[[IK/8088]]

-&br;''Case:1''&br;森の中 --  &new{2018-04-10 (火) 22:20:54};
-  --  &new{2018-04-08 (日) 23:40:46};
-「本当にこんなところでよかったのでしょうか」 -- [[従者]] &new{2018-04-08 (日) 23:22:32};
--&br;&br;捻れた木の板、穴の開いた壁&br;腐りかけの床。この世の春、青春の謳歌、あるいは一時の急速&br;それらさわやかな風を感じさせる言葉たちとは無縁の建物。家の中にはただ粗末な椅子とテーブルの出来損ないのようなものだけが置かれる&br;小屋とも言えないような&br;出来損ないを内包した、これまた出来損ないを体現するかのような小屋、もとい城 --  &new{2018-04-08 (日) 23:24:37};
---&br;一人のくたびれた服を着た男が不服そうにその内部を見渡しながら様子を伺うように&br;隣に居た鼻息の荒いそれを横目で見る --  &new{2018-04-08 (日) 23:27:36};
---&br;「いいんですか? そうですか」 -- [[従者]] &new{2018-04-08 (日) 23:28:00};
---&br;男の視線を無視するように、それは満足気に椅子へと近寄ると&br;飛び乗ると同時に悲鳴を上げながら潰れる椅子と共に、今にも奈落へと通じそうなほどに頼りない板張りの床へ叩きつけられる&br;そんな出鼻をくじかれるような出来事に直面してもなお、何事もないかのように振舞う姿を見ると&br;男は諦めにも似たため息交じりの言葉を残し、建て付けの最悪な扉に舌打ちを鳴らしながら出て行く --  &new{2018-04-08 (日) 23:35:13};
---&br;作られ始めたばかりの国、どこから集まったかも知れない開拓者達&br;汚れ仕事でクタクタになる労働者に対し、産まれ始めたばかりの国はたんまりの汗臭さと&br;たぐいまれなる希望の新芽の臭いで出迎える&br;たいした娯楽はおろか、清潔さがいきわたるのも当分の先の地に置かれた&br;共同便所まがいの小屋の中で、従者の男が去っていく背を眺めながら&br;それは早速、床の板を引っぺがしては。碌に本すら入らない本棚を作り始めていた --  &new{2018-04-08 (日) 23:40:22};