花粉/かふん
カトラサキの共用コメ欄


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  • 列車は本線から外れたところに停車していた。
    窓から漏れる明かりが、狭いトンネルの壁を照らし出している。

    はるかぜのスイートルームのリビングは、キッズスペースと化していた。
    散乱するおもちゃやぬいぐるみ、ボール、絵本…。
    そして、ウルメル、レィメルにおもちゃにされるカトラ…。

    「髪におもちゃを絡ませるのは楽しいか?そうか楽しいのかなのだ…。
    おい!しっぽに落書きするでな…わかった、やっていいから静かにするのだ…」
    レィメルが泣き出しそうになると、カトラはピンと立てた尻尾を下した。

    サキは寝室で寝ている。というか、カトラが大人しく休むように言って
    2ひ…2人の子守を買って出たのだ。

    地下に来て以来、サキは子守に家事にと一人で忙しく、2人に与える母乳も
    サキが自分の精気を削って与えている。
    流石に疲れが出たのか、頻繁に寝落ちてしまう。以前に精気の与え過ぎで倒れた
    こともあったのだし。

    「あー…ちょっと、ちょっと待っておれ、喉が渇いたなのだ。キッチンに行くから
    すこし大人しくしておれよ…騒いだり泣き出したり、どっか行ったりするなよなのだ!」
    で、慣れない子守にすっかり疲弊したカトラは、逃げるように2人の間から抜け出した。 -- 2019-09-13 (金) 00:50:37 New
    • 「ふむ……」
      カトラは立ち止まると寝室のある二階へと視線をやる
      静かだ。
      寝室ではサ姫が寝ているはずだが
      静かと言う事は、寝ているか身を休めているのだろう
      どちらにしてもサ姫の疲労が回復するのならば良い事だ、
      「…後でフルーツジュースでも持って行ってやるとするか…なのだ」
      カトラは小さく呟くとスナックを取りに向かった


      「……むぅ」
      サ姫は天井を見上げながら唸る様な声を上げた
      そして右へ寝返りをうち、今度は左へ寝返りを打ち
      また天井を見上げた。
      キングサイズのベッドはふかふかで実に寝心地が良い
      良いのだけど、一人で寝るにはなんだか広すぎる気がする
      城のベッドはこれよりも広く、当たり前の様に一人で使っていた
      しかし、こちらに来てからずっと、誰かしらが隣で眠っていた
      それはカトラであり、ウルメルとレィメルであり
      誰かしらが眠っていた

      「…起きようかな…でもまた寝落ちしそうだし……」
      やはり誰かが側にいないと寂しくもあり
      ベッドに横になって数時間も経っていないと言うのに
      カトラやウルメルレィメルの顔が見たくなってきた
      しかし、自分の疲労状態を考えると
      また寝落ちしてしまう事は容易に想像が出来
      そうなると今は寝るしか無かった
      -- サキ 2019-09-13 (金) 22:55:47 New
      • キッチン車両の厨房に行くと、カトラは業務用冷蔵庫からジュースのボトルを取り出した。
        シンプルに業務用オレンジジュース4lとだけ書かれているが、文字は読めない。
        「いつでも搾りたてと同じ味の冷たいジュースが、使用人もいらずに一人で飲めるのだから
        ほんとに便利じゃよなこれ、我んちにも1台欲しいのう」
        『備品の持ち去りはご勘弁ねがいます』
        「わかっておるわい」
        天井の指向性スピーカーからはるかぜの声が聞こえてくる。
        「まだ、タイムスケール異常とやらは直らんのかの」
        『はい、お急ぎのところ、大変ご迷惑おかけします。』
        「まぁ早くしてくれなのだ…」
        気乗りしない顔でリビングに戻ると、ウルメル、レィメルが居ない。
        「ぬお、ちょっと目を離したすきに…おいーチビ共どこいったー!」 -- カトラ 2019-09-14 (土) 00:55:07 New
      • 「…うぉ…いかんいかん」
        叫んで直ぐカトラは口を手で押さえ塞いだ
        そのまま二階の方へ視線をやれば、暫し沈黙して
        「…これをあやつに知られるのは極めて不味いのだ……」
        ウルメルとレィメルが行方不明になった事をサ姫に知られる事があってはならない。
        ただでさえ疲労状態であるのに、そこへさらに心労がかかれば
        サ姫の体調がどうなってしまうのか予想もつかない
        それに絶対大泣きされるか怒られる。カトラにとってそのどちらも辛い

        「…そうだ…おまら、こっち来いなのだ。静かに静かにだぞ?」
        「「ピッピピッツ」」
        カトラの呼び掛けに答え、作業中だった二体のドローンが集まって来た
        カトラのこぼした食べカスを掃除していたダチョウ型ドローン
        はるかぜの内装をチェック中だったボール型ドローン
        ちなみに六脚型のドローンはサ姫の側で待機しています

        「来たな?手分けしてウルメルとレィメルを捜すのだ!」
        「「ピッ?ピピッ」」
        「行くぞ!うおーなのだ!」
        飛び出すカトラを見送ると、顔を見合わせる様な仕草をする二体のドローン
        もしこの時、カトラがもう少し冷静で二体の言葉がわかったのなら
        この後、あんな事にはならなかったのだろう

        でもって

        「いない…いないのだ……」
        はるかぜ内を走り回り、車輛の隅から隅まで捜したが
        見つからない、ウルメルとレィメルが見つからない
        テーブルクロスを捲っても見たが、いない
        棚と言う棚を開け、ボールプールの底に顔を突っ込んだが、見つからない
        前回の反省をふまえ、全ての扉は開閉出来ない様ロックしてあるから
        二人が外へと出てしまう事はありえないし
        さらに二人が扉に近付いた時は、報告するようにはるかぜに厳命してある

        『カトラ様、よろしいでしょうか?』
        「…なんなのだ、我は今極めて忙しいのだ」
        『はい、何度かお声掛けしたのですが』
        「ふむ、そう言えば何か言っていた様な気がするのだ……」
        『ご報告すべき事が……』
        カトラは口を開けたままで固まった
        そう、報告の指示を出したのはカトラ自身であった

        「うおお……なのだ……」
        カトラはその光景を見るや、やるせない唸り声を上げた
        ここまでの苦労はなんだったのか?
        いやもっと冷静になっていれば良かったのか?
        「むゅ……」
        「すぴゅ……」
        ウルメルとレィメルが居た、行く事を恐れ避けていた場所に居た
        二人はサ姫の眠る寝室に居たのだ
        サ姫の左右に抱きつく様にしながら小さな寝息を立てるウルメルとレィメル
        そしてその二人に挟まれ幸せそうに寝息を立てるサ姫

        -- サキ 2019-09-14 (土) 21:59:38 New
      • ひとつ溜息をすると、そっとドアを閉める。
        サキの眠りを邪魔していないのなら、大丈夫だろう。
        「うむ、そのまま大人しく眠っておるがよい、手間が省けるなのだ…」
        振り返ったら、足元にウルメルが。
        「うわっ!?いつの間に出てきた!秒単位で落ち着きがないやつだな!?」 -- カトラ 2019-09-15 (日) 23:05:59 New!
  •   -- 2019-09-12 (木) 23:38:55 New

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Last-modified: 2019-09-15 Sun 23:05:59 JST (19m)