企画:隠寄市小奇譚(いぬよりししょうきたん)(仮) ◆コンセプト  ・『妖怪が実在する現代日本』における日常と非日常 ◆コンセプト実現のためのポイント(特に、一般的なファンタジーものとの比較で)  【1】妖怪はあくまでも“非日常”であり“レアなもの(体験)”という特別感を出す。    理由:希少であることや、その希少なものを自分(プレイヤー)たちだけが知っている、というのは特別感があってワクワクするから。     → プレイヤー以外の人間キャラクター(NPC)の多くは、妖怪の存在を知覚していない設定が好ましい。      → 逆に、プレイヤーは妖怪との遭遇が頻繁に起こっても問題ない。(なんならプレイヤー自身が妖怪でもいい)        言葉を換えれば、妖怪キャラクター(プレイヤー、NPCどちらも)の実数は多くても問題はない。        妖怪の希少性は、実際のプレイによって体験させたいわけではなく、世界観(フレーバー)側で感じてもらう要素であるため。        妖怪との遭遇が少ないことでプレイヤーにフラストレーションを溜めさせたくない、という理由もある。  【2】妖怪の不可思議さ、完全に理解することの難しさ、捉えどころのなさといった要素を重んじる。    理由:人間は、未知のものや理解しがたいものに惹かれる。     → 開発側は、妖怪(という概念)の設定を細かく定義し過ぎないようにする。       もし開発側で妖怪について体系的・論理的に設定を書いたら、その時点で魅力が失われる。      → いっぽうで、妖怪という存在がまったく意味不明ならばよいというわけではない。        それは逆にプレイヤーに何の興味も抱かせないのでダメ。        興味や共感などの感情を想起させる程度にはディテールを持ちつつも、すぐには/完全には全貌を理解できないようにすることで、その感情を継続させるのがポイント。      → これは、妖怪についての知見が深い霊能者や妖怪学者の類をキャラクターとして作ることを否定するものではない。        それらは不可思議な存在についてもっと詳しく知りたいという知識欲を持って行動しているキャラクター、と解することができる。        それに現実世界でも、オカルト学の類は(陰謀論に傾倒しない限り、フィクションとして見れば)面白いものである。       → いっぽうで、それらの霊能者や妖怪学者といったキャラクターの発言が世界観を定義するのはNG。         専門家として語らせるときは、あくまで「説のひとつ」くらいの温度感にとどめるべき。         (少数のものが全体の設定・方向性を決めてしまうのは面白くない、というクリエイティブのそもそも論でもある)      → 妖怪が対処不能なほど強大な存在である必要性はない。        プレイヤーは妖怪ハンターのキャラクターを登録してもよい。       → 妖怪を討伐するに際し、妖怪の正体が詳らかにされてその神秘性が失われるのは問題ない。         感覚的にも「不思議が解明される≒不思議の消失≒妖怪の死」との連想ができ不自然ではない。      → 組織的に妖怪を研究あるいは討伐する団体を設定したい場合には注意が必要。        秘密結社的な立ち位置ならばそれ自体がオカルト=非日常性があるものなので上述のフレーバーを棄損しないが、        たとえばオープンな・公的な組織にしてしまうとそれは既に日常であり、フレーバーを損なう。     → 明確な描写よりも「ほのめかし」を多めにするのが効果的。 ◆フレーバーの参考となる作品 ・全体的な空気感  ・『ゲゲゲの鬼太郎』 水木しげる  ・『令和のダラさん』 ともつか治臣 ・学園生活と妖怪  ・『レッツゴー怪奇組』 ビュー  ・『スイカ』 森とんかつ ◆舞台 ・東京都 隠寄市(いぬよりし) 東京の西側の市町村群のひとつ。 電車で吉祥寺まで20分、新宿は35分、東京なら50分の距離にある。 ただし中央特快も通勤快速も停まらないので、世間的には「周辺の市より交通の便が悪い」との評価。 そのためか、都内でありながら比較的閑静な雰囲気の街である。  ※メタ説明   ・「隠(おぬ)=鬼=妖怪」が「寄」り集まる所、をイメージさせる地名。   ・「いぬ」という読みから、犬神の類との縁も匂わせる。 ◇中央部 ・隠寄駅 中央線の駅。 ・隠寄中央商店街 ・参拝大通り 「参拝」との名が付いているが、戦後の再開発時に整備されたもの。 ・強力な警察署 つよい。 闇バイターとかトクリュウとか一瞬で捕まえるので、市内の治安は比較的良い。  ※メタ説明   ・「お化けよりも人のほうが怖い」的な、ありふれた展開になってコンセプトがぼやけるのを先んじて防ぐための設定。 ・駅前住宅団地 ◇北部 ・隠寄山 山と呼ばれてはいるが、実際は小高い丘程度。 ・隠寄神社 夏祭り、初詣などのイベントが行われる。 ・都立隠寄高校 プレイヤーたちが通う高校。  ※メタ説明   ・冒頭で述べたコンセプトから、(少なくとも表向きは)平均的なイメージの高校であることが好ましい。   ・夜になると別の側面が~といった設定を加える余地あり。 ・獺老川(だつろうがわ) 隠寄山を水源とし、市の北西に向かって流れる。  ※メタ説明   ・老いた獺(カワウソ)=河童を連想させる地名。 ・獺老住宅地 古くは獺老川の豊かな水を用いた水田地帯だったが、高度成長期~バブル期に住宅地域に転用された。 住宅地を流れる獺老川の支流(小川)には飛石があり、「小さな水の都」といった趣。 ◇南部 ◇東部 ◇西部