&br;
[[&size(18){''花粉''};>http://notarejini.orz.hm/?IK%2F0017]]/[[&size(18){''かふん''};>http://notarejini.orz.hm/?IK%2F0018]]&br;※[[カトラ>IK/0017]]と[[サキ>IK/0018]]の共用コメ欄

&br;

#pcomment(いっぱい出て浴びるとドロドロになるものなーんだ?,1,below,reply)
#region(|log|)

- 
-&br;列車は本線から外れたところに停車していた。&br; 
窓から漏れる明かりが、狭いトンネルの壁を照らし出している。&br; 
&br; 
はるかぜのスイートルームのリビングは、キッズスペースと化している。&br; 
散乱するおもちゃやぬいぐるみ、ボール、絵本…。&br; 
そして、ウルメル、レィメルにおもちゃにされるカトラ…。&br; 
&br; 
「髪におもちゃを絡ませるのは楽しいか?そうか楽しいのかなのだ…。&br; 
おい!しっぽに落書きするでな…わかった、やっていいから静かにするのだ…」&br; 
レィメルが泣き出しそうになると、カトラはピンと立てた尻尾を下した。&br; 
&br; 
サキは寝室で寝ている。というか、カトラが大人しく休むように言って&br; 
2ひ…2人の子守を買って出たのだ。&br; 
&br; 
地下に来て以来、サキは子守に家事にと一人で忙しく、2人に与える母乳も&br; 
サキが自分の精気を削って与えているのだ。&br; 子育ては、サキのわがままから始めたことだから。一人で責任を持たないといけない&br;という気負いもあったのだろう。&br;
そんなわけで、流石に疲れが出たのか、昨日から頻繁に寝落ちを繰り返していた。&br;
ちょうど、はるかぜが再び時間異常を検知して、直るまで停滞することにもなったので。&br;
今日を休養に当てるのは、良いアイデアに思われたのだが。&br;
&br; 
「あー…ちょっと、ちょっと待っておれ、喉が渇いたなのだ。キッチンに行くから&br; 
すこし大人しくしておれよ…騒いだり泣き出したり、どっか行ったりするなよなのだ!」&br; 
慣れない子守にすっかり疲弊したカトラは、逃げるように2人の間から抜け出した。&br;
サキを休ませるためには、静かにさせておかないといけない。&br;
だが、育ち盛りのウルメル、レィメルをじっとさせておくのは、至難の業であった。  --  &new{2019-09-13 (金) 00:50:37};
--「ふむ……」&br; カトラは立ち止まると寝室のある二階へと視線をやる&br; 静かだ。&br; 寝室ではサ姫が寝ているはずだが&br; 静かと言う事は、寝ているか身を休めているのだろう&br; どちらにしてもサ姫の疲労が回復するのならば良い事だ、&br; 「…後でフルーツジュースでも持って行ってやるとするか…なのだ」&br; カトラは小さく呟くとスナックを取りに向かった&br; &br; &br; 「……むぅ」&br; サ姫は天井を見上げながら唸る様な声を上げた&br; そして右へ寝返りをうち、今度は左へ寝返りを打ち&br; また天井を見上げた。&br; キングサイズのベッドはふかふかで実に寝心地が良い&br; 良いのだけど、一人で寝るにはなんだか広すぎる気がする&br; 城のベッドはこれよりも広く、当たり前の様に一人で使っていた&br; しかし、こちらに来てからずっと、誰かしらが隣で眠っていた&br; それはカトラであり、ウルメルとレィメルであり&br; 誰かしらが眠っていた&br; &br; 「…起きようかな…でもまた寝落ちしそうだし……」&br; やはり誰かが側にいないと寂しくもあり&br; ベッドに横になって数時間も経っていないと言うのに&br; カトラやウルメルレィメルの顔が見たくなってきた&br; しかし、自分の疲労状態を考えると&br; また寝落ちしてしまう事は容易に想像が出来&br; そうなると今は寝るしか無かった -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-13 (金) 22:55:47};
---キッチン車両の厨房に行くと、カトラは業務用冷蔵庫からボトルを取り出した。&br;"業務用オレンジジュース4l"ついでに食べかけのクッキーも取り出して齧る。&br;   「いつでも搾りたてと同じ味の冷たいジュースが、使用人もいらずに一人で飲めるのだから&br;ほんとに便利じゃよなこれ、我んちにも1台欲しいのう」&br;   『備品の持ち去りはご勘弁ねがいます』&br;   「わかっておるわい」&br;   天井の指向性スピーカーからはるかぜの声が聞こえてくる。&br;   「まだ、タイムスケール異常とやらは直らんのかの」&br;   『はい、お急ぎのところ、大変ご迷惑おかけします。』&br;「まぁ早くしてくれなのだ…」&br;気乗りしない顔でリビングに戻ると、ウルメル、レィメルが居ない。&br;   「ぬお、ちょっと目を離したすきに…おいーチビ共どこいったー!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-14 (土) 00:55:07};
---「…うぉ…いかんいかん」&br; 叫んで直ぐカトラは口を手で押さえ塞いだ&br; そのまま二階の方へ視線をやれば、暫し沈黙して&br; 「…これをあやつに知られるのは極めて不味いのだ……」&br; ウルメルとレィメルが行方不明になった事をサ姫に知られる事があってはならない。&br; ただでさえ疲労状態であるのに、そこへさらに心労がかかれば&br; サ姫の体調がどうなってしまうのか予想もつかない&br;それに絶対大泣きされるか怒られる。カトラにとってそのどちらも辛い&br; &br; 「…そうだ…おまら、こっち来いなのだ。静かに静かにだぞ?」&br; 「「ピッピピッツ」」&br; カトラの呼び掛けに答え、作業中だった二体のドローンが集まって来た&br; カトラのこぼした食べカスを掃除していたトリ型ドローン&br; はるかぜの内装をチェック中だったボール型ドローン&br; ちなみに六脚型のドローンはサ姫の側で待機しています&br; &br; 「来たな?手分けしてウルメルとレィメルを捜すのだ!」&br; 「「ピッ?ピピッ」」&br; 「行くぞ!うおーなのだ!」&br; 飛び出すカトラを見送ると、顔を見合わせる様な仕草をする二体のドローン&br; もしこの時、カトラがもう少し冷静で二体の言葉がわかったのなら&br; この後、あんな事にはならなかったのだろう&br; &br; でもって&br; &br; 「いない…いないのだ……」&br; はるかぜ内を走り回り、車輛の隅から隅まで捜したが&br; 見つからない、ウルメルとレィメルが見つからない&br; テーブルクロスを捲っても見たが、いない&br; 棚と言う棚を開け、ボールプールの底に顔を突っ込んだが、見つからない&br; 前回の反省をふまえ、全ての扉は開閉出来ない様ロックしてあるから&br; 二人が外へと出てしまう事はありえないし&br; さらに二人が扉に近付いた時は、報告するようにはるかぜに厳命してある&br; &br; 『カトラ様、よろしいでしょうか?』&br; 「…なんなのだ、我は今極めて忙しいのだ」&br; 『はい、何度かお声掛けしたのですが』&br; 「ふむ、そう言えば何か言っていた様な気がするのだ……」&br; 『ご報告すべき事が……』&br; カトラは口を開けたままで固まった&br; そう、報告の指示を出したのはカトラ自身であった&br; &br; 「うおお……なのだ……」&br; カトラはその光景を見るや、やるせない唸り声を上げた&br; ここまでの苦労はなんだったのか?&br; いやもっと冷静になっていれば良かったのか?&br; 「むゅ……」&br; 「すぴゅ……」&br; ウルメルとレィメルが居た、行く事を恐れ避けていた場所に居た&br; 二人はサ姫の眠る寝室に居たのだ&br; サ姫の左右に抱きつく様にしながら小さな寝息を立てるウルメルとレィメル&br; そしてその二人に挟まれ幸せそうに寝息を立てるサ姫 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-14 (土) 21:59:38};
---ひとつ溜息をすると、そっとドアを閉める。&br;   サキの眠りを邪魔していないのなら、大丈夫だろう。&br;   「うむ、そのまま大人しく眠っておるがよい、手間が省けるなのだ…」&br;   振り返ったら、足元にウルメルが。&br;   「うわっ!?いつの間に出てきた!秒単位で落ち着きがないやつだな!?」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-15 (日) 23:05:59};
---「みゅぃー」&br; ウルメルを追う様にレィメルまで出て来た&br; そして、再び遊び始めるウルメルとレィメル&br; 積み木の城が築かれ、クマの王が行進する&br; ボールが転がり、幼子達はきゃっきゃっと笑い合う&br; ついさっきまで寝息を立ていたはずなのに&br; 寝惚けた様子等微塵も見せず、元気に遊んでいる。&br; &br; 「はぁ…我に休まる時間はないのか?なのだ……おおぅ?」&br; 溜息し項垂れるカトラの頭に、ぽこりとボールが当たった&br; 予想するまでもない投げたのはウルメルだ&br; 顔を上げればウルメルがぬぁーっと威嚇しているのだろう&br; &br; だがしかし……&br; 「せぬぞ?ボール投げなどせぬ…うおぁ?」&br; 「…カトラちゃん…何かたべたい……」&br; 顔を上げそこに居たのは威嚇するウルメルではなく&br; 寝巻代わりの浴衣を肌蹴させ、幽霊の様に佇むサ姫であった&br; &br; 「寝ておれと言ったではないか?なのだ」&br; 「…あのね…なんかたべたい…たべたいよねー?」&br; 「みゃぅ♪」&br; 「むぃむぃ♪」&br; 足元でぴょんぴょん跳ねるウルメルとレィメルの頭を撫でながら&br; サ姫は厨房へと向かおうとしていた -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-15 (日) 23:44:06};
---「そういえば、我もお腹が減ってきたのぅ…。&br;   って、これではいつも通りではないか!おぬしは座って休んでおれ!&br;   そして、お前たちはまとわりつくでない。休めぬではないか」&br;   サキをソファーに座らせ浴衣とぴしっとさせて、サキに遊んでもらおうと&br;   引っ付くウルメル、レィメルを小脇に抱える。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-15 (日) 23:51:24};
---「うん…でも……」&br; 「でももへったくれもないのだ!」&br; カトラは少し強めの口調で言うと立ち上がろうとするサ姫を座らせた&br; 怒っている訳ではない、いや少し怒っているのかもしれない&br; がんばりすぎるサ姫に身を休め、息を抜く事を学んでほしいから&br; &br; 「みぃー!」&br; 「ぬぁぁ!」&br; 「ええーい、お前たちのマ…ママを休ませるためなのだ!」&br; 腕の中で暴れるウルメルとレィメルに言い聞かせ様とするのだが&br; これまでの経験からそれが難しい事はわかっている&br; &br; 「…二人と遊ぶくらいなら……」&br; そんなカトラを見ればサ姫は手を伸ばしながら言うのだが&br;「それがいかんと言うのだ!」&br; サ姫の言葉にカトラは再び語気を荒くした&br; 小さな仕事でも積もり積もれば疲労は溜まる&br; それが毎日ならば、なおの事だ&br; 今回ばかりは、多少強く言ってもサ姫を休ませねばならない&br; &br; 「たまには我に任せてみるのだ、な?なのだ」&br; 「う、うん……」&br; そこまで言われたらサ姫もそれ以上は言えず&br; 厨房へと向かうカトラを、ただ見送るしかなかった -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-16 (月) 00:20:18};
---「よし、お前たちは食材を取り出すのだ」&br;   ボールドローンがコードを伸ばして戸棚を開け、&br;   トリ型ドローンがレトルト食品を咥えて取り出す。&br;紐を引っ張って開封するだけでほかほかの出来立て&br;になる未来の非常食だ。味も実際良い。&br;   &br;   「料理はこれで良いとして…問題はこいつらじゃよなぁ、うーむ…」&br;   小脇にウルメルとレィメルを抱えたまま、カトラは天井を見上げる。&br;   「はるかぜよ、子供を黙らせておくなにか良い案はないかの」&br;   『車内エンターテイメントに、キッズ向けプログラムがございますが』&br;天井の指向性スピーカーから、はるかぜの声がする。&br;「しゃないえんたーていめんと?」&br;   『往年の名作から最新作まで、1億を超える映画、ドラマ、アニメ、スポーツ&br;   エンターテイメント、ドキュメンタリー、多彩なラインナップを、迫力のシネマ&br;   サイズ画面と11.1chサラウンドシステムでお楽しみいただけます』&br;   「へー、なんかすごそうじゃのう…」&br;&br;   ふと、気付く。脇に抱えたウルメル、レィメルがやけに大人しい。&br;   「む、おぬしら何を食べておるのだ」&br;   トリ型ドローンが、せっせと並べていた食材の中に、カラフルな袋に&br;   入った一つまみほどのオレンジ色の粒がある。&br;   2人は、カトラに抱えられたまま、夢中でそれを食べているのだ。&br;「ほう…これは…サクサクしておるのう」&br;   ボールドローンに口に入れてもらったカトラも、一口食べてうなずいた。&br;   そして、その瞬間、ひらめきが走る!&br;   &br;   ウルメルとレィメルを小脇に抱えて、カトラがリビングに戻ってきた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-16 (月) 00:46:58};
---「…あ?カトラちゃんおかえりー…」&br; 大きめクッションを抱き、顔を埋めていたサ姫が顔を上げた&br; また転寝をしていたようだ。&br; 「…また寝ておったのか?食べたらベッドへ戻るのだぞ?」&br; 「ふぁーい」&br; ふにゃけた返事をするサ姫に苦笑を浮かべながら&br; カトラはウルメルとレィメルを床に降ろすと食事の支度を始めた&br; &br; 「んー…二人は元気だねー…♪」&br; 「むぃむぃ♪」&br; 「みゅぃ…♪」&br; 当然二人はサ姫に抱き付くのだが、支度が終わるまでは仕方が無い。&br; 今度は秘策もある、上手く行けばサ姫だけでなくカトラものんびりできる -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-16 (月) 01:21:49};
---「はるかぜよ、シアターモードを起動するのだ」&br;   『かしこまりました』&br;   天井からプロジェクションスクリーンのように大きなモニターが降りてくる。&br;   R.egional&br;   R.ailway&br;   A.dministration&br;   B.ureau&br;   黒い画面に文字列がスタイリッシュにフェードインしてロゴマークになった。&br;   続いて何個か表示されるのはコンテンツを提供している企業のロゴであるが、&br;   古代人の文字はよく分からないカトラ達には、魔法を起動する際の呪文や魔法文字&br;のようにも見えた。&br;   &br;   そして、映像の魔力は子供によく効くのだ。&br;   ウルメルとレィメルは、画面が表示されたとたん、視線がくぎ付けである。&br;   &br;小さな映画館並みの大画面にアニメのキャラクターが、にぎやか&br;   なBGMとともに現れて動き出すと、2人とも、ぽあーっとした顔で&br;   画面を見つめだすのだ。&br;   &br;   「よし、いいぞ…!さあさあお前らはこっちに座っておるのだ。&br;   “ちーずめんたいあじ”とやらのサクサクしたのもあるからの」&br;   2人の前に大袋入りのスナック菓子をおくと、誰に教えられるでもなく&br;   黙って画面を見ながら、菓子を手探って口に入れ始める。&br;   まさしくそれは、子供を大人しくさせる魔法であった。&br;   &br;   「いよし!完璧なのだ!これで我らは心置きなくゆっくりとしておれるぞー」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-16 (月) 23:26:37};
---「動く紙芝居?…こんなのがあったんだ……」&br; 地下都市に来てから動く映像は何度も見てきたが&br; どれも情報を提示するための物ばかりで&br; 物語性のある映像(アニメ)を見れば驚きの声が出てしまう&br; &br; 『アニメ作品の他、大人向けの娯楽作品やご家族で楽しめるエンターテイメント作品&br; …あなたの見たいがここにある!24時間お楽しみはすぐそこに!』&br; 説明の途中突然テンションの上がるはるかぜにぽかんとなってしまうカトラとサ姫&br; 「はるかぜ…さん…?」&br; 『…失礼しました、広告機能が作動しました…機能をカットします』&br; &br; 「まぁ良い…後で我らも楽しんでみるとするかの?」&br; 「私もー♪こんなの演劇場でしか見た事無いよー」&br; 疲れているはずだが、こんな刺激的な物を見れば興奮もしてしまう&br; そして、側にあるスナックを摘まむと&br; &br; 「あ?美味しい?何これ美味しい!新しい!」&br; 初めて経験する味にまたテンションの上がってしまうサ姫さん&br; 実はサ姫自身が前の街の倉庫で確保したお菓子類の一つだったりする&br; 多数確保したので細かい所までは覚えていないのでしょう&br; &br; 「チーズのコクと辛さが癖になる味だねー、でもチーズは解るけど『めんたい』って何…?」&br; 『解答。めんたいは正しくは明太子と呼ばれる食品の俗称で&br; スケトウダラの卵巣を辛子等のスパイスに漬け込んで生成されます』&br; 「タラと言う事は魚の類かの?魚とチーズでこの様な味が出来るとは驚きなのだ」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-17 (火) 00:29:16};
---「まぁ、魚とチーズならとっても健康的じゃな!2人とも、お代わりが&br;   欲しくなったらドローンに言いつければよい、すぐに持ってきてくれるからの&br;ジュースも…飲み放題じゃぞー?」&br;   「あう」&br;   「みゃう」&br;ウルメルとレィメルはアニメに夢中で曖昧に返事をする。&br;   &br;   「さあ、これで心配あるまい。おぬしはゆっくりと食事して&br;しっかり体を休めるとよいなのだ。&br;食事中にも落ち着きがない2ひ…2人とも今はとっても良い子にしておるでな」&br;   得意げに言うと、カトラはサキの背を押して食卓へと促す。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-17 (火) 00:39:19};
---「あ、うん…わ?すごい……」&br; 食卓には一流料理店にも負けない、コースメニューが並ぶ&br; 大きめの具の入った海鮮パエリア、えんどう豆のポタージュスープ&br; ヨーグルトのかかったフルーツサラダ、デザートはカスタードのプディングだ&br; サ姫の好みに合わせ選んだメニュー。…紐を引っ張ったり温めただけだけど……&br; &br; 「ふふん♪我だってやれば出来るのだ」&br; 自慢気に胸を張るカトラさん。…紐を引っ張ったり温めただけだけど…… -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-17 (火) 00:58:50};
---「でもやっぱり、ごはんは2人もちゃんと食べさせてあげた方が…」&br;   「だめなのだ、生き物にとって食事とはついでにするものではないなのだ。&br;   あの2ひ…2人は誰に頼って生きておる?おぬしであろう。&br;   そして、おぬしを生かしておるのは、日々の食事なのである。まずはおぬしが&br;   しっかりと集中して、食事から活力を得るのが肝心なのだ」&br;   カトラは椅子を引いて、サキを座らせると、”業務用オレンジジュース4l”をグラス&br;   に注いで差し出した。&br;   こういう時のカトラは実に雄弁だ。&br;   &br;   「あ、じゃあ、後でまた精気も分けてもらえると…ね?」&br;   「ん?ああー…うん、そうじゃな。まぁとりあえず冷めないうちに食べるなのだ」&br;   カトラは頬をちょっと掻いた。&br;   &br;   食事が済むと、サキはウルメル、レィメル達の側へと、すぐに戻っていった。&br;   カトラは、ちょっと気に入らなげに見ていたが、5分もたたないうちに、サキは&br;   2人の側でこっくりこっくりと、首を揺らし始める。&br;   「眠るのならベッドの方が良いなのだ」&br;   「ふぁい…2人をおねがいねぇ…」&br;   「任せておけなのだ」&br;   サキを軽く抱え上げると、カトラは2階の寝室まで運んでいった。&br;   &br;   体型と姿勢に合わせて、形状と反発力をAIで操作して最高の睡眠をもたらす、キングサイズ&br;   ベッドは、今度こそサキをしっかりと受け止めて快適な眠りを提供しているようだ。&br;   そっと戸を閉めると、階下を覗き見る。ウルメル、レィメルが、アニメとスナックの&br;   虜になり続けている。&br;   カトラは得意げに溜息した。   &br;   「古代文明のテクノロジーは大したものなのだ。おかげで我も安んじることができよう。&br;   褒めてつかわそう、はるかぜよ」&br;   『お役に立てれば幸いです』&br;   天井の指向性スピーカーから、声がする。&br;   眠っているサキや、アニメを見ているウルメル、レィメルの耳を邪魔することなく、カトラに&br;   だけ声を届けられる。これもテクノロジーの賜物である。&br;   &br;   「さーて、我もくつろぐとするかなー。ドローン、スナックとジュース、我の分も持って&br;くるなのだ」&br;「ピピッ」&br;   カトラは階下へと、伸びをしながら降りて行った。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-19 (木) 00:23:48};
---&br; カトラはかつて思っていた事がある&br; 音楽と言う物は人間の持つ文化の中で唯一、竜に勝る物では無いかと&br; 時に感情を揺らし、時に戦意を高揚させ、時に竜に穏やかな眠りさえもたらす&br; サ姫の歌でさえ、カトラを穏やかな眠りへと誘うのだ&br; 偉大とされる音楽家が作った曲ならばなおの事だろう&br; &br; しかし今日、この考えを改め無くてはならない&br; カトラは知ってしまった&br; 音楽にこのスナック菓子が加わった時の相乗効果の恐ろしさを&br; &br; 「良い…実に良いのだ……」&br; カトラはカウチに身を任せながら、スナック菓子を口へと運んだ&br; 耳には指向性スピーカーから聞こえる音楽が穏やかな時間を演出する&br; 今聞いているのは、古代の人間が作ったされる『惑星』と言う名の曲&br; この世界にあったとされる『星々』をテーマにした、七つの曲のからなる組曲だ&br; その中でもカトラは特に木星をテーマにしたとされる曲をいたく気に行った&br; &br; そしてそれは、丁度その木星が流れている時に起こった&br; &br; 「ふふーんふふーん…なのだ……うぉ…?」&br; 『カトラ様、おくつろぎ中申し訳ありません。火急のご連絡がございます』&br; 曲が急に途切れ声が聞こえて来た。はるかぜの声だ&br; 「なんなのだ、まったく…我はリラックスタイム中なのだ……」&br; 至高の時間を中断され、露骨に機嫌の悪さを見せるカトラだが&br; つい先ほどのウルメルレィメル消失事件の件もあり強くは言えない&br; 『申し訳ありません、しかしお子様の摂取カロリーの件についてご報告が……』&br; 「せっしゅかろりー…?」&br; 聞き慣れぬ単語に首を傾げてしまうカトラだが&br; その意味を聞いて顔を青くする事になってしまった&br; &br; 「うぃ……」&br; 「にゅぃ……」&br; 「いかん…これは極めて不味いのだ……」&br; カトラの目の前には大量のスナック菓子の袋に埋もれ唸り声を上げる二人の幼子の姿&br; ぽっこりお腹のウルメルとレィメルの姿があった&br; &br; これは明らかに食べ過ぎた。アニメを見ながら無心に食べ続けた結果なのだろう&br; カトラにも経験がある。熊の村で祭の菓子を食べ過ぎて動けなくなった事があった&br; 竜族の胃は食べ過ぎくらいで壊れるほど軟弱ではないが&br; それよりもこの状況を見たサ姫に何を言われるのか、カトラにはそれの方が恐怖だ。&br; 「そうだ!運動だ!身体を動かして腹ごなしをするの…どぅあ!?」&br; なんとせねばと焦るカトラだが、背後に感じる気配は時遅しを告げていた……&br; &br; 「…カトラちゃん、これはどう言う事かな?かな?」&br; 「は、はい…なのだ……」&br; この後、カトラが大変な事になったのは言うまでも無い。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-21 (土) 22:29:05};
---&br;&br;&br;「言われるままにお代わり持って来つづけたこやつらも&br;悪いみたいなとこはある」&br;   「「?!」」&br;   えっこっちの責任!?と言いたげに、トリとボールのドローン&br;   が振り向く。&br;   「責任転嫁しない」&br;   「はい…」&br;   正座したまま、サキにぴしっとされてしまった。&br;   &br;   「んでも、ほれ…我の角削って飲ませたし、もう大丈夫じゃろう」&br;   爪を切った後のように、スース―して、カトラは角をさする。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-21 (土) 23:51:48};
---「…うん…一応落ち着いたみたいだね…?」&br; 「すぴぃー……」&br; 「すみゅー……」&br; 毛布に包まれ穏やかな寝息を立てるウルメルとレィメル&br; カトラの角には病や傷を癒す治癒効果があるが、胃腸薬にもなる様だ。&br; 以前はウルメルとレィメルに角を与える事を拒んだカトラだが&br; 今回の件では大きく反省している事が見て取れる&br; それでもやはり……&br; &br; 「でもね?やっぱり食べ過ぎは良く無いと思うの」&br; 「うむ…わかったのだ……」&br; 「カトラちゃんもだよ…?」&br; 自分もなのか?と目を丸くするカトラだが&br; サ姫が指差す先。カウチの周囲に散らばる多数の空袋&br; 完璧な状況証拠が山を成して存在していました。&br; &br; 「カトラちゃんは誇り高い神域のドラゴンなんだよね…?」&br; 「う、うむ……」&br; 「なら子供のお手本にならないと…ね…?」&br; にっこり微笑むサ姫にカトラは何も言えないのでありました -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-22 (日) 00:14:38};
---「うむむ…」&br;   頬を膨らませつつ口を真一文字に結ぶ、何か言いたいが&br;   なんも言えない表情である。&br;   「まぁ、確かに、アレはやけに心地が良すぎて、止まらなくなった感じ&br;   はあるなのだがなのだ…」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-22 (日) 00:41:25};
---「もうー…欲望に負けちゃダメだよー…?」&br; 「…サキュバスのお前がそれを言うか?なのだ……」&br; 食欲と並ぶ性欲の悪魔である、サキュバスが欲望について説教する&br; 実におもしろい光景でありました&br; &br; 「ん…じゃあ…私と…♥」&br; 「…うむ、自身を律するとしよう、なのだ」&br; 性的な事に関しては相変わらずストイックなカトラでありました。&br; あるいは照れ隠し? -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-22 (日) 23:37:07};
-''状況:子育て相談中'' --  &new{2019-09-22 (日) 23:42:55};
--&br;「えー…食事は大事、ということでなのだ。地下都市で見つけた食料は、やたらうまい、うますぎてなんかおかしいなのだ」&br;モニターの前のカトラが始める。モニターにはグラフとか数字が並んでるが、特に意味はない。&br;「それについて、はるかぜよ、何か知ってることはあるかの」&br;『保存食の類は、必須カロリー摂取、および非常時の精神安定を考慮して&br;味と嗜好性を優先的に作られています』&br;「どゆこと?」&br;『糖と脂質、そして食が進むよう脳を刺激する合成物質で作られています』&br;トリドローンが、空になったスナックの袋を咥えて持ち上げる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-22 (日) 23:49:18};
---ウルメルとレィメルが手を伸ばしてちょうだいとおねだりし始める。&br;一目瞭然の中毒性である。 --  &new{2019-09-22 (日) 23:50:27};
---「ああ?二人ともさっき食べたばかりでしょう…?」&br; 「むぃぃ」&br; 「みゅぅ」&br; スナックの袋に手を伸ばす二人を抱きあげると&br; 胸元に二人の顔を埋める様に抱きしめた。&br; &br; 「合成物質って…えっと、カガクとか?はいてくとか?&br; そう言う物を使って作った物って事」&br; 『はい、さらに詳しく説明しますと。美味しいとされる食品の味覚及び食感を数値化、それを元に化学的に生成した合成物質を配合&br; 食した際の感触及び快楽中枢を最も刺激する味と食感を作りだしたそうです』&br; 『特に非常食やスナック類は、シェルター内等の閉鎖環境下でのストレス軽減効果も考慮された成分になっているそうです』&br; つまりは食べるとイライラや過激な衝動が収まると言う事らしい -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-23 (月) 00:37:18};
---「それ最高なのだ!食べるだけでハッピーではないか!&br; よーし、もっと集めてきて食べまくるなのだ!&br; …あ、うん。そんなに良くもないかななのだ」&br; じっとりとサキに睨まれて、カトラは苦笑いでごまかす。&br; 「ん、ごほん。つまり倉庫で見つけた食料は、あまり&br; 食べ過ぎてはいけないと…。そうなると…はるかぜに積まれて&br; いた小麦やミルク、それに我らが持ってきた食料ぐらい&br; しか安全ではないなのだ?」&br; 長旅に備えて集めた食料は、ほとんど地下都市の倉庫のものだ。&br; ここしばらく出番の無い、ヴァル姉のカバンの中に入っている&br; のは、わずかな干魚と干し肉ぐらいである。&br; &br; 「食料の調達に地上に出なければならんかのー?」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-23 (月) 00:53:42};
---「地上かぁ……」&br; 食糧の調達と聞けば思い出すのは森や海辺でのサバイバルキャンプ生活の事&br; 「久しぶりにキャンプしてみるのもいいかもね…?ん…よしよし……」&br; 胸に甘えるウルメルとレィメルをあやしながら、あの生活を懐かしむ&br; &br; サ姫は夜の世界に生きる魔族だが、キャンプ生活の間は&br; 朝日と共に起きて日が沈むと床に入る、そんな健全な生活を送っていた&br; 口にする食糧も飲む水も、自分達で採集し調理し加工する&br; そんな事を思えば、主食にしていたどんぐりクッキーの味が懐かしくなってきた -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-23 (月) 21:24:49};
---「野外で長く暮らしたのは、熊達の世話になった時以来であったが。&br;
やはり、狩りをする暮らしはよいものなのだ。&br;ドラゴンとしての本分を思い出す」&br;うんうん、とカトラはうなずく。&br;現代的に言えばパレオダイエット的なことだろうか。&br;「次の駅にも、地上へ通じている道はあるのじゃよな」&br; 天井あたりに声をかける。&br; 『はい、各都市の駅ごとに、地表開口部へ通じる線路がございます。&br; ”この標識”のある線路がそうですが…』&br; 「”この標識”じゃなー。何かまずいのかの」&br; 『地上は危険区域につき、関係者以外立ち入り禁止です』&br; 「案ずるな、我らは地上から来たなのだ」&br; 『それは…驚きですね』&br;「ほう、おぬしでも驚くのだな。どうせ次の駅も人はおるまい、なら面倒もおこるまい」&br;地下に来て以来、古代のテクノロジーに驚かされてばかりで、ちょっと愉快だ。&br; 「さっそくキャンプの準備にかかるなのだ!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-23 (月) 21:34:45};
---「うん♪二人も太陽いっぱい浴びようね…♪」&br; 「むぃー♪」&br; 「にゅー♪」&br; 魔族らしからぬ台詞ではあるが&br; 地下暮らしの方が長くなりつつあるウルメルとレィメルには良い機会で&br; それにサ姫自身も、青い空と雲を見たくもあった&br; &br; そんな訳で、次の駅に向けての準備を始めるのでした -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-23 (月) 21:41:12};
---&br; &br; &br; 「斧にポットに水汲み用の缶に…テントじゃろ、寝袋じゃろ…」&br;貨車に積まれた運搬車の横に、様々な道具を並べて確認していく。&br;ぬいぐるみを見つけて、むふっとした笑みを浮かべつつ、カバンに放り込んだ。&br; アンティークな旅行鞄である。不思議なことにすべての道具は&br; 小さなカバンの中に吸い込まれるように収納されてしまう。&br; 「ヴァル殿のカバンの出番も久々な気がするのう」&br; そして、カバンは運搬車の荷台へ乗せた。&br; 「そっちの準備はどうじゃー」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-23 (月) 22:15:01};
---「うん、もうすぐ終わ…ああ?ウルメル、ボールは三個までにしようね?」&br; 「むぃぃ?」&br; サ姫が準備したであろう調理器具と幼児用品の隣にはカラーボールの山が築かれ&br; 「レィメルもぬいぐるみはクマさんだけにしようね?」&br; 「…みゅぃ」 &br; ボールの山の隣にはクマウサギネコが行列を作っていた&br; 旅行前、子供の分の準備もしないといけないお母さんは大忙しなのでした -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-23 (月) 22:30:44};
---「まぁ、そやつらも連れてくよな…なのだ」&br; 「なーにーカトラちゃーん?」&br; 「いいや、何にもなのだー」&br; 目的は食料収集だが、泊りがけとなれば、サキが&br; 2人を置いていくはずもない。&br; 諦めて、カトラは運転席に座る。モーターエンジンが&br; 自動でかかりコンソールに明かりが灯った。&br; &br; 「では、出発なのだ!」&br; サキが助手席に座り、ウルメルとレィメルはチャイルドシートへ。&br; ドローン達は牽引荷台に乗っかった。&br; 『了解いたしました、出発いたします』&br; コンソールからはるかぜの声がして、貨車の横の扉がガラガラと開く。&br; そのまま、運搬車は真横に滑るように徐行し線路上に降りた。&br; 「前の経験から、直接駅に向かうと異界化が激しいと思うなのだ。&br; なので、貨車区画の方から地上への線路へ向かうとするのだ」&br; 『ルートを設定しました』&br; ハンドルが一人でに動き出し、運搬車両は走り出す。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-23 (月) 22:44:58};
---「しゅっぱーつ♪何度も乗ってるのに旅行って付くだけでドキドキするね…♪」&br; 「うむ!この胸の高鳴りも旅の醍醐味と言えよう!なのだ」&br; 思う所はそれぞれにあるが。やはり何かが始まるワクワク感に&br; サ姫もカトラもテンションがあがっていた&br; &br; 「むぃむぃ♪」&br; 「にゃぅぅ……」&br; キャンプと言う事で厚手の幼児服に着替えたウルメルとレィメルだが&br; ウルメルは腕を振り振りはしゃぎ、レィメルはぷるぷると緊張した表情を見せている&br; 「ふふ♪二人共何が起こるか楽しみだねー♪」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-23 (月) 23:06:09};
---(次の駅の上は、たしか山奥のど真ん中じゃし、&br; 子育て中のドラゴンなど居たら、この2匹を里子&br; に出すというのも悪くないかなー)&br; 「カトラちゃんは、何をにやけてるのー?」&br; 「いいやー別に―。釣りも久々じゃのうって」&br; それぞれの思いを乗せ、車両は暗いトンネルの中を&br; 進んでいく。&br; 「それに、薄暗い場所ばかりで、少々飽いておったしの」&br; &br; 程なくして、暗く広い場所に出た。&br; まばらに灯る照明が、操車場の、何本も並走する線路を&br; 真夜中のように浮かび上がらせている。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-23 (月) 23:32:10};
---「うーん…トンネルは抜けたけれど…彩りが無いね……」&br; 地下故にその景色は単調で彩りに欠けていた&br; 灯りから少し離れるだけで、壁すら見えない暗闇であり&br; 遠足バスの窓から見る風景にはほど遠かった -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-24 (火) 22:30:13};
---「地下だからのー。まぁこの辺りの地上は&br; 近くに街の一つもなさそうなめっちゃ原生林って感じの山奥&br; だったはずなのだー」&br; 加えて今は初秋である、海辺にあった町から&br; 少し北へ行ったあたりなので、きっと真っ盛りだ、秋が。&br; 「でも、さすがに道中真っ暗も味気ないのぅ。&br; 歌でも歌ってみたらどうだ?なのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-24 (火) 23:23:35};
---「歌かぁ…いいね、そうしようかな…じゃあ……」&br; 風景は地上に出るまでのお楽しみとして&br; 今を楽しむのならば、歌ほど最適な物はないかもしれない&br; 「1・2・3…ら〜♪らら〜♪」&br; 「…?、むみゃ〜♪むにに〜♪」&br; 「ぷにゃ〜♪みゃみゃ〜♪」&br; サ姫が歌い始めれば、ウルメルとレィメルも直ぐにリズムを真似し始めた&br; &br; 歌は良い。言葉が通じずとも歌えばわかりあえ、友達にもなれる&br; 幼い子供にとって歌は一生の記憶&br; いつかどこかで聞いた歌、それは母の歌かもしれない&br; 孤独な時も歌う事で、前へ進む事が出来る……&br; &br; そんな穏やかな歌のハーモニーが地下の空間へと広がって行く -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-24 (火) 23:50:28};
---ついでに荷台で6本足とトリとボールのドローンも&br; リズムをとったりして楽し気である。&br; 「ふふーん、これはこれでいいではないか」&br; カトラは例のちーずめんたいの袋を開ける。&br; 快適な自動運転に揺られつつ、歌を歌い、おやつもある&br; 完璧な行楽気分である。&br; 「ふん、ふふーん…ぶぁっ!?」&br; のんきに鼻ずさんでいたら突然目の前が真っ暗で毛むくじゃら&br; になった。&br; 「うわっなんじゃ!?事故か!?」&br; キキキッと鳴いた毛むくじゃらは、スナックの袋をつかんで&br; 飛び去って行った。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-25 (水) 00:13:16};
---「コウモリだ!こっちにもあんな大きなコウモリいるんだね……」&br; 闇を見通す瞳で飛び去る後ろ姿を追うサ姫さん&br; 既に遠く小さくなりつつあるが&br; 皮膜の付いた両翼を広げた大きさは2m近くありそうだ&br; &br; 「むぃーむぃー♪」&br; 「みぃーみぃー♪」&br; 「ふふっ、あれはコウモリさんだよー♪」&br; ウルメルとレィメルは初めて見るコウモリに興奮しているみたいで&br; 鳴き声を真似したりしてる -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-25 (水) 00:31:50};
---「なんでこんなとこにコウモリがおるなのだ?」&br; 乱れた髪を直しながらカトラは首をひねる。&br; 「この地下都市にはネズミ一匹どころか虫一匹&br; 居なかったのに…地上がもう近いのかの?」&br; 『地上開口部までまだ10000mほどありますが』&br; 「ふむぅ…ちょっと止めてくれなのだ」&br; ヒュゥゥ…と音をさせて運搬車が停車する。&br; カトラは運転席で立ち上がった。 もとよりオープンカーなので、別に座った&br; ままでも全然よかったのだが。&br; 「ふんふん…」&br; 鼻を鳴らす。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-25 (水) 01:48:53};
---「あ…言われてみればそうだね…?」&br; コウモリと洞窟はワンセットなイメージがあったが&br; この地下都市群には、地下に居て当たり前の生物たちが居ない&br; ウルメルやレィメルとの出会いはあったが、それは特殊な事例なのだろう&br; &br; 「んー…カトラちゃん何か匂う…?」&br; 「ふんふん」&br; 「ふんふん」&br; カトラの真似をして鼻を鳴らすウルメルとレィメル -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-25 (水) 02:03:48};
---「土と濃い木々の匂い…。森なのだ近いぞ」&br; カトラの五感はするどい、鼻は犬の10分の1&br; 耳はうさぎの半分、視力はワシ並みの5.0やや遠視気味だ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-25 (水) 02:18:32};
---「…んー?私にはわからないけど…この先に森があるの…?」&br; はるかぜの情報通りなら地上はまだまだ先のはずだが&br; カトラが言うのなら、この先に森あるいは何かしらの自然環境があるのだろう&br; 「むぃむぃ♪」&br; 「みゅみゅぅ♪」&br; ウルメルとレィメルも何かしら感じている様だ&br; &br; 「そうなると…慎重に進んだ方がいいかな……」&br; コウモリが大型化する程の自然環境があるのなら&br; そこに住む他の動物も大型化している可能性がある&br; 雪山麓の森に、大型化した生物に追われた記憶が蘇ったりも -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-27 (金) 23:40:17};
---「また異界化している可能性もあるしなー…」&br; 昨日の追いかけっこを思い出して、カトラは人知れず尻を撫でた。&br; &br;「あ、おぬしあれ出せんか、使い魔」&br; 使い魔、動物に魔法をかけてメッセンジャーや&br; ドローンのように便利に使う魔法、またその動物のこと。&br; 凝った奴だと、本物の猛獣やモンスターを&br; 飼い慣らし、薬や術で改造したりする。&br; 簡単な奴は、紙人形だったり、単に本人の魔力&br; を飛ばすこともある。オーソドックスな魔法だ。(魔法wiki)&br;&br; 「異界化しておったら、様子を見に行った者は&br; 大抵帰ってこぬからな。&br; 髪の毛を混ぜて、本人の気配を偽装すれば&br; 異界の方が人が紛れ込んだと勘違いするであろうなのだ」&br;&br;髪の毛、魔法や術でよく使われる。髪の毛を依り代&br; に入れて本人の身代わりにするのはとてもオーソドックス。(魔法wiki) -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-28 (土) 00:19:56};
&br;&br;
---「使い魔かぁ…んー…使えそうな材料あるかな…?」&br; 座席から立ち上がると荷台へ上がりヴァル鞄を開いてみる&br; 真っ先に目についたのはヌイグルミ&br; でもこれはレィメルのお気に入り、使い魔にする事は出来ない&br; 同じ様にボールはウルメルのお気に入りの遊び道具&br; そうなると、もっとありふれた材料ででっちあげるしかない&br; で、あれこれと悩んだ結果……&br; &br; 「出来た♪こんな感じでどうかな?」&br; 完成したのはハンカチを折って作ったピンクのコウモリ&br; そこにサ姫の髪の毛を結び付ける事で使い魔としての魔力を宿しました&br; &br; 「それ…♪」&br; 「ぷわぁぷわ♪」&br; 「にゃうにゃう♪」&br; サ姫の合図でふわりと浮き上がり飛び回るハンカチコウモリ&br; 飛び回るコウモリに手を伸ばすウルメルとレィメル -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-28 (土) 00:44:29};
---「ほほう、上出来ではないかなのだ」&br; ピンクコウモリは2〜3度頭上を周って&br; 前方の闇へと消えていく。&br; 『…あの』&br; 急にはるかぜが話しかけてきた。&br; 『お二人とも、先ほどから何をなされているのでしょうか』&br; 「何って、使い魔に様子を探らせておるなのだ」&br; 『…新型のドローンか何かでしょうか』&br; 「え」&br; 今度はカトラの頭に?が。&br; 「魔法じゃろ、ふつーの」&br; 『魔法…地下にいる間に、地上は随分と変化して&br; いたのですね』&br; 「ほほう、おぬしでも驚くことがあるのかなのだ」&br; カトラはにまりとした。&br; &br; サキが使い魔を飛ばすのに集中して数分…。&br; 「帰ってこぬな…。やはりこの先は危険かのう」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-28 (土) 23:41:36};
---「まって……」&br; ここまで静かにしていたサ姫が口を開いた&br; 「むふー」&br; 「ぷふー」&br; そしてサ姫が口を開くとウルメルレィメルが大きく息を吐いた&br; サ姫が静かになったので、二人とも緊張していたみたいです&br; &br; 「リンクが途切れてないから…大丈夫だと思う」&br; リンクとはサ姫とピンクコウモリとを繋ぐ魔力回線の事で、糸電話の糸の様な物。&br; さらに、サ姫は悪い感覚が無いと言葉を続けた -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-28 (土) 23:57:30};
---(なんか犬みたいだな…)&br; ウルメル、レィメルの挙動を見てそう思うカトラさん。&br; &br; それはそれとして、使い魔のことである。&br; 「どっか引っかかったかの。とりあえず先へ進んで&br; 見るなのだ」&br; 『発進いたします』&br; 運搬車のインホイールモーターが疑似的にエンジン音を発して、運搬車は動き出した。&br; &br; しばらく走って、ビルが出し入れできそうなほど巨大な扉の脇。&br; 小さな通用口の扉の前に出た。&br; 「換気口かの?明かりが漏れておる…」&br; 「ほんとだ…」&br; 夜目の効く2人はすぐに扉の上部に開いた穴から漏れる光に気づいた。&br; 脇のコンソールが一人でに稼働して。&br; さっき、はるかぜのシアターで見た&br; R.egional &br; R.ailway &br; A.dministration &br; B.ureau &br; のロゴが表示された。&br; 扉がきしきしと開いていく。はるかぜが開けたのだろう。&br; &br;入ってすぐ、天井がもこもこと動いていると思ったら、コウモリの群れであった。&br;オレンジライトに照らされたトンネルを進んでいく。&br;無味無臭、清潔そのものだった地下都市と違い、臭く、湿った匂いがする。&br;辺りは照明以外の明かりで徐々に明るくなっていく。&br; カーブを曲がったあたりで、ヘッドライトが消えた。&br; &br; 「これは…」&br; カトラが思わず運転席から身を乗り出す。&br; トンネルの先は、地上のように陽光が降り注ぎ。鬱蒼とした&br; 森になっていたのだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-29 (日) 00:23:49};
---「まだ地下だよね?地下なのに森があるの…?」&br; 身を乗りだしたカトラの頭をサ姫の胸が押し潰した&br; 「むむぃ?むぃ!」&br; 「みゅみゅ!」&br; さらにサ姫の背に乗る様にして&br; ウルメルとレィメルが身を乗り出してきた -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-29 (日) 00:41:29};
---「地下だと?地上ではないのか、こんなに明る…真っ暗で何も見えぬなのだ!!」&br; サキのおっぱいで目隠しされているせいである。&br; &br; カトラに代わって説明すれば、郁郁青青とした眼前の&br; 森林は、地上と変わらないが、空には格子状の巨大な半円形の&br;アーケードが、どこまでも延々と果てしなく続いていたのだ。&br; ちょうど、カトラとサキが、地下都市の入り口を発見した時に&br; 見た、広大な谷間を天蓋していたのと同じ構造だ。&br; &br; 格子状天井は遥か高くにあり&br; 流れる雲を映し出しているのだから。&br; 全長が何十劼發△覯梗爾涼罎里茲Δ砲盪廚┐燭。&br; 明かりを注ぐのは、太陽ではなく、地下都市でお馴染みの&br; 巨大な採光器なのだ。&br; &br; 「じゃーまーなーのーだー。&br; お、使い魔のやつ、あんなところにおったなのだ」&br; おっぱいを押し上げて視界を確保。&br; ピンクのコウモリは周りが明るくなったせいか。&br; 木の枝にさかさまにぶら下がって居る。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-29 (日) 00:58:33};
---「えっと…ごめん。あ、ほんとだ?おいで……」&br; サ姫が命令すると、ピンクのコウモリは枝から離れサ姫の元へ戻ってきた&br; 「おつかれさま♪破けているところは無いし…危険は無さそうかな?」&br; 「むぃ?」&br; 「みゅい……」&br; 不思議そうにハンカチコウモリを見てるウルメルとレィメル&br; &br; 「でも…なんで森になっちゃったんだろうね…?」&br; 技術の進みきったこの地下都市は自然とは無縁と思っていた&br; 町が大きく発展するほど森が消えて行く様に&br; この古き地下都市は高度発展の果て、自然を排除した様に見える&br; なのにこの光景はなんだろう? -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-30 (月) 21:18:04};
---「よく見ると…壊れた建物なんかを、植物が覆っておるのう」&br; 発見当初のアユタヤ、あるいはアンコールワットや&br; マヤの遺跡のようにである。蔦に覆われ、苔むし、&br; あるいは、木の根の間に取り込まれた文明の名残が&br; そこかしこに見受けられる。&br; 通ってきたトンネルも、光が差し込む範囲まで草が生え&br; 葛が旺盛に壁面にへばりついているのだ。照明には蜘蛛の巣まである。&br; &br; 『この地下都市、F003は最初期に作られた地下都市の1つです。&br; 地表近くにあるため明かりを取り入れやすく、大規模プランテーション、&br; 自然保存区、観光施設などが設けられました。また地表との緩衝地帯&br;としての意味もあります』&br; 絶妙なタイミングで説明の合いの手を入れてくれるはるかぜさん。&br; さすがは観光列車を運行しているだけある。&br; &br; 『また、人的リソースの有効活用のため、地下都市初の&br; 自立型ドローンのみによる施設運営の実験場でもありました』&br; 「なんか6本足に似たようなドローンが歩いておるのう…」&br; 見るからに旧型っぽい首のない6本足ドローンが森の中を&br; カシャンカシャンと歩いている。&br; 苔むしたその背中にはカラフルな小鳥とアルマジロが乗っていた。&br; 「ご先祖…?」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-01 (火) 00:21:36};
---「不思議な光景だね……」&br; そこにはこれまでの地下都市の概念をひっくり返す光景があった&br; 自然と人工物の融合。相反する物と思っていた物が同時に存在し&br; それらは共存している様にさえ見えて……&br; 「つまりあれかな…?自然保存区…?それがどんどん成長して……」&br; 『はい、推論となりますがその可能性が高いと思われます』&br; ドローン達が人の居ない街を整備し続けたのと同じ様に&br; この街を管理するドローン達は&br; 木々や植物、そこに暮らす生物達をを管理し続けたと言う事なのだろう&br; &br; 「カトラちゃん…少し歩いてみようか…?」&br; サ姫は振り向かず呟く様に言った。&br; 地上に向かう事がこの探索の目的ではあったが&br; その途中、この光景を見つけた事は偶然とは思えなくて……&br; 「ぷわー♪」&br; 「にゃぅぅ♪」&br; そして当然の様に行く気満々のウルメルとレィメル -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-01 (火) 00:40:05};
---と、車内に見当たらないカトラ…。&br; 「おーい、こっちに見たこともない果物生ってるぞなのだ!&br; うっは、なんだあの猿!鼻長ッ!あっち!あっちの草原&br; みたくなってるとこ!山羊みたいなやつがおるのだ!あとで&br; 捕って肉を食おうなのだ肉!うわっあのコウモリもでっかいなー!&br; あれだけデカければ、旨いかもしれぬなのだ。ぶえっ渋ッ!」&br; カトラは木の上に飛び乗って、見たこともない果物を噴き出していた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-01 (火) 00:50:30};
---「…あ、あれ?…カトラちゃんったら…もう……」&br; しっとりしたムードを壊すカトラに思わず苦笑してしまうサ姫だが&br; カトラらしいよねと思えば、その表情は柔らかな笑みへと変わる&br; 「ぬぁー!」&br; 「みぃみぃ……」&br; そしてカトラを追う様に車輛から降りようとしているウルメルとレィメル&br; 「あは、そうなるよね…?二人共足元に注意してね…?」&br; 携帯用のポシェットを肩にかけると&br; 二人を順に降ろしてからカトラの元へ駆けて行った -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-01 (火) 00:57:13};
---&br; &br; &br; 4人と3体と1台が木漏れ日の中を進んでいく。&br; 落ち葉に埋もれ、根が突き破っているが、元々&br; 道路だったであろう森の小路は、最高のハイキングルートだ。&br; &br; 「さっき上から見たら、湖があったなのだ。&br; そこをキャンプ地としようなのだ」&br; 上機嫌に、カトラは先頭を歩いていく。&br; ウルメル、レィメルはサキに手を引かれ&br; 歩いているのだが、長距離を歩くのに慣れないのか&br; レィメルはすぐに抱っこをねだり始める。&br; 「疲れちゃったの?それじゃあ…」&br; 後ろについてきている運搬車に乗せようとすると&br; いやいや、と首を振る。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-01 (火) 01:37:35};
---「んー…仕方が無いなー…ん?」&br; レィメルを抱き上げようとすると袖を引っ張られた&br; 「むぃ……」&br; 振り向けばウルメルが自分もと言う様に両手を伸ばしていた&br; &br; 「はは…ウルメルもだよねぇ…?じゃあ二人共だっこ…を…を…?」&br; 両手それぞれにウルメルとレィメルを抱き上げようとするのだが&br; 上がらない。少しは上がるのだが、曲げた膝が上がらない&br; 二人の成長はサ姫が思う以上に早く、体重も以前より増えていた&br; &br; 「あ、あれ…?んー……」&br; それでもと二人を抱き上げようとするサ姫だが&br; 上がらない。&br; 城育ちの箱入り娘のサ姫だが&br; カトラとのサバイバル生活で多少は腕力がついたつもりだった&br; しかし、成長した二人を抱き上げるにはまだまだの様でした。&br; &br; そんな光景を溜息しながら見ていたカトラだが……&br; 「じーっ……」&br; 不意にサ姫の視線がカトラの方へと向いた&br; この視線は何度も見た視線、サ姫お得意のお願いの視線だ。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-01 (火) 01:54:30};
---「ぐ、ぬ…」&br; 嫌だと言いかけてカトラは顔を引きつらせる。&br; 「ぐぬ、ぬ…」&br; なおも視線はきらきらと降り注がれる!&br; &br; 「はぁ…」&br; 「だぅー」&br; 結局、カトラはウルメルを肩車した。&br; 「おい、角を掴むでない。&br; というか、ドラゴンの角を気安く触るとこっぴどく&br; されるからな、ちゃんと覚えておけなのだ」&br; 「むぃー」&br; 「うわぁーハンドルみたく曲げるなぁ!!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-01 (火) 02:08:38};
---「ふふっ、掴み易い位置にあるから仕方ないよ」&br; 「みゅい」&br; カトラとウルメルのやりとりを微笑ましげに見守っているサ姫さん&br; レィメルの方は疲れたのか、サ姫に抱っこされほっとりしていますね&br; ともあれ、幼子を抱っこしおんぶしカトラ達は森を進んで行く&br; &br; 「地下にこんな森があるなんて…地上の人は誰も知らないんだろうね……」&br; 歩きながらぼんやり呟くサ姫&br; 今でこそ普通に過ごしているカトラとサ姫だが&br; それ以前は、地下に都市がある事すら知らなかった&br; 地下には都市があり、列車が走り、機械の従者達が活動している&br; そして今度は森を見つけてしまった -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-01 (火) 22:32:09};


---『お伺いしてもよろしいでしょうか?』&br; 珍しく、はるかぜが自分から話しかけてきた。&br; 「なんなんなのだー?」&br; 頭の上のウルメルを大人しくさせようと、苦闘しながらカトラが答える。&br; 『現在、地上では人が暮らしているのですか?』&br; 「いっぱいおるが?ああ、そうかおぬし何百年も地下におったのじゃものな」&br; 変なこと聞くやつだなとカトラは首をひねりつつ、ウルメルにひねられている。&br; 「ドラゴンの国についたら、ここのことを皆に教えてやろうなのだ、大発見になるのだ。&br; そうしたら、鉄道のお客もたくさん増えてきっと大忙しになるなのだ!」&br; 『もう一度、多くのお客様のお役に立てるのなら、大変喜ばしいことです』 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-01 (火) 23:43:44};
---「動く紙芝居とか世界に広まったら…色んなお話作る人が出て来るかもね…?」&br; 絵が音楽に合わせて動くアニメ作品は、今の地上世界には存在してい無い娯楽だ。&br; もしあれが地上世界に広まり、多くの人が作品を作ったのなら&br; 世界の娯楽は大きな発展をするのかもしれない。&br; &br; 『今の地上では映像技術等も失われてしまっているのですね……』&br; 「うん、他にも地上には無い物ばかりだよー」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-02 (水) 00:06:10};
---「この森も、地上では絶滅した動物がおったりして&br;な?おお、すると世紀の大発見になるなのだ!&br;気を付けて食べないとなーなのだー」&br;捕って食うことは前提である。カトラは血肉に飢えて&br;いた。&br;&br;&br;&br;気持ちのいい森の中をのんびりと歩いていると&br;湖面輝く湖のほとりに出た。&br;さざ波たてる爽快な風を身に受ければ、ほんとうに&br;ここが地下だということを、忘れてしまうようだ。&br;大きな魚の跳ねる飛沫も見えて、絶好のキャンプ地に&br;見える。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-02 (水) 00:33:17};
---「ふわぁ…すごい…本当に湖があった……」&br; 地下深くに森がある事だけでも驚きなのに、湖まである&br; 雨水が溜まって出来た濁った沼では無い&br; 光に煌めく透き通り澄んだ水を湛えた湖だ&br; &br; 「にゅ?ぷわぁ…!?」&br; 「むぃーむぃー♪」&br; サ姫に抱かれたレィメルとカトラに肩車されたウルメルが騒ぎ始めた&br; 湖の方へ手さえ伸ばしている&br; 「あは?泳ぎたいのかな…?もう少し側まで行ってみようか…?」&br; サ姫は抱いていたレィメルを降ろすと湖の側へと向かう&br; 「カトラちゃんも行ってみようよ♪」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-02 (水) 01:03:59};
---「水辺が好きなんかのー」&br;ともかく、肩車から解放されて、カトラはほっと一息した。&br;「ここらは下草も刈られて、じゃまっけな石もないのう。あの者&br;たちのおかげなのじゃな」&br;森で暮らしたことのあるカトラ達にとって、地面で寝る際の石拾い&br;の重要性は身に染みている。&br;&br;湖面の近くには、旧型のドローン達が水を飲む小型の馬の群れに交&br;じって作業しているのが見えた。&br;1体が近寄ってきて、6本足とトリとボールとLEDを点滅させて交信&br;しはじめたと見えたら。&br;『ここのドローンの手伝いに行きたいそうです。許可しますか?』&br;「よかろう、荷運びにはおぬしがおればよい」&br;『承知いたしました』&br;&br;「さって!テントを張ったらさっそく食料あつめといこうではない&br;か!いつものように手分けするのだ、我は狩りに、おぬしは採集なのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-02 (水) 01:19:22};
---「狩り?先に皆で周辺探索した方が良く無い…?あ、何か跳ねた」&br; 「むぃ…?」&br; 「ぴゃ…ぴゃあ…?」&br; サ姫とウルメルレィメルが水辺でぴちゃぴちゃとやっていると&br; 湖から何か大きな物が跳ねた。魚の様だがかなり大きい&br; 慌てて湖から離れ、サ姫の影に隠れるウルメルとレィメル -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-03 (木) 22:39:49};
---「そうなのだがなぁ…、ドラゴンには、獲物の血肉が必要なのだ…」&br;カトラはちょっと遠くを見つめながら、呟く。&br;「そも、ドラゴンの国ではドラゴンは肉を喰らうモノなのだ。&br;獲物を血肉ごと喰らってこそ、そやつらも健やかに育つというも&br;のなのだ」&br;ここ2週間ばかり、ほとんど保存食か粉物ばかりで、新鮮な肉に&br;ありついていない。&br;「なるほど…」&br;サキがうなずく、ウルメルとレィメルはカトラと同じ種族だ、言&br;うことには一理あるのだろう。&br;しかし、カトラが急に2人のことを気に掛ける様な事を言う時は大体…。&br;「カトラちゃん、お肉が食べたいんだね」&br;「ちょー食べたい!!肉!肉!肉!!」&br;本音。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-04 (金) 00:58:35};
---「ぬぁー!」&br; 「ぴゃっ!?」&br; 突然ウルメルが両腕を上げ雄たけびを上げた&br; その声にレィメルは驚き跳ねて転がりそうになってしまった&br; 「ウルメル…?わ…レィメル?」&br; 急な事にサ姫もわけがわからずぽかんっとなってしまう&br; &br; 「とにかく我は狩りに行くのだ!肉!肉!肉!肉祭なのだ!」&br; 「ぬぁー!ぬぁー!」&br; 廃材から削りだした槍を片手にカトラは森へと入って行く&br; それを追う様に付いて行くウルメル&br; &br; 「えっと…レィメルはママと行こうか……」&br; 「みゅぃ……」&br; 森に消える二人を見送りながら&br; 茫然と呟くサ姫とレィメルでありました -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-04 (金) 01:21:56};

---&br;・&br;・&br;・&br;「やはり狙うなら大物だよなーなのだ。久々の狩りでわくわくしてきたなのだー」&br;「だぅー」&br;「って、お前ついてきてたのかなのだ。ほれ、2人のとこに戻れ」&br;カトラが森の中を意気揚々、進んでいたらウルメルが付いて来ているのに気づいた。&br;背中を押して元来た道に押し返しても、しつこく食い下がってくる。&br;「んもぅ、面倒じゃのう…。危ないから槍をいじるでない。玩具&br;じゃないのだぞ」&br;テンションダダ下がりだ。&br;&br;ガサッと、突然前方の茂みに物音がする。&br;「ぬっ!」&br;「ぬぁ」&br;カトラはとっさに伏せて身を隠し、ウルメルは頭を押さえて隠れ&br;させた。&br;イノシシだ。距離にして20mほど。相手は油断している。&br;だが、目も鼻もドラゴンなカトラにとっては射程内!&br;(さっそくツイているではないか…!)&br;手にしていた槍を、静かに肩に担ぎ上げ、その重さを手に感じる。&br;しばらく振りだが、狙う感覚に鈍りは感じない。&br;槍が少々重たく感じる程度だ、大型の獲物には、重量を乗せた&br;一撃がかえって好都合である。カトラの腕力から放たれる槍は、イノシ&br;シの針金のような毛皮と分厚い筋肉を貫き、骨すら砕くだろう。&br;「ふぅ…せいやっって、うわぁああああ!?!」&br;「のぁーーーーーーーーーーーー」&br;静かな気合ととも放たれた槍、悲鳴をあげるカトラ。&br;やけに重たいと思ったら後ろにウルメルが引っ付いてた。&br;カトラは慌てて茂みから飛び出して追いかける!&br;イノシシは脱兎のごとく逃げ出した。 --  &new{2019-10-05 (土) 00:24:47};
---&br; (デフォルメされたカトラの顔が回転してサ姫の顔になるアイキャッチ)&br; カトラがウルメルを追いかけているその頃……&br; 「…今、誰か叫ばなかった…?」&br; 「みゅい?」&br; 遠くに奇妙な叫び声を聞き首を傾げるサ姫とレィメル&br; 二人は手を繋ぎ、森中の比較的開けた所を選んで歩いていた&br; &br; 「猛獣とかじゃないといいけれど……」&br; 「み…みみ……」&br; サ姫の不安気な声にレィメルはぷるぷる震えてしまう&br; 「あ?大丈夫だよ…ママが守ってあげるから…ね?」&br; 「ふみ♪」&br; そんなやりとりをしながら森の中を歩き続ければ&br; 不思議な色の果実がなる木を見つけました&br; &br; 「あれ?変わった色の果実だけど…食べられるのかな…?」&br; 「ふにゅ?」&br; 青の様な紫の様な不可思議な色。形はオレンジよりもいびつで&br; 見た目は怪しいが、もしかしたら食べられるかも?とサ姫は手を伸ばすのだが……&br; &br; 『ピプーッ!』&br; 「わ?キジムナー?」&br; 「みゃう…!?」&br; 草の影から草の塊が飛び出してきた。驚き飛び退くサ姫とレィメル&br; ちなみにキジムナーとは森に住む木々の妖精です。&br; &br; 「あ…この子ドローンだ…えっと…もしかして食べたらダメって事かな…?」&br; 『←× ピッ』&br; 宙に植物の説明らしい映像を投影する草塗れドローン。どうやらガイド役の様だ。&br; 説明は古代文字ばかりで読めないが、赤い警告文字と腹を抱える人のイラストから&br; この果実は食べると腹痛を起こすと読み取れました&br; &br; 「おしえてくれてありがとう…♪」&br; 「みぃみぃ♪」&br; 『ピピッ』&br; 「あ、そうだ…食べられる植物や果実の場所ってわかる…?」&br; サ姫が尋ねると草塗れドローンはアームを手招きする様に動かした -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-05 (土) 00:58:46};
---(デフォルメされたサキの顔が回転してカトラの顔になるアイキッッチ)&br;&br;「おまえなー!だからー!大人しく帰れってなー!?」&br;「がうー」&br;威嚇しあうカトラとウルメル!顔を突き合わせてギリギリと&br;歯ぎしりさせながら睨みあう!&br;ガサッ、再び何かが藪の中で動いた。&br;「あぅ?」&br;「あっおい!」&br;今度出てきたのは丸々とした小鹿のような鹿、マメジカだ。&br;ウルメルは追いかけて藪の中に突っ込んでいく。&br;「ほんと、秒で落ち着きがないな貴様はーなのだ!」&br;迷子にでも成られたら厄介だ。仕方なくカトラも追いかけるのだが…。&br;バサッと今度は羽音がした。一瞬サキが悲鳴を聞いて飛んできたの&br;かと思ったが、目の前を横切った影はあまりに黒すぎる。&br;「さっきのデカいコウモリ!」&br;フィリピンオオコウモリ、2mにもなる世界最大のコウモリだ。&br;だが、環境が良いのか、3m近い巨体である!&br;「あーーーーー」&br;「わー!狩られたなのだー!?」&br;オオコウモリに天高く攫われるウルメル。&br;ちなみに主食はフルーツであり食われる心配はない。&br;「コウモリに負けるドラゴンがあるかバカー!」&br;カトラは慌てて飛び出した -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-05 (土) 01:26:42};
---(デフォルメされたカトラの顔が回転してサ姫の顔になるアイキャッチ)&br; &br; サ姫とレィメルは草塗れドローンに案内されながら森の奥へ進んで行く&br; 木々が増え森が深くなった事で薄暗くなってはきたが&br; サ姫の暗視能力と、ドローンが危険を警告してくれるので安心して進む事が出来ていた&br; &br; 『×!ピピッ』&br; 「わ?この草は触ると痒くなるんだね…?勉強になるなぁ……」&br; 「ふわぁ……」&br; この道中で解った事だけど、レィメルは知識欲がかなり旺盛な様だ&br; ドローンが説明の映像を出す度に、じーっと見る事があった&br; 「んーそろそろ絵本とか読んであげるといいかな…あ…?」&br; &br; 不意に森が途切れ開けた場所に出た&br; それまでの薄暗さが嘘の様に差しこむ光は明るく暖かい&br; 光を浴びた草花は萌ゆる如くに生命を溢れさせている&br; 「私達…楽園に出ちゃった…?あ、レィメル」&br; 「にゃうー!」&br; サ姫の手を引き駆け出すレィメル&br; どうやら知識欲だけでなく、遊びたい欲も旺盛の様ですね&br; &br; 『ピピッ♪ピピッ♪ピピッ♪』&br; 「ドローンさん…ここの果実食べられるんだ…?」&br; 駆ける二人に並走しながらドローンが多数の映像を浮かび上がらせる&br; リンゴに似た赤い果実、紫の小さな果実はベリーの一種&br; あちらの葉しか無い植物は根を食べる事が出来る様だ -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-05 (土) 01:48:36};
---&br;(デフォルメされたサキの顔が回転してカトラの顔になるアイキッッチ)&br;&br;「よもやあのコウモリが拳法使いだったとはな…」&br;「むぃー…」&br;カトラの小脇に抱えられたウルメルがか細く鳴く。&br;3m級のオオコウモリとの死闘の末、ウルメルを取り戻したが&br;コウモリを仕留めることはできなかった。&br;&br;「はー…このままじゃ手ぶらで帰るハメになるなのだ…」&br;「ぷぇー…」&br;「ぷえーじゃない、貴様のせいなのだ。こいつめぇ…!」&br;むぎゅぅーっと顔を両手でつかみ上げて、潰れた老猫みたいな顔に&br;なったウルメルを睨みつけてやる。&br;「…はぁ…。もうよい」&br;そして、案外あっさりと下におろしてやった。&br;「行きたければどこへでも行くが良い。貴様も一応ドラゴンの&br;端くれなのだ。天地のすべて、その足下に置く権利が貴様にもある。&br;我の方が絶対強いけどななのだ。&br;貴様は貴様の力で好きに歩むがよい。」&br;そういって、カトラは一人で草原を歩きだした。&br;&br;そうだ、サキが横にいると調子が狂うが、ウルメルもレィメルも&br;れっきとした神域のドラゴンなのだ。&br;いちいち世話を焼いたり、言うことを聞かせようとする方が不自然なのだ。&br;第一、我が何かしようとする時、いちいち誰かに許可を請うことも&br;遠慮することもない。ならば、こやつらもそうすべきである。&br;あと、付き合ってたらこっちの身がもたぬ!&br;&br;等と考えながら、背の高い草を踏みながら、少し小高くなった丘を上っ&br;ていくと、少し距離を置いて、草むらの中から小さい角&br;が飛び出している。&br;振り返ると、止まり。また前へ進むと、ガサガサと草むらをかき&br;分けてついてくる。&br;&br;「…好きにせいなのだ」&br;微妙な距離を保ちつつ、2人は歩いていった -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-06 (日) 00:34:03};
---&br; (デフォルメされたカトラの顔が回転してサ姫の顔になるアイキャッチ)&br; &br; 「み?…みゅあー♪」&br; 「ふふっ、甘い?レィメルが好きならウルメルも気にいるかも…?」&br; 初めて食べる果実の味に大はしゃぎするレィメル&br; そして楽しそうに見詰めるサ姫&br; カトラとウルメルがわちゃわちゃやってる頃&br; こちらは至ってゆるやかな時間が流れていました&br; &br; 「天然の果実や野菜がこんなにあるなんて……」&br; 元々果樹園や菜園だった場所が野生化したのか&br; この場所には多数の果樹や野菜等が自生していた&br; 普通なら野生化すると、味に大きな変化が生じてしまう物だが&br; しかしここにある果樹や野菜は良い味を保っている&br; &br; 「君達のお陰なのかな…ドローンさんに感謝しないとだね…?」&br; 「ぷわぁ♪」&br; 『ピピッ』&br; 二人から感謝を受けると草塗れドローンはその場でクルリと回転して見せる&br; 彼(?)なりの感謝表現なのだろう。&br; &br; 「さて…袋に入るだけ詰めたら一回戻ろうか…?」&br; 「むぃー♪」&br; サ姫が言うと、レィメルは自分で採集した赤く瑞々しい果実を嬉しそうに掲げました&br; レィメルはじめての採集体験 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-06 (日) 01:02:11};
---&br;(デフォルメされたサキの顔が回転してカトラの顔になるアイキッッチ)&br;&br;「貴様に期待はせぬ、狩りを知りたければ、今度こそ黙って静かに見ておれ」&br;「むぃ」&br;草むらに身を潜め、カトラは這うように、静かに前進する。&br;ウルメルも真似して這った。&br;前方には、腹に黒い帯のような体毛のある鹿のような生き物の群れ…。&br;ガゼルだ。動物ドキュメンタリーでよく肉食獣に食われていること&br;でお馴染みのあいつが、この地下の草原にも生息している。&br;&br;「ドラゴンは本来はこのような狩りはせぬが…。これは熊達に教&br;わったやり方でな、なのだ…草食べるんじゃない、ぺっしなさいなのだ」&br;「ぷぇっ」&br;&br;獲物との距離は約100m…。だが警戒心の強いガゼルは&br;すでにこちらを警戒しているようにも見える。&br;一応、射程内ではある。&br;カトラは、今度は投げやりを棒のようなものに番えて携えている。&br;アトラトル、古代の投擲器だ。槍を木の棒に引っ掛けて投げるだけ&br;の単純な武器だが。テコの原理と、木の棒の分、肩を中心とした円運動の半径が&br;大きくなり、最終的に槍を射出する威力は、素手の何倍にもなる。&br;それを、ドラゴンの腕力でやるのだ。威力はライフル並みである。&br;&br;「道具の方が便利なこともある。きっかけは、鹿を偶然に投石で仕留&br;めた時だったなのだ。ドラゴンらしくはないがななのだ」&br;怒鳴るのでなく、何かささやいてやると、ウルメルは聞き耳を立&br;てるらしい。&br;それを利用して、静かにさせながら、風下から距離を詰めていく。&br;&br;突然、ガゼルが首を上げ走り出す構えを見せた!&br;「気づかれたか!」&br;狙いは定まっている!カトラも跳ね起きると即座に槍を放とうとする!&br;ドザザザンッ!突然目の前の草むらが立ち上がる!&br;「のわー!?」&br;「なのだー!?」&br;カトラ達は、いつの間にか取り囲まれていたのだ!気配は感じな&br;かった、なぜならそいつらには気配自体が無い。&br;「ドローン!?」&br;そう、ドローンである!草や灌木をギリースーツのようにボディに&br;生やしたドローン達が、一斉に×印のホログラフを前方に投影!&br;けたたましく警告音を発する!&br;&br;「ぐぬぬ…」&br;逃げていくガゼルを、歯噛みしながらカトラが睨む。本日3度目の&br;獲物を捕りがした口惜しさと、苛立たしい警告音で、カトラの怒り&br;はみるみるうちに噴火口へと昇り詰めていく。&br;「うがー」&br;なんかウルメルも牙をむいて威嚇してる!&br;「面白い…ドラゴンに歯向かうとはどういう事か…。小童よ&br;狩りよりも先に、学ばせてやろう…この愚か者達の末期をそこで見ておれ…」&br;「うがー」&br;一触即発!その時だ!&br;「ピピっ」&br;「ピュィー」&br;ギリースーツドローン達の後ろから、6本足達が現れた。&br;&br;&br;(デフォルメされたカトラの顔が回転してサキの顔になるアイキッッチ)&br;&br;&br;「ただーいまーなのだー」&br;サキ達の待つ、湖のほとりのテントにカトラ達が帰ってきた。&br;肩に、半身にされた大きな獣の枝肉を担いでいる。&br;首尾は上場だったようだが、なんだか微妙な顔をしているような? -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-06 (日) 01:53:49};
---「あ、カトラちゃんウルメルおかえりなさーい…♪」&br; 「みゅぃー♪」&br; カトラの声を聞けば作業する手を止め顔上げるサ姫そしてレィメル&br; どうやら採集した果物の仕分け作業をしていた様です&br; そして自分が採集した成果を見せたいのか&br; レィメルは赤いリンゴの様な果実を手に二人の元へ駆けて行く&br; &br; 「わぁ?おっきなお肉!狩り上手く行ったみたいだねー…ん?&br; えっと…何かあったの?」&br; 担いでいる枝肉を見れば狩りが成功したと判断するのだが&br; しかしカトラの表情を見れば首を傾げてしまう&br; 「…にゅぃ?」&br; 同じく果実を掲げたまま首を傾げるレィメル -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-06 (日) 22:01:13};
---「うまく行ったというか、なんというか…」&br;ふくれっ面気味に口を真一文字に結んで、なんとも&br;言えない表情をしているカトラが口を開く。&br;&br;「狩り禁止だったから、ここのドローンとちと揉めたのじゃが。&br;6本足達が事情を説明したら、ジビエレストラン?用に保管して&br;あった肉を貰ったなのだ…」&br;どうりで、カトラの担いでいる枝肉は綺麗に処理されて、精肉工場&br;に吊るされてそうな美品なわけである。&br;ウルメルはレィメルと一緒に、リンゴと、鶏丸1羽のパッケージを&br;掲げてはしゃいでいた。&br;&br;「例の記憶材?とやらの保管庫だから、人が居なくなって以来&br;在庫が溜まる一方で、好きなだけ持って行って良いらしいのだが…&br;なんか素直に喜べんのぅ…」&br;カトラは釈然としない顔をしていたが。後ろには6本足のドローン&br;の他に、ギリースーツドローン達も続いていて。&br;でかい枝肉をわんさか運んで貰っているのだから。貰えるものは&br;貰っておくつもりである。&br;以前のプライドの塊みたいなカトラだったらいざ知らず。今は意地&br;よりも食の大切さの方が身に染みているカトラさんだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-06 (日) 23:40:44};
---「はぁ…そうだったんだ…狩り出来なくて残念だったね?こっちは……」&br; カトラの頭を撫でつつ、草塗れドローンとの出会った事や&br; そのドローンに果樹園に案内された事を教える&br; &br; 「ここは元々管理された場所だからね…完全な自然とは言い難いのかも…?」&br; 「みぃー♪」&br; 「むぃー♪」&br; それでもウルメルとレィメルにとっては良い刺激なのか&br; 鳥肉とリンゴを掲げ走り回っている&br; その後をドローン達が付いて回るので、ジェンガダンスみたいになってる -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-06 (日) 23:57:50};
---「ここは牧場か…箱庭のようなものだったのかの」&br;サキの摘んできた果実を一つ手に取って齧ってみた。&br;町で売られている果物と同じ味がした。むしろ採れ立てで旨い。&br;「…ここの食料まで、地下都市の倉庫のものと変わらんとかないよな…?」&br;余りに旨すぎて、カトラはちょっと心配になる。&br;『この施設内のものは、できる限りオーガニックに近い状態を保つよう&br;作られています。本物と変わらない自然と触れ合える&br;私の観光プランの中でも非常に人気の高い停車駅の一つでした』&br;「なら安心かの。おぬし、どのぐらい荷物持てる?」&br;『運搬車の最大積載量は4tです』&br;「なら安心かの」&br;カトラは、はるかぜの荷台に積んだヴァル姉のカバンに、&br;手品のように肉だの果物だのをしまっていく。&br;いくらでも入るが、入れすぎると無限に重くなるので注意が必要だ。&br;&br;そして、ふと思い出したように。&br;「レストランがあったのだし、もしかして、宿もあったりするのかなのだ?」&br;『いくつかございます。最も近い場所はこちらに…』&br;「あの山の方かー」&br;はるかぜがナビに地図を出すと、カトラは額に手をかざして、格&br;子状構造の天井にまで届く、急峻な山の方を眺めた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-07 (月) 00:31:21};
---「山登りになっちゃうね……」&br; 「りぃー?」&br; 「ぬぃー?」&br; カトラの隣でサ姫も同じ様に額に手をかざし山を眺めながら言う&br; ウルメルとレィメルは額に手をかざしながらお互いの顔を見てます&br; &br; 「お?なのだ」&br; 「あ?」&br; サ姫とカトラがほぼ同時に声を上げた&br; 「見えるか?…なのだ」&br; 「うん!何かロープみたいのあるけど…ゴンドラかな…?」&br; 地下都市の壁から山近くまでロープの様な物が張られているの見える&br; ただロープは山へと続いているのか&br; 山向こうへ伸びているかはここからで解り辛い -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-07 (月) 01:08:18};
---「むこうに、足場のようなものが見えるなのだ。&br;こっちにもあるのだ」&br;首を左右に動かしながらカトラが言う。カトラの目はワシ並みだ。&br;『都市構造物を利用したアクティビティです。搭乗口への道順は、左方向に150m…』&br;はるかぜが説明してる途中で、カトラは飛び上がっていた。&br;『…あるいは、上方向へまっすぐ200mほど上昇です』&br;&br;眼下に、キャンプ地の湖が輝いている。青く霞んで見える反対側の&br;壁には、うっすらと靄のような雲がかかり。白い鳥の群れが飛んで&br;いるのが米粒のように見えた。&br;&br;「やはりな、ゴンドラで向こう側まで行くためのロープに違いない」&br;電気の付いていないビルの中みたいに薄暗い場所である。&br;カトラの背後には壁も手すりもなく。地下の森の大景観が広がっていた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-07 (月) 01:26:07};
---「\カトラちゃーん…一人で行かないでよー!/」&br; 200m下からサ姫の声がした&br; 見ればウルメルとレィメルを抱いたまま翼をバタつかせている&br; 二人抱いて歩くのが無理なら、二人抱いて飛ぶのも無理な話なのでした&br; 「はぁ……」&br; 溜息するカトラさん&br; 結局カトラが戻ってウルメルを抱いて飛び上がりました&br; &br; &br; 「すっごーい!大パノラマってこの事だねー&br; あ?ウルメルははしゃがないのー?レィメルはママの尻尾をしっかり掴んでるんだよ?」&br; 「ぬぁー!のぁー!」&br; 「みゅ、みゅみゅ……」&br; 足場から周囲を見渡せば、先程まで歩いていた大自然の全てが見渡せる&br; 丸く円を描いているのはサ姫とレィメルが果物を採集した果樹園区画&br; 丸太を組んで作った屋根はカトラとウルメルが肉をゲットしたジビエレスラン&br; 他にも何かの施設らしい屋根が木々の間から見え隠れしている。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-07 (月) 21:56:04};
---「しかし、ロープはあってもゴンドラが見当たらぬなー?」&br;カトラは、サキと反対に薄暗い建物内を手探っているのだが。&br;黒く太い2本のロープをがっちりと固定する鉄橋の接続部めいた&br;基部はあっても、人や荷物を載せるゴンドラらしきものは無い。&br;&br;『当設備は、荷物の運搬ではなく。ロープを伝って行く&br;アクティビティです』&br;カトラが作業着のズボンに入れていた端末からはるかぜの声がする。&br;そして、室内にあったロッカーが一人でに開いて。中には背中に&br;器具のついた風変りなベストのようなものが入っていた。&br;&br;『装着が完了しますと、自動で牽引具がロープに接続されます』&br;「お…?」&br;さっそくカトラが着てみると、体を固定するためのベルトや器具類は&br;手順通りに、次はこっちをこうしてください。という風な案内ホログラム&br;が投影されて、説明をまったく聞かない類の人でも間違うことがな&br;い安心設計である。&br;「おお?」&br;ベストを装着し終えると、背中の部分の器具がこれまた自動で&br;ロープに引っかかって。カトラは宙づり状態になった -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-07 (月) 23:29:39};
---「…ん?んん?」&br; 「むぃ?」&br; 「ふわ…?」&br; 声を聞き振り帰ればカトラが宙吊り状態になっている&br; 最初、何かの罠にでも引っかかったのかと思ったが&br; 何か様子がおかしい&br; &br; 「カ、カトラちゃん…干した干物みたいになってどうしたのー!?」&br; 「だぅー♪」&br; 「み。みみ……」&br; カトラの近くまで行ってみるサ姫達だが&br; ウルメルとレィメルは面白がってカトラを突いてる -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-07 (月) 23:37:35};
---「これは、こういうものらしい。古代人のセンスはわからぬなのだ…」&br;カトラが首をひねっていると。前方に古代文字が投影された。&br;「ああ、これはわかるのだ。こういう文字が並んで下に、こういう&br;感じの文字が並んでる時は、大概 はい いいえ を選択するみた&br;いなやつなのだ」&br;ドヤ顔で、はい の部分をタッチするカトラ。その瞬間…。&br;「うわぁあああああああああああ!?」&br;「あーーーーーーーーーーーーーーー」&br;ロープに宙づりになっていたカトラは、シュポーンと射出された。&br;尻尾にしがみついたウルメルと一緒に。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-07 (月) 23:48:12};
---「あー……」&br; 「ぷみぃ……」&br; 一瞬の出来事。そしてもはやお決まりとなった出来事&br; それでも彼方に飛び去る二人にサ姫とレィメルはぽかーんとなってしまう&br; そんな二人の耳にアナウンスの声が聞こえた&br; 『お子様連れの方は、専用の補助付きのベストの着用を推奨しております』&br; &br; 「うひゃぁぁぁぁぁ!?」&br; 「ぴゃぁぁぁぁぁぁ!?」&br; 地下の大空に少女と幼女の悲鳴が響、森から多数の鳥達が飛び上がった&br; カトラ達と同じ過程を経てシュポーンと射出されるサ姫とレィメル&br; 先程のカトラ達と違うのは&br; サ姫のお腹には幼児用補助ベストを付けたレィメルが固定されていると言う事&br; &br; 「へふー…衝撃には驚いたけれど…これはなかなか……」&br; 「にゃ、にゃう…♪」&br; 思わず目を閉じてしまった二人だが、速度が安定し目を開けば&br; 眼下には森が流れ、鳥達が横切り&br; まるで風に乗った様な気分にさえなってくる -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-08 (火) 00:09:13};
---空を飛べるカトラとサキにとって、鳥の視点で地上を眺めるのは&br;日常的な光景だが、自力ではなく器具によってというのは、新鮮&br;な体験である。&br;&br;レィメルにとっては、生まれて初めての飛行にも等しいのだから。&br;風を身に受け、普段は見上げている物を眼下に見下ろす感覚。&br;地上のあらゆる障害や束縛から解放され、天高くを飛ぶという&br;解放感。そして、自分を支える力の失われれば、遠く見下ろして&br;いる地上へ墜落し痛い目に合うのだという本能的な恐怖感。&br;その飛行を、あたりまえのようにする、サキ達…親の力強さ。&br;「にゅあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」&br;悲鳴をあげて前方で蛇行し続けるウルメル。&br;&br;わずか数分の飛行の末に、反対側の壁面の足場に到着して、&br;ベストは全自動で脱がされて、全自動でロッカーに収納された。&br;ロッカーからベストをクリーニングする音が聞こえる。&br;&br;「宙づりになって飛ぶだけ…?古代人のセンスはほんとわからんなのだ…」&br;「えぅ…」&br;ぐったりと、カトラとウルメルは床にへたりこんだ -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-08 (火) 00:44:15};
---「よっ…と…?レィメル大丈夫…?」&br; 「ぷわっ?ぷわぁ♪ぷわぁ♪」&br; カトラ達から少し遅れてサ姫とレィメルも壁面の足場に到着した&br; しかしレィメルの様子が何かおかしい&br; 「わ?わ?レィメル?」&br; ベストを外され降りた後もテンションが高めで&br; 興奮しているのが良く分かる&br; &br; 「あ、レィメルはこんな風に飛ぶのはじめてだもんね…?」&br; レィメルを見ながらサ姫も初めて飛んだ日の事を思い出す&br; 白き髪の母親の胸に抱かれ飛ぶ夜の城下町上空&br; 足元おぼつかない高さは恐ろしくもあったが&br; 同時に眼下に広がるキラキラとした城下町の灯&br; その光景をサ姫は良く覚えている……&br; &br; 「レィメルにはどんな記憶として残るのかな…?」&br; 「ぷみゅぅ」&br; そんな事を思いながらサ姫はレィメルを抱き上げた&br; レィメルの方はひとしきり興奮しておねむさんの様です&br; &br; 「…あ、いた?二人とも大丈夫…?」&br; そして先に辿りついたはずのカトラとウルメルを捜すと&br; 伸びる猫の様に折り重なって伸びている二人を見つけました -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-08 (火) 01:01:34};
---「へふ…」&br;「へぁ…」&br;初体験の衝撃にぐったりとなっている、カトラとウルメルが伸びていた。&br;&br;&br;&br;「階段が、途中で壊れておるななのだ」&br;カトラとウルメルが、回復するのを待って、一行はアクティビティ&br;の乗り場から下へと下ろうとしていたのだが。&br;下り階段は、巨大な樹の幹によって崩壊していた。&br;&br;「山だと思っていたのが、樹だったとはなー」&br;カトラは、あたりまえのように崩壊した階段から、樹の幹の方へと&br;飛び移る。&br;その樹は表面が隙間なく苔むして、樹皮に別の種類の木が根を下ろす&br;不可思議な姿の巨樹で。遠目に見れば山に見えてもおかしくない大威容である。&br;その梢は、天高くにある格子状構造の天井を突き破り地上へと伸&br;びているとみえる。&br;&br;「ああ、やっぱりだめだったかー」&br;世界樹めいた神聖なる巨樹の幹に立ち、カトラは下を見下ろしながら嘆息した。カトラの視力はワシ並みである。&br;「どうやら、宿はこの木に押しつぶされて、壊れてしまったなのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-08 (火) 01:18:01};
---「はぁ…ここまで来たのに残念だね……」&br; 「むぷー……」&br; 「ぴゅぃ……」&br; カトラのダメだったかの声に、脱力した声を上げるサ姫、そしてウルメルとレィメル&br; &br; 「…でも、年百年?何千年?…建物を押し潰すくらいに成長したって考えると……」&br; 自然の偉大さと人の力の無力さを感じずにはいられない&br; それに、これほど大樹を見る機会が、この先どれほどあるか考えると&br; ある意味、四人は素晴らしい出会いをしたのかもしれない&br; &br; 「どうしよっか…?せっかくだしもう少し辺りを見てみる…?」&br; 宿はダメでも外部施設があるかもしれない -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-08 (火) 01:36:45};
---「この辺は、みんなこの樹に押しつぶされてしまったようなのだ」&br;ワシ並みの視力でカトラが大樹の上から辺りを一望する。&br;天井を突き破った大樹は、根を地下の大地へと伸ばし、あふれ出る&br;生命力を見せつけている。&br;&br;「でも、この樹はとても良い感じがするなのだ。ここに立っている&br;だけで、不思議と力のみなぎってくるような…」&br;「みゃうー」&br;どこからともなくエンジェルラダーめいたスポットライトがカトラ&br;とウルメルに差して。ヒーリング効果がありそうなオペラ調の歌声&br;とともに、2人の体にきらきらした緑のエフェクトがでる -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-08 (火) 01:49:09};
---「カトラちゃん…?ウルメル…?」&br; 不思議な光に包まれるカトラそしれウルメル&br; それは神秘的な光景で&br; 同時に二人がそのまま吸い込まれてしまいそうな気がしてしまう&br; &br; 「みゃう?みゃぅー♪」&br; 「レィメルも行きたいの…?」&br; 光の方へ手を伸ばすレィメル&br; サ姫はレィメルを抱いたまま、一歩づつ一歩づづ近付く&br; すると……&br; &br; 「ふわぁ?光が……」&br; 「みゃうー」&br; 二人にも光が降り注ぎ&br; 不思議な歌と共にレィメルの身体からも緑のエフェクトが発生した&br; &br; 「んー…これはドラゴンに反応してるのかな…?」&br; サ姫も光に心地良さや安らぎは感じるも&br; 身体から緑のエフェクトは発生しない&br; 「みゃみゃ♪」&br; 「むぃむぃ♪」&br; 「あ?ありがとう……」&br; レィメルは抱かれたまま、ウルメルはサ姫の足元により&br; 緑のエフェクトを掬って(?)サ姫にぺたぺたしてくれました -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-08 (火) 21:49:56};
---「あ、っていうかこれ!幼生の湖でみた光なのだ!」&br;きらきらとしたエフェクトの正体は、ウルメル、レィメルが生まれ&br;た湖の底に満ちていた光と同じものだった。&br;「この巨樹は…きっと神域のドラゴンだったものなのだ。躯に生え&br;た木が巨大化したか、あるいはドラゴンそのものが変じたのであろう」&br;そういえば、ウルメル、レィメルの湖でも異常に巨大な白化した&br;サンゴが構造物を突き破り地下へ伸びていた。&br;「なんかよく、同胞達の躯を見るのぅ…。この辺昔は巡回ルートだったのかな」&br;『巨大生物による地下都市の襲撃は、過去に何度もありました。&br;地下都市における最大の脅威の一つとして恐れられてきました』&br;「神域のドラゴンはでっかいからな、通り道に町作ったら、踏まれ&br;るのは仕方ないなのだ」&br;&br;ここのぽわぽわした光は心地が良いのか、カトラは、んーっと尻尾まで&br;伸びをして深呼吸する。&br;「しかし宿が壊れてしまっていたのでは、やはりキャンプに戻る&br;しかないかのーなのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-08 (火) 22:08:35};
---「横たわる者……」&br; 地下都市への入り口でカトラが口にした言葉を思い出した&br; あの時カトラは、小山の様にも見える森を横たわる者と言った&br; 横たわる者、神域のドラゴンの亡骸……&br; そしてまたこの大樹も神域のドラゴンの亡骸だと言う&br; &br; 「死してなお力が残るなんて…本当に大きな力を持っていたんだね……」&br; 「むにぃ……」&br; 「ふみゅぃ」&br; 自分達が生まれた環境に似ているからなのか&br; ウルメルとレィメルもリラックスしている様に見え&br; サ姫の胸にごろごろと甘えてきた&br; &br; 「ふふっ…どうするかは少し休んでからにしようか…?」&br; 幼子達を甘えるままにしながら告げるサ姫。&br; 行き詰った時は無理せず止まるのも一つの手&br; それに、伸びをするカトラが猫の様で可愛くもあり&br; もう少し見ていたい気もした。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-09 (水) 21:59:23};
---「うむ!下の方には川もあるなのだ」&br;急峻な岩山のごとくに絡み合った根の間から、清水が湧き出して&br;小川を作っているのだ。麓の方では流れは太く&br;なり川となって地下の大地を潤している。&br;&br;ちょっとした崖のような高さのある根も、飛び越えてしまえば&br;問題ない。&br;カトラ達にとっては絶好のハイキングコースである。&br;「ちなみにおやつもあるのだ」&br;作業着のポケットから、スティック状の包みを取り出す。&br;スニッカーズ的なチョコバーであった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-09 (水) 22:56:26};
---「川があるならなんとかなりそうだね…?」&br; 川があるなら魚を採集する事も出来るし水も確保出来る&br; それに身体の汚れを洗い流す事も&br; 「あは?カトラちゃんは用意がいいね…私は小道具くらいしか持ってこなかったよ?」 果物や野菜を切るための折り畳み式ナイフやウルメルレィメルの哺乳瓶&br; それとハンドタオルを何枚か、それと貼るだけで傷を塞ぐらしいテープ等&br; &br; 「むぃぃ」&br; 「みゅぃ」&br; 「…あれ?赤ちゃん返りしちゃったかな…?」&br; ここの環境がよほど安らぐのか&br; ウルメルとレィメルが出会った頃の様な甘え方をしている&br; 「二人に少しおっぱいあげるから…ハイキングはそれからだね…?」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-09 (水) 23:15:35};
---「では一休みといくかの。我は水汲んでくるのだー」&br;「きたのだー」&br;速い!神ドラゴンの樹のバフ効果だろうか。&br;&br;「湧き出してる水もぽわぽわしたのが出てて、この水が流れ込んで&br;おるからきっと森も元気に育ってるんだろうなー。うーむ、流石は&br;神域のドラゴンって感じなのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-09 (水) 23:53:14};
---「早ッ!?カトラちゃんおかえりなさい…?」&br; 「くぴゅ……」&br; 「ちゅぴ……」&br; 元気全開の速度を見せるカトラにサ姫さんもびっくり&br; 一方でウルメルとレィメルはサ姫から授乳され、穏やかな表情を浮かべている&br; 成長した二人に授乳したら、精気の消耗も早そうに見えるが&br; 二人の吸う速度にあまり勢いは見えず。サ姫に甘えたい気持ちの方が強いのかもしれない -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-10 (木) 21:42:55};
---「何度見ても妙な光景なのだ…」&br;授乳する2人を見やりつつ、カトラも岩のような巨樹の根に腰かける。&br;「ふふ…。そう?」&br;いつものことなので、サキは笑みで返す。掛合のようなものだ。&br;「まぁなぁ…」&br;カトラは水筒で喉を潤す。良い水である。&br;「ドラゴンの国は有鱗の者が多い故、そもそも授乳する習慣自体が&br;稀なのだ。大体みんな卵生か、卵胎生なのだ」&br;「カトラちゃんも飲んでみる?」&br;笑っている。&br;「飲まんわ、そもそも赤子の飲み物であろう、我は赤子ではないッ」&br;ちょっと怒ったような顔で照れる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-12 (土) 00:18:36};
---「え?」&br; カトラの言葉にサ姫は不思議そうな顔をした&br; そして暫し考えた後、説明し始めた&br; &br; 「私の一族は…ある程度の年齢になるまで飲むよ…?」&br; 「くぴくぴ」&br; 「くぷくぷ」&br; サ姫が説明している間もウルメルとレィメルは乳房を吸い続ける&br; あれほど暴れ回った幼子達だが、こうしていると本当に愛らしく思える&br; ……かもしれない&br; &br; 「サキュバスってさ…精気を食事にするでしょ?&br; 幼いうちは確保が難しいから……」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-12 (土) 00:41:32};
---「…理には適っておる。生まれたての赤ん坊が誘惑して精気を吸&br;い取れる相手というのは…うん、きっと特殊な奴なのだ」&br;理にかなってる。&br;なるほどなーとうなずいてチョコの包みを開けつつ。&br;&br;「あれ…しかし、そうすると…大人になるまでずっと乳を吸ってい&br;ないといけなくならぬか…? -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-12 (土) 01:26:50};
---「んー…どの位の時間生きたのをもって大人とするかだけど……」&br; サ姫の反応からするとか大人も飲んでいる様だが……&br; 「大人になって精気の確保が難しい時は…仲間が分けてくれたりもするから…?」&br; サキュバス同士は仲間の繋がりも深いんだよと付け加えた&br; &br; 「むふー♪」&br; 「ぷみゅー♪」&br; 「ん、お腹いっぱいなのかな…?」&br; 話をしている間に授乳に満足したウルメルとレィメルが&br; 乳房から口を離しゲップをしました&br; 二人の満足した顔ににっこり笑みを浮かべるサ姫さん -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-12 (土) 01:34:54};
---「それで、その…口付けで精気が吸えるようになっておるのか…。&br;なるほどなー、なのだ」&br;もしそうじゃなかったら。もしかしてカトラは唇じゃなくて、胸&br;を吸われてサキに精気を分けることになっていたのだろうか。&br;「ごふっ!ごほっごほっ!」&br;想像したらチョコで咽てしまった。慌てて水筒を仰向けにした。&br;&br;「んんっ…。まぁ、あの石を飲ませてやるのも忘れぬようにな、なのだ」&br;石、ウルメル、レィメルが生まれた湖の底に堆積していた光る石だ。&br;成長すること適わなかった神ドラゴンの幼生が変じたものである。&br;&br;「不思議なことに、乳と食事で驚くほどそだっておるなのだが。&br;神ドラゴンの成長には、幾万もの同胞たちの力が必要なのだ。&br;精気吸われ過ぎて、また倒れられても困るし…」&br;だから、おぬしも食べておけとおやつのチョコバーを差し出すカトラさん。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-12 (土) 02:00:29};
---「あ…それはカトラちゃんが食べてよ…?」&br; 「ふむ?なのだ」&br; ここに来て遠慮の姿勢を見せるサ姫にカトラは首を傾げてしまう&br; &br; 「ほら…それって栄養たっぷりなんだよね?&br; カトラちゃんが食べて精気を貰う方がいいかなって…?」&br; そう言ってさらにサ姫は言葉を続ける&br; &br; 「それに…カトラちゃんこの場所のお陰で生命力活性してるし」&br; 言われてみれば今のカトラ状態はいわゆるぴちぴちだ&br; 肌の色艶は良く、髪の毛もなんだかふわふわさらさらしている&br; ウルメルもレィメルもここの影響なのか、お肌がモチモチしてる -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-12 (土) 22:16:05};
---「精気の補給か…うむ、確かにここなら我の力も充溢するし。&br;ここらで補給するのは理にかなっているのだうむ…」&br;何やら自分に言うようにうなずきながらチョコバーを食む。&br;照れてんのだ。&br;&br;サキが母乳として2人に与えるのは精気だ、そしてそれは生命力&br;そのものでもあるから。足りなくなった分は、カトラが分け与え&br;ないと、命に係わるから大事なことだ。&br;でも、その方法がキスなので、いまだに気恥ずかしさがある。&br;強いくせにウブなのである。&br;&br;「じゃあもう、いっそ川にでも浸かったらもっとチャージ&br;できんかなー?なのだ?」&br;もさもさとチョコバーを食みながら、照れ隠ししておる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-13 (日) 00:14:03};
---「ふふっ♪じゃあ…後で川の方に行ってみる…?なんにしても……」&br; 照れるカトラに微笑みつつ&br; ここからテントに戻る方法を考えないといけないと言葉を続けた&br; シュポーンと飛んで来たが、逆シュポーンするのは流石にためらってしまう&br; ならば川から湖へ下るのが良いかもしれないと、サ姫は提案した&br; そして&br; &br; 「と言う訳で…カトラちゃん精気ちょうだい…♥」&br; 言って両手を広げるサ姫さん -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-13 (日) 00:32:12};
---「んぐっ!?今か!?解放感がすぎるのではないか!?」&br;ちょっと喉に引っかかったチョコバーを胸をたたいて飲み込む。&br;巨大樹の中腹辺りは、遥か眼下に地下の森を一望する大パノラマで&br;頭上には格子状構造から、抜けるような青空が広がっている。絶景だ。&br;&br;「というか…チビ共がめっちゃみておるのだしなのだ…」&br;ウルメルとレィメルが、まだサキの横に犬のように侍っているのを&br;カトラは横目でじっとりと見やる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-13 (日) 00:50:50};
---「今だからだよー?やっぱり雰囲気は大事だし……」&br; うんうんと頷くサ姫の横で、なぜかウルメルとレィメルも頷く&br; 「…見てるけど……」&br; 見てたら不味いの?と言う顔をするサ姫さん&br; &br; ここで思い返そう。サ姫の国で精気のやりとりの話を。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-13 (日) 01:10:55};
---「あー…」&br;サキュバス同士での精気のシェアは、いつものことだから。&br;きっと、そこら中で誰に気兼ねすることなく、ちゅっちゅとしている&br;のだ。&br;身目麗しい、女性型の悪魔達がである。だからリリィ(百合)サキュバスなのだ。&br;&br;「おぬしが、サキュバスなの忘れておったなのだ…」&br;文化が違うんじゃしょうがない。ドラゴンは寛大でなければならない。&br;観念して、カトラは素直に誘いに乗る -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-13 (日) 01:25:38};
---「忘れちゃだめよぉ…?」&br; はぁと溜息するサ姫さんだが、仕方が無い&br; ここ最近、サキュバスらしい事はほとんどしていないのだから&br; 角と尻尾が泣いてます&br; &br; 「でも…思い出させてあげる…♥んー…♥」&br; 気を取り直し、カトラが了承したのなら素直に唇を重ね合わせた&br; &br; サ姫の口に広がる、神域のドラゴンの生命力に溢れる精気&br; 精気の味は種族等により多種多様に異なるが&br; カトラの精気の味は熱い炎の様な、喩えるなら香り深い火酒の味&br; 吸いすぎると精気酔いしてしまいそうになる。&br; &br; 同時にカトラの口には甘いミルクの様な味が広がり&br; 身体へと染み込んで行く。&br; リリィサキュバスが精気を吸う対価として相手に与えるのは陶酔と充足感&br; 多くのサキュバスの様に快楽を与える事も出来るが……&br; それは夜の寝所で愛し合う時に。&br; &br; 「むあ……」&br; 「ぷわ……」&br; そんな光景をじっと見ているウルメルとレィメル -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-13 (日) 01:44:15};
---「ん…」&br;いつも強気なカトラも、生娘のようになすがままだ。&br;ただ唇を重ね合わせるだけの、可愛らしい口づけだというのに。&br;サキが放すまで身動きができなくなる。&br;&br;「…十分かのなのだ」&br;唇が離れると、カトラが呟いた。&br;酔ったように顔が上気していて、濡れて光る唇が艶めかしい。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-13 (日) 23:14:40};
---「…ん♥」&br; 問われサ姫はコクリと頷いた。&br; 精気を得たからなのか、仕草の一つ一つがなんだか艶めかしい&br; それにカトラ達と同じに肌や髪がつやつやしている&br; &br; 「だぅー…」&br; 「みぅー…」&br; サ姫の方へ手を伸ばすウルメルとレィメル&br; なんだか興奮している様に見える。&br; &br; 「ふふっ、二人もちゅーしてほしいのかな?ちゅっ♥ちゅつ♥」&br; 二人を抱き寄せるとほっぺにキスしてあげました&br; 先までの色気は身を潜め、母の顔に戻ってる。&br; 「わぅ♪」&br; 「ぷぃ♪」&br; サ姫にキスされて手足をぱたぱたはしゃぐウルメルとレィメル。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-13 (日) 23:25:01};
---「こやつら、ドラゴンじゃなくてサキュバスに育ったりせぬかな…?」&br;まだほんの子供とは言え、何やら性的な雰囲気に当てられても&br;むしろ楽しそうにしている2人をみて、口元を拭いつつ、ちょっと&br;心配になるカトラだ。&br;&br;「…うん、まぁそれはそれとして。湖までここから距離があるし。&br;そろそろ出発するかの、なのだ」&br;下りはパラシュートのように羽で降りていき、川沿いを歩いて湖&br;まで戻るコースになりそうだ -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-13 (日) 23:35:02};
---「んー…龍人の血を引くサキュバスは居るけど…二人はどうなのかな…?」&br; 「むぃー?」&br; 「ふみゅ?」&br; サ姫に抱っこされたまま不思議そうな表情を浮かべるウルメルとレィメル&br; サキュバスと異種族が結ばれると、その特徴を持ったサキュバスが誕生するが&br; 例)ヴァル姉&br; ウルメルとレィメルの場合は力を得た過程が特殊で&br; サ姫には二人がどんな成長するかは答える事が出来ない&br; &br; 「川かぁ…船みたいの無いかな?あくてぃびてぃ?…そんなの」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-13 (日) 23:49:40};
---『周囲の状態に関する情報を更新中です…お待ちください』&br;「あっ…そういえばおぬしもおったんじゃった…」&br;端末から声がして、はるかぜの存在を思い出すカトラさん。&br;「いや、まぁべつにいいんじゃが、なのだ…」&br;精気を分けるのはやましいことではないので。でもちょっと気恥しい。&br;&br;「では、出発―なのだー」&br;レィメルとウルメルを手分けして抱き上げると、麓を目指して&br;ゆるりと飛びだった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-14 (月) 00:02:11};

-''状況:巨大樹トレッキング'' --  &new{2019-10-14 (月) 01:24:22};
--&br;「ここは崖みたいになってるなのだ」&br;山のように巨大な樹の、絡まりあった根の上を歩いていると、途中&br;で道は途切れていた。&br;道といっても、根の隆起がなんとか歩けるようになっているだけで、&br;ほぼロッククライミング状態だ。&br;&br;カトラは羽を広げた。難儀な段差もこれのおかげで難なく越えられる。&br;そして、側にいたレィメルを抱き上げようと手を伸ばしたら。&br;「およ?」&br;ぴゃっとレィメルはサキの後ろに逃げ込んでしまった。&br; --  &new{2019-10-14 (月) 01:52:17};
---「あれ?」と言った表情のままカトラが固まっている&br; 伸ばしたままの手は宙を彷徨いながら閉じたり開いたりを繰り返す。&br; 感情と手の行き場を失ったカトラにサ姫が声をかけた&br; &br; 「あ、多分びっくりしちゃったんだと思う……」&br; 「…なのだ?」&br; 錆びたカラクリの人形の様にギッギッと音でも立てそうな動きで&br; カトラはサ姫の方へとむいた、すると&br; &br; 「ほら?レィメルって少し敏感なところあるでしょう…?」&br; 敏感、言い換えれば警戒心が強いとも言える&br; だから今回もカトラが急に手を伸ばした事で驚いてしまったのだろう&br; &br; 「カトラパパは怖くないよー?」&br; 「みゅい……」&br; サ姫はレィメルの視線にしゃがみ頭を撫でてやるのだが&br; レィメルはぷるぷる震えたまま落ち着かない様だ。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-14 (月) 22:40:00};
---「パパじゃない!我は雌なのだ!」&br;うがーっとカトラが怒鳴るものだから。レィメルはますます怯えてしまう。&br;「おっと…」&br;サキに、めーって視線で刺されてしまって。慌てて口元を押さえるが、&br;一度怯えた子供を落ち着かせるのは難儀なものだ。&br;&br;「そいつは、おぬしが抱えていけなのだ。我はこっち」&br;ウルメルをひょいっと抱き上げる。&br;「ぶふー」&br;ウルメルは、抵抗せずにカトラに抱え上げられる -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-14 (月) 23:00:19};
---「んー…一回一緒に何かをするといいのかな……」&br; 無抵抗のままカトラに抱き上げられるウルメルを見ればサ姫をそんな事を呟いた&br; それにウルメル自身もそうだが、カトラはウルメルに対しては遠慮が無い気がする&br; ウルメルの大胆な所が、カトラとウマが合うのかもしれない&br; &br; 「レィメルがどうなるかはママ次第だよね…?うん」&br; 「みゅぃ?」&br; 不思議そうな顔をするレィメルをサ姫は抱き上げた -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-14 (月) 23:20:50};
---『現在地点に、施設が、あります』&br;「なんの?なのだ?」&br;崖を降下中に、不意にはるかぜのアナウンスが入ったのだから。&br;&br;『…申し訳ございません、施設側が、完全にオフラインです。&br;私にわかるのは、左方向、12.5mの位置に何らかの施設があるとい&br;うことだけです』&br;&br;「こっちかのー?…おっ」&br;崖を降下中に、カトラは何かみつけた。&br;&br;洞窟だ。木の根が絡まった内側へ入っていけそうな空洞である。&br;「これ絶対面白いやつじゃろ」&br;「みゃうー」&br;&br;カトラは洞窟へと躊躇なく寄り道してく。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-14 (月) 23:46:11};
---「あれー?カトラちゃんどこ行くのー…!?」&br; 「にょー?」&br; 先行していたカトラが急に飛行方向を変え、崖の中の方へと入って行く&br; 方向的に巨樹の内側へと繋がる洞窟でも見つけたのかもしれない。&br; &br; 「…私達も行くしかないよねー…?」&br; 「にぇー?」&br; ここは初めての土地、別々に行動するのはリスクが大きい&br; サ姫は溜息一つするとカトラの後を追う様に洞窟へと入って行った。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-15 (火) 00:02:36};
---一方、カトラは、巨樹が神ドラゴンだと気づくと、まったく警戒と&br;いうものが皆無である。&br;&br;以前に『森に横たわる者』を見つけた時も、はっきりと死体と言って&br;たのに、躊躇なく近づいて、親しみすらあるようであった。&br;その辺は、神ドラ独特の価値観があるのかもしれない。&br;&br;「中は明るいなーなのだ」&br;「のぁー」&br;根の入り組んで隆起し、または急激に落ち窪み。さながら本物の&br;洞窟のごとくである。&br;カトラ達からポワポワとした緑の光が穴の中で絡み合う木の根を&br;照らし出し。木の根からも呼応するように光が出るので、辺りは&br;青緑色の光に照らし出されて、イルミネーションのアーケードの&br;ようだ。しかもすごいやつ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-17 (木) 01:01:55};
---「…綺麗…中はこんなだったんだ……」&br; 「ぽわぽわ……」&br; 周囲を見渡すカトラとウルメルの背後から声がした&br; サ姫とレィメルの声だ。&br; 幻想的な光景に見惚れるサ姫とレィメル。&br; カトラ達と同じ様にレィメルからも緑の光が溢れ&br; サ姫の顔を照らしていた。&br; &br; 「…綺麗だけど…迷子にならない…?」&br; 「ぬぃ…?」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-17 (木) 01:14:56};
---抱いていたウルメル、レィメルを下ろして、洞窟の中を歩く。&br;「ああー、中が迷路になってたりなのだ」&br;ウルメルはポワポワした光を両手で叩いて捕まえようとしている。&br;&br;「しかし、ちゃんと出口にはつながってるんじゃないか、ほれなのだ」&br;カトラが指差す方をみると、光る川があって、トンネルのような木の根&br;の中を流れているのだ。&br;&br;「巨樹の麓から、湖まで川がずっと伸びてたじゃろう。&br;きっとこの樹の中が水源なのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-17 (木) 01:37:58};
---「光の…川…?」&br; カトラの指差す方向に燐光纏い流れる川がある&br; 淡い姿は夜空を流れる天の川にも似て&br; その周囲を漂うぽわぽわは星の様で……&br; &br; 「そうなると船が必要かな……ぱくっ……」&br; 「むぃ?」&br; 「みゃ?」&br; カトラの話を聞きながら、ぽわぽわした光を食べてみるサ姫さん&br; それを見てをびっくりなウルメルとレィメル。&br; &br; 「…何をしておるのだ…?」&br; 「精気の代わりにならないかなー…って……」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-17 (木) 02:00:07};
---「その発想はなかった…」&br;しかしカトラは、このぽわぽわしたのを浴びると、生命力が高まる&br;のだから。生命力を吸うサキが直に食べてみるのは、理にかなっている。&br;「…いや、やっぱよく考えてみたら、牛や羊が食う草を、直に食べ&br;てみるみたいな話じゃないかそれ、なのだ」&br;草を食む牛の横で、乳しぼりするサキのイメージ図。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-17 (木) 02:14:13};
---もやもやとした後。カトラ内の牛のイメージがサ姫に変わり&br; 慌てて首を左右に振るうカトラさん。&br; 「カトラちゃんどうしたの…?」&br; 「なんでもないのだ…それよりどうなのだ?」&br; どうなのだとは、勿論ぽわぽわの事&br; &br; 「んー…なんか霞食べてるみたい…かな…?」&br; そう言って、サ姫は直ぐに口の中で消えるしと言葉を続けた&br; 「やっぱりカトラちゃんの言う様に……&br; カトラちゃんが吸収して精気を分けて貰う方がいいかも…?」&br; 二人がそんなやりとりをしてる一方……&br; &br; 「ぱくっ」&br; 「あむっ」&br; ウルメルとレィメルは漂うぽわぽわを追いかけながら食べてる&br; 美味しいと言うより、おもしろいのでしょう。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-17 (木) 20:47:18};
---「物質循環というやつじゃのー」&br;生命活動を通して物質が摂取・変換され、また別の生命に利用され&br;ていく。なるほどなーとうなずきながら、自然の中から学びを得る&br;カトラさんである。&br;&br;感心してたら、急に洞窟の中に悲鳴が響いた。&br;「何事なのだ」&br;「どうしたの!?」&br;サキが慌てて駆け寄ると、暗い足場に滑ったレィメルが川に落下し&br;たのだ。&br;小川程度だったので、気付かなかったが、根の中の川は&br;存外深く、流れも急だったのか。立ち上がろうとしたレィメル&br;は水に足を取られ、だんだん流されはじめる。&br;さらに、助けようと手を伸ばすウルメルまで今にも落ちそうだ。&br;&br;「わっ!?レ、レィメル…!」&br;飛び出そうとしたサキの羽が樹の根につっかえた。不運なアクシデ&br;ントが連鎖!洞窟内は飛ぶには狭い!&br;&br;その時、カトラは一足飛びに跳躍!木の根を蹴って川に飛び込む。&br;「ちょろちょろするんじゃないなのだ」&br;腰辺りまで水に浸かったまま、レィメルを抱え上げた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-17 (木) 23:10:40};
---「ああ…レィメルよかったよぉ…カトラちゃんありがとう……」&br; 「ぷぇぷぇ……」&br; 半泣きの顔でカトラに感謝の言葉を告げるサ姫&br; 慌てたせいなのか翼の皮膜が僅かに破けてしまっている。&br; そして姉妹に起きた出来事にショックを受けたのか&br; ウルメルはサ姫に抱き付きぽろぽろと涙を流していた、&br; &br; 「まったくおおげさなのだ……」&br; 「みゅぃ……」&br; 溜息するカトラだが、その溜息には安堵の気持ちも混じっている様に見えて&br; ぷるぷると震えるレィメルを離さない様に抱きしめていた。&br; &br; 「あー…早く慰めてやると良いのだ……」&br; 「うん、でもカトラちゃん…もう少し抱っこしててあげて…?&br; レィメル…まだ怖いと思うから…今は体温を感じさせてあげた方がいいと思う……」&br; 震えるウルメルを慰めながら、そつ告げる告げるサ姫。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-18 (金) 00:20:48};
---「そうか、濡れて冷えたら風邪を引いて面倒だな、なのだ」&br;そういうと、カトラは、ぐぐっと羽を伸ばして、両岸に引っ掛け&br;ると、平行棒につかまるように、レィメルごと自分を持ち上げた。&br;&br;「っていうか、おぬし、羽やぶけてるじゃないかなのだ!&br;服も乾かさねばならぬし…外に出て火を…」&br;と言いかけて、カトラが暗がりの方を見た。なんども言うがカトラ&br;は目がすごくいい。&br;&br;「…木の中に建物があるのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-18 (金) 01:08:19};
---「そうなんだけど…そうじゃなくて……」&br; 「なんなのだ…?」&br; カトラらしいと言えばらしいのだが&br; もっと子供への温もりを持ってほしいと思うサ姫さん。&br; &br; 「まあ良い、あそこの建物で一休みするのだ…治療した方がよかろうなのだ」&br; 「痛くは無いけど…そうだね休もうか……」&br; カトラはレィメルをサ姫はウルメルを抱いたまま&br; 建物の方へ歩いて行った。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-18 (金) 01:21:59};
---&br;&br;&br;樹の中の洞窟は、建物に近づくにつれて広くなっている。&br;無数の蛍が舞う夜の森を歩く心地でいると、目の前に2階建てほど&br;の建物が現れた。&br;正確には、ビルの上から2階分だけが、破壊されずに残ったものである。&br;窓から緑の明かりが漏れ出ている。&br;破れた窓から入ってみれば、中も樹の根に侵食されていた。&br;&br;「はるかぜよ、おぬしが言うておった施設とは、これか?」&br;『はい、しかしシステムは完全にオフラインとなっています』&br;何か、便利な設備が残ってないかと期待したが、望は薄そうだ。&br;&br;大地震にでもあったあと、放置されような室内には、壊れた&br;ドローンの残骸であったり、崩れた壁や柱の瓦礫があるばかり。&br;床も完全に、根に覆われている。樹の洪水に流されたみたいだ。&br;&br;これまでの地下都市めぐりで、これほど廃墟然とした廃墟も&br;初めてだ。暗がりにネズミか何かが走っていった。&br;レィメルはその気配にまたビクッとした。&br;&br;「完全に、根の中に取り込まれちゃってる…?」&br;「あーなんか、こりゃ…だーめじゃなーなのだー?」&br;だめっぽい。&br;「まぁ、せっかくじゃし…一応調べてはみるか…」&br;そういって、抱いていたレィメルをカウンターと思しきところに&br;おいて座らせようとしたら…。&br;「…離さぬか」&br;さっきはカトラから逃げてたのに、今度は離してくれない。&br;「まだちょっと、怖いのかも…」&br;サキが、レィメルの濡れた髪を拭うように撫でる。&br;「これでは、焚火もできぬではないか。しょうがないなぁ…」&br;&br;緑の淡い光の中に、オレンジ色の光が割り込む。&br;そして、湧き上がるように熱風が4人を包んだ。&br;そう、この感触は…。&br;「ドライヤー?」&br;「だれがドライヤーなのだ」&br;カトラから熱気が出て、濡れた体を乾かしているのだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-18 (金) 01:59:16};
---「む゛?む゛む゛む゛む゛む゛〜……」&br; ウルメルがカトラの方へ口を開いて唸っている&br; 風で声にビブラートがかかる楽しさに目覚めた様です。&br; &br; 「ふふっ…面白い声だね…♪&br; レィメルは落ち着いてきたのかな…?あったかい?」&br; 「みゅぃ……」&br; 冷えた身体が温まる過程で眠くなってしまったのか&br; レィメルはカトラに抱かれたままウトウトとしている。&br; &br; 「カトラちゃんぬくいねー……」&br; サ姫もカトラの熱風でほっこりしているが&br; 皮膜の破けた部分が痛々しい。&br; サ姫が言うに時間が経てば自然治癒するらしいが&br; 流石に直ぐとはいかないようです。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-18 (金) 21:51:27};
---「さほど問題ないのは良いが、おぬしの羽は破けやすいのが問題なのだ…」&br;装甲板以上に頑丈なカトラの羽と比べたらそりゃなんだって脆いで&br;あろうが。&br;サキの羽は、飛ぶのはほぼ魔力の作用だから、見た目以上に華奢な&br;のは確かだ。&br;&br;『救護ドローンを、要請しますか?』&br;「わりとよくあるから、そこまで大げさでもないなのだ」&br;野外で暮らしていると、擦り傷や小さな切り傷などはよくできる。&br;ドラゴンスキンなカトラはともかく、サキの方が。&br;だから、常備していた作業着のポケットから軟膏入れを取り出すと、&br;指先で、自分の角をカリカリとひっかいて少しだけ削った。&br;樹の中だと、削った角まで燐光を放って、軟膏の上にぱらぱらと&br;落ちるのがよくわかる。&br;「あああ…ちょっと零れた…もったいないなのだ…。ほれ、塗るか&br;ら羽をこっちになのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-18 (金) 22:56:47};
---「はぅ……」&br; カトラの言葉にサ姫は肩を竦め&br; 申し訳ありませんと言った顔を浮かべるが……&br; 「あ、うん…ありがとう……」&br; 薬を塗ると聞けば、表情を笑みへと変えて&br; カトラの方へと翼を向けた、&br; &br; カトラの指で皮膜の傷に軟膏が塗り込まれて行くが&br; 「…ん…んん……」&br; むずむずとした感触と癒し効果の心地良さに&br; サ姫の口から妙な声が零れた -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-18 (金) 23:12:49};
---「妙な声出すなぁなのだ!」&br;塗ってるカトラの方が赤面し、そんな様子をじぃっと見つめる&br;ウルメルとレィメル達だ。&br;&br;&br;&br;治療を終え、服もだいぶ乾いた。改めて施設の内部を見渡してみる。&br;木の根に侵食された建物内部は、豪快すぎるツリーハウスっぽい。&br;それ以上に見るべきものはないような気もするが…。&br;「お、まてよ?もしかして、この樹の空洞は、元々は建物があった空間な&br;のではないか?」&br;カトラが気づいたように言う。&br;&br;絞め殺しの木というのがある。&br;他の木に巻き付いて成長し、やがて巻き付かれた方は枯れて腐って&br;しまう。&br;すると、中が空洞の不思議な木ができあがるのだ。&br;同じ要領で、神ドラゴンの巨樹が、地下都市の建物に根を伸ばして&br;建物を徐々に締め付けて破壊したのかもしれない。&br;&br;「根の間になんか残っておるやもしれぬなー?」&br;さっそくそこらへんの根っこの茂みに首を突っ込んでみた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-18 (金) 23:29:59};
---「!?」&br; にっこり顔がカトラの顔を睨み返した。&br; 一瞬焦ってしまったが、人形の頭だ&br; 奇妙な三角帽を被った眼鏡の人形。&br; 大樹が成長する過程でバラバラになってしまったのだろう。&br; &br; 「カトラちゃん何かあった?」&br; 「…ガラクタがあっただけなのだ」&br; 「そっか……」&br; 驚いてはしまったが、何かがありそうな事はわかった&br; 古代の品の丈夫さを考えるならば&br; 有用となる品も見つかるかもしれない。&br; &br; 一方……&br; 「むぃー?むむっ……」&br; 「みぅ、みぅぅ…ぷわっ?」&br; ウルメルと元気になったレィメルが茂みから何かを引っ張り出した&br; 先端が平たくなった棒。多分船を漕ぐためのオールだ。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-18 (金) 23:45:13};
---「オールではないか。カヌーで使うやつなのだ。うわっしかも&br;超軽い!何だこれっなのだ!」&br;『第2種複層プラスチック製です。非常に軽く頑丈な素材です』&br;「第2種複層プラ…何?まぁいいのだ、使えそうだしな、なのだ」&br;オールがあったということは、きっと船もある。&br;&br;「おお、やっぱりなー!ちょっと奥に挟まっておるなのだ!」&br;上半身を木の根に突っ込んだカトラがしっぽをバタバタとさせて、&br;くぐもった声で叫ぶ。&br;&br;「しかし…狭くて我だとちと手が届かぬ、おい、お前手伝うのだ」&br;と言って、レィメルに手を伸ばしたら、さっと逃げられた。&br;「なんじゃ、ひっついたり逃げたり難しいやつじゃのぅなのだ…」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-19 (土) 23:24:24};
---「んー…なかなか懐いてくれないねー……」&br; 「みゅぃ……」&br; 逃げ出し、サ姫の影に隠れたレィメルだが&br; 背から半分を顔を出してカトラの様子を窺っている様にも見えて……&br; &br; 「むぃ?むむむ……」&br; カトラの股下からウルメルが顔をのぞかせた&br; 持ち前の好奇心から船に興味を持ったようですね。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-19 (土) 23:41:58};
---「よし、おぬしでよい。奥のカヌーを掴むのだ!」&br;「ふんぬぃー!」&br;ウルメルの足を掴み、木の根の奥へ突っ込む!&br;そして、ウルメルは、根の間にあるカヌーを掴む!&br;ぐい、ぐい、と引っ張ると根を分けながら小判型のボートが。&br;&br;「…カヌーでは、ないな?なんか丸いのぅ…」&br;『ラフティングボートです。川下り用のものですね。&br;おそらく、この施設はアクティビティの乗り場だったと思われます』&br;「へー、川下りかー。わっこれも超軽っ!?」&br;『第2種複層プラスチック製です』&br;ウルメルを乗せたボートを、頭上に抱え上げてびっくり。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-20 (日) 00:00:08};
---「へぇー…?これで川下りするんだ…?」&br; 「みゅー」&br; サ姫のイメージともカトラのイメージとも異なる形状の船&br; 太古の人々はこれを使い川下りを楽しんだと言う。&br; &br; 「はるかぜさん…どんなルートで川下りするかわかる?」&br; 『お待ちください。過去の地形データと都市の娯楽施設データを検索します』 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-20 (日) 00:18:02};
---2人してカトラの手の中の端末を覗き込んでいると。&br;&br;『脅威の高低差800m!全長3000mのスリルを体感!&br;忠実に再現された地形をもとに、リアル・アース・アクティビティの&br;最高峰が誕生!メガストラクチャ・ラフティングは、景色を楽しむ&br;アクティビティコースから、プロも手こずる本物の激流下りを制&br;するエクストリームコースまで、大渓谷があなたを待ち受ける…』&br;&br;ナレーションとともに、ボートにのって川下りをする人々の姿が&br;映し出される。&br;&br;「へー、こんなんなってたなのかー。おっここ…」&br;画面をタップして一時停止。&br;&br;「この山の姿、木の根は張っておらぬが。あのシュポーンって&br;やるやつの乗り場から見た姿と似たような感じじゃの、うしろの&br;壁とか…」&br;&br;ということはつまり、都市の天井を破って入ってきた巨樹に、山が&br;丸ごとすっぽりと包み込まれた、ということなのだろうか。&br;&br;「なーるほどなのだー。ということは、木の根の下に、元あった川も&br;流れているに違いない!&br;根の中を伝って、麓の川まで下りていくのも楽しそうではないか!」&br;「大丈夫なの…?」&br;「任せろ、カヌーの扱いも熊に習ったのだ」&br;カトラは胸を張る。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-20 (日) 01:01:30};
---「んー大丈夫なら行ってみようか…?&br; はるかぜさん…位置の案内を小まめにお願い出来る…?」&br; 『了解しました。地図を再定義するため、マッピング機能を使いますか?』&br; 「マッピング!冒険の定番だよね♪」&br; そんな訳ではるかぜのフォローを受けながら川を捜す事に。&br; &br; 「二人とも大丈夫…?」&br; 「むぃ!」&br; 「みゅ」&br; ラフティングボードはカトラが背負って運ぶ事になったのだが&br; オールは自分達で見つけた事で所有欲が芽生えたのか&br; ウルメルとレィメルが一緒に持ってます。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-20 (日) 01:18:42};
---「おい、それ使うからあとで我へ貢げよ?なのだ。」&br;「ぬー」&br;「にゅー」&br;そして、大人げなく子供のものを奪おうとするカトラさんである。&br;ウルメルとレィメルは、本能的に察してさっとオールを背中にかばう。&br;「カトラちゃんったらー…めっ」&br;&br;わちゃわちゃとやりながら、一行は根の洞窟の中を進んでいった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-20 (日) 01:43:16};

-''状況:巨大樹の中に激流を見た'' --  &new{2019-10-21 (月) 00:14:28};
--&br;「ありました!川下りできそうな渓流!」&br;「でかした!」&br;『お二人とも時々テンションが急激に変化されますね。&br;そのやり取りは、たびたび繰り返されていますが、何か&br;特別な意味があるのでしょうか』&br;「意味って…なんか見つけた時に言うことじゃろ?」&br;「…昔からの習慣だけど…なんだろうねー…?」&br;『挨拶のようなものなのですね』&br;「そうじゃなぁ…それより!川なのだ!」&br;&br;根の洞窟内に水の流れる音が、ごうごうと響き渡る。&br;水面は緑の燐光に輝き、暗く高い天井の近くまで光る飛沫が舞い上がる。&br;&br;絡まりあう根の間から、苔むした岩が付きだしていて、ここがかつて&br;地下の森に聳えていた山の山頂であることを伺わせる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-21 (月) 00:14:42};
---「うん、地下にこんな川の流れがあるなんて…それに綺麗……」&br; ごうごうと流れる川は雄々しさを感じると同時に&br; 繊細な煌めきを放っており&br; 少し離れて見ると、緑光石が流れている様にさえ見えてしまう。&br; &br; 「むぃむむ……」&br; 「みゅぃぃ」&br; 「あ、そんな事したら危ないよ?」&br; ウルメルとレィメルがオールで川を突こうとしているのに気付けば&br; 慌てて側に行って二人を抱きしめた。&br; 同時に川の側へと言った事により、サ姫はさらなる絶景を見つけた。&br; &br; 「あ?カトラちゃん見て…さっきの小川ってここに流れ込んでいたのかも…?」&br; 「ふむ?あの小川だけでなく全ての流れが集まっている様なのだ」&br; 上流の方を見やれば、いくつもの細い燐光がこの川に流れ込んでいるのが見えた -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-21 (月) 00:34:13};
---絡まりあう木の根はその間にできた隙間に、いくつもの細い滝のような水脈を&br;通していて、立体的な川の流れを作り出していたのだ。&br;普段はきっと、光のない暗闇の世界なのだろう。しかし、神域のドラゴン&br;同士の共鳴で、今は光に照らし出され、巨樹の内なる世界を詳らかにしてくれる。&br;&br;カトラ達が見とれていると、どぼんっと大きな音がした。&br;川面を覗き込むと、真っ白な腕ほどある鰻のような魚が木の根に吸&br;い付いて流れの中でたなびいている。&br;&br;「でっかい洞窟ナマズトカゲだなー!?」&br;洞窟に生息する、両生類の一種である。手足と目が退化し、代わ&br;りに吸盤状の腹で、洞窟内を自在に這いまわるイモリの仲間だ。&br;ドラゴンの国では割とお馴染みな生き物である。&br;&br;よく見れば、速い流れの中にも、輝く水草が生え、風に吹かれる草原&br;のごとくである。水面には、トンボのような虫も飛んでいた。&br;トンボを追って、大きなコウモリがさっと水面近くで身をひるがえした。&br;木の根の窪みにたまった水の中には目玉のやたら巨大なカエルが&br;2匹重なっていて、鍾乳石のように連なる木の根の奥の闇に、&br;光る眼の獣の群れが、跳ねた。&br;&br;洞窟内の水辺は、地上のそれと同じように、植物が茂り、多くの&br;生き物の棲み処となっているのだ。&br;&br;「これは、すごいなぁなのだ。とても地下の洞窟とは思えぬ。&br;この樹が、地上で光を浴びて、根の中で苔を育て、生き物を養って&br;おるのじゃろうか、なのだ」&br;&br;地下都市も、地上の明かりを地下へ導き、動植物の生息地と&br;なっている。神ドラゴンの巨樹は、それとまったく同じことを、&br;自らの体で行っているのだ。&br;&br;「きっと、生前はとても気性の穏やかで、優しいドラゴンだったの&br;だなぁー。我、この巨樹のドラゴンに親近感覚えるなのだ」&br;その辺の根っこにすりすりするカトラさんだ。気に入ったらしい。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-21 (月) 01:11:58};
---「ぷわぁ……」&br; 「みゅい……」&br; カトラと一緒に根っこをすりすりするとウルメルとレィメル&br; 根っこに耳を当てれば、水の流れる音が聞こえる。&br; ごうごうと川の流れに負けぬ、力強い生命の音。&br; &br; 「カトラちゃん見て見て…♪」&br; 「なんなのだ…うお?」&br; サ姫の呼び掛けに不機嫌な声で振り向けば&br; その腕に小さなコウモリが何匹もぶらさがっていた&br; &br; 「こんな所にもダークバットさんいるんだね……」&br; 「ヤミマイコウモリであろう?」&br; 「えー?ダークバットさんだよぉ」&br; お互いに違う名を告げるが、多分どちらも正解なのでしょう。&br; 闇に暮らし、小さな小虫を食べるおとなしい蝙蝠。&br; サ姫の国では使い魔としてやペットとして飼育する事もあるらしい。&br; &br; 「ここってこんなに色々な生物がいたんだね……」&br; 蝙蝠を放しながらしみじみと呟くサ姫。&br; ウルメルとレィメルは水音が心地良いのか&br; 根っこによりかかったままうっとりしてます -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-21 (月) 01:30:28};
---「なんだか癒されるような気持ちじゃなー…」&br;不意に水の流れる音に、ぐぅぅぅと腹の虫の声がとどろく。&br;そう、体調がよくなると、生き物はお腹がすくものである。&br;&br;「ぬぅ…!しかし腹が減ったなのだ!」&br;捕食者の気配を察してか、水辺にいた生き物たちはサッと身を隠す。&br;&br;「…はやいところ下ってキャンプまで戻るのだ、バーベキューするのだ!」&br;カトラは、ボートを川へ投げ込み飛び乗る。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-21 (月) 01:38:16};
---「もうカトラちゃんったら……」&br; 良い雰囲気が長続きしないカトラに溜息してしまうが&br; サ姫もそろそろ疲れが出ており、戻る事に賛成ではあった。&br; しかし……&br; &br; 「川下り…大丈夫かな…?」&br; 「ふぅ、お主は心配性なのだ。我は経験者だ任せるが良いのだ…だ…だ…?」&br; 「ぬあー!」&br; ウルメルが飛び乗った事でボートが大きく揺れました。&br; &br; 「ウルメル…そっとだよ…そっと…?レィメルはママと乗ろうね…?」&br; 「み、みぃ!」&br; ぷるぷる震えるレィメルを抱く様にしながら&br; サ姫もボートへと乗り込みました。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-21 (月) 21:25:40};
---ボートに乗りこむと、ホログラムで、ここをこうして下さいという風に&br;ボートの留め具をつける案内が表示されるのだから。&br;説明を聞かない類の人でも間違う心配はない。&br;「全員のりこんだな!出発なのだ!ひゃほーう!」&br;ちなみに、カトラはベルトなんかしていない。どんなに親切に&br;案内されても、そもそも指示に従わない人には無力である。 --  &new{2019-10-21 (月) 21:35:49};
---「ちょっとまって…出来た…昔は翼のある人少なかったのかな……」&br; ベルトが翼に引っ掛かり装着するのに難儀したが&br; なんとか留め具を装着する事が出来た。&br; 『有翼系種は全人口の二割未満であったと記録されておりますが&br; ファッションで角や翼等の装着手術を行う人々が居たと言う記録もあります』&br; 「キメラ化みたいなものかな…?」&br; はるかぜとそんな話をしながら&br; ウルメルレィメルのも留め具を装着してやるのだが……&br; &br; 「ぶふーっ!」&br; 「み、みぅ?」&br; ウルメルは身体を固定される事に不満なのか唸り声を上げ&br; レィメルはまた飛ぶのかと両手を上に上げたりしている -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-21 (月) 22:39:57};
---「できたかーできたな?よし!出発なのだー!」&br;カトラが岸を蹴ると、ボートはゆるりと流れの中ほどへ進んでいく。&br;&br;流れが速い、漕がずともボートはするすると進んでいく。&br;「見た目より乗り心地は良いなー」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-22 (火) 23:45:31};
---「う、海とは違うねー…?」&br; 海で使ったイカダよりは作りも良くも安定性もあるのだが&br; 周囲に景色があるせいで速度を感じ、緊張してしまう&br; 「怖いのか?飛ぶよりは遅いであろう?なのだ」&br; 「そ、そ、そうなんだけど……」&br; &br; 「ぷわぁ…?ぴゃっ?」&br; その一方でめずらしく元気なのがレィメル&br; 飛行アクティビティで速度に慣れたのか、流れる景色が楽しいのか&br; 周囲をくるくると見渡しせわしない。&br; &br; 「ぬぁ?むぃむぃ!」&br; 「あ、ウルメル手を伸ばしたら危ないよ…?」&br; 川に手を伸ばそうとするウルメル -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-23 (水) 00:04:48};
---「はっはっは!この程度の流れならどうということもあるま…」&br;余裕だったのは最初のうちだけだった、ボートがあまりに急激に&br;前のめりになったのだから、一瞬滝におちたのかと思ってしまう。&br;ボートは激しく逆巻く急流の中に突っ込んでいく!&br;&br;「うわっ!?わっ…!おおあー!?」&br;カトラはオールをせわしなく動かしてなんとか転覆すまいとがんばる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-23 (水) 00:13:32};
---「カカカカカトラちゃんがんばってー!?」&br; 海で波に煽られる寄りも激しい揺れ&br; 船の命運は多分、カトラのオール捌きにかかっている&br; だから今のサ姫に応援する事と&br; ウルメルレィメルが船に落ちない様にする事だけでありました。&br; &br; 「むぃむぃむぃ♪」&br; 「ぴゃー?ぴゃー♪」&br; こんな状況でも、幼子達には遊びと同じ&br; びっくりしながらの、テンション高めではしゃいでる -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-23 (水) 00:28:23};
---「なんのォ!これしきぃ!なのだー!」&br;オールに、羽まで駆使して激流に立ち向かう!&br;ボートは流れの中で木の葉のごとく揺れ動き、横滑りし転覆寸前まで舳先を立てたりしながら飛沫をあげて流されていく。&br;ほとんど水に入るのと同じほどにびしょぬれになると、もうどうに&br;でもなれという妙な思い切りが沸いてくる。&br;「はっは!だいぶコツがつかめてきたぞー!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-23 (水) 00:40:08};
---「なんで海より濡れるのー…!?」&br; 激流だからですね。&br; 容赦の無い水飛沫を四方から浴びてびっしょり状態のサ姫さん&br; その一方でウルメルとレィメルは大はしゃぎ&br; 「むぃー!わう?ぷわぅ……」&br; 「みゅみゅー!ふにゅ?ぷわぁ……」&br; 急に動きが止まりました、どうやら何か素敵な物を見つけた様です&br; &br; 「どうしたの二人共…あ…綺麗……」&br; 二人が見詰める先を見れば&br; そこには淡い燐光を放つ根や枝が光のトンネルを作っていた&br; &br; 先程カトラ達に反応し周囲から燐光が溢れた様に&br; 川を覆う枝や根が、カトラ達が近付くる事で反応している様です。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-23 (水) 01:09:38};
---どうやらずっと急流が続くというわけでもないらしい。川の蛇行する&br;部分は比較的穏やかで。&br;速度と揺れに慣れてくると、なかなか楽しい。&br;&br;「おー、ここは、上がすごく明るいなのだー」&br;見上げれば、複雑な木々の網目の中を、幾筋もの光が流れている。&br;きっと根を伝う川が、数多く流れ込んでいる場所なのだ。&br;洞窟全体が輝く姿に見とれていると…。&br;&br;「うぉっ!?また急に流れが…」&br;多くの川が流れ込んでいるということは、当然水量も勢いも増す。&br;「うわっ!?わっ!?」&br;先ほどの比ではないほどの大激流!突き出した岩の周りで怒涛の&br;ごとく渦を巻き、滔々と流れ込む大量の滝は飛沫をあげ、光の中に&br;周囲を覆い隠す。&br;&br;「あわわっなんかこれ、ちょっ、ふぬぅ…!ぬぅぅぅん!&br;ぬわぁぁぁぁああああ…!」&br;「カトラちゃーん!?」&br;敢え無くカトラは転落!ボートは怒涛の流れに翻弄されるがままに。&br;&br;「ぬぅぅおおおりゃぁあ!」&br;奔流のなかに赤い羽根が帆のごとく突き出した!&br;カトラの羽は、水中で推力を生むのだ!ボートにしがみついてなん&br;とか這い上がろうとして…。&br;「ぬわー!?」&br;その時、ボートが大きく跳ね飛んだ!カトラも大きく跳ねて&br;頭から船上に突っ込んだ。&br;「カトラちゃん!だだ、大丈夫ー!?」&br;「むぎゅー!」&br;「むぃーっ」&br;サキ達が、カトラを支えようと手を伸ばし、カトラは落ちまいと&br;手がかりを探る。カトラとサキでウルメル、レィメルをサンドイッチに&br;してるような態勢だ。&br;「あんっ♡」&br;もがくカトラに乳房をわしづかみにされて、おもわずサキが嬌声をあげる。&br;手がかりには、心もとなかったのか、カトラはもっと掴みやすそう&br;なものを探して…。&br;「にゃうんんー!?」&br;ぐっと掴んだのはレィメルの角だった。なんだか妙な悲鳴があがった。&br;&br;&br;&br;「はぁ…はぁ…。根をやっと抜けたなのだ…」&br;巨大な根に区切られた、何本もの川が、やがて大地に続く1本の&br;川となる。&br;陽光の下を湖まで続く川を、へろへろになりながら流されていく。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-23 (水) 01:25:25};
---「…激流を…抜けたみたい…だね……」&br; 「ぽわ……」&br; 水は冷たいが頬を熱く赤く染めたままのサ姫、そしてレィメル&br; 特にレィメルの方はなんだか、ふわふわと頭が揺れている&br; &br; 「…むぅ…?」&br; そんな二人をウルメルは不思議そうな表情で見ていた -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-23 (水) 01:44:13};
---&br;『アクティビティは、お楽しみいただけましたか?』&br;ずぶ濡れになった一行を、運搬車両(はるかぜ)とドローン達が&br;出迎えてくれた。&br;&br;「ここから、あっちへいって、宙づりになったり流されたりして&br;結局ここに、戻ってきたなのだ…。一体我は何を…」&br;お楽しみとは言い難い表情のカトラ達である。&br;&br;ウルメルがくしゃみをした。&br;なんだか陽が傾いてきた気がする。地下にも1日の日照サイクル&br;が再現されているのだ。&br;「大丈夫?」&br;サキが、ウルメル、レィメルの濡れた服を脱がさせてやる。&br;「とりあえず、焚火で服を乾かして…食事の支度かの」&br;草まみれのギリースーツドローンが進み出て、何かの注意表示&br;のようなものを投影してきた。&br;「また禁止事項か、めんどうじゃのぅ…」&br;文字は読めない。&br;が、どうやら地べたで焚火をすると✕で、台やコンロは〇らしい。&br;&br;「あれか…」&br;湖畔に、キャンプ場の炊事場を見つけた。&br;ドローンは、ピュイと鳴いて頷いた。 --  &new{2019-10-25 (金) 02:14:09};
---「またカトラちゃんに温めてもらってもいいけど…あれお腹空くよね…?」&br; ウルメルとレィメルを子供用毛布でくるみながら、サ姫が問い尋ねた&br; 生物が熱を発する時は体内のカロリーを大きく消費する&br; それはきっとドラゴンも同じなのだろう。&br; &br; 「ひとまず、炊事場で火を起こして…温まりながらスープ作ろうか…?&br; カトラちゃん先にお願いできる、私は鍋やスープの準備してから行くから」&br; お願いするとは勿論、ウルメルレィメルの事だ&br; しかしここ最近カトラと行動を共にする事の多いウルメルはともかく&br; レィメルはどうなのだろう?&br; 先程もカトラが手を伸ばしたら逃げられてしまった&br; &br; 「…ふむ…ん…?」&br; 「みゅぃ…♥」&br; 複雑な気持ちのままカトラがレィメルの方を見れば&br; なんだか熱っぽい瞳をしている様な気がした -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-25 (金) 22:15:25};
---「…よく、わからん奴だのう…。まぁ確かに空腹であるのだ。&br;任されよう、なので早く頼むぞなのだ」&br;さっきと違って、カトラから離れようとしないレィメルと&br;またくしゃみしてるウルメルを連れて炊事場へ向かう。&br;&br;炊事場は石畳の床に壁がない、ログハウス風の屋根がかかった建物だ。&br;小さい体育館ぐらいの広さがある。往時は沢山の客でにぎわって居&br;たのだろうか。太い木造の柱に年季を感じる。&br;&br;床から一段低くなった部分に、天井の梁から自在鉤が下がっていた。&br;見た目がほぼ囲炉裏である。中には金属製の四角い受け皿に薪が積&br;まれて、すでに準備完了であった。&br;&br;『消火の際は柱のスイッチを押して頂ければ、炉内に二酸化炭素が&br;充填され自動で消火されます』&br;「便利にできておるなー…」&br;野外生活慣れしているカトラとしては、ちょっと拍子抜けだが、&br;手間がかからないなら、それに越したことはない。&br;ピュイッと6本足ドローンが着火用のライターを差し出してきたが。&br;「ああ、その類の道具より…」&br;すっと息を吸いこんで、カトラは火炎放射器みたく火を吹いた。&br;「こっちの方が早いなのだ」&br;薪はあっという間に、赤々と燃え上がる。&br;手間がかからない方が良いのである。&br;&br;「ひゃぅ」&br;「ぬぁっ」&br;カトラが火を吐くと、ウルメルとレィメルは少し驚いたように声を&br;上げる。火を吐くところは、2人も何度か見ているが。こんなに勢い&br;が強いブレスは初めてみたのだ。&br;「さっさと服を乾かすのだー、もうちょい上、よしそのまま」&br;カトラは、6本足に足を上げさせて、物干し替わりにしている。&br;カッコつけたわけでなく、強い火で、早く服を乾かしたかっただけ&br;らしい。ウルメルは真似してふーっとやってみるが、当然息しか出ない。&br;「へっへ、チビにはブレスなど100年早いなのだ」&br;それでもウルメルが、ふーッとか、はァーッとかやってると。&br;何を思ったのか、レィメルがウルメルの背中を叩いた拍子に、&br;ボフッと小さな炎が出た。&br;「…マジか、いや、ダメ、ダメなのだ。火事になったら危ない&br;から何度もやろうとするんじゃありませんなのだ。めっ!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-25 (金) 23:51:31};
---「がうー」&br; 「がうーじゃありません、なのだ…っておまえもなのだ」&br; 「みゅふぅ…ぷに」&br; カトラは頬を膨らませていたレィメルの頬を突いた&br; ウルメルの真似したかったみたいですね。&br; 三人がそんなやりとりをしていると&br; 駆ける足音と機械の足音が近づいてくるのが聞こえて来た&br; &br; 「カトラちゃんおまたせー」&br; 『ピピッ』&br; サ姫だ、そしてその後ろに続く様に&br; 箱や缶を抱えたギリードローン達が続く&br; &br; 「仲良しさんしてたみたいだねー…♪」&br; 「がうがうー」&br; 「みゅっはー」&br; サ姫がやってくるとウルメルとレィメルは万歳し&br; カトラはそうでもないのだと目を逸らした&br; そんな姿にサ姫は笑顔になってしまう。&br; &br; 「あ、そうそう…野菜スープ作ろうと思ってたんだけど&br; ドローンさんが持ってきたこの缶、ここで栽培した玉蜀黍で作ったスープなんだって」&br; サ姫がそう言うと、ギリードローンが約1.5リットルサイズ大型缶を掲げた。&br; 缶は赤と白のラベル、中央には読めない文字のロゴと玉蜀黍のイラスト&br; 缶を見るだけで絶対美味しい奴だとわかる。&br; &br; 「火の準備は大丈夫だね、ありがと…♪」&br; 鍋の準備をするとスープの缶を開けようとするのだけど&br; 「あ……」&br; 缶切りがありませんでした。キャンプでやりがちな失敗。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-26 (土) 00:32:01};
---「…ああ」&br;カトラは、納得したようにうなずくと、サキから缶を受け取った。&br;自分に必要がない道具だと、つい忘れがちになる。&br;で、カトラがどうやって缶切り無しで缶詰を開けるかというと…。&br;&br;両手でしっかりと缶を握って、地面に固定すると。&br;羽についた鋭利な爪状の鱗でコツコツ叩きだす。&br;&br;「ありがとーカトラちゃん…。爪は使わないの?」&br;赤い長手袋のような、鱗に覆われたカトラの両手は、サバイバルで&br;刃物や工具替わりに役立っていた。もちろん爪もなのだが。&br;「最近機械いじりが多かったからな、爪が長くて邪魔だったから削ったのだ」&br;「へぇー…え、何で??」&br;ドラゴンの爪である。ダイヤモンドコートのやすりでも、怪しい。&br;「尻尾の裏のざらざらしたとこ」&br;「へぇぇ???」&br;どうやらカトラの体には、まだ色々秘密がありそうであるが、&br;缶が開けられて、鍋で囲炉裏にかけられると、頭よりお腹の方へ&br;思考力が移ってくるようだ。&br;&br;「わーめっちゃ良い匂いするなのだ…」&br;囲炉裏の傍に腰を下ろし、待つ間にも空腹が加速していく。&br;素朴なただのスープなのに、やけに惹きつけられる。&br;日の暮れていく湖畔で、焚火を前にしているからだろうか。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-26 (土) 02:00:26};
---「だぅー…」&br; 「みゅふ…」&br; カトラの左右で鍋を見詰めるウルメルとレィメルの口から&br; 涎がたらたらと垂れている。&br; 「誇り高き神域のドラゴンの血族がだらしないのだ」&br; とか言いながら、二人の口を拭いてやるカトラさん&br; 「ふふっ…♪」&br; 「…別に作法を教えているだけなのだ」&br; &br; そんなやりとりをするうち&br; やがて玉蜀黍色のスープから湯気が立ち上り&br; 小さな泡がコポコポとスローペースで浮いては消え始めた&br; 「うん、もう大丈夫そうだね…じゃあ注ぐよー」&br; &br; 取っ手の付いたマグカップを四つ用意すると&br; しゃもじを使い、玉蜀黍色のスープを順番に注いでいく&br; 「…うお?トウモロコシの粒がごろごろなのだ?」&br; 「底にいっぱい溜まってるみたいだから、掬って入れるね?」&br; 「がうわぅ!」&br; 「むぃむぃ!」&br; ウルメルとレィメルも香りのテンションが上がったのか&br; まだかまだかと跳ねている&br; 「跳ねたらあぶないよ?熱いからふーふーしてから。ね?」&br; &br; 「よし!ふーふーなのだ」&br; 「ぷーぷー」&br; 「ぷーぷー」&br; 「ふーふーだね…♥」&br; 注ぎ終わったスープをみんなでふーふーし&br; そしてゆっくり口へと運ぶ -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-26 (土) 22:22:07};
---体に染み込む。そういう言うのがぴったりだった。&br;&br;地下都市に来てからも、色々と忙しく立ち働いてはいたが、&br;野山を相手にするのとでは、疲労の質も違うのかもしれない。&br;&br;海辺での生活が懐かしくなる味だ。&br;といっても、ほんの数日前のことだけど。&br;自分の手で獲物を得ることの楽しみがある味である。&br;まぁ缶詰なのだけど。&br;&br;「うまい…なんでか知らんけどやけにうまい…。&br;これ大丈夫なやつなんじゃろうかなのだ…」&br;『100%オーガニックです』&br;大丈夫みたいだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-26 (土) 23:19:40};
---「ほっこりする味だねぇ…はふぅ……」&br; 「むふぅ」&br; 「ぷふぅ」&br; サ姫、ウルメルレィメル並んで、ぼやけたわんこみたいに目を細めている&br; あたりにふわふわとした空気が満ちている。&br; &br; 『保存倉庫には天然素材のパン等もございますがどうしますか?』&br; 「もって来るのだ」&br; 速答。スープにパンなんて悪魔の囁き、絶対美味いに決まっている&br; 本物の魔はほっこりしているが -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-26 (土) 23:33:13};
---「そして案の定うまーい!」&br;ちぎったパンをスープに浸す、もう説明するまでもない味である。&br;「はむっ…」&br;「もむ…もっ…」&br;自分も試してみるレィメルと、無心にパンを頬張ることに喜びを&br;見出すウルメルである。&br;ちゃんとちぎって食べるなのだーとか言われてる。&br;&br;川下りで冷えた体に、焚火とスープで熱が入った。&br;こうなると、逆に食欲に火が付くのだ。&br;「よし!肉も焼くなのだ!」&br;丸太のベンチを立つと、言うが早いか、カトラは走っていき&br;両手で半身の枝肉を抱えて走ってきた。良い笑顔だ。&br;&br;「丸焼き…と言いたいところだが。時間がかかるなのだ。&br;炙って食べるとするなのだー」&br;&br;焚火の側に適当に石を置き、その上に網を渡す。&br;火の側で肉を炙る素朴なBBQである。&br;野外生活でよくやった調理だ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-26 (土) 23:56:12};
---「食べるって幸せだねー……」&br; 夢中で食べるウルメルレィメルを見れば自然と笑顔になってしまう。&br; 「あ、肉だけじゃなく、野菜もね?」&br; サ姫はそう告げてスープのカップを置くと&br; 輪切りにした玉ねぎと、半分に切り種を取ったピーマンを網に並べた。&br; &br; 囲炉裏の火力と炭からのは遠赤外線&br; 肉は直ぐに湯気を立て、油がジュワジュワと泡立ちはじめた&br; スープの優しい香りに代わり&br; 肉の焼ける香ばしくも食欲そそる香りが満ちていく -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-27 (日) 00:11:27};
---「おぅー…」&br;「みゃぅー…」&br;本能がウルメルとレィメルの視線を、肉に釘付けにする。&br;「まだじゃぞ。周りを焼いた後は、肉を焼き過ぎぬように&br;ゆっくり中まで火を通すなのだ…」&br;&br;網に乗った肉は分厚い。&br;早く食べるのなら薄く切ればよかったのに、あえて分厚く塊肉に&br;するあたり、カトラの肉に対するこだわりは熱い。&br;&br;「温度が上がり過ぎると肉汁が逃げてしまうなのだ。&br;肉汁は大事なのだ。この肉は血抜きされてしまっているが、ドラ&br;ゴンの国では、獲物の血ごと料理するでのー。&br;しかし生とは違うなのだ。ちゃんと火を通して血肉をなじませる&br;れっきとした調理法でなー…。&br;ちなみに、血だけを固める料理もあるなのだ…。&br;おいー、やっぱだめなのだ、おぬしこいつを押さえておくなのだ!」&br;&br;当然我慢しきれずに、手を伸ばそうとするウルメルを押さえつつ&br;色々ささやいて注意を逸らしてみるが、肉を前に本能全開になった&br;ウルメルは、カトラの脇に抱えられてバタバタしていた。&br;というわけで、ビーストウルメルはサキによって封印された。&br;&br;たっぷり20分ぐらいは待っただろうか。&br;さんざん良い香りで焦らしてくれた特大のステーキ肉は、&br;肉汁を落ち着ける時間で、またも焦らしてくれる。&br;しかし、ついに切り分けられて、あふれだす肉汁とともに桜色の&br;分厚い身を晒したのだった。&br;&br;「よっしゃ完璧ぃ!なのだ!」&br;思わずガッツポーズ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-27 (日) 00:40:38};
---「カトラちゃんすごいよ…お肉ってこんな風になるんだね……」&br; 「わぅぅ……」&br; 「ぷわぁ……」&br; 完璧に焼き上がった肉がそこにある。ザ・肉オブ肉!&br; 食欲そそる油の香りと、肉汁の黄金の輝き。後光さえ見えるようで。&br; その輝きにサ姫は嘆息し、レィメルは視線が釘付けとなり&br; ウルメルは再び本能は爆発しそうになっている。&br; &br; 「見ていては冷めてしまうのだ」&br; カトラによって肉と野菜が小皿に分けられ食べる準備は整った!&br; &br; 「さぁ召し上がるのだ!」&br; 「はーい!」&br; 「がぅぅぅぅぅ!」&br; 「みゅい!」&br; レッツ肉タイム!カトラの合図で肉に齧り付く四人&br; &br; 「これは…!?」&br; 「が…!?」&br; 「み…!?」&br; 齧り付いた瞬間口一杯に広がる肉汁と油のうま味。&br; 三人は世界の最果てを見た。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-27 (日) 01:03:24};
---「ふふん、どうよ」&br;超ドヤ顔のカトラである。&br;肉や魚を、直火で焼く。&br;これだけは、カトラが唯一得意な料理であった。&br;&br;&br;&br;食事が終わったあとも、まだ焚火は続いている。&br;明かりは焚火だけである。&br;他の都市と違って照明は1つもない。&br;かわりに、銀河と満点の星空が頭上にある。格子状の骨組みが空を&br;区切っていなければ、地下であることを忘れてしまいそうだ。&br;&br;カトラは、焚火の側に置いたポットに茶葉をざっと入れた。&br;「砂糖もいれるかの?」&br;片手でカップを取り出す、もう片手にはマシュマロを刺した木の枝&br;である。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-27 (日) 01:54:23};
---「うん、甘い方が好きかな?ウルメルレィメルは…どうする?」&br; 「むぁー♪」&br; 「とー♪」&br; カトラが問えばサ姫は当然として&br; ウルメルとレィメルも砂糖の瓶を指差し甘いのが良い事を示しました。&br; &br; 「うむ、では…あー頼めるかなのだ?」&br; 「いいよ♪」&br; カトラの手はマシャマロの枝と準備する手でふさがっている&br; だから、代わりにサ姫がウルメルレィメルそして自分のカップに&br; 砂糖をひとさじづつ入れて行く。&br; &br; 並んだカップが焚き火に照らされ、四つの影を落とす&br; 大きめの二つのカップはカトラとサ姫の&br; 小さな二つのカップはウルメルとレィメルの&br; 「直ぐに注がず、茶葉を蒸らすのが美味しいお茶を淹れるポイントなのだ」&br; 「待つ時間が美味しさを引き出すんだね」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-27 (日) 21:44:02};
---「うむ、…でお前らは砂糖を直に食べるでない。&br;ほれ、これでも焼いていろなのだ」&br;落ち着きなく砂糖を手づかみでじゃりじゃり食べだす2人に&br;焼けたマシュマロを口に放り込んでやる。&br;ちょっと熱かったのかびっくりしてるが。いずれ炎やビームを&br;口から吐き出すようになる子らである、火傷の心配はない。&br;&br;「枝に差したのを火にかざすのだ、近づけすぎると炭になるでな&br;こんな具合にな、なのだ」&br;ウルメルの持つ枝のマシュマロが真っ黒こげである。&br;新しいのと代えてやる。&br;&br;子供に火を使わせるのは一見危なそうだが。&br;じっとさせておくよりは、何かさせておいた方が静かだと&br;今日学んだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-28 (月) 01:08:44};
---&br; そんな事を思いながら、カトラは黒焦げのマシュマロを口に放り込んだ&br; 「苦いのだ…だがこれが良いのだ」&br; 見かけは真っ黒なマシュマロ&br; だが中心部分にはまだ甘い部分が残っている&br; 苦味と甘さ、これもまたキャンプ料理らしい味と言えるかもしれない。&br; &br; 「むぃ?」&br; 「子供には解らぬ味なのだ、ほらもう食えるのだ」&br; 「わぅ!…はふはふ」&br; 「はふふ……」&br; カトラに促され適度に焼けたマシュマロを頬張るウルメルとレィメル&br; 先程は驚いてしまったが、焼けてカリっとなった外皮とろりと溶けた内側&br; 子供にはたまらない食感かもしれない。&br; &br; 「ふふっ、二人共おいしい…?」&br; 「がうー♪」&br; 「みうー♪」&br; はふはふと味わう二人の姿が可愛くて&br; それに二人と上手くやっているカトラの姿&br; サ姫の顔も自然と笑顔になってしまう。&br; &br; 「ふむ、頃合いなのだ」&br; カトラは小さく呟くと、ポットの茶をカップに注ぎ始めた&br; 四つの湯気がカップから立ち上り&br; 絡み合いながら星空へと吸い込まれて行く&br; &br; 「良い香りだね…私好きかな…?」&br; 「それは良かったのだ。おまえは猫舌だからゆっくり飲むのだぞ?」&br; 「もう…カトラちゃんったら…私まで子供扱いでしてー」&br; 頬を膨らませるサ姫。なんだか先程頬を膨らませたレィメルと良く似ている&br; むしろレィメルの方がサ姫に似ているのかもしれない。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-28 (月) 01:29:30};
---「ふふーん、ドラゴンに比べればみんな猫舌のようなものよ、なのだ」&br;カトラは得意げに、カップを傾けて茶を啜る。&br;「…あれ、月が出ておらぬな?」&br;少し上向いて、夜空を見上げて言った。&br;頭上には、天の川の輝くのが見え、星々の鳴り響くような空だ。&br;てっきり、地上の空が何らかの高度な技術で見えているのだと思っ&br;ていたのだが。&br;&br;「地下に入る前は、満月のちょっと前ぐらいだったよなー?」&br;あと、お茶が美味しい。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-28 (月) 01:38:22};
---「んーそうだねー…?ふーふー」&br; お茶に息を吹きかけながら、サ姫は上目遣い気味に夜空を見た&br; 結局、冷ましながら飲んでいるサ姫さん。&br; &br; 「ぷーぷー…くぴくぴ」&br; レィメルもサ姫を真似て茶を冷ましながら啜っている&br; こうしていると本当によく似ている。&br; 「はむはむ♪」&br; そしてウルメルはまだマシュマロを食べていた。&br; &br; 「…んー…確かにこれだけ星見えてるのに…月が見えないって…あれ…?」&br; 「ふむ、ここは自然も多い空気が綺麗なの…ううん?」&br; 夜空についての会話を続けるうち、サ姫とカトラは不可思議な感覚を覚えた。&br; ヒントはカトラの言葉の中。「地下に入る前は……」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-28 (月) 01:59:13};
---魔法と天体の運行は密接な関係にある。&br;サキもカトラも、基礎教養で天文学を学んでいる。何せ2人とも&br;これでもプリンセスなのだ。教養は高い方だ。&br;&br;「ふぅーむ?」&br;地下都市に引っ越してきたのが6日ほど前、月は上弦で満月の前だった。&br;「…よく見たら、星の位置も妙なのだ、知ってる星座が無いし…&br;北極星はあんな星じゃったかのう…?」&br;「はるかぜさん、ここの空は、地上とは違うの?」&br;これまで、ホスト役として静かに控えていたはるかぜに聞くと。&br;『地上に設置された圧縮集光器郡によって集められた光を、拡散&br;したものです』&br;「?」&br;『…基本的には地上の空をそのまま取り入れています』&br;&br;おもわずカトラとサキは顔を見合わせた。&br;そんな2人の間に、にゅっとコンガリ良い色に焼きあがった&br;マシュマロが突き出される。&br;「あぅー」&br;「むふー」&br;上手に焼けたのを、ウルメルとレィメルが自慢したかったらしい。&br;「あ、くれるの?ありがとう…♪」&br;「って、なんじゃ我にはよこさぬのか」&br;サキはレィメルからマシュマロを貰い、ウルメルは上手にできたのを&br;自分で頬張る。&br;「まぁ、ここは未発見の遺跡じゃし、異界化してるとこもあるし。&br;色々あるよな、なのだ」&br;「そうだねぇー」&br;『現在地表面は比較的穏やかな状態が続いています。ご安心ください』&br;お茶のお代わりを淹れることにした。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-28 (月) 02:33:02};
---「あ、そう言えば…お外に出る予定すっかり忘れていたね…ぷにぷに」&br; 「ぷにゃあ…♪」&br; 貰ったマシュマロを食みながら&br; レィメルのマシュマロほっぺを指でつんつんすると&br; レィメルはくすぐったそうに身を捩った。&br; &br; 「そうであったなぁ…なのだ…って焼き過ぎなのだ?」&br; 「むぃー♪」&br; マシュマロを焼くのが楽しくなったのか&br; ウルメルは片方の手に二本づつの枝を持ち&br; 同時に四本の焼きマシュマロをしていた。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-28 (月) 22:08:53};
---「…お、そういえば釣りも忘れておったな…。神ドラゴンの樹の&br;湧き水が流れ込む川があるのだ、きっと良い魚が釣れるはずなのだ&br;もう1日くらいここに居てもいいと思うのぅなのだ」&br;そう言いつつ、斜め後ろを振り返る、足を畳んだ6本足とその背中&br;に乗るボールとトリのドローントリオがブレーメンみたくなってる。&br;反対側をむくと、暗がりに〇の文字が浮かんだ。ギリースーツド&br;ローンだ、釣りはオッケーらしい。&br;&br;「むぃにー」&br;ウルメルは焼けたマシュマロを、ブレーメンしてるドローン'sに差し出す。&br;沢山焼いたのはこのためらしい。&br;「そやつらは、物を食べぬ。っていうかそやつらにはやるのな、お前…」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-28 (月) 23:11:46};
---『ピッ』『ピピッ』『ピッ』&br; 三体を代表し六足ドローンがカメラアイと足を動かし&br; 感謝の意を示した。&br; &br; 「よかったねウルメル、三人とも喜んでるよ♪」&br; 「むぃぴー♪」&br; ドローン達がマシュマロを受け取ったのを見て喜ぶウルメル&br; その後ろでサ姫がカトラにアイコンタクトを送った。&br; 「ふむ…?」&br; &br; 「ウルメルレィメル、向こうで何かキラキラしてるよー?」&br; 「わぅ?」&br; 「みゅぃ?」&br; 二人の視線がドローンから逸れた瞬間、カトラは行動を起こした&br; &br; 「むぃぃ…?」&br; 「……もふ…なのだ…?」&br; ウルメルとレィメルが視線を戻すと&br; ドローン達はちゃんとマシュマロを食べた様で&br; 枝先のマシュマロが無くなっていました。&br; &br; カトラの頬がふっくらしている様に見えるけれど&br; きっと気のせいなのでしょう。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-28 (月) 23:29:12};
-&br;星明りだけになった湖畔に、小さな光が瞬いた。&br;真っ暗な湖面に突き出した葦に、蛍のように光るバイオドローンイ&br;ンセクトが停まって、水面に小さな光の円を描く。&br;&br;湖畔に張ったテントの中では、すぅすぅと小さな寝息がしていた。&br;サキとカトラの間に挟まれて、ウルメルとレィメルはあどけない&br;寝顔を見せる。&br;「よく寝てるねぇ…」&br;頬杖をして、サキは寝顔を微笑みながら見つめている。&br;「急に寝落ちたからな、疲れたのじゃろなのだ」&br;カトラは頭の後ろで腕組みしてテントの天井を見ている。&br;明かりは無い、夜目が効く2人には、テント越しの星明りでちょうどよい。&br;「我もさすがに疲れたしのぅ…ふわぁ…」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-29 (火) 00:04:19};
--&br; 「今日は本当に色々な事があったもんねぇ……」&br; お互いくっつく様な姿勢で眠っているウルメルとレィメルを見れば&br; その愛らしさに笑顔が零れ落ちてしまう。&br; &br; 「そう言えば…カトラちゃんはあの後どうだったの…?」&br; あの後とはうぉーと言いながらウルメルと狩りに向かった後だ&br; ウルメルの懐き方を見れば、楽しい事は容易に想像できるが&br; だからこそ何があったのか気になってしまう。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-29 (火) 00:16:39};
---「大変だったのだー…。そいつはまったく落ち着きがないのでな。&br;投げ槍に掴まったまま飛んで行ったり、オオコウモリに捕まって&br;飛んで行ったり…ドラゴンなのにコウモリに狩られるって…」&br;色々とぶっ飛んでいたらしい。&br;「しかし、あのオオコウモリは中々の強者で、機械のように正確に&br;間合いを見切った回避術と、樹木を足場にした立体的打撃法の前に&br;さしもの我も手こずったのだ。きっと名のある拳法家だったのだ」&br;「おぬしの方はどうだったのかの、食人植物でもおったか?」&br;カトラは寝返りをうって、サキの方を向く。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-29 (火) 00:27:12};
---&br; 頷いたり驚いたり、サ姫はカトラとウルメルの冒険を楽しげな表情で聞き終えた。&br; 「あは♪大冒険だったねぇ…でもウルメルには良い経験だったかも…?」&br; ウルメルが狩られたと聞いた時は、腰が抜けそうになってしまったが&br; こうして無事な姿があると言う事は、カトラが頑張ってくれたと言う事なのだろう&br; それを想像すると、二人が仲良くしている事が嬉しくなってしまう。&br; &br; 「私達の方?んー…こっちはほとんどお散歩みたいだったかな…?」&br; 遠くで何かの鳴き声が聞こえた時は驚いたが&br; それ以外は極めてのんびりした散歩だったと告げ&br; 「草塗れのドローンさんが飛び出した時も驚いたかな…?&br; そうそう!レィメルって…色んな知識を知りたいみたい」&br; さらにギリードローンが出す草花の情報を真剣に見る&br; レィメルの姿を語り聞かせた。&br; &br; 「その後はドローンさんに果物や野菜を栽培してる場所に案内してもらったの&br; あのリンゴ!あれレィメルが採取したんだよー…それでそれで」&br; サ姫の話が止まらない -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-29 (火) 00:40:17};
---「おう、お、おおう…」&br;やや気圧され気味にカトラは頷く。&br;「よくそこまで見ておるの…」&br;自分のことや、珍しい地下の森よりも、サキの頭は2人の事でい&br;っぱいなようで。ちょっと驚く、そして少し苛立たしくもあり…。&br;「おぬしは、懐かれておるしな、我は大人しくさせておくのに苦心&br;するばかりであったなのだ」&br;目を離すと秒でどこかへ行くウルメルを追いかけまわし、かと思え&br;ば、もう知らんと突き放したら付いてくる。&br;「同じドラゴンであるはずなのに、こやつらは訳が分からぬ…」&br;腹立ちよりも、なにか溜息の方がでてしまう。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-29 (火) 00:56:09};
---「だって私…二人のママだもん…♪」&br; 母親にとって成長する子供の一挙手一投足全てが気になり&br; それは大切な思い出でもある&br; だからカトラから聞いたウルメルの話も&br; サ姫に良き思い出なのです。&br; &br; 「それが子供って物だよ?」&br; ドラゴンでもサキュバスでも、どんな種族でも子供は不可思議な存在&br; 何を考えているかわからないし、何をするかもわからない&br; でもそれを察し様とがんばるのが母親。&br; &br; 「それにカトラちゃんは懐かれてると思うよ…?&br; だって…ウルメルの事話してる時のカトラちゃん…なんだか楽しそうだった」&br; カトラにそう告げると&br; サ姫はウルメルとレィメルの頭をそっと撫でた。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-29 (火) 01:13:19};
---「…楽しそう!?」&br;思わず頭を上げてしまう。眉間に皺を寄せつつまた横にごろり。&br;「…まぁ、目的通り食料集めは順調なのだ、とくに不機嫌になる&br;道理もないなのだ」&br;自分では、どんな顔をしているのかなんてよく分からない。&br;サキは本人すら気づかない心の機微をかぎ分ける魔物である。&br;「とりあえず…寝るなのだ、肉は手に入ったし、魚も欲しいのだ&br;明日も忙しくなるなのだー」&br;そう言って、カトラは寝返りをして背中を向ける。&br;しっぽの先がペタペタと地面を叩いていて。まるで照れているよう&br;にも見えてしまう -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-29 (火) 01:26:29};
---「ふふっ…そうだね、ねよっか……」&br; カトラの反応につい笑みが零れてしまったが&br; 今日一日の思い出を振り返れば&br; ウルメルとレィメルとの記憶の中にはカトラが居て&br; 抜けていた思い出のピースがはまりつつある様な気がした。&br; &br; 「星が綺麗……、カトラちゃんおやすみ」&br; 星に手を伸ばすと、四つのカップが立ち上る湯気が思い出される&br; あんな風に四人一緒にあれたら、この先どんな素敵な事があるのだろう&br; そんな事を思いながら、サ姫は三人の方へ向く様に体勢を変えると&br; 目を閉じた -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-29 (火) 01:36:26};

-&br;・&br;・&br;・&br;まだ、カトラ達が眠っていた時間。&br;日の上る直前、もっとも夜の暗い瞬間である。&br;不意に、空を緑色のオーロラが音もなく覆いつくした。&br;カーテンのように分厚くはっきりとしたオーロラの、ひらひらと&br;舞う端からは、漆黒の宇宙空間に瞬きもせず散らばる星々、そして&br;頭上にのしかかるほどに巨大な月が姿を見せる。&br;&br;異常な光景だった。&br;オーロラに覆われた夜空は、穏やかな地上の空で、切れ目からは、&br;宇宙空間に放り出された漂流者の視点である。&br;&br;10分程で、空が白み始めると、オーロラも巨大な月も消えた。&br;朝日が昇ると、目覚める直前の夢だったかのように、ちぎれた&br;綿雲を太陽が黄色く染めていた。&br;&br;湖面には黄金色の光を受けた朝霧が、ゆったりと立ち込めている。&br;目を覚ました水鳥達の影が点々と、霧の中を動いている。&br;夜露に濡れた、はるかぜの運搬車のフレームに小鳥が停まって&br;小さく鳴いてまた飛びたっていった。&br;&br;テントの中ではまだ4人が寝息を立てている。&br;熟睡中だ。&br;レィメルとウルメルに背を向けていたカトラの尻尾が、夢でも&br;みているのか、うねうねと動いている。&br;動きながらウルメルのほっぺたを先端の毛で叩いている。&br;ウルメルは寝ながら口を開いて…。&br;&br;「………んっひょぅぁあぁああ!?」&br;カトラが素っ頓狂な悲鳴を上げて飛び起きた。&br;「もにょ…もにょ…もにょ…」&br;ウルメルは口いっぱいに尻尾を頬張ってもっちゃもっちゃ噛んでいる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-01 (金) 23:56:55};
--&br; 「ひゃふっ…?何…何事ぉ…?」&br; 「…ふにぃ……」&br; カトラの悲鳴に驚きサ姫も飛び起きた。&br; 一方レィメルはサ姫の胸に抱き付いたまま寝息を立てていた。&br; &br; 「ふぁ…カトラちゃん何かあったの…?」&br; 半分閉じた目のまま、サ姫はカトラに問い尋ねた。まだ眠そうだ。&br; 「…みぅ…?」&br; サ姫の声に反応しレィメルが頭を上げた。でもまだ半分寝ている様です。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-02 (土) 01:03:18};
---「しっぽ!尻尾が溶け………ア゛ア゛ッ!?」&br;変な悪夢を見て飛び起きたカトラは、しっぽをもちゃる&br;ウルメルを睨みキレ気味な声をあげた。&br;「止めんかバカ者ー!うわーっ!尻尾がべっちゃべちゃなのだ…」&br;尻尾の先についている、ふさふさした毛が唾液まみれである。&br;「むにゅむにゅ…けぽっ」&br;ウルメルは寝ぼけながら猫めいて毛玉を吐いた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-02 (土) 01:22:44};
---「あはっ?…ウルメルはカトラちゃんの尻尾が好きみたいだねー」&br; 「笑いごとではないのだ、我の尻尾はおしゃぶりでは無いのだ」&br; 笑うサ姫に尻尾を拭かれながら、カトラは頬を膨らませた。&br; レィメルはウルメルが吐き出した毛玉をコロコロと指で突いてる。&br; &br; 「でも、ほら…子供は親の尻尾に甘えるものだし…?」&br; そう言ってサ姫は自分の尻尾をウルメルの前に出してみた、すると……&br; ウルメルは寝惚けながら、尻尾を咥え様と口をぱくぱくとし始めた。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-02 (土) 22:22:04};
---「えぇー…」&br;しっぽをおしゃぶりにさせるサキをみて、寝ぼけつつドン引きな&br;表情を浮かべるカトラさんだ。文化の違いというやつだろう。&br;「ふぁー…ぁ…、もう寝なおそうにもしっぽべっちゃべちゃで気&br;持ち悪ぃのだ…洗ってくるのだ…」&br;あくびしながらテントの入り口をめくると、朝日が眩くて目を細める。&br;&br;「さわやかな朝なのだ…」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-02 (土) 23:04:15};
---朝霧漂う湖面は幻想的に輝き&br; カトラの朝声は霧の彼方へ流れ消えて行く&br; 一方で朝を告げる鳥の歌声が&br; 遠く彼方からカトラの耳へと届き穏やかなリズムを囁く&br; &br; 「海の朝とはまた違うね……」&br; 「むぃ〜……」&br; 「ぷに?にゃう」&br; カトラから遅れて、サ姫とウルメルレィメルもテントから這い出して来た。&br; でもウルメルはまだ寝惚けているのか&br; 明後日の方向へとふらふらと歩いて行きそうになったのを&br; レィメルに手を引かれ戻って来ました。&br; &br; 「ん〜…なのだ」&br; 「ううん〜♪」&br; 「がぅ〜」&br; 「ぷぃ〜」&br; そして四人横に並ぶとみんなで深呼吸&br; ここが地下とは思えないほどに空気が美味しい。多分マイナスイオンも豊富です。&br; 豊かな自然と眠る者の力で空気が澱む事無く浄化されているのでしょう。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-03 (日) 21:31:18};
---『みなさま、おはようございます。本日は午後に降雨予定がございます、雨具の用意をお忘れなく』&br;「おはようなのだ、わかったのだ…ふわ…」&br;テント脇に駐車していたはるかぜに挨拶すると、それから、4人並&br;んで湖で顔を洗う。冷たさで眠気が洗い落とされるようだ。&br; ウルメルとレィメル達はサキに顔を拭かれて世話を焼かれている。 &br;&br;「朝餉はどうするかなー」&br;水が冷たいので、カトラは尻尾だけ湖に入れて&br;ばちゃばちゃ振って洗う、横着だ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-03 (日) 23:14:56};
---「ぬ、ぬぁ〜ぷわぁ♪」&br; 「にゅい、にゅい…みゅい♪」&br; サ姫に顔を拭かれながら&br; ウルメルとレィメルは面白い声を上げ笑った。&br; きっと自分の声が面白いのでしょう。&br; &br; 「ん♪二人ともキレイキレイできました…♪」&br; 二人の顔を拭き終え、自分もと湖で顔を洗い始めた所で、ふと気付いた。&br; 「カトラちゃん?尻尾の先に何かいない…?」&br; 水の中で揺れるカトラの尻尾の先に&br; 毛先とは違う何か黒い影が見え隠れしていた。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-03 (日) 23:33:56};
---「え?…うわっ魚が釣れた!」&br;銀色の鱒のような魚が飛沫をあげて水面から飛び出した!&br;空中で口を離し身を翻す魚を、カトラは反射的にキャッチ!&br;&br;「おおお!結構な大物ではないか!これ絶対旨いやつじゃろ!」&br;30センチを越える太った魚だ。朝からツイているぞ。&br;「よし、これを朝食にするなのだ!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-03 (日) 23:45:12};
---「すごい!?尻尾で魚を釣るなんて絵本みたいだよぉ♪」&br; 「わぅー♪」&br; 「みゅぃー♪」&br; サ姫が拍手をすれば、ウルメルとレィメルも一緒に拍手を始めた。&br; 「うぉーなのだー!」&br; 拍手を受けながら、獲物を掲げあげるカトラさん。&br; &br; そんな訳で、朝餉はカトラの釣り上げた魚をメインとする事に。&br; 「魚の他にも何か…あ!ダッチオーブンがあるからリンゴ焼こうか?」&br; 「ふむ?焼きリンゴなのだ?甘い物なら問題ないであろうなのだ」&br; サ姫が料理をどんな食材でも甘いスイーツ味にしてしまうが&br; 元から甘い果実ならば、スイーツになったとして問題ないはず。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-04 (月) 00:00:06};
---「そうと決まれば―…ふふんっやはり持ってきておいてよかったのだ!」&br;ヴァル姉の鞄から、カトラは手慣れた様子で釣竿を取り出し、小箱&br;の中の大量のルアーの中からマス釣り用を選ぶ。手作りだ。&br;&br;「適当に尻尾を入れただけで釣れたのだ、良いポイントなら&br;きっと大漁なのだ。ぐふふ…」&br;キャップも被って40秒で支度完了である。&br;カトラは、釣りが達者であった。&br;&br;「…で、おぬしは向こうで待って居れって、ほれ、あっち&br;こら、ルアーにいたずらしようとするんじゃない、おもちゃじゃないのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-04 (月) 00:17:38};
---「二人は釣りに興味津々なのかな?」&br; 初めて見る釣りに好奇心を刺激されたのか&br; ウルメルとレィメルはカトラの周りから離れようとしない&br; ここ最近、カトラと共に行動する事の増えたウルメルだけで無く&br; レィメルもウルメルの背中から顔を出したり引っ込めたりカトラの様子を窺っている。&br; &br; そんな二人を見れば、サ姫は納得した様に頷き。&br; 「私…向こうで竈の準備するから、カトラちゃん二人をお願いね?」&br; そう言うと、ダッチオーブンを手に竈の方へと行ってしまった。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-04 (月) 00:45:14};
---「ええー!?…仕方ないのぅ…」&br;&br;不承不承引き受けたが、この湖、ざっと見渡しても釣りに良さそう&br;なポイントがいくつもある。&br;岸の近くは程よい岩場と木陰がいくつもあるし、湖の中ほどには&br;沈没船の舳先が突き出していて、良い漁礁になってそうだ。&br;&br;っていうか、ドローン達がすごい勢いで湖面に餌をばら撒いている。&br;魚が飛び跳ねまくる湖面は、まるで沸騰したようになっていた。&br;&br;「デカい釣り堀なのだ。これなら初心者のおぬしらでも楽勝じゃ&br;の。まぁよく見ておれ」&br;カトラは、手慣れた手つきでひょうっとルアーを投げ入れる。&br;わずかに手元で糸を手繰ると、物の数秒でアタリが来る。&br;食いつきが浅い。警戒心が強いのだ。&br;初めての相手だが、竿に感じる感触で、魚の特性を見抜いた&br;カトラは、すぐにリールを巻かずに待つ、すると…ぐんっと強く&br;竿がしなった!その瞬間、カトラはリールを巻き竿を引き上げる!&br;どんな大物も、ドラゴン腕力による手繰り寄せには為す術無し。&br;「はっはっは!この分なら朝餉の前には十分な魚が確保できるなのだ!」&br;50センチ級の魚を自慢げに掴み上げるカトラ。&br;おー…と声を揃えて、ウルメル、レィメルの2人も真似をして竿を&br;振るった。&br;「おっと…やると思ったのだ、竿は横に振るんじゃない、縦なのだ&br;こうな?こう。引っかかって危ないからな」&br;頭の上を掠めたルアーを回避して、さっそく2人に手ほどきする。&br;カトラは釣りが達者であった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-04 (月) 01:13:46};
---&br;「…んー二人共楽しくやってるみたい…よかった……」&br; 遠くからウルメルレィメルのはしゃぐ声が聞こえれば&br; サ姫の表情は自然と笑顔となっていまう。&br; &br; こんな楽しくも素敵な思い出を重ねて行けば&br; カトラとウルメルレィメルの関係は良くなって行くはず&br; 今の自分達に大切なのは『思い出』だ。&br; どんな苦しい状況になっても&br; 思い出す事で笑顔になり強くなれる&br; そんな『思い出』が必要だ。&br; &br; 「そのために、私もがんばらないと…ね…?」&br; 小さく呟くと焼きりんごの下ごしらえを始めた -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-04 (月) 01:29:31};
---&br;カトラがまた一匹吊り上げた。&br;ウルメルとレィメルの方はさっぱりだ。&br;あたりがあって、竿を引いても針だけが上がってくる。&br;&br;この魚を釣り上げるにはコツがあるのだ。&br;やすやすとは教えてやらない。カトラのちょっとした悪癖である。&br;あからさまには見下しはしないが、自分より劣る者の前で余裕をかます&br;のが実は好きなのだ。ちょっと趣味が悪い。&br;「ふふんっ」&br;そうこうしてるうちにまた一匹。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-07 (木) 23:05:40};
---「がぅぅぅ……」&br; 自分の竿へのヒットが無い事にいら立ちを感じたのか&br; ウルメルは獣じみたうなり声を上げている。&br; こう見えて負けず嫌いなのかもしれない。&br; 一方で……&br; &br; 「…みゅぴ……」&br; レィメルは竿を持ったまま頭がゆらゆらと揺れていた&br; 空気の美味しさやマイナスイオン効果等、眠りを誘う要因は多数あるが&br; のんびりな気質の方が大きいのかもしれない&br; &br; 「ふむ、生まれは同じでも個性は出る物なのだな……」&br; そんな二人を見ながらカトラで小声で呟いた。&br; そこへ……&br; 「カトラちゃん、ウルメルレィメルー出来たよー」&br; 甘い匂いを漂わせながらサ姫の声が近付いてきた&br; &br; 「がぅぅ…う…わぅー!」&br; 「ぷみ?みゅぁ!」&br; 当然の様に甘い匂いに反応するウルメルとレィメル&br; 「良い匂いなのだ!ここで朝餉にするか…なのだ…ん?」&br; カトラが釣った分の魚は多数ある&br; 釣りの続きはまた後でも良いかも?&br; そんな事を思っていると、ウルメルの竿が大きく揺れた!&br; &br; 「むぃ?ぬぁ!?」&br; ウルメルは竿の反応と甘い匂いの間できょろきょろしている -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-08 (金) 00:11:22};
---「よそみしないで、引っ張り上げるのだ」&br;カトラが手を貸して竿を引く。&br;「おっおっおっ!?なんだ引きが強いぞ!&br;お前、よそ見してないでちゃんと引きあげるのだー!」&br;「あぅ?ぬぁ!?」&br;ウルメルが竿の方に注意を向けたとたん、ずずっと足元が&br;すべって湖に引っ張れた。&br;慌てて両手で竿を持って踏ん張る。それでも引きずられてしまう!&br;「さっき片手で押さえてたじゃろー!?」&br;幼いウルメルはまだ神ドラゴンの怪力を使いこなせていないのだ。&br;状況を察して、目を覚ましたレィメルも加勢に加わる。&br;&br;&br;「ぬぬぬ…手繰り寄せは我がやる!おぬしらは引っ張っておれ!」&br;「ぬいー!」&br;「ふんぬー!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-08 (金) 01:16:24};
---「あ、私も手伝うよ!」&br; サ姫は持っていたダッチオーブンを置くと&br; 急ぎ三人の元へと走って行った。&br; &br; 「よーし!我らの力を見せる時ぞなのだ!」&br; 「いくよーおーえす!」&br; 「にゅぉー!」&br; 「みゅぃー!」&br; 四人で掛け声しながら竿を引くのだが&br; 糸の先に居るであろう存在は湖から姿を見せない&br; それでも四人力合わせれば、徐々にこちらの方が優位となって行く -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-08 (金) 01:32:31};
---「ぬぅ!なんだこの引きは!カジキでもかかったのかなのだ!?」&br;この驚異的な引きと暴れっぷり、決して根掛かりなどではない。&br;&br;「むっ!今なのだ!全員思い切り引けぇー!」&br;通常、怪魚クラスの大物を引き寄せるのは相手の体力が弱ってから&br;だが、カトラにはドラゴン腕力と、優れた手繰り寄せの才がある!&br;&br;全員でせーのっと声を合わせて引っ張り上げた瞬間、水面下の魚は&br;完全に隙を突かれる形で引っ張り上げられた!&br;ドォーンと水柱が上がった。&br;その瞬間、全員があっけに取られて上を見上げる。&br;飛び出してきたのは、カジキどころかクジラ並みの巨体だ!&br;「おわあー!?」&br;竿を握っていたカトラが今度は逆に宙へ引っ張り上げられてしまった。&br;慌てて手を放し、羽を広げるカトラの目の前で真っ黒な巨大魚は&br;身を翻し、針を竿ごと振りほどくと水面へと身を叩きつける。&br;あたりを一瞬夕立のような水しぶきが洗った。&br;&br;「うーわ、なんじゃあれ…ヌシかの…。ってうわー!バカが&br;突っ込んでいったー!」&br;水面に浮かんだ竿を取りにいったカトラの横から、ウルメルが&br;躊躇なく湖にダイブ!&br;&br;「……先に、朝食にするかの?」&br;振り返ると、サキとレィメルがプルプルと首を横に振っていた。&br;カトラは心底めんどくさそうな顔をしてちゃぷんっと湖に入った。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-08 (金) 01:54:01};
---「ちゃんと連れ帰ってねー?」&br; 「るー……」&br; サ姫は水の中へ消えるカトラに手を振りながら呼びかけた&br; そしてサ姫に抱き付きながら、不安そうな声を上げるレィメル&br; 「大丈夫だよ…カトラちゃんがちゃんと連れて帰ってくれるから、ね?」&br; 「みぃ……」&br; &br; 「ねぇはるかぜさん…さっきのおっきな魚は…?」&br; 『資料を検索 ありました&br; レイクマザーと呼ばれる水中環境の循環のために開発されたクジラの一種です&br; 元々はシーマザーと呼ばれる超大型のクジラの遺伝子から複製されたとされています&br; しかし詳細な資料は存在せず、シーマザーの存在も不明とされています』&br; 「超大型…あれも大きかったけど…もっと大きいのがいるかもしれないんだね……」&br; 「ぷわぁ……」&br; &br; 一方湖の中では……&br; 「あのチビ思ったよりも泳ぐのが早いのだ……」&br; カトラは飛び込んだウルメルを必死になって追いかけていた&br; 赤子は生まれた時から泳げると言うが&br; ドラゴンの赤子、それも神域のドラゴンの赤子ならばなおさらの事だろう&br; &br; 「しかしこの湖どこまで深さがあるのだ…?」&br; ウルメルを追い続けるカトラだが、湖の底は未だ見えてこない。&br; 潜り続けるウルメルの前方には先程の巨大魚の姿&br; そろそろ光が届かなくなりそうだ。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-08 (金) 21:47:25};
---辺りは深緑色の闇に包まれはじめ、潜るほどに湖は果てしなく広がっていく。&br;&br;水中に巨大な球根型の岩が、氷山の底部のごとく浮かんでいた。&br;芽のように伸びた突端が、水上の沈没船につながっている。&br;なんらかの装置なのだろうか、球根から伸びた根のようなものが&br;四方八方にどこまでも伸びて、先端は闇の中である。&br;何もない田舎道に、とつぜんキノコ型の巨大な給水塔が現れた&br;ような、得体のしれない異物感が漂う。&br;&br;穏やかな湖面から一転して、水中は茫漠とした薄暗がりであった。&br;追いかけていた巨大魚の姿も闇に消えている。&br;カトラは羽の角度を調節して、速度を上げるとウルメルの尻尾を掴んだ。&br;「もがーごぼっ!?」&br;「息止めておらんと溺れるぞー」&br;ジタバタするウルメルを引っ張って浮上をはじめた。&br;&br;それにしても得たいの知れぬ湖である。&br;ここも地下都市だと言っていたのだから、もしかしたら他の都市と&br;構造は同様で、むやみに高い構造物の一番上だけが森になっていて、&br;下は地底湖のようにすべて水に満たされているのかもしれない。&br;&br;だとしたら、この湖はどれだけ深いのだろう…。&br;行きに見た巨大球根がちょっと不気味だったので、岸に続いてると&br;思しき壁沿いに浮上していく。&br;この壁も壁で、何やら樹の根のようなものに一面覆われていて、ミジ&br;ンコか何かになって、植物の水中根の中を泳いでるような気分にさ&br;せてくれるのだが…。&br;&br;「って、これ神ドラゴンの樹の根っこじゃないかなのだ。&br;こんなとこまで根を伸ばしておるのだなー…&br;お…ここもなんか奥に入れそうな洞窟になって…」&br;「ごぼっもがごぼぼ…ぼほっ………」&br;「お、いかん、空気が切れた」&br;ごぼごぼ泡を吐いていたウルメルが肺の空気を使い果たしたらしい&br;動かなくなってしまったので、とりあえず水面へ急いだ。&br;&br;&br;&br;「ぷはー、もどったぞーなのだー」&br;「ぶぴゅー………」&br;水面に浮かんでくるカトラと、肩に担がれて鉄砲魚みたいに水を噴&br;き出してぐったりするウルメルだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-08 (金) 23:24:44};
---「カトラちゃんおかえりなさ…ウルメルー!?」&br; 「りゅー!?」&br; 二人が浮上するのを確認すると笑みを向けるのだが&br; ぐったりとしたウルメルを見れば&br; サ姫とレィメルは濡れる事にかまわず湖へと足を踏み入れていた&br; &br; 「問題は無いのだが、水はしっかり吐き出させた方が良いのだ」&br; 「う、うん……」&br; カトラにバスタオルを渡し、代わりにウルメルを受け取ると&br; 岸へと戻り、バスタオルの上にウルメルを寝かせた&br; &br; 「横に寝かせるのだ、逆流した水が肺に戻るのだ」&br; 「こ、こうかな?」&br; バスタオルで髪と身を拭くカトラのアドバイスを受けながら&br; ウルメルへの処置を進め……&br; &br; 「むぃ〜……」&br; 「みゅあ〜」&br; なんとか回復するもウルメルはまだぼんやりとしている&br; そんなウルメルに抱きつくレィメル。心配だったのでしょう。&br; &br; 「ウルメルよかったよぉ〜…カトラちゃんありがとう」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-08 (金) 23:47:33};
---「うむ!よかったななのだ!」&br;頷きながら、寄道してたら窒息しかけたことは黙っておくことにした。&br;&br;&br;&br;服を乾かしついでに、焚火を囲んで朝食にした。&br;地面で焚火は禁止なので、丸いBBQコンロで火が燃えている。&br;その周りには釣りたての魚が、串に刺さって焚火を囲んでいた。&br;&br;「この湖、底の方がものすごく深くなっておってななのだ。&br;たぶん、森の地下は全部地底湖みたくなってるぞなのだ。&br;もう一枚くれなのだ」&br;サキがダッチ―オーブンから、パンケーキを一切れ切り分けて&br;皿に乗せる。&br;ウルメルは魚を頭から無心に齧っている。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-09 (土) 00:26:32};
---「ほわぁ…なんだか海みたいだねー?」&br; カトラから聞く湖の底の話は、なんだか異世界の話を聞いている様で&br; 聞けば聞くほど驚きの声が出てしまう。&br; 「あ、はーい、メイプルシロップもあるよ?」&br; ちなみにメイプルシロップもオーガニック素材であります&br; &br; 「みゅい!」&br; 「レィメルもパンケーキのおかわりほしいの?」&br; 「みゅあー♥」&br; 皿を出しながらレィメルもパンケーキのおかわりを催促&br; 小さめに切ったパンケーキをレィメルの皿に乗せると&br; ホイップクリームをトッピング&br; &br; ここまでさらっと流してきたが&br; ダッチオーブンで作っていたのは焼きリンゴだったはず&br; それがなぜか蓋を開けたらアップルパンケーキになっていたのでした&br; いつものサ姫の異能(?)が発動してしまった様ですね。&br; カトラ曰く「小麦粉の節約が出来てこれも良いのだ」&br; &br; 「んー私も湖の底みたいなー…でも息が続かないし……」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-09 (土) 00:51:31};
---「そうじゃなぁ、我は平気だけどななのだ」&br;例の悪癖が出て、カトラはドヤ顔だ。&br;「あれだけ深いと、森の下は水族館にでもなっておったのかのー」&br;『はい、その通りです』&br;相変わらず絶妙な間で、ガイド情報を入れてくれるはるかぜさんだ。&br;ウルメルは焼魚をもにゃもにゃと食んでいる。&br;&br;『水深は最大部分で5200m総延長300辧都市構造物を丸ごと水槽に&br;した世界最大の人工海洋設備でした』&br;「相変わらず地下都市のスケールは、とんでもないな!?」&br;『ですが、現在は地下階、海洋モジュール施設が全てオフライン&br;状態です。海洋モジュールはその規模から、環境を維持する循環機&br;構が、都市自体に組み込まれているため。&br;ドローン達も現状を把握しきれていないようです』&br;&br;「ふーん…ふふーん?」&br;何かカトラが意味ありげな含み笑いをする。&br;「もにゃもにゃ」&br;ウルメルは無心に3匹目の魚を食んでいる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-09 (土) 02:01:50};
---「そっか残念……、でも仕方ないよね……」&br; 肩を落とし、サ姫は俯きながらパンケーキをはみはみする。&br; 「みゅぃ…?」&br; 「むぃ…!」&br; そんなサ姫にウルメルとレィメルが反応し動きを止めた&br; そして……&br; &br; 「え?あ、二人ともありがとう……」&br; 「みゃー♪」&br; 「ぬぁー♪」&br; ウルメルとレィメルは立ち上がるとサ姫の頭を撫で始めた&br; いつも二人がサ姫からして貰っている様に&br; サ姫の頭を小さな手でふわふわと撫でた&br; 食事途中でベタベタの手だけど&br; それでもサ姫には二人の優しさが嬉しくて -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-09 (土) 22:20:40};
---「髪べったべたになっておるぞ。まぁそれよりじゃな&br;湖の中へ、行けると思うぞなのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-11 (月) 21:34:56};
---「あ、二人共ごはんの途中だったもんね…え?行けるの…?」&br; 「むぃ?」&br; 「みぃ?」&br; サ姫が驚けば一緒になって驚くウルメルとレィメル&br; &br; 「水中呼吸の魔法とかかな…?」&br; ウルメルとレィメルの手を拭いてから、自分の髪を拭くと&br; パンケーキを切り分けながら首を傾げた。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-11 (月) 22:00:35};
---「ふふーん、腹ごしらえが済んだら行ってみるとするかの」&br;ドヤ顔でカトラはパンケーキを頬張った。&br;&br;&br;&br;昨日、神ドラゴンの大樹をトレッキングした時、大樹の洞の奥は洞窟になって&br;いた。&br;ただの洞窟ではない、どういうわけか大樹は、幹の中に取り込んだ人造の施設&br;を粉々に砕き、施設があった部分を空洞として残すという性質があるようで。&br;カトラは、絞め殺しの樹みたいなもんかのと言っていた。&br;&br;「つまり、逆に言えば樹に大きな空洞がある部分は、昔そこに施設があった&br;はずなのだ」&br;再び湖底に潜ったカトラは独り言をした。&br;不気味な水中洞窟の前である。&br;神ドラゴンの大樹は、こんなところにまで根を張っていたのだ。水中の洞窟は&br;大樹が絡まりあってできた洞であった。&br;&br;案の定、カトラが内部に入るとドラゴン同士の共鳴で緑色の燐光が灯って奥ま&br;で見渡せる。&br;目当ての物はあっさりと見つかり、カトラは喜んで両手でそれを抱えた。&br;&br;「で、もってきたのがこれなのだ」&br;湖の畔に、ボートよりも大きなものが浮かんでいる。&br;丸い透明なボール状の頭に、円筒形の胴体が付いている。&br;胴体にも半球型の透明なドームがいくつも並んでいた。&br;左右にジェット水流式の電磁推進器が取り付けられていて、短い翼のような潜舵と&br;方向舵がある。&br;「どっからどう見ても潜水艇じゃろこれ!」&br;潜水艇であった。定員7名。地下人造海周遊ツアー用潜水艇である。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-11 (月) 22:28:41};
---「すごーい!…で、せんすいていって何?」&br; 「むぃ?」&br; 「にゅぃ?」&br; 仲良く首を傾げるサ姫ウルメルレィメルに、カトラはがくりと肩を落した&br; しかし、サ姫の中に船や汽車等の概念はあっても&br; 水に潜る乗り物の概念は無かったのだから仕方ない&br; &br;・ &br;・ &br;・ &br; 『…以上が潜水艇のスペックとツアー案内となります』&br; 「わー…これに乗れば湖の中の観光が出来るんだ……」&br; 「ぬぁー♪」&br; 「みゅいみゅい♪」&br; はるかぜとリンクした潜水艇の映像ガイドが終わると同時に&br; サ姫達は拍手をした&br; 「うむ!そう言う事なのだ!」&br; 映像の横でカトラはえへんと胸を張った。&br; 9割がたはるかぜによる説明であったのはこっちに置く -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-11 (月) 22:42:42};
---電磁式推進機構が音もなく作動して、船体を前後左右にと動かした。&br;つづけて、舵が一人でに動いて動作を確認する。&br;『問題ありません。ご搭乗ください』&br;はるかぜがそう言うと、ハッチが自動で開いた。&br;潜水艦等についている、人一人がやっと通れる狭い入り口ではない。&br;はるかぜの乗車ステップと同じ、浮かぶ板があって、上に乗ればエレベーターのように上下する。バリアフリーだ。&br;&br;「ふわー」&br;「ふわー…」&br;ウルメルとレィメルが揃って、驚きの声を上げた。&br;トリとボールのドローンを、それぞれ抱えて乗り込んだ潜水艇の内部は驚きの&br;空間だった。&br;天井と足元に覗き窓がついた胴体の中央に、外向きにベンチが並んでいる。&br;中にあるのはそれだけだ。&br;それ以外は、何もない、そう壁すらもないのだ。&br;内部は窓以外隙間なく、全天周モニターになっていたのだ。&br;&br;「うわーこれ、中にいるのか外にいるのか見分けつかぬなのだー!」&br;わーすっげーと6本足と一緒にバンザイするカトラさんだ。潜水艇に似合わぬ広々空間である。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-11 (月) 23:02:48};
---電磁式推進機構が音もなく作動して、船体を前後左右にと動かした。&br;つづけて、舵が一人でに動いて動作を確認する。&br;『問題ありません。ご搭乗ください』&br;はるかぜがそう言うと、ハッチが自動で開いた。&br;潜水艦等についている、人一人がやっと通れる狭い入り口ではない。&br;はるかぜの乗車ステップと同じ、浮かぶ板があって、乗ればエレベーターのように上下する。&br;バリアフリーだ。&br;&br;「ふわー」&br;「ふわー…」&br;ウルメルとレィメルが揃って、驚きの声を上げた。&br;トリとボールのドローンを、それぞれ抱えて乗り込んだ潜水艇の内部は驚きの&br;空間だった。&br;天井と足元に覗き窓がついた胴体の中央に、外向きにベンチが並んでいる。&br;中にあるのはそれだけだ。&br;それ以外は、何もない、そう壁すらもないのだ。&br;内部は窓以外隙間なく、全天周モニターになっていたのだ。&br;&br;「うわーこれ、中にいるのか外にいるのか見分けつかぬなのだー!」&br;わーすっげーと6本足と一緒にバンザイするカトラさんだ。潜水艇に似合わぬ広々空間である。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-11 (月) 23:02:48};
---「すごい…これ本当にすごいよー」&br; 潜水艇内部をグルリと見渡し、サ姫は驚きの声をあげた&br; 階段を上がり艇の中へと入ったはずなのに外に居る様な感覚。&br; ちなみにサ姫の手には&br; パンケーキと肉と魚のサンドイッチの入ったバスケットが握られています&br; &br; 『では搭乗ハッチを閉じた後、当潜水艇は湖の中央へと進んで行きます&br; 360度大パノラマによる自然環境をお楽しみください』&br; はるかぜのアナウンスの後、ジリリリとベルが鳴り響き&br; 搭乗ハッチが自動で閉じられた。&br; ウルメルとレィメルはベルに驚いたのか固まっています -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-11 (月) 23:16:26};
---足元に揺れを感じて、潜水艇はゆっくりと動き出した。&br;左右と上下にふわふわと揺れる船特有の揺れである。&br;&br;岸から離れて、水上から陸地を眺めるというのは、それだけで不思議な非日常&br;感があるものだ。&br;「船に乗るのは、ドラゴンの国から来る時とこれで2回目なのだ」&br;窓にべったり張り付くウルメルとレィメルの後ろでカトラはベンチに腰掛けた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-11 (月) 23:25:34};
---「故郷(魔界)の湖で舟遊びはした事があるけど…こんな船は初めてだよ」&br; サ姫はそう言うとカトラの隣に腰かけた。&br; 他にもベンチはあるが、あえてカトラの隣に座るのがサ姫らしい。&br; &br; 「むぃ?ぬぁー♪」&br; 「ぷわぁぷわぁ♪」&br; ウルメルとレィメルが見て!とばかりに窓の外を指さしながら振り向いた&br; 窓の外を見れば、水面すれすれを白い鳥達の群れが飛んでいた。&br; これだけでも見惚れてしまう光景だが、次の瞬間……&br; &br; 「おおぉ?」&br; 「わぁ……」&br; 鳥達は白いシーツが揺らめくがごとく浮き上がり&br; そして再び湖面すれすれを飛翔する&br; 鳥同士ぶつかる事無く、秩序だった動きは&br; まるで一つの生物の様にさえ見えて来る。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-11 (月) 23:45:32};
---鳥たちが格子状の天井スレスレまで上がっていくのを見ていると、前触れも&br;なく足元から水面が上がりはじめた。&br;船が潜航を開始したのだ。&br;&br;「おお!いよいよ潜るのか!ほおー…本当に水の中に沈むのだなー」&br;「沈む船の話は聞いておったが、我も乗るのは始めてなのだ。なんか妙に楽し&br;いのうこれ…!」&br;カトラも思わず壁面のモニターにべったりと張り付いてしまった。&br;ウルメル、レィメルと並んで、3人とも夢中である。&br;&br;完全に水中に没すると、いよいよ本番だ、艇内の照明が暗くなり、&br;窓の外の、水中の様子が明るく映し出される。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-12 (火) 00:28:36};
---最初に四人を歓迎してくれたの小魚達。&br; 差しこむ光を浴びながら、小魚達がスイスイと泳ぎ回っている。&br; 「こんな風にお魚を見るのは初めてだよー」&br; 「むぃ!むぃ!」&br; 「ウルメルったら……」&br; ウルメルは窓の向こうの小魚に手を伸ばそうとしていた&br; もしかして捕まえたい?&br; &br; 「みゅ?みゅあ〜♪」&br; 「ん?上…きらきらとして素敵だね〜♪」&br; レィメルが上を指差した&br; そこにはキラキラと輝く水面が複雑な光の紋様を描いている&br; それはまるで宝石をばらまいたかの様にも見えて。&br; &br; 「見る所が多すぎて困るのだ」&br; カトラの言う様に全てが見所だった&br; まだ潜り始めたばかりなのに、全てが新鮮で見逃せない光景ばかりだ&br; 先程潜った時よりも鮮明な光景がそこにある。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-12 (火) 21:02:39};
---「おおーすごいのう…湖の中こんなに魚が…。汚いから窓を舐めるのを止めるのだ、汚いから!」&br;窓の外に置かれた餌を取ろうと、必死に窓を舐める犬みたいな動きをしていた&br;ウルメルの首根っこを掴み上げるカトラさんだ。&br;&br;銀色の体をきらめかせる魚の群れを横目に通り過ぎ、湖の中を一周した潜水艇&br;はさらに深みへとすすんでいく。&br;&br;球根の化け物めいた巨大な水中施設が見えてくると、雰囲気も変わり始める。&br;「そーいえば、ここらへんの水ちょっとしょっぱかったんじゃよなー」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-13 (水) 23:42:16};
---「もうウルメルったら…これ食べて落ち着くのー」&br; 「むぃーあむ!」&br; バスケットからフィッシュサンドをウルメルに持たせてやる&br; さっそくはむはむするウルメル&br; &br; 「我も我も!」&br; 「みゅいみゅい!」&br; それを見て食べたくなったのか、カトラとレィメルにも&br; それぞれ干し肉のサンドイッチとアップルパンケーキを渡す&br; 食べながらならの水中観光もおつな物です。&br; &br; 「なにこれ?湖の中にこんなのがあったんだ…すごい」&br; 「うむ、これらがはるかぜの説明にもあった&br; 都市の一部であるらしいのだ。干し肉サンド美味いのだ」&br; &br; 四人でわいわいとしていると、はるかぜによるガイド音声が聞こえて来た&br; 『この層は淡水と塩水の混じり合う汽水域となっております』&br; 「ん?塩水?どう言う事なのだ?」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-14 (木) 00:08:33};
---『F003は、都市構造物最上部を陸上、その下を淡水層、さらに下を海水層&br;といった区切りの構造となっています。&br;元は、恒星間移民船のために開発された技術によって建造されており、大崩壊&br;以前の地球環境を生態系ごと保存するためのビオトープなのです』&br;&br;「へぇー」&br;水中モニターに映し出される様々な映像や図に見入る。&br;難しい解説も、映像とともに聞いていると理解できたような気がするから不思議だ。&br;&br;『全ての構成要素がつながっていることで、都市自体をミニチュアの地球&br;としているわけですね。&br;お土産もので、わずかな紫外線を充てることで、生態系の循環を観察できる&br;ミニチュアビオトープのセットなどもありました。&br;基本構造はこの都市と同じです』&br;ひょいっと窓に映し出される、小さな海老と虫と水草の入った密閉されたガ&br;ラスボールの置物である。&br;&br;「ということは、こっから下は海というわけか…。&br;おおっほんとだ、サメが泳いでるなのだ!」&br;深く潜るにつれ、陽の光はとどかなくなっているが。不思議なことに&br;モニターにうつる海は、遠くまで明るく見通せる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-14 (木) 00:40:52};
---「理解が追いつかないよー…わぁ…?」&br; 「ひゃぅ!?」&br; 「ぴゃっ!?」&br; サメはこちらへと一気に接近すると&br; その巨体を見せつける様に上昇し通りすぎて行った&br; あまりの迫力、サ姫そしてウルメルとレィメルは驚き座り込んでしまった。&br; &br; 「襲われるかと思った……」&br; 『F003に生息する肉食魚類は、常に豊かな餌を得る事が出来るので&br; 他生物を襲う事はめったにありません。特に潜水艇サイズの物体を襲う様な事はまず無いでしょう』&br; 「そ、そうなんだ……」&br; 「ふふん、皆びびりなのだ。ほれ今度は大型のエイが見えて来たぞ」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-14 (木) 01:02:35};
---暗い海の中からぬぅっと出てきた巨体は、ずいぶんとゆっくりと泳いでいるように見える。&br;実際には、あまりに大きすぎてだいぶ遠くに居たのに、距離感が狂って近くに感じていたせいだ。&br;やがて大きな白い腹がのしかかってくるように目の前一杯に広がって。&br;大きな影を落として、潜水艇よりも大きなエイはゆったりと泳ぎ去っていく。&br;思わずぽかーんとなって見上げてしまった。&br;&br;深海の領域に居たっても、海中はにぎやかであった。&br;人工的に作られた岩礁から生える、深海棲のサンゴは、柔らかい体を揺らして、&br;植物の幽霊めいた姿を見せる。&br;少し不気味な花壇の中を、肉ひれの足で這いまわる丸い魚は、妖怪じみた小人の&br;ようで、怖い物見たさについ覗き込んでしまう、怪しい魅力を放つ。&br;&br;「お、蟹の群れだ」&br;やがて白い砂に覆われた海底が見えてくると、足の長い蟹の群れが、足元一杯に&br;広がっている。&br;「こいつ旨い蟹なのだ、2〜3匹持って帰れんかのー」&br;「だぅー」&br;蟹に手を伸ばそうと、床をぺしぺしやってるカトラとウルメルだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-15 (金) 01:15:31};
---「海の底ってこんなににぎやかなんだね……」&br; 「ふわぁ…♪」&br; 初めて見る深海の姿にサ姫はレィメルは目を離す事が出来ない&br; 不可思議であると同時に神秘的な生き物達の姿&br; この先何度見る事があるかわからない光景……&br; 『自然の環境下においても、この深度の海は生命溢れる環境であると記録されています&br; また深海底においても、海底火山近く等では独自の生体系が育まれる事があるそうです』&br; 「うむ、生命とはしぶとく強い物なのだな」&br; はるかぜの解説を聞き、サ姫は驚きカトラは納得した様に頷いた&br; &br; 「小さな蟹は食べた事あるけど…こんな大きいのは私ないよ」&br; 「湖面に出て改めて潜るか…?」&br; 『当艇後方下部、エアロックから水中へ出る事も可能ですが……&br; この深度になりますと専用の活動装備が必要となります』 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-15 (金) 01:41:24};
---「なに、ここで外に出られるのか?それを早く言うなのだ」&br;カトラはいそいそと服を脱ぎ始めた。&br;『水深800m相当の水圧ですよ?』&br;「その位なら素潜りできるのだ」&br;できるの?できます。理屈はわからないが、神ドラゴンとは&br;そういう生き物である。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-15 (金) 01:50:04};
---「カトラちゃん行ってらっしゃいー気をつけてねー」&br; 「にぇー」&br; 「むぃむぃ」&br; サ姫とレィメルはカトラに手を振りながら見送るのだが……&br; ウルメルまで服を脱ぎはじめていた&br; &br; 「ああ?ウルメルはダメだよ!?さっき溺れたでしょー?」&br; 「ぬぁぬぁー!…むぃ」&br; 「りゅー…ふにゅふにゅ」&br; サ姫に抱き押さえられウルメルは手足をばたばたとするのだが&br; レィメルに撫でられれば、やがて落ち着きました -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-15 (金) 21:27:43};
---下着姿になったカトラは、後部の扉から水中エアロックに入った。&br;初見で扉の操作方法が分かる秀逸なデザインの扉である。&br;&br;「よーしいいぞー、出してくれなのだー」&br;扉の閉まったエアロック内に、『装具未着用』の警告が点滅している。&br;『あの…本当によろしいのですか?大変危険…というか死にますよ?』&br;「湖の底からこの船を持ってきたのは我じゃろう、平気なのだ』&br;『…』&br;しばし、考え込むような間があって。警告が消えた。&br;エアロック内に海水が流れ込み、一杯に満たされるとカトラは海中へと泳ぎ出る。&br;そして突然近づいてきたカトラに、逃げ惑う蟹を追っかけ、あっという間に&br;1匹捕まえて掲げあげた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-15 (金) 23:32:20};
---『カトラ様は人間ではないのですか?』&br; 「え?」&br; 「にゅぃ?」&br; カトラが蟹を取る姿を楽しんでいた三人だが&br; はるかぜが不意な言葉を言えば、サ姫とレィメルは首を傾げてしまい&br; 「がうーがうー」&br; ウルメルはそれとは無関係に窓をペタペタしていた&br; &br; 『深海の様な環境化に生身で出た方の記録はありませんので……&br; フリーダイビングでも300mを越えて到達した記録は存在していません』&br; 「あーカトラちゃんは人間じゃなくてドラゴンだよー」&br; 『ドラゴン?…ですか?』 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-15 (金) 23:45:48};
---『比喩的な意味でしょうか?』&br;「ううん、そのままの意味だよ。カトラちゃんは神域のドラゴンっていう種族&br;なんだって。&br;この子たちも、そうなんだけど。他の神ドラゴンさん達は、もっと山みたいに&br;おっきいって」&br;これも比喩ではなく、そのままの意味で、と笑って言うサキ。&br;小さな神域のドラゴン達は、蟹を追っかけまわしたり、窓の外&br;のカトラを追って艇内を走り回ったりしている。&br;&br;『驚きです…』&br;「すごいよね、いろんな事ができて。でもカトラちゃんはちょっと自分に自信が無かったりするの。&br;そういうところは、普通の人と同じだよ」&br;はしゃぎ回っている3人を、サキは笑いながら見守っている。&br;やがて蟹を抱えたカトラが泳いで戻って来た。&br;全天周モニター張りの潜水艇の中からは、蟹にほっぺたを挟まれるカトラがハッチを開こう&br;と潜水艇をぺちぺち叩いてるのが丸見えだった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-16 (土) 01:52:34};
---「カトラちゃん戻って来た…わ、痛そう……」&br; 「むぃぃ……」&br; 「みゅぃぃ……」&br; 蟹のハサミに挟まれるカトラを見て三人は自分の頬を押さえた&br; 『神域のドラゴンとは私の理解の領域を越えた存在みたいですね』&br; はるかぜはそう言うと、潜水艇外部に設置されたランプを明滅させ&br; カトラを誘導した&br; &br; &br; &br; 「見よ!蟹なのだー!」&br; 「がうー!」&br; 「み?みゅぁ…ぁ…」&br; 「カトラちゃんおかえりなさい♪レィメル?カニは怖くないよー?」&br; 潜水艇内部に戻り、とったどーとばかりにカトラはカニを高く掲げ&br; ウルメルは一緒になって咆哮を上げた&br; そしてレィメルは蟹のハサミが怖いのかサ姫の影に隠れています。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-16 (土) 23:02:00};
---「えーと1、2…7匹は取れたななのだ…お、8匹か!」&br;お尻をハサミで挟んだままくっついてきた蟹。&br;ウルメルが蟹を引っぺがすと、齧りつこうとして鼻を挟まれて&br;転げまわった。&br;&br;「とりあえず縛っておくなのだー。ふふふ…ランチが豪華になっ&br;たなのだ」&br;手際よく蟹は魚屋の店先に並ぶスタイルにされて泡を吹く。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-17 (日) 00:06:42};
---『まだ観光を続けるのでしたら、保冷庫へ保存する事をお勧めします』&br; 「ほれいこ…あーれーぞーこだね?ひんやりする箱」&br; 「ふみゅみゅ……」&br; そんな訳で縛り終えた蟹は床部に収納してあった保冷庫へ保存する事に。&br; レィメルはまだ蟹がこわいみたいです。&br; &br; 「おぉぅ冷蔵庫よりもひんやりするのだ」&br; 『当艇の保冷庫は-32度に設定してあります。&br; 瞬間的に冷凍する事で鮮度を保つ事ができます』&br; 「わぅぅ〜」&br; ウルメルは保冷庫に手を突っ込んでは引っ込めをくりかえしながら&br; ぷるぷると震えていた -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-17 (日) 00:16:22};
---「実は漁船なのかの?」&br;『観光遊覧船です』&br;きっとドリンクなどを冷やすのに便利なのだ。&br;&br;深海の旅は続いた。&br;潜水艇は、静寂の堆積した闇の底を進んでいく。&br;海溝の断崖を思わせる垂直な壁が見えて、ここが地下都市の中だと&br;いう事を思い出す。&br;壁は闇の中を無限に続いているように見えた。&br;&br;カトラが獲って食おうとは言いださない白い小さなカニの群れや&br;白い砂地を這う、赤いナマコの横を通り過ぎていく。&br;音もなく、暗闇から現れては、暗闇へと消えていく奇怪な生き物&br;達は、百鬼夜行の体である。&br;&br;海底が突然隆起し、黒々として波打ちはじめた。&br;無数の大蛇が群れを成し、深層で大河を成しているのかのようだが、&br;相変わらず、辺りは静まり返っていた。&br;&br;「根なのだ、こんなところにまで神ドラゴンの樹の根が張っている&br;なのだ」&br;不気味なうねりは、根の絡まりであった。&br;神話に語られる死後の世界、根の国とは、こんな場所なのかもしれ&br;ない。&br;&br;そして、根は当然のように、都市構造物を突き破り破壊している。&br;&br;元がなんであったのか分からないが、途方もなく巨大な歯車が行&br;く手を遮った。&br;足元に重力を感じて、潜水艇は上昇する。海底山脈めいた歯車を&br;越えると、白い砂に崩壊したプラントが埋もれていた。&br;&br;「これは、なんなのだ?」&br;『おそらくは、都市構造物の一部だとおもわれます。人工の地下海&br;を循環させる、要の設備です』&br;「壊れておるのぅ…」&br;『壊れていますね。どうりで大半の設備がオフラインになってい&br;たわけです』&br;&br;音もなく、白い砂は降り積もる。&br;寂寥とした死の世界の光景めいていた。&br;ライトの照らし出す輪の中に、白い目をしたサメが横切っていった。 --  &new{2019-11-17 (日) 01:22:40};
---「世界樹の地下もこんな風なのかな……」&br; サメを見ていたサ姫が不意に呟いた。&br; どこか遠くを見る様な眼差しは&br; 闇のその奥を見詰めている様にも見えて……&br; 「ふむ?」&br; 「むぃ?」&br; 「みぃ?」&br; サ姫の言葉に仲良く首を傾げる、カトラ、そしてウルメルレィメル&br; &br; 「あ…うん……、世界樹って世界の果てにあるって言われている伝説の樹なんだけど」&br; サ姫はそう言うと手を大きく上げて。&br; 「天を貫くほどに大きいんだって……&br; で、そのずーっと地下にはヘルヘイムって呼ばれる冥府があるらしいよ…?」&br; そう言って今度はぐっと小さくしゃがんだ。&br; 地上の眠る者そして深海の根の国。それはサ姫に世界樹をイメージさせたのだろう&br; &br; 「ふむ…魔界と冥府は違うのか…なのだ?」&br; 「全然違うよぉ?だって……」&br; 魔界が冥府なら、そこから来た自分は死者になっちゃう!&br; サ姫はそう言うと、顔を笑みの形にし小さく微笑んだ。&br; &br; 「むゅぅ……」&br; 「みゅぃ……」&br; サ姫が話し終えると、ウルメルとレィメルが急にサ姫に抱き付いて来た。&br; 「二人ともどうしたの…?」&br; 二人を撫でながらもサ姫は首を傾げてしまう。&br; &br; 「世界の大きさに急に怖くなったのかもしれんの?&br; 自分の知らないほどに大きな世界を知った時、ゾっとしてしまう事もあるのだ」&br; 「そっか…大丈夫だよ…怖くないよ……」&br; 二人の頭を撫でながら、ぎゅっと強く抱きしめた -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-17 (日) 22:01:47};
---「いや、その恐れはよく覚えておくがよいなのだ」&br;「えー…」&br;「別に意地悪ではないなのだ!」&br;サキから非難の視線を受けながら、カトラは一つ咳払い。&br;「神域のドラゴンとは、本来、畏怖されるべきモノなのだ。&br;我らは、我らの理にのみ従い、足下に小さき者どもと世界を置く&br;まさに神の如きモノである。&br;故に、恐れと力は我らの本質、よく学んでおくなのだ」&br;「なんか、家庭教師の先生みたい」&br;「うん、昔そう習ったのだ」&br;&br;潜水艇は再び暗い海底を進んでいく。&br;気が付けば、生き物の姿も絶えていた。&br;モニターも、窓も、先の見通せない真っ暗な闇に閉ざされて&br;ライトの灯は、音もなく舞う微細なマリンスノーだけを照らし出す。&br;吹雪の中で懐中電灯をつけるのに、似ていた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-17 (日) 23:01:57};
---「静かだね……」&br; 「うむ」&br; 「むぃ」&br; 「みぃ」&br; 静か。音の事では無い、自分達を包む世界&br; そこにある全てが静寂に包まれている。&br; 「あ、二人まで静かにならなくてもいいのよ?リラックスリラックス」&br; 「むひゃ〜」&br; 「ふみゅぃ」&br; サ姫の声で息を吐くウルメルとレィメル&br; 緊張していたみたいですね。&br; &br; 「ん?何か近付いて来るのだ……」&br; 「え?何かって……」&br; 言葉と共に尻尾を緊張させるカトラ見れば&br; サ姫は潜水艇の窓に顔を張りつけ闇を凝視するのだが……&br; 闇を見通すサ姫の瞳でも何も見えない。&br; &br; 「カトラちゃん何も……」&br; 「近付いてくる、我にはわかるのだ……」&br; 「む?」&br; 「み…みぃ?」&br; ウルメルとレィメルが何かに反応を示した。&br; &br; 最初は鬼火の様だった。深海の闇に青緑の炎が浮かび上がった&br; やがてそれは近付くにつれ円の形をした光とわかった&br; 「あの光の色…似てる」&br; 「いや似ているのではない『その物』なのだ」&br; &br; 四人がそれの正体に気付いた瞬間、圧倒されてしまった&br; 淡く輝く緑光を引き連れ遊泳する巨大な姿。&br; 神域のドラゴン達にも勝るとも劣らぬ畏怖を纏う姿。&br; サ姫が小さく呟いた……&br; 「レイク…マザー」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-17 (日) 23:35:08};
---「あー!釣り損ねたでっかい魚なのだー!」&br;『正確には海棲哺乳類の一種です』&br;「そうなのなのだ?」&br;&br;巨体が潜水艇の真上を通り過ぎると、すさまじい海流にもまれて&br;大きく揺れた。&br;尻もちをついた4人を尻目に、レイクマザーは悠々と泳いでいく。&br;ボールドローンがヒリを轢いて転がり、6本足にぶつかって止まった。&br;不意に、カトラが手を付いた床から、光が昇ってくる。&br;&br;「おっ?おおっ??」&br;「わっ!?」&br;「わぅー」&br;「みゅぅ…」&br;4人が、それぞれに驚いた。&br;レイクマザーが、砂漠めいた海底に到達した瞬間、真闇の底にあった&br;海底が光に包まれだしたのだ。&br;&br;優しく、柔い新緑の先から滴り落ちたような、緑の光が湧き上がり。&br;都市の残骸や、黒々とうねる不気味な根を照らし出す。&br;どこから沸いたのか、半透明の体を緑に照らされながら無数の&br;クラゲの群れが周囲に漂う。&br;&br;気が付けば、海の底は、光に満ちていた。&br;そして、レイクマザーは確かめるように、一回り泳いだ。&br;&br;潜水艇がまた揺れる、天井に、大きな体の小さな目が覗き込んできた。&br;ぽかーんと見上げる4人に、ウィンクするように目は瞬きして、光&br;を引き連れて、レイクマザーは駆け上るように浮上していった。&br;&br;まだ、あっけにとられているカトラ達に、遠く、歌うような鳴き&br;声が聞こえた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-18 (月) 00:00:21};
---「むぃ?む〜み〜るる〜♪」&br; 「る〜る〜るりゅ〜♪」&br; 答える様にウルメルとレィメルが歌い始めた&br; 幼く愛らしい歌声。聞いていると遠い遠い記憶がよみがえる様で。&br; &br; 「星の歌なのだ……」&br; 「星の…歌…?」&br; 「うむ、星は歌を持っているのだ。それは原初の歌として&br; この星に在る物全ての記憶に刻まれているのだ……」&br; 『なぜでしょうか?AIである私もこの歌を知っている気がします』&br; &br; 窓の外で舞うクラゲ達は緑光のドレスを纏い&br; まるで歌に合わせダンスを舞っている様にも見えて&br; そしてクラゲ達は踊りながら高く高くへと上がって行く……&br; &br; 「らー…るるー……♪」&br; 歌声にもう一つ歌声が重なった。サ姫の歌声だ。&br; 聞き慣れた子守唄とは異なる讃美歌にも似た歌声&br; 歌が称えるのは神では無く命との出会いの喜び。&br; カトラは思う。&br; 星の歌とは命の歌なのだと。生と死を繰り返す命達。&br; ここにある全ての始まりが星の始まりへと繋がるのなら&br; 誰もがこの歌を知っていて当然なのだと。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-18 (月) 00:31:08};
---幻想的な光景に、心洗われる心地がして。何やら体まで洗われてい&br;るような気がしたが、気のせいではなかった。&br;「…水漏ってないか?なのだ?」&br;カトラがそういった途端、天井のモニターが消えて、海水が先を&br;潰したホースの1000倍の勢いでぶっしゃー!浸水だ!&br;「ぐわー!」&br;転倒するカトラ!さらにあちこちから水が噴水めいて噴き出す!&br;&br;『システムの再検証を行います………当潜水艇は、危険です。&br;ただちに下船し、管理者へ連絡してください』&br;「大丈夫って言ったじゃろが!大丈夫って言ったじゃろが!?」&br;『診断システムの深刻なエラーが検出されました。。&br;原因は、都市機能の大幅な低下が考えられます。&br;詳細情報はこちら…』&br;「いいからなんとかしてー!?」&br;「うわーっ漏れてる箇所が多すぎて手で押さえきれないなのだー!」
-&br;・&br;・&br;・&br;パカンッと潜水艇のハッチが開いて、カトラが顔を出した。&br;「はー…今日はよくびしょぬれになるなのだ…」&br;ザァーンと、心地よい潮騒と風が、水平線の向こうから来て、横を&br;通り過ぎて行く。&br;ボールとトリと6本足のドローン’sが応急処置したおかげで助かった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-09 (月) 23:47:24};
--「海なのだ…見渡す限り海なのだ…」&br;晴れ渡った空にカモメも飛んでいる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-09 (月) 23:48:12};
---カトラに続いて&br; 「がぅー♪」&br; 「みゅぃ♪」&br; その両肩に乗っかるようにウルメルとレィメルが顔を出しました&br; 以前と比べ、随分と懐いた物です。&br; &br; 「あ、カモメが飛んでる♪」&br; 飛んでますよ。カトラの頭に乗っかる様にサ姫も顔を出しました -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-09 (月) 23:56:57};
---「ピュイ」&br;「ピッ」&br;サキの上にボールドローン、その上にトリドローン。&br;「貴様ら、なぜ上に積み重なりたがるなのだ…」&br;圧し潰されるカトラの横に、6本足ドローンが伸ばした&br;潜望鏡カメラが出てきて見つめ合って目をしばたかせ合った。&br;&br;『海洋エリア表層に出ました。最寄の施設までおよそ2026m…』&br;「あの小さく見えてる島かの」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-10 (火) 00:27:25};
--- &br; 「カトラちゃんって乗っかりやすいと言うか……」&br; 「我は主の乳起き場ではないのだ……」&br; 「乗せてほしいの?」&br; 「人の話はちゃんと聞くのだ。まぁ良い、近場の陸地はそこだけの様だななのだ」&br; 周囲を見渡せば、霞んだ山や不可思議な構造物の輪郭等は見える&br; しかしカトラの経験上、あの手の物は想像よりも遥かに遠い物だ。&br; &br;「じゃああの島に行ってみようか?服…べたべたするし」&br; 「わぅ……」&br; 「みぃ……」&br; 服は潜水艇の乾燥機能で乾いたが&br; 海水で濡れた服は、乾いても塩でべたつき心地良く無い&br; &br; 『かしこまりました、では施設まで移動します』&br; はるかぜが返事をすると、小さなノイズの後に電磁式推進機構が稼働し&br; 潜水艇は静かに水上を移動しはじめた&br; &br; 「そういえば、ここって海エリアなんだよね?どう言う事?」&br; 「ふむ、そう言えば淡水の湖から潜って海に出るとは奇妙な話しなのだ」&br; 湖は上層は淡水と深層部は海水と言う二層になっていたが&br; それゆえ、層構造になっていない領域があるのは不思議だった。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-10 (火) 00:43:57};
---『海洋エリアは都市構造物の壁で、他エリアと隔てられています。 &br;主に、浅海に生息する生物の保護施設となっています。&br;また、世界最大の容量を持つ水槽でもあるため、養殖場としても&br;使用されていました』&br;&br;「サファリパークの水族館版みたいなもんかの」&br;『左様でございます』&br;&br;『深海の海水層は地下都市全体に、熱と物質を送り届けるポンプの&br;役目もはたしています。&br;それゆえ深い部分ではつながっているのですが、表層ではできる限&br;り多く、かつての地球環境を再現するため区分けされています』&br;&br;「水槽の上の部分だけ仕切り板があるみたいな構造なんかのー」&br;『左様でございます』&br;&br;不意に、もともと静かな電磁式推進器が、すんっ…となって&br;まったく沈黙してしまった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-10 (火) 01:07:13};
---「あれ?」「むぃ?」「みぃ?」&br; 「…動力が止まった…のだ」&br; はるかぜの説明に皆で感心した直後の動力沈黙&br; 突然の出来事。皆、唖然とするとしかなくて。&br; &br; 『機関部に異常を確認。浸水した際に海水が入った様です』&br; 「異常なのだ?さっきの様に、ドローン達による修理は可能か…なのだ?」&br; 『回答。繊細な部位であるため、浸水部位の総合的なチェックが必要となります』&br; つまりこの場での応急処置は無理らしい。&br; &br; 「えっと…じゃあこのまま漂流…?」&br; 「むぃぃ」&br; 「みぃぃ」&br; 幼いながらに厳しい状況を察したのか&br; ウルメルとレィメルは泣きそうな顔でサ姫に抱き付いている。&br; &br; 「漂流、それは…なのだ」&br; 言葉に詰まるカトラをじっと見詰めるサ姫、そしてウルメルレィメル&br; そこには不安と同時に&br; カトラちゃんなら!と言う期待も込められている様にも見えて。&br; &br; 「ええい!そんな目で我を見るななのだ!」&br; 両手を上げ切れ気味な声を上げるカトラだが……&br; 「わかったのだ!誇り高き神域のドラゴンの力見せるのだ!」&br; 刮目せよとばかりに服を脱ぎ捨て海に飛びこもうするカトラ&br; だったが……&br; &br; 『この場での待機を推奨します&br; 島の方から当艇へ接近します。そこでメンテナンスおよび修理出来ます』&br; 「…は…?なのだ」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-10 (火) 01:41:47};
---首をひねりつつ、もう一度島影の方を見た。&br;すると、どういうわけかさっきよりも大きくなっているではないか。&br;切立った山が聳え、森覆われた絵に描いたような無人島である。&br;&br;「島…のような船なのかの」&br;『移動式のメガフロートです、海洋エリアを周遊するための&br;レジャー施設です』&br;「なんでもあるなぁなのだ」&br;とりあえず、カトラは服を着た。&br;・&br;・&br;・&br;浜辺近くまで森の茂る、こじんまりとした島であった。&br;小学校の校庭ぐらいである。一周300mくらいだ。&br;&br;コンクリ製の桟橋に潜水艇が横づけされると、ヤシの葉っぱをミノムシ&br;みたく着込んだドローン達が寄ってきた。&br;『当設備はドローン達により維持されています。安全が確認&br;されましたので、ご上陸ください。潜水艇の修理完了しだいご案内申し上げます』&br;&br;「と言ってものう…なーんも無い小島にしか見えぬなのだが。&br;水場でも探すとするかなのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-10 (火) 21:55:57};
---「ぬぁー!」&br; ウルメルが突然、雄叫びを上げながら飛び上がった&br; そして、ぴこっと桟橋へと着地し決めポーズ。&br; 「う、ウルメル危ないよー!?」&br; 「りゅー…!?」&br; 止める間も無いウルメルの行動に&br; サ姫とレィメルはあわあわと慌て取り乱してしまう&br; &br; 「ふん、奴も神域の竜ならば、この程度の飛翔で怪我するはずもないのだ」&br; とか言うカトラさんだけど、上陸一番乗りを取られて少し悔しかったり。&br; &br; &br; そんなこんなで全員上陸。すると……&br; 「おお?なのだ」&br; 「こんな仕掛けあったんだ……」&br; 「ふひゃぁ……」&br; 「ぴゃあ…?」&br; 接岸した潜水艇が持ち上がってきたではないか&br; 下部を見れば、大型のフォークの様なアームでジャッキアップされていた&br; 『船舶のメンテナンスシステムにより潜水艇のチェック及び修理を実行します』&br; はるかぜの声が聞こえ&br; ミノムシドローン達がわらわらと潜水艇に群がり始めた。&br; &br; 「潜水艇は任せてよさそうなのだ」&br; 「だね。私達は水場を捜そうか…?」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-10 (火) 22:31:11};
---空腹よりも渇きの方が辛い。&br;だから元気なうちに水の確保を優先する。&br;サバイバル経験で身に着けた知恵である。&br;&br;「塩水飲み過ぎて口しょっぱいしなーなのだ」&br;「だねー」&br;今は単に喉が渇いただけだった。&br;持ってきた水筒はウルメル達が逆さにして覗き込んでいた。&br;とっくに空である。&br;&br;「ヤシの実でもありそうな雰囲気なのだが…お、あった」&br;浜辺に実をたくさんつけたヤシの木が揺れている。&br;中の果汁はそのままで美味しい、天然のジューススタンドだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-10 (火) 22:45:06};
---「よしよし、少し離れているのだ」&br; 「カトラちゃん…どうするの?」&br; こうするのだ!と、カトラは木の幹を抱き抱えるとグラグラと揺らし始めた&br; 揺らして実を落す作戦だ。飛べる二人で直接獲りに行くのも良いが&br; こうやって落して採取するのも楽しい。&br; &br; 「納得!二人とも危ないから離れるよー」&br; 「むぃ?」&br; 「みぃ?」&br; わからぬままサ姫に促され、ヤシから離れるウルメルレィメル&br; &br; 「落ちろ落ちろなのだ…ん?」&br;『カチッ』&br; 「あ、あれ…カトラちゃん揺らし過ぎ……」&br; カトラがヤシを揺らすと地面まで揺れ始めました。&br; &br; 『Shop Formation Start up』&br; 「今のはるかぜさん?違う声…わわ?」&br; 「がぅー♪」&br; 「みみっ……」&br; 聞き慣れぬ合成音が響き、地面がせり上がり始め&br; 出現したのは……&br; &br; 「お店…だよね…?」&br; 「これは…海の家なのだ……」&br; レトロ感覚あふれる海の家が出現しました&br; 『夏!』や『氷』の文字が描かれた旗やのぼりまでありますよ -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-10 (火) 23:12:11};
---「思ってたんと違うが、飲物も手に入ったな」&br;氷の入ったクーラーボックスの中から瓶を取り出す。&br;栓を指で剥がすとしゅぽっと音がした。&br;&br;店の中を見れば、椅子にテーブルがあり、上がって休めそうな畳の&br;小上がりも用意されている。&br;ちょうどいい、朝から色々と働いたし昼寝でもしようかと思っていたら。&br;「見て見てカトラちゃん!こっち水着とおっきい浮き輪とかもあるー!」&br;きゃっきゃっとはしゃぐ3人の声がする。&br;&br;「なんでもあるのう…ふぁ…我は昼寝…ぶふっ」&br;ウルメルがいじってた水鉄砲が暴発、顔に水をぶっかけられた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-10 (火) 23:39:09};
---「ふん!我はその程度で怒りはせ…ぶふっ」&br; 「がぅー♪」&br; 二発目の水。威嚇するように両手を上げるウルメル。&br; 「我を本気にさせたな?なのだ…一番でっかい水鉄砲をよこすのだー!」&br; 怒りました。水鉄砲のコーナーに駆け込もとするとカトラだったが……&br; &br; 「あ?カトラちゃん!水遊びするなら水着に着替えないと!」&br; 「とー!」&br; 「いやいや?いつもこの格好ではないか…ぬぁー!」&br; 既に水着に着替えていたサ姫とレィメルに連行されるカトラさん。&br; ちなみにサ姫の水着は胸下がヒラヒラとした白のビキニタイプ。&br; ウルメルとレィメルは胸に「うるめる」「れぃめる」と名札の付いたスク水(旧型)&br; でもって……&br; &br; 「カトラちゃんかわいいー!」&br; 「みぃー♪」&br; 「うぐぐ…最近このパターン多くないか?なのだ」&br; 水着に着替えたカトラ登場(ファンファーレ)&br; 服を剥がれ、フリル過多のセパレートタイプ水着を着せられました&br; 二の腕や太腿にもフリルの飾り。角にはリボンを編んだ花飾り&br; 色はカトラのイメージに合わせた赤を基調にした物&br; 胸元には薔薇をイメージしたフリルの飾りが高貴さを演出します。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-11 (水) 00:16:17};
---「…全然我のイメージに合わぬなのだ」&br;「えぇーそうかなぁ…カトラちゃんが持ってたドレスと同じ感じだよー」&br;「こんなにひらひらしておらぬー!」&br;等と言い合ってる間に、子供らはさっそく海に入って水鉄砲で遊ん&br;でいる。&br;水鉄砲を撃ちまくり、水しぶきを上げて波打ち際を駆け回り、&br;岩陰に飛び込んで2人同時に飛び出しながら連射!&br;的にされたボールドローンが水圧で吹っ飛んだ。&br;&br;続けて空中で回転しながら両手に構えた水鉄砲を連射!&br;流れ弾を喰らったヒリドローンが吹っ飛んだ。&br;&br;ドラゴンちからのせいなのか、2人が撃ちだす水鉄砲の&br;威力が半端ないのだ!&br;水弾荒れ狂う浜辺を6本足は逃げ惑う!&br;2人は昨日アニメでみた銃撃戦の真似をしているのだ&br;迷惑この上ない。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-13 (金) 23:23:47};
---&br; 「なんだか…ミニドラゴンが暴れているみたいだね……」&br; 子供達の放つ水鉄砲はまさにドラゴンのブレスの様です&br; 流石にこれを相手にするのは、防御力が紙のサ姫さんには無理でしょう。&br; 「だから…ね…?」&br; 「…つまり、我に行けと言うのだな…?」&br; コクリと頷くサ姫さん。そう言う事になりますよね。&br; &br; 「だが断…りゅふっ!?」&br; 流れ弾再び。首がくきっと曲がるカトラさん。&br; 首がむちうちになりそうな威力だけど&br; この程度の被害で済んだのは流石ドラゴンと言えましょう。&br; 「むぃー♪」&br; 「ぴゃぁぁ……」&br; それを見て雄叫びをあげるウルメル&br; そしてぷるぷる震えているレィメル。&br; &br; 「…カトラちゃん大丈夫…?」&br; 「ふっふっふ、我に戦いを挑むと言うのだな……」&br; カトラは不敵な笑いを浮かべると&br; 首を曲げたまま、水鉄砲のコーナーへと向かい……&br; &br; 「ドラゴンの戦いを教育してやるのだー!」&br; バズーカタイプとガトリングタイプの水鉄砲を手に突撃しました。&br; 「あ、大丈夫そう」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-13 (金) 23:37:20};
---『赤いラインから先は、地面がありませんので、出ないよう&br;お気を付けください』&br;「ぬぉー!」&br;「ぬぁー」&br;「みゃぅー」&br;聞いてるのかいないのか、カトラ達は水際ですさまじい撃ち合いを&br;初めて噴水みたいな水しぶきを上げている。&br;&br;カトラが大人げなくウォーターバルカンで2人を追い込み、ウォー&br;ターバズーカで追撃!&br;「ぷぁっ…!」&br;「ひゃぅ!」&br;たまらず水柱に飲まれてしまうウルメル、レィメル、しかし、&br;すかさず水柱のカーテンの中から撃ち返す!&br;「ぐわーっ!」&br;不意を撃たれ仰向けに倒れ込むカトラ!&br;&br;やったねーと可愛らしくハイタッチする2人。&br;勝利を味わったのもつかの間!斜め上方へ、巨大な水のビームが&br;掠めた!&br;立ち上がるカトラが手元でレバーを引くような動き、その手にある&br;のは、竹の水鉄砲方式の昔ながら水鉄砲、しかしこちらの方が&br;ドラゴン腕力を直に発揮できるのは構造的に明白である!&br;「くらえい小童どもー!」&br;ドォォォッと消防車の放水めいた水が発射!慌てて左右に飛ぶ&br;ウルメル、レィメル!大人げないカトラ!&br;&br;ちなみに、この後、一発撃つごとにチャージが必要な隙を突かれ、&br;尻を重点的に撃たれて、カトラは倒れ伏した。&br;・&br;・&br;・&br;「危ないから水鉄砲はやめなのだ…もっと平和に遊ぶのだ…」&br;ずぶ濡れでカトラは呟いた。&br;遊ぶ事には完全に付き合う流れになっている。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-14 (土) 00:15:29};
---&br; 「だから水着に着替えてよかったでしょ…?」&br; 「くわっくわっ」&br; 「きゅーきゅー」&br; 抱きつく二人(?)の頭を撫でながらサ姫はにこにこと笑みを送る&br; …のだが……&br; &br; 「ほらウルメルとレィメルもそうだって…あれ?あれ?&br; …二人がドラゴンの姿に戻っちゃった!?」&br; 「くわっ?」&br; 「きゅい?」&br; 黒いずんぐりボディに白いお腹そして嘴を持つドラゴン(?)がサ姫の事を突いています。&br; &br; 「まてまて!それのどこがドラゴンなのだ?」&br; 「だって……あ、ウルメルレィメル?」&br; 「がぅ!」&br; 「みゃう!」&br; 子供の姿のウルメルとレィメルがサ姫から&br;白と黒のドラゴン(?)を剥がそうとしています&br; どうやらサ姫を盗られる!と思っているらしいですね。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-14 (土) 01:30:36};
---「これは…ペンギンではないか?初めてみた」&br;「へぇー、あの寒いとこに住んでる?」&br;「意外と暖かいとこにも住んでおると聞いたなのだ」&br;「ぬぁっ!?」&br;「にゃぁ!?」&br;ペンギンがブルブルと身を震わせ、2人は驚いて尻もちをついた。&br;&br;いつの間にか4人はペンギンの群れに囲まれている。&br;短い脚でぺたぺたと歩くペンギンたちは警戒心というものが全く&br;感じられない。ぬいぐるみに囲まれてるようだ。若干生臭いが。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-14 (土) 23:00:29};
--- &br; 「二人とも大丈夫?こんなにたくさん住んでいたんだ……」&br; 「がぅー!」&br; 「みゅみゅ……」&br; サ姫は二人を抱き上げながらペンギン達を警戒する。&br; 見た目は可愛いけれど、流石にこれだけの数集まると怖くもあり&br; &br; 「動く島であるし、他の陸地から渡ってきたのかもしれないな…なのだ」&br;「ミッミッ」&br; カトラが冷静に分析をしていると&br; 群れの中から小さい個体がぴょこぴょこと近寄って来ました&br; どうやらペンギンの雛鳥の様ですね。&br; &br; 「わ?小さい…なんだかウルメルとレィメルの小さい頃そっくりー♪」&br; 「ミッミッ♪」&br; サ姫は雛鳥を抱き上げるとウルメルとレィメルに見せてあげました。&br; 「わぅー…?」&br; 「みゃあ♪」&br; ウルメルとレィメルもドラゴンの雛の様な存在&br; 雛鳥に対し、何かシンパシーを感じた様です。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-14 (土) 23:22:01};
---「…それのどこがドラゴンの幼生なのだ…?」&br;カトラは首を傾げるが、かわいさに夢中な3人は聞いてないようだ。&br;雛たちと戯れていても、とくに親鳥が攻撃してくる様子もない。&br;サキュバススキルがあるにしても、ほんとうに警戒心が皆無だ。&br;なんか、カトラのことを2本足の仲間だと思ったのか、よたよたと&br;後をついてくるペンギンもいるし。&br;&br;「こんなに無警戒だと、簡単にとって食えそうだのう…」&br;しゃがみこんでペンギンと見つめ合ったり。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-14 (土) 23:38:29};
---「きゅい?きゅっ!」&br; 「ぬぉ!?」&br; 鼻を突かれました。&br; &br; 「うぐぐ…食う…絶対食う!」&br; 鼻を押さえながら怒るカトラさんだが……&br; 「怒っちゃダメだよ?きっと愛情表現だよ?」&br; そう言いながらサ姫はカトラの鼻を撫でてあげました。&br; &br; 「わぅー♪」&br; 「ぴゃあ♪」&br; 「ミ、ミッミッ♪」&br; もこもことした雛鳥に囲まれてウルメルとレィメルはご満悦です&br; 二人は雛鳥達とすっかり仲良くなった様ですね。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-14 (土) 23:53:53};
---「愛情のぅ…?」&br;まぁ、ドローンに怒られるので、食わないのだが。&br;そして、ヤシの葉ミノムシのドローンが1体側にいるのだが。&br;「…喰わんって」&br;横目でじっとりと見返すと、ドローンが、何か差し出してきた。&br;バケツだ。&br;途端に、カトラの周りにペンギンたちがけたたましく寄ってくる!&br;&br;「な、なんじゃぁ!?あっ…魚!?」&br;グァグァとうるさいペンギンに向かって、バケツの中の小魚を&br;1匹放ってみる。すると全員が首を寄せ合って魚を咥えようとし&br;見事キャッチした1羽が頭を揺らしながら飲み込んだ。&br;&br;「…ほう」&br;何これ、ちょっと楽しい。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-15 (日) 00:24:13};
---&br; 「わ?楽しそう…♪ウルメルとレィメルもやりたい?」&br; 「うわぅ♪」&br; 「ぷわ♪」&br; サ姫の言葉にウルメルとレィメルは万歳をして頷きました&br; すると、そこへミノムシドローンがやって来て……&br; &br; 「ドローンさん?これ…ああ!雛鳥用なんだね…?」&br; ドローンが渡してくれたのは、濁った液体の入った太めの注射器&br; もちろん針は付いてませんよ?代わりに短いチューブが付いています。&br; 中身は雛鳥用の離乳食で魚と栄養剤を混ぜてエキス状にした物。&br; 少し生臭い……&br; &br; 「二人とも…こうやるんだよ♪」&br; 「ミー♪」&br; サ姫はそう言うと、雛鳥の一羽の口に注射器のチューブを当て&br; 押し出す様にしながら食事を与えました&br; &br; 「ミィミィ♪」&br; 「ひゃう♪」&br; 「ぴゃあ♪」&br; 餌を食べ、小さな翼をパタパタとさせる雛鳥。&br; それを見て同じ様に手をぱたぱたとしてはしゃぐウルメルとレィメル。&br; &br; 「二人にも出来るかな…そっとだよー?」&br; 「むぃー♪」&br; 「みぅー♪」&br; サ姫を真似し雛鳥に餌を与えてみるウルメルとレィメル&br; 大きな注射器は扱い辛く、最初こそこぼしたりした二人だけど&br; 両手でやるやり方を覚えたら直ぐに慣れ、雛達のママになりました。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-15 (日) 00:45:29};
---「はっはっは!餌が欲しいか!ならばドラゴンたる我が授けてや&br;ろうなのだ!受け取れぃ!神の恵みだ!はっはっは!」&br;カトラはペンギンの神ごっこが気に入ったようです。&br;&br;ペンギン達とふれあい動物園で穏やかな時間が過ぎていく。&br;手元の餌がなくなると、ペンギン達もまたバラバラと思い思いに&br;とてとてと歩き、ウルメル、レィメル達と行進などしている。&br;&br;「なんか、妙に和むのぅ…」&br;「だねぇ〜…」&br;歩き方が拙く、動く小さなぬいぐるみのようなペンギン達の姿は&br;なんだか見ているとほのぼのとしてくるわけだが…。&br;&br;「あいつは案の定、また海に入っていくんだよなぁ〜…」&br;「そうだねぇ…ってウルメルー!?」&br;ペンギン達が、続々と海に飛び込んでいくの追って波打ち際まで&br;行ったウルメルが、波に足をすくわれて流されている。&br;&br;「はいはい…」&br;どうせ我が拾ってくるんじゃろとばかりに、言われる前にカトラも&br;海に入っていった。&br;&br;ややあって…。&br;「おおーい!」&br;ウルメルを抱えて波間から顔を出すカトラが、何やら興奮している。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-15 (日) 01:16:08};
---&br; 「ウルメルよかったぁー、でも…カトラちゃんどうしたのー?」&br; ウルメルが無事で安心はしたけれど、今度はカトラの様子が気になります&br; カトラが興奮する時は、本当に何か凄い物を見つけた時だからです。&br; &br; 「こいつら早いのだー!水中をひゅんひゅん泳ぎ回るのだー!」&br; 「ほわ?そんなに早いんだ…見たいなぁ」&br; ペンギンの水中での速度は時速40km。魚でもそこまでの速度を出す物は少ない。&br; ペンギンはハンターなのです。その速度で魚を捕える狩人。&br; &br; 「浅瀬だけなら大丈夫かな…?」&br; 「みゅぁーみゅぁー♪」&br; 泳ぎに慣れてはきたけれど、知らない海に入るのは怖くもあって&br; 一方で。珍しくレィメルの方から先に海へと入り、ママおいでーと手を振っています。&br; ウルメルが泳げるのだから、レィメルも泳げるのは当然の事です&br; &br; 「ぴゃあ……」&br; 「レィメルありがとう」&br; レィメルに手を引かれながら&br; サ姫はおっかなびっくりにカトラの元へ泳いで行く -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-15 (日) 01:52:04};
---砂地に足がつかないあたりまで来ると、カトラが泳ぎ寄ってきて&br;手を引いた。&br;「潜るのだ」&br;サキの手をカトラが引いて、サキがレィメルを引っ張り、陽光が砂地&br;の上で波打つ海中へと進んでいく。&br;&br;海底に赤い光の壁が見えてきた。島と海との境界線だ。&br;一匹のペンギンが、一行の横を追い越して壁をすり抜けて行った。&br;続いて壁を抜けてみれば…沢山のペンギン達が海の中を飛んでいた。&br;&br;地面が消失して、突然大空に投げ出されたような心地である。&br;どこまでも深く広がる蒼一色の空間の中で、ひれを羽ばたかせた&br;ペンギン達が、魚の群れを追って水中を自在に泳いでいるのだ。&br;&br;魚が身を翻すと、鱗が陽光を受けてキラリと光る。ペンギンの影は&br;追って水を蹴っているかのように急カーブを決めた。&br;竜巻のように渦を巻く魚の群れに、ペンギンが近づいた箇所が&br;パッとはじけたようにきらめき、いくつもの光が、あっちこっちで&br;巻き起こる。&br;&br;黒い渦の周りを、泡の航跡すら引いて、ペンギン達は地上での鈍足さ&br;が嘘のように、矢のごとく飛びまわる。&br;激しい攻防の背後に、移動する島の海中部が、巨大宇宙船めいた姿&br;でゆっくりと移動していく。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-15 (日) 23:16:33};
---&br; 「まるで夢を見ているみたい……」そんな言葉の似合う光景でした。&br; 海中にいるのに全てがはっきりと見える。&br; 飛び回るペンギン達の姿も、隣を漂うカトラとレィメルの姿も&br; 全てがはっきりと見えるのです。&br; &br; だからペンギン達だけではなく&br; 自分達までもが宙に浮いている様に思えてしまう。&br; もし、星の世界を皆で漂ったのなら。こんな光景なのかもしれない。&br; &br; 「(凄い…凄い……)」&br; 水中呼吸の出来ないサ姫は感動を言葉として出す事は出来ないけれど&br; その表情と瞳を見れば、サ姫が何を思っているか良く分かるはず。 &br; 「みゅいみゅい」&br; 「(ん?レィメルなぁに?)」&br; 光景に見惚れる中、不意にレィメルがサ姫の胸を突き&br; 一方を指差しました。&br; &br; 「ぬぁぁぁ〜♪」&br; 「ぶほっ!?」&br; そこにあったのはペンギンの背中に掴まり飛び回るウルメルの姿でした&br; 思わず吹き出すサ姫。やけに大人しいと思ったらあんな事をしていたのですねー。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-15 (日) 23:46:40};
---「なんでお前は毎度毎度どこかへ飛んでいくかなー!?」&br;慌ててカトラが追っかける。&br;カトラの泳ぎ方はドラゴン羽の推進力で水中ジェットするのだから&br;泳ぐ姿がペンギンっぽくて、群れに赤いペンギンが混じったみたい&br;だった。&br;&br;「ぐっ早い…!」&br;しかし、さしものカトラもペンギンの水中機動には勝てず、なかなか&br;追いつくことができない!&br;おまけに、島が徐々に遠ざかり始めている。&br;&br;その時だ、置いて行かれたサキ達に近づく別の一群がある。&br;尾を打ち振り、三角の背びれを立てた巨大魚の陰が高速で接近してくる!&br;「(サメぇー!?)」&br;思わずサキ
がレィメルを抱きしめる、影はぐんぐん大きくなる。 --  &new{2019-12-16 (月) 00:16:43};
---&br; もうダメ!と思った瞬間……&br; 「ぴゃあ♪」&br; 突然の浮遊感とレィメルの喜びはしゃぐ声。&br; 恐る恐るに目を開けたサ姫が見た物は……&br; &br; 「キュキューッ!」&br; 「イルカさんだー♪」&br; 「だぅー♪」&br; 二人を背に乗せた白く大きな魚。魚ではありません&br; サ姫達がサメと思ったのは、クジラと並ぶ海棲の哺乳類筆頭イルカでした。&br; ペンギンと遊ぶサ姫達を見て、自分も遊びたくなったのかもですね&br; &br; 「まったく驚かせおってからになのだ……」&br; 「ぷわっはー♪」&br; 「クワァー♪」&br; 海面に顔を出せば溜息するカトラさん、そして&br; ペンギンと共に飛び出してくるウルメルでした -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-16 (月) 00:31:45};
---まるで絵本のような時間が訪れた。&br;サキとレィメルはイルカの背に乗せて貰い、ウルメルはペンギンに&br;水中スクーターみたく引っ張られる。&br;&br;光差す海中を、海中に暮らす彼らの速度に身を任せると。&br;茫漠として無限に広がる底知れぬ世界が、重力の束縛から解放された&br;自由の楽園のように感じられる。&br;&br;海の中を駆け回り、移動する島の起こす大きな流れに戯れる。&br;自前の羽で泳いでるカトラが、逆に置いて行かれかけたりもして&br;イルカに乗ったサキに手を引かれた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-16 (月) 01:00:16};

-&br;・&br;・&br;・&br;「また遊んでねーばいばーい」&br;浜辺で、遠ざかる背びれに手を振るサキとウルメル、レィメル。&br;ひとしきり遊びまわった一行と、魚をたらふく食べたペンギン達は&br;再び島へと戻ってきていた。&br;&br;「そろそろ我らも昼にするかのう」&br;心なしかお腹がぽっこりしたペンギン達を横目に、カトラが言う。 --  &new{2019-12-17 (火) 23:54:31};
--&br; 「だねー、潜水艇で海底を冒険して…ペンギンやイルカさんと遊んで……&br; たくさん遊んだから、もうお腹ペコペコだよー」&br; 「わぅー」&br; 「ぺきょー」&br; サ姫が笑いながら言うと&br; 自分達もとばかりにウルメルとレィメルも腕を振りました&br; &br; 「うむ、確か、海の家にBBQの設備があったのだ、それを使うとしようなのだ」&br; 「あ!蟹も!蟹も食べようよ!」&br; 蟹とはカトラが海底で捕まえた大きな蟹です。&br; 潜水艇の保冷庫に保存したので、まだまだ鮮度を保っているはずです。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-18 (水) 00:24:03};
---「魚もあるぞ!」&br;ドヤァとしながらカトラが手に持ってた魚を掲げあげた&br;さっき海で泳いでた時にちゃっかり獲ってたのだ&br;ヤシの葉っぱですずなりに吊ってある。ペンギンが&br;ついばもうとして、カトラはさらに高くもちあげた。&br;&br;「あれ、このコンロどこから薪を入れるなのだ?」&br;『有料ですので、この端末を読み取り部に近づけてください』&br;「こうかの?」&br;ピンッと音が鳴って、コンロのコンソールに明かりが点く。&br;なんとなく、直感的に弄ってみると火が着いた。&br;「便利じゃのこれ…」&br;&br;網が熱くなれば、あとは焼くだけだ。魚と蟹がジュウジュウと&br;音を立てる、ひっくり返せば、いい具合に焦げ目がつき、蟹は真っ赤に染まっている。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-18 (水) 00:53:02};
---&br; 魚と蟹の焼ける良い香りが漂い始めました&br; 匂いだけでもごはんやパンが美味しく食べられそうです。&br; それに、ジュウジュウと言う音が食欲を刺激します、 「わぅー…」&br; 「ぷにゃぁ…」&br; 刺激されすぎて、ウルメルとレィメルは涎をたらしていますし&br; &br; 「ああ、もう…二人共お口綺麗綺麗だよー」&br; 「むににゅ」&br; 「ぷみみゃ」&br; タオルで口を拭き拭きとされるウルメルとレィメル&br; &br; 「ふふん、力はあってもまだまだ子供なのだ」&br; そんな二人に、カトラは威風堂々たる我を見よと胸を張ります&br; 「…カトラちゃんも涎が垂れそうだよ?」&br; 「うぐぐ」&br; カトラも拭き拭きされました。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-18 (水) 22:15:34};
---我慢も限界になったところで、ようやく出来上がりだ。&br;魚の、パリッとした皮を噛み、海の味を濃厚に宿した身を食む。&br;よく焼けた蟹の甲羅で、おもわず熱っとなりながら殻を割れば、白く&br;輝くような身の甘さと滋味に思わずとろけそうになる。&br;「うむーやっぱり海の魚は旨いなーなのだ」&br;「だねぇ」&br;獲れたてを海を目の前に、食べる。ただ焼くだけのこの料理にか&br;なうものはそうは無い。&br;ウルメルとレィメルたちも初めての食べ物が気に入ったようである。&br;&br;「というか、こいつら何でも食うのう」&br;「育ち盛りだから…はーい、ちょっと待ってねー」&br;上手く蟹の殻を剥けない子供らに、サキが身を剥いてやる。&br;「あつあつ…蟹美味しいけど、ちょっとだけ食べづらいね」&br;サキが苦笑いすると&br;「そうかの?」&br;カトラは殻ごとボリボリと蟹をかみ砕いていた。&br;サキは苦笑いした。&br;すると、トリドローンが卓上に乗って来て、&br;嘴から細いレーザーを照射、見事に蟹の殻をカットしてくれる。&br;便利だ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-18 (水) 23:15:37};
---&br; 「あ、鳥さんありがとう…♪これで食べやすくなったよ♪」&br; 小さな手に蟹肉が渡されるも&br; ウルメルとレィメルは殻の中から現れた物体に不思議そうな顔をしています&br; 肉や魚とも異なる、始めて見る食べ物。&br; カトラが殻ごと食べているだけに、余計不思議に見えるのでしょう&br; &br; 「美味しいよー(ぱくっ)ん〜♥」&br; 「わぅ?(ぱくっ)ひゃう〜♥」&br; 「みゅ…(ぱくっ)みゃう〜♥」&br; サ姫が食べるを見れば、ウルメルとレィメルも蟹肉を食べました&br; すると、その美味しさに虜になったようで。&br; 直ぐにおかわりをねだって来ました。&br; &br; 「ふふっ、二人共、蟹気にいったみたいだね…♪」&br; 「むぐむぐ」&br; 「あむあむ」&br; 蟹を食べる時、人は無口になると言うけれど&br; ウルメルとレィメルも一心不乱に蟹を食べていますね。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-18 (水) 23:32:11};
---あっという間に食べてしまうと、今度は山積みにしてあった蟹を&br;網の上に乗っけ始めた。&br;食欲が知能の発達を促しているようですね。&br;「って、乗っけすぎなのだ、落ち着くなのだ!」&br;網の上が蟹に占拠されてしまった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-18 (水) 23:41:14};
---&br; 「ああもう?二人ともそんなに欲張ったらダメだよー」&br; サ姫は諭す様ウルメルとレィメルに言うと&br; 二人が乗せた蟹をトングを使い火が通りやすい様に置きなおしました。&br; &br; 「美味しい物は、美味しく焼いて食べようね…?それと待つのも大事」&br; 「わぅー♪」&br; 「にゃぅー♪」&br; サ姫の言葉がわかったのか、わかっていないのか&br; 二人は頷きながら万歳をしました。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-18 (水) 23:51:24};
---&br;にわかに当たりが暗くなる。&br;カトラが空を見上げると、それまで快晴を映していた格子状天井に&br;灰色の雲が映し出されていた。&br;カトラが持っているはるかぜの端末がアラーム。&br;&br;『降雨5分前です』&br;「おっと、屋根の下に運ぶなのだ」&br;口に蟹を咥え、コンロを両手で持ち、まだ焼いてない魚は尻尾に引&br;っ掛けて、海の家の中へ退避する。&br;程なくして、ザァっと強い雨が降り始めた。&br;&br;雨は、食事を終えてもまだ降っていた。&br;ゴロゴロと、遠雷がした。&br;ペンギン達は浜辺や岩場でじっと佇み、時々、雫を振り落とすかの&br;ように首を振りながら、雨をやり過ごす。&br;カトラは、ソーダの瓶に口をつけてぐっと呷った。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-23 (月) 08:33:27};
---&br; 「むぃ…?」&br; 「みゅぅ…?」&br; ウルメルとレィメルは雨に対し奇妙な行動をしています&br; 雨の方へ手を伸ばしたり引っ込めたりを繰り返しているのです。&br; 二人の行動に首を傾げるサ姫でしたが、ふと気付きました。&br; &br; 「そっか!二人共雨を見るのは初めてだもんね!」&br; 地上に出て雨等の自然現象に触れる前に地下へと入ってしまった二人にとって&br; 雨は初めての体験。だから空から水が降ると言うのが不思議で仕方無い様ですね。&br; &br; 「二人とも大丈夫だよ…?」&br; 「むむ…ぬぁ…♪」&br; 「み…ぷわぁ…♪」&br; 水着姿なの幸いと、サ姫は二人を伴い雨の中へ。&br; &br; 「まったく…まだまだ子供なのだ……けふっ」&br; そんな三人を見ながらソーダ水を飲み干すカトラさん&br; …ちょっと咽ました。&br; &br; 雨と戯れるサ姫、ウルメルとレィメルでしたが……&br; 「ひゃぅ!?」&br; 「ぴゃあ!?」&br; ゴロゴロと言う音が響くと慌てて屋根の下へ引っ込んでしまいました&br; 二人にとって、雷もまた初めての自然現象なのでした。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-23 (月) 21:28:16};
---「地下でも雷が落ちるものなんじゃのー」&br;そんな3人を眺めつつ、のんきそうに言うカトラ&br;『雷は、再現はされていなかったはずです』&br;「え…じゃあ、あの鳴ってるのはなんなのだ?」&br;『何でしょうねぇ…』 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-23 (月) 22:40:32};
---『技術的には可能ですが。雷は他の自然現象と異なり、災害を伴う場合があるので&br; 検証環境及び実験環境等を除き、搭載しないのが基本となっています』&br; 「ふむ……」&br; はるかぜの言葉にカトラは唸るような声で返すと&br; 巨大な樹となった眠る者の方へと視線をやった。&br; &br; 「うぴゃ!?」&br; 「にゃう!?」&br; 「ああ、二人共…大丈夫だからね…?」&br; 一方でサ姫は雷鳴に怯えるウルメルとレィメルを抱き締めながら&br; 頭を撫でていました。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-23 (月) 22:55:07};
---&br;水着を着ているのだから、別に雨の中で遊んでもいいのだが。&br;何とはなしに、降り続ける雨を眺めているのがいいような気もして。&br;しばし、雨宿りとなる。&br;&br;「不思議なものだのう」&br;遠く雨に煙る水平線の向こうで、都市の壁面を覆う、眠る者…&br;神域のドラゴンの変じた巨大樹を見ながらカトラが呟く&br;「樹に姿を変えたあのドラゴンは、この街を破壊しながら&br;同時に壊れないように根で包み込んでいるようなのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-23 (月) 23:16:55};
---「…ドラゴンってなんだろうね……」&br; ウルメルとレィメルの頭を撫でていたサ姫がぼんやりと呟いた&br; 都市機能を変える程の力を持ったドラゴン……&br; 幼く愛らしく自分に甘えるドラゴン……&br; そして。自分の力に自身を持つ事が出来ないドラゴン……&br; 目撃し、共に過ごし。それでも分からない事だらけだ。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-23 (月) 23:24:16};
---「ドラゴンの国の言葉には、"ドラゴン"という言葉は無いんじゃよなー」&br;立ち上がると、カトラはボックスからジュースの瓶を取り出した。&br;雨音の中で、氷がかき混ぜられる。&br;&br;「…?カトラちゃんは、ドラゴンじゃないの?自分で、いつも&br;我はドラゴンなのだーって…」&br;「ん、まぁそうなんじゃけど…」&br;雫の付いた瓶をサキに差し出す。&br;サキにもたれかかって、うとうとしていたウルメルが、目ざとく&br;気づいてさっと瓶を握った。&br;&br;「我母は"燃ゆる氷河"と呼ばれるし、我は"カトラ"じゃろ?&br;姉上達は"ヴァトナ" "ラキ" "ヘクラ"じゃし、妹たちは"ティンダ"&br;"スラゥン" "欠陥冷凍庫"とそれぞれ名があるのだが&br;我らを一括りにする言葉は、ドラゴンの国には無いなのだ」&br;欠陥冷凍庫とはエーラの事だ。&br;&br;「我らの言葉を標準言語に訳したときに、我らのことを&br;圧倒的な力を持つ者という意味で"ドラゴン"と呼ぶ事にしたらしいなのだ」&br;&br;「じゃあ…カトラちゃんは、本当はなんて呼ばれてるの?」&br;「…」&br;カトラはサキの隣に座る。&br;「名はある、だが我らの存在そのものを示す言葉は無い。&br;なぜなら、100万の言葉を連ねても、緻密な絵に描き出しても&br;我らという存在を表しきれぬなのだ」&br;瓶に口をつけて一口、しゅわっとしたジュースを飲んだ&br;&br;「じゃが、我という存在の全ては、今おぬしの目の前に&br;余すことなく居る。&br;そういう意味では、熊達の言葉でいう"そこにあるモノ"&br;という言葉が一番正確かのう」&br;熊語で発音もしたが、かすれた唸り声にしか聞こえない。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-24 (火) 00:17:59};
---&br; 「…わかった!カトラちゃんはカトラちゃんだよね♪」&br; サ姫はこくりと頷くと、カトラの腕に抱き付きながらにっこり微笑みました。&br; 「う、うむ……」&br; ころころと変わるサ姫の表情。カトラにサ姫もまた良く分からない存在でありました。&br; &br; 「わぅー♪」&br; 「みぅー♪」&br; 「あは?二人も一緒だよ?」&br; カトラとサ姫を挟む様に抱き付いてくるウルメルとレィメル。&br; &br; 「…そう言えばさ…ウルメルとレィメルってどう言う意味なの?」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-24 (火) 00:33:28};
---「暑っ苦しいのぅ…。ああ、"ウルメル" "レィメル"はなー………」&br;言いかけてカトラは固まってしまう。&br;「?」&br;無邪気な笑顔をサキが向けてくる。&br;&br;「それはなー…」&br;カトラが明後日の方向に視線を泳がせていると、蛇口を締めたかの&br;ように雨が止んだ。&br;『降雨終了しました。当エリアの次の降雨予定は29時間後です』&br;「そうかー、清々しい空がもどってきたのー」&br;「カトラちゃん?」&br;空々しく伸びをするカトラと&br;嘘が下手くそすぎるカトラの癖を知り尽くしてるサキが何か言おう&br;としたその時…&br;&br;突然、海面に白い大きな水柱が噴き出した。&br;続けて、大きな黒い、流れる溶岩のようなものが浮かんできて、末端でカトラ達の&br;乗って来た潜水艇よりも大きな尾びれが水面を叩く。&br;飛沫を伴った風が、カトラ達の顔にふわっと吹き付けた。&br;&br;一泊の間を置いて。飛沫と轟音を滂沱の滝と流し、海中より&br;巨体がせり上がった。&br;圧倒的存在感に、ウルメル,
レィメル達が目を覚まして砂浜へ駆け出す&br;まるで宙に浮かぶような滞空時間、あまりの巨体ゆえにその動きは&br;ひどくゆっくり見えた。&br;&br;ドォォォッと津波めいた波を引き起こして、"レイクマザー"の巨体は&br;再び海中へと戻っていった。&br;後には、巻き上げられた飛沫に夕日が差して虹が立つ。 --  &new{2019-12-24 (火) 00:51:04};
---「わぅー♪」&br; 「ぴゃー♪」&br; レイクマザーの飛沫が作り上げた虹はとても大きくて&br; 側に行けば触れそうに思えた。&br; &br; 「綺麗…私達も行こうか…?」&br; 言うと、サ姫はカトラの手を引き駆け出しました。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-25 (水) 21:28:43};
---「う、うむ!」&br;カトラは頷いた。&br;&br;夕映えに昇った大きな虹は、緑色の燐光を背にしながら&br;不思議と、いつまでも消えることが無かった。&br;&br;・&br;・&br;・&br;結局、次の日も、不思議な地下の森で過ごした。&br;&br;まだ見ていないエリアがたくさんあると聞けば、それも仕方ない&br;ことだ。&br;&br;園内を移動するための特別列車に乗れば、草原に住むライオンや&br;ヌー達、森に住むトラやヒョウといった目を引く動物も簡単に、間近に&br;見ることができる。&br;&br;「へー、はるかぜにもついておったが、展望車両は本来このために&br;あるんだなー」&br;そういって、周囲をぐるりを見渡すカトラだ。&br;壁も天井も透明な、360℃パノラマの展望車両が、乾いた草原の中&br;を走る。&br;気になる部分をタッチすると、ズーム画面が呼び出せて音声解説も&br;してくれる。&br;こんなん、絶対おもしろくないはずがない。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-25 (水) 22:07:43};
---「ぴょう!」&br; 「うん、あれはヒョウさんだね?」&br; レィメルが拡大表示されたヒョウを指差しながら、サ姫に笑顔を見せました。&br; 好奇心旺盛なレィメルは暫くするとタッチパネルの操作を覚え&br; 何か珍しい物を見つける度に、自分でタッチし説明を聞く様になっていました。&br; &br; 「わぅーがぉー!」&br; 「ふふっ♪ライオンさんは強いんだよ…?」&br; 対してウルメルは、猛獣達を見つける度にその動作を真似し&br; サ姫やカトラに見せてくれるのです。&br; &br; 「楽しいだけでなく、勉強にもなっていいねー」&br; 「うむ!先人の知識とは尊ぶべきものなのだと改めて思ったのだ」&br; 竜の国や熊達から多くを学んだカトラだが&br; 音声解説による説明には、知らぬ事も多く。聞きいる事が多かった。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-25 (水) 22:24:26};
---「ところで、ドラゴンはおらぬのかのー?」&br;ウルメルとガオーとかウガーとかやりながら、ふとカトラが聞いて&br;みた。&br;『該当がございます』&br;「トカゲとタツノオトシゴとトンボではないか…」&br;窓に表示されたのは、ドラゴンと名前に入ってる動物だった。&br;&br;針葉樹の森の上に架けられた鉄橋を渡り、列車は崖へ進んでいく。&br;すると絶壁の一部がカモフラージュされた門扉のようになっていた。&br;秘密基地への入り口みたいでわくわくする。&br;案の定ウルメルがめっちゃ興奮している。&br;&br;窓の外に強く風が吹き抜けていったのがわかった。&br;向う側は気圧が低く設定された高山のエリアだ。&br;ライチョウ、ホシガラス、イワヒバリ、鶴の姿もある。&br;&br;急こう配を上り、めまいのしそうなほど高い鉄橋の1本道を進む。&br;&br;「わー…おっきな角!バフォメットみたい」&br;「うむ、山羊だな」&br;「あっちのは真っ黒でおっきい…」&br;「うむ、あれも山羊なのだ」&br;「ほらほら、レィメル、ウルメル、崖を上ってる動物もいるよー」&br;「ああ、あれも山羊なのだ」&br;「…ぜんぶ山羊なの?」&br;「おう、うまいぞ、全部食べたことがあるのだ」&br;ドラゴンの国では山羊は食肉として人気なようだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-25 (水) 22:43:20};
---『山羊料理を検索……&br;山羊ミルクのチーズ乗せパンが当時一番人気だったそうです』&br; 「なんか美味しそう……」&br; 「絶対美味しい奴なのだ……」&br; なぜか二人のイメージに浮かぶ&br; 少女がトロ〜リチーズを乗せたパンを食べる絵 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-25 (水) 23:11:43};
---『展望ロッジにレストランがあります。&br;チーズはドローンが作っていたので、保存されているかもし&br;れません…』&br;どうしますか?と伺うまでもなく、サキとカトラは目を輝かせて&br;ていたのだから。列車は高い山の上にある寂れた駅で停車した。&br;&br;階段を上ると渓谷を見渡す山頂付近にログハウス風のレストラン&br;があり、お目当てのものも難なく手に入れられた。&br;&br;カーリングのストーンみたいな、チーズのホールを抱えて&br;ウルメル、レィメルが臭いをかいだりして、ぬぁ…ってなったりしてる。&br;「パンも焼いて持ってくればよかったのう」&br;カトラは、チーズを持ち上げるといい具合に熟成された香りにうっ&br;とりした。&br;この癖の強い香りが好みらしい。&br;レィメルは、うえーって舌をだしていた。&br;&br;「サンドイッチならお弁当でつくったんだけどー…ん?」&br;6本足ならぬ、8本足で頭部に三角巾をつけたドローンが、肩をつついて&br;壁の掲示を指さしている。&br;サキは、
はるかぜの端末を掲示に向けた。&br;『伝統の高原パン焼き体験。&br;展望テラスで、焼き立てのパンとチーズをお召し上がりいただけます…』&br;文字読み上げ機能で、読めない古代文字の翻訳もスムーズだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-25 (水) 23:33:33};
---&br; 行くしかない!カトラとサ姫は頷き合うと&br; 三角巾ドローンの案内でパン工房へ向かいました。&br; &br; &br; 『生地の発酵が完了しました。&br; 適量の生地を手に取ったらお好きな形に形成してください』&br; 「はーい」&br; 「なのだー」&br; 「わぅ♪」&br; 「にゅい♪」&br; エプロンと三角巾を身に付けた四人が大きな声で返事をした。&br; &br; パン焼き体験は本格的な内容でした。&br; パン作りの基礎講座から始まって、材料の説明や混ぜ合わせ。&br; そして捏ねたり伸ばしたり……&br; イースト菌と小麦の匂い漂う工房での楽しい時間が流れて行く。&br; &br; ウルメルとレィメルは生地を捏ねる事に夢中になったり。&br; カトラが小麦の選択にこだわりを見せたり。&br; サ姫が砂糖を入れ過ぎるのを止めたり。賑やかに進んで行った。&br; &br; 「お菓子は良く作っていたけどパンを作るのは久しぶり♪」&br; 「お前の作る物はなんでも菓子になるからな…なのだ」&br; 「もうカトラちゃんったら……」&br; &br; 「わぅー♪」&br; 「みゃー♪」&br; 「えっとウルメルのは…ライオン?で、レィメルのはクマかな…?」&br; ウルメルとレィメルが、パン生地で作った物を見せてくれました&br; 粘土遊びの様な感覚なのかもしれませんね。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-26 (木) 00:00:20};
---&br;石窯の中に薪がくべられ、大きな平たいシャベルのようなヘラで&br;窯の中にパン生地が入れられる。&br;時々パンの位置を調整する、三角巾ドローンも、久々の仕事に鼻歌&br;でも歌っているように見えた。&br;&br;食事は、ロッジのテラスでと、思っていたら。出来上がったパンを&br;バスケットに入れて、店外へと出た。&br;芝生の上に、丸太の椅子があり、大きな切り株風のテーブルもある。&br;三角巾ドローンは、8本足を忙しなく動かして、ランチをセッティ&br;ングした。&br;&br;スープは、湖畔キャンプでも食べた、地下の森産のオーガニック&br;スープの缶詰だ。透明なティーポットにハーブティーが入っている。&br;「ふぅぅー…っと。香ばしいパンの上に、こうして火を吹いて溶か&br;したチーズを乗っけて…完成なのだ!」&br;半分にカットしたホールチーズに、火を吹いて、溶けた部分が&br;暖かい焼き立てパンの上に流し入れられる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-26 (木) 00:26:08};
---&br; 「ごくり……」&br; 「わぅぅ……」&br; 「ふわぁ……」&br; チーズの匂いに顔をしかめていたウルメルとレィメルも&br; この光景を見れば「絶対に美味しい!」とわかったのか&br; 仲良く涎を垂らしそうになっています。&br; &br; 「さぁ、食事の時ぞ!なのだ」&br; 皆の前にチーズ乗せパンが並び、カトラの合図で一斉にパクリ!&br; 世界の果て再び!&br; キャパを越えた美味しさに世界の果てを見た!&br; &br; 「美味しい物って書いて幸せって読むんだよー♪」&br; 「全くなのだ、食は幸せなのだ」&br; 「みにゅぃ〜ん」&br; 「みゅぃ〜ん」&br; とろけたチーズを伸ばしながら味わう四人&br; 焼き立てのパンとチーズの組み合わせが不味いだろうか?&br; いや絶対美味い! -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-26 (木) 00:44:40};
---材料が足りていないので、保管庫の山羊肉はシンプルな味付の&br;煮込みにされて供された。&br;癖の強い山羊肉に、ウルメルとレィメル、サキも少し戸惑っていたが。&br;要らぬなら我が全て食うぞ。と言わんばかりにカトラが肉に&br;齧り付き、骨まで削る勢いで食み。湯気を立てるスープの器を掴&br;んで、呷るように飲み干すのを見れば。つい、食べてみたくもなる&br;というものだ。皆、よく食べた。&br;&br;保存されていた食料で出来たのは、質素な昼食だったが。&br;料理としての豪華さ以上に味わいが深い。&br;シチュエーション込みでの味わいは、贅を尽くしただけではできな&br;い、食べる者と食べ物が対等になって初めて味わえるものだ。&br;いつまでも食べていられる料理というのはこういうものだ。&br;結局、4人で、バスケット一杯の、顔よりも大きなパンと、ホールチーズも&br;ほとんどたいらげてしまった。&br;食べ過ぎだと気づいたのは食べ終わってからだった。&br;&br;「はぁー…ここが芝生でよかったのだー」&br;店内だったら寝転んで休むことなどできなかったろう。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-26 (木) 01:12:39};
---「むひぃー…」&br; 「ぷひぃー…」&br; 一緒にころんっと転がるウルメルとレィメル&br; 二人のお腹もぽっこり膨らんでいます。&br; &br; 「食べ過ぎちゃったねー…♪」&br; 「お主がチビ共に精気を与えていた頃はもっと食べていたのだ……」&br; カトラに指摘されれば&br;そうだっけ?と、てへり☆笑いを浮かべるサ姫さんでした。&br; &br; 「このまま少し休憩だねー」&br; 「うむ、この後少し身体を動かしたいところではあるのだ」&br; カトラが言うと、ボールドローンが転がって来て&br; 宙に周辺の地図を映し出しました。&br; &br; 「ここから行けるだけもいろんな所があるね…?」&br; 「むぃ」&br; 「みぃ」&br; デフォルメされた四人の顔があるのが現在いる場所&br; 現在は展望ロッジのある山頂付近だ。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-26 (木) 01:33:55};
---「次はどこに…」&br;「ぐぅー…」&br;「ぬぁー…」&br;「むにゅ…」&br;サキが横を見れば、すでに3人は夢の中へ出発していた。&br;小さなウルメル、レィメルの横でだらしなく寝落ちているカトラも&br;大きな子供のようであった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-26 (木) 01:54:57};
---・&br;・&br;・&br;「ちょっとひんやりしてたおかげで、寝過ごさずにすんだななのだ」&br;そう言うカトラの後ろでウルメルが小さくくしゃみをした。&br;&br;食後に昼寝をし始めた3人だったが、高山に風が吹き始めると&br;肌寒くて早々に目を覚ました。&br;&br;窓越しに手を振る8本足に見送られつつ、列車は動き出す。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-30 (月) 00:12:11};
---&br; 「んー…少しあったかくしようか…?」&br; サ姫はそう言うと肩掛け鞄からスカーフを取り出し&br; 二人の首に巻いてあげました。&br; 「わぅー♪」&br; 「みぅー♪」&br; 暖かい色のスカーフを首に巻かれ、万歳をするウルメルとレィメル&br; 首を温めるだけで体感温度は違うものなのです。&br; その光景をじっと見ていたカトラ。&br; &br; 「神域のドラゴンがこの程度で風邪等引かないのだ」&br; 「カトラちゃんも巻いて欲しいの?」&br; 「人の話はちゃんと聞くのだ……」&br; …で結局、カトラも首に赤いスカーフを巻いてもらいました&br; 密かにレトロなヒーロー風なのを気にいったカトラさん&br; 口にしなくても、サ姫にはばればれでったみたいですね。&br; &br; そんな賑やかなムードを乗せ列車は先へと進んで行きます。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-30 (月) 00:28:31};
---&br;『次はジャングルエリアですので、暖かいですよ』&br;「ほう、ジャングルといえばー…。前に、やたらと巨大な森に行ったことがあったよなーなのだ」&br;列車はゆるゆるとすすんでいく。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-30 (月) 00:37:31};
---&br; 「あ?あったねー…大きな熊とか大きな狼とか居て大変だったよ」&br; それはカトラがエーラから逃げ出した時の出来事だ。&br; カトラがサ姫を乗せた荷台を引き、砂漠を越え森を越え山へ……&br; 帰り道で再び森を通った時&br; 二人は巨獣達に追われて大変な目にあったのです&br; &br; 「うむ、ここに来てさらに大きな者達を見る事になるとは思わなかったのだ」&br; 「ここってほんと…いろんな子がいるよね」&br; 流石にあんな巨獣はいないよねー?そうだなー?&br; なんて、二人が話をしている一方で……&br; &br; 「むぃ?」&br; 「…むぅ……」&br; ウルメルとレィメルは見慣れぬ大きな生き物を見つけたのですが&br; 画像をタッチする前に通り過ぎてしまい、首を傾げていました。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-30 (月) 00:56:51};
---&br;再び、列車はエリアを隔てる巨大な壁の中へ入っていく。&br;一瞬の闇ののち、すぐに緑の燐光に包まれた。&br;&br;「おー、ここもかー」&br;すでにお馴染み、神ドラゴンの樹の根であった。&br;燐光に照らされる樹の根のトンネルを進む列車は、幻想の光景である。&br;やがて列車の行く手に強い光が差すのが見えてくると、燐光は光に&br;溶けて見えなくなる。&br;&br;トンネルを抜けた先のまぶしさに目を細めた。&br;抜けるような雲一つない真っ青な空、雪原のような真っ白な大地。&br;ぎらつく陽光が遥か地平線を陽炎めいて揺らめかせる。&br;&br;「…砂漠?」&br;砂漠だ。どこをどう見てもジャングルではない。&br;背中からも陽を浴びているように濃い影が足元に落ちて、振り返ると&br;壁を覆い尽くした神ドラゴンの樹が枯れて真っ白になっていた。&br;巨大な白い壁が強い日差しを反射していたのだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-31 (火) 00:42:01};
---「次はジャングルだったはずじゃ……」&br; 「ひゃぅ〜」&br; 「ぷぃ〜」&br; あれあれ?と首を傾げるサ姫の左右で&br; ウルメルとレィメルは眩しそうに目を細めています。&br; &br; 『情報検索中…検索中……&br; 該当情報がみつかりません。エリア担当ドローンを検索します……』&br; 「ふむ?どうやら自力で周辺を探索するしか無さそうなのだ……」&br; 混乱の様子を見せるはるかぜに、カトラは砂漠の眩しさに目を細め呟きました。&br; &br; 「そうなると…日差し対策をしないとだね……」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-31 (火) 00:56:57};
---白い砂漠を抜けて、列車はザ・砂漠ど真ん中な駅に停車した。&br;駅と言ってもホームだけがかろうじて砂丘の中に顔を出しているだけだ。&br;線路はその先で砂に飲まれて消えていた。&br;&br;「ドローンの姿形も見えぬなのだ。ずーっと先まで砂漠だが、何&br;か先に海はあるな、なのだ。&br;…何を巻き付けておるなのだ?」&br;&br;飛び上がって遠くを見渡していたカトラが、砂っぽいホームに着地して&br;首を傾げる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-31 (火) 01:12:05};
---「日差し対策だよー」&br; 「むふー♪」&br; 「ぴゃう?」&br; 頭から足元までを布で巻き巻きされた物体が&br; ウルメルとレィメルに布を巻き巻きとしています。&br; 巻き巻きとされたウルメルとレィメルは&br; お互いの姿を確認する様にくるくる回ったり突き合ったりしています。&br;&br; 「いやいや大げさであろう?」&br; 「…私、魔界生まれで日差しに弱いから……」&br; 思い返せば、砂漠を渡った時もサ姫は頭から毛布を被っていた&br; しかしサ姫は仕方無いとして……&br; &br; 「ちび共はドラゴンなのだぞ?このくらい……」&br; 「でも海でおぼれたし…二人共まだまだ赤ちゃんなんだよ…?」&br; 「うぐ……」&br; そこまで言われてはカトラもそれ以上は言えなかった。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-31 (火) 01:31:48};
---代わりにもう一度砂漠をぐるりと見渡しながら。&br;「はるかぜよ、道案内はできるか?」&br;『ナビゲーションは可能です』&br;「では迷子になることもあるまい」&br;「あ、カトラちゃん…歩くのー?」&br;「どうせ列車ではこれ以上進めぬ。遠くに見えた海までいけば、&br;全てのエリアは地下でつながっているのだ。&br;戻るのも進むのも海から行くのがよかろうなのだ」&br;「それからー?」&br;「森が砂漠になった訳とか超気になる!」&br;カトラの知的好奇心は旺盛であった。&br;もしかしたらレィメルの好奇心の強さはカトラ由来かもしれない。&br;&br;暑い日差しが苦手なサキは、しょうがないにゃぁ…という風に&br;自身もフードのように白い布を被ってウルメル レィメルの手を引いた。&br;・&br;・&br;・&br;「いけどもいけども…。ここは動物がおらぬのー」&br;ラクダでも居るかなって思ったけど、見える物は砂ばかり、聞こえ&br;る物は風ばかり。&br;&br;なんもなさすぎて、子供らは歩きながら、お互いのほっぺを無意&br;味に引っ張り合ってたりする。&br;何してんだろうこいつら…。&br;&br;「少し、地下の海の底にも似ておるかな…?」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-31 (火) 01:49:19};
---&br; 「レイクマザーを見た場所の…うにぃ」&br; 「むにぃ♪」&br; 「ぷにぃ♪」&br; ウルメルとレィメルに頬を引っ張られるサ姫さん&br; いつの間にか二人に混ざっていました。&br; &br; 「…何をやっておるのだ…ふむ……」&br; 「楽しそうだったから…んー砂とは少し違う感じもするね…?」&br; 「ぷわぁ♪」&br; 「むぃ?…わふぅ!」&br; レィメルが掬いあげた砂を宙に振り撒くと&br; それを見たウルメルも砂を宙に&br; &br; 「ああ?二人共砂かぶっちゃう…キラキラしてる……」&br; 「これは…もしかして……」&br; 宙を舞った砂は一瞬だけ燐光を放ち&br; 風に乗り流れていった…… -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-31 (火) 21:38:16};
---「ほう…?」&br;何か気づいたようにカトラは、砂を手に掬い上げる。&br;翼を広げて陽を遮ってみると、零れ落ちる砂は、淡い緑の燐光を&br;放ち、サラサラと足元へと落ちていく。&br;&br;「砂が共鳴しているなのだ…。ただの砂漠ではなさそうだななのだ?」&br;「そうだねぇ〜」&br;「って、我の羽を日傘にするでない」&br;『現在エリア内気温は摂氏34.7℃…こまめな休憩と水分補給を行い&br;脱水症状、熱中症にお気を付けください…』&br;&br;カトラの翼の影に入って一休みするサキ、そして砂遊びに新たな楽&br;しみを見出したウルメルとレィメルである。&br;犬めいてひたすら砂を掘るのを砂遊びというならばであるが。&br;&br;「しょうがない、一休みするか…」&br;とカトラが言いかけた瞬間、地面から突き上げるような振動が走る!&br;「おわっなんだ!?わわっ…砂丘が崩れる…」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2020-01-01 (水) 00:10:56};
---&br; 「かかかかかとらちゃん!この振動って…!?」&br; 「おおおおおちつくのだ!我も同じ事を思ったのだ!」&br; 「むむむ??」&br; 「ぬぬぬ??」&br; 頷き合うカトラとサ姫。この振動には覚えがありました。&br; カトラは穴に埋もれかけたウルメルレィメルを引っ張り上げると&br; 俵を抱える様に両脇に抱えました。&br; &br; 「おぬしは我の首に捕まるのだ!」&br; 「こ、こうかな?」&br; 指示に従いサ姫はカトラの首に捕まります。&br; 首を絞められ若干苦しくあるが、今は嘆く時ではありません。&br; &br; 「うおおおお!」&br; 三人を装備し竜の力全開で走り出すカトラ、直後……&br; 四人の居た場所が大きく盛り上がり&br; 見覚えのある巨大生物が出現しました -- [[サキ>IK/0018]] &new{2020-01-01 (水) 00:26:29};
---「のわっ!?わっ…っとぉ!?」&br;砂の激流と化した砂丘の上を、羽を広げて駆け下る。&br;一瞬でも足を止めれば流砂と化した砂に足がずぶずぶと沈み込んで&br;しまうのだ。&br;&br;「&ruby(サンドワーム){砂皇蟲};!」&br;振り返ってカトラが叫んだ。&br;
『危険巨大生物です。指示に従い、速やかに避難してください』&br;「どこへ行けばいいなのだ!?」&br;『最寄のシェルターへの経路を検索しています…検索しています…』&br;「肝心な時に!」
&br;砂の中から蠕動運動でせり上がって来たのは、砂海に生息する世界&br;最大の環形動物、サンドワームだ!&br;列車よりも長く太い巨体が、砂を水面のようにかき分けながら&br;迫ってくる!&br;&br;体の直径に等しい、トンネルの入り口めいた円口が砂塵の中から姿を現す!&br;喉奥にはびっしりヤツメウナギ状の歯が生え、蠕動運動に合わせて&br;収縮と開放を繰り返し、口内に入ったものをかみ砕く。&br;砂の中にあった丸太が飲み込まれた。&br;即座にシュレッダーにかけられたごとくウッドチップと化す!&br;&br;「カトラちゃん!飛んで!飛んでー!?」&br;「砂に嵌っちまったなのだー!?」&br;「のぁぁぁ!?」&br;「みゃぁぁ!?」&br;『避難経路を検索…検索…』&br;&br;サンドワームの、巨大重機めいた筋肉が蠕動!圧縮擦過音が迫る!&br;トンネルめいた喉が開閉!歯がぶつかるプレス切断音が響く!&br;このままドラゴンと悪魔の合いびき肉にされてしまうのか!?&br;&br;「〜〜〜ッ!!………あれ?」&br;音が急に鳴り止んだ。&br;サンドワームは一行の目の前で動きを止めていた。&br;巨大な口が閉じられ、ばっふぅぅ…と砂煙が吹き付けられる。 --  &new{2020-01-01 (水) 01:32:40};
---&br; 「…えっと…?」&br; 暫し無言の時間が続いた後、最初に口を開いたのはサ姫だった。&br; &ruby(サンドワーム){砂皇蟲};は音や振動に敏感な生き物。&br; 声を出せば獲物として反応するはずなのだけど、動く様子がありません。&br; 動きがありました。&ruby(サンドワーム){砂皇蟲};ではありません&br; ウルメルとレィメルです!&br; &br; 「ん?おわ!?まつのだ…!」&br; 「ウルメル!レィメル!」&br; サ姫とカトラが茫然とする中&br; カトラの腕から抜け出した二人が&ruby(サンドワーム){砂皇蟲};の方へと歩いて行きます!&br; これは危険!早く助けないと!…と思いきや……&br; &br; 「…む?…むぃー♪」&br; 「みゅい!みゅあ♪」&br; ウルメルとレィメルがその固い皮膚をぺたぺたとしても&br; &ruby(サンドワーム){砂皇蟲};が襲ってくる気配はありません。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2020-01-01 (水) 02:01:13};
---「やけに大人しいなのだ…。&ruby(サンドワーム){砂皇蟲};も飼い慣らされておるのかの」&br;『該当データありません。形状、サイズから未確認の危険巨大生物&br;と思われます。刺激を与えないよう距離を取り、列車へ戻ってください』&br;端末からはるかぜの声。&br;乗って来た列車の方向を示す矢印の立体映像がポップする。&br;「いや、流石に不意を突かれねば砂皇蟲ごときに遅れは取らぬ。」&br;『大変危険です、速やかに非難指示に従ってください』&br;「むっ、なんだなのだ、いつになく強情ではないかなのだ」&br;そういうカトラも、自分の力が侮られていると感じると、頑固で&br;意地っ張りになる。素直に従おうとしない。&br;「まぁまぁ…むやみに動くと、追っかけてくる習性があるから…&br;少し様子を見よう?」&br;「チビ共が、ボルダリングを始めたようなのだが…?」&br;「え?うわぁぁ!?レイメルー!ウルメルー!危ないからー!」&br;『刺激を与えないよう…』&br;慌てて駆け出すサキを見送りつつ、カトラは砂から体を抜いた。&br;&br;しばらくすると、砂皇蟲は体を蠢かせて、後退を始める。&br;巨体故に、動くだけで砂が巻きあがり辺りが地震めいて揺れるが。&br;今度はカトラとサキが、子供らを抱えて難なく離陸した。&br;&br;『このまま列車までお戻りください』&br;なおも、はるかぜの端末が空中に誘導矢印をポップさせるが&br;「しつこいのぅ…。まぁちょっと待て、奴が出てきた穴だけでも&br;見ておくなのだ」&br;&br;好奇心と意地が張ってしまったカトラは、答えを待たず、砂皇蟲が&br;出てきた方へ向かって行ってしまった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2020-01-05 (日) 01:15:51};
---&br; 「ふむ、やはり奥の方は見えぬのだ……」&br; 穴の縁まで来るとカトラは屈んだり背伸びしたりを繰り返しながら&br; 奥の方を覗き込んで見ます。&br; しかし、灯の無いトンネルと同様の穴は&br; どんな事をしても奥までを見通す事が出来ません。&br;「砂皇蟲が開けたにしては、やけにデカいのうこの穴…」&br;砂皇蟲は地面をミミズのように掘り進む、そのあとはトンネル状に&br;なるが、目の前の蟻地獄の巣のような穴は、直径が20mぐらいあり&br;そうだ。&br;中心部へ向けて、砂が滝のように流れ込んでいる。&br;&br;『大変危険です、この場所への立ち入りは許可できません&br;ただちに引き返してください』&br;「だから、心配いらぬと言うておろうが」&br;警告を繰り返すはるかぜを、カトラはスルー。 &br; 「さて…どうするか…なのだ」&br; やはりここは行くしかないか?好奇心は止められないのだ。&br; …なんてカトラが考えていると。カトラを呼ぶ声がしました。&br; &br; 「カトラちゃーん!そっちに…!」&br; 「そうだ!、おぬしの目ならば暗闇でも…ネバダッ!」&br; サ姫の声に振り向いた直後、カトラは腹に衝撃を受けました。&br; まるで二つの砲弾を受けた様な衝撃。&br; &br; 「わぅぅぅ〜♪」&br; 「ぴゃぁぁぁ〜!?」&br; 「なぜ体当たりするのだぁぁぁぁぁ!」&br; 砲弾の正体はウルメルとレィメルでした。&br; 体当たりを受けたカトラ、そしてウルメルとレィメル&br; 三人はおむすびの様な状態で転がり落ちて行きました……&br; &br; 「…え?…落ちちゃった…!?」&br; 走り出したウルメルとレィメルを追いかけるも間に合わず&br; 二人はカトラと共に穴の奥へと……&br; 「はわわ…私も行かないと!」&br;サ姫は直ぐに翼を広げると、ふわりと浮き上がり&br; 三人を追う様にしながら穴の奥へと入って行きました。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2020-01-05 (日) 01:44:50};
---「貴様らはなー!少しは大人しくしておれぬのか!」&br;竪穴を落下しながらカトラは怒ったが、ウルメルもレィメルも&br;フリーフォールしながらきゃっきゃとはしゃいでいる。&br;「高いところは危ないんだぞなのだ!教育を間違えたかの…」&br;仕方なしに、2人の手を取ると、カトラは翼を広げて宙で減速した。&br;&br;「カトラちゃーんウルメルーレィメル―!…あ、大丈夫そう」&br;真っ暗な穴の中を、サキも羽を畳んで落ちていく。このまま&br;横並びになるまで、一気に落ちようとして…。穴の底から&br;急に光があふれ出して、思わずサキも減速する。&br;&br;淡い光がカトラ達の周りを囲んでいた。&br;3人を中心に、遠巻きに光の輪の帯が灯ったのだ。&br;カトラが下降するにつれて、光の輪も滴るように広がっていく…。&br;&br;緑色の光は一つ一つは小さな点だ。沢山の光が想像以上に広い空&br;間の中で輝いている。&br;&br;「地下は…空洞になっておったのか?」&br;目の前に穴の底とは思えない広大な空間が広がっている。&br;砂と、白い石灰岩のような地層の下は、ビル程もある巨大な根が&br;幾重にも絡まり合い、実際に根の間から、崩壊した建物の残骸が&br;見え隠れしていた。&br;&br;根の1本だけで、高層ビルを見上げるような気分になり、それが&br;何千、何万と、絡まり合う。&br; 時折、口を開ける横穴を覗けば、樹々の密になった壁の向こう側&br; にも同じような空洞があって、光が伝搬して広がっていくのが見える。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2020-01-05 (日) 23:28:41};
---&br; 「はぁ…地下にこんなに広い場所があったんだねー……」&br; 広大な廃墟の下にはさらに広大な空間があった。&br; その事実を知りサ姫の口からは溜息が零れてしまいます。&br; &br; 「…それに星空みたい…あ?あそこが私達が落ちて来た穴かな?」&br; 天井を見上げれば、星の様に点在する光があり。&br; その中の丁度四人の真上付近に、一つだけ他とは異なる色の光があった。&br; &br; 「ふひゃ!?」&br; 「ぴゃぁ!?」&br; ウルメルとレィメルが尻もちをつきました。&br; 上を見上げ過ぎた様ですね。&br; &br; 「もう…二人共……」&br; 二人を抱き上げながらサ姫がカトラに問い尋ねます。&br; 「ここも…あの神域のドラゴンさんが作ったのかな…?」 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2020-01-05 (日) 23:49:47};
---「うむ、この光は間違いなく、共鳴の光なのだ」&br;カトラが樹の肌に触って、ぐっと握ると、パキンッと硬い音を立て&br;白い樹皮が砕けた。崩れ落ちた破片から、緑の燐光がのぼる。&br;&br;「ドラゴンの樹が、ここまで根を張り、枝を伸ばし…やがて枯れて&br;地層になったのだ。&br;砂皇蟲達は、枯れた樹を食べて砂に分解していたのだ」&br;「え…じゃあ、上の砂漠って全部砂皇蟲のフン…」&br;「身も蓋も無い言い方するなぁ!?」&br;急に神秘的だった広大な砂漠がばっちくなった。&br;&br;「まぁ…ドラゴンの樹に蓄えられた生命エネルギーを吸収する&br;ことで、ここの砂皇蟲は生きておるのじゃろう、砂はその副産物なのだ。&br;我らを追っかけてきたのも、共鳴で神ドラゴンの気配を強く感じた&br;からだろうな」&br;「そっかぁ…」&br;ウルメル、レィメルと手をつないで、サキは改めて辺りを見渡した。&br;淡い光が闇の底を満たし、立ち昇る燐光が、蛍の群れのように瞬く。&br;満天の星空を見上げているようだ。&br;そして、光を浴びる2人が、優しい光に包まれてほんのりと暖かくなる&br;のが、繋いだ手を通して分かる。&br;これが、ドラゴンの生命力というものなのだろうか。&br;目の前のカトラも、髪や鱗が艶やかになっているようで…。&br;&br;ふと、そこで気づいた。&br;「あれ、この光って…カトラちゃん達とドラゴンさんの共鳴なんだよね?」&br;「うむ、そうだが?…あ」&br;気付くのを待っていたかのように、足元にパラパラと砂が落ちてきて、&br;空洞全体がズズズズと音を立てて振動し始める。&br;2人は顔を見合わせた。&br;&br;次の瞬間、四方八方の壁を突き破り!無数の砂皇蟲達が突っ込んできた!&br;『危険巨大生物が接近しています。ただちに指示に従って避難…』&br;「逃げるなのだー!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2020-01-06 (月) 00:21:15};
---&br; 周囲を囲まれた、どうする?&br; 大丈夫!カトラとサ姫は飛ぶ事が出来る!&br; なにより四人がここへ入って来た入口は直上。&br; 「カトラちゃんウルメルお願い!」&br; 「分かったのだ!来いなのだ!」&br; 「むぃ?」&br; 「みゅ?」&br; サ姫はレィメルを、カトラはウルメルを抱き上げると&br; 翼を大きく広げ全力で上昇し始めた。&br; &br; 「はふぅ…このまま地上に……、!?…カトラちゃん追いかけて来るよー!?」&br; 「なん…だと!?なのだ」&br; 安心したのも束の間&br; 下を見れば砂皇蟲達が四人を追ってきています!&br; 縄を結う様に寄り合い重なり合いながら&br; 二人が飛ぶよりも早く迫ってくる。&br; &br; 「食われたくなかったらきばれ!なのだ!」&br; 「無理ー!」&br; カトラはともかくサ姫の飛行速度はもう限界に近い。&br; ならばとカトラがサ姫を抱き上げ様とした瞬間…!&br; &br; 「むぃぃー!」&br; 「みゅぃー!」&br; ウルメルとレィメルが手を握り合い&br; 四人がひと固まりとなった事で上昇速度が上がった!&br; &br;「なにこれ…?」&br; 「考えるのは後にするのだ!」&br; グルグルと回転するロケットの様になりながら&br; 地上目指し突き進む! -- [[サキ>IK/0018]] &new{2020-01-06 (月) 22:20:04};
---頭上の穴から、スポットライトのように陽光が降り注ぐ。&br;一塊の柱となって、上へ上へとうごめく砂皇蟲のグロテスクな柱と&br;地の底から飛び立つ4人の輪が、美しく対比して名画めいた一瞬を&br;描き出す…。&br;&br;「あああああやっぱ無理ィがも゛ぉ゛ぉ゛なのだぁ!?」&br;「ひゃぁ!?飛んできたー!?」&br;「ぬぁー♪」&br;「ぴゃー♪」&br;当事者たちは必死だ!&br;1匹だけでも死ぬほど怖かった砂皇蟲の、えげつないシュレッダー&br;口が、足元で無数に作動していて、地獄絵図なのだから!&br;&br;出口を指先が抜けそうになる。&br;つま先を砂皇蟲の歯が掠める。&br;&br;その瞬間、突然横合いから激しく砂嵐をぶち当てられた!&br;「うぉっ!?ぬぉぉお!」&br;とっさに、カトラは羽で全員を包みこむ。重たい衝撃が体を突き&br;抜ける。&br;一瞬で、4人は上空に投げ出されていた。&br;&br;砂塵を吹き上げて、胴体を出した砂皇蟲の横っ腹に何かが噛みつい&br;ている。&br;砂クジラだ!砂皇蟲と並ぶ砂海の人気巨大生物である。&br;横っ腹に噛みついた砂クジラは、そのまま砂皇蟲を砂漠へ叩きつける!&br;砂クジラが、砂を振動させる超音波で辺りに濛々と砂煙が立ち昇り&br;さらに2〜3頭の砂クジラが、獲物を求め砂へと潜航していく。&br;&br;「前にも…こんなことあったような気がするなのだ…。&br;おまえらー生きておるかー?」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2020-01-06 (月) 22:50:04};
---「あったねー…私、今回は死んでるかも……」&br; 生きてますね。でも顔はぐったりして今にも落ちそうです。&br; 「わぅぅ〜」&br; 「ぷぃ……」&br; 一方でウルメルとレィメルは砂クジラが気になるのか&br; 手を伸ばしもごもごと身を捩っています。&br; &br; 「…地上が落ち着くまでは暫し我慢なのだ、そしてチビ共は落ち着くのだ」&br; 砂クジラも砂皇蟲もその姿は見えなくなったが&br; 地の底深くから響く重い咆哮と振動が大気を揺らし&br; それは空中高くに居ても肌と耳を叩く様に響いてくる。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2020-01-06 (月) 23:13:39};
---カトラの目の前に矢印がポップした。&br;はるかぜの端末だ。&br;今回は大人しく誘導に従うことにした。&br;・&br;・&br;・&br;どこまでが砂浜で、どこからが陸地なのか、見分けのつかない海岸&br;線が延々とどこまでも続いている。&br;波打つ砂丘はオレンジにそまり、海はなだらかに凪いでいる…。&br;&br;「これ、海じゃなくて河なのか…びっくりじゃな」&br;停車した列車の屋根の上に腰かけて、カトラが言った。&br;&br;砂と水と格子状天井以外、何もない砂漠の夕暮れは、退屈そうな&br;眺めに反して、全てが色彩に染まり、純粋に美しかった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2020-01-06 (月) 23:48:54};
---&br; 「絵画を見ているみたい……」&br; 「先程までの騒ぎが嘘の様なのだ。まぁしかし、ここまでくれば安s…むがっ」&br; サ姫に口を塞がれるカトラさん。フラグは阻止されました。&br; その一方で……&br; &br; 「わふわふ♪」&br; 「ぴゃぁ〜♪」&br; 河の方へと走って行くウルメルとレィメル&br; その美しさを近くで楽しみたいのかと思いや……&br; 早速、河に入って水遊びしていますね。&br; &br; 「あはは…でも、ずっと砂ばかりだったもんね……」&br; 「うむ、せっかくだ、我々も潤うとしようなのだ」&br; だねーと頷き合うとカトラとサ姫も&br; 二人並んで夕日の色に染まる河へと向かうのでした。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2020-01-07 (火) 00:11:51};
---『ただいま、救助要請を行っています。列車からあまり離れないよ&br;うお待ちください…』&br;端末からはるかぜの声がした。&br;「ぬしがそう言うから、列車で大人しくしておったが、一向に現れ&br;ぬではないかなのだ。そもそも、救助隊とやらに話は通じておるの&br;か?なのだ?」&br;『応答待ちです』&br;「十中八九、救助隊がおらぬ奴じゃろうそれ…。案ずるな、砂皇蟲は&br;水に弱い、水辺には近づかぬ」&br;砂皇蟲を見てから、はるかぜはやけに心配性だ。&br;&br;靴を脱ぎ、カトラも水の中に歩いて行った。&br;ひやりとした水の感触が気持ちよく、足の指の間の砂がくすぐったい -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2020-01-07 (火) 00:39:29};
---&br; 「ん…あ、カトラちゃん水が気持ちいいね…♪」&br; 声に振り向けば、そこには衣服を脱ぎ捨てたサ姫の姿がありました&br; 夕日の色の染まった肌は、仄かな色香さえ感じさせます。&br;「…うむ!そうだな、なのだ」&br; サ姫の色気の不意打ちに、どもってしまったカトラさん&br; 緊張から解放され、気を抜いていたせいでもあります。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2020-01-07 (火) 00:54:39};
---「おぬしが水辺に来るとすぐ脱ぎだすから、チビ共も真似しだした&br;じゃないか、なのだ」&br;「えーだって…気持ちいいよー?」&br;カトラが目のやり場に困って、遠くを見ていると、夜と夕日の色&br;のコントラストの中に、緑が輝いた。&br;&br;水平線に、不知火のような灯が浮かんでいる。&br;もしや、と思い足元に目をやると、足元で砂粒が緑光を放っている。&br;&br;空が昏くなるにつれて、密やかな光は輝きを増して…。&br;とくにカトラとウルメル、レィメル達の足元で強く輝いているのだから。&br;思わずカトラはバッ!と後ろを振り返って睨んだ。&br;大丈夫、砂皇蟲の気配はない。&br;&br;「砂漠の砂が、夕日に共鳴しておるのか」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2020-01-07 (火) 01:12:39};
---&br; 「私もきらきらしたいなー」&br; 「クリスマスツリーの様に言うななのだ……」&br; 言うカトラだが、サ姫の気持ちもわからないでもない&br; 燐光に触れていると、普段とは違う何か特別な気分になってくる。&br; それはきっと、カトラの表情にも出ているはずで&br; 同じ気分を共有したくなるのは当然の事です。&br; &br; 「むぁー♪」&br; 「みぅー♪」&br; 「どうしたの…あ…わぁ……」&br; サ姫の気持ちを察したのか&br; ウルメルとレィメルがサ姫の周りを回りながら輪を描き始めました&br; 燐光の輪。それはまるで世界の円輪を表している様にも見えたり……&br; 見えなかったり…? -- [[サキ>IK/0018]] &new{2020-01-07 (火) 01:38:37};
---「何をしてるなのだおぬし等」&br;カトラがあきれたように言うと、ウルメルとレィメル達は、水を掬&br;い上げて、思いっきりサキにかけ始めた。&br;「うひゃぁ」&br;「おー、きらきらではないか」&br;夜の帳が降り始めた水辺で、巻き上げられた飛沫は一層強く輝く。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2020-01-07 (火) 02:17:53};
---「きらきらだー♪」&br; 輝きを纏いながらサ姫は裸身のまま踊る様に回りました。&br; 夜が濃くなる中、浮き上がる姿は神秘的でもあり&br; 普段共に過ごしているカトラですら&br; 一瞬彼女が魔族である事を忘れてしまうほどでした。&br; &br; 「わふー♪」&br; 「ぷみー♪」&br; そしてウルメルトレィメルはサ姫と一緒に回りながら&br; さらに水飛沫を立て、煌めきを周囲に振り撒いて行きます。&br; &br; 「ん、こほん…あまりはしゃぎすぎて風邪をひかぬ様になのだ」&br; 「カトラちゃん…?ここはあったかいし大丈夫だよー♪」&br; 近付きにっこり微笑むサ姫に、目を逸らしてしまうカトラさん -- [[サキ>IK/0018]] &new{2020-01-07 (火) 22:40:32};
---「そうじゃなくて…せめて水着をだなぁ…って」&br;言いかけて、カトラは空を見上げた。&br;自分たちが瞬間移動でもしたのかと思ってしまう。&br;&br;夕暮れは無く、格子状の構造物から覗くのは銀河の星々。&br;星の光が染みこんだのか、水辺全体が淡く光だす。&br;河だけではない、闇に沈んだ砂漠も淡い緑の光に包まれて、薄緑の&br;草原のごとくなっている。&br;&br;闇の中に、どこまでも、大地と水辺の光が広がり、やがて遠くにあ&br;る地下都市の壁面を、山脈の幻のごとく照らし出す。&br;&br;「共鳴なのだ?でも、この共鳴は我らよりずっと大きな…」&br;その時、格子から覗く銀河を光が包み、覆った。&br;地上のよりも鮮烈な、揺らぐ緑色の光が、空にさぁっと輝いたのだ。&br;&br;オーロラにも似て、銀河の星々と地上との間に引かれた、薄いヴ&br;ェールは、音もなく揺れ、やがて地上の光もその動きに同調していく。&br;揺らぐ光に満たされた砂漠は、明るく陽光の揺らめく海中に似て。&br;深海で見た光るクラゲたちが、あたりを埋め尽くすように漂う。&br;&br;地下海の死に横たわる闇の底で、レイクマザーがクラゲ達を引き連&br;れて、大きな海流となって昇って行ったように。&br;頭上の途方もなく巨大な何者かが、地上の全てをその薄衣のような&br;光で撫でて、かき混ぜている。&br;&br;カトラの体から、共鳴の光が蛍のように浮かび上がった。&br;不思議なことに、ウルメルやレィメルだけでなくサキの体からも&br;光は浮かび、体を包み込む。&br;暖かさと、揺蕩う流れを感じる。&br;肌ではなく、自身の体のもっと深い部分で…。その固有波形は、空&br;を覆った光の揺らめきと同調していた。&br;&br;あっけにとられていた。&br;時間にしてものの数分だったろう。&br;言葉もなく、ただ光に世界が飲まれるのに魅入って居たら、いつの&br;間にか、また夜に戻っていた。&br;&br;青い月明りの、明るい夜だ。&br;幻でも見たような気分だったが、空を覆った緑の光の名残は、まだ&br;残っていて。&br;誰ともなく、思わずため息をついた。 -- [[カトラ>名簿/498097]] &new{2020-01-08 (水) 00:00:31};
---&br; 「夢を見ていたみたい……」&br; サ姫が呟いた。横顔を見れば仄かに紅潮し&br; 幻想の虜となった様な、蕩けた表情を浮かべていました。&br; 夢魔である彼女をも魅了する光景。&br; それがそこにあった。&br; &br; 「…ねぇ、カトラちゃん……」&br; 「うむ……」&br; サ姫が空を見上げたまま言葉を紡いだ&br; しかし、言葉はそこで途切れてしまいました&br; 何を言えば良いのか、わからないのでしょう。&br; あるいは言ってしまうと。今の光景が嘘になってしまう様な。&br; 眠りの中から抜けだしたくない、そんな感覚。&br; &br; それはウルメルとレィメルも同じなのか。&br; カトラとサ姫の間で空を見上げたまま&br; 天へ手を伸ばしていました -- [[サキ>IK/0018]] &new{2020-01-08 (水) 00:20:45};
---ウルメル レィメルが両手を上げたまま鳴き声みたいな声を上げた。&br;カトラも、光景に圧倒されるあまり、半分もって行かれて&br;いた意識が戻って来たような気がして、ふむぅ…と頷いた。&br;&br;「星を渡る者の光なのだ…。あの時の光なのだ…」&br;独り言をするように、カトラは呟いた。&br;「…前に、カトラちゃんが見たっていう、宇宙を飛ぶことができる&br;神ドラゴン…?」&br;カトラは、空を見上げたまま頷いた。&br;&br;「ただ飛ぶだけではない…。星々の世界から命を乗せて、運んで&br;くるのだ。そして星をすり抜けるときに、命を零していくのだ」&br;説明するというより、思い出すようにつぶやく。&br;&br;「樹となった我らの同胞は、星を渡る者が零した命を、受け止めて&br;地下に生きる者たちに分け与えていたのだな…」&br;&br;ドラゴンの樹に蓄えられた命は、砂皇蟲に砕かれて砂となり。&br;砂は、河から深海へ積もって、レイクマザーの回遊で、命の光とな&br;って、地下都市の隅々まで水を通して運ばれていくのだ。&br;&br;水は全ての生き物を潤し、生き物達とその世話をするドローン達まで&br;巻き込んで、絶え間なく続く命の循環を作り出す。&br;かつて、彼らの祖先が地上で生きていた時と同じように…。&br;&br;死に絶えたように静まり返る地下都市の中、ドラゴンの樹は、多く&br;の命が残っていた地下の箱庭を、その身に包み守っていたのだ。&br;&br;「まるでドラゴンの国のようなのだ…」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2020-01-08 (水) 01:02:12};
---&br; 「…ドラゴンの国みたい…なんだ」&br; カトラの話をぼんやりと聞いていたが&br; その言葉を聞けば何か納得した様に復唱しました。&br; &br; 「ここいい場所だもんね……」&br; 短く呟くと、周囲の景色を見渡しました。 -- [[サキ>IK/0018]] &new{2020-01-08 (水) 22:59:52};
---静かな砂漠の夜に、動くものは水面のさざ波だけだ。&br;風もなく、静かに、月明かりを瞬かせている。&br;それでも、そこは、とても満ちているような気がする。&br;正確に表す言葉は存在しない。百万の言葉を尽くしても決して描き&br;出すことはできない。&br;ただ、大いなるモノに満たされた夜があった。&br;
「…そうだな」&br;しばらくしてから、カトラがそう言って。&br;サキは、カトラと同じように、景色に魅入っていたウルメルとレィメルの&br;手を両手に繋いで。&br;「明日は…どこに行こう?」&br;微笑みながら、そう言って。&br;「…そうだな」&br;カトラも少し笑っていた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2020-01-08 (水) 23:18:50};
---・&br;・&br;・&br;地下の森で3日目の朝が来ると、4人とドローン達は、また列車で&br;別のエリアへと向かった。&br;&br;はるかぜが、相変わらず砂漠は危険なので近づかないように、と&br;念押しするのに、流石のカトラも根負けしたので。あの砂漠以外&br;の場所で、ということになったが。&br;それでも、まだまだ見てない場所だらけだった。&br;&br;今度こそ、ジャングルエリアにたどり着けば、カラフルだったり&br;奇抜な姿の動物達に驚き。&br;&br;樹冠に設置された遊歩道から、樹々に暮らす猿や鳥たちの住む世界&br;を散歩するという体験もできた。&br;ウルメルが、手につかめるサイズの生き物をとりあえず掴んで&br;食べようとするのを&br;「カトラちゃんに似て拾い食いの癖が…」&br;「え、我のせい?」&br;などと言い合ってみたり。&br;&br;また別のエリアで、馴染みのどんぐりの森が自生しているのを&br;見つけたりもした。&br;1年中実をつける、不思議などんぐりの木は、地下でドラゴンの樹&br;の影響を受けたのか。どんぐりの量も大きさも、ほぼ栗だった。&br;&br;となれば、当然採集もするし、久々にクッキーも焼いた。&br;レィメルが飲み込みの速さと手先の器用さを発揮して、すぐに&br;作り方を覚えたのには、2人も少し驚いた。&br;&br;また別の日&br;「さ、寒い…!こんな場所もあるんだねぇ…あ、おっきなペンギンさん」&br;「みゃみゃみゃ…」&br;「ぬぁっぁ…」&br;『現在気温-10℃です』&br;「春先がこんな感じじゃのー。ドラゴンの国では温い方じゃぞ?」&br;「ええ…」&br;サキ達3人が寒さに震えたのは、極地のエリアだ。&br;カトラだけ、半袖姿で平然としていた。&br;&br;舞台裏も覗かせてもらった。&br;ドローン達の整備工場だ。&br;「あちこちの施設は殆ど根に飲まれておるが、ここは無事なのだ」&br;「でもちょっとツリーハウスみたいになってるー」&br;『自立型ドローンのみによる施設運営の実験場でもあったため&br;ドローンによる独自改修がなされています』&br;&br;ドローン達は、ドラゴンの樹も素材に利用して、独自のシステムを&br;構築していた。&br;樹は都市に破壊をもたらしたが、ドローン達とはうまくやっているようだ。&br;&br;途中で、6本足、ボール、トリが、同型のドローンの群れに紛れて&br;ドローントリオを必死に探すハメになったりもした。&br;・&br;・&br;・&br;数日が、あっという間に過ぎて行った。&br;&br;「ぬぁー…今日も疲れたなのだ」&br;「…ふふっ、いっぱい遊んだもんねー。ウルメルとレィメルも&br;すっかり日焼けしちゃってる…」&br;開放的な海上コテージのベッドで4人とも並んで寝そべっていた。&br;トリとボールは子供らの手に握られたり、抱き枕になって。6本足は&br;脇で侍るように足を畳んで座っている。&br;静かな波音が、ランプを揺らす。&br;&br;2〜3日前に、宿泊可能な施設が現存しているのを見つけ、拠点を&br;移した。&br;海上コテージを選んだのはサキだ。&br;故郷の魔界には、明るい南国の海はなかったからか、海辺はお気&br;に入りらしい。&br;&br;ランプの灯の下に、子供のおもちゃやら、カトラの釣竿や籠が&br;置かれていて。&br;他にも必要なものは、どんどん、はるかぜの列車から持ち込んだ&br;から、本来リゾートのコテージなのに、すっかり生活感が出てし&br;まっている。&br;はるかぜのスイートルームは申し分なかったが、やっぱり家は良&br;い物だ。キッチンも付いているし。いつでも釣りができる。&br;カトラもまんざら嫌ではない様子である。&br;かなりバージョンアップしたが、夏を過ごした入江を思い出す&br;住み心地だ。&br;&br;「…静かじゃのう…。まぁ昼間あんだけ暴れればぐっすりにもなるかなのだ」&br;頬杖しながら、カトラは寝っ転がって、すやすやと眠るウルメルと&br;レィメルをぷにぷに突いた --  &new{2020-01-12 (日) 00:53:32};
---&br; 「ふふっ…♪」&br; 穏やかな日常。それがなんだか楽しくて嬉しくて&br; だから、サ姫も顔も自然と笑みになってしまいます。 &br; 「にやにやしおって、一体なんなの…うにゅ」&br; サ姫にほっぺを突かれるカトラさん。&br; 耐久と防御力は極めて高いカトラだけど&br; ほっぺはもちもちと柔らかかった&br; &br; 「うん、なんとなくー…ちょっと来て」&br; 『ピッ』&br; にこにこしながら六本足ドローンを手招きしました&br; 「明日はどこに行こうか?まだ行って無い場所たくさんあるし……」&br; サ姫は言うと、ドローンに周辺の地図を投影させました&br; ランプの仄かな灯の中に、立体投影された地図がぼんやり浮き上がった。&br; &br; 森林エリアだけでも様々な環境がある。&br; 気温や湿度が少し違うだけ住む生物は変わる。&br; 海や湖もそうだ。氷の極海に、暖かい温海。&br; 深さや流れの強さでも変化する。&br; まだまだある、沼もあるし迷路の様な洞窟も……&br; それに、砂皇蟲をはるかぜが知らなかったように&br; 地図やガイドに載っていない環境もあるかもしれない……&br; それらを発見し、開拓して行くのも楽しそうです。&br; &br; 「どこがいいかなー、ウルメルとレィメルが喜びそうな……」&br; 「ふむ、我は美味い肉が食いたいのだ」&br; 「もうカトラちゃんったら…今日もお昼に食べたでしょー?」&br; そうだったか?そうだよ?と突き笑い合う二人&br;和やかな空気の中、夜は更けてくのでした…… -- [[サキ>IK/0018]] &new{2020-01-12 (日) 01:39:50};
---・&br;・&br;・&br;「………って、ダメだこれー!」&br;「?」&br;「みゅぁ…」&br;「ぬぁ」&br;カトラが急に叫んで、みんな不思議そうに起きだす。&br;「ダメだこれー!?」&br;夜の海にカトラの叫びが吸い込まれていった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2020-01-12 (日) 01:50:52};