91年6月 兄貴に言われてはじめた冒険者 ……命をやり取りする仕事 生き物を殺したはこれが初めてだ……たくさん殺した…… でも殺さなかったら俺が殺されてた…… なんだか具合が悪い……今日はもう寝よう 91年7月 相手の正体がわからない仕事、行ってみれば正体はゾンビ 映画とかゲームでなら見慣れてるけど、実際は臭いし、凄い迫力だし…… それに生きてはいないけど、斬る感触が気持ち悪かった…… オーカーゼリーってのと戦った後だったせいか、こっちにも死人が出た 俺も一歩間違ってたらああなって、もしかしたらゾンビに…… ……兄貴は失敗したから、報酬はこっちの分しかない やりくりしなくちゃ…… 91年8月 今回は兄貴と一緒に行くことになった 今までは知らない人とばかりだっただけに、兄貴が一緒だと安心する 行ってみれば、すぐにボスのところまでたどり着くことが出来た 俺はボスばかり狙ってたから、今回は一匹も倒せてない ボス、かなりタフだったし…… とりあえず成功に終わったし、財宝も俺と兄貴の分があるから今月はお金がたくさんある それだけは良かった 91年9月 人型の討伐依頼っていうから、不安はあったんだ…… あれ、グールっていうんだっけ? なんかかなり強かったよ…… 途中で大きな蛇もいたし、グールはゾンビ連れてるし ああああああ、嫌な思い出が蘇ってきた 今回も死人が出た……あああああ ……いけない。このままじゃいけない。もっと心の安息が必要だ…… そのためには…… 91年10月 ゾンビゾンビゾンビゾンビゾンビゾンビ…… もう、ゾンビばっかりだよ、臭い…… だけど、俺がボスを倒せるなんて思わなかったな 皆は褒めてくれたけど、正直なんとも…… とりあえず生活費が手に入ったことを喜んでおこう 91年11月 今回はオークの討伐。ゾンビじゃなくて良かった…… 俺は特に戦果を挙げることは出来なかったけど、それはいい 途中で見つけた財宝のお陰で生活費は潤沢だし、楽だったし 宝箱を開くことが出来ていたらもっとあったのかもしれないけど…… 無事に戻ってこれたから良いや 91年12月 正体の知れない人型の敵はゴブリンだった このままどうか、ゾンビが回ってこないと嬉しいな ……もう、斬った張ったについては考えないことにした 冒険をこなさないと、その日を生きていくことすらままならないし あと剣術入門者になったらしい……変な感慨深さがある 次回は兄貴と一緒の依頼だ あとベルモンド一家っていうところの人も一緒、ハルさんていうらしい 92年1月 こちらのカレンダーで新年を迎えた 元の世界ではどれくらいの時間が経っているだろう 帰ったとしても浦島太郎だったとしたら…… 今回は兄貴が手袋を手に入れていた それだけの運を持っているって事なのかな 92年2月 ベルモンド家のヘルトさんと一緒にオーク退治 真っ直ぐにボスのところまで行って、2体殺した…… ちなみに片方はリーダ−、びっくりした ヘルトさんから兄貴と一緒にベルモンドさんを訪ねてみろと薦められる 俺は良いけど、兄貴は乗ってくるか怪しいな…… 92年3月 かなりの連戦だった、とちゅうでオーカーゼリー2連続だった時はどうしようかと…… ともかく生き残れたから良かった。その分の金も入ったし、強くなった気もする 元の世界に帰るにしても、まずは生き残らなくちゃいけない ……最近驚いたことがある。俺の通っていた学校じゃないけど、明らかに中学校があった 制服に見覚えが無いことも無い 東京……日本、元いた世界から、俺たち以外にも来ているのか? その学校の人から食べ物ももらった、懐かしい味だった…… それにしてもこっそり見に行くのはまだまだだなあ、俺 ……次回はベルモンド家と敵対しているらしい、フラッテリー一家の人と一緒だ 名前はミストディバイダー、荒くれの一家だって聞くけど…… 92年4月 今回もまたかなりの連戦。今までの中で、一番の連戦だったと思う 8回の戦闘、敵はオーカーゼリー以外大したこと無かったけど、大分疲れた でもそれだけ頑張った甲斐あって、大分強くなった気もする 一人前と呼ばれるようにもなった、剣術も初級らしい 中学校にいた人と話をしてみた どうやら同じ世界から来たと見て間違いないと思う でも、その話をした人は死んでしまった…… まだ、慣れないな…… 92年5月 16歳になった 兄貴が死んだ