&br;
[[&size(18){''花粉''};>http://notarejini.orz.hm/?IK%2F0017]]/[[&size(18){''かふん''};>http://notarejini.orz.hm/?IK%2F0018]]&br;※[[カトラ>IK/0017]]と[[サキ>IK/0018]]の共用コメ欄

&br;

#pcomment(いっぱい出て浴びるとドロドロになるものなーんだ?,2,below,reply)
#region(|log|)

-パカンッと潜水艇の非常用ハッチが開いて、カトラが顔を出した。&br;「はー…今日はよくびしょぬれになるなのだ…」&br;ザァーンと、心地よい潮騒と風が、水平線の向こうから来て、横を&br;通り過ぎて行く。&br;ボールとトリと6本足のドローン’sが応急処置したおかげで助かった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-09 (月) 23:47:24};
--「海なのだ…見渡す限り海なのだ…」&br;晴れ渡った空にカモメも飛んでいる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-09 (月) 23:48:12};
---カトラに続いて&br; 「がぅー♪」&br; 「みゅぃ♪」&br; その両肩に乗っかるようにウルメルとレィメルが顔を出しました&br; 以前と比べ、随分と懐いた物です。&br; &br; 「あ、カモメが飛んでる♪」&br; 飛んでますよ。カトラの頭に乗っかる様にサ姫も顔を出しました&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-09 (月) 23:56:57};
---「ピュイ」&br;「ピッ」&br;サキの上にボールドローン、その上にトリドローン。&br;「貴様ら、なぜ上に積み重なりたがるなのだ…」&br;圧し潰されるカトラの横に、6本足ドローンが伸ばした&br;潜望鏡カメラが出てきて見つめ合って目をしばたかせ合った。&br;&br;『海洋エリア表層に出ました。最寄の施設までおよそ2026m…』&br;「あの小さく見えてる島かの」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-10 (火) 00:27:25};
--- &br; 「カトラちゃんって乗っかりやすいと言うか……」&br; 「我は主の乳起き場ではないのだ……」&br; 「乗せてほしいの?」&br; 「人の話はちゃんと聞くのだ。まぁ良い、近場の陸地はそこだけの様だななのだ」&br; 周囲を見渡せば、霞んだ山や不可思議な構造物の輪郭等は見える&br; しかしカトラの経験上、あの手の物は想像よりも遥かに遠い物だ。&br; &br;「じゃああの島に行ってみようか?服…べたべたするし」&br; 「わぅ……」&br; 「みぃ……」&br; 服は潜水艇の乾燥機能で乾いたが&br; 海水で濡れた服は、乾いても塩でべたつき心地良く無い&br; &br; 『かしこまりました、では施設まで移動します』&br; はるかぜが返事をすると、小さなノイズの後に電磁式推進機構が稼働し&br; 潜水艇は静かに水上を移動しはじめた&br; &br; 「そういえば、ここって海エリアなんだよね?どう言う事?」&br; 「ふむ、そう言えば淡水の湖から潜って海に出るとは奇妙な話しなのだ」&br; 湖は上層は淡水と深層部は海水と言う二層になっていたが&br; それゆえ、層構造になっていない領域があるのは不思議だった。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-10 (火) 00:43:57};
---『海洋エリアは都市構造物の壁で、他エリアと隔てられています。 &br;主に、浅海に生息する生物の保護施設となっています。&br;また、世界最大の容量を持つ水槽でもあるため、養殖場としても&br;使用されていました』&br;&br;「サファリパークの水族館版みたいなもんかの」&br;『左様でございます』&br;&br;『深海の海水層は地下都市全体に、熱と物質を送り届けるポンプの&br;役目もはたしています。&br;それゆえ深い部分ではつながっているのですが、表層ではできる限&br;り多く、かつての地球環境を再現するため区分けされています』&br;&br;「水槽の上の部分だけ仕切り板があるみたいな構造なんかのー」&br;『左様でございます』&br;&br;不意に、もともと静かな電磁式推進器が、すんっ…となって&br;まったく沈黙してしまった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-10 (火) 01:07:13};
---「あれ?」「むぃ?」「みぃ?」&br; 「…動力が止まった…のだ」&br; はるかぜの説明に皆で感心した直後の動力沈黙&br; 突然の出来事。皆、唖然とするとしかなくて。&br; &br; 『機関部に異常を確認。浸水した際に海水が入った様です』&br; 「異常なのだ?さっきの様に、ドローン達による修理は可能か…なのだ?」&br; 『回答。繊細な部位であるため、浸水部位の総合的なチェックが必要となります』&br; つまりこの場での応急処置は無理らしい。&br; &br; 「えっと…じゃあこのまま漂流…?」&br; 「むぃぃ」&br; 「みぃぃ」&br; 幼いながらに厳しい状況を察したのか&br; ウルメルとレィメルは泣きそうな顔でサ姫に抱き付いている。&br; &br; 「漂流、それは…なのだ」&br; 言葉に詰まるカトラをじっと見詰めるサ姫、そしてウルメルレィメル&br; そこには不安と同時に&br; カトラちゃんなら!と言う期待も込められている様にも見えて。&br; &br; 「ええい!そんな目で我を見るななのだ!」&br; 両手を上げ切れ気味な声を上げるカトラだったが……&br; 「わかったのだ!誇り高き神域のドラゴンの力見せるのだ!」&br; 刮目せよとばかりに服を脱ぎ捨て海に飛びこもうするカトラ&br; だったが……&br; &br; 『島の方から当艇へ接近しますのでそこでメンテナンスおよび修理出来ます&br;この場での待機を推奨します』&br; 「…は…?なのだ」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-10 (火) 01:41:47};
---首をひねりつつ、もう一度島影の方を見た。&br;すると、どういうわけかさっきよりも大きくなっているではないか。&br;切立った山が聳え、森覆われた絵に描いたような無人島である。&br;&br;「島…のような船なのかの」&br;『移動式のメガフロートですね、海洋エリアを周遊するための&br;レジャー施設です』&br;「なんでもあるなぁなのだ」&br;とりあえず、カトラは服を着た。&br;・&br;・&br;・&br;浜辺近くまで森の茂る、こじんまりとした島であった。&br;小学校の校庭ぐらいである。一周300mくらいだ。&br;&br;コンクリ製の桟橋に潜水艇が横づけされると、ヤシの葉っぱをミノムシ&br;みたく着込んだドローン達が寄ってきた。&br;『ここの設備もドローン達により維持されています。安全が確認&br;されましたので。当施設でおくつろぎになり、お待ちください』&br;&br;「と言ってものう…なーんも無い小島にしか見えぬなのだが。&br;水場でも探すとするかなのだ」&br; -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-10 (火) 21:55:57};
---「ぬぁー!」&br; ウルメルが雄叫びを上げながら飛び上がると&br; ぴこっと桟橋へと着地し決めポーズ。&br; 「う、ウルメル危ないよー!?」&br; 「りゅー…!?」&br; 止める間も無いウルメルの行動に&br; サ姫とレィメルはあわあわと慌てるしかなくて&br; &br; 「ふん、奴も神域の竜ならば、この程度の飛翔で怪我するはずもないのだ」&br; とか言うカトラさんだけど、上陸一番乗りを取られて少し悔しかったり。&br; &br; &br; そんなこんなで全員上陸。すると……&br; 「おお?なのだ」&br; 「こんな仕掛けあったんだ……」&br; 「ふひゃぁ……」&br; 「ぴゃあ…?」&br; 接岸した潜水艇が持ち上がってきたではないか&br; 下部を見れば、大型のフォークの様なアームでジャッキアップされていた&br; 『船舶のメンテナンスシステムにより潜水艇のチェック及び修理を実行します』&br; はるかぜの声が聞こえ&br; ミノムシドローン達がわらわらと潜水艇に群がり始めた。&br; &br; 「潜水艇は任せてよさそうなのだ」&br; 「だね。私達は水場を捜そうか…?」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-10 (火) 22:31:11};
---「ぬぁー!」&br; ウルメルが突然、雄叫びを上げながら飛び上がった&br; そして、ぴこっと桟橋へと着地し決めポーズ。&br; 「う、ウルメル危ないよー!?」&br; 「りゅー…!?」&br; 止める間も無いウルメルの行動に&br; サ姫とレィメルはあわあわと慌て取り乱してしまう&br; &br; 「ふん、奴も神域の竜ならば、この程度の飛翔で怪我するはずもないのだ」&br; とか言うカトラさんだけど、上陸一番乗りを取られて少し悔しかったり。&br; &br; &br; そんなこんなで全員上陸。すると……&br; 「おお?なのだ」&br; 「こんな仕掛けあったんだ……」&br; 「ふひゃぁ……」&br; 「ぴゃあ…?」&br; 接岸した潜水艇が持ち上がってきたではないか&br; 下部を見れば、大型のフォークの様なアームでジャッキアップされていた&br; 『船舶のメンテナンスシステムにより潜水艇のチェック及び修理を実行します』&br; はるかぜの声が聞こえ&br; ミノムシドローン達がわらわらと潜水艇に群がり始めた。&br; &br; 「潜水艇は任せてよさそうなのだ」&br; 「だね。私達は水場を捜そうか…?」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-10 (火) 22:31:11};
---空腹よりも渇きの方が辛い。&br;だから元気なうちに水の確保を優先する。&br;サバイバル経験で身に着けた知恵である。&br;&br;「塩水飲み過ぎて口しょっぱいしなーなのだ」&br;「だねー」&br;今は単に喉が渇いただけだった。&br;持ってきた水筒はウルメル達が逆さにして覗き込んでいた。&br;とっくに空である。&br;&br;「ヤシの実でもありそうな雰囲気なのだが…お、あった」&br;浜辺に実をたくさんつけたヤシの木が揺れている。&br;中の果汁はそのままで美味しい、天然のジューススタンドだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-10 (火) 22:45:06};
---「よしよし、少し離れているのだ」&br; 「カトラちゃん…どうするの?」&br; こうするのだ!と、カトラは木の幹を抱き抱えるとグラグラと揺らし始めた&br; 揺らして実を落す作戦だ。飛べる二人で直接獲りに行くのも良いが&br; こうやって落して採取するのも楽しい。&br; &br; 「納得!二人とも危ないから離れるよー」&br; 「むぃ?」&br; 「みぃ?」&br; わからぬままサ姫に促され、ヤシから離れるウルメルレィメル&br; &br; 「落ちろ落ちろなのだ…ん?」&br;『カチッ』&br; 「あ、あれ…カトラちゃん揺らし過ぎ……」&br; カトラがヤシを揺らすと地面まで揺れ始めました。&br; &br; 『Shop Formation Start up』&br; 「今のはるかぜさん?違う声…わわ?」&br; 「がぅー♪」&br; 「みみっ……」&br; 聞き慣れぬ合成音が響き、地面がせり上がり始め&br; 出現したのは……&br; &br; 「お店…だよね…?」&br; 「これは…海の家なのだ……」&br; レトロ感覚あふれる海の家が出現しました&br; 『夏!』や『氷』の文字が描かれた旗やのぼりまでありますよ&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-10 (火) 23:12:11};
---「思ってたんと違うが、飲物も手に入ったな」&br;氷の入ったクーラーボックスの中から瓶を取り出す。&br;栓を指で剥がすとしゅぽっと音がした。&br;&br;店の中を見れば、椅子にテーブルがあり、上がって休めそうな畳の&br;小上がりも用意されている。&br;ちょうどいい、朝から色々と働いたし昼寝でもしようかと思っていたら。&br;「見て見てカトラちゃん!こっち水着とおっきい浮き輪とかもあるー!」&br;きゃっきゃっとはしゃぐ3人の声がする。&br;&br;「なんでもあるのう…ふぁ…我は昼寝…ぶふっ」&br;ウルメルがいじってた水鉄砲が暴発、顔に水をぶっかけられた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-12-10 (火) 23:39:09};
---「ふん!我はその程度で怒りはせ…ぶふっ」&br; 「がぅー♪」&br; 二発目の水。威嚇するように両手を上げるウルメル。&br; 「我を本気にさせたな?なのだ…一番でっかい水鉄砲をよこすのだー!」&br; 怒りました。水鉄砲のコーナーに駆け込もとするとカトラだったが……&br; &br; 「あ?カトラちゃん!水遊びするなら水着に着替えないと!」&br; 「とー!」&br; 「いやいや?いつもこの格好ではないか…ぬぁー!」&br; 既に水着に着替えていたサ姫とレィメルに連行されるカトラさん。&br; ちなみにサ姫の水着は胸下がヒラヒラとした白のビキニタイプ。&br; ウルメルとレィメルは胸に「うるめる」「れぃめる」と名札の付いたスク水(旧型)&br; でもって……&br; &br; 「カトラちゃんかわいいー!」&br; 「みぃー♪」&br; 「うぐぐ…最近このパターン多くないか?なのだ」&br; 水着に着替えたカトラ登場(ファンファーレ)&br; 服を剥がれ、フリル過多のセパレートタイプ水着を着せられました&br; 二の腕や太腿にもフリルの飾り。角にはリボンを編んだ花飾り&br; 色はカトラのイメージに合わせた赤を基調にした物&br; 胸元には薔薇をイメージしたフリルの飾りが高貴さを演出します。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-12-11 (水) 00:16:17};
-  --  &new{2019-12-09 (月) 23:47:08};

-&br;まだ、カトラ達が眠っていた時間。&br;日の上る直前、もっとも夜の暗い瞬間である。&br;不意に、空を緑色のオーロラが音もなく覆いつくした。&br;カーテンのように分厚くはっきりとしたオーロラの、ひらひらと&br;舞う端からは、漆黒の宇宙空間に瞬きもせず散らばる星々、そして&br;頭上にのしかかるほどに巨大な月が姿を見せる。&br;&br;異常な光景だった。&br;オーロラに覆われた夜空は、穏やかな地上の空で、切れ目からは、&br;宇宙空間に放り出された漂流者の視点である。&br;&br;10分程で、空が白み始めると、オーロラも巨大な月も消えた。&br;朝日が昇ると、目覚める直前の夢だったかのように、ちぎれた&br;綿雲を太陽が黄色く染めていた。&br;&br;湖面には黄金色の光を受けた朝霧が、ゆったりと立ち込めている。&br;目を覚ました水鳥達の影が点々と、霧の中を動いている。&br;夜露に濡れた、はるかぜの運搬車のフレームに小鳥が停まって&br;小さく鳴いてまた飛びたっていった。&br;&br;テントの中ではまだ4人が寝息を立てている。&br;熟睡中だ。&br;レィメルとウルメルに背を向けていたカトラの尻尾が、夢でも&br;みているのか、うねうねと動いている。&br;動きながらウルメルのほっぺたを先端の毛で叩いている。&br;ウルメルは寝ながら口を開いて…。&br;&br;「………んっひょぅぁあぁああ!?」&br;カトラが素っ頓狂な悲鳴を上げて飛び起きた。&br;「もにょ…もにょ…もにょ…」&br;ウルメルは口いっぱいに尻尾を頬張ってもっちゃもっちゃ噛んでいる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-01 (金) 23:56:55};
--&br; 「ひゃふっ…?何…何事ぉ…?」&br; 「…ふにぃ……」&br; カトラの悲鳴に驚きサ姫も飛び起きた。&br; 一方レィメルはサ姫の胸に抱き付いたまま寝息を立てていた。&br; &br; 「ふぁ…カトラちゃん何かあったの…?」&br; 半分閉じた目のまま、サ姫はカトラに問い尋ねた。まだ眠そうだ。&br; 「…みぅ…?」&br; サ姫の声に反応しレィメルが頭を上げた。でもまだ半分寝ている様です。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-02 (土) 01:03:18};
---「しっぽ!尻尾が溶け………ア゛ア゛ッ!?」&br;変な悪夢を見て飛び起きたカトラは、しっぽをもちゃる&br;ウルメルを睨みキレ気味な声をあげた。&br;「止めんかバカ者ー!うわーっ!尻尾がべっちゃべちゃなのだ…」&br;尻尾の先についている、ふさふさした毛が唾液まみれである。&br;「むにゅむにゅ…けぽっ」&br;ウルメルは寝ぼけながら猫めいて毛玉を吐いた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-02 (土) 01:22:44};
---「あはっ?…ウルメルはカトラちゃんの尻尾が好きみたいだねー」&br; 「笑いごとではないのだ、我の尻尾はおしゃぶりでは無いのだ」&br; 笑うサ姫に尻尾を拭かれながら、カトラは頬を膨らませた。&br; レィメルはウルメルが吐き出した毛玉をコロコロと指で突いてる。&br; &br; 「でも、ほら…子供は親の尻尾に甘えるものだし…?」&br; そう言ってサ姫は自分の尻尾をウルメルの前に出してみた、すると……&br; ウルメルは寝惚けながら、尻尾を咥え様と口をぱくぱくとし始めた。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-02 (土) 22:22:04};
---「えぇー…」&br;しっぽをおしゃぶりにさせるサキをみて、寝ぼけつつドン引きな&br;表情を浮かべるカトラさんだ。文化の違いというやつだろう。&br;「ふぁー…ぁ…、もう寝なおそうにもしっぽべっちゃべちゃで気&br;持ち悪ぃのだ…洗ってくるのだ…」&br;あくびしながらテントの入り口をめくると、朝日が眩くて目を細める。&br;&br;「さわやかな朝なのだ…」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-02 (土) 23:04:15};
---朝霧漂う湖面は幻想的に輝き&br; カトラの朝声は霧の彼方へ流れ消えて行く&br; 一方で朝を告げる鳥の歌声が&br; 遠く彼方からカトラの耳へと届き穏やかなリズムを囁く&br; &br; 「海の朝とはまた違うね……」&br; 「むぃ〜……」&br; 「ぷに?にゃう」&br; カトラから遅れて、サ姫とウルメルレィメルもテントから這い出して来た。&br; でもウルメルはまだ寝惚けているのか&br; 明後日の方向へとふらふらと歩いて行きそうになったのを&br; レィメルに手を引かれ戻って来ました。&br; &br; 「ん〜…なのだ」&br; 「ううん〜♪」&br; 「がぅ〜」&br; 「ぷぃ〜」&br; そして四人横に並ぶとみんなで深呼吸&br; ここが地下とは思えないほどに空気が美味しい。多分マイナスイオンも豊富です。&br; 豊かな自然と眠る者の力で空気が澱む事無く浄化されているのでしょう。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-03 (日) 21:31:18};
---『みなさま、おはようございます。本日は午後に降雨予定がございます、雨具の用意をお忘れなく』&br;「おはようなのだ、わかったのだ…ふわ…」&br;テント脇に駐車していたはるかぜに挨拶すると、それから、4人並&br;んで湖で顔を洗う。冷たさで眠気が洗い落とされるようだ。&br; ウルメルとレィメル達はサキに顔を拭かれて世話を焼かれている。 &br;&br;「朝餉はどうするかなー」&br;水が冷たいので、カトラは尻尾だけ湖に入れて&br;ばちゃばちゃ振って洗う、横着だ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-03 (日) 23:14:56};
---「ぬ、ぬぁ〜ぷわぁ♪」&br; 「にゅい、にゅい…みゅい♪」&br; サ姫に顔を拭かれながら&br; ウルメルとレィメルは面白い声を上げ笑った。&br; きっと自分の声が面白いのでしょう。&br; &br; 「ん♪二人ともキレイキレイできました…♪」&br; 二人の顔を拭き終え、自分もと湖で顔を洗い始めた所で、ふと気付いた。&br; 「カトラちゃん?尻尾の先に何かいない…?」&br; 水の中で揺れるカトラの尻尾の先に&br; 毛先とは違う何か黒い影が見え隠れしていた。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-03 (日) 23:33:56};
---「え?…うわっ魚が釣れた!」&br;銀色の鱒のような魚が飛沫をあげて水面から飛び出した!&br;空中で口を離し身を翻す魚を、カトラは反射的にキャッチ!&br;&br;「おおお!結構な大物ではないか!これ絶対旨いやつじゃろ!」&br;30センチを越える太った魚だ。朝からツイているぞ。&br;「よし、これを朝食にするなのだ!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-03 (日) 23:45:12};
---「すごい!?尻尾で魚を釣るなんて絵本みたいだよぉ♪」&br; 「わぅー♪」&br; 「みゅぃー♪」&br; サ姫が拍手をすれば、ウルメルとレィメルも一緒に拍手を始めた。&br; 「うぉーなのだー!」&br; 拍手を受けながら、獲物を掲げあげるカトラさん。&br; &br; そんな訳で、朝餉はカトラの釣り上げた魚をメインとする事に。&br; 「魚の他にも何か…あ!ダッチオーブンがあるからリンゴ焼こうか?」&br; 「ふむ?焼きリンゴなのだ?甘い物なら問題ないであろうなのだ」&br; サ姫が料理をどんな食材でも甘いスイーツ味にしてしまうが&br; 元から甘い果実ならば、スイーツになったとして問題ないはず。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-04 (月) 00:00:06};
---「そうと決まれば―…ふふんっやはり持ってきておいてよかったのだ!」&br;ヴァル姉の鞄から、カトラは手慣れた様子で釣竿を取り出し、小箱&br;の中の大量のルアーの中からマス釣り用を選ぶ。手作りだ。&br;&br;「適当に尻尾を入れただけで釣れたのだ、良いポイントなら&br;きっと大漁なのだ。ぐふふ…」&br;キャップも被って40秒で支度完了である。&br;カトラは、釣りが達者であった。&br;&br;「…で、おぬしは向こうで待って居れって、ほれ、あっち&br;こら、ルアーにいたずらしようとするんじゃない、おもちゃじゃないのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-04 (月) 00:17:38};
---「二人は釣りに興味津々なのかな?」&br; 初めて見る釣りに好奇心を刺激されたのか&br; ウルメルとレィメルはカトラの周りから離れようとしない&br; ここ最近、カトラと共に行動する事の増えたウルメルだけで無く&br; レィメルもウルメルの背中から顔を出したり引っ込めたりカトラの様子を窺っている。&br; &br; そんな二人を見れば、サ姫は納得した様に頷き。&br; 「私…向こうで竈の準備するから、カトラちゃん二人をお願いね?」&br; そう言うと、ダッチオーブンを手に竈の方へと行ってしまった。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-04 (月) 00:45:14};
---「ええー!?…仕方ないのぅ…」&br;&br;不承不承引き受けたが、この湖、ざっと見渡しても釣りに良さそう&br;なポイントがいくつもある。&br;岸の近くは程よい岩場と木陰がいくつもあるし、湖の中ほどには&br;沈没船の舳先が突き出していて、良い漁礁になってそうだ。&br;&br;っていうか、ドローン達がすごい勢いで湖面に餌をばら撒いている。&br;魚が飛び跳ねまくる湖面は、まるで沸騰したようになっていた。&br;&br;「デカい釣り堀なのだ。これなら初心者のおぬしらでも楽勝じゃ&br;の。まぁよく見ておれ」&br;カトラは、手慣れた手つきでひょうっとルアーを投げ入れる。&br;わずかに手元で糸を手繰ると、物の数秒でアタリが来る。&br;食いつきが浅い。警戒心が強いのだ。&br;初めての相手だが、竿に感じる感触で、魚の特性を見抜いた&br;カトラは、すぐにリールを巻かずに待つ、すると…ぐんっと強く&br;竿がしなった!その瞬間、カトラはリールを巻き竿を引き上げる!&br;どんな大物も、ドラゴン腕力による手繰り寄せには為す術無し。&br;「はっはっは!この分なら朝餉の前には十分な魚が確保できるなのだ!」&br;50センチ級の魚を自慢げに掴み上げるカトラ。&br;おー…と声を揃えて、ウルメル、レィメルの2人も真似をして竿を&br;振るった。&br;「おっと…やると思ったのだ、竿は横に振るんじゃない、縦なのだ&br;こうな?こう。引っかかって危ないからな」&br;頭の上を掠めたルアーを回避して、さっそく2人に手ほどきする。&br;カトラは釣りが達者であった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-04 (月) 01:13:46};
---&br;「…んー二人共楽しくやってるみたい…よかった……」&br; 遠くからウルメルレィメルのはしゃぐ声が聞こえれば&br; サ姫の表情は自然と笑顔となっていまう。&br; &br; こんな楽しくも素敵な思い出を重ねて行けば&br; カトラとウルメルレィメルの関係は良くなって行くはず&br; 今の自分達に大切なのは『思い出』だ。&br; どんな苦しい状況になっても&br; 思い出す事で笑顔になり強くなれる&br; そんな『思い出』が必要だ。&br; &br; 「そのために、私もがんばらないと…ね…?」&br; 小さく呟くと焼きりんごの下ごしらえを始めた&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-04 (月) 01:29:31};
---&br;カトラがまた一匹吊り上げた。&br;ウルメルとレィメルの方はさっぱりだ。&br;あたりがあって、竿を引いても針だけが上がってくる。&br;&br;この魚を釣り上げるにはコツがあるのだ。&br;やすやすとは教えてやらない。カトラのちょっとした悪癖である。&br;あからさまには見下しはしないが、自分より劣る者の前で余裕をかます&br;のが実は好きなのだ。ちょっと趣味が悪い。&br;「ふふんっ」&br;そうこうしてるうちにまた一匹。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-07 (木) 23:05:40};
---「がぅぅぅ……」&br; 自分の竿へのヒットが無い事にいら立ちを感じたのか&br; ウルメルは獣じみたうなり声を上げている。&br; こう見えて負けず嫌いなのかもしれない。&br; 一方で……&br; &br; 「…みゅぴ……」&br; レィメルは竿を持ったまま頭がゆらゆらと揺れていた&br; 空気の美味しさやマイナスイオン効果等、眠りを誘う要因は多数あるが&br; のんびりな気質の方が大きいのかもしれない&br; &br; 「ふむ、生まれは同じでも個性は出る物なのだな……」&br; そんな二人を見ながらカトラで小声で呟いた。&br; そこへ……&br; 「カトラちゃん、ウルメルレィメルー出来たよー」&br; 甘い匂いを漂わせながらサ姫の声が近付いてきた&br; &br; 「がぅぅ…う…わぅー!」&br; 「ぷみ?みゅぁ!」&br; 当然の様に甘い匂いに反応するウルメルとレィメル&br; 「良い匂いなのだ!ここで朝餉にするか…なのだ…ん?」&br; カトラが釣った分の魚は多数ある&br; 釣りの続きはまた後でも良いかも?&br; そんな事を思っていると、ウルメルの竿が大きく揺れた!&br; &br; 「むぃ?ぬぁ!?」&br; ウルメルは竿の反応と甘い匂いの間できょろきょろしている&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-08 (金) 00:11:22};
---「よそみしないで、引っ張り上げるのだ」&br;カトラが手を貸して竿を引く。&br;「おっおっおっ!?なんだ引きが強いぞ!&br;お前、よそ見してないでちゃんと引きあげるのだー!」&br;「あぅ?ぬぁ!?」&br;ウルメルが竿の方に注意を向けたとたん、ずずっと足元が&br;すべって湖に引っ張れた。&br;慌てて両手で竿を持って踏ん張る。それでも引きずられてしまう!&br;「さっき片手で押さえてたじゃろー!?」&br;幼いウルメルはまだ神ドラゴンの怪力を使いこなせていないのだ。&br;状況を察して、目を覚ましたレィメルも加勢に加わる。&br;&br;&br;「ぬぬぬ…手繰り寄せは我がやる!おぬしらは引っ張っておれ!」&br;「ぬいー!」&br;「ふんぬー!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-08 (金) 01:16:24};
---「あ、私も手伝うよ!」&br; サ姫は持っていたダッチオーブンを置くと&br; 急ぎ三人の元へと走って行った。&br; &br; 「よーし!我らの力を見せる時ぞなのだ!」&br; 「いくよーおーえす!」&br; 「にゅぉー!」&br; 「みゅぃー!」&br; 四人で掛け声しながら竿を引くのだが&br; 糸の先に居るであろう存在は湖から姿を見せない&br; それでも四人力合わせれば、徐々にこちらの方が優位となって行く&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-08 (金) 01:32:31};
---「ぬぅ!なんだこの引きは!カジキでもかかったのかなのだ!?」&br;この驚異的な引きと暴れっぷり、決して根掛かりなどではない。&br;&br;「むっ!今なのだ!全員思い切り引けぇー!」&br;通常、怪魚クラスの大物を引き寄せるのは相手の体力が弱ってから&br;だが、カトラにはドラゴン腕力と、優れた手繰り寄せの才がある!&br;&br;全員でせーのっと声を合わせて引っ張り上げた瞬間、水面下の魚は&br;完全に隙を突かれる形で引っ張り上げられた!&br;ドォーンと水柱が上がった。&br;その瞬間、全員があっけに取られて上を見上げる。&br;飛び出してきたのは、カジキどころかクジラ並みの巨体だ!&br;「おわあー!?」&br;竿を握っていたカトラが今度は逆に宙へ引っ張り上げられてしまった。&br;慌てて手を放し、羽を広げるカトラの目の前で真っ黒な巨大魚は&br;身を翻し、針を竿ごと振りほどくと水面へと身を叩きつける。&br;あたりを一瞬夕立のような水しぶきが洗った。&br;&br;「うーわ、なんじゃあれ…ヌシかの…。ってうわー!バカが&br;突っ込んでいったー!」&br;水面に浮かんだ竿を取りにいったカトラの横から、ウルメルが&br;躊躇なく湖にダイブ!&br;&br;「……先に、朝食にするかの?」&br;振り返ると、サキとレィメルがプルプルと首を横に振っていた。&br;カトラは心底めんどくさそうな顔をしてちゃぷんっと湖に入った。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-08 (金) 01:54:01};
---「ちゃんと連れ帰ってねー?」&br; 「るー……」&br; サ姫は水の中へ消えるカトラに手を振りながら呼びかけた&br; そしてサ姫に抱き付きながら、不安そうな声を上げるレィメル&br; 「大丈夫だよ…カトラちゃんがちゃんと連れて帰ってくれるから、ね?」&br; 「みぃ……」&br; &br; 「ねぇはるかぜさん…さっきのおっきな魚は…?」&br; 『資料を検索 ありました&br; レイクマザーと呼ばれる水中環境の循環のために開発されたクジラの一種です&br; 元々はシーマザーと呼ばれる超大型のクジラの遺伝子から複製されたとされています&br; しかし詳細な資料は存在せず、シーマザーの存在も不明とされています』&br; 「超大型…あれも大きかったけど…もっと大きいのがいるかもしれないんだね……」&br; 「ぷわぁ……」&br; &br; 一方湖の中では……&br; 「あのチビ思ったよりも泳ぐのが早いのだ……」&br; カトラは飛び込んだウルメルを必死になって追いかけていた&br; 赤子は生まれた時から泳げると言うが&br; ドラゴンの赤子、それも神域のドラゴンの赤子ならばなおさらの事だろう&br; &br; 「しかしこの湖どこまで深さがあるのだ…?」&br; ウルメルを追い続けるカトラだが、湖の底は未だ見えてこない。&br; 潜り続けるウルメルの前方には先程の巨大魚の姿&br; そろそろ光が届かなくなりそうだ。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-08 (金) 21:47:25};
---辺りは深緑色の闇に包まれはじめ、潜るほどに湖は果てしなく広がっていく。&br;&br;水中に巨大な球根型の岩が、氷山の底部のごとく浮かんでいた。&br;芽のように伸びた突端が、水上の沈没船につながっている。&br;なんらかの装置なのだろうか、球根から伸びた根のようなものが&br;四方八方にどこまでも伸びて、先端は闇の中である。&br;何もない田舎道に、とつぜんキノコ型の巨大な給水塔が現れた&br;ような、得体のしれない異物感が漂う。&br;&br;穏やかな湖面から一転して、水中は茫漠とした薄暗がりであった。&br;追いかけていた巨大魚の姿も闇に消えている。&br;カトラは羽の角度を調節して、速度を上げるとウルメルの尻尾を掴んだ。&br;「もがーごぼっ!?」&br;「息止めておらんと溺れるぞー」&br;ジタバタするウルメルを引っ張って浮上をはじめた。&br;&br;それにしても得たいの知れぬ湖である。&br;ここも地下都市だと言っていたのだから、もしかしたら他の都市と&br;構造は同様で、むやみに高い構造物の一番上だけが森になっていて、&br;下は地底湖のようにすべて水に満たされているのかもしれない。&br;&br;だとしたら、この湖はどれだけ深いのだろう…。&br;行きに見た巨大球根がちょっと不気味だったので、岸に続いてると&br;思しき壁沿いに浮上していく。&br;この壁も壁で、何やら樹の根のようなものに一面覆われていて、ミジ&br;ンコか何かになって、植物の水中根の中を泳いでるような気分にさ&br;せてくれるのだが…。&br;&br;「って、これ神ドラゴンの樹の根っこじゃないかなのだ。&br;こんなとこまで根を伸ばしておるのだなー…&br;お…ここもなんか奥に入れそうな洞窟になって…」&br;「ごぼっもがごぼぼ…ぼほっ………」&br;「お、いかん、空気が切れた」&br;ごぼごぼ泡を吐いていたウルメルが肺の空気を使い果たしたらしい&br;動かなくなってしまったので、とりあえず水面へ急いだ。&br;&br;&br;&br;「ぷはー、もどったぞーなのだー」&br;「ぶぴゅー………」&br;水面に浮かんでくるカトラと、肩に担がれて鉄砲魚みたいに水を噴&br;き出してぐったりするウルメルだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-08 (金) 23:24:44};
---「カトラちゃんおかえりなさ…ウルメルー!?」&br; 「りゅー!?」&br; 二人が浮上するのを確認すると笑みを向けるのだが&br; ぐったりとしたウルメルを見れば&br; サ姫とレィメルは濡れる事にかまわず湖へと足を踏み入れていた&br; &br; 「問題は無いのだが、水はしっかり吐き出させた方が良いのだ」&br; 「う、うん……」&br; カトラにバスタオルを渡し、代わりにウルメルを受け取ると&br; 岸へと戻り、バスタオルの上にウルメルを寝かせた&br; &br; 「横に寝かせるのだ、逆流した水が肺に戻るのだ」&br; 「こ、こうかな?」&br; バスタオルで髪と身を拭くカトラのアドバイスを受けながら&br; ウルメルへの処置を進め……&br; &br; 「むぃ〜……」&br; 「みゅあ〜」&br; なんとか回復するもウルメルはまだぼんやりとしている&br; そんなウルメルに抱きつくレィメル。心配だったのでしょう。&br; &br; 「ウルメルよかったよぉ〜…カトラちゃんありがとう」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-08 (金) 23:47:33};
---「うむ!よかったななのだ!」&br;頷きながら、寄道してたら窒息しかけたことは黙っておくことにした。&br;&br;&br;&br;服を乾かしついでに、焚火を囲んで朝食にした。&br;地面で焚火は禁止なので、丸いBBQコンロで火が燃えている。&br;その周りには釣りたての魚が、串に刺さって焚火を囲んでいた。&br;&br;「この湖、底の方がものすごく深くなっておってななのだ。&br;たぶん、森の地下は全部地底湖みたくなってるぞなのだ。&br;もう一枚くれなのだ」&br;サキがダッチ―オーブンから、パンケーキを一切れ切り分けて&br;皿に乗せる。&br;ウルメルは魚を頭から無心に齧っている。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-09 (土) 00:26:32};
---「ほわぁ…なんだか海みたいだねー?」&br; カトラから聞く湖の底の話は、なんだか異世界の話を聞いている様で&br; 聞けば聞くほど驚きの声が出てしまう。&br; 「あ、はーい、メイプルシロップもあるよ?」&br; ちなみにメイプルシロップもオーガニック素材であります&br; &br; 「みゅい!」&br; 「レィメルもパンケーキのおかわりほしいの?」&br; 「みゅあー♥」&br; 皿を出しながらレィメルもパンケーキのおかわりを催促&br; 小さめに切ったパンケーキをレィメルの皿に乗せると&br; ホイップクリームをトッピング&br; &br; ここまでさらっと流してきたが&br; ダッチオーブンで作っていたのは焼きリンゴだったはず&br; それがなぜか蓋を開けたらアップルパンケーキになっていたのでした&br; いつものサ姫の異能(?)が発動してしまった様ですね。&br; カトラ曰く「小麦粉の節約が出来てこれも良いのだ」&br; &br; 「んー私も湖の底みたいなー…でも息が続かないし……」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-09 (土) 00:51:31};
---「そうじゃなぁ、我は平気だけどななのだ」&br;例の悪癖が出て、カトラはドヤ顔だ。&br;「あれだけ深いと、森の下は水族館にでもなっておったのかのー」&br;『はい、その通りです』&br;相変わらず絶妙な間で、ガイド情報を入れてくれるはるかぜさんだ。&br;ウルメルは焼魚をもにゃもにゃと食んでいる。&br;&br;『水深は最大部分で3200m総延長50辧都市構造物を丸ごと水槽に&br;した世界最大の人工海洋設備でした』&br;「相変わらず地下都市のスケールは、とんでもないな!?」&br;『ですが、現在は地下階、海洋モジュール施設が全てオフライン&br;状態です。海洋モジュールはその規模から、環境を維持する循環機&br;構が、都市自体に組み込まれているため。&br;ドローン達も現状を把握しきれていないようです』&br;&br;「ふーん…ふふーん?」&br;何かカトラが意味ありげな含み笑いをする。&br;「もにゃもにゃ」&br;ウルメルは無心に3匹目の魚を食んでいる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-09 (土) 02:01:50};
---「そっか残念……、でも仕方ないよね……」&br; 肩を落とし、サ姫は俯きながらパンケーキをはみはみする。&br; 「みゅぃ…?」&br; 「むぃ…!」&br; そんなサ姫にウルメルとレィメルが反応し動きを止めた&br; そして……&br; &br; 「え?あ、二人ともありがとう……」&br; 「みゃー♪」&br; 「ぬぁー♪」&br; ウルメルとレィメルは立ち上がるとサ姫の頭を撫で始めた&br; いつも二人がサ姫からして貰っている様に&br; サ姫の頭を小さな手でふわふわと撫でた&br; 食事途中でベタベタの手だけど&br; それでもサ姫には二人の優しさが嬉しくて&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-09 (土) 22:20:40};
---「髪べったべたになっておるぞ。まぁそれよりじゃな&br;湖の中へ、行けると思うぞなのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-11 (月) 21:34:56};
---「あ、二人共ごはんの途中だったもんね…え?行けるの…?」&br; 「むぃ?」&br; 「みぃ?」&br; サ姫が驚けば一緒になって驚くウルメルとレィメル&br; &br; 「水中呼吸の魔法とかかな…?」&br; ウルメルとレィメルの手を拭いてから、自分の髪を拭くと&br; パンケーキを切り分けながら首を傾げた。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-11 (月) 22:00:35};
---「ふふーん、腹ごしらえが済んだら行ってみるとするかの」&br;ドヤ顔でカトラはパンケーキを頬張った。&br;&br;&br;&br;昨日、神ドラゴンの大樹をトレッキングした時、大樹の洞の奥は洞窟になって&br;いた。&br;ただの洞窟ではない、どういうわけか大樹は、幹の中に取り込んだ人造の施設&br;を粉々に砕き、施設があった部分を空洞として残すという性質があるようで。&br;カトラは、絞め殺しの樹みたいなもんかのと言っていた。&br;&br;「つまり、逆に言えば樹に大きな空洞がある部分は、昔そこに施設があった&br;はずなのだ」&br;再び湖底に潜ったカトラは独り言をした。&br;不気味な水中洞窟の前である。&br;神ドラゴンの大樹は、こんなところにまで根を張っていたのだ。水中の洞窟は&br;大樹が絡まりあってできた洞であった。&br;&br;案の定、カトラが内部に入るとドラゴン同士の共鳴で緑色の燐光が灯って奥ま&br;で見渡せる。&br;目当ての物はあっさりと見つかり、カトラは喜んで両手でそれを抱えた。&br;&br;「で、もってきたのがこれなのだ」&br;湖の畔に、ボートよりも大きなものが浮かんでいる。&br;丸い透明なボール状の頭に、円筒形の胴体が付いている。&br;胴体にも半球型の透明なドームがいくつも並んでいた。&br;左右にジェット水流式の電磁推進器が取り付けられていて、短い翼のような潜舵と&br;方向舵がある。&br;「どっからどう見ても潜水艇じゃろこれ!」&br;潜水艇であった。定員7名。地下人造海周遊ツアー用潜水艇である。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-11 (月) 22:28:41};
---「すごーい!…で、せんすいていって何?」&br; 「むぃ?」&br; 「にゅぃ?」&br; 仲良く首を傾げるサ姫ウルメルレィメルに、カトラはがくりと肩を落した&br; しかし、サ姫の中に船や汽車等の概念はあっても&br; 水に潜る乗り物の概念は無かったのだから仕方ない&br; &br;・ &br;・ &br;・ &br; 『…以上が潜水艇のスペックとツアー案内となります』&br; 「わー…これに乗れば湖の中の観光が出来るんだ……」&br; 「ぬぁー♪」&br; 「みゅいみゅい♪」&br; はるかぜとリンクした潜水艇の映像ガイドが終わると同時に&br; サ姫達は拍手をした&br; 「うむ!そう言う事なのだ!」&br; 映像の横でカトラはえへんと胸を張った。&br; 9割がたはるかぜによる説明であったのはこっちに置く&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-11 (月) 22:42:42};
---電磁式推進機構が音もなく作動して、船体を前後左右にと動かした。&br;つづけて、舵が一人でに動いて動作を確認する。&br;『問題ありません。ご搭乗ください』&br;はるかぜがそう言うと、ハッチが自動で開いた。&br;潜水艦等についている、人一人が通れるマンホールのような狭い穴ではない。&br;中には階段がついていて、悠々と歩いて入っていけるバリアフリー設計だ。&br;&br;「ふわー」&br;「ふわー…」&br;ウルメルとレィメルが揃って、驚きの声を上げた。&br;トリとボールのドローンを、それぞれ抱えて乗り込んだ潜水艇の内部は驚きの&br;空間だった。&br;天井と足元に覗き窓がついた胴体の中央に、外向きにベンチが並んでいる。&br;中にあるのはそれだけだ。&br;それ以外は、何もない、そう壁すらもないのだ。&br;内部は窓以外隙間なく、全天周モニターになっていたのだ。&br;&br;「うわーこれ、中にいるのか外にいるのか見分けつかぬなのだー!」&br;わーすっげーと6本足と一緒にバンザイするカトラさんだ。潜水艇に似合わぬ広々空間である。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-11 (月) 23:02:48};
---「すごい…これ本当にすごいよー」&br; 潜水艇内部をグルリと見渡し、サ姫は驚きの声をあげた&br; 階段を上がり艇の中へと入ったはずなのに外に居る様な感覚。&br; ちなみにサ姫の手には&br; パンケーキと肉と魚のサンドイッチの入ったバスケットが握られています&br; &br; 『では搭乗ハッチを閉じた後、当潜水艇は湖の中央へと進んで行きます&br; 360度大パノラマによる自然環境をお楽しみください』&br; はるかぜのアナウンスの後、ジリリリとベルが鳴り響き&br; 搭乗ハッチが自動で閉じられた。&br; ウルメルとレィメルはベルに驚いたのか固まっています&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-11 (月) 23:16:26};
---足元に揺れを感じて、潜水艇はゆっくりと動き出した。&br;左右と上下にふわふわと揺れる船特有の揺れである。&br;&br;岸から離れて、水上から陸地を眺めるというのは、それだけで不思議な非日常&br;感があるものだ。&br;「船に乗るのは、ドラゴンの国から来る時とこれで2回目なのだ」&br;窓にべったり張り付くウルメルとレィメルの後ろでカトラはベンチに腰掛けた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-11 (月) 23:25:34};
---「故郷(魔界)の湖で舟遊びはした事があるけど…こんな船は初めてだよ」&br; サ姫はそう言うとカトラの隣に腰かけた。&br; 他にもベンチはあるが、あえてカトラの隣に座るのがサ姫らしい。&br; &br; 「むぃ?ぬぁー♪」&br; 「ぷわぁぷわぁ♪」&br; ウルメルとレィメルが見て!とばかりに窓の外を指さしながら振り向いた&br; 窓の外を見れば、水面すれすれを白い鳥達の群れが飛んでいた。&br; これだけでも見惚れてしまう光景だが、次の瞬間……&br; &br; 「おおぉ?」&br; 「わぁ……」&br; 鳥達は白いシーツが揺らめくがごとく浮き上がり&br; そして再び湖面すれすれを飛翔する&br; 鳥同士ぶつかる事無く、秩序だった動きは&br; まるで一つの生物の様にさえ見えて来る。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-11 (月) 23:45:32};
---鳥たちが格子状の天井スレスレまで上がっていくのを見ていると、前触れも&br;なく足元から水面が上がりはじめた。&br;船が潜航を開始したのだ。&br;&br;「おお!いよいよ潜るのか!ほおー…本当に水の中に沈むのだなー」&br;「沈む船の話は聞いておったが、我も乗るのは始めてなのだ。なんか妙に楽し&br;いのうこれ…!」&br;カトラも思わず壁面のモニターにべったりと張り付いてしまった。&br;ウルメル、レィメルと並んで、3人とも夢中である。&br;&br;完全に水中に没すると、いよいよ本番だ、艇内の照明が暗くなり、&br;窓の外の、水中の様子が明るく映し出される。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-12 (火) 00:28:36};
---最初に四人を歓迎してくれたの小魚達。&br; 差しこむ光を浴びながら、小魚達がスイスイと泳ぎ回っている。&br; 「こんな風にお魚を見るのは初めてだよー」&br; 「むぃ!むぃ!」&br; 「ウルメルったら……」&br; ウルメルは窓の向こうの小魚に手を伸ばそうとしていた&br; もしかして捕まえたい?&br; &br; 「みゅ?みゅあ〜♪」&br; 「ん?上…きらきらとして素敵だね〜♪」&br; レィメルが上を指差した&br; そこにはキラキラと輝く水面が複雑な光の紋様を描いている&br; それはまるで宝石をばらまいたかの様にも見えて。&br; &br; 「見る所が多すぎて困るのだ」&br; カトラの言う様に全てが見所だった&br; まだ潜り始めたばかりなのに、全てが新鮮で見逃せない光景ばかりだ&br; 先程潜った時よりも鮮明な光景がそこにある。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-12 (火) 21:02:39};
---「おおーすごいのう…湖の中こんなに魚が…。汚いから窓を舐めるのを止めるのだ、汚いから!」&br;窓の外に置かれた餌を取ろうと、必死に窓を舐める犬みたいな動きをしていた&br;ウルメルの首根っこを掴み上げるカトラさんだ。&br;&br;銀色の体をきらめかせる魚の群れを横目に通り過ぎ、湖の中を一周した潜水艇&br;はさらに深みへとすすんでいく。&br;&br;球根の化け物めいた巨大な水中施設が見えてくると、雰囲気も変わり始める。&br;「そーいえば、ここらへんの水ちょっとしょっぱかったんじゃよなー」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-13 (水) 23:42:16};
---「もうウルメルったら…これ食べて落ち着くのー」&br; 「むぃーあむ!」&br; バスケットからフィッシュサンドをウルメルに持たせてやる&br; さっそくはむはむするウルメル&br; &br; 「我も我も!」&br; 「みゅいみゅい!」&br; それを見て食べたくなったのか、カトラとレィメルにも&br; それぞれ干し肉のサンドイッチとアップルパンケーキを渡す&br; 食べながらならの水中観光もおつな物です。&br; &br; 「なにこれ?湖の中にこんなのがあったんだ…すごい」&br; 「うむ、これらがはるかぜの説明にもあった&br; 都市の一部であるらしいのだ。干し肉サンド美味いのだ」&br; &br; 四人でわいわいとしていると、はるかぜによるガイド音声が聞こえて来た&br; 『この層は淡水と塩水の混じり合う汽水域となっております』&br; 「ん?塩水?どう言う事なのだ?」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-14 (木) 00:08:33};
---『F003は、都市構造物最上部を陸上、その下を淡水層、さらに下を海水層&br;といった区切りの構造となっています。&br;元は、恒星間移民船のために開発された技術によって建造されており、大崩壊&br;以前の地球環境を生態系ごと保存するためのビオトープなのです』&br;&br;「へぇー」&br;水中モニターに映し出される様々な映像や図に見入る。&br;難しい解説も、映像とともに聞いていると理解できたような気がするから不思議だ。&br;&br;『全ての構成要素がつながっていることで、都市自体をミニチュアの地球&br;としているわけですね。&br;お土産もので、わずかな紫外線を充てることで、生態系の循環を観察できる&br;ミニチュアビオトープのセットなどもありました。&br;基本構造はこの都市と同じです』&br;ひょいっと窓に映し出される、小さな海老と虫と水草の入った密閉されたガ&br;ラスボールの置物である。&br;&br;「ということは、こっから下は海というわけか…。&br;おおっほんとだ、サメが泳いでるなのだ!」&br;深く潜るにつれ、陽の光はとどかなくなっているが。不思議なことに&br;モニターにうつる海は、遠くまで明るく見通せる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-14 (木) 00:40:52};
---「理解が追いつかないよー…わぁ…?」&br; 「ひゃぅ!?」&br; 「ぴゃっ!?」&br; サメはこちらへと一気に接近すると&br; その巨体を見せつける様に上昇し通りすぎて行った&br; あまりの迫力、サ姫そしてウルメルとレィメルは驚き座り込んでしまった。&br; &br; 「襲われるかと思った……」&br; 『F003に生息する肉食魚類は、常に豊かな餌を得る事が出来るので&br; 他生物を襲う事はめったにありません。特に潜水艇サイズの物体を襲う様な事はまず無いでしょう』&br; 「そ、そうなんだ……」&br; 「ふふん、皆びびりなのだ。ほれ今度は大型のエイが見えて来たぞ」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-14 (木) 01:02:35};
---暗い海の中からぬぅっと出てきた巨体は、ずいぶんとゆっくりと泳いでいるように見える。&br;実際には、あまりに大きすぎてだいぶ遠くに居たのに、距離感が狂って近くに感じていたせいだ。&br;やがて大きな白い腹がのしかかってくるように目の前一杯に広がって。&br;大きな影を落として、潜水艇よりも大きなエイはゆったりと泳ぎ去っていく。&br;思わずぽかーんとなって見上げてしまった。&br;&br;深海の領域に居たっても、海中はにぎやかであった。&br;人工的に作られた岩礁から生える、深海棲のサンゴは、柔らかい体を揺らして、&br;植物の幽霊めいた姿を見せる。&br;少し不気味な花壇の中を、肉ひれの足で這いまわる丸い魚は、妖怪じみた小人の&br;ようで、怖い物見たさについ覗き込んでしまう、怪しい魅力を放つ。&br;&br;「お、蟹の群れだ」&br;やがて白い砂に覆われた海底が見えてくると、足の長い蟹の群れが、足元一杯に&br;広がっている。&br;「こいつ旨い蟹なのだ、2〜3匹持って帰れんかのー」&br;「だぅー」&br;蟹に手を伸ばそうと、床をぺしぺしやってるカトラとウルメルだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-15 (金) 01:15:31};
---「海の底ってこんなににぎやかなんだね……」&br; 「ふわぁ…♪」&br; 初めて見る深海の姿にサ姫はレィメルは目を離す事が出来ない&br; 不可思議であると同時に神秘的な生き物達の姿&br; この先何度見る事があるかわからない光景……&br; 『自然の環境下においても、この深度の海は生命溢れる環境であると記録されています&br; また深海底においても、海底火山近く等では独自の生体系が育まれる事があるそうです』&br; 「うむ、生命とはしぶとく強い物なのだな」&br; はるかぜの解説を聞き、サ姫は驚きカトラは納得した様に頷いた&br; &br; 「小さな蟹は食べた事あるけど…こんな大きいのは私ないよ」&br; 「湖面に出て改めて潜るか…?」&br; 『当艇後方下部、エアロックから水中へ出る事も可能ですが……&br; この深度になりますと専用の活動装備が必要となります』&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-15 (金) 01:41:24};
---「なに、ここで外に出られるのか?それを早く言うなのだ」&br;カトラはいそいそと服を脱ぎ始めた。&br;『水深800m相当の水圧ですよ?』&br;「その位なら素潜りできるのだ」&br;できるの?できます。理屈はわからないが、神ドラゴンとは&br;そういう生き物である。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-15 (金) 01:50:04};
---「カトラちゃん行ってらっしゃいー気をつけてねー」&br; 「にぇー」&br; 「むぃむぃ」&br; サ姫とレィメルはカトラに手を振りながら見送るのだが……&br; ウルメルまで服を脱ぎはじめていた&br; &br; 「ああ?ウルメルはダメだよ!?さっき溺れたでしょー?」&br; 「ぬぁぬぁー!…むぃ」&br; 「りゅー…ふにゅふにゅ」&br; サ姫に抱き押さえられウルメルは手足をばたばたとするのだが&br; レィメルに撫でられれば、やがて落ち着きました&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-15 (金) 21:27:43};
---下着姿になったカトラは、後部の扉から水中エアロックに入った。&br;初見で扉の操作方法が分かる秀逸なデザインの扉である。&br;&br;「よーしいいぞー、出してくれなのだー」&br;扉の閉まったエアロック内に、『装具未着用』の警告が点滅している。&br;『あの…本当によろしいのですか?大変危険…というか死にますよ?』&br;「湖の底からこの船を持ってきたのは我じゃろう、平気なのだ』&br;『…』&br;しばし、考え込むような間があって。警告が消えた。&br;エアロック内に海水が流れ込み、一杯に満たされるとカトラは海中へと泳ぎ出る。&br;そして突然近づいてきたカトラに、逃げ惑う蟹を追っかけ、あっという間に&br;1匹捕まえて掲げあげた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-15 (金) 23:32:20};
---『カトラ様は人間ではないのですか?』&br; 「え?」&br; 「にゅぃ?」&br; カトラが蟹を取る姿を楽しんでいた三人だが&br; はるかぜが不意な言葉を言えば、サ姫とレィメルは首を傾げてしまい&br; 「がうーがうー」&br; ウルメルはそれとは無関係に窓をペタペタしていた&br; &br; 『深海の様な環境化に生身で出た方の記録はありませんので……&br; フリーダイビングでも300mを越えて到達した記録は存在していません』&br; 「あーカトラちゃんは人間じゃなくてドラゴンだよー」&br; 『ドラゴン?…ですか?』&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-15 (金) 23:45:48};
---『比喩的な意味でしょうか?』&br;「ううん、そのままの意味だよ。カトラちゃんは神域のドラゴンっていう種族&br;なんだって。&br;この子たちも、そうなんだけど。他の神ドラゴンさん達は、もっと山みたいに&br;おっきいって」&br;これも比喩ではなく、そのままの意味で、と笑って言うサキ。&br;その、山脈をも凌駕する神域ドラゴン達は、蟹を追っかけまわしたり、窓の外&br;のカトラを追って艇内を走り回ったりしている。&br;&br;『驚きです…』&br;「すごいよね、いろんな事ができて。でもカトラちゃんはちょっと自分に自信が無かったりするの。&br;そういうところは、普通の人と同じだよ」&br;はしゃぎ回っている3人を、サキは笑いながら見守っている。&br;やがて蟹を抱えたカトラが泳いで戻って来た。&br;全天周モニター張りの潜水艇の中からは、蟹にほっぺたを挟まれるカトラがハッチを開こう&br;と潜水艇をぺちぺち叩いてるのが丸見えだった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-16 (土) 01:52:34};
---「カトラちゃん戻って来た…わ、痛そう……」&br; 「むぃぃ……」&br; 「みゅぃぃ……」&br; 蟹のハサミに挟まれるカトラを見て三人は自分の頬を押さえた&br; 『神域のドラゴンとは私の理解の領域を越えた存在みたいですね』&br; はるかぜはそう言うと、潜水艇外部に設置されたランプを明滅させ&br; カトラを誘導した&br; &br; &br; &br; 「見よ!蟹なのだー!」&br; 「がうー!」&br; 「み?みゅぁ…ぁ…」&br; 「カトラちゃんおかえりなさい♪レィメル?カニは怖くないよー?」&br; 潜水艇内部に戻り、とったどーとばかりにカトラはカニを高く掲げ&br; ウルメルは一緒になって咆哮を上げた&br; そしてレィメルは蟹のハサミが怖いのかサ姫の影に隠れています。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-16 (土) 23:02:00};
---「えーと1、2…7匹は取れたななのだ…お、8匹か!」&br;お尻をハサミで挟んだままくっついてきた蟹。&br;ウルメルが蟹を引っぺがすと、齧りつこうとして鼻を挟まれて&br;転げまわった。&br;&br;「とりあえず縛っておくなのだー。ふふふ…ランチが豪華になっ&br;たなのだ」&br;手際よく蟹は魚屋の店先に並ぶスタイルにされて泡を吹く。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-17 (日) 00:06:42};
---『まだ観光を続けるのでしたら、保冷庫へ保存する事をお勧めします』&br; 「ほれいこ…あーれーぞーこだね?ひんやりする箱」&br; 「ふみゅみゅ……」&br; そんな訳で縛り終えた蟹は床部に収納してあった保冷庫へ保存する事に。&br; レィメルはまだ蟹がこわいみたいです。&br; &br; 「おぉぅ冷蔵庫よりもひんやりするのだ」&br; 『当艇の保冷庫は-32度に設定してあります。&br; 瞬間的に冷凍する事で鮮度を保つ事ができます』&br; 「わぅぅ〜」&br; ウルメルは保冷庫に手を突っ込んでは引っ込めをくりかえしながら&br; ぷるぷると震えていた&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-17 (日) 00:16:22};
---「実は漁船なのかの?」&br;『観光遊覧船です』&br;きっとドリンクなどを冷やすのに便利なのだ。&br;&br;深海の旅は続いた。&br;潜水艇は、静寂の堆積した闇の底を進んでいく。&br;海溝の断崖を思わせる垂直な壁が見えて、ここが地下都市の中だと&br;いう事を思い出す。&br;壁は闇の中を無限に続いているように見えた。&br;&br;カトラが獲って食おうとは言いださない白い小さなカニの群れや&br;白い砂地を這う、赤いナマコの横を通り過ぎていく。&br;音もなく、暗闇から現れては、暗闇へと消えていく奇怪な生き物&br;達は、百鬼夜行の体である。&br;&br;海底が突然隆起し、黒々として波打ちはじめた。&br;無数の大蛇が群れを成し、深層で大河を成しているのかのようだが、&br;相変わらず、辺りは静まり返っていた。&br;&br;「根なのだ、こんなところにまで神ドラゴンの樹の根が張っている&br;なのだ」&br;不気味なうねりは、根の絡まりであった。&br;神話に語られる死後の世界、根の国とは、こんな場所なのかもしれ&br;ない。&br;&br;そして、根は当然のように、都市構造物を突き破り破壊している。&br;&br;元がなんであったのか分からないが、途方もなく巨大な歯車が行&br;く手を遮った。&br;足元に重力を感じて、潜水艇は上昇する。海底山脈めいた歯車を&br;越えると、白い砂に崩壊したプラントが埋もれていた。&br;&br;「これは、なんなのだ?」&br;『おそらくは、都市構造物の一部だとおもわれます。人工の地下海&br;を循環させる、要の設備です』&br;「壊れておるのぅ…」&br;『壊れていますね。どうりで大半の設備がオフラインになってい&br;たわけです』&br;&br;音もなく、白い砂は降り積もる。&br;寂寥とした死の世界の光景めいていた。&br;ライトの照らし出す輪の中に、白い目をしたサメが横切っていった。 --  &new{2019-11-17 (日) 01:22:40};
---「世界樹の地下もこんな風なのかな……」&br; サメを見ていたサ姫が不意に呟いた。&br; どこか遠くを見る様な眼差しは&br; 闇のその奥を見詰めている様にも見えて……&br; 「ふむ?」&br; 「むぃ?」&br; 「みぃ?」&br; サ姫の言葉に仲良く首を傾げる、カトラ、そしてウルメルレィメル&br; &br; 「あ…うん……、世界樹って世界の果てにあるって言われている伝説の樹なんだけど」&br; サ姫はそう言うと手を大きく上げて。&br; 「天を貫くほどに大きいんだって……&br; で、そのずーっと地下にはヘルヘイムって呼ばれる冥府があるらしいよ…?」&br; そう言って今度はぐっと小さくしゃがんだ。&br; 地上の眠る者そして深海の根の国。それはサ姫に世界樹をイメージさせたのだろう&br; &br; 「ふむ…魔界と冥府は違うのか…なのだ?」&br; 「全然違うよぉ?だって……」&br; 魔界が冥府なら、そこから来た自分は死者になっちゃう!&br; サ姫はそう言うと、顔を笑みの形にし小さく微笑んだ。&br; &br; 「むゅぅ……」&br; 「みゅぃ……」&br; サ姫が話し終えると、ウルメルとレィメルが急にサ姫に抱き付いて来た。&br; 「二人ともどうしたの…?」&br; 二人を撫でながらもサ姫は首を傾げてしまう。&br; &br; 「世界の大きさに急に怖くなったのかもしれんの?&br; 自分の知らないほどに大きな世界を知った時、ゾっとしてしまう事もあるのだ」&br; 「そっか…大丈夫だよ…怖くないよ……」&br; 二人の頭を撫でながら、ぎゅっと強く抱きしめた&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-17 (日) 22:01:47};
---「いや、その恐れはよく覚えておくがよいなのだ」&br;「えー…」&br;「別に意地悪ではないなのだ!」&br;サキから非難の視線を受けながら、カトラは一つ咳払い。&br;「神域のドラゴンとは、本来、畏怖されるべきモノなのだ。&br;我らは、我らの理にのみ従い、足下に小さき者どもと世界を置く&br;まさに神の如きモノである。&br;故に、恐れと力は我らの本質、よく学んでおくなのだ」&br;「なんか、家庭教師の先生みたい」&br;「うん、昔そう習ったのだ」&br;&br;潜水艇は再び暗い海底を進んでいく。&br;気が付けば、生き物の姿も絶えていた。&br;モニターも、窓も、先の見通せない真っ暗な闇に閉ざされて&br;ライトの灯は、音もなく舞う微細なマリンスノーだけを照らし出す。&br;吹雪の中で懐中電灯をつけるのに、似ていた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-17 (日) 23:01:57};
---「静かだね……」&br; 「うむ」&br; 「むぃ」&br; 「みぃ」&br; 静か。音の事では無い、自分達を包む世界&br; そこにある全てが静寂に包まれている。&br; 「あ、二人まで静かにならなくてもいいのよ?リラックスリラックス」&br; 「むひゃ〜」&br; 「ふみゅぃ」&br; サ姫の声で息を吐くウルメルとレィメル&br; 緊張していたみたいですね。&br; &br; 「ん?何か近付いて来るのだ……」&br; 「え?何かって……」&br; 言葉と共に尻尾を緊張させるカトラ見れば&br; サ姫は潜水艇の窓に顔を張りつけ闇を凝視するのだが……&br; 闇を見通すサ姫の瞳でも何も見えない。&br; &br; 「カトラちゃん何も……」&br; 「近付いてくる、我にはわかるのだ……」&br; 「む?」&br; 「み…みぃ?」&br; ウルメルとレィメルが何かに反応を示した。&br; &br; 最初は鬼火の様だった。深海の闇に青緑の炎が浮かび上がった&br; やがてそれは近付くにつれ円の形をした光とわかった&br; 「あの光の色…似てる」&br; 「いや似ているのではない『その物』なのだ」&br; &br; 四人がそれの正体に気付いた瞬間、圧倒されてしまった&br; 淡く輝く緑光を引き連れ遊泳する巨大な姿。&br; 神域のドラゴン達にも勝るとも劣らぬ畏怖を纏う姿。&br; サ姫が小さく呟いた……&br; 「レイク…マザー」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-17 (日) 23:35:08};
---「あー!釣り損ねたでっかい魚なのだー!」&br;『正確には海棲哺乳類の一種です』&br;「そうなのなのだ?」&br;&br;巨体が潜水艇の真上を通り過ぎると、すさまじい海流にもまれて&br;大きく揺れた。&br;尻もちをついた4人を尻目に、レイクマザーは悠々と泳いでいく。&br;ボールドローンがヒリを轢いて転がり、6本足にぶつかって止まった。&br;不意に、カトラが手を付いた床から、光が昇ってくる。&br;&br;「おっ?おおっ??」&br;「わっ!?」&br;「わぅー」&br;「みゅぅ…」&br;4人が、それぞれに驚いた。&br;レイクマザーが、砂漠めいた海底に到達した瞬間、真闇の底にあった&br;海底が光に包まれだしたのだ。&br;&br;優しく、柔い新緑の先から滴り落ちたような、緑の光が湧き上がり。&br;都市の残骸や、黒々とうねる不気味な根を照らし出す。&br;どこから沸いたのか、半透明の体を緑に照らされながら無数の&br;クラゲの群れが周囲に漂う。&br;&br;気が付けば、海の底は、光に満ちていた。&br;そして、レイクマザーは確かめるように、一回り泳いだ。&br;&br;潜水艇がまた揺れる、天井に、大きな体の小さな目が覗き込んできた。&br;ぽかーんと見上げる4人に、ウィンクするように目は瞬きして、光&br;を引き連れて、レイクマザーは駆け上るように浮上していった。&br;&br;まだ、あっけにとられているカトラ達に、遠く、歌うような鳴き&br;声が聞こえた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-11-18 (月) 00:00:21};
---「むぃ?む〜み〜るる〜♪」&br; 「る〜る〜るりゅ〜♪」&br; 答える様にウルメルとレィメルが歌い始めた&br; 幼く愛らしい歌声。聞いていると遠い遠い記憶がよみがえる様で。&br; &br; 「星の歌なのだ……」&br; 「星の…歌…?」&br; 「うむ、星は歌を持っているのだ。それは原初の歌として&br; この星に在る物全ての記憶に刻まれているのだ……」&br; 『なぜでしょうか?AIである私もこの歌を知っている気がします』&br; &br; 窓の外で舞うクラゲ達は緑光のドレスを纏い&br; まるで歌に合わせダンスを舞っている様にも見えて&br; そしてクラゲ達は踊りながら高く高くへと上がって行く……&br; &br; 「らー…るるー……♪」&br; 歌声にもう一つ歌声が重なった。サ姫の歌声だ。&br; 聞き慣れた子守唄とは異なる讃美歌にも似た歌声&br; 歌が称えるのは神では無く命との出会いの喜び。&br; カトラは思う。&br; 星の歌とは命の歌なのだと。生と死を繰り返す命達。&br; ここにある全ての始まりが星の始まりへと繋がるのなら&br; 誰もがこの歌を知っていて当然なのだと。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-11-18 (月) 00:31:08};
---幻想的な光景に、心洗われる心地がして。何やら体まで洗われてい&br;るような気がしたが、気のせいではなかった。&br;「…水漏ってないか?なのだ?」&br;カトラがそういった途端、天井のモニターが消えて、海水が先を&br;潰したホースの1000倍の勢いでぶっしゃー!浸水だ!&br;「ぐわー!」&br;転倒するカトラ!さらにあちこちから水が噴水めいて噴き出す!&br;&br;『システムの再検証を行います………当潜水艇は、危険です。&br;ただちに下船し、管理者へ連絡してください』&br;「大丈夫って言ったじゃろが!大丈夫って言ったじゃろが!?」&br;『診断システムの深刻なエラーが検出されました。。&br;原因は、都市機能の大幅な低下が考えられます。&br;詳細情報はこちら…』&br;「いいからなんとかしてー!?」&br;「うわーっ漏れてる箇所が多すぎて手で押さえきれないなのだー!」&br;&br;&br;
-  --  &new{2019-11-01 (金) 23:07:35};

-&br;星明りだけになった湖畔に、小さな光が瞬いた。&br;真っ暗な湖面に突き出した葦に、蛍のように光るバイオドローンイ&br;ンセクトが停まって、水面に小さな光の円を描く。&br;&br;湖畔に張ったテントの中では、すぅすぅと小さな寝息がしていた。&br;サキとカトラの間に挟まれて、ウルメルとレィメルはあどけない&br;寝顔を見せる。&br;「よく寝てるねぇ…」&br;頬杖をして、サキは寝顔を微笑みながら見つめている。&br;「急に寝落ちたからな、疲れたのじゃろなのだ」&br;カトラは頭の後ろで腕組みしてテントの天井を見ている。&br;明かりは無い、夜目が効く2人には、テント越しの星明りでちょうどよい。&br;「我もさすがに疲れたしのぅ…ふわぁ…」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-29 (火) 00:04:19};
--&br; 「今日は本当に色々な事があったもんねぇ……」&br; お互いくっつく様な姿勢で眠っているウルメルとレィメルを見れば&br; その愛らしさに笑顔が零れ落ちてしまう。&br; &br; 「そう言えば…カトラちゃんはあの後どうだったの…?」&br; あの後とはうぉーと言いながらウルメルと狩りに向かった後だ&br; ウルメルの懐き方を見れば、楽しい事は容易に想像できるが&br; だからこそ何があったのか気になってしまう。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-29 (火) 00:16:39};
---「大変だったのだー…。そいつはまったく落ち着きがないのでな。&br;投げ槍に掴まったまま飛んで行ったり、オオコウモリに捕まって&br;飛んで行ったり…ドラゴンなのにコウモリに狩られるって…」&br;色々とぶっ飛んでいたらしい。&br;「しかし、あのオオコウモリは中々の強者で、機械のように正確に&br;間合いを見切った回避術と、樹木を足場にした立体的打撃法の前に&br;さしもの我も手こずったのだ。きっと名のある拳法家だったのだ」&br;「おぬしの方はどうだったのかの、食人植物でもおったか?」&br;カトラは寝返りをうって、サキの方を向く。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-29 (火) 00:27:12};
---&br; 頷いたり驚いたり、サ姫はカトラとウルメルの冒険を楽しげな表情で聞き終えた。&br; 「あは♪大冒険だったねぇ…でもウルメルには良い経験だったかも…?」&br; ウルメルが狩られたと聞いた時は、腰が抜けそうになってしまったが&br; こうして無事な姿があると言う事は、カトラが頑張ってくれたと言う事なのだろう&br; それを想像すると、二人が仲良くしている事が嬉しくなってしまう。&br; &br; 「私達の方?んー…こっちはほとんどお散歩みたいだったかな…?」&br; 遠くで何かの鳴き声が聞こえた時は驚いたが&br; それ以外は極めてのんびりした散歩だったと告げ&br; 「草塗れのドローンさんが飛び出した時も驚いたかな…?&br; そうそう!レィメルって…色んな知識を知りたいみたい」&br; さらにギリードローンが出す草花の情報を真剣に見る&br; レィメルの姿を語り聞かせた。&br; &br; 「その後はドローンさんに果物や野菜を栽培してる場所に案内してもらったの&br; あのリンゴ!あれレィメルが採取したんだよー…それでそれで」&br; サ姫の話が止まらない&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-29 (火) 00:40:17};
---「おう、お、おおう…」&br;やや気圧され気味にカトラは頷く。&br;「よくそこまで見ておるの…」&br;自分のことや、珍しい地下の森よりも、サキの頭は2人の事でい&br;っぱいなようで。ちょっと驚く、そして少し苛立たしくもあり…。&br;「おぬしは、懐かれておるしな、我は大人しくさせておくのに苦心&br;するばかりであったなのだ」&br;目を離すと秒でどこかへ行くウルメルを追いかけまわし、かと思え&br;ば、もう知らんと突き放したら付いてくる。&br;「同じドラゴンであるはずなのに、こやつらは訳が分からぬ…」&br;腹立ちよりも、なにか溜息の方がでてしまう。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-29 (火) 00:56:09};
---「だって私…二人のママだもん…♪」&br; 母親にとって成長する子供の一挙手一投足全てが気になり&br; それは大切な思い出でもある&br; だからカトラから聞いたウルメルの話も&br; サ姫に良き思い出なのです。&br; &br; 「それが子供って物だよ?」&br; ドラゴンでもサキュバスでも、どんな種族でも子供は不可思議な存在&br; 何を考えているかわからないし、何をするかもわからない&br; でもそれを察し様とがんばるのが母親。&br; &br; 「それにカトラちゃんは懐かれてると思うよ…?&br; だって…ウルメルの事話してる時のカトラちゃん…なんだか楽しそうだった」&br; カトラにそう告げると&br; サ姫はウルメルとレィメルの頭をそっと撫でた。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-29 (火) 01:13:19};
---「…楽しそう!?」&br;思わず頭を上げてしまう。眉間に皺を寄せつつまた横にごろり。&br;「…まぁ、目的通り食料集めは順調なのだ、とくに不機嫌になる&br;道理もないなのだ」&br;自分では、どんな顔をしているのかなんてよく分からない。&br;サキは本人すら気づかない心の機微をかぎ分ける魔物である。&br;「とりあえず…寝るなのだ、肉は手に入ったし、魚も欲しいのだ&br;明日も忙しくなるなのだー」&br;そう言って、カトラは寝返りをして背中を向ける。&br;しっぽの先がペタペタと地面を叩いていて。まるで照れているよう&br;にも見えてしまう -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-29 (火) 01:26:29};
---「ふふっ…そうだね、ねよっか……」&br; カトラの反応につい笑みが零れてしまったが&br; 今日一日の思い出を振り返れば&br; ウルメルとレィメルとの記憶の中にはカトラが居て&br; 抜けていた思い出のピースがはまりつつある様な気がした。&br; &br; 「星が綺麗……、カトラちゃんおやすみ」&br; 星に手を伸ばすと、四つのカップが立ち上る湯気が思い出される&br; あんな風に四人一緒にあれたら、この先どんな素敵な事があるのだろう&br; そんな事を思いながら、サ姫は三人の方へ向く様に体勢を変えると&br; 目を閉じた&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-29 (火) 01:36:26};
-  --  &new{2019-10-28 (月) 23:52:03};

-''状況:巨大樹の中に激流を見た'' --  &new{2019-10-21 (月) 00:14:28};
--&br;「ありました!川下りできそうな渓流!」&br;「でかした!」&br;『お二人とも時々テンションが急激に変化されますね。&br;そのやり取りは、たびたび繰り返されていますが、何か&br;特別な意味があるのでしょうか』&br;「意味って…なんか見つけた時に言うことじゃろ?」&br;「…昔からの習慣だけど…なんだろうねー…?」&br;『挨拶のようなものなのですね』&br;「そうじゃなぁ…それより!川なのだ!」&br;&br;根の洞窟内に水の流れる音が、ごうごうと響き渡る。&br;水面は緑の燐光に輝き、暗く高い天井の近くまで光る飛沫が舞い上がる。&br;&br;絡まりあう根の間から、苔むした岩が付きだしていて、ここがかつて&br;地下の森に聳えていた山の山頂であることを伺わせる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-21 (月) 00:14:42};
---「うん、地下にこんな川の流れがあるなんて…それに綺麗……」&br; ごうごうと流れる川は雄々しさを感じると同時に&br; 繊細な煌めきを放っており&br; 少し離れて見ると、緑光石が流れている様にさえ見えてしまう。&br; &br; 「むぃむむ……」&br; 「みゅぃぃ」&br; 「あ、そんな事したら危ないよ?」&br; ウルメルとレィメルがオールで川を突こうとしているのに気付けば&br; 慌てて側に行って二人を抱きしめた。&br; 同時に川の側へと言った事により、サ姫はさらなる絶景を見つけた。&br; &br; 「あ?カトラちゃん見て…さっきの小川ってここに流れ込んでいたのかも…?」&br; 「ふむ?あの小川だけでなく全ての流れが集まっている様なのだ」&br; 上流の方を見やれば、いくつもの細い燐光がこの川に流れ込んでいるのが見えた&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-21 (月) 00:34:13};
---絡まりあう木の根はその間にできた隙間に、いくつもの細い滝のような水脈を&br;通していて、立体的な川の流れを作り出していたのだ。&br;普段はきっと、光のない暗闇の世界なのだろう。しかし、神域のドラゴン&br;同士の共鳴で、今は光に照らし出され、巨樹の内なる世界を詳らかにしてくれる。&br;&br;カトラ達が見とれていると、どぼんっと大きな音がした。&br;川面を覗き込むと、真っ白な腕ほどある鰻のような魚が木の根に吸&br;い付いて流れの中でたなびいている。&br;&br;「でっかい洞窟ナマズトカゲだなー!?」&br;洞窟に生息する、両生類の一種である。手足と目が退化し、代わ&br;りに吸盤状の腹で、洞窟内を自在に這いまわるイモリの仲間だ。&br;ドラゴンの国では割とお馴染みな生き物である。&br;&br;よく見れば、速い流れの中にも、輝く水草が生え、風に吹かれる草原&br;のごとくである。水面には、トンボのような虫も飛んでいた。&br;トンボを追って、大きなコウモリがさっと水面近くで身をひるがえした。&br;木の根の窪みにたまった水の中には目玉のやたら巨大なカエルが&br;2匹重なっていて、鍾乳石のように連なる木の根の奥の闇に、&br;光る眼の獣の群れが、跳ねた。&br;&br;洞窟内の水辺は、地上のそれと同じように、植物が茂り、多くの&br;生き物の棲み処となっているのだ。&br;&br;「これは、すごいなぁなのだ。とても地下の洞窟とは思えぬ。&br;この樹が、地上で光を浴びて、根の中で苔を育て、生き物を養って&br;おるのじゃろうか、なのだ」&br;&br;地下都市も、地上の明かりを地下へ導き、動植物の生息地と&br;なっている。神ドラゴンの巨樹は、それとまったく同じことを、&br;自らの体で行っているのだ。&br;&br;「きっと、生前はとても気性の穏やかで、優しいドラゴンだったの&br;だなぁー。我、この巨樹のドラゴンに親近感覚えるなのだ」&br;その辺の根っこにすりすりするカトラさんだ。気に入ったらしい。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-21 (月) 01:11:58};
---「ぷわぁ……」&br; 「みゅい……」&br; カトラと一緒に根っこをすりすりするとウルメルとレィメル&br; 根っこに耳を当てれば、水の流れる音が聞こえる。&br; ごうごうと川の流れに負けぬ、力強い生命の音。&br; &br; 「カトラちゃん見て見て…♪」&br; 「なんなのだ…うお?」&br; サ姫の呼び掛けに不機嫌な声で振り向けば&br; その腕に小さなコウモリが何匹もぶらさがっていた&br; &br; 「こんな所にもダークバットさんいるんだね……」&br; 「ヤミマイコウモリであろう?」&br; 「えー?ダークバットさんだよぉ」&br; お互いに違う名を告げるが、多分どちらも正解なのでしょう。&br; 闇に暮らし、小さな小虫を食べるおとなしい蝙蝠。&br; サ姫の国では使い魔としてやペットとして飼育する事もあるらしい。&br; &br; 「ここってこんなに色々な生物がいたんだね……」&br; 蝙蝠を放しながらしみじみと呟くサ姫。&br; ウルメルとレィメルは水音が心地良いのか&br; 根っこによりかかったままうっとりしてます&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-21 (月) 01:30:28};
---「なんだか癒されるような気持ちじゃなー…」&br;不意に水の流れる音に、ぐぅぅぅと腹の虫の声がとどろく。&br;そう、体調がよくなると、生き物はお腹がすくものである。&br;&br;「ぬぅ…!しかし腹が減ったなのだ!」&br;捕食者の気配を察してか、水辺にいた生き物たちはサッと身を隠す。&br;&br;「…はやいところ下ってキャンプまで戻るのだ、バーベキューするのだ!」&br;カトラは、ボートを川へ投げ込み飛び乗る。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-21 (月) 01:38:16};
---「もうカトラちゃんったら……」&br; 良い雰囲気が長続きしないカトラに溜息してしまうが&br; サ姫もそろそろ疲れが出ており、戻る事に賛成ではあった。&br; しかし……&br; &br; 「川下り…大丈夫かな…?」&br; 「ふぅ、お主は心配性なのだ。我は経験者だ任せるが良いのだ…だ…だ…?」&br; 「ぬあー!」&br; ウルメルが飛び乗った事でボートが大きく揺れました。&br; &br; 「ウルメル…そっとだよ…そっと…?レィメルはママと乗ろうね…?」&br; 「み、みぃ!」&br; ぷるぷる震えるレィメルを抱く様にしながら&br; サ姫もボートへと乗り込みました。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-21 (月) 21:25:40};
---ボートに乗りこむと、ホログラムで、ここをこうして下さいという風に&br;ボートの留め具をつける案内が表示されるのだから。&br;説明を聞かない類の人でも間違う心配はない。&br;「全員のりこんだな!出発なのだ!ひゃほーう!」&br;ちなみに、カトラはベルトなんかしていない。どんなに親切に&br;案内されても、そもそも指示に従わない人には無力である。 --  &new{2019-10-21 (月) 21:35:49};
---「ちょっとまって…出来た…昔は翼のある人少なかったのかな……」&br; ベルトが翼に引っ掛かり装着するのに難儀したが&br; なんとか留め具を装着する事が出来た。&br; 『有翼系種は全人口の二割未満であったと記録されておりますが&br; ファッションで角や翼等の装着手術を行う人々が居たと言う記録もあります』&br; 「キメラ化みたいなものかな…?」&br; はるかぜとそんな話をしながら&br; ウルメルレィメルのも留め具を装着してやるのだが……&br; &br; 「ぶふーっ!」&br; 「み、みぅ?」&br; ウルメルは身体を固定される事に不満なのか唸り声を上げ&br; レィメルはまた飛ぶのかと両手を上に上げたりしている&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-21 (月) 22:39:57};
---「できたかーできたな?よし!出発なのだー!」&br;カトラが岸を蹴ると、ボートはゆるりと流れの中ほどへ進んでいく。&br;&br;流れが速い、漕がずともボートはするすると進んでいく。&br;「見た目より乗り心地は良いなー」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-22 (火) 23:45:31};
---「う、海とは違うねー…?」&br; 海で使ったイカダよりは作りも良くも安定性もあるのだが&br; 周囲に景色があるせいで速度を感じ、緊張してしまう&br; 「怖いのか?飛ぶよりは遅いであろう?なのだ」&br; 「そ、そ、そうなんだけど……」&br; &br; 「ぷわぁ…?ぴゃっ?」&br; その一方でめずらしく元気なのがレィメル&br; 飛行アクティビティで速度に慣れたのか、流れる景色が楽しいのか&br; 周囲をくるくると見渡しせわしない。&br; &br; 「ぬぁ?むぃむぃ!」&br; 「あ、ウルメル手を伸ばしたら危ないよ…?」&br; 川に手を伸ばそうとするウルメル&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-23 (水) 00:04:48};
---「はっはっは!この程度の流れならどうということもあるま…」&br;余裕だったのは最初のうちだけだった、ボートがあまりに急激に&br;前のめりになったのだから、一瞬滝におちたのかと思ってしまう。&br;ボートは激しく逆巻く急流の中に突っ込んでいく!&br;&br;「うわっ!?わっ…!おおあー!?」&br;カトラはオールをせわしなく動かしてなんとか転覆すまいとがんばる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-23 (水) 00:13:32};
---「カカカカカトラちゃんがんばってー!?」&br; 海で波に煽られる寄りも激しい揺れ&br; 船の命運は多分、カトラのオール捌きにかかっている&br; だから今のサ姫に応援する事と&br; ウルメルレィメルが船に落ちない様にする事だけでありました。&br; &br; 「むぃむぃむぃ♪」&br; 「ぴゃー?ぴゃー♪」&br; こんな状況でも、幼子達には遊びと同じ&br; びっくりしながらの、テンション高めではしゃいでる&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-23 (水) 00:28:23};
---「なんのォ!これしきぃ!なのだー!」&br;オールに、羽まで駆使して激流に立ち向かう!&br;ボートは流れの中で木の葉のごとく揺れ動き、横滑りし転覆寸前まで舳先を立てたりしながら飛沫をあげて流されていく。&br;ほとんど水に入るのと同じほどにびしょぬれになると、もうどうに&br;でもなれという妙な思い切りが沸いてくる。&br;「はっは!だいぶコツがつかめてきたぞー!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-23 (水) 00:40:08};
---「なんで海より濡れるのー…!?」&br; 激流だからですね。&br; 容赦の無い水飛沫を四方から浴びてびっしょり状態のサ姫さん&br; その一方でウルメルとレィメルは大はしゃぎ&br; 「むぃー!わう?ぷわぅ……」&br; 「みゅみゅー!ふにゅ?ぷわぁ……」&br; 急に動きが止まりました、どうやら何か素敵な物を見つけた様です&br; &br; 「どうしたの二人共…あ…綺麗……」&br; 二人が見詰める先を見れば&br; そこには淡い燐光を放つ根や枝が光のトンネルを作っていた&br; &br; 先程カトラ達に反応し周囲から燐光が溢れた様に&br; 川を覆う枝や根が、カトラ達が近付くる事で反応している様です。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-23 (水) 01:09:38};
---どうやらずっと急流が続くというわけでもないらしい。川の蛇行する&br;部分は比較的穏やかで。&br;速度と揺れに慣れてくると、なかなか楽しい。&br;&br;「おー、ここは、上がすごく明るいなのだー」&br;見上げれば、複雑な木々の網目の中を、幾筋もの光が流れている。&br;きっと根を伝う川が、数多く流れ込んでいる場所なのだ。&br;洞窟全体が輝く姿に見とれていると…。&br;&br;「うぉっ!?また急に流れが…」&br;多くの川が流れ込んでいるということは、当然水量も勢いも増す。&br;「うわっ!?わっ!?」&br;先ほどの比ではないほどの大激流!突き出した岩の周りで怒涛の&br;ごとく渦を巻き、滔々と流れ込む大量の滝は飛沫をあげ、光の中に&br;周囲を覆い隠す。&br;&br;「あわわっなんかこれ、ちょっ、ふぬぅ…!ぬぅぅぅん!&br;ぬわぁぁぁぁああああ…!」&br;「カトラちゃーん!?」&br;敢え無くカトラは転落!ボートは怒涛の流れに翻弄されるがままに。&br;&br;「ぬぅぅおおおりゃぁあ!」&br;奔流のなかに赤い羽根が帆のごとく突き出した!&br;カトラの羽は、水中で推力を生むのだ!ボートにしがみついてなん&br;とか這い上がろうとして…。&br;「ぬわー!?」&br;その時、ボートが大きく跳ね飛んだ!カトラも大きく跳ねて&br;頭から船上に突っ込んだ。&br;「カトラちゃん!だだ、大丈夫ー!?」&br;「むぎゅー!」&br;「むぃーっ」&br;サキ達が、カトラを支えようと手を伸ばし、カトラは落ちまいと&br;手がかりを探る。カトラとサキでウルメル、レィメルをサンドイッチに&br;してるような態勢だ。&br;「あんっ♡」&br;もがくカトラに乳房をわしづかみにされて、おもわずサキが嬌声をあげる。&br;手がかりには、心もとなかったのか、カトラはもっと掴みやすそう&br;なものを探して…。&br;「にゃうんんー!?」&br;ぐっと掴んだのはレィメルの角だった。なんだか妙な悲鳴があがった。&br;&br;&br;&br;「はぁ…はぁ…。根をやっと抜けたなのだ…」&br;巨大な根に区切られた、何本もの川が、やがて大地に続く1本の&br;川となる。&br;陽光の下を湖まで続く川を、へろへろになりながら流されていく。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-23 (水) 01:25:25};
---「…激流を…抜けたみたい…だね……」&br; 「ぽわ……」&br; 水は冷たいが頬を熱く赤く染めたままのサ姫、そしてレィメル&br; 特にレィメルの方はなんだか、ふわふわと頭が揺れている&br; &br; 「…むぅ…?」&br; そんな二人をウルメルは不思議そうな表情で見ていた&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-23 (水) 01:44:13};
---&br;『アクティビティは、お楽しみいただけましたか?』&br;ずぶ濡れになった一行を、運搬車両(はるかぜ)とドローン達が&br;出迎えてくれた。&br;&br;「ここから、あっちへいって、宙づりになったり流されたりして&br;結局ここに、戻ってきたなのだ…。一体我は何を…」&br;お楽しみとは言い難い表情のカトラ達である。&br;&br;ウルメルがくしゃみをした。&br;なんだか陽が傾いてきた気がする。地下にも1日の日照サイクル&br;が再現されているのだ。&br;「大丈夫?」&br;サキが、ウルメル、レィメルの濡れた服を脱がさせてやる。&br;「とりあえず、焚火で服を乾かして…食事の支度かの」&br;草まみれのギリースーツドローンが進み出て、何かの注意表示&br;のようなものを投影してきた。&br;「また禁止事項か、めんどうじゃのぅ…」&br;文字は読めない。&br;が、どうやら地べたで焚火をすると✕で、台やコンロは〇らしい。&br;&br;「あれか…」&br;湖畔に、キャンプ場の炊事場を見つけた。&br;ドローンは、ピュイと鳴いて頷いた。 --  &new{2019-10-25 (金) 02:14:09};
---「またカトラちゃんに温めてもらってもいいけど…あれお腹空くよね…?」&br; ウルメルとレィメルを子供用毛布でくるみながら、サ姫が問い尋ねた&br; 生物が熱を発する時は体内のカロリーを大きく消費する&br; それはきっとドラゴンも同じなのだろう。&br; &br; 「ひとまず、炊事場で火を起こして…温まりながらスープ作ろうか…?&br; カトラちゃん先にお願いできる、私は鍋やスープの準備してから行くから」&br; お願いするとは勿論、ウルメルレィメルの事だ&br; しかしここ最近カトラと行動を共にする事の多いウルメルはともかく&br; レィメルはどうなのだろう?&br; 先程もカトラが手を伸ばしたら逃げられてしまった&br; &br; 「…ふむ…ん…?」&br; 「みゅぃ…♥」&br; 複雑な気持ちのままカトラがレィメルの方を見れば&br; なんだか熱っぽい瞳をしている様な気がした&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-25 (金) 22:15:25};
---「…よく、わからん奴だのう…。まぁ確かに空腹であるのだ。&br;任されよう、なので早く頼むぞなのだ」&br;さっきと違って、カトラから離れようとしないレィメルと&br;またくしゃみしてるウルメルを連れて炊事場へ向かう。&br;&br;炊事場は石畳の床に壁がない、ログハウス風の屋根がかかった建物だ。&br;小さい体育館ぐらいの広さがある。往時は沢山の客でにぎわって居&br;たのだろうか。太い木造の柱に年季を感じる。&br;&br;床から一段低くなった部分に、天井の梁から自在鉤が下がっていた。&br;見た目がほぼ囲炉裏である。中には金属製の四角い受け皿に薪が積&br;まれて、すでに準備完了であった。&br;&br;『消化の際は柱のスイッチを押して頂ければ、炉内に二酸化炭素が&br;充填され自動で消火されます』&br;「便利にできておるなー…」&br;野外生活慣れしているカトラとしては、ちょっと拍子抜けだが、&br;手間がかからないなら、それに越したことはない。&br;ピュイッと6本足ドローンが着火用のライターを差し出してきたが。&br;「ああ、その類の道具より…」&br;すっと息を吸いこんで、カトラは火炎放射器みたく火を吹いた。&br;「こっちの方が早いなのだ」&br;薪はあっという間に、赤々と燃え上がる。&br;手間がかからない方が良いのである。&br;&br;「ひゃぅ」&br;「ぬぁっ」&br;カトラが火を吐くと、ウルメルとレィメルは少し驚いたように声を&br;上げる。火を吐くところは、2人も何度か見ているが。こんなに勢い&br;が強いブレスは初めてみたのだ。&br;「さっさと服を乾かすのだー、もうちょい上、よしそのまま」&br;カトラは、6本足に足を上げさせて、物干し替わりにしている。&br;カッコつけたわけでなく、強い火で、早く服を乾かしたかっただけ&br;らしい。ウルメルは真似してふーっとやってみるが、当然息しか出ない。&br;「へっへ、チビにはまだブレスなど100年早いなのだ」&br;それでもウルメルが、ふーッとか、はァーッとかやってると。&br;何を思ったのか、レィメルがウルメルの背中を叩いた拍子に、&br;ボフッと小さな炎が出た。&br;「…マジか、いや、ダメ、ダメなのだ。火事になったら危ない&br;から何度もやろうとするんじゃありませんなのだ。めっ!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-25 (金) 23:51:31};
---「がうー」&br; 「がうーじゃありません、なのだ…っておまえもなのだ」&br; 「みゅふぅ…ぷに」&br; カトラは頬を膨らませていたレィメルの頬を突いた&br; ウルメルの真似したかったみたいですね。&br; 三人がそんなやりとりをしていると&br; 駆ける足音と機械の足音が近づいてくるのが聞こえて来た&br; &br; 「カトラちゃんおまたせー」&br; 『ピピッ』&br; サ姫だ、そしてその後ろに続く様に&br; 箱や缶を抱えたギリードローン達が続く&br; &br; 「仲良しさんしてたみたいだねー…♪」&br; 「がうがうー」&br; 「みゅっはー」&br; サ姫がやってくるとウルメルとレィメルは万歳し&br; カトラはそうでもないのだと目を逸らした&br; そんな姿にサ姫は笑顔になってしまう。&br; &br; 「あ、そうそう…野菜スープ作ろうと思ってたんだけど&br; ドローンさんが持ってきたこの缶、ここで栽培した玉蜀黍で作ったスープなんだって」&br; サ姫がそう言うと、ギリードローンが約1.5リットルサイズ大型缶を掲げた。&br; 缶は赤と白のラベル、中央には読めない文字のロゴと玉蜀黍のイラスト&br; 缶を見るだけで絶対美味しい奴だとわかる。&br; &br; 「火の準備は大丈夫だね、ありがと…♪」&br; 鍋の準備をするとスープの缶を開けようとするのだけど&br; 「あ……」&br; 缶切りがありませんでした。キャンプでやりがちな失敗。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-26 (土) 00:32:01};
---「…ああ」&br;カトラは、納得したようにうなずくと、サキから缶を受け取った。&br;自分に必要がない道具だと、つい忘れがちになる。&br;で、カトラがどうやって缶切り無しで缶詰を開けるかというと…。&br;&br;両手でしっかりと缶を握って、地面に固定すると。&br;羽についた鋭利な爪状の鱗でコツコツ叩きだす。&br;&br;「ありがとーカトラちゃん…。爪は使わないの?」&br;赤い長手袋のような、鱗に覆われたカトラの両手は、サバイバルで&br;刃物や工具替わりに役立っていた。もちろん爪もなのだが。&br;「最近機械いじりが多かったからな、爪が長くて邪魔だったから削ったのだ」&br;「へぇー…え、何で??」&br;ドラゴンの爪である。ダイヤモンドコートのやすりでも、怪しい。&br;「尻尾の裏のざらざらしたとこ」&br;「へぇぇ???」&br;どうやらカトラの体には、まだ色々秘密がありそうであるが、&br;缶が開けられて、鍋で囲炉裏にかけられると、頭よりお腹の方へ&br;思考力が移ってくるようだ。&br;&br;「わーめっちゃ良い匂いするなのだ…」&br;囲炉裏の傍に腰を下ろし、待つ間にも空腹が加速していく。&br;素朴なただのスープなのに、やけに惹きつけられる。&br;日の暮れていく湖畔で、焚火を前にしているからだろうか。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-26 (土) 02:00:26};
---「だぅー…」&br; 「みゅふ…」&br; カトラの左右で鍋を見詰めるウルメルとレィメルの口から&br; 涎がたらたらと垂れている。&br; 「誇り高き神域のドラゴンの血族がだらしないのだ」&br; とか言いながら、二人の口を拭いてやるカトラさん&br; 「ふふっ…♪」&br; 「…別に作法を教えているだけなのだ」&br; &br; そんなやりとりをするうち&br; やがて玉蜀黍色のスープから湯気が立ち上り&br; 小さな泡がコポコポとスローペースで浮いては消え始めた&br; 「うん、もう大丈夫そうだね…じゃあ注ぐよー」&br; &br; 取っ手の付いたマグカップを四つ用意すると&br; しゃもじを使い、玉蜀黍色のスープを順番に注いでいく&br; 「…うお?トウモロコシの粒がごろごろなのだ?」&br; 「底にいっぱい溜まってるみたいだから、掬って入れるね?」&br; 「がうわぅ!」&br; 「むぃむぃ!」&br; ウルメルとレィメルも香りのテンションが上がったのか&br; まだかまだかと跳ねている&br; 「跳ねたらあぶないよ?熱いからふーふーしてから。ね?」&br; &br; 「よし!ふーふーなのだ」&br; 「ぷーぷー」&br; 「ぷーぷー」&br; 「ふーふーだね…♥」&br; 注ぎ終わったスープをみんなでふーふーし&br; そしてゆっくり口へと運ぶ&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-26 (土) 22:22:07};
---体に染み込む。そういう言うのがぴったりだった。&br;&br;地下都市に来てからも、色々と忙しく立ち働いてはいたが、&br;野山を相手にするのとでは、疲労の質も違うのかもしれない。&br;&br;海辺での生活が懐かしくなる味だ。&br;といっても、ほんの数日前のことだけど。&br;自分の手で獲物を得ることの楽しみがある味である。&br;まぁ缶詰なのだけど。&br;&br;「うまい…なんでか知らんけどやけにうまい…。&br;これ大丈夫なやつなんじゃろうかなのだ…」&br;『100%オーガニックです』&br;大丈夫みたいだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-26 (土) 23:19:40};
---「ほっこりする味だねぇ…はふぅ……」&br; 「むふぅ」&br; 「ぷふぅ」&br; サ姫、ウルメルレィメル並んで、ぼやけたわんこみたいに目を細めている&br; あたりにふわふわとした空気が満ちている。&br; &br; 『保存倉庫には天然素材のパン等もございますがどうしますか?』&br; 「もって来るのだ」&br; 速答。スープにパンなんて悪魔の囁き、絶対美味いに決まっている&br; 本物の魔はほっこりしているが&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-26 (土) 23:33:13};
---「そして案の定うまーい!」&br;ちぎったパンをスープに浸す、もう説明するまでもない味である。&br;「はむっ…」&br;「もむ…もっ…」&br;自分も試してみるレィメルと、無心にパンを頬張ることに喜びを&br;見出すウルメルである。&br;ちゃんとちぎって食べるなのだーとか言われてる。&br;&br;川下りで冷えた体に、焚火とスープで熱が入った。&br;こうなると、逆に食欲に火が付くのだ。&br;「よし!肉も焼くなのだ!」&br;丸太のベンチを立つと、言うが早いか、カトラは走っていき&br;両手で半身の枝肉を抱えて走ってきた。良い笑顔だ。&br;&br;「丸焼き…と言いたいところだが。時間がかかるなのだ。&br;炙って食べるとするなのだー」&br;&br;焚火の側に適当に石を置き、その上に網を渡す。&br;火の側で肉を炙る素朴なBBQである。&br;野外生活でよくやった調理だ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-26 (土) 23:56:12};
---「食べるって幸せだねー……」&br; 夢中で食べるウルメルレィメルを見れば自然と笑顔になってしまう。&br; 「あ、肉だけじゃなく、野菜もね?」&br; サ姫はそう告げてスープのカップを置くと&br; 輪切りにした玉ねぎと、半分に切り種を取ったピーマンを網に並べた。&br; &br; 囲炉裏の火力と炭からのは遠赤外線&br; 肉は直ぐに湯気を立て、油がジュワジュワと泡立ちはじめた&br; スープの優しい香りに代わり&br; 肉の焼ける香ばしくも食欲そそる香りが満ちていく&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-27 (日) 00:11:27};
---「おぅー…」&br;「みゃぅー…」&br;本能がウルメルとレィメルの視線を、肉に釘付けにする。&br;「まだじゃぞ。周りを焼いた後は、肉を焼き過ぎぬように&br;ゆっくり中まで火を通すなのだ…」&br;&br;網に乗った肉は分厚い。&br;早く食べるのなら薄く切ればよかったのに、あえて分厚く塊肉に&br;するあたり、カトラの肉に対するこだわりは熱い。&br;&br;「温度が上がり過ぎると肉汁が逃げてしまうなのだ。&br;肉汁は大事なのだ。この肉は血抜きされてしまっているが、ドラ&br;ゴンの国では、獲物の血ごと料理するでのー。&br;しかし生とは違うなのだ。ちゃんと火を通して血肉をなじませる&br;れっきとした調理法でなー…。&br;ちなみに、血だけを固める料理もあるなのだ…。&br;おいー、やっぱだめなのだ、おぬしこいつを押さえておくなのだ!」&br;&br;当然我慢しきれずに、手を伸ばそうとするウルメルを押さえつつ&br;色々ささやいて注意を逸らしてみるが、肉を前に本能全開になった&br;ウルメルは、カトラの脇に抱えられてバタバタしていた。&br;というわけで、ビーストウルメルはサキによって封印された。&br;&br;たっぷり20分ぐらいは待っただろうか。&br;さんざん良い香りで焦らしてくれた特大のステーキ肉は、&br;肉汁を落ち着ける時間で、またも焦らしてくれる。&br;しかし、ついに切り分けられて、あふれだす肉汁とともに桜色の&br;分厚い身を晒したのだった。&br;&br;「よっしゃ完璧ぃ!なのだ!」&br;思わずガッツポーズ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-27 (日) 00:40:38};
---「カトラちゃんすごいよ…お肉ってこんな風になるんだね……」&br; 「わぅぅ……」&br; 「ぷわぁ……」&br; 完璧に焼き上がった肉がそこにある。ザ・肉オブ肉!&br; 食欲そそる油の香りと、肉汁の黄金の輝き。後光さえ見えるようで。&br; その輝きにサ姫は嘆息し、レィメルは視線が釘付けとなり&br; ウルメルは再び本能は爆発しそうになっている。&br; &br; 「見ていては冷めてしまうのだ」&br; カトラによって肉と野菜が小皿に分けられ食べる準備は整った!&br; &br; 「さぁ召し上がるのだ!」&br; 「はーい!」&br; 「がぅぅぅぅぅ!」&br; 「みゅい!」&br; レッツ肉タイム!カトラの合図で肉に齧り付く四人&br; &br; 「これは…!?」&br; 「が…!?」&br; 「み…!?」&br; 齧り付いた瞬間口一杯に広がる肉汁と油のうま味。&br; 三人は世界の最果てを見た。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-27 (日) 01:03:24};
---「ふふん、どうよ」&br;超ドヤ顔のカトラである。&br;肉や魚を、直火で焼く。&br;これだけは、カトラが唯一得意な料理であった。&br;&br;&br;&br;食事が終わったあとも、まだ焚火は続いている。&br;明かりは焚火だけである。&br;他の都市と違って照明は1つもない。&br;かわりに、銀河と満点の星空が頭上にある。格子状の骨組みが空を&br;区切っていなければ、地下であることを忘れてしまいそうだ。&br;&br;カトラは、焚火の側に置いたポットに茶葉をざっと入れた。&br;「砂糖もいれるかの?」&br;片手でカップを取り出す、もう片手にはマシュマロを刺した木の枝&br;である。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-27 (日) 01:54:23};
---「うん、甘い方が好きかな?ウルメルレィメルは…どうする?」&br; 「むぁー♪」&br; 「とー♪」&br; カトラが問えばサ姫は当然として&br; ウルメルとレィメルも砂糖の瓶を指差し甘いのが良い事を示しました。&br; &br; 「うむ、では…あー頼めるかなのだ?」&br; 「いいよ♪」&br; カトラの手はマシャマロの枝と準備する手でふさがっている&br; だから、代わりにサ姫がウルメルレィメルそして自分のカップに&br; 砂糖をひとさじづつ入れて行く。&br; &br; 並んだカップが焚き火に照らされ、四つの影を落とす&br; 大きめの二つのカップはカトラとサ姫の&br; 小さな二つのカップはウルメルとレィメルの&br; 「直ぐに注がず、茶葉を蒸らすのが美味しいお茶を淹れるポイントなのだ」&br; 「待つ時間が美味しさを引き出すんだね」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-27 (日) 21:44:02};
---「うむ、…でお前らは砂糖を直に食べるでない。&br;ほれ、これでも焼いていろなのだ」&br;落ち着きなく砂糖を手づかみでじゃりじゃり食べだす2人に&br;焼けたマシュマロを口に放り込んでやる。&br;ちょっと熱かったのかびっくりしてるが。いずれ炎やビームを&br;口から吐き出すようになる子らである、火傷の心配はない。&br;&br;「枝に差したのを火にかざすのだ、近づけすぎると炭になるでな&br;こんな具合にな、なのだ」&br;ウルメルの持つ枝のマシュマロが真っ黒こげである。&br;新しいのと代えてやる。&br;&br;子供に火を使わせるのは一見危なそうだが。&br;じっとさせておくよりは、何かさせておいた方が静かだと&br;今日学んだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-28 (月) 01:08:44};
---&br; そんな事を思いながら、カトラは黒焦げのマシュマロを口に放り込んだ&br; 「苦いのだ…だがこれが良いのだ」&br; 見かけは真っ黒なマシュマロ&br; だが中心部分にはまだ甘い部分が残っている&br; 苦味と甘さ、これもまたキャンプ料理らしい味と言えるかもしれない。&br; &br; 「むぃ?」&br; 「子供には解らぬ味なのだ、ほらもう食えるのだ」&br; 「わぅ!…はふはふ」&br; 「はふふ……」&br; カトラに促され適度に焼けたマシュマロを頬張るウルメルとレィメル&br; 先程は驚いてしまったが、焼けてカリっとなった外皮とろりと溶けた内側&br; 子供にはたまらない食感かもしれない。&br; &br; 「ふふっ、二人共おいしい…?」&br; 「がうー♪」&br; 「みうー♪」&br; はふはふと味わう二人の姿が可愛くて&br; それに二人と上手くやっているカトラの姿&br; サ姫の顔も自然と笑顔になってしまう。&br; &br; 「ふむ、頃合いなのだ」&br; カトラは小さく呟くと、ポットの茶をカップに注ぎ始めた&br; 四つの湯気がカップから立ち上り&br; 絡み合いながら星空へと吸い込まれて行く&br; &br; 「良い香りだね…私好きかな…?」&br; 「それは良かったのだ。おまえは猫舌だからゆっくり飲むのだぞ?」&br; 「もう…カトラちゃんったら…私まで子供扱いでしてー」&br; 頬を膨らませるサ姫。なんだか先程頬を膨らませたレィメルと良く似ている&br; むしろレィメルの方がサ姫に似ているのかもしれない。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-28 (月) 01:29:30};
---「ふふーん、ドラゴンに比べればみんな猫舌のようなものよ、なのだ」&br;カトラは得意げに、カップを傾けて茶を啜る。&br;「…あれ、月が出ておらぬな?」&br;少し上向いて、夜空を見上げて言った。&br;頭上には、天の川の輝くのが見え、星々の鳴り響くような空だ。&br;てっきり、地上の空が何らかの高度な技術で見えているのだと思っ&br;ていたのだが。&br;&br;「地下に入る前は、満月のちょっと前ぐらいだったよなー?」&br;あと、お茶が美味しい。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-28 (月) 01:38:22};
---「んーそうだねー…?ふーふー」&br; お茶に息を吹きかけながら、サ姫は上目遣い気味に夜空を見た&br; 結局、冷ましながら飲んでいるサ姫さん。&br; &br; 「ぷーぷー…くぴくぴ」&br; レィメルもサ姫を真似て茶を冷ましながら啜っている&br; こうしていると本当によく似ている。&br; 「はむはむ♪」&br; そしてウルメルはまだマシュマロを食べていた。&br; &br; 「…んー…確かにこれだけ星見えてるのに…月が見えないって…あれ…?」&br; 「ふむ、ここは自然も多い空気が綺麗なの…ううん?」&br; 夜空についての会話を続けるうち、サ姫とカトラは不可思議な感覚を覚えた。&br; ヒントはカトラの言葉の中。「地下に入る前は……」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-28 (月) 01:59:13};
---魔法と天体の運行は密接な関係にある。&br;サキもカトラも、基礎教養で天文学を学んでいる。何せ2人とも&br;これでもプリンセスなのだ。教養は高い方だ。&br;&br;「ふぅーむ?」&br;地下都市に引っ越してきたのが6日ほど前、月は上弦で満月の前だった。&br;「…よく見たら、星の位置も妙なのだ、知ってる星座が無いし…&br;北極星はあんな星じゃったかのう…?」&br;「はるかぜさん、ここの空は、地上とは違うの?」&br;これまで、ホスト役として静かに控えていたはるかぜに聞くと。&br;『地上に設置された圧縮集光器郡によって集められた光を、拡散&br;したものです』&br;「?」&br;『…基本的には地上の空をそのまま取り入れています』&br;&br;おもわずカトラとサキは顔を見合わせた。&br;そんな2人の間に、にゅっとコンガリ良い色に焼きあがった&br;マシュマロが突き出される。&br;「あぅー」&br;「むふー」&br;上手に焼けたのを、ウルメルとレィメルが自慢したかったらしい。&br;「あ、くれるの?ありがとう…♪」&br;「って、なんじゃ我にはよこさぬのか」&br;サキはレィメルからマシュマロを貰い、ウルメルは上手にできたのを&br;自分で頬張る。&br;「まぁ、ここは未発見の遺跡じゃし、異界化してるとこもあるし。&br;色々あるよな、なのだ」&br;「そうだねぇー」&br;『現在地表面は比較的穏やかな状態が続いています。ご安心ください』&br;お茶のお代わりを淹れることにした。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-28 (月) 02:33:02};
---「あ、そう言えば…お外に出る予定すっかり忘れていたね…ぷにぷに」&br; 「ぷにゃあ…♪」&br; 貰ったマシュマロを食みながら&br; レィメルのマシュマロほっぺを指でつんつんすると&br; レィメルはくすぐったそうに身を捩った。&br; &br; 「そうであったなぁ…なのだ…って焼き過ぎなのだ?」&br; 「むぃー♪」&br; マシュマロを焼くのが楽しくなったのか&br; ウルメルは片方の手に二本づつの枝を持ち&br; 同時に四本の焼きマシュマロをしていた。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-28 (月) 22:08:53};
---「…お、そういえば釣りも忘れておったな…。神ドラゴンの樹の&br;湧き水が流れ込む川があるのだ、きっと良い魚が釣れるはずなのだ&br;もう1日くらいここに居てもいいと思うのぅなのだ」&br;そう言いつつ、斜め後ろを振り返る、足を畳んだ6本足とその背中&br;に乗るボールとトリのドローントリオがブレーメンみたくなってる。&br;反対側をむくと、暗がりに〇の文字が浮かんだ。ギリースーツド&br;ローンだ、釣りはオッケーらしい。&br;&br;「むぃにー」&br;ウルメルは焼けたマシュマロを、ブレーメンしてるドローン'sに差し出す。&br;沢山焼いたのはこのためらしい。&br;「そやつらは、物を食べぬ。っていうかそやつらにはやるのな、お前…」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-28 (月) 23:11:46};
---『ピッ』『ピピッ』『ピッ』&br; 三体を代表し六足ドローンがカメラアイと足を動かし&br; 感謝の意を示した。&br; &br; 「よかったねウルメル、三人とも喜んでるよ♪」&br; 「むぃぴー♪」&br; ドローン達がマシュマロを受け取ったのを見て喜ぶウルメル&br; その後ろでサ姫がカトラにアイコンタクトを送った。&br; 「ふむ…?」&br; &br; 「ウルメルレィメル、向こうで何かキラキラしてるよー?」&br; 「わぅ?」&br; 「みゅぃ?」&br; 二人の視線がドローンから逸れた瞬間、カトラは行動を起こした&br; &br; 「むぃぃ…?」&br; 「……もふ…なのだ…?」&br; ウルメルとレィメルが視線を戻すと&br; ドローン達はちゃんとマシュマロを食べた様で&br; 枝先のマシュマロが無くなっていました。&br; &br; カトラの頬がふっくらしている様に見えるけれど&br; きっと気のせいなのでしょう。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-28 (月) 23:29:12};
- 

-''状況:巨大樹トレッキング'' --  &new{2019-10-14 (月) 01:24:22};
--&br;「ここは崖みたいになってるなのだ」&br;山のように巨大な樹の、絡まりあった根の上を歩いていると、途中&br;で道は途切れていた。&br;道といっても、根の隆起がなんとか歩けるようになっているだけで、&br;ほぼロッククライミング状態だ。&br;&br;カトラは羽を広げた。難儀な段差もこれのおかげで難なく越えられる。&br;そして、側にいたレィメルを抱き上げようと手を伸ばしたら。&br;「およ?」&br;ぴゃっとレィメルはサキの後ろに逃げ込んでしまった。&br; --  &new{2019-10-14 (月) 01:52:17};
---「あれ?」と言った表情のままカトラが固まっている&br; 伸ばしたままの手は宙を彷徨いながら閉じたり開いたりを繰り返す。&br; 感情と手の行き場を失ったカトラにサ姫が声をかけた&br; &br; 「あ、多分びっくりしちゃったんだと思う……」&br; 「…なのだ?」&br; 錆びたカラクリの人形の様にギッギッと音でも立てそうな動きで&br; カトラはサ姫の方へとむいた、すると&br; &br; 「ほら?レィメルって少し敏感なところあるでしょう…?」&br; 敏感、言い換えれば警戒心が強いとも言える&br; だから今回もカトラが急に手を伸ばした事で驚いてしまったのだろう&br; &br; 「カトラパパは怖くないよー?」&br; 「みゅい……」&br; サ姫はレィメルの視線にしゃがみ頭を撫でてやるのだが&br; レィメルはぷるぷる震えたまま落ち着かない様だ。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-14 (月) 22:40:00};
---「パパじゃない!我は雌なのだ!」&br;うがーっとカトラが怒鳴るものだから。レィメルはますます怯えてしまう。&br;「おっと…」&br;サキに、めーって視線で刺されてしまって。慌てて口元を押さえるが、&br;一度怯えた子供を落ち着かせるのは難儀なものだ。&br;&br;「そいつは、おぬしが抱えていけなのだ。我はこっち」&br;ウルメルをひょいっと抱き上げる。&br;「ぶふー」&br;ウルメルは、抵抗せずにカトラに抱え上げられる -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-14 (月) 23:00:19};
---「んー…一回一緒に何かをするといいのかな……」&br; 無抵抗のままカトラに抱き上げられるウルメルを見ればサ姫をそんな事を呟いた&br; それにウルメル自身もそうだが、カトラはウルメルに対しては遠慮が無い気がする&br; ウルメルの大胆な所が、カトラとウマが合うのかもしれない&br; &br; 「レィメルがどうなるかはママ次第だよね…?うん」&br; 「みゅぃ?」&br; 不思議そうな顔をするレィメルをサ姫は抱き上げた&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-14 (月) 23:20:50};
---『現在地点に、施設が、あります』&br;「なんの?なのだ?」&br;崖を降下中に、不意にはるかぜのアナウンスが入ったのだから。&br;&br;『…申し訳ございません、施設側が、完全にオフラインです。&br;私にわかるのは、左方向、12.5mの位置に何らかの施設があるとい&br;うことだけです』&br;&br;「こっちかのー?…おっ」&br;崖を降下中に、カトラは何かみつけた。&br;&br;洞窟だ。木の根が絡まった内側へ入っていけそうな空洞である。&br;「これ絶対面白いやつじゃろ」&br;「みゃうー」&br;&br;カトラは洞窟へと躊躇なく寄り道してく。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-14 (月) 23:46:11};
---「あれー?カトラちゃんどこ行くのー…!?」&br; 「にょー?」&br; 先行していたカトラが急に飛行方向を変え、崖の中の方へと入って行く&br; 方向的に巨樹の内側へと繋がる洞窟でも見つけたのかもしれない。&br; &br; 「…私達も行くしかないよねー…?」&br; 「にぇー?」&br; ここは初めての土地、別々に行動するのはリスクが大きい&br; サ姫は溜息一つするとカトラの後を追う様に洞窟へと入って行った。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-15 (火) 00:02:36};
---一方、カトラは、巨樹が神ドラゴンだと気づくと、まったく警戒と&br;いうものが皆無である。&br;&br;以前に『森に横たわる者』を見つけた時も、はっきりと死体と言って&br;たのに、躊躇なく近づいて、親しみすらあるようであった。&br;その辺は、神ドラ独特の価値観があるのかもしれない。&br;&br;「中は明るいなーなのだ」&br;「のぁー」&br;根の入り組んで隆起し、または急激に落ち窪み。さながら本物の&br;洞窟のごとくである。&br;カトラ達からポワポワとした緑の光が穴の中で絡み合う木の根を&br;照らし出し。木の根からも呼応するように光が出るので、辺りは&br;青緑色の光に照らし出されて、イルミネーションのアーケードの&br;ようだ。しかもすごいやつ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-17 (木) 01:01:55};
---「…綺麗…中はこんなだったんだ……」&br; 「ぽわぽわ……」&br; 周囲を見渡すカトラとウルメルの背後から声がした&br; サ姫とレィメルの声だ。&br; 幻想的な光景に見惚れるサ姫とレィメル。&br; カトラ達と同じ様にレィメルからも緑の光が溢れ&br; サ姫の顔を照らしていた。&br; &br; 「…綺麗だけど…迷子にならない…?」&br; 「ぬぃ…?」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-17 (木) 01:14:56};
---抱いていたウルメル、レィメルを下ろして、洞窟の中を歩く。&br;「ああー、中が迷路になってたりなのだ」&br;ウルメルはポワポワした光を両手で叩いて捕まえようとしている。&br;&br;「しかし、ちゃんと出口にはつながってるんじゃないか、ほれなのだ」&br;カトラが指差す方をみると、光る川があって、トンネルのような木の根&br;の中を流れているのだ。&br;&br;「巨樹の麓から、湖まで川がずっと伸びてたじゃろう。&br;きっとこの樹の中が水源なのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-17 (木) 01:37:58};
---「光の…川…?」&br; カトラの指差す方向に燐光纏い流れる川がある&br; 淡い姿は夜空を流れる天の川にも似て&br; その周囲を漂うぽわぽわは星の様で……&br; &br; 「そうなると船が必要かな……ぱくっ……」&br; 「むぃ?」&br; 「みゃ?」&br; カトラの話を聞きながら、ぽわぽわした光を食べてみるサ姫さん&br; それを見てをびっくりなウルメルとレィメル。&br; &br; 「…何をしておるのだ…?」&br; 「精気の代わりにならないかなー…って……」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-17 (木) 02:00:07};
---「その発想はなかった…」&br;しかしカトラは、このぽわぽわしたのを浴びると、生命力が高まる&br;のだから。生命力を吸うサキが直に食べてみるのは、理にかなっている。&br;「…いや、やっぱよく考えてみたら、牛や羊が食う草を、直に食べ&br;てみるみたいな話じゃないかそれ、なのだ」&br;草を食む牛の横で、乳しぼりするサキのイメージ図。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-17 (木) 02:14:13};
---もやもやとした後。カトラ内の牛のイメージがサ姫に変わり&br; 慌てて首を左右に振るうカトラさん。&br; 「カトラちゃんどうしたの…?」&br; 「なんでもないのだ…それよりどうなのだ?」&br; どうなのだとは、勿論ぽわぽわの事&br; &br; 「んー…なんか霞食べてるみたい…かな…?」&br; そう言って、サ姫は直ぐに口の中で消えるしと言葉を続けた&br; 「やっぱりカトラちゃんの言う様に……&br; カトラちゃんが吸収して精気を分けて貰う方がいいかも…?」&br; 二人がそんなやりとりをしてる一方……&br; &br; 「ぱくっ」&br; 「あむっ」&br; ウルメルとレィメルは漂うぽわぽわを追いかけながら食べてる&br; 美味しいと言うより、おもしろいのでしょう。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-17 (木) 20:47:18};
---「物質循環というやつじゃのー」&br;生命活動を通して物質が摂取・変換され、また別の生命に利用され&br;ていく。なるほどなーとうなずきながら、自然の中から学びを得る&br;カトラさんである。&br;&br;感心してたら、急に洞窟の中に悲鳴が響いた。&br;「何事なのだ」&br;「どうしたの!?」&br;サキが慌てて駆け寄ると、暗い足場に滑ったレィメルが川に落下し&br;たのだ。&br;小川程度だったので、気付かなかったが、根の中の川は&br;存外深く、流れも急だったのか。立ち上がろうとしたレィメル&br;は水に足を取られ、だんだん流されはじめる。&br;さらに、助けようと手を伸ばすウルメルまで今にも落ちそうだ。&br;&br;「わっ!?レ、レィメル…!」&br;飛び出そうとしたサキの羽が樹の根につっかえた。不運なアクシデ&br;ントが連鎖!洞窟内は飛ぶには狭い!&br;&br;その時、カトラは一足飛びに跳躍!木の根を蹴って川に飛び込む。&br;「ちょろちょろするんじゃないなのだ」&br;腰辺りまで水に浸かったまま、レィメルを抱え上げた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-17 (木) 23:10:40};
---「ああ…レィメルよかったよぉ…カトラちゃんありがとう……」&br; 「ぷぇぷぇ……」&br; 半泣きの顔でカトラに感謝の言葉を告げるサ姫&br; 慌てたせいなのか翼の皮膜が僅かに破けてしまっている。&br; そして姉妹に起きた出来事にショックを受けたのか&br; ウルメルはサ姫に抱き付きぽろぽろと涙を流していた、&br; &br; 「まったくおおげさなのだ……」&br; 「みゅぃ……」&br; 溜息するカトラだが、その溜息には安堵の気持ちも混じっている様に見えて&br; ぷるぷると震えるレィメルを離さない様に抱きしめていた。&br; &br; 「あー…早く慰めてやると良いのだ……」&br; 「うん、でもカトラちゃん…もう少し抱っこしててあげて…?&br; レィメル…まだ怖いと思うから…今は体温を感じさせてあげた方がいいと思う……」&br; 震えるウルメルを慰めながら、そつ告げる告げるサ姫。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-18 (金) 00:20:48};
---「そうか、濡れて冷えたら風邪を引いて面倒だな、なのだ」&br;そういうと、カトラは、ぐぐっと羽を伸ばして、両岸に引っ掛け&br;ると、平行棒につかまるように、レィメルごと自分を持ち上げた。&br;&br;「っていうか、おぬし、羽やぶけてるじゃないかなのだ!&br;服も乾かさねばならぬし…外に出て火を…」&br;と言いかけて、カトラが暗がりの方を見た。なんども言うがカトラ&br;は目がすごくいい。&br;&br;「…木の中に建物があるのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-18 (金) 01:08:19};
---「そうなんだけど…そうじゃなくて……」&br; 「なんなのだ…?」&br; カトラらしいと言えばらしいのだが&br; もっと子供への温もりを持ってほしいと思うサ姫さん。&br; &br; 「まあ良い、あそこの建物で一休みするのだ…治療した方がよかろうなのだ」&br; 「痛くは無いけど…そうだね休もうか……」&br; カトラはレィメルをサ姫はウルメルを抱いたまま&br; 建物の方へ歩いて行った。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-18 (金) 01:21:59};
---&br;&br;&br;樹の中の洞窟は、建物に近づくにつれて広くなっている。&br;無数の蛍が舞う夜の森を歩く心地でいると、目の前に2階建てほど&br;の建物が現れた。&br;正確には、ビルの上から2階分だけが、破壊されずに残ったものである。&br;窓から緑の明かりが漏れ出ている。&br;破れた窓から入ってみれば、中も樹の根に侵食されていた。&br;&br;「はるかぜよ、おぬしが言うておった施設とは、これか?」&br;『はい、しかしシステムは完全にオフラインとなっています』&br;何か、便利な設備が残ってないかと期待したが、望は薄そうだ。&br;&br;大地震にでもあったあと、放置されような室内には、壊れた&br;ドローンの残骸であったり、崩れた壁や柱の瓦礫があるばかり。&br;床も完全に、根に覆われている。樹の洪水に流されたみたいだ。&br;&br;これまでの地下都市めぐりで、これほど廃墟然とした廃墟も&br;初めてだ。暗がりにネズミか何かが走っていった。&br;レィメルはその気配にまたビクッとした。&br;&br;「完全に、根の中に取り込まれちゃってる…?」&br;「あーなんか、こりゃ…だーめじゃなーなのだー?」&br;だめっぽい。&br;「まぁ、せっかくじゃし…一応調べてはみるか…」&br;そういって、抱いていたレィメルをカウンターと思しきところに&br;おいて座らせようとしたら…。&br;「…離さぬか」&br;さっきはカトラから逃げてたのに、今度は離してくれない。&br;「まだちょっと、怖いのかも…」&br;サキが、レィメルの濡れた髪を拭うように撫でる。&br;「これでは、焚火もできぬではないか。しょうがないなぁ…」&br;&br;緑の淡い光の中に、オレンジ色の光が割り込む。&br;そして、湧き上がるように熱風が4人を包んだ。&br;そう、この感触は…。&br;「ドライヤー?」&br;「だれがドライヤーなのだ」&br;カトラから熱気が出て、濡れた体を乾かしているのだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-18 (金) 01:59:16};
---「む゛?む゛む゛む゛む゛む゛〜……」&br; ウルメルがカトラの方へ口を開いて唸っている&br; 風で声にビブラートがかかる楽しさに目覚めた様です。&br; &br; 「ふふっ…面白い声だね…♪&br; レィメルは落ち着いてきたのかな…?あったかい?」&br; 「みゅぃ……」&br; 冷えた身体が温まる過程で眠くなってしまったのか&br; レィメルはカトラに抱かれたままウトウトとしている。&br; &br; 「カトラちゃんぬくいねー……」&br; サ姫もカトラの熱風でほっこりしているが&br; 皮膜の破けた部分が痛々しい。&br; サ姫が言うに時間が経てば自然治癒するらしいが&br; 流石に直ぐとはいかないようです。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-18 (金) 21:51:27};
---「さほど問題ないのは良いが、おぬしの羽は破けやすいのが問題なのだ…」&br;装甲板以上に頑丈なカトラの羽と比べたらそりゃなんだって脆いで&br;あろうが。&br;サキの羽は、飛ぶのはほぼ魔力の作用だから、見た目以上に華奢な&br;のは確かだ。&br;&br;『救護ドローンを、要請しますか?』&br;「わりとよくあるから、そこまで大げさでもないなのだ」&br;野外で暮らしていると、擦り傷や小さな切り傷などはよくできる。&br;ドラゴンスキンなカトラはともかく、サキの方が。&br;だから、常備していた作業着のポケットから軟膏入れを取り出すと、&br;指先で、自分の角をカリカリとひっかいて少しだけ削った。&br;樹の中だと、削った角まで燐光を放って、軟膏の上にぱらぱらと&br;落ちるのがよくわかる。&br;「あああ…ちょっと零れた…もったいないなのだ…。ほれ、塗るか&br;ら羽をこっちになのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-18 (金) 22:56:47};
---「はぅ……」&br; カトラの言葉にサ姫は肩を竦め&br; 申し訳ありませんと言った顔を浮かべるが……&br; 「あ、うん…ありがとう……」&br; 薬を塗ると聞けば、表情を笑みへと変えて&br; カトラの方へと翼を向けた、&br; &br; カトラの指で皮膜の傷に軟膏が塗り込まれて行くが&br; 「…ん…んん……」&br; むずむずとした感触と癒し効果の心地良さに&br; サ姫の口から妙な声が零れた&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-18 (金) 23:12:49};
---「妙な声出すなぁなのだ!」&br;塗ってるカトラの方が赤面し、そんな様子をじぃっと見つめる&br;ウルメルとレィメル達だ。&br;&br;&br;&br;治療を終え、服もだいぶ乾いた。改めて施設の内部を見渡してみる。&br;木の根に侵食された建物内部は、豪快すぎるツリーハウスっぽい。&br;それ以上に見るべきものはないような気もするが…。&br;「お、まてよ?もしかして、この樹の空洞は、元々は建物があった空間な&br;のではないか?」&br;カトラが気づいたように言う。&br;&br;絞め殺しの木というのがある。&br;他の木に巻き付いて成長し、やがて巻き付かれた方は枯れて腐って&br;しまう。&br;すると、中が空洞の不思議な木ができあがるのだ。&br;同じ要領で、神ドラゴンの巨樹が、地下都市の建物に根を伸ばして&br;建物を徐々に締め付けて破壊したのかもしれない。&br;&br;「根の間になんか残っておるやもしれぬなー?」&br;さっそくそこらへんの根っこの茂みに首を突っ込んでみた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-18 (金) 23:29:59};
---「!?」&br; にっこり顔がカトラの顔を睨み返した。&br; 一瞬焦ってしまったが、人形の頭だ&br; 奇妙な三角帽を被った眼鏡の人形。&br; 大樹が成長する過程でバラバラになってしまったのだろう。&br; &br; 「カトラちゃん何かあった?」&br; 「…ガラクタがあっただけなのだ」&br; 「そっか……」&br; 驚いてはしまったが、何かがありそうな事はわかった&br; 古代の品の丈夫さを考えるならば&br; 有用となる品も見つかるかもしれない。&br; &br; 一方……&br; 「むぃー?むむっ……」&br; 「みぅ、みぅぅ…ぷわっ?」&br; ウルメルと元気になったレィメルが茂みから何かを引っ張り出した&br; 先端が平たくなった棒。多分船を漕ぐためのオールだ。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-18 (金) 23:45:13};
---「オールではないか。カヌーで使うやつなのだ。うわっしかも&br;超軽い!何だこれっなのだ!」&br;『第2種複層プラスチック製です。非常に軽く頑丈な素材です』&br;「第2種複層プラ…何?まぁいいのだ、使えそうだしな、なのだ」&br;オールがあったということは、きっと船もある。&br;&br;「おお、やっぱりなー!ちょっと奥に挟まっておるなのだ!」&br;上半身を木の根に突っ込んだカトラがしっぽをバタバタとさせて、&br;くぐもった声で叫ぶ。&br;&br;「しかし…狭くて我だとちと手が届かぬ、おい、お前手伝うのだ」&br;と言って、レィメルに手を伸ばしたら、さっと逃げられた。&br;「なんじゃ、ひっついたり逃げたり難しいやつじゃのぅなのだ…」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-19 (土) 23:24:24};
---「んー…なかなか懐いてくれないねー……」&br; 「みゅぃ……」&br; 逃げ出し、サ姫の影に隠れたレィメルだが&br; 背から半分を顔を出してカトラの様子を窺っている様にも見えて……&br; &br; 「むぃ?むむむ……」&br; カトラの股下からウルメルが顔をのぞかせた&br; 持ち前の好奇心から船に興味を持ったようですね。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-19 (土) 23:41:58};
---「よし、おぬしでよい。奥のカヌーを掴むのだ!」&br;「ふんぬぃー!」&br;ウルメルの足を掴み、木の根の奥へ突っ込む!&br;そして、ウルメルは、根の間にあるカヌーを掴む!&br;ぐい、ぐい、と引っ張ると根を分けながら小判型のボートが。&br;&br;「…カヌーでは、ないな?なんか丸いのぅ…」&br;『ラフティングボートです。川下り用のものですね。&br;おそらく、この施設はアクティビティの乗り場だったと思われます』&br;「へー、川下りかー。わっこれも超軽っ!?」&br;『第2種複層プラスチック製です』&br;ウルメルを乗せたボートを、頭上に抱え上げてびっくり。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-20 (日) 00:00:08};
---「へぇー…?これで川下りするんだ…?」&br; 「みゅー」&br; サ姫のイメージともカトラのイメージとも異なる形状の船&br; 太古の人々はこれを使い川下りを楽しんだと言う。&br; &br; 「はるかぜさん…どんなルートで川下りするかわかる?」&br; 『お待ちください。過去の地形データと都市の娯楽施設データを検索します』&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-20 (日) 00:18:02};
---2人してカトラの手の中の端末を覗き込んでいると。&br;&br;『脅威の高低差800m!全長3000mのスリルを体感!&br;忠実に再現された地形をもとに、リアル・アース・アクティビティの&br;最高峰が誕生!メガストラクチャ・ラフティングは、景色を楽しむ&br;アクティビティコースから、プロも手こずる本物の激流下りを制&br;するエクストリームコースまで、大渓谷があなたを待ち受ける…』&br;&br;ナレーションとともに、ボートにのって川下りをする人々の姿が&br;映し出される。&br;&br;「へー、こんなんなってたなのかー。おっここ…」&br;画面をタップして一時停止。&br;&br;「この山の姿、木の根は張っておらぬが。あのシュポーンって&br;やるやつの乗り場から見た姿と似たような感じじゃの、うしろの&br;壁とか…」&br;&br;ということはつまり、都市の天井を破って入ってきた巨樹に、山が&br;丸ごとすっぽりと包み込まれた、ということなのだろうか。&br;&br;「なーるほどなのだー。ということは、木の根の下に、元あった川も&br;流れているに違いない!&br;根の中を伝って、麓の川まで下りていくのも楽しそうではないか!」&br;「大丈夫なの…?」&br;「任せろ、カヌーの扱いも熊に習ったのだ」&br;カトラは胸を張る。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-20 (日) 01:01:30};
---「んー大丈夫なら行ってみようか…?&br; はるかぜさん…位置の案内を小まめにお願い出来る…?」&br; 『了解しました。地図を再定義するため、マッピング機能を使いますか?』&br; 「マッピング!冒険の定番だよね♪」&br; そんな訳ではるかぜのフォローを受けながら川を捜す事に。&br; &br; 「二人とも大丈夫…?」&br; 「むぃ!」&br; 「みゅ」&br; ラフティングボードはカトラが背負って運ぶ事になったのだが&br; オールは自分達で見つけた事で所有欲が芽生えたのか&br; ウルメルとレィメルが一緒に持ってます。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-20 (日) 01:18:42};
---「おい、それ使うからあとで我へ貢げよ?なのだ。」&br;「ぬー」&br;「にゅー」&br;そして、大人げなく子供のものを奪おうとするカトラさんである。&br;ウルメルとレィメルは、本能的に察してさっとオールを背中にかばう。&br;「カトラちゃんったらー…めっ」&br;&br;わちゃわちゃとやりながら、一行は根の洞窟の中を進んでいった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-20 (日) 01:43:16};
-  --  &new{2019-10-14 (月) 01:23:44};

-  --  &new{2019-10-05 (土) 00:24:38};
--&br;「やはり狙うなら大物だよなーなのだ。久々の狩りでわくわくしてきたなのだー」&br;「だぅー」&br;「って、お前ついてきてたのかなのだ。ほれ、2人のとこに戻れ」&br;カトラが森の中を意気揚々、進んでいたらウルメルが付いて来ているのに気づいた。&br;背中を押して元来た道に押し返しても、しつこく食い下がってくる。&br;「んもぅ、面倒じゃのう…。危ないから槍をいじるでない。玩具&br;じゃないのだぞ」&br;テンションダダ下がりだ。&br;&br;ガサッと、突然前方の茂みに物音がする。&br;「ぬっ!」&br;「ぬぁ」&br;カトラはとっさに伏せて身を隠し、ウルメルは頭を押さえて隠れ&br;させた。&br;イノシシだ。距離にして50mほど。相手は油断している。&br;だが、目も鼻もドラゴンなカトラにとっては射程内!&br;(さっそくツイているではないか…!)&br;手にしていた槍を、静かに肩に担ぎ上げ、その重さを手に感じる。&br;しばらく振りだが、狙う感覚に鈍りは感じない。&br;槍が少々重たく感じる程度だ、大型の獲物には、重量を乗せた&br;一撃がかえって好都合である。カトラの腕力から放たれる槍は、イノシ&br;シの針金のような毛皮と分厚い筋肉を貫き、骨すら砕くだろう。&br;「ふぅ…せいやっって、うわぁああああ!?!」&br;「のぁーーーーーーーーーーーー」&br;静かな気合ととも放たれた槍、悲鳴をあげるカトラ。&br;やけに重たいと思ったら後ろにウルメルが引っ付いてた。&br;カトラは慌てて茂みから飛び出して追いかける!&br;イノシシは脱兎のごとく逃げ出した。 --  &new{2019-10-05 (土) 00:24:47};
---&br; (デフォルメされたカトラの顔が回転してサ姫の顔になるアイキャッチ)&br; カトラがウルメルを追いかけているその頃……&br; 「…今、誰か叫ばなかった…?」&br; 「みゅい?」&br; 遠くに奇妙な叫び声を聞き首を傾げるサ姫とレィメル&br; 二人は手を繋ぎ、森中の比較的開けた所を選んで歩いていた&br; &br; 「猛獣とかじゃないといいけれど……」&br; 「み…みみ……」&br; サ姫の不安気な声にレィメルはぷるぷる震えてしまう&br; 「あ?大丈夫だよ…ママが守ってあげるから…ね?」&br; 「ふみ♪」&br; そんなやりとりをしながら森の中を歩き続ければ&br; 不思議な色の果実がなる木を見つけました&br; &br; 「あれ?変わった色の果実だけど…食べられるのかな…?」&br; 「ふにゅ?」&br; 青の様な紫の様な不可思議な色。形はオレンジよりもいびつで&br; 見た目は怪しいが、もしかしたら食べられるかも?とサ姫は手を伸ばすのだが……&br; &br; 『ピプーッ!』&br; 「わ?キジムナー?」&br; 「みゃう…!?」&br; 草の影から草の塊が飛び出してきた。驚き飛び退くサ姫とレィメル&br; ちなみにキジムナーとは森に住む木々の妖精です。&br; &br; 「あ…この子ドローンだ…えっと…もしかして食べたらダメって事かな…?」&br; 『←× ピッ』&br; 宙に植物の説明らしい映像を投影する草塗れドローン。どうやらガイド役の様だ。&br; 説明は古代文字ばかりで読めないが、赤い警告文字と腹を抱える人のイラストから&br; この果実は食べると腹痛を起こすと読み取れました&br; &br; 「おしえてくれてありがとう…♪」&br; 「みぃみぃ♪」&br; 『ピピッ』&br; 「あ、そうだ…食べられる植物や果実の場所ってわかる…?」&br; サ姫が尋ねると草塗れドローンはアームを手招きする様に動かした&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-05 (土) 00:58:46};
---(デフォルメされたサキの顔が回転してカトラの顔になるアイキッッチ)&br;&br;「おまえなー!だからー!大人しく帰れってなー!?」&br;「がうー」&br;威嚇しあうカトラとウルメル!顔を突き合わせてギリギリと&br;歯ぎしりさせながら睨みあう!&br;ガサッ、再び何かが藪の中で動いた。&br;「あぅ?」&br;「あっおい!」&br;今度出てきたのは丸々とした小鹿のような鹿、マメジカだ。&br;ウルメルは追いかけて藪の中に突っ込んでいく。&br;「ほんと、秒で落ち着きがないな貴様はーなのだ!」&br;迷子にでも成られたら厄介だ。仕方なくカトラも追いかけるのだが…。&br;バサッと今度は羽音がした。一瞬サキが悲鳴を聞いて飛んできたの&br;かと思ったが、目の前を横切った影はあまりに黒すぎる。&br;「さっきのデカいコウモリ!」&br;フィリピンオオコウモリ、2mにもなる世界最大のコウモリだ。&br;だが、環境が良いのか、3m近い巨体である!&br;「あーーーーー」&br;「わー!狩られたなのだー!?」&br;オオコウモリに天高く攫われるウルメル。&br;ちなみに主食はフルーツであり食われる心配はない。&br;「コウモリに負けるドラゴンがあるかバカー!」&br;カトラは慌てて飛び出した -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-05 (土) 01:26:42};
---(デフォルメされたカトラの顔が回転してサ姫の顔になるアイキャッチ)&br; &br; サ姫とレィメルは草塗れドローンに案内されながら森の奥へ進んで行く&br; 木々が増え深くなかった事で若干の薄暗くなってきたが&br; サ姫の暗視能力と、ドローンが危険を警告してくれるので安心して進む事が出来ていた&br; &br; 『×!ピピッ』&br; 「わ?この草は触ると痒くなるんだね…?勉強になるなぁ……」&br; 「ふわぁ……」&br; この道中で解った事だけど、レィメルは知識欲がかなり旺盛な様だ&br; ドローンが説明の映像を出す度に、じーっと見る事があった&br; 「んーそろそろ絵本とか読んであげるといいかな…あ…?」&br; &br; 不意に森が途切れ開けた場所に出た&br; それまでの薄暗さが嘘の様に差しこむ光は明るく暖かい&br; 光を浴びた草花は萌ゆる如くに生命を溢れさせている&br; 「私達…楽園に出ちゃった…?あ、レィメル」&br; 「にゃうー!」&br; サ姫の手を引き駆け出すレィメル&br; どうやら知識欲だけでなく、遊びたい欲も旺盛の様ですね&br; &br; 『ピピッ♪ピピッ♪ピピッ♪』&br; 「ドローンさん…ここの果実食べられるんだ…?」&br; 駆ける二人に並走しながらドローンが多数の映像を浮かび上がらせる&br; リンゴに似た赤い果実、紫の小さな果実はベリーの一種&br; あちらの葉しか無い植物は根を食べる事が出来る様だ&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-05 (土) 01:48:36};
---&br;(デフォルメされたサキの顔が回転してカトラの顔になるアイキッッチ)&br;&br;「よもやあのコウモリが拳法使いだったとはな…」&br;「むぃー…」&br;カトラの小脇に抱えられたウルメルがか細く鳴く。&br;3m級のオオコウモリとの死闘の末、ウルメルを取り戻したが&br;コウモリを仕留めることはできなかった。&br;&br;「はー…このままじゃ手ぶらで帰るハメになるなのだ…」&br;「ぷぇー…」&br;「ぷえーじゃない、貴様のせいなのだ。こいつめぇ…!」&br;むぎゅぅーっと顔を両手でつかみ上げて、潰れた老猫みたいな顔に&br;なったウルメルを睨みつけてやる。&br;「…はぁ…。もうよい」&br;そして、案外あっさりと下におろしてやった。&br;「行きたければどこへでも行くが良い。貴様も一応ドラゴンの&br;端くれなのだ。天地のすべて、その足下に置く権利が貴様にもある。&br;我の方が絶対強いけどななのだ。&br;貴様は貴様の力で好きに歩むがよい。」&br;そういって、カトラは一人で草原を歩きだした。&br;&br;そうだ、サキが横にいると調子が狂うが、ウルメルもレィメルも&br;れっきとした神域のドラゴンなのだ。&br;いちいち世話を焼いたり、言うことを聞かせようとする方が不自然なのだ。&br;第一、我が何かしようとする時、いちいち誰かに許可を請うことも&br;遠慮することもない。ならば、こやつらもそうすべきである。&br;あと、付き合ってたらこっちの身がもたぬ!&br;&br;等と考えながら、背の高い草を踏みながら、少し小高くなった丘を上っ&br;ていくと、少し距離を置いて、草むらの中から小さい角&br;が飛び出している。&br;振り返ると、止まり。また前へ進むと、ガサガサと草むらをかき&br;分けてついてくる。&br;&br;「…好きにせいなのだ」&br;微妙な距離を保ちつつ、2人は歩いていった -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-06 (日) 00:34:03};
---&br; (デフォルメされたカトラの顔が回転してサ姫の顔になるアイキャッチ)&br; &br; 「み?…みゅあー♪」&br; 「ふふっ、甘い?レィメルが好きならウルメルも気にいるかも…?」&br; 初めて食べる果実の味に大はしゃぎするレィメル&br; そして楽しそうに見詰めるサ姫&br; カトラとウルメルがわちゃわちゃやってる頃&br; こちらは至ってゆるやかな時間が流れていました&br; &br; 「天然の果実や野菜がこんなにあるなんて……」&br; 元々果樹園や菜園だった場所が野生化したのか&br; この場所には多数の果樹や野菜等が自生していた&br; 普通なら野生化すると、味に大きな変化が生じてしまう物だが&br; しかしここにある果樹や野菜は良い味を保っている&br; &br; 「君達のお陰なのかな…ドローンさんに感謝しないとだね…?」&br; 「ぷわぁ♪」&br; 『ピピッ』&br; 二人から感謝を受けると草塗れドローンはその場でクルリと回転して見せる&br; 彼(?)なりの感謝表現なのだろう。&br; &br; 「さて…袋に入るだけ詰めたら一回戻ろうか…?」&br; 「むぃー♪」&br; サ姫が言うと、レィメルは自分で採集した赤く瑞々しい果実を嬉しそうに掲げました&br; レィメルはじめての採集体験&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-06 (日) 01:02:11};
---&br;(デフォルメされたサキの顔が回転してカトラの顔になるアイキッッチ)&br;&br;「貴様に期待はせぬ、狩りを知りたければ、今度こそ黙って静かに見ておれ」&br;「むぃ」&br;草むらに身を潜め、カトラは這うように、静かに前進する。&br;ウルメルも真似して這った。&br;前方には、腹に黒い帯のような体毛のある鹿のような生き物の群れ…。&br;ガゼルだ。動物ドキュメンタリーでよく肉食獣に食われていること&br;でお馴染みのあいつが、この地下の草原にも生息している。&br;&br;「ドラゴンは本来はこのような狩りはせぬが…。これは熊達に教&br;わったやり方でな、なのだ…草食べるんじゃない、ぺっしなさいなのだ」&br;「ぷぇっ」&br;&br;獲物との距離は約100m…。だが警戒心の強いガゼルは&br;すでにこちらを警戒しているようにも見える。&br;一応、射程内ではある。&br;カトラは、今度は投げやりを棒のようなものに番えて携えている。&br;アトラトル、古代の投擲器だ。槍を木の棒に引っ掛けて投げるだけ&br;の単純な武器だが。テコの原理と、木の棒の分、肩を中心とした円運動の半径が&br;大きくなり、最終的に槍を射出する威力は、素手の何倍にもなる。&br;それを、ドラゴンの腕力でやるのだ。威力はライフル並みである。&br;&br;「道具の方が便利なこともある。きっかけは、鹿を偶然に投石で仕留&br;めた時だったなのだ。ドラゴンらしくはないがななのだ」&br;怒鳴るのでなく、何かささやいてやると、ウルメルは聞き耳を立&br;てるらしい。&br;それを利用して、静かにさせながら、風下から距離を詰めていく。&br;&br;突然、ガゼルが首を上げ走り出す構えを見せた!&br;「気づかれたか!」&br;狙いは定まっている!カトラも跳ね起きると即座に槍を放とうとする!&br;ドザザザンッ!突然目の前の草むらが立ち上がる!&br;「のわー!?」&br;「なのだー!?」&br;カトラ達は、いつの間にか取り囲まれていたのだ!気配は感じな&br;かった、なぜならそいつらには気配自体が無い。&br;「ドローン!?」&br;そう、ドローンである!草や灌木をギリースーツのようにボディに&br;生やしたドローン達が、一斉に×印のホログラフを前方に投影!&br;けたたましく警告音を発する!&br;&br;「ぐぬぬ…」&br;逃げていくガゼルを、歯噛みしながらカトラが睨む。本日3度目の&br;獲物を捕りがした口惜しさと、苛立たしい警告音で、カトラの怒り&br;はみるみるうちに噴火口へと昇り詰めていく。&br;「うがー」&br;なんかウルメルも牙をむいて威嚇してる!&br;「面白い…ドラゴンに歯向かうとはどういう事か…。小童よ&br;狩りよりも先に、学ばせてやろう…この愚か者達の末期をそこで見ておれ…」&br;「うがー」&br;一触即発!その時だ!&br;「ピピっ」&br;「ピュィー」&br;ギリースーツドローン達の後ろから、6本足達が現れた。&br;&br;&br;(デフォルメされたカトラの顔が回転してサキの顔になるアイキッッチ)&br;&br;&br;「ただーいまーなのだー」&br;サキ達の待つ、湖のほとりのテントにカトラ達が帰ってきた。&br;肩に、半身にされた大きな獣の枝肉を担いでいる。&br;首尾は上場だったようだが、なんだか微妙な顔をしているような? -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-06 (日) 01:53:49};
---「あ、カトラちゃんウルメルおかえりなさーい…♪」&br; 「みゅぃー♪」&br; カトラの声を聞けば作業する手を止め顔上げるサ姫そしてレィメル&br; どうやら採集した果物の仕分け作業をしていた様です&br; そして自分が採集した成果を見せたいのか&br; レィメルは赤いリンゴの様な果実を手に二人の元へ駆けて行く&br; &br; 「わぁ?おっきなお肉!狩り上手く行ったみたいだねー…ん?&br; えっと…何かあったの?」&br; 担いでいる枝肉を見れば狩りが成功したと判断するのだが&br; しかしカトラの表情を見れば首を傾げてしまう&br; 「…にゅぃ?」&br; 同じく果実を掲げたまま首を傾げるレィメル&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-06 (日) 22:01:13};
---「うまく行ったというか、なんというか…」&br;ふくれっ面気味に口を真一文字に結んで、なんとも&br;言えない表情をしているカトラが口を開く。&br;&br;「狩り禁止だったから、ここのドローンとちと揉めたのじゃが。&br;6本足達が事情を説明したら、ジビエレストラン?用に保管して&br;あった肉を貰ったなのだ…」&br;どうりで、カトラの担いでいる枝肉は綺麗に処理されて、精肉工場&br;に吊るされてそうな美品なわけである。&br;ウルメルはレィメルと一緒に、リンゴと、鶏丸1羽のパッケージを&br;掲げてはしゃいでいた。&br;&br;「例の記憶材?とやらの保管庫だから、人が居なくなって以来&br;在庫が溜まる一方で、好きなだけ持って行って良いらしいのだが…&br;なんか素直に喜べんのぅ…」&br;カトラは釈然としない顔をしていたが。後ろには6本足のドローン&br;の他に、ギリースーツドローン達も続いていて。&br;でかい枝肉をわんさか運んで貰っているのだから。貰えるものは&br;貰っておくつもりである。&br;以前のプライドの塊みたいなカトラだったらいざ知らず。今は意地&br;よりも食の大切さの方が身に染みているカトラさんだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-06 (日) 23:40:44};
---「はぁ…そうだったんだ…狩り出来なくて残念だったね?こっちは……」&br; カトラの頭を撫でつつ、草塗れドローンとの出会った事や&br; そのドローンに果樹園に案内された事を教える&br; &br; 「ここは元々管理された場所だからね…完全な自然とは言い難いのかも…?」&br; 「みぃー♪」&br; 「むぃー♪」&br; それでもウルメルとレィメルにとっては良い刺激なのか&br; 鳥肉とリンゴを掲げ走り回っている&br; その後をドローン達が付いて回るので、ジェンガダンスみたいになってる&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-06 (日) 23:57:50};
---「ここは牧場か…箱庭のようなものだったのかの」&br;サキの摘んできた果実を一つ手に取って齧ってみた。&br;町で売られている果物と同じ味がした。むしろ採れ立てで旨い。&br;「…ここの食料まで、地下都市の倉庫のものと変わらんとかないよな…?」&br;余りに旨すぎて、カトラはちょっと心配になる。&br;『この施設内のものは、できる限りオーガニックに近い状態を保つよう&br;作られています。本物と変わらない自然と触れ合える&br;私の観光プランの中でも非常に人気の高い停車駅の一つでした』&br;「なら安心かの。おぬし、どのぐらい荷物持てる?」&br;『運搬車の最大積載量は4tです』&br;「なら安心かの」&br;カトラは、はるかぜの荷台に積んだヴァル姉のカバンに、&br;手品のように肉だの果物だのをしまっていく。&br;いくらでも入るが、入れすぎると無限に重くなるので注意が必要だ。&br;&br;そして、ふと思い出したように。&br;「レストランがあったのだし、もしかして、宿もあったりするのかなのだ?」&br;『いくつかございます。最も近い場所はこちらに…』&br;「あの山の方かー」&br;はるかぜがナビに地図を出すと、カトラは額に手をかざして、格&br;子状構造の天井にまで届く、急峻な山の方を眺めた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-07 (月) 00:31:21};
---「山登りになっちゃうね……」&br; 「りぃー?」&br; 「ぬぃー?」&br; カトラの隣でサ姫も同じ様に額に手をかざし山を眺めながら言う&br; ウルメルとレィメルは額に手をかざしながらお互いの顔を見てます&br; &br; 「お?なのだ」&br; 「あ?」&br; サ姫とカトラがほぼ同時に声を上げた&br; 「見えるか?…なのだ」&br; 「うん!何かロープみたいのあるけど…ゴンドラかな…?」&br; 地下都市の壁から山近くまでロープの様な物が張られているの見える&br; ただロープは山へと続いているのか&br; 山向こうへ伸びているかはここからで解り辛い&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-07 (月) 01:08:18};
---「むこうに、足場のようなものが見えるなのだ。&br;こっちにもあるのだ」&br;首を左右に動かしながらカトラが言う。カトラの目はワシ並みだ。&br;『都市構造物を利用したアクティビティです。搭乗口への道順は、左方向に150m…』&br;はるかぜが説明してる途中で、カトラは飛び上がっていた。&br;『…あるいは、上方向へまっすぐ200mほど上昇です』&br;&br;眼下に、キャンプ地の湖が輝いている。青く霞んで見える反対側の&br;壁には、うっすらと靄のような雲がかかり。白い鳥の群れが飛んで&br;いるのが米粒のように見えた。&br;&br;「やはりな、ゴンドラで向こう側まで行くためのロープに違いない」&br;電気の付いていないビルの中みたいに薄暗い場所である。&br;カトラの背後には壁も手すりもなく。地下の森の大景観が広がっていた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-07 (月) 01:26:07};
---「\カトラちゃーん…一人で行かないでよー!/」&br; 200m下からサ姫の声がした&br; 見ればウルメルとレィメルを抱いたまま翼をバタつかせている&br; 二人抱いて歩くのが無理なら、二人抱いて飛ぶのも無理な話なのでした&br; 「はぁ……」&br; 溜息するカトラさん&br; 結局カトラが戻ってウルメルを抱いて飛び上がりました&br; &br; &br; 「すっごーい!大パノラマってこの事だねー&br; あ?ウルメルははしゃがないのー?レィメルはママの尻尾をしっかり掴んでるんだよ?」&br; 「ぬぁー!のぁー!」&br; 「みゅ、みゅみゅ……」&br; 足場から周囲を見渡せば、先程まで歩いていた大自然の全てが見渡せる&br; 丸く円を描いているのはサ姫とレィメルが果物を採集した果樹園区画&br; 丸太を組んで作った屋根はカトラとウルメルが肉をゲットしたジビエレスラン&br; 他にも何かの施設らしい屋根が木々の間から見え隠れしている。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-07 (月) 21:56:04};
---「しかし、ロープはあってもゴンドラが見当たらぬなー?」&br;カトラは、サキと反対に薄暗い建物内を手探っているのだが。&br;黒く太い2本のロープをがっちりと固定する鉄橋の接続部めいた&br;基部はあっても、人や荷物を載せるゴンドラらしきものは無い。&br;&br;『当設備は、荷物の運搬ではなく。ロープを伝って行く&br;アクティビティです』&br;カトラが作業着のズボンに入れていた端末からはるかぜの声がする。&br;そして、室内にあったロッカーが一人でに開いて。中には背中に&br;器具のついた風変りなベストのようなものが入っていた。&br;&br;『装着が完了しますと、自動で牽引具がロープに接続されます』&br;「お…?」&br;さっそくカトラが着てみると、体を固定するためのベルトや器具類は&br;手順通りに、次はこっちをこうしてください。という風な案内ホログラム&br;が投影されて、説明をまったく聞かない類の人でも間違うことがな&br;い安心設計である。&br;「おお?」&br;ベストを装着し終えると、背中の部分の器具がこれまた自動で&br;ロープに引っかかって。カトラは宙づり状態になった -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-07 (月) 23:29:39};
---「…ん?んん?」&br; 「むぃ?」&br; 「ふわ…?」&br; 声を聞き振り帰ればカトラが宙吊り状態になっている&br; 最初、何かの罠にでも引っかかったのかと思ったが&br; 何か様子がおかしい&br; &br; 「カ、カトラちゃん…干した干物みたいになってどうしたのー!?」&br; 「だぅー♪」&br; 「み。みみ……」&br; カトラの近くまで行ってみるサ姫達だが&br; ウルメルとレィメルは面白がってカトラを突いてる&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-07 (月) 23:37:35};
---「これは、こういうものらしい。古代人のセンスはわからぬなのだ…」&br;カトラが首をひねっていると。前方に古代文字が投影された。&br;「ああ、これはわかるのだ。こういう文字が並んで下に、こういう&br;感じの文字が並んでる時は、大概 はい いいえ を選択するみた&br;いなやつなのだ」&br;ドヤ顔で、はい の部分をタッチするカトラ。その瞬間…。&br;「うわぁあああああああああああ!?」&br;「あーーーーーーーーーーーーーーー」&br;ロープに宙づりになっていたカトラは、シュポーンと射出された。&br;尻尾にしがみついたウルメルと一緒に。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-07 (月) 23:48:12};
---「あー……」&br; 「ぷみぃ……」&br; 一瞬の出来事。そしてもはやお決まりとなった出来事&br; それでも彼方に飛び去る二人にサ姫とレィメルはぽかーんとなってしまう&br; そんな二人の耳にアナウンスの声が聞こえた&br; 『お子様連れの方は、専用の補助付きのベストの着用を推奨しております』&br; &br; 「うひゃぁぁぁぁぁ!?」&br; 「ぴゃぁぁぁぁぁぁ!?」&br; 地下の大空に少女と幼女の悲鳴が響、森から多数の鳥達が飛び上がった&br; カトラ達と同じ過程を経てシュポーンと射出されるサ姫とレィメル&br; 先程のカトラ達と違うのは&br; サ姫のお腹には幼児用補助ベストを付けたレィメルが固定されていると言う事&br; &br; 「へふー…衝撃には驚いたけれど…これはなかなか……」&br; 「にゃ、にゃう…♪」&br; 思わず目を閉じてしまった二人だが、速度が安定し目を開けば&br; 眼下には森が流れ、鳥達が横切り&br; まるで風に乗った様な気分にさえなってくる&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-08 (火) 00:09:13};
---空を飛べるカトラとサキにとって、鳥の視点で地上を眺めるのは&br;日常的な光景だが、自力ではなく器具によってというのは、新鮮&br;な体験である。&br;&br;レィメルにとっては、生まれて初めての飛行にも等しいのだから。&br;風を身に受け、普段は見上げている物を眼下に見下ろす感覚。&br;地上のあらゆる障害や束縛から解放され、天高くを飛ぶという&br;解放感。そして、自分を支える力の失われれば、遠く見下ろして&br;いる地上へ墜落し痛い目に合うのだという本能的な恐怖感。&br;その飛行を、あたりまえのようにする、サキ達…親の力強さ。&br;「にゅあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」&br;悲鳴をあげて前方で蛇行し続けるウルメル。&br;&br;わずか数分の飛行の末に、反対側の壁面の足場に到着して、&br;ベストは全自動で脱がされて、全自動でロッカーに収納された。&br;ロッカーからベストをクリーニングする音が聞こえる。&br;&br;「宙づりになって飛ぶだけ…?古代人のセンスはほんとわからんなのだ…」&br;「えぅ…」&br;ぐったりと、カトラとウルメルは床にへたりこんだ -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-08 (火) 00:44:15};
---「よっ…と…?レィメル大丈夫…?」&br; 「ぷわっ?ぷわぁ♪ぷわぁ♪」&br; カトラ達から少し遅れてサ姫とレィメルも壁面の足場に到着した&br; しかしレィメルの様子が何かおかしい&br; 「わ?わ?レィメル?」&br; ベストを外され降りた後もテンションが高めで&br; 興奮しているのが良く分かる&br; &br; 「あ、レィメルはこんな風に飛ぶのはじめてだもんね…?」&br; レィメルを見ながらサ姫も初めて飛んだ日の事を思い出す&br; 白き髪の母親の胸に抱かれ飛ぶ夜の城下町上空&br; 足元おぼつかない高さは恐ろしくもあったが&br; 同時に眼下に広がるキラキラとした城下町の灯&br; その光景をサ姫は良く覚えている……&br; &br; 「レィメルにはどんな記憶として残るのかな…?」&br; 「ぷみゅぅ」&br; そんな事を思いながらサ姫はレィメルを抱き上げた&br; レィメルの方はひとしきり興奮しておねむさんの様です&br; &br; 「…あ、いた?二人とも大丈夫…?」&br; そして先に辿りついたはずのカトラとウルメルを捜すと&br; 伸びる猫の様に折り重なって伸びている二人を見つけました&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-08 (火) 01:01:34};
---「へふ…」&br;「へぁ…」&br;初体験の衝撃にぐったりとなっている、カトラとウルメルが伸びていた。&br;&br;&br;&br;「階段が、途中で壊れておるななのだ」&br;カトラとウルメルが、回復するのを待って、一行はアクティビティ&br;の乗り場から下へと下ろうとしていたのだが。&br;下り階段は、巨大な樹の幹によって崩壊していた。&br;&br;「山だと思っていたのが、樹だったとはなー」&br;カトラは、あたりまえのように崩壊した階段から、樹の幹の方へと&br;飛び移る。&br;その樹は表面が隙間なく苔むして、樹皮に別の種類の木が根を下ろす&br;不可思議な姿の巨樹で。遠目に見れば山に見えてもおかしくない大威容である。&br;その梢は、天高くにある格子状構造の天井を突き破り地上へと伸&br;びているとみえる。&br;&br;「ああ、やっぱりだめだったかー」&br;世界樹めいた神聖なる巨樹の幹に立ち、カトラは下を見下ろしながら嘆息した。カトラの視力はワシ並みである。&br;「どうやら、宿はこの木に押しつぶされて、壊れてしまったなのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-08 (火) 01:18:01};
---「はぁ…ここまで来たのに残念だね……」&br; 「むぷー……」&br; 「ぴゅぃ……」&br; カトラのダメだったかの声に、脱力した声を上げるサ姫、そしてウルメルとレィメル&br; &br; 「…でも、年百年?何千年?…建物を押し潰すくらいに成長したって考えると……」&br; 自然の偉大さと人の力の無力さを感じずにはいられない&br; それに、これほど大樹を見る機会が、この先どれほどあるか考えると&br; ある意味、四人は素晴らしい出会いをしたのかもしれない&br; &br; 「どうしよっか…?せっかくだしもう少し辺りを見てみる…?」&br; 宿はダメでも外部施設があるかもしれない&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-08 (火) 01:36:45};
---「この辺は、みんなこの樹に押しつぶされてしまったようなのだ」&br;ワシ並みの視力でカトラが大樹の上から辺りを一望する。&br;天井を突き破った大樹は、根を地下の大地へと伸ばし、あふれ出る&br;生命力を見せつけている。&br;&br;「でも、この樹はとても良い感じがするなのだ。ここに立っている&br;だけで、不思議と力のみなぎってくるような…」&br;「みゃうー」&br;どこからともなくエンジェルラダーめいたスポットライトがカトラ&br;とウルメルに差して。ヒーリング効果がありそうなオペラ調の歌声&br;とともに、2人の体にきらきらした緑のエフェクトがでる -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-08 (火) 01:49:09};
---「カトラちゃん…?ウルメル…?」&br; 不思議な光に包まれるカトラそしれウルメル&br; それは神秘的な光景で&br; 同時に二人がそのまま吸い込まれてしまいそうな気がしてしまう&br; &br; 「みゃう?みゃぅー♪」&br; 「レィメルも行きたいの…?」&br; 光の方へ手を伸ばすレィメル&br; サ姫はレィメルを抱いたまま、一歩づつ一歩づづ近付く&br; すると……&br; &br; 「ふわぁ?光が……」&br; 「みゃうー」&br; 二人にも光が降り注ぎ&br; 不思議な歌と共にレィメルの身体からも緑のエフェクトが発生した&br; &br; 「んー…これはドラゴンに反応してるのかな…?」&br; サ姫も光に心地良さや安らぎは感じるも&br; 身体から緑のエフェクトは発生しない&br; 「みゃみゃ♪」&br; 「むぃむぃ♪」&br; 「あ?ありがとう……」&br; レィメルは抱かれたまま、ウルメルはサ姫の足元により&br; 緑のエフェクトを掬って(?)サ姫にぺたぺたしてくれました&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-08 (火) 21:49:56};
---「あ、っていうかこれ!幼生の湖でみた光なのだ!」&br;きらきらとしたエフェクトの正体は、ウルメル、レィメルが生まれ&br;た湖の底に満ちていた光と同じものだった。&br;「この巨樹は…きっと神域のドラゴンだったものなのだ。躯に生え&br;た木が巨大化したか、あるいはドラゴンそのものが変じたのであろう」&br;そういえば、ウルメル、レィメルの湖でも異常に巨大な白化した&br;サンゴが構造物を突き破り地下へ伸びていた。&br;「なんかよく、同胞達の躯を見るのぅ…。この辺昔は巡回ルートだったのかな」&br;『巨大生物による地下都市の襲撃は、過去に何度もありました。&br;地下都市における最大の脅威の一つとして恐れられてきました』&br;「神域のドラゴンはでっかいからな、通り道に町作ったら、踏まれ&br;るのは仕方ないなのだ」&br;&br;ここのぽわぽわした光は心地が良いのか、カトラは、んーっと尻尾まで&br;伸びをして深呼吸する。&br;「しかし宿が壊れてしまっていたのでは、やはりキャンプに戻る&br;しかないかのーなのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-08 (火) 22:08:35};
---「横たわる者……」&br; 地下都市への入り口でカトラが口にした言葉を思い出した&br; あの時カトラは、小山の様にも見える森を横たわる者と言った&br; 横たわる者、神域のドラゴンの亡骸……&br; そしてまたこの大樹も神域のドラゴンの亡骸だと言う&br; &br; 「死してなお力が残るなんて…本当に大きな力を持っていたんだね……」&br; 「むにぃ……」&br; 「ふみゅぃ」&br; 自分達が生まれた環境に似ているからなのか&br; ウルメルとレィメルもリラックスしている様に見え&br; サ姫の胸にごろごろと甘えてきた&br; &br; 「ふふっ…どうするかは少し休んでからにしようか…?」&br; 幼子達を甘えるままにしながら告げるサ姫。&br; 行き詰った時は無理せず止まるのも一つの手&br; それに、伸びをするカトラが猫の様で可愛くもあり&br; もう少し見ていたい気もした。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-09 (水) 21:59:23};
---「うむ!下の方には川もあるなのだ」&br;急峻な岩山のごとくに絡み合った根の間から、清水が湧き出して&br;小川を作っているのだ。麓の方では流れは太く&br;なり川となって地下の大地を潤している。&br;&br;ちょっとした崖のような高さのある根も、飛び越えてしまえば&br;問題ない。&br;カトラ達にとっては絶好のハイキングコースである。&br;「ちなみにおやつもあるのだ」&br;作業着のポケットから、スティック状の包みを取り出す。&br;スニッカーズ的なチョコバーであった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-09 (水) 22:56:26};
---「川があるならなんとかなりそうだね…?」&br; 川があるなら魚を採集する事も出来るし水も確保出来る&br; それに身体の汚れを洗い流す事も&br; 「あは?カトラちゃんは用意がいいね…私は小道具くらいしか持ってこなかったよ?」 果物や野菜を切るための折り畳み式ナイフやウルメルレィメルの哺乳瓶&br; それとハンドタオルを何枚か、それと貼るだけで傷を塞ぐらしいテープ等&br; &br; 「むぃぃ」&br; 「みゅぃ」&br; 「…あれ?赤ちゃん返りしちゃったかな…?」&br; ここの環境がよほど安らぐのか&br; ウルメルとレィメルが出会った頃の様な甘え方をしている&br; 「二人に少しおっぱいあげるから…ハイキングはそれからだね…?」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-09 (水) 23:15:35};
---「では一休みといくかの。我は水汲んでくるのだー」&br;「きたのだー」&br;速い!神ドラゴンの樹のバフ効果だろうか。&br;&br;「湧き出してる水もぽわぽわしたのが出てて、この水が流れ込んで&br;おるからきっと森も元気に育ってるんだろうなー。うーむ、流石は&br;神域のドラゴンって感じなのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-09 (水) 23:53:14};
---「早ッ!?カトラちゃんおかえりなさい…?」&br; 「くぴゅ……」&br; 「ちゅぴ……」&br; 元気全開の速度を見せるカトラにサ姫さんもびっくり&br; 一方でウルメルとレィメルはサ姫から授乳され、穏やかな表情を浮かべている&br; 成長した二人に授乳したら、精気の消耗も早そうに見えるが&br; 二人の吸う速度にあまり勢いは見えず。サ姫に甘えたい気持ちの方が強いのかもしれない&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-10 (木) 21:42:55};
---「何度見ても妙な光景なのだ…」&br;授乳する2人を見やりつつ、カトラも岩のような巨樹の根に腰かける。&br;「ふふ…。そう?」&br;いつものことなので、サキは笑みで返す。掛合のようなものだ。&br;「まぁなぁ…」&br;カトラは水筒で喉を潤す。良い水である。&br;「ドラゴンの国は有鱗の者が多い故、そもそも授乳する習慣自体が&br;稀なのだ。大体みんな卵生か、卵胎生なのだ」&br;「カトラちゃんも飲んでみる?」&br;笑っている。&br;「飲まんわ、そもそも赤子の飲み物であろう、我は赤子ではないッ」&br;ちょっと怒ったような顔で照れる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-12 (土) 00:18:36};
---「え?」&br; カトラの言葉にサ姫は不思議そうな顔をした&br; そして暫し考えた後、説明し始めた&br; &br; 「私の一族は…ある程度の年齢になるまで飲むよ…?」&br; 「くぴくぴ」&br; 「くぷくぷ」&br; サ姫が説明している間もウルメルとレィメルは乳房を吸い続ける&br; あれほど暴れ回った幼子達だが、こうしていると本当に愛らしく思える&br; ……かもしれない&br; &br; 「サキュバスってさ…精気を食事にするでしょ?&br; 幼いうちは確保が難しいから……」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-12 (土) 00:41:32};
---「…理には適っておる。生まれたての赤ん坊が誘惑して精気を吸&br;い取れる相手というのは…うん、きっと特殊な奴なのだ」&br;理にかなってる。&br;なるほどなーとうなずいてチョコの包みを開けつつ。&br;&br;「あれ…しかし、そうすると…大人になるまでずっと乳を吸ってい&br;ないといけなくならぬか…? -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-12 (土) 01:26:50};
---「んー…どの位の時間生きたのをもって大人とするかだけど……」&br; サ姫の反応からするとか大人も飲んでいる様だが……&br; 「大人になって精気の確保が難しい時は…仲間が分けてくれたりもするから…?」&br; サキュバス同士は仲間の繋がりも深いんだよと付け加えた&br; &br; 「むふー♪」&br; 「ぷみゅー♪」&br; 「ん、お腹いっぱいなのかな…?」&br; 話をしている間に授乳に満足したウルメルとレィメルが&br; 乳房から口を離しゲップをしました&br; 二人の満足した顔ににっこり笑みを浮かべるサ姫さん&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-12 (土) 01:34:54};
---「それで、その…口付けで精気が吸えるようになっておるのか…。&br;なるほどなー、なのだ」&br;もしそうじゃなかったら。もしかしてカトラは唇じゃなくて、胸&br;を吸われてサキに精気を分けることになっていたのだろうか。&br;「ごふっ!ごほっごほっ!」&br;想像したらチョコで咽てしまった。慌てて水筒を仰向けにした。&br;&br;「んんっ…。まぁ、あの石を飲ませてやるのも忘れぬようにな、なのだ」&br;石、ウルメル、レィメルが生まれた湖の底に堆積していた光る石だ。&br;成長すること適わなかった神ドラゴンの幼生が変じたものである。&br;&br;「不思議なことに、乳と食事で驚くほどそだっておるなのだが。&br;神ドラゴンの成長には、幾万もの同胞たちの力が必要なのだ。&br;精気吸われ過ぎて、また倒れられても困るし…」&br;だから、おぬしも食べておけとおやつのチョコバーを差し出すカトラさん。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-12 (土) 02:00:29};
---「あ…それはカトラちゃんが食べてよ…?」&br; 「ふむ?なのだ」&br; ここに来て遠慮の姿勢を見せるサ姫にカトラは首を傾げてしまう&br; &br; 「ほら…それって栄養たっぷりなんだよね?&br; カトラちゃんが食べて精気を貰う方がいいかなって…?」&br; そう言ってさらにサ姫は言葉を続ける&br; &br; 「それに…カトラちゃんこの場所のお陰で生命力活性してるし」&br; 言われてみれば今のカトラ状態はいわゆるぴちぴちだ&br; 肌の色艶は良く、髪の毛もなんだかふわふわさらさらしている&br; ウルメルもレィメルもここの影響なのか、お肌がモチモチしてる&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-12 (土) 22:16:05};
---「精気の補給か…うむ、確かにここなら我の力も充溢するし。&br;ここらで補給するのは理にかなっているのだうむ…」&br;何やら自分に言うようにうなずきながらチョコバーを食む。&br;照れてんのだ。&br;&br;サキが母乳として2人に与えるのは精気だ、そしてそれは生命力&br;そのものでもあるから。足りなくなった分は、カトラが分け与え&br;ないと、命に係わるから大事なことだ。&br;でも、その方法がキスなので、いまだに気恥ずかしさがある。&br;強いくせにウブなのである。&br;&br;「じゃあもう、いっそ川にでも浸かったらもっとチャージ&br;できんかなー?なのだ?」&br;もさもさとチョコバーを食みながら、照れ隠ししておる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-13 (日) 00:14:03};
---「ふふっ♪じゃあ…後で川の方に行ってみる…?なんにしても……」&br; 照れるカトラに微笑みつつ&br; ここからテントに戻る方法を考えないといけないと言葉を続けた&br; シュポーンと飛んで来たが、逆シュポーンするのは流石にためらってしまう&br; ならば川から湖へ下るのが良いかもしれないと、サ姫は提案した&br; そして&br; &br; 「と言う訳で…カトラちゃん精気ちょうだい…♥」&br; 言って両手を広げるサ姫さん&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-13 (日) 00:32:12};
---「んぐっ!?今か!?解放感がすぎるのではないか!?」&br;ちょっと喉に引っかかったチョコバーを胸をたたいて飲み込む。&br;巨大樹の中腹辺りは、遥か眼下に地下の森を一望する大パノラマで&br;頭上には格子状構造から、抜けるような青空が広がっている。絶景だ。&br;&br;「というか…チビ共がめっちゃみておるのだしなのだ…」&br;ウルメルとレィメルが、まだサキの横に犬のように侍っているのを&br;カトラは横目でじっとりと見やる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-13 (日) 00:50:50};
---「今だからだよー?やっぱり雰囲気は大事だし……」&br; うんうんと頷くサ姫の横で、なぜかウルメルとレィメルも頷く&br; 「…見てるけど……」&br; 見てたら不味いの?と言う顔をするサ姫さん&br; &br; ここで思い返そう。サ姫の国で精気のやりとりの話を。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-13 (日) 01:10:55};
---「あー…」&br;サキュバス同士での精気のシェアは、いつものことだから。&br;きっと、そこら中で誰に気兼ねすることなく、ちゅっちゅとしている&br;のだ。&br;身目麗しい、女性型の悪魔達がである。だからリリィ(百合)サキュバスなのだ。&br;&br;「おぬしが、サキュバスなの忘れておったなのだ…」&br;文化が違うんじゃしょうがない。ドラゴンは寛大でなければならない。&br;観念して、カトラは素直に誘いに乗る -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-13 (日) 01:25:38};
---「忘れちゃだめよぉ…?」&br; はぁと溜息するサ姫さんだが、仕方が無い&br; ここ最近、サキュバスらしい事はほとんどしていないのだから&br; 角と尻尾が泣いてます&br; &br; 「でも…思い出させてあげる…♥んー…♥」&br; 気を取り直し、カトラが了承したのなら素直に唇を重ね合わせた&br; &br; サ姫の口に広がる、神域のドラゴンの生命力に溢れる精気&br; 精気の味は種族等により多種多様に異なるが&br; カトラの精気の味は熱い炎の様な、喩えるなら香り深い火酒の味&br; 吸いすぎると精気酔いしてしまいそうになる。&br; &br; 同時にカトラの口には甘いミルクの様な味が広がり&br; 身体へと染み込んで行く。&br; リリィサキュバスが精気を吸う対価として相手に与えるのは陶酔と充足感&br; 多くのサキュバスの様に快楽を与える事も出来るが……&br; それは夜の寝所で愛し合う時に。&br; &br; 「むあ……」&br; 「ぷわ……」&br; そんな光景をじっと見ているウルメルとレィメル&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-13 (日) 01:44:15};
---「ん…」&br;いつも強気なカトラも、生娘のようになすがままだ。&br;ただ唇を重ね合わせるだけの、可愛らしい口づけだというのに。&br;サキが放すまで身動きができなくなる。&br;&br;「…十分かのなのだ」&br;唇が離れると、カトラが呟いた。&br;酔ったように顔が上気していて、濡れて光る唇が艶めかしい。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-13 (日) 23:14:40};
---「…ん♥」&br; 問われサ姫はコクリと頷いた。&br; 精気を得たからなのか、仕草の一つ一つがなんだか艶めかしい&br; それにカトラ達と同じに肌や髪がつやつやしている&br; &br; 「だぅー…」&br; 「みぅー…」&br; サ姫の方へ手を伸ばすウルメルとレィメル&br; なんだか興奮している様に見える。&br; &br; 「ふふっ、二人もちゅーしてほしいのかな?ちゅっ♥ちゅつ♥」&br; 二人を抱き寄せるとほっぺにキスしてあげました&br; 先までの色気は身を潜め、母の顔に戻ってる。&br; 「わぅ♪」&br; 「ぷぃ♪」&br; サ姫にキスされて手足をぱたぱたはしゃぐウルメルとレィメル。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-13 (日) 23:25:01};
---「こやつら、ドラゴンじゃなくてサキュバスに育ったりせぬかな…?」&br;まだほんの子供とは言え、何やら性的な雰囲気に当てられても&br;むしろ楽しそうにしている2人をみて、口元を拭いつつ、ちょっと&br;心配になるカトラだ。&br;&br;「…うん、まぁそれはそれとして。湖までここから距離があるし。&br;そろそろ出発するかの、なのだ」&br;下りはパラシュートのように羽で降りていき、川沿いを歩いて湖&br;まで戻るコースになりそうだ -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-13 (日) 23:35:02};
---「んー…龍人の血を引くサキュバスは居るけど…二人はどうなのかな…?」&br; 「むぃー?」&br; 「ふみゅ?」&br; サ姫に抱っこされたまま不思議そうな表情を浮かべるウルメルとレィメル&br; サキュバスと異種族が結ばれると、その特徴を持ったサキュバスが誕生するが&br; 例)ヴァル姉&br; ウルメルとレィメルの場合は力を得た過程が特殊で&br; サ姫には二人がどんな成長するかは答える事が出来ない&br; &br; 「川かぁ…船みたいの無いかな?あくてぃびてぃ?…そんなの」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-13 (日) 23:49:40};
---『周囲の状態に関する情報を更新中です…お待ちください』&br;「あっ…そういえばおぬしもおったんじゃった…」&br;端末から声がして、はるかぜの存在を思い出すカトラさん。&br;「いや、まぁべつにいいんじゃが、なのだ…」&br;精気を分けるのはやましいことではないので。でもちょっと気恥しい。&br;&br;「では、出発―なのだー」&br;レィメルとウルメルを手分けして抱き上げると、麓を目指して&br;ゆるりと飛びだった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-14 (月) 00:02:11};
-  -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-06 (日) 00:45:48};

-''状況:子育て相談中'' --  &new{2019-09-22 (日) 23:42:55};
--&br;「えー…食事は大事、ということでなのだ。地下都市で見つけた食料は、やたらうまい、うますぎてなんかおかしいなのだ」&br;モニターの前のカトラが始める。モニターにはグラフとか数字が並んでるが、特に意味はない。&br;「それについて、はるかぜよ、何か知ってることはあるかの」&br;『保存食の類は、必須カロリー摂取、および非常時の精神安定を考慮して&br;味と嗜好性を優先的に作られています』&br;「どゆこと?」&br;『砂糖と脂質、そして食が進むよう脳を刺激するたくさんの合成物質で作られています』&br;トリドローンが、空になったスナックの袋を咥えて持ち上げる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-22 (日) 23:49:18};
---ウルメルとレィメルが手を伸ばしてちょうだいとおねだりし始める。&br;一目瞭然の中毒性である。 --  &new{2019-09-22 (日) 23:50:27};
---「ああ?二人ともさっき食べたばかりでしょう…?」&br; 「むぃぃ」&br; 「みゅぅ」&br; スナックの袋に手を伸ばす二人を抱きあげると&br; 胸元に二人の顔を埋める様に抱きしめた。&br; &br; 「合成物質って…えっと、カガクとか?はいてくとか?&br; そう言う物を使って作った物って事」&br; 『はい、さらに詳しく説明しますと。美味しいとされる食品の味覚及び食感を数値化、それを元に化学的に生成した合成物質を配合&br; 食した際の感触及び快楽中枢を最も刺激する味と食感を作りだしたそうです』&br; 『特に非常食やスナック類は、シェルター内等の閉鎖環境下でのストレス軽減効果も考慮された成分になっているそうです』&br; つまりは食べるとイライラや過激な衝動が収まると言う事らしい&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-23 (月) 00:37:18};
---「それ最高なのだ!食べるだけでハッピーではないか!&br; よーし、もっと集めてきて食べまくるなのだ!&br; …あ、うん。そんなに良くもないかななのだ」&br; じっとりとサキに睨まれて、カトラは苦笑いでごまかす。&br; 「ん、ごほん。つまり倉庫で見つけた食料は、あまり&br; 食べ過ぎてはいけないと…。そうなると…はるかぜに積まれて&br; いた小麦やミルク、それに我らが持ってきた食料ぐらい&br; しか安全ではないなのだ?」&br; 長旅に備えて集めた食料は、ほとんど地下都市の倉庫のものだ。&br; ここしばらく出番の無い、ヴァル姉のカバンの中に入っている&br; のは、わずかな干魚と干し肉ぐらいである。&br; &br; 「食料の調達に地上に出なければならんかのー?」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-23 (月) 00:53:42};
---「地上かぁ……」&br; 食糧の調達と聞けば思い出すのは森や海辺でのサバイバルキャンプ生活の事&br; 「久しぶりにキャンプしてみるのもいいかもね…?ん…よしよし……」&br; 胸に甘えるウルメルとレィメルをあやしながら、あの生活を懐かしむ&br; &br; サ姫は夜の世界に生きる魔族だが、キャンプ生活の間は&br; 朝日と共に起きて日が沈むと床に入る、そんな健全な生活を送っていた&br; 口にする食糧も飲む水も、自分達で採集し調理し加工する&br; そんな事を思えば、主食にしていたどんぐりクッキーの味が懐かしくなってきた&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-23 (月) 21:24:49};
---「野外で長く暮らしたのは、熊達の世話になった時以来であったが。&br;
やはり、狩りをする暮らしはよいものなのだ。&br;ドラゴンとしての本分を思い出す」&br;うんうん、とカトラはうなずく。&br;現代的に言えばパレオダイエット的なことだろうか。&br;「次の駅にも、地上へ通じている道はあるのじゃよな」&br; 天井あたりに声をかける。&br; 『はい、各都市の駅ごとに、地表開口部へ通じる線路がございます。&br; ”この標識”のある線路がそうですが…』&br; 「”この標識”じゃなー。何かまずいのかの」&br; 『地上は危険区域につき、関係者以外立ち入り禁止です』&br; 「案ずるな、我らは地上から来たなのだ」&br; 『それは…驚きですね』&br;「ほう、おぬしでも驚くのだな。どうせ次の駅も人はおるまい、なら面倒もおこるまい」&br;地下に来て以来、古代のテクノロジーに驚かされてばかりで、ちょっと愉快だ。&br; 「さっそくキャンプの準備にかかるなのだ!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-23 (月) 21:34:45};
---「うん♪二人も太陽いっぱい浴びようね…♪」&br; 「むぃー♪」&br; 「にゅー♪」&br; 魔族らしからぬ台詞ではあるが&br; 地下暮らしの方が長くなりつつあるウルメルとレィメルには良い機会で&br; それにサ姫自身も、青い空と雲を見たくもあった&br; &br; そんな訳で、次の駅に向けての準備を始めるのでした&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-23 (月) 21:41:12};
---&br; &br; &br; 「斧にポットに水汲み用の缶に…テントじゃろ、寝袋じゃろ…」&br;貨車に積まれた運搬車の横に、様々な道具を並べて確認していく。&br;ぬいぐるみを見つけて、むふっとした笑みを浮かべつつ、カバンに放り込んだ。&br; アンティークな旅行鞄である。不思議なことにすべての道具は&br; 小さなカバンの中に吸い込まれるように収納されてしまう。&br; 「ヴァル殿のカバンの出番も久々な気がするのう」&br; そして、カバンは運搬車の荷台へ乗せた。&br; 「そっちの準備はどうじゃー」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-23 (月) 22:15:01};
---「うん、もうすぐ終わ…ああ?ウルメル、ボールは三個までにしようね?」&br; 「むぃぃ?」&br; サ姫が準備したであろう調理器具と幼児用品の隣にはカラーボールの山が築かれ&br; 「レィメルもぬいぐるみはクマさんだけにしようね?」&br; 「…みゅぃ」 &br; ボールの山の隣にはクマウサギネコが行列を作っていた&br; 旅行前、子供の分の準備もしないといけないお母さんは大忙しなのでした&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-23 (月) 22:30:44};
---「まぁ、そやつらも連れてくよな…なのだ」&br; 「なーにーカトラちゃーん?」&br; 「いいや、何にもなのだー」&br; 目的は食料収集だが、泊りがけとなれば、サキが&br; 2人を置いていくはずもない。&br; 諦めて、カトラは運転席に座る。モーターエンジンが&br; 自動でかかりコンソールに明かりが灯った。&br; &br; 「では、出発なのだ!」&br; サキが助手席に座り、ウルメルとレィメルはチャイルドシートへ。&br; ドローン達は牽引荷台に乗っかった。&br; 『了解いたしました、出発いたします』&br; コンソールからはるかぜの声がして、貨車の横の扉がガラガラと開く。&br; そのまま、運搬車は真横に滑るように徐行し線路上に降りた。&br; 「前の経験から、直接駅に向かうと異界化が激しいと思うなのだ。&br; なので、貨車区画の方から地上への線路へ向かうとするのだ」&br; 『ルートを設定しました』&br; ハンドルが一人でに動き出し、運搬車両は走り出す。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-23 (月) 22:44:58};
---「しゅっぱーつ♪何度も乗ってるのに旅行って付くだけでドキドキするね…♪」&br; 「うむ!この胸の高鳴りも旅の醍醐味と言えよう!なのだ」&br; 思う所はそれぞれにあるが。やはり何かが始まるワクワク感に&br; サ姫もカトラもテンションがあがっていた&br; &br; 「むぃむぃ♪」&br; 「にゃぅぅ……」&br; キャンプと言う事で厚手の幼児服に着替えたウルメルとレィメルだが&br; ウルメルは腕を振り振りはしゃぎ、レィメルはぷるぷると緊張した表情を見せている&br; 「ふふ♪二人共何が起こるか楽しみだねー♪」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-23 (月) 23:06:09};
---(次の駅の上は、たしか山奥のど真ん中じゃし、&br; 子育て中のドラゴンなど居たら、この2匹を里子&br; に出すというのも悪くないかなー)&br; 「カトラちゃんは、何をにやけてるのー?」&br; 「いいやー別に―。釣りも久々じゃのうって」&br; それぞれの思いを乗せ、車両は暗いトンネルの中を&br; 進んでいく。&br; 「それに、薄暗い場所ばかりで、少々飽いておったしの」&br; &br; 程なくして、暗く広い場所に出た。&br; まばらに灯る照明が、操車場の、何本も並走する線路を&br; 真夜中のように浮かび上がらせている。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-23 (月) 23:32:10};
---「うーん…トンネルは抜けたけれど…彩りが無いね……」&br; 地下故にその景色は単調で彩りに欠けていた&br; 灯りから少し離れるだけど、そこは暗闇であり&br; 遠足バスの窓から見る風景にはほど遠かった&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-24 (火) 22:30:13};
---「地下だからのー。まぁこの辺りの地上は&br; 近くに街の一つもなさそうなめっちゃ原生林って感じの山奥&br; だったはずなのだー」&br; 加えて今は初秋である、海辺にあった町から&br; 少し北へ行ったあたりなので、きっと真っ盛りだ、秋が。&br; 「でも、さすがに道中真っ暗も味気ないのぅ。&br; 歌でも歌ってみたらどうだ?なのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-24 (火) 23:23:35};
---「歌かぁ…いいね、そうしようかな…じゃあ……」&br; 風景は地上に出るまでのお楽しみとして&br; 今を楽しむのならば、歌ほど最適な物はないかもしれない&br; 「1・2・3…ら〜♪らら〜♪」&br; 「…?、むみゃ〜♪むにに〜♪」&br; 「ぷにゃ〜♪みゃみゃ〜♪」&br; サ姫が歌い始めれば、ウルメルとレィメルも直ぐにリズムを真似し始めた&br; &br; 歌は良い。言葉が通じずとも歌えばわかりあえ、友達にもなれる&br; 幼い子供にとって歌は一生の記憶&br; いつかどこかで聞いた歌、それは母の歌かもしれない&br; 孤独な時も歌う事で、前へ進む事が出来る……&br; &br; そんな穏やかな歌のハーモニーが地下の空間へと広がって行く&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-24 (火) 23:50:28};
---ついでに荷台で6本足とトリとボールのドローンも&br; リズムをとったりして楽し気である。&br; 「ふふーん、これはこれでいいではないか」&br; カトラは例のちーずめんたいの袋を開ける。&br; 快適な自動運転に揺られつつ、歌を歌い、おやつもある&br; 完璧な行楽気分である。&br; 「ふん、ふふーん…ぶぁっ!?」&br; のんきに鼻ずさんでいたら突然目の前が真っ暗で毛むくじゃら&br; になった。&br; 「うわっなんじゃ!?事故か!?」&br; キキキッと鳴いた毛むくじゃらは、スナックの袋をつかんで&br; 飛び去って行った。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-25 (水) 00:13:16};
---「コウモリだ!こっちにもあんな大きなコウモリいるんだね……」&br; 闇を見通す瞳で飛び去る後ろ姿を追うサ姫さん&br; 既に遠く小さくなりつつあるが&br; 皮膜の付いた両翼を広げた大きさは2m近くありそうだ&br; &br; 「むぃーむぃー♪」&br; 「みぃーみぃー♪」&br; 「ふふっ、あれはコウモリさんだよー♪」&br; ウルメルとレィメルは初めて見るコウモリに興奮しているみたいで&br; 鳴き声を真似したりしてる&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-25 (水) 00:31:50};
---「なんでこんなとこにコウモリがおるなのだ?」&br; 乱れた髪を直しながらカトラは首をひねる。&br; 「この地下都市にはネズミ一匹どころか虫一匹&br; 居なかったのに…地上がもう近いのかの?」&br; 『地上開口部までまだ10000mほどありますが』&br; 「ふむぅ…ちょっと止めてくれなのだ」&br; ヒュゥゥ…と音をさせて運搬車が停車する。&br; カトラは運転席で立ち上がった。 もとよりオープンカーなので、別に座った&br; ままでも全然よかったのだが。&br; 「ふんふん…」&br; 鼻を鳴らす。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-25 (水) 01:48:53};
---「あ…言われてみればそうだね…?」&br; コウモリと洞窟はワンセットなイメージがあったが&br; この地下都市群には、地下に居て当たり前の生物たちが居ない&br; ウルメルやレィメルとの出会いはあったが、それは特殊な事例なのだろう&br; &br; 「んー…カトラちゃん何か匂う…?」&br; 「ふんふん」&br; 「ふんふん」&br; カトラの真似をして鼻を鳴らすウルメルとレィメル&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-25 (水) 02:03:48};
---「土と濃い木々の匂い…。森なのだ近いぞ」&br; カトラの五感はするどい、鼻は犬の10分の1&br; 耳はうさぎの半分、視力はワシ並みの5.0やや遠視気味だ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-25 (水) 02:18:32};
---「…んー?私にはわからないけど…この先に森があるの…?」&br; はるかぜの情報通りなら地上はまだまだ先のはずだが&br; カトラが言うのなら、この先に森あるいは何かしらの自然環境があるのだろう&br; 「むぃむぃ♪」&br; 「みゅみゅぅ♪」&br; ウルメルとレィメルも何かしら感じている様だ&br; &br; 「そうなると…慎重に進んだ方がいいかな……」&br; コウモリが大型化する程の自然環境があるのなら&br; そこに住む他の動物も大型化している可能性がある&br; 雪山麓の森に、大型化した生物に追われた記憶が蘇ったりも&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-27 (金) 23:40:17};
---「また異界化している可能性もあるしなー…」&br; 昨日の追いかけっこを思い出して、カトラは人知れず尻を撫でた。&br; &br;「あ、おぬしあれ出せんか、使い魔」&br; 使い魔、動物に魔法をかけてメッセンジャーや&br; ドローンのように便利に使う魔法、またその動物のこと。&br; 凝った奴だと、本物の猛獣やモンスターを&br; 飼い慣らし、薬や術で改造したりする。&br; 簡単な奴は、紙人形だったり、単に本人の魔力&br; を飛ばすこともある。オーソドックスな魔法だ。(魔法wiki)&br;&br; 「異界化しておったら、様子を見に行った者は&br; 大抵帰ってこぬからな。&br; 髪の毛を混ぜて、本人の気配を偽装すれば&br; 異界の方が人が紛れ込んだと勘違いするであろ」&br; 髪の毛、魔法や術でよく使われる。髪の毛を依り代&br; に入れて本人の身代わりにするのはとてもオーソドックス。(魔法wiki) -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-28 (土) 00:19:56};
---「使い魔かぁ…んー…使えそうな材料あるかな…?」&br; 座席から立ち上がると荷台へ上がりヴァル鞄を開いてみる&br; 真っ先に目についたのはヌイグルミ&br; でもこれはレィメルのお気に入り、使い魔にする事は出来ない&br; 同じ様にボールはウルメルのお気に入りの遊び道具&br; そうなると、もっとありふれた材料ででっちあげるしかない&br; で、あれこれと悩んだ結果……&br; &br; 「出来た♪こんな感じでどうかな?」&br; 完成したのはハンカチを折って作ったピンクのコウモリ&br; そこにサ姫の髪の毛を結び付ける事で使い魔としての魔力を宿しました&br; &br; 「それ…♪」&br; 「ぷわぁぷわ♪」&br; 「にゃうにゃう♪」&br; サ姫の合図でふわりと浮き上がり飛び回るハンカチコウモリ&br; 飛び回るコウモリに手を伸ばすウルメルとレィメル&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-28 (土) 00:44:29};
---「ほほう、上出来ではないかなのだ」&br; ピンクコウモリは2〜3度頭上を周って&br; 前方の闇へと消えていく。&br; 『…あの』&br; 急にはるかぜが話しかけてきた。&br; 『お二人とも、先ほどから何をなされているのでしょうか』&br; 「何って、使い魔に様子を探らせておるなのだ」&br; 『…新型のドローンか何かでしょうか』&br; 「え」&br; 今度はカトラの頭に?が。&br; 「魔法じゃろ、ふつーの」&br; 『魔法…地下にいる間に、地上は随分と変化して&br; いたのですね』&br; 「ほほう、おぬしでも驚くことがあるのかなのだ」&br; カトラはにまりとした。&br; &br; サキが使い魔を飛ばすのに集中して数分…。&br; 「帰ってこぬな…。やはりこの先は危険かのう」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-28 (土) 23:41:36};
---「まって……」&br; ここまで静かにしていたサ姫が口を開いた&br; 「むふー」&br; 「ぷふー」&br; そしてサ姫が口を開くとウルメルレィメルが大きく息を吐いた&br; サ姫が静かになったので、二人とも緊張していたみたいです&br; &br; 「リンクが途切れてないから…大丈夫だと思う」&br; リンクとはサ姫とピンクコウモリとを繋ぐ魔力回線の事で、糸電話の糸の様な物。&br; さらに、サ姫は悪い感覚が無いと言葉を続けた&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-28 (土) 23:57:30};
---(なんか犬みたいだな…)&br; ウルメル、レィメルの挙動を見てそう思うカトラさん。&br; &br; それはそれとして、使い魔のことである。&br; 「どっか引っかかったかの。とりあえず先へ進んで&br; 見るなのだ」&br; 『発進いたします』&br; 運搬車のインホイールモーターが疑似的にエンジン音を発して、運搬車は動き出した。&br; &br; しばらく走って、ビルが出し入れできそうなほど巨大な扉の脇。&br; 小さな通用口の扉の前に出た。&br; 「換気口かの?明かりが漏れておる…」&br; 「ほんとだ…」&br; 夜目の効く2人はすぐに扉の上部に開いた穴から漏れる光に気づいた。&br; 脇のコンソールが一人でに稼働して。&br; さっき、はるかぜのシアターで見た&br; R.egional &br; R.ailway &br; A.dministration &br; B.ureau &br; のロゴが表示された。&br; 扉がきしきしと開いていく。はるかぜが開けたのだろう。&br; &br;入ってすぐ、天井がもこもこと動いていると思ったら、コウモリの群れであった。&br;オレンジライトに照らされたトンネルを進んでいく。&br;無味無臭、清潔そのものだった地下都市と違い、臭く、湿った匂いがする。&br;辺りは照明以外の明かりで徐々に明るくなっていく。&br; カーブを曲がったあたりで、ヘッドライトが消えた。&br; &br; 「これは…」&br; カトラが思わず運転席から身を乗り出す。&br; トンネルの先は、地上のように陽光が降り注ぎ。鬱蒼とした&br; 森になっていたのだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-29 (日) 00:23:49};
---「まだ地下だよね?地下なのに森があるの…?」&br; 身を乗りだしたカトラの頭をサ姫の胸が押し潰した&br; 「むむぃ?むぃ!」&br; 「みゅみゅ!」&br; さらにサ姫の背に乗る様にして&br; ウルメルとレィメルが身を乗り出してきた&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-29 (日) 00:41:29};
---「地下だと?地上ではないのか、こんなに明る…真っ暗で何も見えぬなのだ!!」&br; サキのおっぱいで目隠しされているせいである。&br; &br; カトラに代わって説明すれば、郁郁青青とした眼前の&br; 森林は、地上と変わらないが、空には格子状の巨大な半円形の&br;アーケードが、どこまでも延々と果てしなく続いていたのだ。&br; ちょうど、カトラとサキが、地下都市の入り口を発見した時に&br; 見た、広大な谷間を天蓋していたのと同じ構造だ。&br; &br; 格子状天井は遥か高くにあり&br; 流れる雲を映し出しているのだから。&br; 全長が何十劼發△覯梗爾涼罎里茲Δ砲盪廚┐燭。&br; 明かりを注ぐのは、太陽ではなく、地下都市でお馴染みの&br; 巨大な採光器なのだ。&br; &br; 「じゃーまーなーのーだー。&br; お、使い魔のやつ、あんなところにおったなのだ」&br; おっぱいを押し上げて視界を確保。&br; ピンクのコウモリは周りが明るくなったせいか。&br; 木の枝にさかさまにぶら下がって居る。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-29 (日) 00:58:33};
---「えっと…ごめん。あ、ほんとだ?おいで……」&br; サ姫が命令すると、ピンクのコウモリは枝から離れサ姫の元へ戻ってきた&br; 「おつかれさま♪破けているところは無いし…危険は無さそうかな?」&br; 「むぃ?」&br; 「みゅい……」&br; 不思議そうにハンカチコウモリを見てるウルメルとレィメル&br; &br; 「でも…なんで森になっちゃったんだろうね…?」&br; 技術の進みきったこの地下都市は自然とは無縁と思っていた&br; 町が大きく発展するほど森が消えて行く様に&br; この古き地下都市は高度発展の果て、自然を排除した様に見える&br; なのにこの光景はなんだろう?&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-30 (月) 21:18:04};
---「よく見ると…壊れた建物なんかを、植物が覆っておるのう」&br; 発見当初のアユタヤ、あるいはアンコールワットや&br; マヤの遺跡のようにである。蔦に覆われ、苔むし、&br; あるいは、木の根の間に取り込まれた文明の名残が&br; そこかしこに見受けられる。&br; 通ってきたトンネルも、光が差し込む範囲まで草が生え&br; 葛が旺盛に壁面にへばりついているのだ。照明には蜘蛛の巣まである。&br; &br; 『この地下都市、F003は最初期に作られた地下都市の1つです。&br; 地表近くにあるため明かりを取り入れやすく、大規模プランテーション、&br; 自然保存区、観光施設などが設けられました。また地表との緩衝地帯&br;としての意味もあります』&br; 絶妙なタイミングで説明の合いの手を入れてくれるはるかぜさん。&br; さすがは観光列車を運行しているだけある。&br; &br; 『また、人的リソースの有効活用のため、地下都市初の&br; 自立型ドローンのみによる施設運営の実験場でもありました』&br; 「なんか6本足に似たようなドローンが歩いておるのう…」&br; 見るからに旧型っぽい首のない6本足ドローンが森の中を&br; カシャンカシャンと歩いている。&br; 苔むしたその背中にはカラフルな小鳥とアルマジロが乗っていた。&br; 「ご先祖…?」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-01 (火) 00:21:36};
---「不思議な光景だね……」&br; そこにはこれまでの地下都市の概念をひっくり返す光景があった&br; 自然と人工物の融合。相反する物と思っていた物が同時に存在し&br; それらは共存している様にさえ見えて……&br; 「つまりあれかな…?自然保存区…?それがどんどん成長して……」&br; 『はい、推論となりますがその可能性が高いと思われます』&br; ドローン達が人の居ない街を整備し続けたのと同じ様に&br; この街を管理するドローン達は&br; 木々や植物、そこに暮らす生物達をを管理し続けたと言う事なのだろう&br; &br; 「カトラちゃん…少し歩いてみようか…?」&br; サ姫は振り向かず呟く様に言った。&br; 地上に向かう事がこの探索の目的ではあったが&br; その途中、この光景を見つけた事は偶然とは思えなくて……&br; 「ぷわー♪」&br; 「にゃぅぅ♪」&br; そして当然の様に行く気満々のウルメルとレィメル&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-01 (火) 00:40:05};
---と、車内に見当たらないカトラ…。&br; 「おーい、こっちに見たこともない果物生ってるぞなのだ!&br; うっは、なんだあの猿!鼻長ッ!あっち!あっちの草原&br; みたくなってるとこ!山羊みたいなやつがおるのだ!あとで&br; 捕って肉を食おうなのだ肉!うわっあのコウモリもでっかいなー!&br; あれだけデカければ、旨いかもしれぬなのだ。ぶえっ渋ッ!」&br; カトラは木の上に飛び乗って、見たこともない果物を噴き出していた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-01 (火) 00:50:30};
---「…あ、あれ?…カトラちゃんったら…もう……」&br; しっとりしたムードを壊すカトラに思わず苦笑してしまうサ姫だが&br; カトラらしいよねと思えば、その表情は柔らかな笑みへと変わる&br; 「ぬぁー!」&br; 「みぃみぃ……」&br; そしてカトラを追う様に車輛から降りようとしているウルメルとレィメル&br; 「あは、そうなるよね…?二人共足元に注意してね…?」&br; 携帯用のポシェットを肩にかけると&br; 二人を順に降ろしてからカトラの元へ駆けて行った&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-01 (火) 00:57:13};
---&br; &br; &br; 4人と3体と1台が木漏れ日の中を進んでいく。&br; 落ち葉に埋もれ、根が突き破っているが、元々&br; 道路だったであろう森の小路は、最高のハイキングルートだ。&br; &br; 「さっき上から見たら、湖があったなのだ。&br; そこをキャンプ地としようなのだ」&br; 上機嫌に、カトラは先頭を歩いていく。&br; ウルメル、レィメルはサキに手を引かれ&br; 歩いているのだが、長距離を歩くのに慣れないのか&br; レィメルはすぐに抱っこをねだり始める。&br; 「疲れちゃったの?それじゃあ…」&br; 後ろについてきている運搬車に乗せようとすると&br; いやいや、と首を振る。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-01 (火) 01:37:35};
---「んー…仕方が無いなー…ん?」&br; レィメルを抱き上げようとすると袖を引っ張られた&br; 「むぃ……」&br; 振り向けばウルメルが自分もと言う様に両手を伸ばしていた&br; &br; 「はは…ウルメルもだよねぇ…?じゃあ二人共だっこ…を…を…?」&br; 両手それぞれにウルメルとレィメルを抱き上げようとするのだが&br; 上がらない。少しは上がるのだが、曲げた膝が上がらない&br; 二人の成長はサ姫が思う以上に早く、体重も以前より増えていた&br; &br; 「あ、あれ…?んー……」&br; それでもと二人を抱き上げようとするサ姫だが&br; 上がらない。&br; 城育ちの箱入り娘のサ姫だが&br; カトラとのサバイバル生活で多少は腕力がついたつもりだった&br; しかし、成長した二人を抱き上げるにはまだまだの様でした。&br; &br; そんな光景を溜息しながら見ていたカトラだが……&br; 「じーっ……」&br; 不意にサ姫の視線がカトラの方へと向いた&br; この視線は何度も見た視線、サ姫お得意のお願いの視線だ。&br;  -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-01 (火) 01:54:30};
---「ぐ、ぬ…」&br; 嫌だと言いかけてカトラは顔を引きつらせる。&br; 「ぐぬ、ぬ…」&br; なおも視線はきらきらと降り注がれる!&br; &br; 「はぁ…」&br; 「だぅー」&br; 結局、カトラはウルメルを肩車した。&br; 「おい、角を掴むでない。&br; というか、ドラゴンの角を気安く触るとこっぴどく&br; されるからな、ちゃんと覚えておけなのだ」&br; 「むぃー」&br; 「うわぁーハンドルみたく曲げるなぁ!!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-01 (火) 02:08:38};
---「ふふっ、掴み易い位置にあるから仕方ないよ」&br; 「みゅい」&br; カトラとウルメルのやりとりを微笑ましげに見守っているサ姫さん&br; レィメルの方は疲れたのか、サ姫に抱っこされほっとりしていますね&br; ともあれ、幼子を抱っこしおんぶしカトラ達は森を進んで行く&br; &br; 「地下にこんな森があるなんて…地上の人は誰も知らないんだろうね……」&br; 歩きながらぼんやり呟くサ姫&br; 今でこそ普通に過ごしているカトラとサ姫だが&br; それ以前は、地下に都市がある事すら知らなかった&br; 地下には都市があり、列車が走り、機械の従者達が活動している&br; そして今度は森を見つけてしまった&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-01 (火) 22:32:09};


---『お伺いしてもよろしいでしょうか?』&br; 珍しく、はるかぜが自分から話しかけてきた。&br; 「なんなんなのだー?」&br; 頭の上のウルメルを大人しくさせようと、苦闘しながらカトラが答える。&br; 『現在、地上では人が暮らしているのですか?』&br; 「いっぱいおるが?ああ、そうかおぬし何百年も地下におったのじゃものな」&br; 変なこと聞くやつだなとカトラは首をひねりつつ、ウルメルにひねられている。&br; 「ドラゴンの国についたら、ここのことを皆に教えてやろうなのだ、大発見になるのだ。&br; そうしたら、鉄道のお客もたくさん増えてきっと大忙しになるなのだ!」&br; 『もう一度、多くのお客様のお役に立てるのなら、大変喜ばしいことです』 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-01 (火) 23:43:44};
---「動く紙芝居とか世界に広まったら…色んなお話作る人が出て来るかもね…?」&br; 絵が音楽に合わせて動くアニメ作品は、今の地上世界には存在してい無い娯楽だ。&br; もしあれが地上世界に広まり、多くの人が作品を作ったのなら&br; 世界の娯楽は大きな発展をするのかもしれない。&br; &br; 『今の地上では映像技術等も失われてしまっているのですね……』&br; 「うん、他にも地上には無い物ばかりだよー」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-02 (水) 00:06:10};
---「この森も、地上では絶滅した動物がおったりして&br;な?おお、すると世紀の大発見になるなのだ!&br;気を付けて食べないとなーなのだー」&br;捕って食うことは前提である。カトラは血肉に飢えて&br;いた。&br;&br;&br;&br;気持ちのいい森の中を進んでいると&br;のんびりと歩いていても、気が付けば湖面輝く湖のほとりに出ていた。&br;さざ波たてる爽快な風を身に受ければ、ほんとうに&br;ここが地下だということを、忘れてしまうようだ。&br;大きな魚の跳ねる飛沫も見えて、絶好のキャンプ地に&br;見える。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-02 (水) 00:33:17};
---「ふわぁ…すごい…本当に湖があった……」&br; 地下深くに森がある事だけでも驚きなのに、湖まである&br; 雨水が溜まって出来た濁った沼では無い&br; 光に煌めく透き通り澄んだ水を湛えた湖だ&br; &br; 「にゅ?ぷわぁ…!?」&br; 「むぃーむぃー♪」&br; サ姫に抱かれたレィメルとカトラに肩車されたウルメルが騒ぎ始めた&br; 湖の方へ手さえ伸ばしている&br; 「あは?泳ぎたいのかな…?もう少し側まで行ってみようか…?」&br; サ姫は抱いていたレィメルを降ろすと湖の側へと向かう&br; 「カトラちゃんも行ってみようよ♪」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-02 (水) 01:03:59};
---「水辺が好きなんかのー」&br;ともかく、肩車から解放されて、カトラはほっと一息した。&br;「ここらは下草も刈られて、じゃまっけな石もないのう。あの者&br;たちのおかげなのじゃな」&br;森で暮らしたことのあるカトラ達にとって、地面で寝る際の石拾い&br;の重要性は身に染みている。&br;&br;湖面の近くには、旧型のドローン達が水を飲む小型の馬の群れに交&br;じって作業しているのが見えた。&br;1体が近寄ってきて、6本足とトリとボールとLEDを点滅させて交信&br;しはじめたと見えたら。&br;『ここのドローンの手伝いに行きたいそうです。許可しますか?』&br;「よかろう、荷運びにはおぬしがおればよい」&br;『承知いたしました』&br;&br;「さって!テントを張ったらさっそく食料あつめといこうではない&br;か!いつものように手分けするのだ、我は狩りに、おぬしは採集なのだ」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-02 (水) 01:19:22};
---「狩り?先に皆で周辺探索した方が良く無い…?あ、何か跳ねた」&br; 「むぃ…?」&br; 「ぴゃ…ぴゃあ…?」&br; サ姫とウルメルレィメルが水辺でぴちゃぴちゃとやっていると&br; 湖から何か大きな物が跳ねた。魚の様だがかなり大きい&br; 慌てて湖から離れ、サ姫の影に隠れるウルメルとレィメル&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-03 (木) 22:39:49};
---「そうなのだがなぁ…、ドラゴンには、獲物の血肉が必要なのだ…」&br;カトラはちょっと遠くを見つめながら、呟く。&br;「そも、ドラゴンの国ではドラゴンは肉を喰らうモノなのだ。&br;獲物を血肉ごと喰らってこそ、そやつらも健やかに育つというも&br;のなのだ」&br;ここ2週間ばかり、ほとんど保存食か粉物ばかりで、新鮮な肉に&br;ありついていない。&br;「なるほど…」&br;サキがうなずく、ウルメルとレィメルはカトラと同じ種族だ、言&br;うことには一理あるのだろう。&br;しかし、カトラが急に2人のことを気に掛ける様な事を言う時は大体…。&br;「カトラちゃん、お肉が食べたいんだね」&br;「ちょー食べたい!!肉!肉!肉!!」&br;本音。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-10-04 (金) 00:58:35};
---「ぬぁー!」&br; 「ぴゃっ!?」&br; 突然ウルメルが両腕を上げ雄たけびを上げた&br; その声にレィメルは驚き跳ねて転がりそうになってしまった&br; 「ウルメル…?わ…レィメル?」&br; 急な事にサ姫もわけがわからずぽかんっとなってしまう&br; &br; 「とにかく我は狩りに行くのだ!肉!肉!肉!肉祭なのだ!」&br; 「ぬぁー!ぬぁー!」&br; 廃材から削りだした槍を片手にカトラは森へと入って行く&br; それを追う様に付いて行くウルメル&br; &br; 「えっと…レィメルはママと行こうか……」&br; 「みゅぃ……」&br; 森に消える二人を見送りながら&br; 茫然と呟くサ姫とレィメルでありました&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-10-04 (金) 01:21:56};
-  -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-24 (火) 22:25:20};

-&br;列車は本線から外れたところに停車していた。&br; 
窓から漏れる明かりが、狭いトンネルの壁を照らし出している。&br; 
&br; 
はるかぜのスイートルームのリビングは、キッズスペースと化している。&br; 
散乱するおもちゃやぬいぐるみ、ボール、絵本…。&br; 
そして、ウルメル、レィメルにおもちゃにされるカトラ…。&br; 
&br; 
「髪におもちゃを絡ませるのは楽しいか?そうか楽しいのかなのだ…。&br; 
おい!しっぽに落書きするでな…わかった、やっていいから静かにするのだ…」&br; 
レィメルが泣き出しそうになると、カトラはピンと立てた尻尾を下した。&br; 
&br; 
サキは寝室で寝ている。というか、カトラが大人しく休むように言って&br; 
2ひ…2人の子守を買って出たのだ。&br; 
&br; 
地下に来て以来、サキは子守に家事にと一人で忙しく、2人に与える母乳も&br; 
サキが自分の精気を削って与えているのだ。&br; 子育ては、サキのわがままから始めたことだから。一人で責任を持たないといけない&br;という気負いもあったのだろう。&br;
そんなわけで、流石に疲れが出たのか、今日は朝から頻繁に寝落ちてしまっていた。&br;
ちょうど、はるかぜが再び時間異常を検知して、直るまで停滞することにもなったので。&br;
今日を休養に当てるのは、良いアイデアに思われたのだが。&br;
&br; 
「あー…ちょっと、ちょっと待っておれ、喉が渇いたなのだ。キッチンに行くから&br; 
すこし大人しくしておれよ…騒いだり泣き出したり、どっか行ったりするなよなのだ!」&br; 
慣れない子守にすっかり疲弊したカトラは、逃げるように2人の間から抜け出した。&br;
サキを休ませるためには、静かにさせておかないといけない。&br;
だが、育ち盛りのウルメル、レィメルをじっとさせておくのは、至難の業であった。  --  &new{2019-09-13 (金) 00:50:37};
--「ふむ……」&br; カトラは立ち止まると寝室のある二階へと視線をやる&br; 静かだ。&br; 寝室ではサ姫が寝ているはずだが&br; 静かと言う事は、寝ているか身を休めているのだろう&br; どちらにしてもサ姫の疲労が回復するのならば良い事だ、&br; 「…後でフルーツジュースでも持って行ってやるとするか…なのだ」&br; カトラは小さく呟くとスナックを取りに向かった&br; &br; &br; 「……むぅ」&br; サ姫は天井を見上げながら唸る様な声を上げた&br; そして右へ寝返りをうち、今度は左へ寝返りを打ち&br; また天井を見上げた。&br; キングサイズのベッドはふかふかで実に寝心地が良い&br; 良いのだけど、一人で寝るにはなんだか広すぎる気がする&br; 城のベッドはこれよりも広く、当たり前の様に一人で使っていた&br; しかし、こちらに来てからずっと、誰かしらが隣で眠っていた&br; それはカトラであり、ウルメルとレィメルであり&br; 誰かしらが眠っていた&br; &br; 「…起きようかな…でもまた寝落ちしそうだし……」&br; やはり誰かが側にいないと寂しくもあり&br; ベッドに横になって数時間も経っていないと言うのに&br; カトラやウルメルレィメルの顔が見たくなってきた&br; しかし、自分の疲労状態を考えると&br; また寝落ちしてしまう事は容易に想像が出来&br; そうなると今は寝るしか無かった&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-13 (金) 22:55:47};
---キッチン車両の厨房に行くと、カトラは業務用冷蔵庫からボトルを取り出した。&br;"業務用オレンジジュース4l"ついでに食べかけのクッキーも取り出して齧る。&br;   「いつでも搾りたてと同じ味の冷たいジュースが、使用人もいらずに一人で飲めるのだから&br;ほんとに便利じゃよなこれ、我んちにも1台欲しいのう」&br;   『備品の持ち去りはご勘弁ねがいます』&br;   「わかっておるわい」&br;   天井の指向性スピーカーからはるかぜの声が聞こえてくる。&br;   「まだ、タイムスケール異常とやらは直らんのかの」&br;   『はい、お急ぎのところ、大変ご迷惑おかけします。』&br;「まぁ早くしてくれなのだ…」&br;気乗りしない顔でリビングに戻ると、ウルメル、レィメルが居ない。&br;   「ぬお、ちょっと目を離したすきに…おいーチビ共どこいったー!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-14 (土) 00:55:07};
---「…うぉ…いかんいかん」&br; 叫んで直ぐカトラは口を手で押さえ塞いだ&br; そのまま二階の方へ視線をやれば、暫し沈黙して&br; 「…これをあやつに知られるのは極めて不味いのだ……」&br; ウルメルとレィメルが行方不明になった事をサ姫に知られる事があってはならない。&br; ただでさえ疲労状態であるのに、そこへさらに心労がかかれば&br; サ姫の体調がどうなってしまうのか予想もつかない&br;それに絶対大泣きされるか怒られる。カトラにとってそのどちらも辛い&br; &br; 「…そうだ…おまら、こっち来いなのだ。静かに静かにだぞ?」&br; 「「ピッピピッツ」」&br; カトラの呼び掛けに答え、作業中だった二体のドローンが集まって来た&br; カトラのこぼした食べカスを掃除していたトリ型ドローン&br; はるかぜの内装をチェック中だったボール型ドローン&br; ちなみに六脚型のドローンはサ姫の側で待機しています&br; &br; 「来たな?手分けしてウルメルとレィメルを捜すのだ!」&br; 「「ピッ?ピピッ」」&br; 「行くぞ!うおーなのだ!」&br; 飛び出すカトラを見送ると、顔を見合わせる様な仕草をする二体のドローン&br; もしこの時、カトラがもう少し冷静で二体の言葉がわかったのなら&br; この後、あんな事にはならなかったのだろう&br; &br; でもって&br; &br; 「いない…いないのだ……」&br; はるかぜ内を走り回り、車輛の隅から隅まで捜したが&br; 見つからない、ウルメルとレィメルが見つからない&br; テーブルクロスを捲っても見たが、いない&br; 棚と言う棚を開け、ボールプールの底に顔を突っ込んだが、見つからない&br; 前回の反省をふまえ、全ての扉は開閉出来ない様ロックしてあるから&br; 二人が外へと出てしまう事はありえないし&br; さらに二人が扉に近付いた時は、報告するようにはるかぜに厳命してある&br; &br; 『カトラ様、よろしいでしょうか?』&br; 「…なんなのだ、我は今極めて忙しいのだ」&br; 『はい、何度かお声掛けしたのですが』&br; 「ふむ、そう言えば何か言っていた様な気がするのだ……」&br; 『ご報告すべき事が……』&br; カトラは口を開けたままで固まった&br; そう、報告の指示を出したのはカトラ自身であった&br; &br; 「うおお……なのだ……」&br; カトラはその光景を見るや、やるせない唸り声を上げた&br; ここまでの苦労はなんだったのか?&br; いやもっと冷静になっていれば良かったのか?&br; 「むゅ……」&br; 「すぴゅ……」&br; ウルメルとレィメルが居た、行く事を恐れ避けていた場所に居た&br; 二人はサ姫の眠る寝室に居たのだ&br; サ姫の左右に抱きつく様にしながら小さな寝息を立てるウルメルとレィメル&br; そしてその二人に挟まれ幸せそうに寝息を立てるサ姫&br; &br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-14 (土) 21:59:38};
---ひとつ溜息をすると、そっとドアを閉める。&br;   サキの眠りを邪魔していないのなら、大丈夫だろう。&br;   「うむ、そのまま大人しく眠っておるがよい、手間が省けるなのだ…」&br;   振り返ったら、足元にウルメルが。&br;   「うわっ!?いつの間に出てきた!秒単位で落ち着きがないやつだな!?」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-15 (日) 23:05:59};
---「みゅぃー」&br; ウルメルを追う様にレィメルまで出て来た&br; そして、再び遊び始めるウルメルとレィメル&br; 積み木の城が築かれ、クマの王が行進する&br; ボールが転がり、幼子達はきゃっきゃっと笑い合う&br; ついさっきまで寝息を立ていたはずなのに&br; 寝惚けた様子等微塵も見せず、元気に遊んでいる。&br; &br; 「はぁ…我に休まる時間はないのか?なのだ……おおぅ?」&br; 溜息し項垂れるカトラの頭に、ぽこりとボールが当たった&br; 予想するまでもない投げたのはウルメルだ&br; 顔を上げればウルメルがぬぁーっと威嚇しているのだろう&br; &br; だがしかし……&br; 「せぬぞ?ボール投げなどせぬ…うおぁ?」&br; 「…カトラちゃん…何かたべたい……」&br; 顔を上げそこに居たのは威嚇するウルメルではなく&br; 寝巻代わりの浴衣を肌蹴させ、幽霊の様に佇むサ姫であった&br; &br; 「寝ておれと言ったではないか?なのだ」&br; 「…あのね…なんかたべたい…たべたいよねー?」&br; 「みゃぅ♪」&br; 「むぃむぃ♪」&br; 足元でぴょんぴょん跳ねるウルメルとレィメルの頭を撫でながら&br; サ姫は厨房へと向かおうとしていた&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-15 (日) 23:44:06};
---「そういえば、我もお腹が減ってきたのぅ…。&br;   って、これではいつも通りではないか!おぬしは座って休んでおれ!&br;   そして、お前たちはまとわりつくでない。休めぬではないか」&br;   サキをソファーに座らせ浴衣とぴしっとさせて、サキに遊んでもらおうと&br;   引っ付くウルメル、レィメルを小脇に抱える。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-15 (日) 23:51:24};
---「うん…でも……」&br; 「でももへったくれもないのだ!」&br; カトラは少し強めの口調で言うと立ち上がろうとするサ姫を座らせた&br; 怒っている訳ではない、いや少し怒っているのかもしれない&br; がんばりすぎるサ姫に身を休め、息を抜く事を学んでほしいから&br; &br; 「みぃー!」&br; 「ぬぁぁ!」&br; 「ええーい、お前たちのマ…ママを休ませるためなのだ!」&br; 腕の中で暴れるウルメルとレィメルに言い聞かせ様とするのだが&br; これまでの経験からそれが難しい事はわかっている&br; &br; 「…二人と遊ぶくらいなら……」&br; そんなカトラを見ればサ姫は手を伸ばしながら言うのだが&br;「それがいかんと言うのだ!」&br; サ姫の言葉にカトラは再び語気を荒くした&br; 小さな仕事でも積もり積もれば疲労は溜まる&br; それが毎日ならば、なおの事だ&br; 今回ばかりは、多少強く言ってもサ姫を休ませねばならない&br; &br; 「たまには我に任せてみるのだ、な?なのだ」&br; 「う、うん……」&br; そこまで言われたらサ姫もそれ以上は言えず&br; 厨房へと向かうカトラを、ただ見送るしかなかった&br; &br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-16 (月) 00:20:18};
---「よし、お前たちは食材を取り出すのだ」&br;   ボールドローンがコードを伸ばして戸棚を開け、&br;   トリ型ドローンがレトルト食品を咥えて取り出す。&br;紐を引っ張って開封するだけでほかほかの出来立て&br;になる未来の非常食だ。味も実際良い。&br;   &br;   「料理はこれで良いとして…問題はこいつらじゃよなぁ、うーむ…」&br;   小脇にウルメルとレィメルを抱えたまま、カトラは天井を見上げる。&br;   「はるかぜよ、子供を黙らせておくなにか良い案はないかの」&br;   『車内エンターテイメントに、キッズ向けプログラムがございますが』&br;天井の指向性スピーカーから、はるかぜの声がする。&br;「しゃないえんたーていめんと?」&br;   『往年の名作から最新作まで、1億を超える映画、ドラマ、アニメ、スポーツ&br;   エンターテイメント、ドキュメンタリー、多彩なラインナップを、迫力のシネマ&br;   サイズ画面と11.1chサラウンドシステムでお楽しみいただけます』&br;   「へー、なんかすごそうじゃのう…」&br;&br;   ふと、気付く。脇に抱えたウルメル、レィメルがやけに大人しい。&br;   「む、おぬしら何を食べておるのだ」&br;   トリ型ドローンが、せっせと並べていた食材の中に、カラフルな袋に&br;   入った一つまみほどのオレンジ色の粒がある。&br;   2人は、カトラに抱えられたまま、夢中でそれを食べているのだ。&br;「ほう…これは…サクサクしておるのう」&br;   ボールドローンに口に入れてもらったカトラも、一口食べてうなずいた。&br;   そして、その瞬間、ひらめきが走る!&br;   &br;   ウルメルとレィメルを小脇に抱えて、カトラがリビングに戻ってきた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-16 (月) 00:46:58};
---「…あ?カトラちゃんおかえりー…」&br; 大きめクッションを抱き、顔を埋めていたサ姫が顔を上げた&br; また転寝をしていたようだ。&br; 「…また寝ておったのか?食べたらベッドへ戻るのだぞ?」&br; 「ふぁーい」&br; ふにゃけた返事をするサ姫に苦笑を浮かべながら&br; カトラはウルメルとレィメルを床に降ろすと食事の支度を始めた&br; &br; 「んー…二人は元気だねー…♪」&br; 「むぃむぃ♪」&br; 「みゅぃ…♪」&br; 当然二人はサ姫に抱き付くのだが、支度が終わるまでは仕方が無い。&br; 今度は秘策もある、上手く行けばサ姫だけでなくカトラものんびりできる&br; &br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-16 (月) 01:21:49};
---「はるかぜよ、シアターモードを起動するのだ」&br;   『かしこまりました』&br;   天井からプロジェクションスクリーンのように大きなモニターが降りてくる。&br;   R.egional&br;   R.ailway&br;   A.dministration&br;   B.ureau&br;   黒い画面に文字列がスタイリッシュにフェードインしてロゴマークになった。&br;   続いて何個か表示されるのはコンテンツを提供している企業のロゴであるが、&br;   古代人の文字はよく分からないカトラ達には、魔法を起動する際の呪文や魔法文字&br;のようにも見えた。&br;   &br;   そして、映像の魔力は子供によく効くのだ。&br;   ウルメルとレィメルは、画面が表示されたとたん、視線がくぎ付けである。&br;   &br;小さな映画館並みの大画面にアニメのキャラクターが、にぎやか&br;   なBGMとともに現れて動き出すと、2人とも、ぽあーっとした顔で&br;   画面を見つめだすのだ。&br;   &br;   「よし、いいぞ…!さあさあお前らはこっちに座っておるのだ。&br;   “ちーずめんたいあじ”とやらのサクサクしたのもあるからの」&br;   2人の前に大袋入りのスナック菓子をおくと、誰に教えられるでもなく&br;   黙って画面を見ながら、菓子を手探って口に入れ始める。&br;   まさしくそれは、子供を大人しくさせる魔法であった。&br;   &br;   「いよし!完璧なのだ!これで我らは心置きなくゆっくりとしておれるぞー」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-16 (月) 23:26:37};
---「動く紙芝居?…こんなのがあったんだ……」&br; 地下都市に来てから動く映像は何度も見てきたが&br; どれも情報を提示するための物ばかりで&br; 物語性のある映像(アニメ)を見れば驚きの声が出てしまう&br; &br; 『アニメ作品の他、大人向けの娯楽作品やご家族で楽しめるエンターテイメント作品&br; …あなたの見たいがここにある!24時間お楽しみはすぐそこに!』&br; 説明の途中突然テンションの上がるはるかぜにぽかんとなってしまうカトラとサ姫&br; 「はるかぜ…さん…?」&br; 『…失礼しました、広告機能が作動しました…機能をカットします』&br; &br; 「まぁ良い…後で我らも楽しんでみるとするかの?」&br; 「私もー♪こんなの演劇場でしか見た事無いよー」&br; 疲れているはずだが、こんな刺激的な物を見れば興奮もしてしまう&br; そして、側にあるスナックを摘まむと&br; &br; 「あ?美味しい?何これ美味しい!新しい!」&br; 初めて経験する味にまたテンションの上がってしまうサ姫さん&br; 実はサ姫自身が前の街の倉庫で確保したお菓子類の一つだったりする&br; 多数確保したので細かい所までは覚えていないのでしょう&br; &br; 「チーズのコクと辛さが癖になる味だねー、でもチーズは解るけど『めんたい』って何…?」&br; 『解答。めんたいは正しくは明太子と呼ばれる食品の俗称で&br; スケトウダラの卵巣を辛子等のスパイスに漬け込んで生成されます』&br; 「タラと言う事は魚の類かの?魚とチーズでこの様な味が出来るとは驚きなのだ」&br; &br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-17 (火) 00:29:16};
---「まぁ、魚とチーズならとっても健康的じゃな!2人とも、お代わりが&br;   欲しくなったらドローンに言いつければよい、すぐに持ってきてくれるからの&br;ジュースも…飲み放題じゃぞー?」&br;   「あう」&br;   「みゃう」&br;ウルメルとレィメルはアニメに夢中で曖昧に返事をする。&br;   &br;   「さあ、これで心配あるまい。おぬしはゆっくりと食事して&br;しっかり体を休めるとよいなのだ。&br;食事中にも落ち着きがない2ひ…2人とも今はとっても良い子にしておるでな」&br;   得意げに言うと、カトラはサキの背を押して食卓へと促す。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-17 (火) 00:39:19};
---「あ、うん…わ?すごい……」&br; 食卓には一流料理店にも負けない、コースメニューが並ぶ&br; 大きめの具の入った海鮮パエリア、えんどう豆のポタージュスープ&br; ヨーグルトのかかったフルーツサラダ、デザートはカスタードのプディングだ&br; サ姫の好みに合わせ選んだメニュー。…紐を引っ張ったり温めただけだけど……&br; &br; 「ふふん♪我だってやれば出来るのだ」&br; 自慢気に胸を張るカトラさん。…紐を引っ張ったり温めただけだけど……&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-17 (火) 00:58:50};
---「でもやっぱり、ごはんは2人もちゃんと食べさせてあげた方が…」&br;   「だめなのだ、生き物にとって食事とはついでにするものではないなのだ。&br;   あの2ひ…2人は誰に頼って生きておる?おぬしであろう。&br;   そして、おぬしを生かしておるのは、日々の食事なのである。まずはおぬしが&br;   しっかりと集中して、食事から活力を得るのが肝心なのだ」&br;   カトラは椅子を引いて、サキを座らせると、”業務用オレンジジュース4l”をグラス&br;   に注いで差し出した。&br;   こういう時のカトラは実に雄弁だ。&br;   &br;   「あ、じゃあ、後でまた精気も分けてもらえると…ね?」&br;   「ん?ああー…うん、そうじゃな。まぁとりあえず冷めないうちに食べるなのだ」&br;   カトラは頬をちょっと掻いた。&br;   &br;   食事が済むと、サキはウルメル、レィメル達の側へと、すぐに戻っていった。&br;   カトラは、ちょっと気に入らなげに見ていたが、5分もたたないうちに、サキは&br;   2人の側でこっくりこっくりと、首を揺らし始める。&br;   「眠るのならベッドの方が良いなのだ」&br;   「ふぁい…2人をおねがいねぇ…」&br;   「任せておけなのだ」&br;   サキを軽く抱え上げると、カトラは2階の寝室まで運んでいった。&br;   &br;   体型と姿勢に合わせて、形状と反発力をAIで操作して最高の睡眠をもたらす、キングサイズ&br;   ベッドは、今度こそサキをしっかりと受け止めて快適な眠りを提供しているようだ。&br;   そっと戸を閉めると、階下を覗き見る。ウルメル、レィメルが、アニメとスナックの&br;   虜になり続けている。&br;   カトラは得意げに溜息した。   &br;   「古代文明のテクノロジーは大したものなのだ。おかげで我も安んじることができよう。&br;   褒めてつかわそう、はるかぜよ」&br;   『お役に立てれば幸いです』&br;   天井の指向性スピーカーから、声がする。&br;   眠っているサキや、アニメを見ているウルメル、レィメルの耳を邪魔することなく、カトラに&br;   だけ声を届けられる。これもテクノロジーの賜物である。&br;   &br;   「さーて、我もくつろぐとするかなー。ドローン、スナックとジュース、我の分も持って&br;くるなのだ」&br;「ピピッ」&br;   カトラは階下へと、伸びをしながら降りて行った。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-19 (木) 00:23:48};
---&br; カトラはかつて思っていた事がある&br; 音楽と言う物は人間の持つ文化の中で唯一、竜に勝る物では無いかと&br; 時に感情を揺らし、時に戦意を高揚させ、時に竜に穏やかな眠りさえもたらす&br; サ姫の歌でさえ、カトラを穏やかな眠りへと誘うのだ&br; 偉大とされる音楽家が作った曲ならばなおの事だろう&br; &br; しかし今日、この考えを改め無くてはならない&br; カトラは知ってしまった&br; 音楽にこのスナック菓子が加わった時の相乗効果の恐ろしさを&br; &br; 「良い…実に良いのだ……」&br; カトラはカウチに身を任せながら、スナック菓子を口へと運んだ&br; 耳には指向性スピーカーから聞こえる音楽が穏やかな時間を演出する&br; 今聞いているのは、古代の人間が作ったされる『惑星』と言う名の曲&br; この世界にあったとされる『星々』をテーマにした、七つの曲のからなる組曲だ&br; その中でもカトラは特に木星をテーマにしたとされる曲をいたく気に行った&br; &br; そしてそれは、丁度その木星が流れている時に起こった&br; &br; 「ふふーんふふーん…なのだ……うぉ…?」&br; 『カトラ様、おくつろぎ中申し訳ありません。火急のご連絡がございます』&br; 曲が急に途切れ声が聞こえて来た。はるかぜの声だ&br; 「なんなのだ、まったく…我はリラックスタイム中なのだ……」&br; 至高の時間を中断され、露骨に機嫌の悪さを見せるカトラだが&br; つい先ほどのウルメルレィメル消失事件の件もあり強くは言えない&br; 『申し訳ありません、しかしお子様の摂取カロリーの件についてご報告が……』&br; 「せっしゅかろりー…?」&br; 聞き慣れぬ単語に首を傾げてしまうカトラだが&br; その意味を聞いて顔を青くする事になってしまった&br; &br; 「うぃ……」&br; 「にゅぃ……」&br; 「いかん…これは極めて不味いのだ……」&br; カトラの目の前には大量のスナック菓子の袋に埋もれ唸り声を上げる二人の幼子の姿&br; ぽっこりお腹のウルメルとレィメルの姿があった&br; &br; これは明らかに食べ過ぎた。アニメを見ながら無心に食べ続けた結果なのだろう&br; カトラにも経験がある。熊の村で祭の菓子を食べ過ぎて動けなくなった事があった&br; 竜族の胃は食べ過ぎくらいで壊れるほど軟弱ではないが&br; それよりもこの状況を見たサ姫に何を言われるのか、カトラにはそれの方が恐怖だ。&br; 「そうだ!運動だ!身体を動かして腹ごなしをするの…どぅあ!?」&br; なんとせねばと焦るカトラだが、背後に感じる気配は時遅しを告げていた……&br; &br; 「…カトラちゃん、これはどう言う事かな?かな?」&br; 「は、はい…なのだ……」&br; この後、カトラが大変な事になったのは言うまでも無い。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-21 (土) 22:29:05};
---&br;&br;&br;「言われるままにお代わり持って来つづけたドローンも&br;   悪いみたいなとこはある」&br;   「「?!」」&br;   えっこっちの責任!?と言いたげに、トリとボールのドローン&br;   が振り向く。&br;   「責任転嫁しない」&br;   「はい…」&br;   正座したまま、サキにぴしっとされてしまった。&br;   &br;   「んでも、ほれ…我の角削って飲ませたし、もう大丈夫じゃろう」&br;   爪を切った後のように、スース―して、カトラは角をさする。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-21 (土) 23:51:48};
---「…うん…一応落ち着いたみたいだね…?」&br; 「すぴぃー……」&br; 「すみゅー……」&br; 毛布に包まれ穏やかな寝息を立てるウルメルとレィメル&br; カトラの角には病や傷を癒す治癒効果があるが、胃腸薬にもなる様だ。&br; 以前はウルメルとレィメルに角を与える事を拒んだカトラだが&br; 今回の件では大きく反省している事が見て取れる&br; それでもやはり……&br; &br; 「でもね?やっぱり食べ過ぎは良く無いと思うの」&br; 「うむ…わかったのだ……」&br; 「カトラちゃんもだよ…?」&br; 自分もなのか?と目を丸くするカトラだが&br; サ姫が指差す先。カウチの周囲に散らばる多数の空袋&br; 完璧な状況証拠が山を成して存在していました。&br; &br; 「カトラちゃんは誇り高い神域のドラゴンなんだよね…?」&br; 「う、うむ……」&br; 「なら子供のお手本にならないと…ね…?」&br; にっこり微笑むサ姫にカトラは何も言えないのでありました&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-22 (日) 00:14:38};
---「うむむ…」&br;   頬を膨らませつつ口を真一文字に結ぶ、何か言いたいが&br;   なんも言えない表情である。&br;   「まぁ、確かに、アレはやけに心地が良すぎて、止まらなくなった感じ&br;   はあるなのだがなのだ…」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-09-22 (日) 00:41:25};
---「もうー…欲望に負けちゃダメだよー…?」&br; 「…サキュバスのお前がそれを言うか?なのだ……」&br; 食欲と並ぶ性欲の悪魔である、サキュバスが欲望について説教する&br; 実におもしろい光景でありました&br; &br; 「ん…じゃあ…私と…♥」&br; 「…うむ、自身を律するとしよう、なのだ」&br; 性的な事に関しては相変わらずストイックなカトラでありました。&br; あるいは照れ隠し?&br;  -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-09-22 (日) 23:37:07};
-  --  &new{2019-09-12 (木) 23:38:55};

-&br;壁や線路、瓦礫といった物の輪郭が、ぼんやりと青白く浮かび上がっている。&br;かろうじて形がわかる程度で、細部は闇に溶けてわからない。&br;&br;懐中電灯の明かりが、真っ黒なトンネルの中を灯台の明かりのように伸びていく。&br;足元から落ちた小石が、かつぅん…と音を立て、長々と反響したのち前方の闇へ飲ま&br;れて消えた。&br;&br;はるかぜから降りて、大分歩いたが、まだ目的の駅は見えてこない。&br;
作業着姿で、肩に道具袋を担いだカトラが、先を急ぐ。 --  &new{2019-08-16 (金) 00:06:36};
--&br;「こういう一本道でも迷子になりかねぬのが、やっかいなところでな、なのだ」&br;「ピピッ」&br;横を転がりながらついてくる丸いボール型ドローンが、電子音で答える。&br;「まぁ、我はドラゴンじゃからこの程度の異界化は平気なのだがな、なのだ。&br;おぬしは我からあまり離れぬようにな」&br;「ピッ」&br;ドローンの言葉がわかるわけではないので、独り言だ。&br;「この先に駅がある、駅についたら管理室へ行き信号を青にする、まぁ簡単な仕事&br;なのだ…」&br;「ピポッ」&br;緊急停止したはるかぜにこの区間を通過させるには、それしか無いらしい。&br;「おっと、ここはまた派手に崩れておるな」&br;行く手を遮るように、瓦礫の山がある。カトラがドローンを持ち上げようと手を伸ばす。&br;「ピピッ」&br;すると、ボールドローンは横へ転がり、そのまま壁にくっついて上へと転がり始めた。&br;そのまま壁を地面のように登っていく。&br;「ほぅ、おぬしなかなかおもしろいことができるのぅ」&br;そう言うカトラは、羽を広げて、瓦礫を飛び越した。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-16 (金) 01:08:23};
---瓦礫を飛び越えたカトラが歩きだそうとしたその時&br; 音がした。背後となった瓦礫の向こう&br; &br; 『カチャ…カチャ……』&br; 「…ム」「…ミ」&br; &br; 何か機械の様な音と囁く様なざわめきの様な音&br; まだ遠くだが、闇の向こうに何かが居る……&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-16 (金) 01:21:13};
---「待て、何か来るなのだ」&br;「ピー」&br;ドローンはカトラの足元に転がり込む。&br;一瞬、しぃん…と静まり返り、やがてまた物音が近づいてくる。カトラは身構えた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-16 (金) 01:27:47};
---『カチャ…カチャ……』&br; 「ヌ?」「ミ?」&br; &br; 音は確実にカトラ達の方へと近付いて来る&br; 闇の中、赤い瞳が明滅し上下左右へと動いた&br; まるで獲物を捜す科の様な動き&br; &br; 闇の向こうに何かいる、それは確信となった&br; カトラはいつでも応戦出来る様、手脚の筋肉を緊張させ&br; 呼吸と血流を加速させる&br; &br; 気配と音がさらに近付き&br; やがて闇の中かから現れたのは&br; 六本の脚を持つ獣型機械とその獣に乗った金と銀、二人の幼女&br; 「ぬぉー♪」&br; 「にゃー♪」&br; 『ピ?ピピッ』&br; 作業用ドローンとウルメルレィメルだ&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-16 (金) 01:40:05};
---「なーんじゃあ、まーた、お前らかー」&br;その時、カトラの道具袋で乗務員用の無線機が鳴る。&br;『カトラちゃん!カトラちゃん!…これで聞こえてるの…?』&br;『≪はい、聞こえているはずです≫』&br;『わかった…カトラちゃん!カトラちゃん!』&br;「うむ、我である…呼ぶのは一度で十分なのだ」&br;『うん、あのね!あのね!大変なの!ウルメルとレィメルが居ないのー!』&br;「うむ」&br;『どうしようどうしよう、自分でドア開けられるなんて思わなくって…ふぇ、おやつ食べたあと&br;眠そうにしてたから、大丈夫で、あの…でもやっぱり車内にはどこもだめで……』&br;「うん、落ち着けなのだ」&br;話し口から飛び出て来るんじゃないかという勢いで、サキが慌てている。&br;『…少しうとうとしてる間に、2人とも居なくて!はるかぜさんも2人を&br;見つけられなくって…』&br;「だろうな、2ひ…2人とも我の目の前におるからの」&br;『…え?』&br;「6本足の奴に乗ってこっちへ来てしまっているなのだ」&br;『わかった、私もすぐにそっちに…』&br;「だめだ、おとなしく待っておれ。&br;異界化した空間で人を探しに出るのはやめましょうって、小学校で&br;習うことじゃろがなのだ」&br;ちなみに、地図に頼って歩く。来た道を戻る。抜け道や抜け穴に逸れる。&br;ここ…さっきも通ったんじゃないか…?と言う(思う)。等も危険な行為だ。&br;&br;『うぅ…』&br;通話口から、泣きそうな声がする。&br;「用事がすんだら、我が連れて帰る。それが一番安全なのだ」&br;『…わかった…。絶対!絶対ちゃんと連れて帰ってきてね?!』&br;「うむ、まかせておけなのだ。あと予め言っておくが、無線が通じなくな&br;っても慌てるなよ。通信や念話が途切れて、慌てるのもドツボに嵌るパターン&br;じゃからな。冷静にしておるんじゃぞ。深呼吸とかしておくなのだ。ではな」&br;そう言って、カトラは無線機をしまう。&br;「ふぅー…やっかいなことになったのう」&br;ため息しつつ、6本足ドローンの背に乗ったウルメルとレィメルを見やる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-17 (土) 01:45:59};
---「ぷいぃ…?」&br; 「みぃ……」&br; ドローンに乗ったまま、周囲をキョロキョロ見渡すウルメル&br; ウルメルの腕に抱き付いたままプルプルしているレィメル&br; 察するにサ姫が目を離した間にウルメルが外へ抜け出し&br; そしてそれを追いかけてきたレィメル…そんなところだろう&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-17 (土) 22:30:07};
---ため息が出そうになるが、咳払いを一つ。&br;「…んん。よいか貴様ら、ここは危険な空間だなのだ。&br;魔界と現世では時間の流れが一致しない。ゆえにその接合部と化している&br;この場所は、異なる摂理が互いに都合を合わせようとして、物理法則がめち&br;ゃくちゃになっておる」&br;腕組みをしながら、カトラが説明をする。&br;「理解できるとは思わぬから、一つだけ肝に命じておけなのだ。我のすぐ後&br;ろについて決して離れるでない。良いな?ではゆくぞ」&br;踵を返し、前進。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-18 (日) 22:06:38};
---「うおっ?」&br; 「みぃ……」&br; 歩き出そうとしたカトラだが、いきなり尻尾を引っ張られた&br; 振り向けば尻尾に抱きついたレィメルがうるうるしながらカトラを見ている&br; 「ぷわぁー♪」&br; そしてその横をてこてこ走って行くウルメル&br; 二人の世話をしていたドローンは&br; 前二本の脚でヤレヤレと言ったポーズをしています&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-18 (日) 22:17:34};
---「案の定なのだ!やたらと歩き回るでないと言った…おぎゃん!?」&br;走っていこうとするウルメルの襟首に手をかけようとした瞬間、カトラは&br;つんのめってずっこけた。&br;驚いて後ろをみやると、きょとんとした顔で尻尾を掴んでいるレィメルが居る。&br;&br;しまった、こいつらも神域のドラゴンだった!もうこんなに力がついておるのか!&br;サキの精気を受けて、姿は変わって居ても、ドラゴン特有の怪力は健在だ。&br;慌ててレィメルから尻尾を取り返して抱えつつ。瓦礫を這い登るウルメルの&br;首根っこをひっつかむ。&br;手足をジタバタとさせるウルメルの手応えが大魚を釣り上げた時めいて重たい。&br;&br;考えたくはないが、いやまさかとは思うが。万が一も慎重に考慮して、ひょ&br;っとしたら?自分の力は、この赤子ドラゴン2匹に負けるなどとことはあり&br;えないが。ちょっと不利な条件が重なると?ややもすると?手こずることぐらい&br;はあり得えないとは言えない気もしなくも…?&br;&br;「う…むむ…」&br;カトラは2人を睨みつつ警戒した。彼女は神ドラゴンとしては異常なほど&br;非力なわけで…。&br;急ににっこりすると、片手で道具袋を探りだす。&br;&br;「よしよーし…よーし…ちょっと大人しくしておれよー?&br;今良い物を出してやるでな………はい!あったー!高耐久ワイヤーロープ分子記憶材チェーン芯2.3mm!」&br;紐である。&br;「これなら我が全力で引っ張ってもちぎれぬ。どれ、ドローンの背にでもく&br;くりつけて…」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-18 (日) 22:42:30};
---「むぃ♪ぬぁー♪」&br; 「みゆぃ…?」&br; 超硬いワイヤーを自慢気に見せるカトラ&br; ウルメルは遊んでもらえるのかとワイヤーに手を伸ばし&br; レィメルは不思議そうに首を傾げている&br; &br; 『ピッピピッ』&br; でドローンはと言うと、今度は前脚二本でバッテン(×)を作っている&br; どうやらサ姫が食堂で言った、縄はダメと言う言葉を記憶していた様だ&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-18 (日) 22:59:05};
---「小奴らのためなのだ、邪魔だてするでない」&br;構わず、カトラはウルメルを6本足の背に押し付けるようにすると&br;そのままワイヤーでぐるぐる巻いていく。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-18 (日) 23:06:30};
---「ぬぁー!」&br; 「ぴゃぁ?」&br; 倉庫で縛られた事を思い出したのか&br; ウルメルは両腕を広げながらワイヤーから抜け出し&br; そのままレィメルの手を取って逃げ出した&br; &br; 「ま、まずいのだ!?待つのだ!!」&br; 慌てて追いかけるカトラ、そしてドローン&br; ワイヤーから抜け出された事よりも&br; 二人に何かあってサ姫に泣かれる事の方がカトラには一大事であった&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-18 (日) 23:38:40};
---「待てと言うに!そっちに行くと異次元のおっさんに怒られるぞ!」&br;一瞬、暗闇の中に2人の姿を見失って慌てるが。すぐに瓦礫の下に潜り込も&br;うとしているのを見つけた。&br;良かった、行き止まりなら簡単に捕まえられる。&br;&br;「大人しく…おお?この穴以外に深ッ!ふっかふかなのだ!」&br;上半身を突っ込んでみるも、存外深くて、2人の尻尾が指先をスルリと逃れて&br;いく。&br;ヘッドライトのスイッチを入れて、カトラも穴に潜り込んでいく。&br;「あれ…なんか、この穴異常に長くないかなのだ…?&br;お、出口にでえぇぇぇぇぇええ!?」&br;壁から頭を出したカトラの声が大峡谷の響き渡った。&br;&br;頭上の巨大な集光器から降り注ぐ陽光に、左右に分かれて何百階層と連なる地層&br;めいた、地下都市の大威容。&br;うさぎの穴の向こう側は、地下都市のメガストラクチャ大渓谷であった。&br;「…まずった!歪みに嵌ってしまったぁ…!」&br;左右を壁のない超高層ビルに挟まれた、摩天楼に匹敵する人造大渓谷だ。&br;しかし、一部が崩壊し、破壊された跡がある。構造物からコンクリ&br;ートや鉄筋、人形の機械、重機、その他のものが灰色の雪崩となって、渓谷の底&br;を埋めている。 --  &new{2019-08-19 (月) 00:03:08};
---部分部分に視線をやれば、建物の基本的な構造は前の街とほぼ一緒&br; むしろ全く同じ構造の街に見える&br; しかし崩壊し崩れた部分の多さは、同じ時代の街とはとても思えなくて&br; 「やはり時間のズレなのか?なのだ」&br; 知識を総動員し、状況把握に努めるカトラだが……&br; &br; 「ぬぁー♪」&br; 「にゃあ?」&br; カトラから少し離れた遠く&br;瓦礫の山登頂を目指すウルメルとレィメルの姿が!&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-19 (月) 00:37:41};
---「うわーっ!?そんな高いところ登ったらダメだろー!?怪我でもしたら&br;サキに怒られるのだぞ!」&br;カトラが。&br;しかし、穴から腰が抜けぬ。尻がデカイわけではない、尻尾が太すぎるのだ。&br;その時、カトラは臀部に固い感触を感じた!&br;「おひゃん!?誰じゃぁ!あ、6本足か!良いぞ、そのまま我を押し出すのだ。&br;はい、せーのぉ…うわーっ!?」&br;穴から突き出すドローン足。勢い余ってカトラは谷底へ落下!&br;「ピュー…」&br;恐る恐る覗き見るように、ボールドローンが顔を出すと、掠めてカトラが&br;飛翔する。&br;&br;「今捕まえるでな、じっとしておれよ…。逃げたら容赦しないからな!」&br;バッサバッサと羽ばたきながら、ウルメルとレィメルに迫る。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-19 (月) 00:49:07};
---「みっ?」&br; 「そのまま動くなよ…なのだ…お?」&br; 後少し、そのまま手を伸ばせば捕獲と言うところで&br; レィメルが振り向き、カトラと目が合った&br; 「あー……」&br; 「………」&br; 数秒にらめっこの時間が続き&br; &br; 「み、み…ぷぇーん!」&br; 「こうなると思ったのだー泣くななのだー!」&br; 大泣きし始めるレィメル&br; カトラはどうすれば良いのかわからずただオロオロするばかりで&br; 考えてみれば、二人が泣いた時いつもあやしていたのはサ姫だ&br; &br; 「あやつはいつもどうしておった?思い出すのだ我!…あ」&br; 「むぃー!」&br; 「み…?」&br; ウルメルの威嚇の声が聞こえ&br; 我に返ればレィメルはウルメルに手を引かれる様にしながら&br; パイプの滑り台を滑り下りて行くところだ&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-19 (月) 01:15:08};
---手を伸ばす、掴みそこねた。2人は何十mも続く折れた配管をウォーター&br;スライダーめいて滑り降りていく!&br;直線、カーブ、そして螺旋状のループを通過!パイプが破れて窓のように穴の&br;あいた箇所を2人がビュンッと横切る。&br;「くっ…我が入るには狭い…!」&br;瞬時の状況判断でカトラは一気に谷底まで飛び降りた!地面と衝突直前に羽で&br;減速し、パイプの一番下の出口の前に着地!&br;「はっはー!一本道なのだ!さあ自ら捕まりに来るが良い!」&br;構えて待つ!&br;「来たか!」&br;レスリング選手めいて低い姿勢にて待ち構える!&br;「…?」&br;覗き込んで見るが、出てくる気配がない。見上げてみると、構造物に立てか&br;けるようにして、ビルより長いパイプがずっとこっちまで伸びている。&br;パイプに肘をかけて、手持ち無沙汰につま先で足踏みをし、時計を確認してみるが?&br;「おーい、つっかえたのかなのだー?」&br;しびれを切らして、カトラはパイプの中に匍匐前進で入っていく。&br;しっぽの先に道具袋を引っ掛けて、まっくらなパイプの中を登っていくと、&br;傾斜がきつくなり、とうとう垂直になった。&br;「こんな形してたかのう…ぬおっ角ッ」&br;角がこつんっと、何か硬くて重たいものに当たった。&br;&br;ははぁ、さては途中で行き止まりになっていて、立ち往生してしまったのだな。&br;となればこの壁をぶち破れば2匹が居るに違いない。&br;両足を壁面に突っ張り、両手を壁につけると力を込める。カトラは非力とは&br;言え、鋼鉄ぐらいなら簡単に破壊できる。&br;&br;「よいっせっ…わっ!?」&br;思ったより手応えがなく、壁はあっさりと持ち上がった。&br;途端に眩しい光と雑踏の喧騒がわっと押し寄せる。&br;ヒュゥゥゥゥゥゥッ…ン&br;「うぉぉう!?」&br;低空飛行で迫ってきた何かに驚き、慌ててカトラは頭を引っ込めた。&br;おそるおそる壁を押し上げて、顔を出す。&br;タイヤの無いメタリックシルバーの車が、過ぎ去っていく。&br;「えぇ…えぇぇぇ…?」&br;道路のマンホールから這い出したカトラは、驚くより呆れたような声を漏らす。&br;&br;左右に聳え立つ、摩天楼を凌駕する階層状構造物が、人造の大渓谷を成し、&br;遥か頭上には巨大集光器が、等間隔に並び地下に陽光をもたらしていた。&br;階層の全てから光と音が溢れ出し、階層の壁面に路面電車に似た乗り物が上下&br;前後に自在に走行している。&br;&br;ヴァーッ!&br;突然クラクションを鳴らされカトラは慌てて横に飛び退いた。&br;幅広な歩道を行き交う人々は、突然現れたカトラに少し距離を取るだけで&br;大して関心を示さない。&br;&br;「本格的に時空間の迷子になってしまったぞ…!なのだ…!」&br;だが頭を抱えている暇はない。&br;ウルメルとレィメルもカトラと同じように近くに出てきているはずだ。&br;確証はないが、そうでもないと見つけ出すのが不可能なので大変まずい。&br;「居なくなってくれればありがたいが、今はまずい…まずいなのだ!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-19 (月) 23:35:40};
---「ぴゃあー♪」&br; 「にゃう?」&br; 頭を抱えるカトラの耳にウルメルとレィメルの声が聞こえて来た&br; 「どこだ?どこなのだ?」&br; 声の響き方から察するに、二人はこちらへと近付いて来てる&br; どちらから聞こえた?周囲を見渡すカトラだが……&br; &br; 「ザッケンナ!ゴラァ!」&br; 「うお?なのだ」&br; カトラのすぐ横を金ピカの、それも先程より高級そうな&br; いわゆる高級外車が通り抜けて行った&br; 運転手はアフロにサングラス。うん?どこかで見た様な顔をしている?&br; しかし今問題にすべき所はそこではない&br; &br; 「ぴゃっはー♪」&br; 「にゃにゃ……」&br; その金ぴか高級外車の屋根の上にウルメルレィメルの姿!&br; こちらを見ながら手を振っている&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-20 (火) 00:08:16};
---明らかにバイバーイという感じで。&br;&br;あっけに取られて、ぽかーんと遠ざかっていく金ピカーを眺めたあと。&br;微動だにせず、羽だけバサッと広げたものだから通行人が跳ね飛ばされた。&br;「待てぇぇえい!なのだー!」&br;飛び出したカトラの風圧に煽られてさらに通行人が吹っ飛ぶ!&br;ド派手な服を着た老婆が、倒れた通行人の懐やカバンから、何か抜き取り&br;猫を乗せたベビーカーに放り込んでいくが、構っている暇はない。&br;&br;「止まれぃ!」&br;「ワッザ!?」&br;アフロがサイドミラーに写ったカトラに驚愕して、余計スピードを上げる。&br;「おぅー」&br;「にゅぁー」&br;ウルメル、レィメルは加速度で前のめりになった。&br;&br;「乗り物を止めよ!さもなくば…」&br;メラッとカトラの口から炎が漏れる!&br;「ノォー!イノチバカリハ!」&br;急ブレーキ!&br;「馬鹿者、急に止まるやつがあるかぁーああーあああー!?」&br;ぽーんっと投げ出されるウルメル、レィメル!&br;放物線を描き、2人は路面電車に似た移動設備、マルチベーターの屋根にちょこんと着地!&br;「ほ、無事か…ぶべッ!」&br;よそ見注意。ベッシャァ!とカトラは別のマルチベーターのクラゲのマスコッ&br;トの描かれた車体に顔面から衝突してめり込む。 &br;その横を、2人を乗せたマルチベーターはすぅーっと上昇していく。&br;「我、今日こんなんばっかなのじゃぁ…」&br;へろへろと羽ばたいて、後を追う。&br;&br;ウルメル、レィメルの前を、目を引く色彩の立体映像看板が、スタッフ&br;ロールのごとく流れていく。&br;そのうち、目の前にものすごく大きな人の姿が現れて、2人はおおーとのけぞった。&br;スーツ姿の人物の回りに映像とテロップが流れている。構造物上部には一際&br;巨大なニュース映像が投影されていた。&br;大きな人に気を取られていると。後ろから2人を掴む手が!&br;「はぁ…はぁ…やっと捕まえたぞ」&br;カトラだ!ニュース映像が急に、"緊急事態警報"の赤地に白抜きの文字に変わり&br;明滅を繰り返す。&br;その間に、巨大な山が映し出されている。火山の噴火でも起きたのか。&br;いいや違う、大山は大きく緩慢に揺れながら動いている!地震か!地下の都市にも&br;ズゥゥゥン…と重たい振動が走る。だが、それも違う。&br;山は移動していたのだ。大きく画面が引いて、ボケていたピントが合うと、&br;そこには、山を背負って移動する巨大なリクガメのような生物の姿が!&br;&br;「もう逃さんからな!手間をかけさせおってからにぃ!っていうかここどこだ&br;なのだ…」&br;カトラ、全然画面を見てない。&br;ウルメル、レィメルは腕に抱えられつつ、うーとかにゃーとか言いながらもが&br;くが、抜け出せない。&br;その時だ!天井にあった集光器の一つが消え、一瞬遅れて巨大な塊がカトラ達の&br;横に雪崩込む!&br;爆風めいた凄まじい風圧!舞い上がる砂塵に視界は塞がれ、あたりを激震が襲う。&br;「なんじゃぁ!?」&br;落下するマルチベーターを蹴って、カトラは暴風に巻かれるように飛び上がる。&br;途中、とんでもなく巨大な顔が、土埃の中に見えた気がした。&br;&br;「痛ッで!尻ぃ!!」&br;次の瞬間、カトラは尻を強かに打って悶た。&br;瓦礫の上である。何やらあちこちで火の手などがあがり、銃声や爆発音が遠く聞こえる。&br;土埃は無く、巨大な何かも見当たらない。頭上の集光器はいくつか消えていて&br;まばらに並んで光を落としていた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-20 (火) 01:03:52};
---「むぃ?」&br; 「み……みっ!?」&br; ズシンと言う重い地響きと共に三人の周囲が暗くなった&br; 見上げれば巨大な何かが影を落としている&br; ぽかんとする三人の直上を大きな塊が通過し&br; それが少し先の地面に落ちると同時、再び重い地響きが三人を揺らした&br; そしてまたカトラ達の頭上を大きな塊が通過し、地響きを上げる&br; &br; 「な、なんな…巨人…あれは機械兵なのか!?なのだ」&br; 巨大な姿が頭上を通過し、遠く離れた事でようやく全貌が明らかになった&br; 鉄の巨人だ。&br; 砂漠で見た機械生命体達に似ているが、こちらはより人型に近く大きい&br; 都市型の機械兵よりは小さいが、それでも巨人と呼ぶには十分すぎるほどの大きさだ&br; しかし、あの巨人が兵器だとして、何と戦うための物なのか……&br; それを想像するだけでカトラの背筋は冷たくなる。&br; &br; 一方ウルメルとレィメルはと言うと……&br; 「ぷわ……」&br; 「みゃ……」&br; カトラの腕から転げ落ちてしまっていたのだが&br; 逃げる事を忘れ、巨人の背を見ながらぽかんとしている&br; めっちゃ捕まえるチャンス!…なのだけど、カトラもぽかんとなっていた&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-20 (火) 01:28:43};
---高層ビル並の大威容が闊歩するのだが、左右の構造物の間が300m以上はあ&br;って、その間を、構造物の半分ぐらいの高さの巨人が歩く様は、人が路地を&br;歩くようでスケール感がおかしくなる。巨人は歩き去っていく…。&br;&br;「…はっ!?捕まえたぞこいつ!」&br;現実離れした光景に夢見るようにぼやっとしていたが、我に帰って&br;カトラはレィメルをつまみ上げた。&br;嫌々ともがくレィメル、ウルメルはカトラの足を引っ張って抵抗しているが&br;カトラとて神ドラゴンだ、不意打ちでもなければ流石に赤子には負けない。&br;「手間取らせおって、貴様も大人しく…」&br;カトラの影が、ウルメルに落ちて…さらにその上からもっと大きな影が落ち&br;てきた。&br;「ぬーん?」&br;振り返ると、そこにはさっきのよりはずっと小さな、しかしカトラ達の3倍&br;は巨大な機械兵が。腕と頭が無く、戦車の砲塔から足が生えたようなシルエットである。&br;&br;嫌な予感がするのぅ…。&br;そんな予感を読み取ったかのように、機械の胴体から左右にガトリングが&br;展開された。&br;それが何か知らぬが、突然の変形に驚いたのか、ウルメルが自らカトラの&br;脇腹に飛びつく。&br;ヴォォォォォォォォォ!!!&br;警告も威嚇も無し、いきなり攻撃開始!&br;「うわーっ!?なんだなのだー!?痛てっ!イデデデデ!!尻を撃つなー!」&br;尻を銃撃されながら、カトラは銃弾が飛び交う廃墟を走り出す! -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-20 (火) 02:01:57};
---「ぬぁー♪」&br; 「にゅあ?」&br; カトラの小脇に抱えられ、はしゃぐウルメルとレィメル&br; シャコシャコと虫じみた動きで並走する六脚ドローン&br; なんの因果が働いているのか、銃弾はカトラの尻にばかり当たる&br; 「あだだ!我何か悪い事したかー?なのだ?…いやまぁ、うん」&br; 色々思い出してしまったが、今はこっちに置く&br; &br; 「一先ずのあの建物に逃げ込むのだ!」&br; 先の方に、入口部分が破壊された建物が見えて来た&br; 中は暗く奥までは見えないが、内部には柱や棚が多数並んでいる様だ&br; あそこなら機械兵を振りきる事が出来るかも知れない……&br; &br; 「うおー!なのだ!」&br; 「だー!」&br; 「にゃー!」&br; そしてカトラ達は建物へ飛び込んだ&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-20 (火) 23:42:06};
---「はぁはぁ…、どうやらもう追ってこないようじゃな…あれぇ!?」&br;両脇にかかえていたはずのウルメルとレィメルが居ない。&br;何故かボールドローンと6本足ドローンを小脇にかかえている。&br;「どこじゃ!?あー!あんなとこにー!?」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-21 (水) 00:48:57};
---「ぴゃっぴゃっ♪」&br; 「にゃうー♪」&br; 『ボクハクマルン…ザッ…オモチャノクニヘヨウソコ…ザザッ』&br; いくつも連なる棚向こうの通路にウルメルとレィメルの姿が!&br; そして二人を先導する様に等身大のクマがてこてこと歩いている&br; &br; 熊と生活した事のあるカトラならわかるが、多分ぬいぐるみか何かだ&br; ドローン達と同じ様に機械仕掛けかなのもしれない&br; それに良く見れば、棚には埃を被ったヌイグルミや積み木&br; ミニチュアサイズの家や車もある&br; 「ふむ?玩具店に飛び込んだ様なのだ……&br; なんて、冷静に観察してる場合ではないのだ!」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-21 (水) 01:07:02};
---『イラッシャイ、キミノオナマエハナンテイウノ』&br;「我は童子ではない!」&br;実際まだ子供だが。うさぎの人形に怒鳴り返すと、2人の背中に飛びかかる。&br;「みゃぅー!」&br;「にゅー!」&br;捕まるまいとウルメルはレィメルの手を引いてダッシュで走り出した!&br;ついこの間まで、小さな幼生だったのに、子供の成長とは早いものである。&br;などとは微塵も思うわけがない。&br;「マテッコラァーッ!スッゾコラー!」&br;そこそこ上品なカトラが、普段決して使わないヤクザスラングなども飛び出す。&br;追って、ドローン達も走り出す。&br;&br;店の奥は廃墟の遊園地だ、メリーゴーランドの回りをぐるぐる回り、コーヒー&br;カップに隠れたウルメルとレィメルにカトラが飛びかかる。&br;別のコーヒーカップから飛び出した2人はまんまと逃げ出した。&br;&br;ミラーハウスでは、鏡に写ったウルメル、レィメルにカトラが頭から飛び込み。&br;メイン通りに出れば、首の取れたマスコットぬいぐるみに身を隠した2人に、&br;後ろからぬいぐるみでケツバットを食らった。&br;&br;ドローン達とジェットコースターに乗ったのをカトラは走って追いかけ、逆に&br;追いつかれて後ろからコースターに追いかけられる。&br;おばけ屋敷に逃げ込む…のを怖くてやめるウルメルとレィメルがとことこと&br;離れたあとに、お化け屋敷に飛び込んだカトラは悲鳴をあげ震えながら出てきた。&br;&br;そうこうしてる内に、密林に出てしまった。&br;「おぃぃ…いい加減に…ぬ?げぇー!恐竜!?」&br;突然湧いて出たティラノサウルスが牙を剥く!噛みつかれたカトラの体をす&br;り抜ける!&br;立体映像だ。顔を上げるとずらっと並んだ座席と観客。&br;「おい、邪魔だぞ」「席に戻って!」&br;「あ、はい、すいません」&br;背をかがめて端へ移動すると、非常ドアから、手を繋いで出ていく2人を発見。&br;&br;無人の工場内で作業ドローンが火花を散らし、頭部のない機械兵を組み立てていた。&br;ウルメル、レィメルはレーンの間をちょろちょろと走っていく。&br;カトラは追いかけて、ドローンと衝突!転倒!起き上がりバタバタと追う。&br;後に続いたボールと6本足は、他の作業ドローンに仲間と間違われ、作業&br;レーンに連行されかけた。&br;&br;危ないところでドローン達を連れ出して、カトラが次に飛び込んだのは、地下&br;の空洞の工事現場である。高層ビルを凌駕する黒い骨組みが、工事現場の大型&br;照明に照らしだされる。&br;昆虫型の山のように大きな機械があちこちで建設作業を進めている。&br;空洞と明かりはどこまでもつらなり、遥か彼方まで、星のように照明の白い点&br;が散らばる。&br;&br;「ちょっとたんま…」&br;カトラは給水用のドローンからコップで水をもらって6本足によりかかる。&br;その横を作業車両の荷台に乗ったウルメルとレィメルが横切った。&br;6本足にまたがって、慌てて追いかける。置いていかれたボールは側に居た&br;車輪付きのドローンをコード接続して乗っ取ると、ダッシュする。&br;&br;もうどこをどう走ってるのかわけがわからない。3D映像を裸眼でみたように&br;輪郭の滲んだ景色の中をカトラは走っている。&br;作業着の裾を踏んづけてつんのめった。&br;「痛ッたー…なんじゃぁ!?」&br;服が大きくなっている!いや、こういう場合は…&br;「我が縮んだー!?ということは…!」&br;案の定、中学生ぐらいの身長になったウルメル、レィメルが、幼児サイズになった&br;カトラを後ろから抱えあげた!&br;だだあまりしている裾や袖を振り回して、小さいカトラがキーキー叫ぶと、&br;今までのお返しとばかりに、ウルメルにぶん投げられた!&br;&br;「対象を発見、確保します。困るよ君ぃこんなところに来ちゃ…」&br;「やかましいわぁ!なのだ!」&br;シュールレアリスムの風景画みたくなった街のなかで、スーツ姿のおっさん&br;に声をかけられた時には、カトラは元の姿だ。&br;おっさんは八つ当たりでカトラに火を吐かれ、黒焦げにされた。&br;&br;その後も、どこをどう走ったのやら。&br;カトラが螺旋階段を上へ登れば、ウルメルとレィメル達は上下逆さまに&br;階段の裏側を、下へと走っていく。&br;&br;無人の階層都市の、どこまでも柱だけが等間隔でならぶ、立体駐車場のような階層に出て。&br;柱の裏に隠れるウルメルとレィメルを探して、柱を覗き込む。&br;だれも居ない。別の柱からしっぽが出ているのを見れば、こっそり忍び寄り&br;手で掴むも空振り。&br;柱の間を、あっちこっちと、ワープするように2人が駆け回っている。&br;「ええい!いい加減にせぬか!止まれ止まれぃ!」&br;一瞬間を置いて全部の柱から、ウルメルとレィメルがひょっこり顔をだした。&br;カトラは頭を抱えた。&br;&br;それから結局、ようやくまともな空間に出たと思って顔をあげれば、最初に&br;入り込んだ廃墟化した階層都市であった。&br;&br;瓦礫と化した都市構造物、スクラップと化したドローン兵や、マルチベーター&br;の残骸…。&br;「あれ…ここさっきも通ったよな…なのだ」&br;思わず、迷いの森での禁句が口をついてでてしまう程へとへとである。&br;瓦礫の陰から6本足と、車輪に乗ったボールが出てきた。&br;ボンッと近くで燃えていた機械兵の残骸が小さく爆発して。ボールがポーンと投げ出され。&br;6本足の足の1本にキャッチされて背中に乗せられた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-21 (水) 02:25:40};
---「もはやお主達とは戦友な気がするのだ、わはは」&br; ドローン達に笑いかけながらカトラは拳を突き出すと&br; 機械のアームと拳と拳、腕と腕を突き合わせた&br; &br; 「よし!さて、二人はどこに…おっ?なのだ」&br; 居た!何かの建物の中へと入って行くウルメルとレィメルの背中&br; 「…あー…なんとなく予想がついたのだ……」&br; 多分だが、ここまでの流れ通りなら二人を追って中に入ると&br; 別の時間か場所へと飛ばされてしまう&br; しかし、おいかけなければ二人を捕まえる事は出来ず……&br; 「行くしかないのだ」&br; ドローンと仲良くやれやれのポーズをとると建物の中へと飛び込んだ&br; &br; 「…お」&br; 駅だ。前の地下都市で見た駅と良く似た構造の駅&br; 崩れた所は無く、むしろ真新しくさえ見える&br; 「うーむ……」&br; しかし、ここが過去なのか現代なのか未来なのかはわからない&br; わからないが、今重要なのはウルメルとレィメルを捜す事&br; &br; 「むぃーむぃー」&br; 「みゅう」&br; 居た!さらに奥へと進んだ駅のホームと思わしき場所&br; カラフルな列車が停止しており、二人はその前で飛び跳ねている&br; &br; 「やっとみつけたのだ…うむ?この列車はなんなのだ……」&br; 地下都市を見つけてから、列車の類は何度も見て来たが&br; この列車は他の列車と明らかに毛色が違う&br; &br; 青紫で塗装された車体に、絵物語風にデフォルメされた少女達の姿が描かれていた。&br; 描かれた少女達は、黒を基調としたゴスロリドレスを纏っていて&br; 統一された衣装から、少女達はグループなのかもしれない。&br; 「ふむ…こやつが気になるのか?」&br; 「むぃ!」&br; 「みぃ……」&br; 少女達の一人は髪の色こそ紫色だが、なんだかサ姫に似ていて&br; 二人はサ姫と間違えているのかもしれない。&br; &br; 『ローゼンナハトサードシングル!「Stampede」発売中!』&br; 「うおっ?」&br; 三人の側に突然少女達の立体映像が浮かびあがり音楽が流れ始めた&br; 「…この時代の歌い手達なのか…?にしてもあやつに良く似ているのだ」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-21 (水) 03:05:08};
---立体映像を掴もうと、2人は手を伸ばすが、その手はすり抜けるばかり。&br;カトラはじわじわとにじり寄り…&br;『ここは現在封鎖中ですよ』&br;立体映像がかき消え、不意にかけられた声に驚いて、2人はカトラの手を&br;すり抜けて走り出してしまう。&br;&br;「なんてこった!おぬしが邪魔するからー!」&br;『申し訳ございません。ですが、ここは現在戒厳封鎖中です。どこから入&br;ってきたのですか?』&br;「そこの出入り口なのだ!おぬし…おおん?おぬし、はるかぜか?」&br;聞き覚えのある声だ、というか、この極めて冷静で流暢な電子合成音声は&br;はるかぜさんの声だ。&br;『いいえ、私は広域軌条管理局運行管理AIです。現在は特別コラボラッピ&br;ング列車を担当しております』&br;「広域軌条管理局って、ああー…」&br;記憶をたどれば、最近もそんな風に自己紹介された覚えがある。&br;「我じゃよカトラなのだ」&br;『申し訳ございませんが存じ上げません』&br;「別のはるかぜなのかのう…」&br;『特級観光列車はるかぜ号のことでしたら。ここは停車駅ではございませんよ』&br;&br;頭が混乱してきた。&br;異界化した空間をあちこちと走り回ったせいで、もはや自分がどこに居るの&br;かもわからぬ…。&br;「ん?そうじゃ!おぬし!ここは何という駅なのだ、なのだ!」&br;『A228です』&br;「それだ!」&br;『?どれでございますか?』&br;「我が目指していた駅の番号なのだ!」&br;&br;どうやら、ぐるぐるとしているうちに、回り回って、運良く最初の場所に戻っ&br;てこれたらしい。行幸である。&br;「こうしちゃおれん、また変な時空へ飛ばされる前に、チビどもを捕まえて&br;さっさと帰るのだ!」&br;『そうしていただけると、幸いです。お子様でしたら車内にいますね』&br;「よしきた!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-22 (木) 00:29:00};
---カトラは頷くと、色こそ違うが見慣れた扉から車輛内へ&br; 「こ、これは……なのだ」&br; 中に入った瞬間、カトラは眩暈の様な物を感じてしまった&br; ベース部分は改装前のはるかぜに良く似ているが&br; 壁や天井は薔薇や蔦で飾られ、所々に少女達の肖像画が飾られていて&br; 車輛の中だと言うのに、古びた洋館の様なゴシック様式の内装になっている&br; &br; 「なん…なのだ」&br; 『現在、車輛内はローゼンナハトの歌の世界観を忠実に再現した内装となっております』&br; わからん。&br; はるかぜが何を言ってるのかわからない。わからないのだ。&br; カトラは生まれてはじめてカルチャーギャップと言う物を経験していた&br; &br; 『では、お子様の早期保護を期待します&br; そうそう。破壊行動窃盗行動、その他犯罪に類する行動は車輛運行法……』&br; 「…あ?わかった!わかったのだ!余計な事はしないから安心するのだ!」&br; 安心するなとは行ったが、ウルメルとレィメルを早めに保護しなくては&br; 倉庫での大惨事の様な事が起こりかねない。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-22 (木) 00:57:15};
---「どこぞの貴族の館みたいなのだ…こんなにごちゃごちゃと物があると、見&br;つけ辛…」&br;居た、刺繍入りテーブルクロスの下から尻尾が2本はみ出てる。&br;テーブルクロスをめくりあげ素早く手を突っ込む!ウルメル、レィメルは弾&br;かれるように飛び出す!ひっくり返るテーブル、燭台、グラス、皿、花瓶、&br;手書き原画が宙を舞う!&br;「あわわわっわっわっ…!」&br;空中でジャグリングして、カトラは皿をキャッチし、燭台を咥え、グラスを頭&br;に乗せる!ひっくり返った花瓶がすぽっと尻尾に嵌った!パーフェクトだ!&br;『器物の損壊は…』&br;「わはっへほるわーー!」&br;ひらひらと原画が顔の上に降りてきた。&br;&br;一方まんまと逃げ出したウルメルはレィメルの手を引いて赤い絨毯の通路を&br;走っていく。デッキへ続く木目ドアが自動で開いた。デッキに飛び出すと、次&br;の車両へ飛び込もうとして…&br;「ゔぁっ!?」&br;ガンッと顔面から扉に突っ込んでしまった。&br;この扉は、前に立てば開くとウルメルは思っていた。はるかぜの中でも&br;そうだったのだ。しかし、叩いても引いても硬く閉ざされて動かない。&br;「でかしたぞ!ラッピング車両とやら!これで行き止まりなのだ!」&br;振り返れば、自動ドアをくぐって、カトラがデッキに乗り込んできた。&br;「散々に手こずらせてくれたのぅ…。いい機会なのだ、力の差と言うも&br;のをその身に教えてくれようぞ…」&br;勝利を確信したカトラが、悪役めいたセリフを吐きつつにじり寄る! -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-22 (木) 01:16:44};
---「ぬぁーむぃぃ……」&br; 「みゅぃ……」&br; ついにカトラに追い詰められてしまったウルメルとレィメル&br; ウルメルはレィメルをかばう様に立つと、近付くカトラに威嚇の唸り声を向ける&br; レィメルの方はウルメルの手を握りながら、今にも泣きだしそうな表情で……&br; &br; 一足の間合い。カトラが後一歩踏み出せば二人を捕まえる事が出来る&br; しかしカトラは踏み出さず。感情を見せぬ表情で二人をじっと見詰めている&br; &br; 「…主は守っておるのか?」&br; 「ぬぁぁ…むぃ?」&br; 暫しの睨み合いの後、カトラはウルメルにそう問い尋ねた。&br; 振り返ればいつもそうだ。ウルメルは常にレィメルを守る様に動いている。&br; 活発なウルメルに対し、レィメルは臆病な所があり。泣き出すのもレィメルが先だ&br; ここまで追いかけっこの間もウルメルが手を引き続け、そして今も。&br; &br; 「自力で生きてもおれぬくせに。守るために我に立ち向かうというのか」&br; サ姫に甘えるばかりであった幼竜の中に強さを見た気がした&br; 力の強さとは違う、神域の竜としての誇りにも通ずる強さ。&br; 今は臆病なレィメルも、ウルメルと共にありサ姫が育て続けるのならば&br; ウルメルとは違う強さを宿して行くのかもしれない。&br; それはカトラにとって恐ろしい事であると同時に、何か別の感情を抱かせ……&br; &br; 「よかろう、もう気張らずとも良い、我もそろそろ戻りたいのだ」&br; カトラはそう告げて二人の方へ手を伸ばすのだが……&br; 「…いや、あやつのやり方を真似てみるか?なのだ」&br; 「むぃ…?」&br; 「み…?」&br; カトラは二人の視線にまで屈むと誘う様に手を伸ばしてみる&br; そんなカトラを不思議そうな表情で見るウルメルとレィメル&br; &br; 「ほれどうした?あやつの元へ帰りたいのではないか?&br; 我もそろそろ空腹なのだ。あまり我をいらつかせるではないのだ」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-23 (金) 01:07:45};
---掴み捕まえようとする手ではない。&br;サキが2人を両手で抱き上げる時のように、差し伸べられている。&br;まぁカトラの場合微妙にそっぽ向いて片手だけ出しているのだが。&br;ウルメルとレィメルは、顔を見合わせた。&br;&br;列車のドアが開くと、ボールドローンを背に乗せた6本足が待っていた。&br;『無事に仲直りなされましたね』&br;「捕まえただけなのだ」&br;カトラは両手でウルメル、レィメルと手を繋いでいた。&br;レィメルは落ち着かないのか、カトラの方をチラ見して、ウルメルは親指を&br;むにむにとしゃぶっている。&br;『一般の出入り口は、現在戒厳封鎖中です。誘導に従い、職員通用口から出て&br;ください』&br;「誘導とは、この矢印のことかの。ドローンでも出てくるのかと思ったわ。&br;よし、ゆくぞ、こういう空間では案内どおりに行くと大体脱出できるのだ。&br;手を離すでないぞ」&br;「にぃ」&br;「むぃ」&br;照明の絞られた駅ホームに、道案内の矢印看板が立体投影されている。&br;『ドローンと言えば…。連れている整備ドローンは、この駅の所属ではあり&br;ませんね?&br;おかえりになる前に、職員からそのことについて2〜3質問させていただきます。&br;ご協力の程よろしくおねが…』&br;冷静な電子合成音の声が、不意に途切れる。&br;カトラ達の姿は薄暗いホームのどこにも無かった。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-23 (金) 02:05:09};
---「ふむ、また移動した様なのだ」&br; 「むぃ?」&br; 「みゅぃみゅぃ♪」&br; 気付けば三人は不思議な空間を歩いていた&br; 流れる『何か』に囲まれた不思議な空間&br; 時折流れの中をねじ曲がった時計が流れていく&br; &br; 「時の流れの中か、わかりやすいのだ…まっすぐ行けば多分大丈夫なのだ&br; ちび共、我の手を離すでないぞ?ここで迷子になるのはヤバさが危険なのだ」&br; 「むぃ!」&br; 「みぃ!」&br; カトラの呼び掛けに手を繋いだまま返事するウルメルとレィメル&br; こうしていると可愛くもある…様な気がしないでも無い&br; &br; 「しかし…時間の流れがでたらめでも腹はすくのだなぁ……」&br; 道なりに歩きながら上を見上げるカトラ&br; 流れる時計に混じり様々な光景が浮かんでは消えていく&br; 戦争、恐竜、火山、隕石。ドラゴンの姿もあった&br; 過去から未来、未来から過去。時の中を駆け抜けて行った存在達&br; &br; 「むむぃ!」&br; 「みゅいみゅい!」&br; 「あー…面白いか?珍しい光景じゃしな、しっかり見て置くと良いのだ」&br; 急に二人が騒ぎ出したが&br; いつもの様に珍しい光景にはしゃいでいるのだろうと、カトラはスルーした&br; …のだが。&br; &br; 「子供と言うのも良い物だろう…?なのだ」&br; &br; 「んー?…こうして静かにしているのならな…なのだ」&br; 聞こえた声にカトラは何気に言葉を返した&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-23 (金) 21:24:08};
---「んん!?」&br;思わずカトラは振り返った。&br;朝日を見つめたように光が眩く、目を細める。&br;逆光の中の背中に見覚えは無く、だけど、よく知っているような妙な気がした。&br;自分と背格好に尻尾のよく似た妙な人物は、逆光の中に消えていく。&br;&br;「…あ、戻った。なのだ」&br;気がつけば、カトラ達は、最初に通ってきた暗いトンネルの中に佇んでいたのであった。&br;「…帰るか…」&br;なんだか、ドッと疲れた気がして。線路をたどってはるかぜの方へ歩きだす。&br;弱い照明が、青白く瓦礫の輪郭だけをほんのりと闇に浮かび上がらせる。&br;相変わらず暗い月夜の道めいていたが、異界の気配は失せていた。&br;もう、良かろうと、カトラは自然と手を離そうとした。&br;けれどもレィメルとウルメルは、指を握ったまま離さない。&br;もう良いぞ。と言いかけて、結局手を繋いだままはるかぜまで歩く。&br;6本足のカチャカチャと忙しない足音だけが後に続いた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-23 (金) 23:30:10};
---やがて闇の中、灯りに照らされぼんやり浮かびあがるはるかぜの姿が見え&br; 「わ?…あ?カトラちゃーん!ウルメルー!レィメルー!」&br; その側に、両手を上げぴょんぴょん跳ねるサ姫の姿が&br; &br; 「おー!うむ、予想はしていたが…見ると安心するものなのだ」&br; カトラの体感時間的にはそれほど経ってはいないはずだが&br; サ姫の姿を見るのは久しぶりな気がして&br; なんだか長旅から戻った様な気分になってしまう&br; ある意味、あっているかもしれない、&br; &br; 「むぁー♪」&br; 「にゅぁー♪」&br; 「おあ?」&br; サ姫の姿を見るや、ウルメルとレィメルはカトラの手を引っ張る様にしながら走り始めた&br;幼ドラパワーに引っ張られるままになってしまうカトラ&br; &br; 「よかったぁ、みんな無事でよかったよぉ」&br; 「ぱわぁ♪」&br; 「にゅぃ♪」&br; サ姫は広げた両腕で三人を抱きとめると、そのまま抱きしめた&br; ドローン達もお互いの無事を確認すると三体輪になってくるくる回ってます&br; &br; 「ふぇーん…全然通じなくてどうしようかと思ったよ……」&br; 「うお?泣くな?泣くななのだ!無線が途切れてもうろたえるなと言ったではないか」&br; 泣き始めるサ姫に、むしろカトラの方がうろたえていますね。&br; 『カトラ様おかえりなさいませ。無線機が緊急節電モードになっている様ですね』&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-24 (土) 22:50:38};
---「我なんもいじってないぞ」&br;『自動で切り替わりますので。何か大変な目に合われたようですね。メディカルチェック&br;をおすすめ致します』&br;「我は平気なのだ」&br;そういいつつ、ちょっと尻を撫でた。今日はやけに尻を執拗に痛めつけられた気がする。 -- &new{2019-08-24 (土) 23:41:04};
---「カトラちゃん♪カトラちゃんにはごはんだよね…?」&br; 気付けば抱擁を解いたサ姫が車輛の入口で手招きをしている。&br; サ姫の言う様にカトラ的にも今は腹を満たしたい&br; 腹が満ちれば疲労も回復するし、負った傷も即座に回復して行くはずだ。&br; このお尻の痛みも。&br; &br; 「ほら、カトラちゃん早く…二人もおいでって言ってるよ…?ふふっ」&br; 「むぃぃむぃぃー♪」&br; 「みゅぃみゅぃー♪」&br; サ姫の声で我に返れば、カトラの両腕を引っ張るウルメルとレィメル&br; 顔を上げればサ姫がにこにこと微笑んでいて……&br; これはと言い訳しようとするカトラだが、二人に引っ張られるまま&br; なし崩しに車輛内へ、&br; &br; 懐かしの我が家。まだ改装が完了して二日も経っていないが&br; 寝泊まりはそれ以前からしているのである意味我が家だ&br; 我が家なのだが……&br; &br; 「おおぅ…なのだ」&br; 「ぷわぁ……」&br; 「はにゃ……」&br; 思わずぽかんっとなってしまうカトラ、そしてウルメルとレィメル&br; テーブルの上にドドーンと置かれたドーナッツの大山&br; サ姫はテヘリと言った表情を浮かべているが、大体想像が付く&br; &br; 『カロリー過多になると提言はしました』&br; 「…だってだって……」&br; カトラ達を待っている間、落ち着かなかったのだろう&br; 自分だってサ姫に何かあれば…いや今は考えている場合ではない&br; 不意に両手が軽くなった&br; &br; 「ぬぁー♪」&br; 「にゃー♪」&br; ドーナッツの元へ駆けて行く幼子達。&br; 「…腹が空いていたのだろう、まぁよいのだ……」&br; 言って口元をへの字に曲げるカトラだが……&br; 「カトラちゃん、そうでもないみたいだよ?」&br; &br; 「うむ?」&br; 「んに♪」&br; 「ふに♪」&br; そこにはカトラを見上げ&br; にこにことドーナッツを差し出すウルメルとレィメルの姿があった&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-25 (日) 00:12:33};
---「我にか?むぅっ…」&br;屈託ない笑顔に、思わず困ってしまいドーナツと見つめ合うことになる。&br;「おぬしら…」&br;異界から脱出するためにしたことだ、あれしきで気を許した覚えなど無い、&br;大体我がドーナツ一つで懐柔されると思ったら、安く見られたにも程がある。&br;といいかけて。&br;顔の横の方から、なにやら飛んでくるほわほわとした感じに、目を向けると&br;サキがものすごーく微笑ましげに、こっちを見て居る。&br;仕方ないので、開いた口はドーナツで塞ぐことにした。すごく、甘い。&br;「もぐっ…ああ、ところで。はるかぜよ、おぬしここで車掌をして長いのだよな?&br;過去に、我と遭うた事はないか?」&br;『開業以来、基幹システムとデータは引き継がれ続けておりますが。&br;唐突でございますね?若い頃の私を見かけられましたか?』&br;ほわほわしたものがこそばくて、ごまかすように話を変えてみた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-25 (日) 00:31:35};
---「うむ、らっぴんぐ車輛?と言うのを知っておるか…なのだ」&br; 「…過去のはるかぜさん?…あ、牛乳飲みたいのかな?」&br; 「むぃ!」&br; 「みぃ!」&br; カトラとはるかぜの話を聞きながら&br; ウルメルとレィメルが差し出したカップに牛乳を注いでやる。牛乳は強い。&br; &br; 『ラッピング車輛ですね?過去に2492作品運行管理を担当した事があります』&br; はるかぜさんがそう告げると&br; もはやお馴染みとなった立体投影で作品リストが浮かび上る&br; 「わぁ?これがらっぴんぐ車輛なんだね」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-25 (日) 00:48:44};
---「これだ!この変な貴族みたいな衣装の女達!」&br;『ローゼンナハト、該当データが27件ござます』&br;&br;「やはりなのだ。我らはこれを見たなのだ。しかもこの先の駅でな。&br;戒厳封鎖中だとかで、他に客は誰もおらなんだ。思い出せるのではないか?」&br;&br;『A228 コラボ ローゼンナハト 戒厳封鎖…で検索をかけた結果。&br;該当するは1件です。映像記録もアーカイブされておりますが…』&br;&br;「ほらな」&br;『カトラ様達が立ち寄られた記録はございません』&br;&br;「なんとな?だが、我はたしかに見たし、嘘は言うて居らぬ。こやつらもドロ&br;ーンも一緒だったのだぞ」&br;&br;『疑ってはいません。しかし、たとえカトラ様が過去の私と会っていたとしても。&br;現在の私に変化が起こることは無いでしょう』&br;&br;「…ぅん?」&br;「どういうこと?」&br;ウルメル、レィメルの口元を拭いながらサキもカトラと一緒に首をひねる。&br;&br;時間は過去から未来へ流れ、過去と未来は因果関係でつながっている。常識だ。&br;今カトラが手にしているドーナッツは半分だが、それは数秒前に食べたからで。&br;もし、誰かが数秒前に行き、カトラからドーナッツを取り上げたら、ドーナッ&br;ツの代わりに誰かが半分齧られる未来になるはずだ。時間の因果は明白だ。&br;&br;『時間遡行に関する研究の歴史は古く、近代以前の物理学者も、素粒子が&br;時間を遡ることを発見していました。&br;記憶材の発見は時空間に関する認識を広げ、新たな理論体系が…』&br;「かいつまんでくれなのだ」&br;ドーナッツの残り半分がカトラの口に放り込まれ、口端についた欠片を&br;サキが指で拭い取った。
---『時間もまた高次元から投影される影絵なのです』&br;「…すまん、もうちょっとくわしく」&br;&br;『紙に書かれた2次元の人の前に、影絵を写すと、2次元の人にとって、影は&br;目の前にあるのに消したりどかしたりできない、真っ黒な物質に見えるでしょう。&br;平たく言えば、これを高次元から3次元空間に対して行っているのが記憶材です』&br;「ふーん、元は高次元にあるから、3次元では縦横高さを持った立体の影に&br;なるということか」&br;『ご明察です』 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-25 (日) 22:54:24};
---「えっと…高次元って神様の世界みたいな…?」&br; 牛乳を飲み終えウトウトしてるウルメルとレィメルの頭を撫でながら&br; 聞き慣れぬ言葉に首を傾げるサ姫さん。&br; &br; 「神の世界とは大分違うのだ」&br; 『良くそう言う認識をされますが。&br; この世界よりも神の世界に近い世界と説明するのが今はわかりやすいでしょう』&br; 「ふーん…?」&br; やはり難しいと言った顔をしてるサ姫さん&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-25 (日) 23:08:39};
---「それでー、高次元と時間がなんの関係があるなのだ?」&br;ミルクサーバーを横へやりつつ、カトラはジュースを引き寄せる。&br;『記憶材の材料は、その名の通り、主に人の記憶情報です。&br;記憶情報を特殊な条件下で物質的振る舞いをさせることで、高次元に干渉し&br;影をつくります。&br;そして、記憶が高次元に干渉できるのは、高次元も似たような性質のモノで&br;できているからです。&br;3次元軸に時間をプラスした4次元、さらにその上の高次元に干渉できる&br;記憶というものは、元々、時間を操作できる性質を持っている。&br;というのが記憶材物理での基本概念となっておりまして、私のライブラリには関連す&br;る書籍、論文等が…』&br;「かいつまんで、かいつまんでたのむぞ!なのだ!」&br;今難しい話をされると寝ちゃいそうだ。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-25 (日) 23:28:47};
---「…んーっと…思い出っていつでも思い出せるけど…そう言う事なのかな…?」&br; 思い出。つまり記憶は時と場所に関係無く、記憶した部分から取り出せる&br; それは時間と空間に囚われないと言う意味でもあるかもしれない。&br; ちなみにウルメルとレィメルはサ姫の胸に寄りかかって寝ています。&br; &br; 『はい、理論を提唱した者達もそこを発端としたと言います。&br; 詳しくはこの書籍や……、話を先に進めましょう』&br; カトラの咳払いで本線にもどるはるかぜさん。&br; はるかぜさんって案外おちゃめ?&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-25 (日) 23:40:36};
---『J-J・ダンベール博士の著書、天蓋の中の宇宙にこんな一節があります。&br;"我々は無数に存在する可能性の中の1つだけを、自らの意思で選択して生きて&br;いると信じているが、起こらなかった過去もすべて神の手帳の中に記録され、&br;私達には書き換える事ができない。&br;過去を変えたと思っても。起こり得た可能性の追憶を見ているに過ぎない。"』&br;「ふぅーむ?」&br;コップを持ったまま、カトラは首をひねった。&br;&br;『影絵だけを見て、影を落としているモノの正確な形はつかめませんよね?&br;我々が時間と認識しているものも、実はそのようなもので。&br;頭で考える整合性や、パラドックスなどは、存在しないのだそうです。&br;丸く見えてみた影が、四角になっても、それはもともと円柱だっただけで、&br;本質は何も変化しておらず、丸が四角になっても問題は起こらない。&br;見える角度が変わっただけのことです。&br;過去を変えれば、未来が変わるように思えても。&br;変えた過去は、高次元において織り込み済みの出来事にすぎず、本質的な変化ではない』&br;「つまりー…我が昔のお主に会って話をしたのを、今のお主が覚えておらぬでも&br;それは矛盾ではない?」&br;『そういうことです』 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-26 (月) 00:30:24};
---「んー…それって凄いね……」&br; 寝息立てるウルメルとレィメルの頭を撫でながら&br; サ姫はぼんやりと呟いた&br; 「ふむ?何が凄いのだ?」&br; 「うん、だって色んな可能性があるって考えたら……&br; 私とカトラちゃんが出会えた事や、ウルメルレィメルと出会えた事も&br; 可能性の一つなんだな…って。はるかぜさんとの出会いもね?」&br; &br; 「…確かに理屈で考えるとそうなるな…なのだ」&br; ダンベール博士の言葉を借りるのならば&br; カトラがサ姫以外の悪魔を召喚したであろう記憶も&br; 神の手帳の中には記載されているかもしれない&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-26 (月) 00:49:38};
---しかし、カトラとサキの居る現実はそうはならなかった。&br;それはつまり、奇跡のような連鎖の末に、たまたま成っただけにみえる現在は、&br;もはや過去に干渉しようがどうしようが。決して変えられないということでもある。&br;
&br;「…あれ、そうすると…。過去に行って別の過去を見ても&br;それは違う可能性を覗き見ただけなのだよな?&br;未来は変わらぬのだよな?」&br;『はい、ですから私の記録も変わりません』&br;「はぁー…」&br;空のコップを傾けたまま、カトラがぼんやりと宙を見る。&br;&br;異界の中で見た様々の光景が、過去のものだとして。&br;では、自分によく似た人影は?&br;"子供と言うのも良い物だろう…?なのだ"&br;あの時、そう言っていて、自分の少し前を歩いていて…。&br;&br;「…やめた、眠くなってきた。もう疲れたのだ」&br;ぐでっと机にアゴを乗っけた。&br;「はぁーあー…結局駅にはたどり着けなんだし、またあの中に行かねば&br;ならぬのかぁ」&br;『そのことでしたら…』&br;「なんじゃい」&br;『実は、カトラ様がお戻りになられてすぐ、タイムスケールの誤差は解消&br;されまして…通行が可能です』&br;「…徒労かっ!もう知らーん!我寝るー!なのだー!」 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-26 (月) 01:30:00};
---「もうカトラちゃんったら…ベッドで寝ようよー?」&br; のびーるドラゴンになるカトラを見ればサ姫は小さく笑みを浮かべ&br; ほかほかの蒸しタオルを持ってきました&br; &br; 「んー?…なにをするのだ?」&br; サ姫が何をしようとしているのか、カトラには解っている&br; 解っているのだが、聞かずにはいられなかった。&br; &br; 「うん、寝る前にせめて顔と手くらいは拭こうね?」&br; 「待て?待つのだ…ぬぁー!?」&br; 車輛内に響くカトラの声。&br; 「ぬぁ……ふにゅぃ」&br; 「ぷわ……」&br; そして小さな寝言をするウルメルとレィメルでありました&br; &br; 『おやすみなさいませ、よい夢を』&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-26 (月) 01:42:13};
-  --  &new{2019-08-25 (日) 20:43:18};

-&br;「んっせーのーおりゃー!」&br;最後の瓦礫を背中で押し上げて、線路脇へ倒すと、大きな音がして砂ほこりが&br;舞い上がる。&br;ほこりが収まると、トンネルは、しぃぃんとライトの照らす遥か先まで暗闇が&br;続いていた。&br;作業着についた埃をぺしぺし払って額を拭いながら、カトラはタラップの手&br;すりを掴んだ。&br;&br;カトラが乗り込んだのを確認すると、はるかぜは、最微速で前進を始めた。&br;先頭車両の下部から、排障器がせり出し、2本の腕のように瓦礫を左右にか&br;き分けていく。&br;「…そんなものがあるなら、最初から使っておればよいのではないのかの…」&br;『申し訳ありません、対応可能重量に制限がございます。見た目以上に&br;デリケートな機器ですので。本来は線路内に侵入した鹿か何かを&br;線路外に押し出すための装置です』&br;何かがナンなのか気になるけどまぁいいか。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-13 (火) 00:02:28};
--まぁいいかと運行をはるかぜさんい任せ、カトラはリビング車輛へと&br; 扉をくぐって直ぐにキッチン車輛の方から甘い匂いが漂ってきた。&br; &br; 「カトラちゃんおつかれさまー、おやつ用意しておいたよ♪」&br; 「みょー♪」&br; 「にょー♪」&br; カトラがキッチン車輛へと向かえば&br; サ姫とウルメルレィメル、三人の笑顔がカトラを迎えた&br; そしてテーブルの上には揚げドーナツの盛られたお皿が。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-13 (火) 00:18:41};
---あえて中央の可食部を無くすことで、外見のデザイン性に優れるばかりでなく、&br;ムラ無く熱が通る菓子としての完成度、食べやすさからくる中毒性をも備える&br;魔性の揚げ菓子である。&br;モバイルPCからキーボードを敢えて無くすことで、iphoneが誕生し世界を&br;変えたように。この菓子
はリングを持つことで0から∞のポテンシャルを発揮。&br;世界中の人々を炭水化物と糖の地獄へ突き落とした悪魔の菓子である。&br;&br;「ドーナッツ超うまい!」&br;満面の笑でドーナッツを頬張りながら、次のドーナッツの事で頭が一杯な&br;カトラもまた哀れな犠牲者の1人である。ドーナッツの前にはたとえ神の&br;ドラゴンであっても無力である。&br;「小麦も砂糖も大量にあってよかったなーなのだ。食料を探しに行かなくて&br;良いのは最高なのだ」&br;ドーナッツ食べながら両手にドーナッツ持ってる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-13 (火) 00:59:59};
---「ジャムを付けて食べるのも美味しいよ♪」&br; さらに悪魔的誘惑を囁くサ姫さん。魔族ですが!&br; 実際、半分に割りその断面に苺のジャムを塗り付け食べる姿は美味しそうで&br; 見ているだけで涎が出てきてしまう&br; ちなみに苺ジャム以外にもホイップクリームも用意してあります。&br; &br; 「むぃ?」&br; 「みゅぃ?」&br; 一方、幼いウルメルとレィメルにとってドーナッツの穴は不思議なのか&br; 食べるのを止め穴を覗き込み、お互いの顔を見たりしている、&br; 「ドーナッツの真ん中はどこに行ったんだろうね?ふふっ」&br; そんな二人を楽しそうに見詰めながら、ドーナッツをパクリ&br; 程良い甘さと得心の出来に、笑みが零れてしまいます。&br; &br; 「うん、でも小麦粉や砂糖は沢山あるんだけど…どんぐりが無いのは残念かな…?」&br; 地下都市での生活は食糧事情に恵まれ、手間のかかる採集活動はしていなかった&br; 結果、常に備蓄してあったどんぐりクッキーもその原料となるどんぐりも&br; 残りが僅かとなっていた。&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-13 (火) 01:17:18};
---「どこぞで地上に出るかもしれぬし。どんぐりの森もあるかもしれぬなのだー。&br;…もしや、ドーナッツの真ん中は、ドーナッツの悪魔への捧げものとして持&br;っていかれるのだろうかのう…」&br;カトラもドーナッツの穴を望遠鏡のように覗き込みながら言う。&br;サキは、普通の料理を作っても何故か菓子にしてしまうから、ドーナッツの&br;悪魔と契約を結んでいるのかもしれない。それにドーナッツがこんなに旨い&br;のも悪魔の仕業なら納得がいく。&br;&br;「じゅる…」&br;「あむ…」&br;そしてウルメルとレィメルもその魔性に取り憑かれたように、黙々と&br;食べている。&br;とくにウルメルはドーナッツと牛乳という、悪魔的恋人関係に人生で&br;初めて気づいてしまい。人知れず衝撃を受けていた。&br;食べかけのドーナッツを掲げあげて、凝視するウルメル。&br;啓示を受ける彼女の背後で、6本足とボールとトリ型のドローンが&br;ブレーメンの音楽隊のように重なって佇み、1枚の宗教画のようになる。&br;&br;そんな時だ。&br;&br;『…みなさま、ご相談したいことが御座います。よろしいでしょうか?』&br;ドーナッツの魔力に唯一取り憑かれていない、はるかぜの冷静な電子合成音声が、&br;キッチン車輌に流れる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-13 (火) 01:46:53};
---「はるかぜさんどうかしたの…?」&br; 「また障害物か?なのだ」&br; はるかぜの音声を聞けば食べる手を止めるカトラそしてサ姫&br; しかし、どこへ視線を向ければ良いのかわからずキョロキョロ&br; &br; 「にゃうにゃう?」&br; 「…むぃ!?みゃ、みゃみゃう!」&br; その一方でレィメルに身体をゆさぶられて我に返ったウルメル&br; レィメルの方を向くやドーナッツを掲げながら何か言い始めました&br; どうやらドーナッツと牛乳の素晴らしさを語っている様ですね&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-13 (火) 23:17:40};
---『これを御覧ください』&br;ドーナッツの横に出てきたのは、デジタル化された飛行機の計器類めいた&br;何かをモニターしてると思しき大量の数値やグラフ類だ。&br;ちょっと意味が分からない、立体映像をすり抜けて、カトラはドーナッツを&br;手にしてもう1個口に放り込んだ。&br;「お?なんか一つだけ、違うのがあるなのだ」&br;「…?間違い探し…?」&br;サキも覗き込む、すぐに気づいた。無数のグラフ群は同じものを2つ並べて&br;いる。その中で、1項目だけ同期していない物があった。&br;「この模様は数字で、これは時計じゃよなー、ズレてるようじゃが、それがど&br;うかしたのかの」&br;そう言いつつ、カトラはドーナッツをもう1個。&br;『先頭車輌と、最後尾車輌の時計で、時間のズレが生じています』&br;「…は?」&br;さすがに、ドーナッツを食べる手を止めて、カトラが驚いた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-14 (水) 01:00:58};
---「えっと?どういう…ことかなー?」&br; 意味がわからず、ぽかんっと呆けるサ姫さん&br; 時計がズレている事は理解したが、それが何を意味するかわからず&br; 右手にドーナッツを持ったまま首を傾げています&br; &br; 『現時点では過去の論文及び資料に基づく仮説しか申し上げる事は出来ません。&br; 不確定要素を多数含みますがどうしますか?』&br; はるかぜがそう告げると、宙にいくつもの枠が浮かび上がり&br; 多数の文字やグラフ図式が流れていく。&br; そこからさらにピックアップされた物が、カトラ達にもわかる言葉へと翻訳される&br; 『記憶素材概念論』『ダンベール理論』『記憶素材環境下の時間推移』&br; …見るだけでめまいを起こしそうだ&br; &br; 「みゃあ♪」&br; 「むぃむぃ♪」&br; ちなみにウルメルはレィメルにドーナッツと牛乳の素晴らしさを伝え終えた様で&br; 仲良くドーナッツを掲げています&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-14 (水) 01:28:19};
---「とりあえず、ダンベルに名前が似てる博士の話から聞こうかのう」&br;カトラは乗り気だ。実は学者肌なところがある。&br;肩を掴んだサキが、真顔で、いやいやいや…と首を横に降っていた。&br;&br;「しかたないのぅでは、起こったことを順にかいつまんで話せなのだ」&br;『端的に申し上げますと、出発してからまもなく、次の到着駅との情報同期に&br;不具合が発生いたしました』&br;「ふむ」&br;『通行不能区間を事前に把握できなかったのはそのためです』&br;「あの瓦礫の山じゃな」&br;『先程、次の到着駅との通信が、突然回復しました』&br;「よかったではないか」&br;『その結果、看過できない情報の相違、特にシステム内時刻に深刻なズレが生じています。&br;その差はおよそ200年程…』&br;「「あー」」&br;カトラとサキが顔を見合わせた。&br;『また、出発前に把握していた経路情報とも多数の相違が見られます。&br;システムの構造上、起こり得ないエラーです。そのため、緊急停止致しました…』&br;「「ああー」」&br;カトラとサキがうなずきあった。&br;&br;『なにか、お心当たりが?』&br;「たぶんな…よっと」&br;キッチン車の扉をあけて、カトラが線路上に飛び出した。&br;ドーナッツを前に突き出して、先頭車輌の先へ歩いていく、すると…。&br;ある一線を越えた瞬間、手にしていたドーナッツが急に干からびて、塵にな&br;って崩れた。&br;「ここなのだ、ここから、あっちとこっちで時間が狂ってしまっているなのだ」&br;ポケットから取り出したスプレーで地面に線を引いた。&br;「これは厄介だの。我は悠久を生きる神ドラゴン故平気だが。うかつに生身で時間軸を移動すると…」&br;ほいっと放り投げたスプレーがたちまち朽ちてサビだらけになり、向こう側の&br;地面に鈍い音を立てて転がる。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-14 (水) 02:04:31};
---「多分、異界化してるんだと思う…ああ?二人共行ったらダメだよ?」&br; 「ぷわぁ?」&br; 「ぷみぃ?」&br; 好奇心旺盛なウルメルとレィメルが走りだそうとするのを宥めつつ&br; 急激に錆びが進むスプレー缶を見れば、サ姫も納得し頷いた。&br; &br; 『異界化?事象の転位現象でしょうか』&br; 「えっと…?」&br; 「難しい言葉を抜きに語れば、現世と魔界や常世との境界が曖昧になっている所なのだ」&br; 首を傾げるサ姫の言葉をカトラが繋いだ。さらにカトラの説明は続く&br; 「人の世界から離れた場所、主に闇の多い場所じゃな?&br; 深い森や山奥、底の見えぬ谷間や声の届かぬ洞窟、伝承や噂のある奇岩の側等もだな…なのだ」&br; &br; 「はいはーい、うちの所だとねー深夜12時に合わせ鏡したり……&br; 特定の時間?深夜の二時とか…4時44分44秒とか…&br; 後は6月6日の6時に4階を歩くとか四つ角の真ん中に立つとか……」&br; 盛り上がり語り続けるカトラとサ姫&br; 一方ウルメルとレィメルは飽きたのかバタバタして疲れたのか眠そうだ&br;  おやつを食べてお腹が満ちたからかも?&br; &br; 『それは都市伝説?あるいはオカルトでしょうか?』&br; はるかぜには珍しい困惑の口調。&br; 対応すべき資料を捜しているのか伝承伝奇に関する資料が大量に浮き上がり流れていく&br; すると、カトラとサ姫は口を揃え……&br; &br; 「魔界への行きかたなのだ(だよ?)」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-15 (木) 00:44:13};
---困惑するはるかぜさんに対して、2人は慣れっこといった風だ。&br;実際、サキは魔界の出身だし、カトラの故郷のドラゴンの国も魔界の1領域なのだ。&br;&br;「地下やトンネルも、境界が曖昧になりやすい場所、ここは街全体が地下にあって&br;線路はずっとトンネルの中なのだ。世界の法則も乱れやすかろう」&br;「トンネル抜けたら違う時代につながってたりって、まれによくあるよね」&br;「夏は特によく故人が生きてた時代につながったりするから、大きなトンネル前が人だ&br;かりだったりするのだよなー」&br;「そうそう♪」&br;あるあるネタで盛り上がる2人である。&br;&br;『…それが本当でしたら、私では対処しかねます。該当するデータがありません。&br;ここは一度引き返したほうが…』&br;「いや、このまま進んだ方がよかろう。下手に引き返すと余計迷うのもお約束なのだ」&br;なんてことも無いという風に、カトラが言う。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-15 (木) 01:16:47};
---「うん、進んだ方がいいと思う」&br; 『申し訳ありません、理解に足る情報が不足しています』&br; 再び困惑の言葉を告げるはるかぜさん&br; 人等の思考する生命が時に危険の中へと進む事があるが&br; それは何かしらの確信があっての事&br; しかし、はるかぜには二人がどの様なな確信を得ているのかわからない&br; &br; 「ぬしも言っていたではないか?列車は前に進む物と」&br; 「うんうん、乗り物の中…特に列車は線路の上を行くから安全なんだよ」&br; 『情報の提示をお願いします』&br; 「仕方がないにゃー」&br; まだ理解へと到達できぬはるかぜにカトラとサ姫は交互に説明を始めた&br; &br; 古くの時代から乗り物とは目的の場所へと向かう物&br; それは始まりから終わりへと繋ぐ物と言う意味でもある &br; 原初の乗り物である馬車や牛車が街と街を繋ぎ。川を行く船は上流と下流を繋ぐ&br; 新しき乗り物である列車は駅と駅とを繋ぐ&br; 特に列車は線路の上を行く、それは必ず目的地へと行ける事に他ならない&br; &br; 「それにさ、列車の中は一種の結界なんだよ?」&br; 「うむ、外と内があるからな…なのだ」&br; -- [[サキ>IK/0018]] &new{2019-08-15 (木) 01:41:20};
---『と、申されますと?』&br;「おぬし、さっき、列車の先頭と後部で時間がズレたと言うておったろう。&br;つまり、おぬしの先っちょはすでに異界に半分突っ込んでおるなのだ。しかし&br;中のものは特に劣化したりしておらぬであろう?」&br;カトラは、まだホカホカしてるドーナッツを1つつまみ上げた。&br;つまり、おかしな空間に迷い込むときは、徒歩よりも乗り物の中の方が安全という&br;魔界での常識である。理屈はわからぬ。&br;&br;「ゆえに、このまま進むのが一番安全なのだ」&br;『なるほど、承知致しました。しかし、申し上げにくいのですが、もう一つ問題が…』&br;「今度はなんなのだー?」&br;カトラがドーナッツにジャムとホイップクリームを増しましにして。サキはねむねむ状&br;態のウルメルとレィメルを抱き上げる。&br;『深刻なシステムエラーによる緊急停止のため。現在、システムはスタンドアローン状態&br;にて乗客保護優先状態にあり、特定区間にエラーの要因があると考えられる場合、当該&br;区間の通過には、管理者権限保有者による安全確認宣言が必要となり、この手順を実行&br;するためには…』&br;「…ん?」&br;今度はサキとカトラが困惑顔になった。&br;『現在、私は、この先へ進むことができません。1ミリも』&br;カトラとサキが顔を見合わせ、ドーナッツからクリームが落ちた。 -- [[カトラ>IK/0017]] &new{2019-08-15 (木) 02:24:17};
-  --  &new{2019-08-12 (月) 23:14:55};
-  --  &new{2019-08-12 (月) 23:14:48};