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-『お邪魔しまーーす!!』 -- [[史楼>名簿/510364]]
-- オレまた先日の記憶を辿りに、なんというか… 年季の入った建物へ来ていた。&br; 覚え違いでなければ やっぱりこの辺にいるとは思うのだが…&br; &br; 「おーい、エオ居るかー?話があんだけどーー!」&br; バカでかい声で呼んでみる、しかし声を張っただけでパラパラとホコリが落ちてくるこの廃屋はやっぱりダメなんじゃ…? &br; &br; 三度目のやりとりである -- [[史楼>名簿/510364]]
---&br;返事がない。&br;それから、史楼が声を張り上げること数回。&br;&br;「あいつなら、今、留守。」&br;&br;ようやく、返事といえる返事が返ってきた。&br;…が。声の主は、史楼の知るその人ではなかった。
---&br;「あーそうかぁ、じゃあまた来るかぁ…    ってあれ?」&br; &br; 想定していたものとは違う返答に、少し戸惑いながら&br; 声がする方をもう一度見返す。&br; &br; 目が慣れれば見えるのか、それとも薄暗い廃屋に住む悪霊なのか。&br; &br; ってそんなこと考えてたらまたリンゴでも投げられそうだな… -- [[史楼>名簿/510364]]
---&br;怪訝な表情を浮かべる史楼に、キャスターも訝しげな視線をぶつけ返す。&br;&br;「なんだよ、じろじろ見て。」&br;「言ったろ、留守だって。誰、あんた。エオの知り合い?」
---&br;ようやっと目がなれて、金髪の少年(?)を見つける。&br; &br; 「悪い、さっきまで明るいとこに居たからよく見えなくてさ。」&br; 「えーっと まぁ知り合いっていうか…あれ、オレら友達でいいんだよな…?いや違うのか…?」&br; &br; 一人でぶつぶつと自問自答して&br; &br; 「うん、そうだ エオの友達。」&br; 「…ところであんたは?」 -- [[史楼>名簿/510364]]
---&br;「僕?僕は」&br;キャスターは、そうだな、と顎先に手を当てて少し素振りを見せた。&br;&br;「エオの同居人。あるいは居候。将亦、同棲者。好きなやつから選んで。」
---&br;「…ああ!」&br; なるほど、と手を打って&br; &br; 「恋人か!エオもやるなぁ…」&br; しみじみと言う -- [[史楼>名簿/510364]]
---&br;「一番遠いやつを選んだね。」&br;「正解は同居人、が一番近いかな。」&br;「で?用があったら伝えておくけど。」
---&br;「あれ、違ったか… おっかしいな、そういう雰囲気だと思ったんだけどなぁ」&br; 少年(?)の淡々としたやり取りに、オレはまた怒らせたのだろうかと少し不安になりながらも&br; &br; 「これ、渡してくれよ。うちでやるカレーパーティーの日程が決まったからさ、持ってきたわけ」&br; 不恰好な厚紙に、日時と申し訳程度にカレーのイラストが描かれたものを渡して&br; &br; 「そうだ、暇だったらあんたも来ていいからな?」&br; 「じゃ、用事はおわり、邪魔したなー。」&br; &br; 鼻歌いながら帰っていった。&br; -- [[史楼>名簿/510364]]
---&br;「…名前、聞いてないんだけど。」
-''昼時のカフェテラス''
--その老人は、先日とまるで変わらないままだった。&br;&br;同じ席で同じティーセットを頼み、同じように笑って、金髪のキャスターに笑顔を向ける。&br;&br;「やぁ、またあったね」&br;&br;戦争中、敵同士とは思えないほどに朗らかな笑顔。&br;&br;殺し合いには似つかわしくない。&br;&br;「今日は君だけかな?」&br;&br; -- [[眉雪のキャスター>名簿/510369]]
---&br;あんたは、この間の。口には出していないが、微かに上がった眉がそう語った。&br;&br;「あのじゃじゃ馬なら、今はよそで買い物。」&br;「どうしたの?改めて、戦いを挑みに来た?」
---「まさか。この前いったとおり、私は荒事が苦手でね。世間話をしにきただけさ」&br;&br;紅茶を啜りながら、目を細め、右手で対面の椅子を示す。&br;&br;「大食らいの君のマスターがいないならそれはそれで財布に優しい。今日もケーキセットくらいは奢るよ。かけたらどうかね?」&br;「お互いに、情報交換をしたほうが今後の為にもなるだろう?」 -- [[眉雪のキャスター>名簿/510369]]
---&br;「と、いっても。僕はケーキと釣り合うような情報は持っていないよ。」&br;「マスターの3サイズの情報くらいなら、提供できないこともないけど。」&br;&br;喋りながら、促されるままに椅子に腰掛けた。
---「何、君自身のことや、それこそ彼女のスリーサイズで構わないさ」&br;&br;「それこそ、一度死んでもスリーサイズは変わっていないのか……とか、気になるところだしね」&br;&br;ショートケーキを丁寧にフォークで切り分け、ゆっくりと租借しながら問う。&br;&br;なんでもないように。 -- [[眉雪のキャスター>名簿/510369]]
---&br;「冗談だよ。あいつの3サイズなんか知りっこないし、興味ない。」&br;「面倒だから率直に聞くよ。何が知りたい?」&br;&br;(キャスターの前に新しく配膳されたケーキの皿に、フォークが触れて、キン、と子気味のいい音が響いた。)
---「それは残念だ。少し本気にしたのだがね……そして、そういうことなら話が早い」&br;&br;イチゴにフォークを突き立てながら、目を細める。&br;イチゴ越しにフォークが皿に触れ、微かな擦過音が響いた。&br;&br;「あの子が何故死んでも生きているのか。知っているのなら気になるところだ」&br;「分からないというなら、君の事でもいい」&br;「君が何故ここにいて、何故サーヴァントなんてやっていて……どんなサーヴァントなのか?」&br;「教えてくれるなら教えてくれ」&br;「無論タダでとはいわない。君も私に同じように何か問えばいい」&br;「できる限りは答えようじゃないか」 -- [[眉雪のキャスター>名簿/510369]]
---&br;「エオは、死んでも生きているわけじゃない。死んだエオは、ちゃんと死んでいる。」&br;「僕がサーヴァントをやっているのは、エオに呼び出されたから。」&br;「サーヴァントのクラスはキャスター。」&br;&br;(ケーキを口に放りながら、黙々と答えている。)&br;&br;「以上、ケーキ1つ分の解答終わり。僕の番に移ってもいい?それとも、まだ何かある?」&br;&br;(眉雪のキャスターの前に、メニュー表が放られた。)
---&br;「死んでいる……? つまり……いや、そういうことか」&br;「そして君もキャスターなのか。私もキャスターだ。そうなると、呼びづらいな」&br;「質問権はそちらにうつって結構だが、君の事をなんと呼べば適当かも後で教えてくれると嬉しいな」&br;&br;ケーキを食べ終え、まだ残っている紅茶を楽しみながら、老人は質問を聞く体勢にうつる。 -- [[眉雪のキャスター>名簿/510369]]
---&br;「じゃあ、まずは僕が一番聞きたいことから聞かせてもらうよ。」&br;「他のサーヴァントの情報を知りたい。それも、好戦的なやつ。」&br;「いるのか、いないのか。いたとしたら、どういうサーヴァントなのか。」
---「いいだろう、お安い御用だ」&br; &br; そういって、懐から何枚かメモと写真を取り出し、渡す。&br; &br; 交渉材料になりそうな情報は常に持ち歩いているのだろう。&br; &br; 「まず、この[[ヒラ>名簿/510392]]君。つれているサーヴァントはアサシンだ」&br; 「アサシンは通称:ハイエナ。典型的な悪人同士って奴でね、往来で宝具をぶっぱなすことも躊躇わない危険な連中だよ」&br; 「君のマスターを見かけたら、恐らく容赦なくくびり殺すだろうね……先日誰かにされたようにね」&br; &br; 「つづいて、[[この子>名簿/510375]]。マスターは不明だ。クラスはまぁ多分セイバーだろうな」&br; 「先ほどのヒラ君たちほどではないが、我々キャスターにとって高い対魔力を持つセイバークラスは存在そのものが天敵だ」&br; 「しかも、彼女は勝機があれば見逃すほど寛大ではおそらくない。まだ話し合う予知はあると思うが、交戦的であることにかわりはないね」&br; 「……まぁそれだけの覚悟が彼女にあれば、だがね」&br; &br; 「ひとまず、私の知っている情報で交戦的な連中はそれだけだな」&br; 「まだ戦争初期だ。どこも様子を見ているのが大半だよ」&br; -- [[眉雪のキャスター>名簿/510369]]
---「セイバークラス。魔力が通じない上に、好戦的なわけか。」&br;「なる程、厄介の極みだな。」&br;「オーケー、ありがとう。僕としてはこれで満足。」&br;&br;(ナフキンで口を拭うと、フォークを皿に置いた。)&br;&br;「いや、もう一つだけあったな。」&br;「この関係は、これからも続けていくつもり?もっと突き詰めて言うと、アンタは敵じゃないと思っていいの?」
---&br;「無論だ。私は見ての通り好戦的ではないし……君達とは正直、戦うことはないと思っている」&br; 「恐らく、我々が戦うとしたらそれこそ決勝以外ではありえないだろうさ」&br; 「それほどまでに、我々は今の所戦うメリットがない」&br;「君と君のマスターさえよければ、今後もこの関係は続けていきたいものだね」&br; &br; 紅茶のおかわりを貰いながら、そう答える。&br; &br; -- [[眉雪のキャスター>名簿/510369]]
---&br;「そうか。それはこちらにとっても好都合。」&br;「もちろん、エオの財布にとっても。」&br;「同盟成立、だね。」
---「ああ、同盟成立だ」&br;「では、今日のところはこれでまた……そっちからも、何か美味しい話があったら教えてくれ」&br;「利があるかぎりはよりこの関係は磐石になるだろうしね……それじゃあね」&br;&br;立ち上がり、多めに代金を置いて帰って行く。&br;&br;その後姿に警戒心は微塵もなく、揺れるコートの裾はどこか満足気であった。 -- [[眉雪のキャスター>名簿/510369]]
-僕にとって、本の中に広がっているだけだった、外の世界。&br;&br;青い空を初めて見た。甘いお菓子を初めて食べた。&br;&br;この世界は、僕の知らないものに溢れている。&br;&br;…でも、一つだけ、変わらないことがあった。&br;&br;返り血と悲鳴に塗れて、戦わなければいけないということ。&br;&br;カフェで卓を囲んだ者らのように、皆が皆、友好的であればいいのだが。そんな虫のいい話が、あるわけがない。&br;&br;トランクから出てきた新しいエオは、確かに言った。「死んじゃった」と。&br;&br;それは、強烈な敵意を持った者が存在するということ。&br;&br;僕はこれから、戦わなければいけない。僕を呼び出した少女を、守るために。&br;&br;&br;&br;…でも。できることなら、僕は…。