[[企画/誅殺部隊カタコンベ]]
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- (『頭脳性愛者』レームブルック) &br;(著名な知識人の頭脳を狙う殺人鬼。高度に発達した人間の脳に性的興奮を催し、その衝動に従って殺人を繰り返し脳髄を蒐集する脳科学者) &br;(集めた脳髄から知識を吸い上げ、自分の頭脳を究極にすることにまたとない興奮を覚える男) &br;(それが今回の標的だった) &br;(その驚異的な知能に基づく巧妙極まる手口で警察は手玉に取られ、確たる証拠を掴めずにいた) &br;(だが、カタコンベの網は彼を逃がさなかった) &br;(『魔弾』の観測のもと、彼の邸宅を強襲する) &br;(単独犯で、協力者もいない相手。『魔弾』の協力が過剰に思えるほどの、簡単な仕事) &br;(であるはずだった) &br;(邸宅二階の研究室) &br;(彼の蒐集物、即ち薄緑色の液体に浮かんだ無数の皴深い脳髄が整然と陳列された一室で) &br;(影法師が立ち上がったような黒装束の男が、黒鉄の大剣を支えに壁に凭れていた) &br;(荒い呼吸を整える。室内には明白な争いの痕跡) &br;(『魔弾』の観測に基づく位置把握。そこからの、狩人の奇襲は完璧なはずだった) &br;(魔術知識や肉弾戦の技能まで『吸い上げて』保持していた男の、最後の抵抗が始まるまでは) &br;(彼の戦術が支配するここはチェスの盤上のようで。窓外から援護する『魔弾』ともども初心者のように翻弄された) &br;ぐっ…… &br;(獣血励起・第三深度――チェス盤を暴力で蹴り返して勝ち得た結果。自慢の脳髄を床に零した科学者の躯がそこにあった) &br;(時間を掛けすぎた。早く脱出しなければ、ここは危うい) -- [[ウルガン>FA/0012]] &new{2017-10-18 (水) 21:37:25};
--『……お見事。 お疲れ様。……ふぅっ』&br;(苦戦の末、&ruby(レームブルック){頭脳性愛者};を誅したウルガン、その襟元に貼りついたマイクロ・ポータルから声が聞こえる。今回、エルの仲介によってサポートに付いた『魔弾』の声)&br;(その声がもたらす情報は、恐ろしいまでに緻密で的確だった。 レームブルックの、予想外の抵抗を除いては)&br;『さて…早速で悪いけれど、東側から衛兵が集まってきている。正面は使えない』(観測結果を伝える声。最適な脱出路を探るためか、数瞬の沈黙の後)&br;『…北だ。外壁を越えて北へ。右の三本目の路地…人一人通れるほどの隙間がある。そこを抜けて…ポイントDへ。私も向かう』&br;(事前に示し合わせておいた地点の一つを指示して、遠くの屋根で『魔弾』の気配が動く) -- [[魔弾>FA/0007]] &new{2017-10-18 (水) 21:52:13};
---『了解した』(身体強化の反動、激痛を噛み殺し、短く襟元へ返答) &br;(漆黒の仮面に付与された変声魔術越しの、奇妙な声が響く) &br;(空恐ろしいほど正確な指示。いったいどうやって把握しているのか、自分には見当もつかなかった。だが、この場においては全面的に信頼できる) &br;(最低限の呼吸を整え、動き出す) &br;(二階北側の窓から飛び出し、地面を転がるようにして衝撃を殺した) &br;(外壁を一足に飛び越えて、街路へ。目標地点に向けて走る) -- [[ウルガン>FA/0012]] &new{2017-10-18 (水) 22:01:14};
---『安心していい…そこから先はしばらく無人、人目にはつかない』(狭い路地…建物と建物の隙間のような場所。明かりもほとんど無く人の気配もほとんど無い)&br;『……おっと、そこでストップ! …三軒先の主人がゴミ出しに出る。すぐ終わるはずだ、やり過ごして』&br;(魔弾が伝えるタイミング通りに路地に面した裏口が開き、エプロン姿のビストロの店主がゴミを出す)&br;(それは間違いなく、魔弾からは建物を隔ててなお「見えて」いる事を示唆している)&br;(ビストロの主人が再び店内へと引っ込めば、障害は無くなった。ポイントD…宿屋街近くの路地までは一直線となる) -- [[魔弾>FA/0007]] &new{2017-10-18 (水) 22:13:11};
---『セボンか』(ビストロ・セボン。安くて美味い老舗の名店だ。何度か通ったことがある) &br;(何故分かるのか。レンガ造りの建物は、この位置からでもその奥の気配を察させない。透視しているとしか思えなかった) &br;(気配を断ち、植え込みの陰の暗がりに身を潜め、様子を伺う) &br;(果たして予言は的中した。ビーフシチューが自慢の気のいい店主だが、そののんびりした様子が今だけは疎ましかった) &br;(彼が店内へ戻るのを見送って一拍、ポイントDまでの直線を足音を消して一気に駆け抜ける) -- [[ウルガン>FA/0012]] &new{2017-10-18 (水) 22:24:04};
---『…ご名答。貴方もいい土地勘をしている』&br;(その透視のできる魔弾の口から軽口が出るということは、楽観できる状況なのであろうことが窺える)&br;(ウルガンが路地をひた走ればやがて見えてくるその出口。客の多くが寝静まった、静かな宿屋街の街灯が射し込む)&br;(……と、行く手を遮るかのごとく、その逆光の中に浮かび上がるシルエット。 何かを背負った小柄な人影)&br;&br;「「……お疲れ様でした、ウルガンさん」」(声の出所は、二つ。襟元のマイクロポータルと、そして目の前の影──) -- [[魔弾>FA/0007]] &new{2017-10-18 (水) 22:38:22};
---『あそこはオムライスが美味い』 &br;(軽口を返して走れば、そこに立つ小さな影は『魔弾』その人――) &br;お前が、『魔弾』か(仮面を外した。付けている意味も最早無い。狭い路地に、よく通る声が静かに響いた) &br;(その姿を確かめようと、逆光に目を細める) -- [[ウルガン>FA/0012]] &new{2017-10-18 (水) 22:45:05};
---ええ、そう呼ばれています。(問われれば、臆しも隠しもせずに返答する影)&br;……ティレット・ヴァイドマンです。あらためて…よろしく。(目を細めたウルガンの視界の中に姿を見せたのは、ウルガンが以前雨宿りに軒を借りた銃砲店の店主。背中の楽器ケースにはライフルが収められているのだろう)&br;積もる話は歩きながらでも。 …さぁ、行きましょう。(香水を一振りした全身を覆う薄手のマントをウルガンの肩に掛けて、戦闘の痕跡をカムフラージュすると、そっと腕を組んで歩き出す)&br;……俳優なんですから、しっかりとお願いしますよ。(周辺には当然ながら連れ込み宿も多い。カップルを装う事で目立たなくなる) -- [[ティレット>FA/0007]] &new{2017-10-18 (水) 22:57:36};
---あの時の。(果たして、少女には見覚えがあった。雨宿りの日の記憶が頭を過る) &br;(仮面を懐にしまい、ゆったりとしたマントが剣を隠せば、もう暗殺者の影はどこにもない)ウルガンだ。よろしく頼む(と、改めて名乗って) &br;(辺りの様子からそういうことかと理解すれば、軽く、照れたように頬を掻いて。小さく息を吐いた) &br;撮られるかもしれんぞ(軽口をひとつ。一拍の後、自然体で歩き出す。歩く速度をティレットに合わせて、ゆっくりと) -- [[ウルガン>FA/0012]] &new{2017-10-18 (水) 23:05:07};
---ええ、お久しぶりです。(ウルガンの肩に頭を寄せて歩きながら、小さく笑ってみせる)&br;その時は…冒険者の貴方にお出まし願いましょう。 護衛を頼んだという事で一つ…何せ物騒ですから。&br;(皮肉めいた台詞を吐いてくつくつと笑う。そんな二人の脇を数人の衛兵が駆け抜けていった。凶行のあった邸宅に向かうのだろう、一瞥こそすれど足は止めずに慌しく駆けてゆく)&br;……先日の『亀』の件、お世話になりました。 貴方達の素性を知ってそのままというのも…少々フェアではない気がして。&br;(この宿屋街を抜ければ銀月の劇場まで数ブロック。ゆっくりと歩みを進めながら、囁くように) -- [[ティレット>FA/0007]] &new{2017-10-18 (水) 23:20:30};
--- 抜かりはないようだ(と、肩を竦めて。脇を抜けていく衛兵に、不自然無く、ほんの少しだけ反応した。まるで無知な一般人が何事かとそうするように) &br;あれは、俺たちにも戦う理由があった。だが確かに、一方的に正体を知られているのは、公平とはいえないな &br;いい腕だ。今回も世話になった(ごく近い距離で密やかに囁き交わす様子は、傍目には恋人同士に映るだろう) &br;(微かな鼓動と、香水の香りが落ち着かない) -- [[ウルガン>FA/0012]] &new{2017-10-18 (水) 23:36:38};
---(ウルガンの見せた反応…ごく自然な動作を「作れる」ことに感心する)&br;かといって、なかなかに…明かす機会も難しいところでしたので、今回は良い機会になりました。 あの時も今回も、貴方達の腕あってこそです。&br;(こちらもこうした事には不慣れで少し緊張気味である。そもそも異性の腕を取った経験すらほとんど無いのだから。 それがむしろ初々しさを演出するかもしれないが)&br;あと、あの場に居合わせたのは…ステラさんですが…… 今は、事情が事情ですので…(そう言って、言葉を濁す。先日の件は劇団員のみならず、この魔弾にも尾を引いていた) -- [[ティレット>FA/0007]] &new{2017-10-18 (水) 23:55:16};
---謙遜をする。……だが演技のほうは、少し固いな(と、仏頂面が薄く笑って。経験があるのか、それとも役者ゆえか、ティレットの緊張具合よりはずっと力が抜けている) &br;裏の仕事が出来るようになるには、しばらくかかるだろう。 &br;(このまま折れるとは決して思っていない。言葉には確かな信頼が籠っていた) &br;明日、エルが劇をやる。観客だけでなく、ステラにも宛ててな。それで少しは、元気を出してくれるといいんだが -- [[ウルガン>FA/0012]] &new{2017-10-19 (木) 00:03:51};
---私は…ご存知の通り、普段は単独ですから。(そんな言い訳じみた事を言いながら笑いあい、歩みを進める)&br;ええ、聞きました…ドン・キホーテ…喜劇ですね。 エルさんも随分根をつめておられましたから…&br;(今の銀月とその団員を取り巻く感情と状況がどれほどか、察するに余り有る。だがこうして動く者が居る以上、何も「死んで」はいないのだ)&br;……きっと、伝わりますよ。 突然大きく好転するわけではないでしょうけど、きっと…&br;(そうして歩むうち、やがて宿屋街を抜けて道は岐路に差し掛かる。ここからは戻る方向が別だ)&br;また折を見て…ステラさんともお話ししておきます。 やはり…フェアじゃないのは嫌ですからね。(ゆっくりと身を離して偽装を解くと)&br;では…お疲れ様でした、ウルガンさん。 良い夢を。(微笑と共にそう次げて、夢魔の姿は寝静まった町へと消えていった) -- [[ティレット>FA/0007]] &new{2017-10-19 (木) 00:21:21};
---俺も、そう願っている(こつこつと、また人気の少なくなった道に空虚な足音が響いて) &br;(エルの努力は、きっと実を結ぶだろうと。今はそう信じたかった) &br;(「頼む」と、頷いて。体が接していた部分に帯びた熱を、夜の空気が冷やしてゆく。その懐かしい感覚に、寂しげに目を細めた) &br;ああ、それではな。(微笑を返して黒衣を翻す。空に浮かぶ銀の月を、朧げな雲が隠している) &br;(秋の訪れを感じさせる冷たい風が、雲を静かに流していく。今はまだ、それは晴れない) -- [[ウルガン>FA/0012]] &new{2017-10-19 (木) 00:41:39};