[[ARA/0002]] [[IAL/0004]]

-&color(goldenrod){◆SIDE ???}; --  &new{2024-04-24 (水) 20:49:55};
--&color(goldenrod){(帝国暦428年12月 リートフェルト公爵領ズィマー カローリ鉱山)&br;(一面を染め上げる赤。それは炎と血と。 その中に佇む人影はただ一つ)&br;………。(少年は、一糸纏わぬ生まれたままの姿で 自分の掌についた血をじっと眺める。その手を握ったり、開いたり 感覚を確かめるように繰り返す)&br;(人の姿と異なる部分があるとすれば、頭部から生えた巻き角と、尻から生えている鱗を纏った尾 世に言う竜人に近い姿をしたそれは)&br;████████……(口を開くなりノイズ交じりの、およそ言語とは思えない音を発する)&br;………?(喉の辺りを軽く指で触れ)…要修正です。 これでヒューマンにも聞き取れる筈。(ラジオの周波数が合ったかのように、徐々にノイズが薄れ 明瞭に聞き取れる声となる)}; --  &new{2024-04-24 (水) 21:06:16};
---&color(goldenrod){(それから、自身の身体をじっくりと検分する その間も炎は広がり、熱に晒されるが意に介さぬ様子で)&br;…身体構成部の約8%に侵食による変異を確認。 要再構築、ですが…本体への影響を反映している模様&br;石英の魔女……(自らがこのような姿となるに至った直接の原因、その相手の名を口にし)…要復讐、です。}; --  &new{2024-04-24 (水) 21:40:16};
---&color(goldenrod){(長い前髪を掻き上げると、その左目は死者の如く白く濁っていた)&br;(角は一部が砕け、その断面からは紫水晶が幾つも結晶化して生えてきている)&br;ですが、まずは……この229年で人界がどう変化したか…要検証でしょう。(眼前に転がる巨岩。単一の結晶としては最大級のザリアライトを見上げ)&br;(爪の先でなぞるように、空間に裂け目を作れば その巨岩を片手で掴み…その中へと放り込む)}; --  &new{2024-04-24 (水) 21:49:29};
-&color(#9079b6){◆SIDE イスト}; --  &new{2024-04-22 (月) 21:54:47};
--&color(dimgray){(入学より一年ほど前のお話。 帝都、貴族街にあるヴァーゼル家別邸…その地下へと続く階段を降りる二人の人影)&br;それで、撃退ではなく捕縛したと……それも私に気付かせず、朝食が済むまで伏せておくとは そなたも人が悪いであるな。&br;他の使用人たちにも口止めしていたのであるか?}; -- [[メルス>IAL/0004]] &new{2024-04-22 (月) 21:58:57};
---&color(indigo){いえ、当方このような些事で殿下の睡眠の妨げとなる必要は無いと判断致しました次第。&br;そして寝起きにお耳に入れるような話題でも御座いませんでしたので…&br;(極めて事務的に理由を説明し、地下室の扉の前で足を止める 魔石灯の薄青い明かりだけが周囲を照らす)&br;…此方で御座います。 処遇につきましては殿下がお決めになってはと愚考致します…}; -- [[ルシーン>IAL/0004]] &new{2024-04-22 (月) 22:05:51};
---&color(dimgray){そなたの判断基準はどうにも一般人とズレているであるな…賊の侵入、それも魔族とあれば一大事であるぞ?&br;(もっとも、それを予知能力ばりの察知で瞬時に対処し圧倒、捕縛に至る手際も大概化け物なのだが…)&br;まぁ、そなたであれば石英の魔女が来ようと同じように対処しそうであるが…して、淫魔といったか?&br;であれば、ジニメアドナの手の者であろうか……まぁ良い、少し尋問してみるのである。(ドアノブに手をかけ、静かに開く)}; -- [[メルス>IAL/0004]] &new{2024-04-22 (月) 22:12:49};
---&color(indigo){一切の抵抗は行えないよう処理済みですが、ご要望があれば手足の一つや二つ落とすこともできますゆえ…(軽く手刀を振るジェスチャー)&br;当方も立ち会って宜しいので? それとも外で待機しておりましょうか&br;(それは危険が限りなくゼロであるほど無力化した事を確信しているがゆえ)}; -- [[ルシーン>IAL/0004]] &new{2024-04-22 (月) 22:22:16};
---&color(dimgray){さらっと怖い事を言うでない!(彼のジェスチャーは文字通りに、素手で切り落とすという意味なのが分かっている為嫌そうな顔をする)&br;では扉の外で待て。尋問が済んだ際、扉を三度叩く…&br;(執事が「畏まりました」と言い終えるよりも前に、扉を閉じた 魔力的影響により防音が施されている地下室だ。聞き耳を立てても扉の向こうの会話は聞こえない)&br;さて……まずはそなたの名を聞こう。私の名はメルスである……(傍らに置かれたカンテラで、壁際の椅子に拘束された魔族を照らし出す)&br;…いや、やりすぎであるなこれは!?(手足の拘束は勿論のこと、その上から鎖で何重にも巻かれ 目隠しに猿轡と、およそ尋問を行える状態ではなかった)}; -- [[メルス>IAL/0004]] &new{2024-04-22 (月) 22:32:33};
---&color(#9079b6){(目隠しはそのままに、猿轡だけ外される褐色肌の魔族)…ふへぇ、危うく一方的に話される流れかと思ったっすー…&br;今ぼくの前に居るのがメルスさん、と。 ぼかぁイストって名前っす…家名はねーっす、ただのイスト。&br;(声がするであろう方向を向くが、やはり見えている訳ではない)}; -- [[イスト>IAL/0004]] &new{2024-04-22 (月) 22:40:27};
---&color(dimgray){斬新な呼び方をされたであるな… イストよ、そなたは私の事を知らず屋敷に潜り込んだのであるか?(不可解そうに)&br;目的、というか同機を聞きたいところであるが…淫魔の目的とあれば大体絞られるであるな?&br;誰の差し金であるか、早々に吐いてくれるのであれば手間が省けるであるぞ}; -- [[メルス>IAL/0004]] &new{2024-04-22 (月) 22:44:39};
---&color(#9079b6){そりゃ初対面っすからねー、あれ…もしかして人界では有名人とかだったりっすか?&br;差し金っつーか…通りすがりっす この屋敷の傍を通ったら、ものすんごい芳醇なマナと精気の香りがしたもんでー…へへ、抗えなかったっすねー&br;(悪びれる様子もなく、へらっと笑ってそう答えた)}; -- [[イスト>IAL/0004]] &new{2024-04-22 (月) 22:49:38};
---&color(dimgray){知らんのか、そうか知らんのか! 一応私は、ゼイム帝国の第八皇子であるぞ……一応…(しょぼん)&br;ふむ…淫魔を惹き付ける芳醇な… 大方、うちのメイドの誰かであろうが、果たして誰を狙ったものやら&br;(起伏に富んだ体つきのメイドを数名思い浮かべる)…しかしそれは未遂に終わった、という訳であるな?}; -- [[メルス>IAL/0004]] &new{2024-04-22 (月) 22:56:13};
---&color(#9079b6){やべ……そりゃー悪い事をしちまったっす… ぼかぁこっちの事にはとんと疎くて…(ガチで凹む様子にちょっと申し訳なくなる)&br;そうっすね、あの執事さん何者っすか……姿を見失ったと思ったら後ろから声がして、一瞬で意識持ってかれたっすよ…こわ…&br;……んぁ? 狙ったのはメイドじゃねーっす(くんくん、と何かを嗅ぐように鼻を鳴らして)…間違いねーっすね、狙いはメルスさんっす。}; -- [[イスト>IAL/0004]] &new{2024-04-22 (月) 23:00:29};
---&color(dimgray){うむ、よいのだ…魔界まで轟くような名でない事は承知している ゆえに赦すのであるっ&br;アレはそういう化け物なので、そういうものだと思っておけばよいのである いわば私の最強の手駒であるな。&br;(切ればどんな不利な状況さえもひっくり返すワイルドカード、ゆえに使いどころが難しく乱用できない それが執事のルシーンである)&br;……は、私で…あるか……?(気の抜けた声で、問い返す。理解が追い付かない)むぅ、私の体質がマナの方の原因であることは分かるのだ…&br;しかしその、後者は…その、私はまだ………(非常に言いづらそうに濁すが)……あぁ、そういう事であるか。&br;……イストよ、そなたには三つの道がある。 いずれかをそなたが選ぶと良いのだ}; -- [[メルス>IAL/0004]] &new{2024-04-22 (月) 23:08:25};
---&color(#9079b6){三つも選択肢があるっすかー、このまま解放してくれる…なーんてのは無さそうっすね…(そこまで都合のいい話も無いだろう、と)&br;選ばせてくれるんなら、続きをどうぞっすよ(とはいえ、捕縛された魔族の扱いなど大体想像がつく マシな選択肢があれば上々、程度の期待だ)}; -- [[イスト>IAL/0004]] &new{2024-04-23 (火) 21:16:56};
---&color(dimgray){一つ目は、このまま衛兵に突き出し処刑される道である。罪状は十分に重い、ゆえにすぐにそなたは終わる事ができるであろう。&br;二つ目は、無害化され人間に使役される道である。奴隷同然の場合もあるが、運次第ではまともな生活もできよう&br;そして三つ目であるが… 私と契約し、私の配下となる道である。 二つ目とどう違うのか、と聞かれる前に答えておくのである…&br;私の従者となり、私と行動を共にせよ。 そうすれば、そなたが欲しかったものを褒美として渡すのである}; -- [[メルス>IAL/0004]] &new{2024-04-23 (火) 21:28:35};
---&color(#9079b6){実質一択だったっすね… あれっすか、めっちゃこき使われる展開が待ってたりするっすかー…?&br;…って、ぼくの欲しかったものってーのは……え、マジっす? それなら勿論契約するっすよ&br;(思わぬ収穫だ、とばかりに舌なめずり その仕草さえも妙に淫靡なのは生まれついてのものだろう)}; -- [[イスト>IAL/0004]] &new{2024-04-23 (火) 21:38:50};
---&color(dimgray){だが、ひとたびその道を選べば 今までそなたが好んできたものは、全て味気ない、満たされぬものとなるのである&br;舌が肥える、とでも言えばよいであろうか…龍血と私の体質とが合わさった影響なのであろうな、恐らくは(イストの先程の動機からの推測でしかないが)&br;そして…そなたの言葉通りであれば、私はそれを与えることも可能な身体となっている筈である。&br;誓うのである、今後メルス・レトフ・ヴァーゼルの名の下に、従うと…(少し恥じらいながら、ゆっくりとズボンを下ろしていく)}; -- [[メルス>IAL/0004]] &new{2024-04-23 (火) 21:54:44};
---&color(#9079b6){つまりぃ、これが最初で最後の最大のご馳走になるってわけっすねー……んふふ、それじゃあ遠慮なく…&br;(かくして契約は成立する。 それは二人にとっていずれも経験した事のない甘美な時間となった…)}; -- [[イスト>IAL/0004]] &new{2024-04-23 (火) 22:00:48};
-&color(dimgray){◆SIDE メルス}; --  &new{2024-04-21 (日) 15:37:28};
--&color(dimgray){(これは、彼が入学するほんの少し前の出来事)&br;(8月中旬のイシラ港。まだ夏の暑さも残る時期…といってもミネラよりは冷涼な気候、夜ともなれば幾らか過ごしやすい気温)&br;(等間隔に設置された魔石灯の明かりが照らし出す人影は、深夜ゆえに殆ど無い 桟橋のたもとで荷物を手に佇む男が一人)&br;(時折、左右を確認しては約束の人物が現れないことに、焦りを感じ始めていた。予定の時刻はとうに過ぎている)}; --  &new{2024-04-21 (日) 15:44:17};
---&color(dimgray){こんな時間に待ち人であるか?(不意に、声がした。それも上からである)&br;残念ながらそなたの雇った逃がし屋は、急な予定変更により来れなくなったのである。&br;(それは倉庫の屋根の上 躊躇もなく下に飛び降りると、着地寸前に青白い光を纏い…減速してふわりと着地した)&br;どうして知っている、という顔をしているな? バーデ上等兵。逃がし屋は今頃衛兵の詰め所で尋問中である&br;(男にとってはまるで面識のない相手が、事情を話し始めた これには流石に混乱するも、状況はまずい方に傾いていると即座に理解した)}; -- [[メルス>IAL/0004]] &new{2024-04-21 (日) 15:54:14};
---&color(dimgray){っ…何だ、お前は! くそ、これだからもっと早くしろと言ったのに…あいつら。&br;(荷物を脇に置き、ローブを脱ぎ捨てる その下の服装は上着こそ着替えているがズボンは海軍の制服。そして腰には制式のサーベル)&br;さっさと逃げねぇと…か(サーベルを引き抜くと、構えをとる)そこまで知ってんなら、生かしておく訳にもいかねぇ&br;悪いが…!(一気に駆け寄り、上段から振り下ろす軌道。致命傷を一撃で与え、荷物を回収して一度潜伏場所を…振りかぶりながらそう頭で算段をつける)}; --  &new{2024-04-21 (日) 16:02:36};
---&color(dimgray){(メルスを狙った凶刃は、直前で振り抜かれた彼のサーベルにぶつかり…そして金属音と共に細かな破片を撒き散らし、砕けた)&br;一度見れば、書物であろうと絵画のように正確に記憶が出来る…そんな類稀なる才能を、ここで失う事は海軍にとっての喪失であるな。&br;しかしである…飛竜の調教法の国外持ち出しは重罪なのだ。 考えたものであるな、「記録」を持ち出さず「記憶」を持って亡命しようとは&br;今後はそういった手法への警戒も強めねばならんわけであるな…何処へ行くつもりであった、ミネラか?それともギザニアか?&br;(ぴたり、男の首に刃が当てられる)…どうした、そなたもゼイムの帝国民であるならこの程度で屈する事はあるまい。&br;それとも、誇りまで他国に売り渡したのであるか?}; -- [[メルス>IAL/0004]] &new{2024-04-21 (日) 16:12:10};
---&color(dimgray){く……何なんだ、一体…お前は……(男の手には半ばより刃の折れたサーベル、これでも十分に武器にはなるが…こちらも致命傷を負うリスクが高い)&br;(手元に注意が向いている今、敢えて剣は使わず足払いでこの状況を打破するという結論を出し…)&br;(その計画を速やかに実行に移すべく、足に力を入れた)}; --  &new{2024-04-21 (日) 16:18:35};
---&color(#9079b6){あぁ、あったっすよー ゴールドの硬貨、少なくともこれでミネラ経由のルートなのは確定っすね&br;(そんな張り詰めた状況を破壊するような、気の抜けた声。桟橋に置いておいた荷物を漁って、証拠品となりそうなものを検分しているダークエルフ)&br;…あ、続けていいっすよ? ぼくにはお構いなくっす…まぁ、あと5分と待たずに衛兵と海軍の憲兵隊が到着すると思うっすけど&br;(へらりと笑いながら、既に通報済みである事実を明かす)投降をおススメするっすよー 殿下への狼藉と不敬の数々、憲兵さんに見られたら言い逃れできねーっすから}; -- [[イスト>IAL/0004]] &new{2024-04-21 (日) 16:25:06};
---&color(dimgray){ええい、今いいとこだったのである!流れをぶった切りおって…(ぶつくさ文句を言うが、男はといえば殿下というワードに完全に固まる)&br;なんだ、本当に知らなかったのであるか? まったく、私の知名度もここではまだまだであるな…オリヴェール兄様やバルター兄様のようにはいかんのである。&br;まぁ良い、知らなかったというのであれば不敬も狼藉も不問に処す。そなたは元の罪により裁かれるがよいのだ&br;(もっとも、それだけでも十分な重罪 果たしてどれほどの刑が与えられるのかは分からないが…)&br;私の名は、メルス・レトフ・ヴァーゼル…この国の第八皇子である。(そう名乗り、静かにサーベルを鞘に納めた)&br;(遠くから複数の足音が響き、カンテラの明かりが見える)む、予想よりも早かったであるな よく訓練されている…}; -- [[メルス>IAL/0004]] &new{2024-04-21 (日) 16:34:18};
---&color(#9079b6){実は結構危ないトコだったっすよ? 殿下気づいてなかったかもっすけど…(だから声を出したのだ、と)&br;おー、来た来たっすー…国家の重大機密の漏洩を阻止!これはかなりのお手柄っすよねー&br;さ、上等兵を引き渡したら今回の任務は完了っす 帰ってゆっくり休みましょうっすー}; -- [[イスト>IAL/0004]] &new{2024-04-21 (日) 16:39:41};
---&color(dimgray){うむ……一件落着とはいかぬが、彼に連なる者たちの調査や検挙は衛兵たちに仕事を引き継ぐとするのである!&br;(一仕事終えた顔で憲兵に上等兵を引き渡す)&br;(…が、この後憲兵のお偉いさんにめっちゃお説教された)}; -- [[メルス>IAL/0004]] &new{2024-04-21 (日) 16:43:09};
- 
-&color(#00a3a7){◆SIDE ノエ}; --  &new{2022-05-23 (月) 20:44:03};
--&color(#00a3a7){(寮の自室に戻ると、自分宛の荷物が届いており まず添付されていた手紙を開封する)&br;お師様から…でも、わざわざ対話水晶を使わずに手紙って… この荷物も、何か重要なものなのかな…&br;(箱の中身はそれほど重くないのを確認し)…えーと、極秘任務……です?(ごくり…)}; -- [[ノエ>ARA/0002]] &new{2022-05-23 (月) 20:46:46};
---&color(#00a3a7){指定した日時、以下の場所へ潜入せよ…尚、この任務は極秘であるため正体が知られる事は決して許されない…(小声で便箋の内容を読み上げる…頬を伝う冷や汗)&br;潜入に必要な変装セットは同梱したので、活用するといいでしょう ……へ、変装!?&br;何かこう、国家間の陰謀的なあれこれに知らない間に巻き込まれてますか僕…! ん?でもこの住所って……え、学院内…?&br;(荷物を開けて、中を確認する…衣類のようだ)……えぇーっ!?(そして日時の確認のためカレンダーを見る)………お師様、これは一体…。}; -- [[ノエ>ARA/0002]] &new{2022-05-23 (月) 20:53:02};
-&color(purple){◆SIDE マルレーネ}; --  &new{2022-05-22 (日) 19:04:31};
--&color(purple){(ザリアライト魔石。古代文明で幅広く利用されていた事からその名がつけられたが、その正しい使用法を知るものは殆ど居ない)&br;(一般的な魔石と同じ使い方では、魔石本来の能力を引き出すことができず…結果として二流の魔石と評されることになる)&br;(ズィマーで遺跡の発掘調査が行われた際に、他の魔石も生活の中で利用されていた形跡があった。だというのに敢えて効率の悪いザリアライトを、採掘量だけを理由に主流とするだろうか?)&br;(その疑問には早くから行き当っていた そして、ある仮説に辿り着く。)}; -- [[マルレーネ>ARA/0002]] &new{2022-05-22 (日) 19:10:09};
---&color(purple){(ザリアライトはそもそも、他の魔石と比べて物質的に不安定なのだ。無理にマナを注ぎ込もうとすれば、容易く砕けてしまう)&br;(では、安定化させる方法を古代人は知っていたのではないだろうか。2年前、偶然発見された地下祭壇から、無傷の杖が回収された)&br;(高純度のザリアライトを主体とし、他に4色の魔石が取り付けられた奇妙な杖。 考古学は専門外であるが、魔導器となれば話は別。鑑定依頼がマルレーネに回ってきたという訳だ)&br;(確かに杖に見える…が、それを手に魔法を行使しようとしても ただの木の棒を握っているかのように何らの効果を及ぼさないのだ)}; -- [[マルレーネ>ARA/0002]] &new{2022-05-22 (日) 19:16:46};
---&color(purple){(魔導器として認識されない。そんな現象があるものなのか…しかし現に起きているのも事実… ズィマーの様々な魔術師に使わせてみたが結果は同じ)&br;(後を絶たぬ、無謀な弟子入り志願の者たちにも握らせてみたが…魔導器なしの状態とまるで変わらない)&br;(長期間放置されていたものゆえに、機能が死んでいる可能性もあった。杖についたレバーを動かせば、ザリアライトは取り外せる)&br;(どうやら魔石そのものを交換できるシステムになっているようだ…そこで、他の魔石に付け替えて、杖として使用できないか実験してみた)&br;(しかし結果は同様。魔導器として魔法の起点にはなり得ないという事が分かった…ならばこれは何なのか?)}; -- [[マルレーネ>ARA/0002]] &new{2022-05-22 (日) 19:23:41};
---&color(purple){(ただの祭祀用の道具かもしれない。だが、魔石の使用自体がブロックされる必要性がそこに無い…)&br;(そうしている内、スープはすっかり冷めてしまった)&br;(気分転換にと夕食をとりにきたレストランで、相変わらず思索に耽ってしまう。まずは食事を済まそう…スプーンを手に取った時のことだ)&br;ん……(椅子に立てかけておいた例の杖に、肘をぶつけてしまった)}; -- [[マルレーネ>ARA/0002]] &new{2022-05-22 (日) 19:30:49};
---「あ……大丈夫ですか、お客様…」(給仕係の少年が、倒れかけた杖を支え…椅子に戻す)&br;&color(purple){(彼の手の中にある間、杖のザリアライトが煌々と輝いた。これまで一度も反応しなかった杖が、眠りから覚めたのだ)&br;君……! ボクの弟子になりませんか…いやーぁ、なって貰いますよーぉ!(全ての謎を解く鍵の、それが最初の一歩だった。)};&br;「え、えぇぇぇっ…!?」(この時の給仕が、ノエ・マルベール…12歳の時のことであった) -- [[マルレーネ>ARA/0002]] &new{2022-05-22 (日) 19:38:16};
-&color(purple){◆SIDE ???}; --  &new{2022-05-18 (水) 19:47:50};
--&color(purple){(シグレと名乗る白狸がジアリウスに降り立ったのは王国歴270年。誰に召喚されたのでもない、自分の意思で渡ってきた)&br;(ゼイム北西部、ケーグル伯爵領の森奥深くで人目を避けるようにひっそりと暮らしていた)&br;(4年経った頃、森の瘴気溜まりから魔族が現れ、人界を侵略していった…最初はただ、自らに振りかかる火の粉を払うだけ)&br;(こちらを脅かさない限り手出しはしなかったが、魔界の軍勢は無差別に蹂躙を繰り返す。その内に気が付いた)&br;(狩猟や採集を行うより、魔族を倒して奪った物資で人間たちと取引する方が危険はあれど実入りも大きいことに)}; --  &new{2022-05-18 (水) 19:49:29};
---&color(purple){(ぼろぼろのキモノを纏い、カタナを提げたシグレを、ゼイムの民も最初は異様なものとして見ていた)&br;(しかしその白狸が自領の防衛に陰ながら大きく貢献していたことを知ったケーグル伯爵は、ある取引を持ち掛けた)&br;};「我々人間側の指揮下で魔王軍と戦ってくれるならば、望みの褒美を出そう。」&br;&color(purple){(シグレは少し逡巡し、こう答えた)&br;…あの森を頂戴、全部。&br;(伯爵は快諾した。瘴気が溜まりやすい場所など、戦後も魔物が湧きかねず管理の手間は馬鹿にならないのだから)}; --  &new{2022-05-18 (水) 19:51:58};
---&color(purple){(人間の軍と行動を共にするようになってすぐ、シグレはこの世界で使われる「魔法」なるものに興味をそそられた)&br;(自らの使う妖術と似た性質に見えて、大きく異なるそれを知ることは 魔界の軍勢を相手取る上でも重要だった)&br;(魔法の基礎を教えてくれたのは、同じ部隊のメールローという男だった。数か月後、彼は防衛戦の折に戦死してしまった)&br;(その頃には、自らの妖術と魔法の概念を混ぜた「結晶魔法」を確立し…シグレの戦果は更に積みあがって行く…)&br;(軍の士気高揚のため、格好の宣伝材料となったシグレだが…一つ問題点があった)&br;(出自も明らかでない、家名も無い兵士では宣伝効果も薄い。そこで家名が必要になり…こう名乗った)&br;(シグレ・メールロー。魔法の師である彼の家名を消さぬために、忘れないために。)}; --  &new{2022-05-18 (水) 19:53:33};
---&color(purple){(そんな折だった、各地でその名を轟かす「勇者」と出会ったのは)&br;(まだ若い青年でありながら、勇者と持て囃されて調子づくでもなく 真っ直ぐな性格には好感を抱いた)&br;};「████████、████████████?」&br;&color(purple){違います、シグネじゃなくてシグレ…!&br;};「██…████、████?」&br;&color(purple){もう、じゃあそれでいいですよ…トーマ君には難しい発音のようですし&br;(ただでさえ異世界から来たという彼に、ジアリウスとも違う更なる異世界の名前は馴染みが薄かったのかもしれない)&br;(結局名前は間違えられたままだったが…勇者の活躍により、押され気味だったゼイムの戦線は攻勢に移ることができた)&br;(ゼイムに留まる自分と違い、各地を転戦する彼と再び会う事など無いだろう。その時はそう思っていた)&br;(しかし、遠からずその予想は裏切られる事となる。 共闘とは、まったく逆の形で…)}; --  &new{2022-05-18 (水) 19:56:58};
---&color(purple){(パキィン、という甲高い音と共に宙を舞う愛刀「狭霧」の刀身。剣の腕での実力差は明らかだった)&br;(たった数回打ち合っただけで、こうも追い詰められるとは。これが勇者の実力か…それでも彼の剣には躊躇いが見えた)&br;};「████████████████、████████!? ██████、████…!」&br;&color(purple){(憂いを帯びた表情は、かつて共闘した者の豹変をいまだ信じられない様子であった)&br;何故…ですって? ヒューマンがどれほど度し難いのか、理解してしまったからです。されど魔族の肩を持つ理由もなし…だから今のボクは、双方の敵。&br;あぁ、この目…ですか? あなた方流に言えば…名誉の負傷。右目が無いと不便なので…貰いました。ええと…何て言いましたっけ?&br;魔界の将軍の一人……もう名前は忘れてしまいました。&br;(失った右目の代わりに、敵から抉り出した魔族の目。その金色の魔眼を見開いて見せる)&br;…そうだ、聞きたかったんですよトーマ君。 今のボクは、あなたからどう見えるのか。魔族?人類?}; --  &new{2022-05-18 (水) 20:15:09};
---&color(purple){(格下であれば、その魔眼と視線が合うだけで発狂させることさえ容易い。だが彼はまるで動じなかった)};&br;「██████████…█████!!」&br;&color(purple){あなたにもいずれ分かるはず…いつか必ず、裏切られる。&br;(柄だけになった狭霧に、紫水晶の刀身を生成し…再び構えをとる 同時に複数の魔法を発動させながら語る。自身の身に何が起きたのかを)}; --  &new{2022-05-18 (水) 20:17:21};
---&color(purple){(戦況もだいぶ有利に傾いてきた頃、ある特別任務が与えられた。)&br;(戦線後方のある村は、魔族が人間に扮して諜報活動や破壊工作などの拠点に利用されているという)&br;(残念ながら村民は全て犠牲になり、全員魔族と入れ替わっている ゆえに奇襲で全滅するべし)&br;…愚かな話です、謀られていたのはボクの方だったなんて。}; --  &new{2022-05-18 (水) 20:18:14};
---&color(purple){(何の抵抗もなく、作戦はあっという間に遂行できた。村民に魔族など一人も居なかったという事実を除けば)&br;(情報に誤りがあった訳ではない、意図的に誤情報を流され…シグレ・メールローは突然の乱心により民間人の虐殺をしたという結果が残った)&br;(この世界で生まれた者ならいざ知らず、異世界出身のシグレには人間と魔族の判別がつかない。そこを利用されてしまった)&br;(勝利が間近になってきて、ケーグル伯爵は急に領地を譲るのが惜しくなった。というのも、希少魔石の鉱床があの森の奥で発見されたためだ)&br;(そこで一計を案じた。実力で排除するのが困難であれば、人類の敵としてしまえばいい。魔族ともども葬られればそれでよし)}; --  &new{2022-05-18 (水) 20:19:20};
---&color(purple){世間では…味方の制止を振り切り、ボクが独断でやった事にされてるそうです。&br;あの森が欲しいのは…魔石なんかの為じゃないのに。放置すればいつでも魔界からの橋頭保にできる…それだけ危険な地だから&br;誰かが封じておかなきゃ、また何度でもこの戦争が起きる…幾ら説明しても、誰も耳を貸しませんでした。&br;当然…ですよね、狂人の戯言としか受け取られませんから。&br;};&br;&br;「█████████████……███、█████…」&br;&color(purple){…なのでゼイム帝国軍のシグレは死にました。そうですね…今のボクはさしずめ、石英の魔女…シグネ・メールローとでも名乗りましょうか。}; --  &new{2022-05-18 (水) 20:22:13};
---&color(purple){(公式の記録では、この二人の戦いはその後半日に渡り続くも決着がつかず…その後、終戦まで石英の魔女の出現報告は無い)}; --  &new{2022-05-18 (水) 20:22:44};
-&color(#00a3a7){◆SIDE ノエ}; --  &new{2022-05-17 (火) 20:09:34};
--&color(#00a3a7){(入学して約一か月。寮の自室で便箋にペンを走らせる…机の脇には、ゼイムから持ってきたデ・フェールの魔導書。)&br;(だけど、便箋に書き記されるのはただの数字の羅列。 ところどころにスペースが開く以外、記入されていくのは文字ではなく ひたすらに数字)}; -- [[ノエ>ARA/0002]] &new{2022-05-17 (火) 20:12:35};
---&color(#00a3a7){(どうしてこんな事になったのかというと、話は4月にまで遡る…)&br;(王国歴499年4月 ゼイム帝国ズィマー リートフェルト家別邸にて)&br;ほ、本当にやらなきゃいけないんですか…?(手渡された魔導書と、目の前の相手を交互に見て困惑の表情)}; -- [[ノエ>ARA/0002]] &new{2022-05-17 (火) 20:15:52};
---&color(darkred){当然だ。父上はこの件に関して緘口令を敷き、兄上や俺にさえ話そうとしない。しかしファウゼンは何か事情を知っているであろう。&br;近頃は市井でも不穏な動きがあると聞く…よって、父上とファウゼンの企みを暴くのであれば、貴様が適任と言えよう?&br;(傲岸不遜を絵に描いたような態度を崩さず、紅の衣装に身を包んだ鹿人の少年…リシャルト・リートフェルトは告げた)}; -- [[リシャルト>ARA/0002]] &new{2022-05-17 (火) 20:24:19};
---&color(#00a3a7){た、企みって…お師様はそんな悪い事とか考えてないですって!リシャ…ちょっとそれは穿った見方というか…&br;お師様のことはともかく、御父上のことは信じてあげてもいいのではないでしょうか…&br;(たまたま歳が近かったこともあり、お師様と一緒に挨拶に出向くうち…僕はリートフェルト家の次男、リシャルトと仲良くなった)&br;(といっても、彼の唯我独尊ぶりは度を越したもので…たとえ友人であってもこんな態度。親しくない人が相手ならもっと酷い有様だ)}; -- [[ノエ>ARA/0002]] &new{2022-05-17 (火) 20:29:25};
---&color(darkred){ではあの爆発をどう説明する?対外的には魔族が突如現れるも、偶然居合わせたファウゼンと貴様が撃破…魔族は最後の力を振り絞って自爆した…という事だったな?&br;(トントンと机を叩きながら事の経緯を辿る)…何も考えぬ愚物どもはそれで騙せよう。俺が見るに、あれは遺物絡みであろう…でなくば、説明がつかんからな&br;俺の危惧するところは…万一にも父上がファウゼンと共謀し、あの力を独占し、現皇帝への謀反など考えていた場合だ(軍事力によるクーデター。その下準備としての情報統制…)}; -- [[リシャルト>ARA/0002]] &new{2022-05-17 (火) 20:36:40};
---&color(#00a3a7){う、そ、それは…… じゃあ、そんな企みはないっていう証拠が出せればいいわけ、ですよね…&br;もしそんな兆候があったら、僕がこの杖の調査を終えた時点で…何らかの動きがあるはず、ですから…。&br;で……(改めて机の上に、魔導書を置き)……何でそれで、この魔導書が必要になるんです?}; -- [[ノエ>ARA/0002]] &new{2022-05-17 (火) 20:50:01};
---&color(darkred){ブックサイファーも知らぬのか、世話の焼ける奴だ。よくそれでファウゼンの弟子が務まるものだな?(全く同じ、初版本を並べるように置く)&br;手紙は暗号でやり取りする。俺と貴様以外では意味が分からぬようにな…(ぱらぱらとページを捲り)この本が暗号と復号のための鍵だ…なくすなよ?&br;本の記述内の単語を、ページ数や行、文字の順番を指定するために数列を用いる。 紅の兵団の諜報員の間では基本中の基本だ&br;本来はそこに解読用のコードを更に付け加えるが、貴様が理解できなくては意味もない 今回はシンプルに行くとするか}; -- [[リシャルト>ARA/0002]] &new{2022-05-17 (火) 21:04:20};
---&color(#00a3a7){(以上、回想おしまい)&br;はぁ……お師様からも、ゼイム出身の生徒からそれとなく色々探る様にって言われてるのに…(書き終えた便箋を封筒に入れ、魔導書を本棚に戻す)&br;どうして僕が二重スパイみたいな真似をしなきゃいけないんだろう…?(封書を投函するために、自室を後にした)}; -- [[ノエ>ARA/0002]] &new{2022-05-17 (火) 21:07:38};