ARA/0002 IAL/0004

  • ◆SIDE マルレーネ -- 2024-06-02 (日) 12:39:05
    • (第二艦隊の事件から暫く経つが、かの大魔術師はディンデルに滞在していた。事後処理が長期にわたる見通しから、当初より部屋を借りていたのだが)
      (ふと、玄関の扉がノックされる。その音に丸い耳を動かし)…どうぞーぉ、開いておりますよーぉ。(来訪者の入室を許可した)
      (それと同時、マルレーネの部屋はこの世界から、魔術的にも物理的にも切り離された それは防諜魔術とは比較にならぬ遮断で)
      -- マルレーネ 2024-06-02 (日) 12:46:28
      • 暫くぶりですわね、シグレちゃん。何となく雰囲気が変わりましたわね…(がちゃり、とドアを開けて入室してくるのは、ゴスロリ姿の狸)
        肩の荷が下りたみたいな、そんな顔をしてますわよ?確か扉繋ぎは、けっこう消耗するって聞きましたけど…
        (部屋の中央にあるテーブルへ、伯爵のステッキと…ザリアライトの結晶を置く)諸々片付きましたから、返却いたしますわ。それと…忘れ物!
        ダメですわよ、シグレちゃん…異世界に固有の品を置き忘れるのは。わたくしが保管にどれだけ注意を払ったことか…
        -- リーセ 2024-06-02 (日) 12:52:22
      • えぇ、えぇ…230年ぶりに、長い長い約束から解き放たれましてねーぇ…(感慨深そうにそう告げて、ティーセットをテーブルへ)
        これしきの疲れはーぁ、疲れた内に入らない程には身体が軽いんですよぉ…クウリ様。
        …あ。(忘れ物の件を指摘されれば、やらかした…という顔)すみませんでしたーぁ、しかしこれがここにあるという事は…京都はクレーターにならずに済んだようですねーぇ?
        …おや、おやおやおやぁ?(リーセを見れば目を見開く)そういうクウリ様もぉ、どことなく恋する乙女なオーラ全開でいらっしゃるようでー?
        -- マルレーネ 2024-06-02 (日) 12:57:40
      • あらら、という事はモルテ・ドートの件は…というより、水晶の森の件は解決したっていう事なんですの…?
        (勧められるまま、カップを手にして)えぇ、京都が魔境なのは変わらずですけど…ある程度鎮静化したと言っていいんですの。
        お陰で素敵な出会いにも恵まれまして、彼氏ができましたわー!見て下さいな、このイケメンっぷり!ブレイズって言うんですの!(スマホのツーショット写真を見せながらぐいぐい来る!)
        -- リーセ 2024-06-02 (日) 13:06:58
      • モルテ・ドートは完全に討伐されましたからぁ、これでボクも…森の番人はお役御免ですねーぇ(砂糖をどばどば紅茶に投入して)
        リートフェルト公爵家の相談役も、対話水晶で済みますしぃ…実地に赴く時はそれこそぉ、扉繋ぎで済みますからねーぇ まさかのリモートワークですよーぉ
        更に付け足すならー、今回の件でぇ…ゼイムの第八皇子から直々のスカウトがありましてぇ 事後処理が済み次第、そちらの派閥に組み込まれる感じですねーぇ。
        (眼前にスマホを突きつけられた状態での彼氏自慢には流石に苦笑い)え、えぇー…素敵なお方じゃあないですかーぁ… まさか、クウリ様が竜種とお付き合いなさるとは予想外でしたがーぁ…
        -- マルレーネ 2024-06-02 (日) 13:16:02
      • ジアリウスにもリモートの波がきてますわ…しかも出世してますの!これはお祝いしなきゃいけませんわね!
        (脇に置いていた紙袋から、箱を取り出し テーブルの隅へ置く)はい、「茶畑の庵」謹製の高級羊羹ですわ!
        こういうのは緑茶の方が合うかもしれませんけど…紅茶でもいけますわ!
        でしょうでしょう!?今はわたくし、彼と一緒に市内の映画館の運営をしてましてー(写真を次々切り替えながらのマシンガントークが続く)
        -- リーセ 2024-06-02 (日) 13:26:54
      • あはーぁ、これは良い物を…有難う御座いますよーぉ、クウリ様ぁ。 やはりこっちとあっちでは、羊羹もすこーぉし違うんですよねぇ…
        では早速お茶菓子としてお出ししますねーぇ?(キッチンでささっと切り分けて、皿に乗せてくる)
        いやはやぁ、クウリ様のこんなにも楽しそうなお顔を見れたのはぁ…何百年ぶりでしょうかねーぇ
        -- マルレーネ 2024-06-02 (日) 13:37:16
      • わたくし、こっちにも羊羹があった事に驚きですわ…んー、美味しいですわね(フォークで一切れ口に運び)
        やっぱり恋をすると若返りますわよー?シグレちゃんも、この機に良い人見つけたらどうかしら?
        少しはプライベートも充実させないと、わたくし達みたいに長く生きる者にとっては…生きる気力が持ちませんもの。
        -- リーセ 2024-06-02 (日) 13:53:38
      • 案外共通した食べ物ってあるんですよーぉ、技術レベルの違いで味や賞味期限に違いがありますけどもねーぇ
        (同じく羊羹を一口)……ほわぁ、これは甘美な………舌触りも見事な一品…!(至福の表情)
        んー…ボクはぁ、そういうの… というかぁ、基本的に人付き合い自体が苦痛になりやすいんですよねーぇ…
        どれだけ信用できる人でもぉ、毎日傍に居られたらぁ…嫌になってしまう自信がありますよーぉ…距離感が近すぎるのが、苦手なんでしょうねーぇ
        (そんな人生相談を交えつつ、互いの近況報告を兼ねたお茶会の時は過ぎていく…)
        -- マルレーネ 2024-06-02 (日) 14:05:43
  • ◆SIDE ??? -- 2024-05-23 (木) 20:06:53
    • (帝都にて第二艦隊によるクーデター事件が未遂に終わった数日後…ミネラとの国境付近にある廃村)
      「全員、私服に着替えろ。徒歩での越境は危険だが、このまま国内に残れば我々も無事では済まない 名を変え、顔を変え…ミネラで暮らす方が幾らかマシだ」
      (廃屋の中で1個分隊ほどの海兵が、民間人に偽装する為に持参した服に着替えている)
      (彼らはクーデターに加担した敗残兵だ。それでいて、事件に深く関わっているがため 他の兵と違い原隊への復帰だけで済むものではなかった) -- 2024-05-23 (木) 20:12:57
      • 「…大尉。」
        (着替えを終えた一人が、崩れかけた壁の隙間から外を見て 小さく声を上げた)
        「追手か。随分鼻の利く猟犬が居るらしい…」
        (ハンドサインで、裏口から3名を回り込ませる指示を出し…残りの隊員もそれぞれ武器を手に、戦闘態勢に) -- 2024-05-23 (木) 20:21:20
      • (廃村の入り口から広場に向けて、歩いてくる人影が2つ。背は低く、瓜二つのシルエットだ)
        「ねー、気づかれちゃったかなぁ?シャノン」
        「少し面倒な事になりそうね、ヴァーノン。」
        (黒髪にネコ科の耳と尻尾、金色の目…そんな男女の双子は、ダークグレーの軍服に身を包む。しかしゼイムの正規軍とはまるで異なる意匠である)
        「えーと、なんだっけ…シャノン? コードネーム「チャイカ」こと、ザハール大尉は生け捕りで…」
        「他は要らないんですって?ヴァーノン。 要らないってことは、消していいって事。」
        (二人とも、その手にはやや大柄なクロスボウを持っている…この時代にあるのか怪しいコンパウンドクロスボウ、それも上下二連構造で、近代小銃の如き木製のストック。極めつけは銃剣のように付けられた長いナイフだ) -- 2024-05-23 (木) 20:32:17
      • (ザハールの部下3名が裏口から密かに脱出し、小さな追手2名を側面から攻撃できるよう廃屋や茂みを回り込む…)
        (そしてザハールと残りの部下が廃屋の壁をバリケード代わりに攻撃準備を完了する)
        「隊長、あいつら何なんです?ガキの癖にゴツい武器持ってますが」
        「……厄介なのが追って来た。魔女の黒猫達……シュピッツェを投入してくるだと…」
        (此方もクロスボウを構えるが、それは隠密作戦用の小型のもの 殺傷力においては劣る為、矢に毒を塗布するなどして用いる)
        「黒猫…? 何ですそりゃぁ…」
        (隊員の一人が怪訝そうな顔をした瞬間、窓を割って投げ込まれる黒い球体。石か何かと思った瞬間には、廃屋が吹き飛ぶほどの威力で爆発が起きる) -- 2024-05-23 (木) 21:27:18
      • (それは炎の魔石を粉末状になるまで砕き、金属製の容器に充填したもの。破砕用の別の魔石が頭部に取り付けられており、硬い物に叩き付けて点火後…数秒で爆発を引き起こす)
        (容器の表面には破片効果を増す為に細やかな溝が刻み込まれ、まるで異世界の手榴弾のような外見をしていた)
        「バラバラになっちゃったかなー?」
        「そしたら怒られちゃうね」
        (二連クロスボウを構え、その扉に狙いを定める二人) -- 2024-05-23 (木) 21:50:49
      • (二人の意識の外、側面から撃ち込まれる毒矢。そしてそちらに反応した直後、廃屋からも毒矢が何本か飛来する)
        「噂には聞いていたが…最新兵器で武装しているだけか。大抵の魔物なら1〜2発で死ぬ致死毒だ…多少は効くだろう」
        (壊れかけた扉を蹴倒し、爆発で負傷しながらもザハールと部下は生きていた)
        「お前達シュピッツェの異常な再生力は知っている、魔石を生体に埋め込んでいるんだったか…悪趣味なこった」
        (次の矢を番えはせず、ナイフを引き抜いて構えると…それに倣って部下たちも近接戦闘に備えた)
        「てっきり正規軍か、あるいは銀狼の牙が来るだろうと思ってたんだがな…どうやら我々はあのバカ皇子を本気で怒らせたらしい。」 -- 2024-05-23 (木) 22:56:23
      • 「そう思うならー」「反撃の隙を与えちゃだめー」
        (側面から仕掛けた3名の内2名と、ザハールの横に居た部下2名が立て続けに倒れる。大型の金属製ボルトで胸や頭を貫かれていた)
        「毒なんてボクたちには」「効かないもの」
        (刺さった毒矢もそのままに、クロスボウの先に付けたナイフを構えて突進 槍の様に突き出して) -- 2024-05-25 (土) 19:47:17
      • 「ぎゃああっ!!」(応戦むなしく 短い叫びと共に、残った部下もナイフの餌食となる)
        「あとはー、大尉を確保して…」「おっしまーい」
        (にこにこしながらザハールへと歩み寄って行く。そして…) -- 2024-05-25 (土) 19:53:39
      • (帝都、ヴァーゼル邸執務室にて)…目標は無事確保できた次第。では速やかな連行を…なに?
        (メイドの一人からの報告を受けていた執事、その内容に怪訝そうな表情をした)
        無事、ではない…ですか。 えぇ、確かに私…生きていて喋れれば良い、と指示した次第。
        ですが連行に不便だからと、手足を落とすのは如何な物かと…(メイドも「私も同感です」と短く頷き)
        -- ルシーン 2024-05-25 (土) 19:59:13
      • シュピッツェ…戦力としては申し分ないですが、もう少々教育を徹底すべきでしょう。
        博士にもその旨伝えておくように。下がって宜しい(メイドが執務室を出ていけば、机に頬杖をつき)
        ………。 まぁ、この程度の滅びは覆してくれなきゃこの先が思いやられるからな。
        とはいえ……馬鹿な連中だなぁ、制御術式はサンプルだから必ず手を加えろと言ったのに そのまま使うとは…。
        お陰であっさり解除されてるじゃないか…シュトラッサーの手駒には、あの程度の術式を弄れる奴も居ないのか…?
        (モノクルの奥の瞳を細め…次なる計画へと思いを馳せるのだった)
        -- ルシーン 2024-05-25 (土) 20:07:43
  • ◆SIDE メルス -- 2024-05-12 (日) 12:09:19
    • (冬休み期間と言う事もあり、ヴァーゼル邸で過ごす時間が長くなった。その自室にて、寛ぐひと時)
      ナインザーガーと、話をしてきたのだ…頑固ではあるが、話の通じぬ相手ではない。もっとも…説得は失敗したであるがな
      (長いソファーにでろーん、と伸びるようにした姿勢。とても表では見せられないような格好だ)
      -- メルス 2024-05-12 (日) 12:13:39
      • 何すかその、ちょっと近所で有名人と会っちゃった!みたいなノリは…竜とサシで話す為に雪山の頂上まで行く皇子とかそう居ないっすからね!?
        (一方、対面のソファーでも同じような姿勢でごろごろしているイスト むしろこちらの方が立場的に問題だろう)
        大体、竜が人間の話をまともに聞くってだけでもマシな部類じゃねーっすかね…あいつらすげー身勝手な生き物っすし
        なまじ力持っちゃってるし、数が少ねーっすから…コミュ力鍛えられてねーんすよね 協調性?が無いっていうんすか…?
        -- イスト 2024-05-12 (日) 12:18:08
      • 竜もそんな分析をされては立場が無いであるな(くすくすと笑いを堪え)…いや、だからこそ人を知ろうとしているのやもしれぬ。
        そして話は変わるが、先日の下水道での一件…そなたは気づいたであるか? 不審な点が幾つもあった事に。
        魔瘴石と台座が一番怪しいであるが、それ以外の部分に。
        -- メルス 2024-05-12 (日) 12:23:00
      • んぇ?人は瘴気の影響でゾンビになれるのか…っつー部分っすか?(心当たりが特に無い為、当てずっぽうな答えをして) -- イスト 2024-05-12 (日) 12:25:47
      • その部分も不審ではあるが…(と前置きして)あのゾンビ達の中に、バーデ上等兵が居た。
        そなたの事だ、「誰っすかそれ、有名人?」という言葉が返ってくることを前提に説明するのだ… 入学前、私達が捕らえた脱走兵が居たであろう。
        飛竜の調教法を暗記し、亡命を図ろうとした男である。 今頃であれば極刑か、あるいは牢獄…そんな筈の者が何故あの場に生ける屍となっていた?
        -- メルス 2024-05-12 (日) 12:36:47
      • (暫く呆けたような顔で話を聞いていて)……あーあー、居たっすねそんな奴。あの後のお説教の方が印象強かったっす…
        ゾンビの刑とかあるわけねーっすよね…(ハゲの刑、みたいなノリで)脱獄した先でああなった…とかっすか?
        -- イスト 2024-05-12 (日) 12:39:17
      • 続きがあるのだ。 戦闘中、私がバーデ上等兵に気付いた途端…コール殿は光線で彼の顔を撃ち抜き、判別のつかない状態にした。
        それは偶然かもしれないが、もう一つ不審な点がある。 逃げ出した冒険者が居たであろう?あの二人…冒険者ではない。
        (仰向けになると、装飾の施された天井を見上げて)
        -- メルス 2024-05-12 (日) 12:43:24
      • 冒険者ではなく…ただのハゲ…!(シリアスな顔でそう言ってのけた)…って話じゃねーっすね、これ どっか別の所属があるって事っすか -- イスト 2024-05-12 (日) 13:07:10
      • 最初に逃げてきた時点では気づかなかったであるが、最後…コール殿に連れられて来た時の歩き方である。
        あれは海軍式のものである、歩幅や速度…どんなに見た目を偽装しようと、染みついた癖は隠せなかったようであるな。
        つまりあの二人は海兵であり…冒険者を装う必要があった。となれば、同行していたコール殿も限りなくクロに近いであろうな。
        今回の件、海軍が裏で何か糸を引いている可能性があると…私は見ている。
        -- メルス 2024-05-12 (日) 13:10:46
      • マジっすか…じゃあ、マクシミリアン様に探りを入れて貰うとか…がいいんすかねぇ
        あとは、コールの普段の素行…経歴とかを調べられればなんか分かるかもってとこっすか?
        -- イスト 2024-05-12 (日) 13:13:17
      • それも考えてはいるのであるが、叔父上自らが動く事は難しいのである…となれば部下を動かす事となろう。
        関わる人数が多くなればなるほど、秘密は外部に漏れやすくなるのである 相手に警戒されては余計に調べにくくなるのだ。
        よって、主たる調査はルシーンに一任するつもりである あやつであれば一晩でやってくれるであろう。
        …よし、ごろごろタイムは終了であるっ 私は少し出掛けてくるであるぞ、コートを用意せよ!
        (ソファーから立ちあがって、部屋を出ていくのだった)
        -- メルス 2024-05-12 (日) 13:17:42
  • ◆SIDE ??? -- 2024-05-05 (日) 12:44:34
    • (帝国暦429年7月 リートフェルト公爵領ズィマー ドゥーガ遺跡)
      (広大な地下に建造された、古代文明の遺跡。複雑に入り組み、深くまで続くこの遺跡の調査は、比較的浅い層のみが進められるに留まっていた)
      (その原因は、経年劣化や過去の地震などによる崩落。そして何より奇妙な事に…この遺跡に、スロープや階段らしきものは殆ど無い。)
      (そんな極端な高低差が発掘調査を拒む要因であり、長らく深部は封鎖されたままであった。)
      (状況が変化したのは5年ほど前。中層の祭壇から無傷で発見されたルーキス・オルトゥスという杖…その本来の機能が、公爵家の耳に入ったことによる)
      -- 2024-05-05 (日) 13:00:10
      • (発掘の再開と共に、こちらもザリアライトの産出地と同様に紅の兵団による警備が強化された。ルーキス・オルトゥスと同種の遺物が発掘された場合、厳重な管理が求められる為だ)
        (それまでは予算の都合もあり軽視されてきた遺跡も、今となっては盗掘された際のリスクが非常に高いものという認識に改まった)
        (それでいて、この遺跡で見つかる遺体の数々は身に着けた装飾品が高級なことが多く 換金目的での盗掘が後を絶たなかったことも、警備強化の一因といえた)
        -- 2024-05-05 (日) 13:14:12
      • (今では巨大な湖となっているザリア時代の爆発跡。あれに巻き込まれず無事で存在している地下遺跡、そして中に居たのが身分の高い者達であったなら…)
        (一部の支配層だけが生き延びる為のシェルターのような役割を担う為に作られたものかもしれない というのが、公爵家相談役のマルレーネ・ファウゼンの見立てだ)
        (その仮説が正しければ、ザリアライトに秘められた真の破壊力を操る為の遺物は、まだ出土する可能性が高い)
        -- 2024-05-05 (日) 13:19:00
      • (遺跡の上層と中層を繋ぐ広間。ここに中層以下から新たに発掘された遺物が一旦集積されている)
        (天井は非常に高い吹き抜け構造となっていて、上層に上がるには別の通路から少しずつ地上を目指す必要がある)
        (この広間に考古学者と、護衛である紅の兵団のキャンプが作られ 日の光が届かぬ地下でも、幾つもの魔石灯が設置され、活動が行える拠点となっていた)
        -- 2024-05-05 (日) 13:27:24
      • (現在時刻深夜1時。夏であってもこの地下遺跡は肌寒い程に感じられる空気が漂う)
        (殆どの者はテントで寝静まり、歩哨に立つ数名が時折見回って通路側から来るものが居ないか監視している)
        (天井の吹き抜け。その通気口から、闇の中を自由落下してくる人影が8つ だがロープは身に着けていない)
        (それらは床に叩き付けられれば無惨な肉塊と化してしまう筈だが、そうはならず…直前で青白い光に包まれ、ふわりと減速、音も無く降り立つ)
        (全身を黒い服装で固めた一団は、隠密性を重視し防具の類を身に着けていない。手にはクロスボウと、ナイフのみ。腰には奇妙な銀色の球体があった。)
        (まず歩哨を静かに始末し、クリアリングを済ませるとテント内を1つずつ制圧。そうして生存者が一人も居なくなれば…)
        -- 2024-05-05 (日) 13:39:55
      • 「制圧完了、第二段階に移行」
        (リーダー格の男がそう短く指示すると 3名が遺物の集積されたエリアへ 残りが警戒に当たる)
        「……大尉、ありました。鍵です」
        (そう言って見せたのは、ルーキス・オルトゥスにも似た質感と意匠を持った、剣の柄のような物体だった)
        「間違いないな。本部に連絡、”カモメは夜明けの海を飛んだ” 目的は達成した、撤収する。」
        「はっ!」
        (海軍式の敬礼をし、速やかに魔導器による連絡と撤収準備に移る一団。再び腰の球体に触れると、ゆっくり上昇して元来た通気口から遺跡を後にした)
        -- 2024-05-05 (日) 13:48:43
      • (数分後、帝都ディンデル貴族街 シュトラッサー邸)
        「将軍、チャイカより伝令、読み上げます。 ”カモメは夜明けの海を飛んだ” …以上です。」
        (その短い文章の中に、予め打ち合わせておいた作戦が成功した事を示す単語が全てあったことに、将軍と呼ばれた初老の男は満足げに頷いた)
        「分かった、下がって良い。」
        (伝令を退室させると、眼鏡をかけ…自身の机の上に広げられた帝都の地図…各所に印のつけられたそれに目を落とす)
        「鍵は揃った…聞けば、第八皇子も我々の贈り物を受け取ってくれたようだ。もう少しで、我が理想は実現する…」
        (将軍の横に立つのは、ロートガルデの制服に身を包む竜人の特徴を持った少年。)
        「あとは機が熟すのを待つ、という事ですね……要待機、です。」
        「事は慎重に進めねばならない…その為の欺瞞も、幾らかは必要だろう。貴様の出番だ、くれぐれも気取られるなよ?コール…」
        -- 2024-05-05 (日) 14:08:04
      • 「…は、畏まりました。将軍のご意思のままに…要実行、です」
        (その表情は一切の感情を内包せず 抑揚のない、機械的な言葉と恭しい礼が、なんとも不釣り合いだった)
        -- コール 2024-05-05 (日) 14:11:34
  • ◆SIDE ルシーン -- 2024-05-04 (土) 01:39:00
    • (死んだ、そう確信していた。それだけに、まだ意識があり 自分の身体が無傷でこの場にあるという現実を受け入れがたかった)
      どう…なってる……?(声も出る。自身のどこにも異常は無い。だがその事こそが最大の異常なのだ)
      (直前まで自分が居た筈の景色とまるで違うのだ。T県の山中にあった、廃工場…そこで厚生労働省衛生二課のエージェントとやりあった)
      (自身の目的を達したと思った矢先、一太刀でどのような敵も葬り去る刀「善刃御刀」の一突きを受け 自分は滅びを迎えた筈)
      (だというのに…周りの景色は、山中であるという事以外まるで違う。 木の種類すら判然としない。遠く麓に見える建造物群は…村だろうか)
      -- 2024-05-04 (土) 01:46:51
      • やけに前時代的だな、ヨーロッパの田舎にでも飛ばされたか…? …チッ、月虹はどこに行った…(手にしていた筈の火縄銃も見当たらない)
        まぁいいさ、あの羊のガキはしくじった!雪月の詰めの甘さがボクを生かしたわけだ!はは、愉快な話じゃないか
        (臥待月紫月、という人格は複数存在する。彼のフォースステージ相当の異能「千編挽歌」(せんぺんばんか)は、人格や記憶を並列化した分体を生み出す。それもほぼ無制限に)
        (今ここにある自分も、その数ある分体のうちの一体に過ぎない。 もし仮に死んでしまったなら、そこで本体と同期をとって再び分体を送り出せばいいだけの事)
        (そうやって、この邪悪な妖狐は歴史を裏から操作し、弄び、ありとあらゆる滅びを見つめてきた。自分自身の滅びも幾度となく経験した)
        -- 紫月 2024-05-04 (土) 01:56:12
      • (それだけに、今回も死は確かなものだと思っていたのだが…実際には、訳の分からない場所に飛ばされただけのようであった)
        …じゃ、ひとまずフランス支部辺りに連絡をとって迎えを寄越してもらうかな(着物の懐からスマホを取り出して)…圏外?これだからド田舎は…
        (繋がらない。そこで気付く…繋がらないといえば)…何で本体と同期がとれない…? どうなってるんだここは…
        -- 紫月 2024-05-04 (土) 02:00:46
      • (現状把握に時間を割いている間に、複数の足音が近づいてくることには気づいていた。だが敢えて気づかぬふりをして)
        (その気配の数、6。 一応隠れたつもりなのだろう、取り囲むようにして距離を詰めてきていた)
        ……で? 何なんだい、お前らは…ここからでも臭うぞ。風呂ぐらい入って欲しいものだなぁ
        -- 紫月 2024-05-04 (土) 02:08:13
      • 「おいおい、ひでぇ物言いだな 聞いたかよ?」
        「あぁ聞いたぜぇ…俺達の事を見下してる目だ、そいつは」
        「白っぽい服着てやがるし、コイツ「銀狼の牙」か?」
        「知ったこっちゃねぇ、たった1人で何ができるってんだ 金目のもんを奪って身ぐるみ剥いじまえ」
        (ぞろぞろと草むらや木の陰から出てくるのは、山賊だ 斧や蛮刀を手に、ぎらついた目で獲物を睨みつける)
        -- 2024-05-04 (土) 02:14:02
      • (山賊どもの服装を見ただけで、明らかに現代ではないと理解できる 何かの撮影という線は薄い)
        今ボクは忙しいんだ、ゴミに構っている暇は無いのさ…分かるかい?(指先サイズの手ごろな小石を両手で幾つか拾い上げる)
        (そうして、握った両手をそれぞれ右と左に…腕を伸ばして)砲兵指弾(ほうへいしだん)・四指。(握った手を、開いた)
        -- 紫月 2024-05-04 (土) 02:20:56
      • (空気の爆ぜる音がした。音の壁を越えて加速した小石が、一瞬で4人の山賊たちの胸に貫通した穴を穿つ。それは銃創にも似た傷だ)
        「げぇっ…!」「ぐがっ!」「うぅ……」「あ、え…?」(皆一様に、自分の身に何が起きたか理解するよりも前に、血を流し倒れる)
        「や、野郎てめぇっ!」(逆上した一人が蛮刀で斬りかかる もう一人はその場から動けずにいた)
        -- 2024-05-04 (土) 02:28:20
      • ……ただでさえ鼻が曲がりそうだってのに(揺らぐように残像を残し、刃の軌道から逸れ…代わりに手刀を見舞う)
        (山賊の首から上が宙を舞い、ごろんと地面に転がり落ちる)…血まで臭くてかなわない、手が汚れたじゃないか。
        (そうして最後の一人に向き直る)何でボクがお前を生かしておいたか、分かるかい? 分からないだろうな、説明してやるほど親切でもないんだけど
        -- 紫月 2024-05-04 (土) 02:34:53
      • (間違いない、自分たちは決して敵に回してはいけない化け物を獲物にしてしまった)
        (山道を通りかかる旅人だの、行商人だのを襲って奪う。それだけの簡単な仕事の筈だった たった一人、奇妙な格好をした獣人など恰好の標的だった筈だ)
        (だが、それが間違いだった)…な、なんなんだ 一体なんなんだよぉ、お前は!?(武器を落とし、恐怖にへたり込む事しかできない)
        -- 2024-05-04 (土) 02:40:48
      • 言ったところで、どうせ理解できないだろうけど…教えてあげようか?(ゆっくり歩み寄り、顔を覗き込むようにして目を合わせる)
        (紫紺と、赤紫のオッドアイが、山賊の黒目を覗き込む。全てを見透かすように…)
        ボクの名前は臥待月紫月…ディザストロの首領さ。
        少し聞きたい事があるんだ、命が惜しければ答えてくれるよなぁ?(にやにやしながら、有無を言わさぬ口調で続ける)
        まずはお前達のお仲間がいる拠点の場所。それと…この辺りを統治してる、偉い奴の拠点…その二つを教えなよ
        -- 紫月 2024-05-04 (土) 02:46:19
      • (ただの山賊、とはいえ仲間を売るような真似はできない 幾ら命が惜しかったとしても…)
        (そんな決意もあっけなく上書きされてゆく。紫月のセカンドステージの異能「潜異暗化」(せんいあんか)によって…その精神は汚染され、蹂躙される)
        うぅ、ぁ……??? お、俺達の仲間は…南の尾根の方にアジトがある…で、でけぇ岩が目印だ…
        ここいらを治めてるのは、ヴァーゼル辺境伯だ…西のグラオハーフェンに、城があって、そ、そこに居る…!
        ちゃ、ちゃんと喋ったからもう行っていいだろ…?(紫月が小さく頷くのを見れば、一目散にその場を逃げ出した)
        -- 2024-05-04 (土) 02:59:05
      • あぁ、ありがとう。 命が惜しければとは言ったけど、喋っても…別に生かしておいてやるとは言ってないんだ。
        (先程よりも少し大きめの石を、指で弾き出す。逃走する山賊の後頭部が爆ぜ、どしゃりと勢いのままに崩れた)
        …さて、それじゃあこのゴミどもの全滅を手土産に、ヴァーゼル辺境伯ってのに取り入ってみようじゃないか。
        原始的だけど、案外あっちに無かった異能だのが転がってるかもしれない…それに、また違った「滅び」が見れるかもしれないだろう?
        ははははは…!(山賊のアジトの方へ、悠々と歩き出す)
        (時は帝国暦415年。山賊の集団を壊滅させた手腕を買われ、ヴァーゼル家に剣術指南役として雇い入れられた)
        (ルシーン・ヴィオーラという新たな名で、妖狐はゼイムの中枢に潜り込む第一歩に成功したのだった)
        -- 紫月 2024-05-04 (土) 03:09:51
  • ◆SIDE ??? -- 2024-04-24 (水) 20:49:55
    • (帝国暦428年12月 リートフェルト公爵領ズィマー カローリ鉱山)
      (一面を染め上げる赤。それは炎と血と。 その中に佇む人影はただ一つ)
      ………。(少年は、一糸纏わぬ生まれたままの姿で 自分の掌についた血をじっと眺める。その手を握ったり、開いたり 感覚を確かめるように繰り返す)
      (人の姿と異なる部分があるとすれば、頭部から生えた巻き角と、尻から生えている鱗を纏った尾 世に言う竜人に近い姿をしたそれは)
      ████████……(口を開くなりノイズ交じりの、およそ言語とは思えない音を発する)
      ………?(喉の辺りを軽く指で触れ)…要修正です。 これでヒューマンにも聞き取れる筈。(ラジオの周波数が合ったかのように、徐々にノイズが薄れ 明瞭に聞き取れる声となる)
      -- 2024-04-24 (水) 21:06:16
      • (それから、自身の身体をじっくりと検分する その間も炎は広がり、熱に晒されるが意に介さぬ様子で)
        …身体構成部の約8%に侵食による変異を確認。 要再構築、ですが…本体への影響を反映している模様
        石英の魔女……(自らがこのような姿となるに至った直接の原因、その相手の名を口にし)…要復讐、です。
        -- 2024-04-24 (水) 21:40:16
      • (長い前髪を掻き上げると、その左目は死者の如く白く濁っていた)
        (角は一部が砕け、その断面からは紫水晶が幾つも結晶化して生えてきている)
        ですが、まずは……この229年で人界がどう変化したか…要検証でしょう。(眼前に転がる巨岩。単一の結晶としては最大級のザリアライトを見上げ)
        (爪の先でなぞるように、空間に裂け目を作れば その巨岩を片手で掴み…その中へと放り込む)
        -- 2024-04-24 (水) 21:49:29
      • (カローリ鉱山は、ある日突然壊滅した。 鉱員達も、警備についていた紅の兵団の者達も、一人残らずその痕跡を残さずに消えてしまった)
        (ゆえに目撃者は誰もおらず、何が起きたのかは推測で語られるのみとなる)
        (ただ一つ分かっているのは、採掘されたものの、あまりの巨大さゆえに破壊か隠匿か判断に困っていたザリアライトが跡形もなく消失したということ)
        (その危険性を知るがゆえ、厳重な警戒が敷かれていたにも関わらず それを無力化し、全てを消し去った上で持ち去った者がいた、という異常な事実が残った)
        -- 2024-04-24 (水) 22:01:05
      • (かつて第二次人魔大戦において、魔族に与し 暴虐の限りを尽くした邪竜が居た。あらゆるものを侵食、腐蝕、腐敗させていく竜。)
        (己が力を振るう事よりも、人という小さき存在が滅びに対してどう抗うのかという好奇心を満たす為だけに参戦した)
        (そして、旧ケーグル伯爵領…現在で言うところの水晶の森の奥地にて かの勇者トーマと、彼に協力した当時のゼイム軍によって討たれたることとなる)
        (そのゼイム軍の一人に、後に石英の魔女シグネ・メールローと呼ばれる存在があった。彼女の紫水晶によって固められ、無力化されるに至った邪竜)
        (しかし、長い年月をかけて竜は魔女の目を欺き…紫水晶と繋がる地下鉱脈を伝い、作り上げたマナ体の中に自身の意識を移す事に成功した)
        (その名は…腐竜モルテ・ドート。)
        -- 2024-04-24 (水) 22:17:41
  • ◆SIDE イスト -- 2024-04-22 (月) 21:54:47
    • (入学より一年ほど前のお話。 帝都、貴族街にあるヴァーゼル家別邸…その地下へと続く階段を降りる二人の人影)
      それで、撃退ではなく捕縛したと……それも私に気付かせず、朝食が済むまで伏せておくとは そなたも人が悪いであるな。
      他の使用人たちにも口止めしていたのであるか?
      -- メルス 2024-04-22 (月) 21:58:57
      • いえ、当方このような些事で殿下の睡眠の妨げとなる必要は無いと判断致しました次第。
        そして寝起きにお耳に入れるような話題でも御座いませんでしたので…
        (極めて事務的に理由を説明し、地下室の扉の前で足を止める 魔石灯の薄青い明かりだけが周囲を照らす)
        …此方で御座います。 処遇につきましては殿下がお決めになってはと愚考致します…
        -- ルシーン 2024-04-22 (月) 22:05:51
      • そなたの判断基準はどうにも一般人とズレているであるな…賊の侵入、それも魔族とあれば一大事であるぞ?
        (もっとも、それを予知能力ばりの察知で瞬時に対処し圧倒、捕縛に至る手際も大概化け物なのだが…)
        まぁ、そなたであれば石英の魔女が来ようと同じように対処しそうであるが…して、淫魔といったか?
        であれば、ジニメアドナの手の者であろうか……まぁ良い、少し尋問してみるのである。(ドアノブに手をかけ、静かに開く)
        -- メルス 2024-04-22 (月) 22:12:49
      • 一切の抵抗は行えないよう処理済みですが、ご要望があれば手足の一つや二つ落とすこともできますゆえ…(軽く手刀を振るジェスチャー)
        当方も立ち会って宜しいので? それとも外で待機しておりましょうか
        (それは危険が限りなくゼロであるほど無力化した事を確信しているがゆえ)
        -- ルシーン 2024-04-22 (月) 22:22:16
      • さらっと怖い事を言うでない!(彼のジェスチャーは文字通りに、素手で切り落とすという意味なのが分かっている為嫌そうな顔をする)
        では扉の外で待て。尋問が済んだ際、扉を三度叩く…
        (執事が「畏まりました」と言い終えるよりも前に、扉を閉じた 魔力的影響により防音が施されている地下室だ。聞き耳を立てても扉の向こうの会話は聞こえない)
        さて……まずはそなたの名を聞こう。私の名はメルスである……(傍らに置かれたカンテラで、壁際の椅子に拘束された魔族を照らし出す)
        …いや、やりすぎであるなこれは!?(手足の拘束は勿論のこと、その上から鎖で何重にも巻かれ 目隠しに猿轡と、およそ尋問を行える状態ではなかった)
        -- メルス 2024-04-22 (月) 22:32:33
      • (目隠しはそのままに、猿轡だけ外される褐色肌の魔族)…ふへぇ、危うく一方的に話される流れかと思ったっすー…
        今ぼくの前に居るのがメルスさん、と。 ぼかぁイストって名前っす…家名はねーっす、ただのイスト。
        (声がするであろう方向を向くが、やはり見えている訳ではない)
        -- イスト 2024-04-22 (月) 22:40:27
      • 斬新な呼び方をされたであるな… イストよ、そなたは私の事を知らず屋敷に潜り込んだのであるか?(不可解そうに)
        目的、というか同機を聞きたいところであるが…淫魔の目的とあれば大体絞られるであるな?
        誰の差し金であるか、早々に吐いてくれるのであれば手間が省けるであるぞ
        -- メルス 2024-04-22 (月) 22:44:39
      • そりゃ初対面っすからねー、あれ…もしかして人界では有名人とかだったりっすか?
        差し金っつーか…通りすがりっす この屋敷の傍を通ったら、ものすんごい芳醇なマナと精気の香りがしたもんでー…へへ、抗えなかったっすねー
        (悪びれる様子もなく、へらっと笑ってそう答えた)
        -- イスト 2024-04-22 (月) 22:49:38
      • 知らんのか、そうか知らんのか! 一応私は、ゼイム帝国の第八皇子であるぞ……一応…(しょぼん)
        ふむ…淫魔を惹き付ける芳醇な… 大方、うちのメイドの誰かであろうが、果たして誰を狙ったものやら
        (起伏に富んだ体つきのメイドを数名思い浮かべる)…しかしそれは未遂に終わった、という訳であるな?
        -- メルス 2024-04-22 (月) 22:56:13
      • やべ……そりゃー悪い事をしちまったっす… ぼかぁこっちの事にはとんと疎くて…(ガチで凹む様子にちょっと申し訳なくなる)
        そうっすね、あの執事さん何者っすか……姿を見失ったと思ったら後ろから声がして、一瞬で意識持ってかれたっすよ…こわ…
        ……んぁ? 狙ったのはメイドじゃねーっす(くんくん、と何かを嗅ぐように鼻を鳴らして)…間違いねーっすね、狙いはメルスさんっす。
        -- イスト 2024-04-22 (月) 23:00:29
      • うむ、よいのだ…魔界まで轟くような名でない事は承知している ゆえに赦すのであるっ
        アレはそういう化け物なので、そういうものだと思っておけばよいのである いわば私の最強の手駒であるな。
        (切ればどんな不利な状況さえもひっくり返すワイルドカード、ゆえに使いどころが難しく乱用できない それが執事のルシーンである)
        ……は、私で…あるか……?(気の抜けた声で、問い返す。理解が追い付かない)むぅ、私の体質がマナの方の原因であることは分かるのだ…
        しかしその、後者は…その、私はまだ………(非常に言いづらそうに濁すが)……あぁ、そういう事であるか。
        ……イストよ、そなたには三つの道がある。 いずれかをそなたが選ぶと良いのだ
        -- メルス 2024-04-22 (月) 23:08:25
      • 三つも選択肢があるっすかー、このまま解放してくれる…なーんてのは無さそうっすね…(そこまで都合のいい話も無いだろう、と)
        選ばせてくれるんなら、続きをどうぞっすよ(とはいえ、捕縛された魔族の扱いなど大体想像がつく マシな選択肢があれば上々、程度の期待だ)
        -- イスト 2024-04-23 (火) 21:16:56
      • 一つ目は、このまま衛兵に突き出し処刑される道である。罪状は十分に重い、ゆえにすぐにそなたは終わる事ができるであろう。
        二つ目は、無害化され人間に使役される道である。奴隷同然の場合もあるが、運次第ではまともな生活もできよう
        そして三つ目であるが… 私と契約し、私の配下となる道である。 二つ目とどう違うのか、と聞かれる前に答えておくのである…
        私の従者となり、私と行動を共にせよ。 そうすれば、そなたが欲しかったものを褒美として渡すのである
        -- メルス 2024-04-23 (火) 21:28:35
      • 実質一択だったっすね… あれっすか、めっちゃこき使われる展開が待ってたりするっすかー…?
        …って、ぼくの欲しかったものってーのは……え、マジっす? それなら勿論契約するっすよ
        (思わぬ収穫だ、とばかりに舌なめずり その仕草さえも妙に淫靡なのは生まれついてのものだろう)
        -- イスト 2024-04-23 (火) 21:38:50
      • だが、ひとたびその道を選べば 今までそなたが好んできたものは、全て味気ない、満たされぬものとなるのである
        舌が肥える、とでも言えばよいであろうか…龍血と私の体質とが合わさった影響なのであろうな、恐らくは(イストの先程の動機からの推測でしかないが)
        そして…そなたの言葉通りであれば、私はそれを与えることも可能な身体となっている筈である。
        誓うのである、今後メルス・レトフ・ヴァーゼルの名の下に、従うと…(少し恥じらいながら、ゆっくりとズボンを下ろしていく)
        -- メルス 2024-04-23 (火) 21:54:44
      • つまりぃ、これが最初で最後の最大のご馳走になるってわけっすねー……んふふ、それじゃあ遠慮なく…
        (かくして契約は成立する。 それは二人にとっていずれも経験した事のない甘美な時間となった…)
        -- イスト 2024-04-23 (火) 22:00:48
  • ◆SIDE メルス -- 2024-04-21 (日) 15:37:28
    • (これは、彼が入学するほんの少し前の出来事)
      (8月中旬のイシラ港。まだ夏の暑さも残る時期…といってもミネラよりは冷涼な気候、夜ともなれば幾らか過ごしやすい気温)
      (等間隔に設置された魔石灯の明かりが照らし出す人影は、深夜ゆえに殆ど無い 桟橋のたもとで荷物を手に佇む男が一人)
      (時折、左右を確認しては約束の人物が現れないことに、焦りを感じ始めていた。予定の時刻はとうに過ぎている)
      -- 2024-04-21 (日) 15:44:17
      • こんな時間に待ち人であるか?(不意に、声がした。それも上からである)
        残念ながらそなたの雇った逃がし屋は、急な予定変更により来れなくなったのである。
        (それは倉庫の屋根の上 躊躇もなく下に飛び降りると、着地寸前に青白い光を纏い…減速してふわりと着地した)
        どうして知っている、という顔をしているな? バーデ上等兵。逃がし屋は今頃衛兵の詰め所で尋問中である
        (男にとってはまるで面識のない相手が、事情を話し始めた これには流石に混乱するも、状況はまずい方に傾いていると即座に理解した)
        -- メルス 2024-04-21 (日) 15:54:14
      • っ…何だ、お前は! くそ、これだからもっと早くしろと言ったのに…あいつら。
        (荷物を脇に置き、ローブを脱ぎ捨てる その下の服装は上着こそ着替えているがズボンは海軍の制服。そして腰には制式のサーベル)
        さっさと逃げねぇと…か(サーベルを引き抜くと、構えをとる)そこまで知ってんなら、生かしておく訳にもいかねぇ
        悪いが…!(一気に駆け寄り、上段から振り下ろす軌道。致命傷を一撃で与え、荷物を回収して一度潜伏場所を…振りかぶりながらそう頭で算段をつける)
        -- 2024-04-21 (日) 16:02:36
      • (メルスを狙った凶刃は、直前で振り抜かれた彼のサーベルにぶつかり…そして金属音と共に細かな破片を撒き散らし、砕けた)
        一度見れば、書物であろうと絵画のように正確に記憶が出来る…そんな類稀なる才能を、ここで失う事は海軍にとっての喪失であるな。
        しかしである…飛竜の調教法の国外持ち出しは重罪なのだ。 考えたものであるな、「記録」を持ち出さず「記憶」を持って亡命しようとは
        今後はそういった手法への警戒も強めねばならんわけであるな…何処へ行くつもりであった、ミネラか?それともギザニアか?
        (ぴたり、男の首に刃が当てられる)…どうした、そなたもゼイムの帝国民であるならこの程度で屈する事はあるまい。
        それとも、誇りまで他国に売り渡したのであるか?
        -- メルス 2024-04-21 (日) 16:12:10
      • く……何なんだ、一体…お前は……(男の手には半ばより刃の折れたサーベル、これでも十分に武器にはなるが…こちらも致命傷を負うリスクが高い)
        (手元に注意が向いている今、敢えて剣は使わず足払いでこの状況を打破するという結論を出し…)
        (その計画を速やかに実行に移すべく、足に力を入れた)
        -- 2024-04-21 (日) 16:18:35
      • あぁ、あったっすよー ゴールドの硬貨、少なくともこれでミネラ経由のルートなのは確定っすね
        (そんな張り詰めた状況を破壊するような、気の抜けた声。桟橋に置いておいた荷物を漁って、証拠品となりそうなものを検分しているダークエルフ)
        …あ、続けていいっすよ? ぼくにはお構いなくっす…まぁ、あと5分と待たずに衛兵と海軍の憲兵隊が到着すると思うっすけど
        (へらりと笑いながら、既に通報済みである事実を明かす)投降をおススメするっすよー 殿下への狼藉と不敬の数々、憲兵さんに見られたら言い逃れできねーっすから
        -- イスト 2024-04-21 (日) 16:25:06
      • ええい、今いいとこだったのである!流れをぶった切りおって…(ぶつくさ文句を言うが、男はといえば殿下というワードに完全に固まる)
        なんだ、本当に知らなかったのであるか? まったく、私の知名度もここではまだまだであるな…オリヴェール兄様やバルター兄様のようにはいかんのである。
        まぁ良い、知らなかったというのであれば不敬も狼藉も不問に処す。そなたは元の罪により裁かれるがよいのだ
        (もっとも、それだけでも十分な重罪 果たしてどれほどの刑が与えられるのかは分からないが…)
        私の名は、メルス・レトフ・ヴァーゼル…この国の第八皇子である。(そう名乗り、静かにサーベルを鞘に納めた)
        (遠くから複数の足音が響き、カンテラの明かりが見える)む、予想よりも早かったであるな よく訓練されている…
        -- メルス 2024-04-21 (日) 16:34:18
      • 実は結構危ないトコだったっすよ? 殿下気づいてなかったかもっすけど…(だから声を出したのだ、と)
        おー、来た来たっすー…国家の重大機密の漏洩を阻止!これはかなりのお手柄っすよねー
        さ、上等兵を引き渡したら今回の任務は完了っす 帰ってゆっくり休みましょうっすー
        -- イスト 2024-04-21 (日) 16:39:41
      • うむ……一件落着とはいかぬが、彼に連なる者たちの調査や検挙は衛兵たちに仕事を引き継ぐとするのである!
        (一仕事終えた顔で憲兵に上等兵を引き渡す)
        (…が、この後憲兵のお偉いさんにめっちゃお説教された)
        -- メルス 2024-04-21 (日) 16:43:09
  •  
  • ◆SIDE ノエ -- 2022-05-23 (月) 20:44:03
    • (寮の自室に戻ると、自分宛の荷物が届いており まず添付されていた手紙を開封する)
      お師様から…でも、わざわざ対話水晶を使わずに手紙って… この荷物も、何か重要なものなのかな…
      (箱の中身はそれほど重くないのを確認し)…えーと、極秘任務……です?(ごくり…)
      -- ノエ 2022-05-23 (月) 20:46:46
      • 指定した日時、以下の場所へ潜入せよ…尚、この任務は極秘であるため正体が知られる事は決して許されない…(小声で便箋の内容を読み上げる…頬を伝う冷や汗)
        潜入に必要な変装セットは同梱したので、活用するといいでしょう ……へ、変装!?
        何かこう、国家間の陰謀的なあれこれに知らない間に巻き込まれてますか僕…! ん?でもこの住所って……え、学院内…?
        (荷物を開けて、中を確認する…衣類のようだ)……えぇーっ!?(そして日時の確認のためカレンダーを見る)………お師様、これは一体…。
        -- ノエ 2022-05-23 (月) 20:53:02
  • ◆SIDE マルレーネ -- 2022-05-22 (日) 19:04:31
    • (ザリアライト魔石。古代文明で幅広く利用されていた事からその名がつけられたが、その正しい使用法を知るものは殆ど居ない)
      (一般的な魔石と同じ使い方では、魔石本来の能力を引き出すことができず…結果として二流の魔石と評されることになる)
      (ズィマーで遺跡の発掘調査が行われた際に、他の魔石も生活の中で利用されていた形跡があった。だというのに敢えて効率の悪いザリアライトを、採掘量だけを理由に主流とするだろうか?)
      (その疑問には早くから行き当っていた そして、ある仮説に辿り着く。)
      -- マルレーネ 2022-05-22 (日) 19:10:09
      • (ザリアライトはそもそも、他の魔石と比べて物質的に不安定なのだ。無理にマナを注ぎ込もうとすれば、容易く砕けてしまう)
        (では、安定化させる方法を古代人は知っていたのではないだろうか。2年前、偶然発見された地下祭壇から、無傷の杖が回収された)
        (高純度のザリアライトを主体とし、他に4色の魔石が取り付けられた奇妙な杖。 考古学は専門外であるが、魔導器となれば話は別。鑑定依頼がマルレーネに回ってきたという訳だ)
        (確かに杖に見える…が、それを手に魔法を行使しようとしても ただの木の棒を握っているかのように何らの効果を及ぼさないのだ)
        -- マルレーネ 2022-05-22 (日) 19:16:46
      • (魔導器として認識されない。そんな現象があるものなのか…しかし現に起きているのも事実… ズィマーの様々な魔術師に使わせてみたが結果は同じ)
        (後を絶たぬ、無謀な弟子入り志願の者たちにも握らせてみたが…魔導器なしの状態とまるで変わらない)
        (長期間放置されていたものゆえに、機能が死んでいる可能性もあった。杖についたレバーを動かせば、ザリアライトは取り外せる)
        (どうやら魔石そのものを交換できるシステムになっているようだ…そこで、他の魔石に付け替えて、杖として使用できないか実験してみた)
        (しかし結果は同様。魔導器として魔法の起点にはなり得ないという事が分かった…ならばこれは何なのか?)
        -- マルレーネ 2022-05-22 (日) 19:23:41
      • (ただの祭祀用の道具かもしれない。だが、魔石の使用自体がブロックされる必要性がそこに無い…)
        (そうしている内、スープはすっかり冷めてしまった)
        (気分転換にと夕食をとりにきたレストランで、相変わらず思索に耽ってしまう。まずは食事を済まそう…スプーンを手に取った時のことだ)
        ん……(椅子に立てかけておいた例の杖に、肘をぶつけてしまった)
        -- マルレーネ 2022-05-22 (日) 19:30:49
      • 「あ……大丈夫ですか、お客様…」(給仕係の少年が、倒れかけた杖を支え…椅子に戻す)
        (彼の手の中にある間、杖のザリアライトが煌々と輝いた。これまで一度も反応しなかった杖が、眠りから覚めたのだ)
        君……! ボクの弟子になりませんか…いやーぁ、なって貰いますよーぉ!(全ての謎を解く鍵の、それが最初の一歩だった。)

        「え、えぇぇぇっ…!?」(この時の給仕が、ノエ・マルベール…12歳の時のことであった) -- マルレーネ 2022-05-22 (日) 19:38:16
  • ◆SIDE ??? -- 2022-05-18 (水) 19:47:50
    • (シグレと名乗る白狸がジアリウスに降り立ったのは王国歴270年。誰に召喚されたのでもない、自分の意思で渡ってきた)
      (ゼイム北西部、ケーグル伯爵領の森奥深くで人目を避けるようにひっそりと暮らしていた)
      (4年経った頃、森の瘴気溜まりから魔族が現れ、人界を侵略していった…最初はただ、自らに振りかかる火の粉を払うだけ)
      (こちらを脅かさない限り手出しはしなかったが、魔界の軍勢は無差別に蹂躙を繰り返す。その内に気が付いた)
      (狩猟や採集を行うより、魔族を倒して奪った物資で人間たちと取引する方が危険はあれど実入りも大きいことに)
      -- 2022-05-18 (水) 19:49:29
      • (ぼろぼろのキモノを纏い、カタナを提げたシグレを、ゼイムの民も最初は異様なものとして見ていた)
        (しかしその白狸が自領の防衛に陰ながら大きく貢献していたことを知ったケーグル伯爵は、ある取引を持ち掛けた)
        「我々人間側の指揮下で魔王軍と戦ってくれるならば、望みの褒美を出そう。」
        (シグレは少し逡巡し、こう答えた)
        …あの森を頂戴、全部。
        (伯爵は快諾した。瘴気が溜まりやすい場所など、戦後も魔物が湧きかねず管理の手間は馬鹿にならないのだから)
        -- 2022-05-18 (水) 19:51:58
      • (人間の軍と行動を共にするようになってすぐ、シグレはこの世界で使われる「魔法」なるものに興味をそそられた)
        (自らの使う妖術と似た性質に見えて、大きく異なるそれを知ることは 魔界の軍勢を相手取る上でも重要だった)
        (魔法の基礎を教えてくれたのは、同じ部隊のメールローという男だった。数か月後、彼は防衛戦の折に戦死してしまった)
        (その頃には、自らの妖術と魔法の概念を混ぜた「結晶魔法」を確立し…シグレの戦果は更に積みあがって行く…)
        (軍の士気高揚のため、格好の宣伝材料となったシグレだが…一つ問題点があった)
        (出自も明らかでない、家名も無い兵士では宣伝効果も薄い。そこで家名が必要になり…こう名乗った)
        (シグレ・メールロー。魔法の師である彼の家名を消さぬために、忘れないために。)
        -- 2022-05-18 (水) 19:53:33
      • (そんな折だった、各地でその名を轟かす「勇者」と出会ったのは)
        (まだ若い青年でありながら、勇者と持て囃されて調子づくでもなく 真っ直ぐな性格には好感を抱いた)
        「████████、████████████?」
        違います、シグネじゃなくてシグレ…!
        「██…████、████?」
        もう、じゃあそれでいいですよ…トーマ君には難しい発音のようですし
        (ただでさえ異世界から来たという彼に、ジアリウスとも違う更なる異世界の名前は馴染みが薄かったのかもしれない)
        (結局名前は間違えられたままだったが…勇者の活躍により、押され気味だったゼイムの戦線は攻勢に移ることができた)
        (ゼイムに留まる自分と違い、各地を転戦する彼と再び会う事など無いだろう。その時はそう思っていた)
        (しかし、遠からずその予想は裏切られる事となる。 共闘とは、まったく逆の形で…)
        -- 2022-05-18 (水) 19:56:58
      • (パキィン、という甲高い音と共に宙を舞う愛刀「狭霧」の刀身。剣の腕での実力差は明らかだった)
        (たった数回打ち合っただけで、こうも追い詰められるとは。これが勇者の実力か…それでも彼の剣には躊躇いが見えた)
        「████████████████、████████!? ██████、████…!」
        (憂いを帯びた表情は、かつて共闘した者の豹変をいまだ信じられない様子であった)
        何故…ですって? ヒューマンがどれほど度し難いのか、理解してしまったからです。されど魔族の肩を持つ理由もなし…だから今のボクは、双方の敵。
        あぁ、この目…ですか? あなた方流に言えば…名誉の負傷。右目が無いと不便なので…貰いました。ええと…何て言いましたっけ?
        魔界の将軍の一人……もう名前は忘れてしまいました。
        (失った右目の代わりに、敵から抉り出した魔族の目。その金色の魔眼を見開いて見せる)
        …そうだ、聞きたかったんですよトーマ君。 今のボクは、あなたからどう見えるのか。魔族?人類?
        -- 2022-05-18 (水) 20:15:09
      • (格下であれば、その魔眼と視線が合うだけで発狂させることさえ容易い。だが彼はまるで動じなかった)
        「██████████…█████!!」
        あなたにもいずれ分かるはず…いつか必ず、裏切られる。
        (柄だけになった狭霧に、紫水晶の刀身を生成し…再び構えをとる 同時に複数の魔法を発動させながら語る。自身の身に何が起きたのかを)
        -- 2022-05-18 (水) 20:17:21
      • (戦況もだいぶ有利に傾いてきた頃、ある特別任務が与えられた。)
        (戦線後方のある村は、魔族が人間に扮して諜報活動や破壊工作などの拠点に利用されているという)
        (残念ながら村民は全て犠牲になり、全員魔族と入れ替わっている ゆえに奇襲で全滅するべし)
        …愚かな話です、謀られていたのはボクの方だったなんて。
        -- 2022-05-18 (水) 20:18:14
      • (何の抵抗もなく、作戦はあっという間に遂行できた。村民に魔族など一人も居なかったという事実を除けば)
        (情報に誤りがあった訳ではない、意図的に誤情報を流され…シグレ・メールローは突然の乱心により民間人の虐殺をしたという結果が残った)
        (この世界で生まれた者ならいざ知らず、異世界出身のシグレには人間と魔族の判別がつかない。そこを利用されてしまった)
        (勝利が間近になってきて、ケーグル伯爵は急に領地を譲るのが惜しくなった。というのも、希少魔石の鉱床があの森の奥で発見されたためだ)
        (そこで一計を案じた。実力で排除するのが困難であれば、人類の敵としてしまえばいい。魔族ともども葬られればそれでよし)
        -- 2022-05-18 (水) 20:19:20
      • 世間では…味方の制止を振り切り、ボクが独断でやった事にされてるそうです。
        あの森が欲しいのは…魔石なんかの為じゃないのに。放置すればいつでも魔界からの橋頭保にできる…それだけ危険な地だから
        誰かが封じておかなきゃ、また何度でもこの戦争が起きる…幾ら説明しても、誰も耳を貸しませんでした。
        当然…ですよね、狂人の戯言としか受け取られませんから。


        「█████████████……███、█████…」
        …なのでゼイム帝国軍のシグレは死にました。そうですね…今のボクはさしずめ、石英の魔女…シグネ・メールローとでも名乗りましょうか。 -- 2022-05-18 (水) 20:22:13
      • (公式の記録では、この二人の戦いはその後半日に渡り続くも決着がつかず…その後、終戦まで石英の魔女の出現報告は無い) -- 2022-05-18 (水) 20:22:44
  • ◆SIDE ノエ -- 2022-05-17 (火) 20:09:34
    • (入学して約一か月。寮の自室で便箋にペンを走らせる…机の脇には、ゼイムから持ってきたデ・フェールの魔導書。)
      (だけど、便箋に書き記されるのはただの数字の羅列。 ところどころにスペースが開く以外、記入されていくのは文字ではなく ひたすらに数字)
      -- ノエ 2022-05-17 (火) 20:12:35
      • (どうしてこんな事になったのかというと、話は4月にまで遡る…)
        (王国歴499年4月 ゼイム帝国ズィマー リートフェルト家別邸にて)
        ほ、本当にやらなきゃいけないんですか…?(手渡された魔導書と、目の前の相手を交互に見て困惑の表情)
        -- ノエ 2022-05-17 (火) 20:15:52
      • 当然だ。父上はこの件に関して緘口令を敷き、兄上や俺にさえ話そうとしない。しかしファウゼンは何か事情を知っているであろう。
        近頃は市井でも不穏な動きがあると聞く…よって、父上とファウゼンの企みを暴くのであれば、貴様が適任と言えよう?
        (傲岸不遜を絵に描いたような態度を崩さず、紅の衣装に身を包んだ鹿人の少年…リシャルト・リートフェルトは告げた)
        -- リシャルト 2022-05-17 (火) 20:24:19
      • た、企みって…お師様はそんな悪い事とか考えてないですって!リシャ…ちょっとそれは穿った見方というか…
        お師様のことはともかく、御父上のことは信じてあげてもいいのではないでしょうか…
        (たまたま歳が近かったこともあり、お師様と一緒に挨拶に出向くうち…僕はリートフェルト家の次男、リシャルトと仲良くなった)
        (といっても、彼の唯我独尊ぶりは度を越したもので…たとえ友人であってもこんな態度。親しくない人が相手ならもっと酷い有様だ)
        -- ノエ 2022-05-17 (火) 20:29:25
      • ではあの爆発をどう説明する?対外的には魔族が突如現れるも、偶然居合わせたファウゼンと貴様が撃破…魔族は最後の力を振り絞って自爆した…という事だったな?
        (トントンと机を叩きながら事の経緯を辿る)…何も考えぬ愚物どもはそれで騙せよう。俺が見るに、あれは遺物絡みであろう…でなくば、説明がつかんからな
        俺の危惧するところは…万一にも父上がファウゼンと共謀し、あの力を独占し、現皇帝への謀反など考えていた場合だ(軍事力によるクーデター。その下準備としての情報統制…)
        -- リシャルト 2022-05-17 (火) 20:36:40
      • う、そ、それは…… じゃあ、そんな企みはないっていう証拠が出せればいいわけ、ですよね…
        もしそんな兆候があったら、僕がこの杖の調査を終えた時点で…何らかの動きがあるはず、ですから…。
        で……(改めて机の上に、魔導書を置き)……何でそれで、この魔導書が必要になるんです?
        -- ノエ 2022-05-17 (火) 20:50:01
      • ブックサイファーも知らぬのか、世話の焼ける奴だ。よくそれでファウゼンの弟子が務まるものだな?(全く同じ、初版本を並べるように置く)
        手紙は暗号でやり取りする。俺と貴様以外では意味が分からぬようにな…(ぱらぱらとページを捲り)この本が暗号と復号のための鍵だ…なくすなよ?
        本の記述内の単語を、ページ数や行、文字の順番を指定するために数列を用いる。 紅の兵団の諜報員の間では基本中の基本だ
        本来はそこに解読用のコードを更に付け加えるが、貴様が理解できなくては意味もない 今回はシンプルに行くとするか
        -- リシャルト 2022-05-17 (火) 21:04:20
      • (以上、回想おしまい)
        はぁ……お師様からも、ゼイム出身の生徒からそれとなく色々探る様にって言われてるのに…(書き終えた便箋を封筒に入れ、魔導書を本棚に戻す)
        どうして僕が二重スパイみたいな真似をしなきゃいけないんだろう…?(封書を投函するために、自室を後にした)
        -- ノエ 2022-05-17 (火) 21:07:38

Last-modified: 2024-06-02 Sun 14:05:43 JST (54d)