墓地を出る (16999 イモリン・ザイコ)
静謐な墓地 †
- (墓場に小さな足音が響き渡る。そして足音は目的地で墓標の前で止まる)イモリンさん…カナちゃんごきげんよう……
(墓標にお辞儀すると、肩にかけたトートバッグから掃除用具を取り出し墓標の掃除を始める) ……(無言のまま墓標の清掃を進めるが、やがて小さくを言葉を紡ぎ始める) ……私ね…しばらく旅に出ようと思うの…… だから…しばらくここへは来れなくなると思う…… だから…今年は念入りに…綺麗にしておくわね……
(掃除が終ると、例年よりも大きな花束を供え、小さく祈りの言葉を捧げた) …それじゃあ…次…いつになるかわからないけれど…… またね……(短く呟くと墓標を後にした) -- アーンヴァル?
- …っと(夜空から静かに舞い降りる白い影)イモリンさん…カナちゃんごきげんよう……
今年は……(暫し思案中)ん〜…普通と言えば…普通だったかしら……?(小さく首を傾げた) 引退して…隠居中の身だと…… 話題に困るわね…また…冒険に出ようかしら……? …なんてね…ふふっ…… 冗談はこれくらいにして…お掃除っと……(肩にかけていたトートバッグを下ろすと掃除用具を取り出す) でも…たまに…そう思う時もあるのよね…ふふっ
こんな感じかしら…?(綺麗になった墓標を見ると納得した様に頷く。そして花を供えると小さく祈りの言葉を捧げた) それじゃ…またね……(小さく語りかけると夜空へと飛び去った) -- アーンヴァル?
- (夜空から滲み出る様に現れる白い影)……よっ…っと(そして目的の場所に正確に着地)
イモリンさん…カナちゃんごきげんよう…… やっぱり…一年って早いわね……(夜空を見上げため息) 詮無い事を言っても…仕方がないわね…… 今をどうするかが…大切よね…ふふっ さてと……(トートバッグから掃除用具を取り出すと墓標の掃除を始める) あら…?(メイドさんとして気になったのか周囲の無縁仏化している墓の掃除も) (そして数時間後)……うん…完璧…♪(納得した様に頷くと墓標に花束を備え小さく祈りの言葉をささやく) …それじゃ…また…来年ね……(告げると来た時と同じ様に夜空へと飛び去った) -- アーンヴァル?
- (アーンヴァルが去った後から現れて)……あっ、お墓がきれいになってる! それにまわりのお墓も!?
きっとアーンヴァルお姉ちゃんだ。ありがとう!(夜空に向かって翼を振りながら) 僕も一応墓モリなんだから、少しはこっちのお仕事もしなきゃいけないなー(きょろきょろと辺りを見回し、まだ掃除されていない全然関係ない墓を掃除してみる置物) ……うん、これでよし。パパン、僕はちゃんとやってるから、心配しないでね(大小の墓に頭を下げ、去っていった) --
バジ
- ……っと(静かに墓地へと着地。腕の中には例年より大きめの花束を抱えている)
イモリンさん…そして……(小さな墓標に視線を移し)カナちゃん…ごきげんよう……(かがむとその小さな墓標を撫でる) ………(そして目を瞑るとしばし沈黙) ────────────────……はぁ(目を開けると小さく息を吐いた) うん…落ち着いた…掃除をはじめましょう……(口数少なく掃除を進めると墓標に祈りを捧げてそして二つの墓標に花束を供えた) 貴女達の分まで…がんばるからね……(小さく呟くと夜空へと飛び去った) -- アーンヴァル?
- あっ、お墓がきれいになってる(掃除が行き届いた墓を見回しながら)。
またアーンヴァルお姉ちゃんが来てくれたんだ。ありがとう。 もう1年近くたつんだね、パパン……。僕は元気でやってるよ。ガイドマップの方も、だんだん慣れてきた感じ、かな? これからもがんばるから、見守っててね、パパン、アーンヴァルお姉ちゃん。 -- バジ
- (街から遠く離れた洞窟で起きたことを、バジは直感的にすべて理解した)
(……それからしばらくの後、墓場に新たな墓標が建てられた) (かつての主の隣に設けられた、小さな小さな墓。銘には「カナ」の文字が見て取れる) (バジは、その墓の前にずっと座り込み、ずっと泣き続けた) (無論、置物の器から涙は流れない。ただ絞り出すように叫び続けた) (日が昇り、沈み、また昇り……。やがて墓地には、再び静寂が戻っていた) (緑色の置物は、顔を上げて墓標から去っていった。向かう先は墓地の外……あの街だ) (彼には、やらなければいけないことがある。父の分も、その役目を果たさなければ) (ガスマスクの奥に隠れた目には、新たな決意の光が宿っていた……)
- (深夜…… 静かな足音と共に暗闇から浮き出る白い影……)ごきげんよう…イモリンさん……
カナちゃん…いい子ね……(そっと目を閉じ)ここの所…色々とあって沈みがちだったけど…… 励まされたわ……(そう墓標に語りかけると目を開け、墓標の掃除をはじめる) 貴女の意思をついで…立派に…観光ガイドの仕事もこなしているし…… それに…バジちゃんと言う息子も出来て…… 男として…一皮剥けたんじゃないかしら…? ふふっ…… (やがて掃除も終わり)よし…完璧…♪(花を供えると手を合わせ小さく祈りの言葉を呟く) それじゃ…また…来年ね……(小さく呟くと暗闇に溶け込む様に墓場を後にした) -- アーンヴァル?
- (誰もいなくなった墓地に、夏の夜風が吹きつけ、墓標に添えられた花をそっと揺らす)
(見ようによっては、花が気恥ずかしそうに身をよじっているように見えたかもしれない) (あるいは、誇らしげにうなずいたようにも見えたかもしれない) (花を揺らした風は、墓地の先まで吹き抜ける) (立ち去った白い影を追うように。そしてその背中を、そっと後押しするかのように)
- っと……(夜空から静かに舞い降りる白い影)イモリンさん…ごきげんよう……
さすがに…一年以上も留守にする訳にも行かないから…この通り戻ってきたわ……(言うとふわっ微笑む) …もっと早くに…報告に来るべきだったわね…… 反省……(コツンと自分の頭を叩くと掃除を始める) やっぱりここは静かね…… ここで掃除をしていると…何か澄んだ気持ちになってくるわ…不思議…… (そんな事を話しているうちやがて掃除も終わり)……よし…(小さく呟くと花を供え手を合わせた) …それでは…また来年ね……(小さく微笑むと夜の闇へと歩み去った) -- アーンヴァル?
- (去っていく姿を見送りながら)お帰りなさいませアーンヴァルさん。
こうして来ていただくたび、私も気分がリフレッシュする気がいたしますよアーンヴァルさん。 いつも本当にありがとうございます(もう見えなくなった背中に、息子ともども一礼する置物) -- カナ
- (暗闇から白い猫が姿を現した)にゃ……(白い猫は口に咥えた花一輪を墓標に手向けると背筋をただし)
イモリン殿よすまぬの…… 主殿は所用で旅に出ておる。よって今年は我が代理を勤めさせてさせてもらった。 本来ならば妹君の役目なのだが、どこで何をしておるのやら…… まぁ…たまには我の様な猫が墓参りと言うのも悪くは無かろう…? (声の形をとらぬ声で呟くと墓標の陰で眠りに付いた。今夜はここで夜を明かすつもりなのだろう……) -- まいちゃお?
- (寝ているまいちゃおを見るや、「わーい、にゃんこー!」と嬉しそうに飛び乗ろうとする小さい置物)
これ、いきなり何をするんですか、バジ。失礼でしょう(空中で息子をキャッチし、そっと脇に降ろす大きい置物) やや? このかたはもしや、アーンヴァルさんのお宅のまいちゃおさん? お会いするのは初めてですが……。 ということは、アーンヴァルさんたちは皆、お留守でしたか……。 (「アーンヴァルお姉ちゃん、おでかけ?」と、白猫の毛にうずまりながら尋ねる小さい置物) ええ、お出かけのようですよバジ。でも、皆さんそのうちに帰ってきますよ。よい旅だといいですね。 (「……おみやげ?」と言う息子に、羽でツッコミを入れる置物) (子供がまいちゃおから離れようとしないので、その夜はそのまま一緒に眠ったという話だ)
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