93年1月 冒険者登録を完了し、今は出発の日を待つ身だ こういう商売に身をやつす事になるとは思いもよらなかったが あの上司から言われるとどうも断りきれねえ とはいえ、ああいった生物が増殖する中心に何があるのか その点を考えるとやぶさかじゃないな 93年2月 つうわけで冒険に行ってきた まあ大した相手じゃあなかったな 途中に毒ガスを仕掛けているとは思わなかったが 最初ならこんなもんか それにしても、多いな 連中の繁殖力を考えると自然なのかどうか まだ調査は始まったばかりだ、何も言えねえよ 93年3月 これくらいの質と数なら、問題なく処理できる しかしオーカーゼリーと言ったか あの有機生物と思えない姿を見るとどうにも疑っちまう あれを作っている奴が居るんじゃないかってな 93年4月 ゾンビか……一体何で動いているんだろうな それなりの処理を施せば或いはだが…… しかし会場の難しい扉を仕掛けるとはどういうことだ? 練成して穴を開けたが、何かあったのかもしれない もう少し調査するべきだったかも知れねえ 93年5月 前回とは場所こそ違えど、またゾンビの相手をした そして完了後の振り分けで指輪が手元に回ってくる 魔導器か……錬金術とはまた違うから厄介だ 試したくもあるが、そのせいでやられたんじゃあ情けなくて仕方ねえ リスクは避けておかねえとな 93年6月 敵のボスをぶった切って解剖してみた 気に留めるほどの異変は特に無い、ただのオークだ 肉体の強靭さは他のオークを凌駕するが、これくらいなら生物的に可能な範囲 割と普通といって良いな やれやれ、冒険者の動向は見れてもこちらの方はいまひとつだ 93年7月 今回も敵の頭目を仕留めることが出来、解剖してみる やはり特に変わったところも無い、オークの中でも鍛えられた部類というだけだ 駄目だな、これくらいの奴をばらしても何もわからねえ つまり何もないと考えることも出来なくは無い、か それに越したことはないんだけどな 93年8月 特に報告するようなことはねえ 蝙蝠はやけに多かったが、コロニーになっていたと考えれば普通の範囲だ それなりに体を動かしたから鍛えられはしたが…… このあたり、これ以上調査しても何もねえ気がするぜ 93年9月 また同じような討伐へと向かわされることになった ……ひょっとしたら依頼を回している奴、酒場のマスターが何かを画策している? となるとこの辺りは怪しい所だらけだ、地下には大きな施設もあるらしい 捜査の対象を身内に向けたほうが何かといいかも知れねえ 93年10月 またオークかと思っていたが、今までのとは少し事情が違った 強さが一段上がっているような、そんな感じがしやがる まだ生物としてはありえる範囲だが……もう少し調べてみるか 武器の段階もあげよう、通常練成しているよりも鋭く強く 93年11月 またオークだし、リーダーだし、気分悪いもの見せられるしで やるきをがっつり削がれちまったぜ もう任務を完了させちまってもいいんじゃねえか? ここいらにゃあ特に取り立てるような異常は…… 冒険者側にあるかもな 93年12月 さて、荷造りでもしておくかな 94年1月 ひとつ年食っちまった あー、なんかあの上司の顔見たくないからもう少しいよう