないようでしたが、今月冒険に赴く彼女を見かけたので動ける程度には修復したようです 次回はラプリア・ラプタイル様と同行します 見たところ人型生物でありながら、自ら排出した卵より生まれ来る子を食する、興味深い生態を持っていらっしゃいます 是非詳しく調べてみたいと思いました 91年1月 現地到着時点で天候悪し。通常の消毒処理に加え、体を拭くための布を配布しておきました 今回は鼠に加え、オーカーゼリーと接触、交戦となりました。 幾らかの被害を受けつつもこれを退け、前進。 この時、天候がにわかに悪化し降雨に見舞われました。木陰でやり過ごしましたが濡れ、それを吹いてから前進再開 さらにもう一度の降雨。この時点で皆様の体をスキャン、簡易健康診断を行いました。 その後、特に問題なく捜索対象を発見。完了しました。 91年2月 今回も天候悪し。発見予測に不安を残しつつ冒険。 森に足を踏み入れて一番最初に出くわしたのは罠でした。これは同行した方が発見して回避 この時点で警戒レベルを一段上昇。狩人の仕掛けた残りか、敵性生物の仕掛けたものと判断 間もなくオークの群れと交戦。罠は彼らが仕掛けたものと推測されます。 この後に発見した財宝、降雨に見舞われた後に遭遇した狼の群れと総合して考え、ほぼ間違いないでしょう 今回は捜索対象を発見することが出来ませんでした さらに、最近は稼働環境が充実してきたので冒険者を続けることに疑問を抱いております 91年3月 捜索依頼は早期に完了、特筆すべきことはありません 目的地に到着してから長時間進行、2度の戦闘の後に対象を発見。帰還。 冒険の報告は以上となっております。 今月は3月。バレンタインデイのお返しをしなくてはなりませんね。 しかし見合った物をお返ししようとするとなかなか悩むところではあります。 91年4月 苦労が報われないとなった時、如何に心構えがあろうと虚しいものです 目的地である洞窟は、複数の敵性種族のねぐらとなっておりました 2度の扉と、2度の罠の回避 隅から隅まで探し回っても捜索対象を発見は出来ず撤退 依頼主から体よく扱われたものと分析します 91年5月 今回の仕事も不振に終わりました そろそろ冒険者稼業から手を引き、医療行為のみに従事しようかと考えています 知己もそれなりに広がり、拠点も確保して、エネルギーの確保手段もあります これ以上はあえて危険に飛び込む必要はないと判断します 恐らくは次回が最後になるでしょう