[[名簿/498281]]

-ミラディーア先生が帰宅した後は、部屋に籠り、机に向かうと一人物想いに耽っていた&br; これから、どうするか&br; ……もう、先生とのお話で心に決めた筈なのに&br; 考えれば考えるほど&br; 足掻けば足掻くほど&br; 思考は泥沼へと墜ちていく――……抗おうとする結果なのだろうか……? -- [[ジギタリス>名簿/498281]] &new{2013-05-01 (水) 08:27:58};
--封をしていない先生の手紙を横に、ずっとずっと 彼からの手紙を繰り返して読んで過ごしていた&br; 一字一句間違えない自信はあるほどに&br;  &br; 前回より打ち解けた様子の見て取れる内容が、とても嬉しくて&br; 故に、今回で最後と言われた時は酷く心が苦しかったのを鮮明に思い出せる&br; ……それなのに、どうしてこんなに気が重いのか……&br; もう、答えは決まっているじゃないかと、再び自分に問い尋ねるけれど&br; その返事は戻ってこない&br; ……時が止まってしまったかのようだった -- [[ジギタリス>名簿/498281]] &new{2013-05-01 (水) 08:37:24};
---ぼんやり外を眺めながら、自身の時間は静止しているものの、実際の時間は立ち止まっても振りかえってもくれないのだ&br; ふと気が付けば、外が既に暗くなっている……どのくらい こうしてしまったのだろうか……&br;  &br; まだ動きたくも考えたくもなかったけれど、こうしてはいられない&br; 力無く立ちあがって、歩こうとするが……上手く力が入らずよろけてしまった&br;  &br;  &br; 「あっ……」&br;  &br;  &br; (机に置いといた、香水瓶が落ちる――割れた瓶とこぼれた香水が床一面へと広がり、部屋中に香りが充満する)&br; (拭きとらないと、匂いが映ってしまう)&br; (わたしは急いで、掃除しようと しゃがみ込み、香水で出来た水鏡と向き合う形となった) -- [[ジギタリス>名簿/498281]] &new{2013-05-01 (水) 08:46:15};
--- &br;  &br;  &br; 立ち上る酷く強い香りに軽く眩暈がする&br; それに誘われるかのように――……昔の事を思い出していた――…… -- [[ジギタリス>名簿/498281]] &new{2013-05-01 (水) 08:53:59};
--- &br;  &br;  &br;  &br; 水鏡に映る、過去の私と 今の私が対面する&br; 思い出した記憶の中で、自分の想いが蘇って来る&br;  &br; それと重なるかのように、リンクする割れた瓶と零れた香水&br; 過去はもう、戻らないのだ&br; そして、今はそれに縋るでもなく、取り付かれるでもなく……&br; やるべき事はたった一つ&br;  &br; これからあの人と交流する為に、自分の足で歩いて行く事&br;  &br; 『……そうね……もし、行くとするなら――……』&br; (カレンダーを見つめて、日付にチェックする)&br; -- [[ジギタリス>名簿/498281]] &new{2013-05-01 (水) 20:40:50};
---  &br;  &br; 会いたくなかった、と言えば嘘になるかもしれない&br; 会いたかった、と言えば嘘になるかもしれない&br;  &br;  &br; 一つは文通相手である事&br; もしかしたら相手からすれば、単なる授業の単位を取る為の行為かもしれない&br;  &br; 一つは私の異能&br; それは『私自身』ではなくて、異能により――……いいかえれば洗脳により、自分を好意的に思わせてしまうかもしれないから&br; その為に人間関係を拒絶した私には、最も恐れた事だった&br;  &br; けれど、同時に&br; お手紙を通してお話しして、相手に興味や共感を持ったのは凄く嬉しかったし&br; 私自身、初めて誰かと一緒に居たいと思ったかもしれない……&br; 何より、私の異脳が関係ない文通というやりとりだったのが幸いだった&br; それは能力なしに、久々に誰かと本当に交流できたと思ったから&br; ……もう、私は迷わない&br;  &br;  &br; 3/14&br; あとは、この日を待つだけ――……&br; 胸に決意を固めて&br; この日は彼女にしては珍しく、午後の授業を抜けて、彼の元へと向かっていた -- [[ジギタリス>名簿/498281]] &new{2013-05-01 (水) 20:49:44};
-http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp025230.jpg --  &new{2013-04-30 (火) 21:30:57};
--http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp025231.jpg --  &new{2013-04-30 (火) 21:31:14};
---(2月に入る前から、チョコレートを贈ろうかを迷っていた)&br; (日が近づくにつれて、その迷いも徐々に強くなってゆき)&br; (文通相手からチョコレートが贈られても、迷惑じゃないかとかを考えてしまう)&br;  &br; (きっと、これが彼への返事のお手紙に付ける……のなら迷わなかったと思う)&br; (問題は、先日手紙を送ったばかりで そんなにすぐに返事が来ないだろうという事)&br; (だからこそ、相手に送る主役はではなくチョコレートなのだ)&br;  &br; (意識しなければ、他の女子たちの様にチョコレートを贈るイベントとして気軽の楽しめたのだろう)&br; (だが、彼との文通にはミラディーア先生を通して行っていた事から)&br; (先生にチョコレートを渡して貰うことになるのだろうか? と考えてしまってからは駄目だった)&br; (それに、相手も突然チョコレートが贈られたらどう思うのかを、一瞬だけでも考えてしまったら……)&br; (鬱陶しくないか、とか 妙に負の方向へと考えてしまう)&br; (それは、人を引き付けるのが自分自身ではなく、異能のせいだと知ってから)&br; (自分自身がどう人に思われているのか、全く分からなくなってしまったから……)&br;  &br;  &br;  &br; (……あれこれ考えた末に、ようやく時間もギリギリになり どうするかは決まった)&br; ……いいわ、別に――……&br; そう、只のお祭りごとなのよ。皆、単に騒ぎたいだけ…… -- [[ジギタリス>名簿/498281]] &new{2013-04-30 (火) 22:59:54};
---(誰かに聞かれる事のない独り言を囁けば、その日は何事もない様に早々に眠りに着いた)&br; (……別にいい。これは単なる騒ぎたい乙女達のお祭り騒ぎなのだ)&br; (反芻しながらゆっくりと夢の中へと意識が落ちて行った――……) -- [[ジリアン>名簿/498280]] &new{2013-04-30 (火) 23:16:03};
--- &br;  &br;  &br; (静かにチョコレートを置いて戻ってくれば、授業の準備をする)&br; (時間があるので、普段よりゆっくりと食事をとってお茶をし、ケーキを食べて過ごす)&br; (そうしている間に、ジリアンが起きて彼女のご飯を用意しながら)&br; (起きるのが遅いだとか、何故昨日のうちに準備をしておかないの?等と小言をいいながら日常に溶け込んだ)&br; (双子の姉が学校でチョコレートを配ったり貰ったりするのを、何事もない様に 普段と変わりなく過ごす……)&br; (これで私のバレンタインはお終い) -- [[ジギタリス>名簿/498281]] &new{2013-05-01 (水) 00:03:04};
-私は人と触れる事が出来ない&br; 私は人を愛する事が出来ない&br;  &br; それが、可能なのは――……今となっては唯一、姉のジリアンだけ…… -- [[ジギタリス>名簿/498281]] &new{2013-04-25 (木) 00:29:53};
--どんなに美しくても&br;  &br; どんなに他者を魅了しても……&br;  &br; 今はもう、誰かの温もりを感じる事も&br;  &br; 抱きしめて貰うことも、私は出来ない -- [[ジギタリス>名簿/498281]] &new{2013-04-25 (木) 00:44:27};
--- &br; それともきっと――……&br;  &br; これは望まれないままに生まれた事を示す為の神の警告なのか&br;  &br; 或いは宿命なのかもしれないけれど……&br;  &br; もし、神様が存在するのだとしたら……&br; 私が『誰かに愛される事』を望むのは、罪なのか……&br; 答えを頂けますか……? -- [[ジギタリス>名簿/498281]] &new{2013-04-25 (木) 02:17:28};