―痛い…全身が焼けるように熱い…私の力不足で皆を危険な目に合わせてしまった…。 無事なのだろうか…?…眩しい… 「ここは…?」 「お目覚めですかミコルシア様っ」 確かに私は魔物の攻撃で絶命したはず…それにここは…外? 「あなたは…ミコール?」 「お久しぶりですミコルシア様っ!」 「どうしてここに…?」 「どうしてって私もミコルシア様と同じ冒険者ですよっ!それに… ミコルシア様の命の火が消えかかっていたのを感じたから…」 見知った顔。同族の娘…同じ里の仲間のミコールだ。 「み、皆が!パーティーの皆は!?」 「無理です…残念ですけどあたしの力ではミコルシア様を担ぐのが精一杯で…」 「そんな……」 申し訳なさそうにうつむく彼女。よく見ると彼女の角が…一部切り取られていて無くなっている。 「その角…!?」 「し、仕方がなかったんですよっ!あたしの角を使わないとミコルシア様は死んでいたんですからっ!」 「そうなのですか…あなたにも辛い思いをさせてしまったのですね…」 「いいんですよっ!これくらいまた一年すれば元通りですからっ!」 明るく笑う彼女に私は少しだけ安堵の気持ちを感じていた。 「怪我のほうは平気ですか?良ければ最寄の街まで送るつもりですけど…」 「結構です。お気遣い、感謝いたします。あなたにも依頼があるはずです…戻ってください。」 「借りが…できてしまいましたね…ミコール、あなたに救われたこの恩、決して忘れませんよ。」 「ミコルシア様……里には、帰らないんですか?」 「今帰ればとんだ恥さらしですよ私は…もう聖騎士の資格も無いでしょうね…」 「それに、待たせている方たちも居ますから、死ぬまで…戻れないでしょうね。」 「あの…ミコルシア様…私たちが里を出たのは…」 「一族の名誉の為、ですね。…ミコール。いつかあなたと組むことがあればこの命、あなたの為に捧げましょう。」 「あの!ミコルシア様待ってください!」 「私、楽しみにしてますから!…お姉さまの活躍が里にまで届くのをっ!」 「ありがとうございます…私もミコールの活躍を応援していますよ!」 そう言って私たちは離れた。さて、少し顔を出しづらいですけど心配かけた皆様に謝りに行かなくては…