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exp033628.jpg企画/イムルトン王国開拓記
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今日の一言『羊肉のモツ入り饅頭が好物です』 Edit

※このコメ欄は共用のため、カトラかサキのどっちか、あるいは両方が出てくることがあります。 あと、これは編集ボタンです

便利そうなものを見つけたのじゃ

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今日の一言集
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  • 列車は本線から外れたところに停車していた。
    窓から漏れる明かりが、狭いトンネルの壁を照らし出している。

    はるかぜのスイートルームのリビングは、キッズスペースと化している。
    散乱するおもちゃやぬいぐるみ、ボール、絵本…。
    そして、ウルメル、レィメルにおもちゃにされるカトラ…。

    「髪におもちゃを絡ませるのは楽しいか?そうか楽しいのかなのだ…。
    おい!しっぽに落書きするでな…わかった、やっていいから静かにするのだ…」
    レィメルが泣き出しそうになると、カトラはピンと立てた尻尾を下した。

    サキは寝室で寝ている。というか、カトラが大人しく休むように言って
    2ひ…2人の子守を買って出たのだ。

    地下に来て以来、サキは子守に家事にと一人で忙しく、2人に与える母乳も
    サキが自分の精気を削って与えているのだ。
    ウルメルとレィメルを育てるのは、サキのわがままから始めたことだから。
    一人で責任を持たないといけないという気負いもあったのだろう。
    そんなわけで、流石に疲れが出たのか、昨日から頻繁に寝落ちを繰り返していた。
    ちょうど、はるかぜが再び時間異常を検知して、直るまで停滞することにもなったので。
    今日を休養に当てるのは、良いアイデアに思われたのだが。

    「あー…ちょっと、ちょっと待っておれ、喉が渇いたなのだ。キッチンに行くから
    すこし大人しくしておれよ…騒いだり泣き出したり、どっか行ったりするなよなのだ!」
    慣れない子守にすっかり疲弊したカトラは、逃げるように2人の間から抜け出した。
    サキを休ませるためには、静かにさせておかないといけない。
    だが、育ち盛りのウルメル、レィメルをじっとさせておくのは、至難の業であった。 -- 2019-09-13 (金) 00:50:37
    • 「ふむ……」
      カトラは立ち止まると寝室のある二階へと視線をやる
      静かだ。
      寝室ではサ姫が寝ているはずだが
      静かと言う事は、寝ているか身を休めているのだろう
      どちらにしてもサ姫の疲労が回復するのならば良い事だ、
      「…後でフルーツジュースでも持って行ってやるとするか…なのだ」
      カトラは小さく呟くとスナックを取りに向かった


      「……むぅ」
      サ姫は天井を見上げながら唸る様な声を上げた
      そして右へ寝返りをうち、今度は左へ寝返りを打ち
      また天井を見上げた。
      キングサイズのベッドはふかふかで実に寝心地が良い
      良いのだけど、一人で寝るにはなんだか広すぎる気がする
      城のベッドはこれよりも広く、当たり前の様に一人で使っていた
      しかし、こちらに来てからずっと、誰かしらが隣で眠っていた
      それはカトラであり、ウルメルとレィメルであり
      誰かしらが眠っていた

      「…起きようかな…でもまた寝落ちしそうだし……」
      やはり誰かが側にいないと寂しくもあり
      ベッドに横になって数時間も経っていないと言うのに
      カトラやウルメルレィメルの顔が見たくなってきた
      しかし、自分の疲労状態を考えると
      また寝落ちしてしまう事は容易に想像が出来
      そうなると今は寝るしか無かった -- サキ 2019-09-13 (金) 22:55:47
      • キッチン車両の厨房に行くと、カトラは業務用冷蔵庫からボトルを取り出した。
        "業務用オレンジジュース4l"ついでに食べかけのクッキーも取り出して齧る。
        「いつでも搾りたてと同じ味の冷たいジュースが、使用人もいらずに一人で飲めるのだから
        ほんとに便利じゃよなこれ、我んちにも1台欲しいのう」
        『備品の持ち去りはご勘弁ねがいます』
        「わかっておるわい」
        天井の指向性スピーカーからはるかぜの声が聞こえてくる。
        「まだ、タイムスケール異常とやらは直らんのかの」
        『はい、お急ぎのところ、大変ご迷惑おかけします。』
        「まぁ早くしてくれなのだ…」
        気乗りしない顔でリビングに戻ると、ウルメル、レィメルが居ない。
        「ぬお、ちょっと目を離したすきに…おいーチビ共どこいったー!」 -- カトラ 2019-09-14 (土) 00:55:07
      • 「…うぉ…いかんいかん」
        叫んで直ぐカトラは口を手で押さえ塞いだ
        そのまま二階の方へ視線をやれば、暫し沈黙して
        「…これをあやつに知られるのは極めて不味いのだ……」
        ウルメルとレィメルが行方不明になった事をサ姫に知られる事があってはならない。
        ただでさえ疲労状態であるのに、そこへさらに心労がかかれば
        サ姫の体調がどうなってしまうのか予想もつかない
        それに絶対大泣きされるか怒られる。カトラにとってそのどちらも辛い

        「…そうだ…おまら、こっち来いなのだ。静かに静かにだぞ?」
        「「ピッピピッツ」」
        カトラの呼び掛けに答え、作業中だった二体のドローンが集まって来た
        カトラのこぼした食べカスを掃除していたトリ型ドローン
        はるかぜの内装をチェック中だったボール型ドローン
        ちなみに六脚型のドローンはサ姫の側で待機しています

        「来たな?手分けしてウルメルとレィメルを捜すのだ!」
        「「ピッ?ピピッ」」
        「行くぞ!うおーなのだ!」
        飛び出すカトラを見送ると、顔を見合わせる様な仕草をする二体のドローン
        もしこの時、カトラがもう少し冷静で二体の言葉がわかったのなら
        この後、あんな事にはならなかったのだろう

        でもって

        「いない…いないのだ……」
        はるかぜ内を走り回り、車輛の隅から隅まで捜したが
        見つからない、ウルメルとレィメルが見つからない
        テーブルクロスを捲っても見たが、いない
        棚と言う棚を開け、ボールプールの底に顔を突っ込んだが、見つからない
        前回の反省をふまえ、全ての扉は開閉出来ない様ロックしてあるから
        二人が外へと出てしまう事はありえないし
        さらに二人が扉に近付いた時は、報告するようにはるかぜに厳命してある

        『カトラ様、よろしいでしょうか?』
        「…なんなのだ、我は今極めて忙しいのだ」
        『はい、何度かお声掛けしたのですが』
        「ふむ、そう言えば何か言っていた様な気がするのだ……」
        『ご報告すべき事が……』
        カトラは口を開けたままで固まった
        そう、報告の指示を出したのはカトラ自身であった

        「うおお……なのだ……」
        カトラはその光景を見るや、やるせない唸り声を上げた
        ここまでの苦労はなんだったのか?
        いやもっと冷静になっていれば良かったのか?
        「むゅ……」
        「すぴゅ……」
        ウルメルとレィメルが居た、行く事を恐れ避けていた場所に居た
        二人はサ姫の眠る寝室に居たのだ
        サ姫の左右に抱きつく様にしながら小さな寝息を立てるウルメルとレィメル
        そしてその二人に挟まれ幸せそうに寝息を立てるサ姫 -- サキ 2019-09-14 (土) 21:59:38
      • ひとつ溜息をすると、そっとドアを閉める。
        サキの眠りを邪魔していないのなら、大丈夫だろう。
        「うむ、そのまま大人しく眠っておるがよい、手間が省けるなのだ…」
        振り返ったら、足元にウルメルが。
        「うわっ!?いつの間に出てきた!秒単位で落ち着きがないやつだな!?」 -- カトラ 2019-09-15 (日) 23:05:59
      • 「みゅぃー」
        ウルメルを追う様にレィメルまで出て来た
        そして、再び遊び始めるウルメルとレィメル
        積み木の城が築かれ、クマの王が行進する
        ボールが転がり、幼子達はきゃっきゃっと笑い合う
        ついさっきまで寝息を立ていたはずなのに
        寝惚けた様子等微塵も見せず、元気に遊んでいる。

        「はぁ…我に休まる時間はないのか?なのだ……おおぅ?」
        溜息し項垂れるカトラの頭に、ぽこりとボールが当たった
        予想するまでもない投げたのはウルメルだ
        顔を上げればウルメルがぬぁーっと威嚇しているのだろう

        だがしかし……
        「せぬぞ?ボール投げなどせぬ…うおぁ?」
        「…カトラちゃん…何かたべたい……」
        顔を上げそこに居たのは威嚇するウルメルではなく
        寝巻代わりの浴衣を肌蹴させ、幽霊の様に佇むサ姫であった

        「寝ておれと言ったではないか?なのだ」
        「…あのね…なんかたべたい…たべたいよねー?」
        「みゃぅ♪」
        「むぃむぃ♪」
        足元でぴょんぴょん跳ねるウルメルとレィメルの頭を撫でながら
        サ姫は厨房へと向かおうとしていた -- サキ 2019-09-15 (日) 23:44:06
      • 「そういえば、我もお腹が減ってきたのぅ…。
        って、これではいつも通りではないか!おぬしは座って休んでおれ!
        そして、お前たちはまとわりつくでない。休めぬではないか」
        サキをソファーに座らせ浴衣とぴしっとさせて、サキに遊んでもらおうと
        引っ付くウルメル、レィメルを小脇に抱える。 -- カトラ 2019-09-15 (日) 23:51:24
      • 「うん…でも……」
        「でももへったくれもないのだ!」
        カトラは少し強めの口調で言うと立ち上がろうとするサ姫を座らせた
        怒っている訳ではない、いや少し怒っているのかもしれない
        がんばりすぎるサ姫に身を休め、息を抜く事を学んでほしいから

        「みぃー!」
        「ぬぁぁ!」
        「ええーい、お前たちのマ…ママを休ませるためなのだ!」
        腕の中で暴れるウルメルとレィメルに言い聞かせ様とするのだが
        これまでの経験からそれが難しい事はわかっている

        「…二人と遊ぶくらいなら……」
        そんなカトラを見ればサ姫は手を伸ばしながら言うのだが
        「それがいかんと言うのだ!」
        サ姫の言葉にカトラは再び語気を荒くした
        小さな仕事でも積もり積もれば疲労は溜まる
        それが毎日ならば、なおの事だ
        今回ばかりは、多少強く言ってもサ姫を休ませねばならない

        「たまには我に任せてみるのだ、な?なのだ」
        「う、うん……」
        そこまで言われたらサ姫もそれ以上は言えず
        厨房へと向かうカトラを、ただ見送るしかなかった -- サキ 2019-09-16 (月) 00:20:18
      • 「よし、お前たちは食材を取り出すのだ」
        ボールドローンがコードを伸ばして戸棚を開け、
        トリ型ドローンがレトルト食品を咥えて取り出す。
        紐を引っ張って開封するだけでほかほかの出来立て
        になる未来の非常食だ。味も実際良い。

        「料理はこれで良いとして…問題はこいつらじゃよなぁ、うーむ…」
        小脇にウルメルとレィメルを抱えたまま、カトラは天井を見上げる。
        「はるかぜよ、子供を黙らせておくなにか良い案はないかの」
        『車内エンターテイメントに、キッズ向けプログラムがございますが』
        天井の指向性スピーカーから、はるかぜの声がする。
        「しゃないえんたーていめんと?」
        『往年の名作から最新作まで、1億を超える映画、ドラマ、アニメ、スポーツ
        エンターテイメント、ドキュメンタリー、多彩なラインナップを、迫力のシネマ
        サイズ画面と11.1chサラウンドシステムでお楽しみいただけます』
        「へー、なんかすごそうじゃのう…」

        ふと、気付く。脇に抱えたウルメル、レィメルがやけに大人しい。
        「む、おぬしら何を食べておるのだ」
        トリ型ドローンが、せっせと並べていた食材の中に、カラフルな袋に
        入った一つまみほどのオレンジ色の粒がある。
        2人は、カトラに抱えられたまま、夢中でそれを食べているのだ。
        「ほう…これは…サクサクしておるのう」
        ボールドローンに口に入れてもらったカトラも、一口食べてうなずいた。
        そして、その瞬間、ひらめきが走る!

        ウルメルとレィメルを小脇に抱えて、カトラがリビングに戻ってきた。 -- カトラ 2019-09-16 (月) 00:46:58
      • 「…あ?カトラちゃんおかえりー…」
        大きめクッションを抱き、顔を埋めていたサ姫が顔を上げた
        また転寝をしていたようだ。
        「…また寝ておったのか?食べたらベッドへ戻るのだぞ?」
        「ふぁーい」
        ふにゃけた返事をするサ姫に苦笑を浮かべながら
        カトラはウルメルとレィメルを床に降ろすと食事の支度を始めた

        「んー…二人は元気だねー…♪」
        「むぃむぃ♪」
        「みゅぃ…♪」
        当然二人はサ姫に抱き付くのだが、支度が終わるまでは仕方が無い。
        今度は秘策もある、上手く行けばサ姫だけでなくカトラものんびりできる -- サキ 2019-09-16 (月) 01:21:49
      • 「はるかぜよ、シアターモードを起動するのだ」
        『かしこまりました』
        天井からプロジェクションスクリーンのように大きなモニターが降りてくる。
        R.egional
        R.ailway
        A.dministration
        B.ureau
        黒い画面に文字列がスタイリッシュにフェードインしてロゴマークになった。
        続いて何個か表示されるのはコンテンツを提供している企業のロゴであるが、
        古代人の文字はよく分からないカトラ達には、魔法を起動する際の呪文や魔法文字
        のようにも見えた。

        そして、映像の魔力は子供によく効くのだ。
        ウルメルとレィメルは、画面が表示されたとたん、視線がくぎ付けである。

        小さな映画館並みの大画面にアニメのキャラクターが、にぎやか
        なBGMとともに現れて動き出すと、2人とも、ぽあーっとした顔で
        画面を見つめだすのだ。

        「よし、いいぞ…!さあさあお前らはこっちに座っておるのだ。
        “ちーずめんたいあじ”とやらのサクサクしたのもあるからの」
        2人の前に大袋入りのスナック菓子をおくと、誰に教えられるでもなく
        黙って画面を見ながら、菓子を手探って口に入れ始める。
        まさしくそれは、子供を大人しくさせる魔法であった。

        「いよし!完璧なのだ!これで我らは心置きなくゆっくりとしておれるぞー」 -- カトラ 2019-09-16 (月) 23:26:37
      • 「動く紙芝居?…こんなのがあったんだ……」
        地下都市に来てから動く映像は何度も見てきたが
        どれも情報を提示するための物ばかりで
        物語性のある映像(アニメ)を見れば驚きの声が出てしまう

        『アニメ作品の他、大人向けの娯楽作品やご家族で楽しめるエンターテイメント作品
        …あなたの見たいがここにある!24時間お楽しみはすぐそこに!』
        説明の途中突然テンションの上がるはるかぜにぽかんとなってしまうカトラとサ姫
        「はるかぜ…さん…?」
        『…失礼しました、広告機能が作動しました…機能をカットします』

        「まぁ良い…後で我らも楽しんでみるとするかの?」
        「私もー♪こんなの演劇場でしか見た事無いよー」
        疲れているはずだが、こんな刺激的な物を見れば興奮もしてしまう
        そして、側にあるスナックを摘まむと

        「あ?美味しい?何これ美味しい!新しい!」
        初めて経験する味にまたテンションの上がってしまうサ姫さん
        実はサ姫自身が前の街の倉庫で確保したお菓子類の一つだったりする
        多数確保したので細かい所までは覚えていないのでしょう

        「チーズのコクと辛さが癖になる味だねー、でもチーズは解るけど『めんたい』って何…?」
        『解答。めんたいは正しくは明太子と呼ばれる食品の俗称で
        スケトウダラの卵巣を辛子等のスパイスに漬け込んで生成されます』
        「タラと言う事は魚の類かの?魚とチーズでこの様な味が出来るとは驚きなのだ」 -- サキ 2019-09-17 (火) 00:29:16
      • 「まぁ、魚とチーズならとっても健康的じゃな!2人とも、お代わりが
        欲しくなったらドローンに言いつければよい、すぐに持ってきてくれるからの
        ジュースも…飲み放題じゃぞー?」
        「あう」
        「みゃう」
        ウルメルとレィメルはアニメに夢中で曖昧に返事をする。

        「さあ、これで心配あるまい。おぬしはゆっくりと食事して
        しっかり体を休めるとよいなのだ。
        食事中にも落ち着きがない2ひ…2人とも今はとっても良い子にしておるでな」
        得意げに言うと、カトラはサキの背を押して食卓へと促す。 -- カトラ 2019-09-17 (火) 00:39:19
      • 「あ、うん…わ?すごい……」
        食卓には一流料理店にも負けない、コースメニューが並ぶ
        ヨーグルトのかかったフルーツサラダ、5種の野菜とスモークサーモンのテリーヌ、
        えんどう豆のポタージュスープ、メインディッシュ用に作った・ラム・オムレツ、
        大きめの具の入った海鮮パエリア、デザートはカスタードのプディングだ
        サ姫の好みに合わせ選んだメニュー。…紐を引っ張ったり温めただけだけど……

        「ふふん♪我だってやれば出来るのだ」
        自慢気に胸を張るカトラさん。…紐を引っ張ったり温めただけだけど…… -- サキ 2019-09-17 (火) 00:58:50
      • 「でもやっぱり、ごはんは2人もちゃんと食べさせてあげた方が…」
        「だめなのだ、生き物にとって食事とはついでにするものではないなのだ。
        あの2ひ…2人は誰に頼って生きておる?おぬしであろう。
        そして、おぬしを生かしておるのは、日々の食事なのである。まずはおぬしが
        しっかりと集中して、食事から活力を得るのが肝心なのだ」
        カトラは椅子を引いて、サキを座らせると、”業務用オレンジジュース4l”をグラス
        に注いで差し出した。
        こういう時のカトラは実に雄弁だ。

        「あ、じゃあ、後でまた精気も分けてもらえると…ね?」
        「ん?ああー…うん、そうじゃな。まぁとりあえず冷めないうちに食べるなのだ」
        カトラは頬をちょっと掻いた。

        食事が済むと、サキはウルメル、レィメル達の側へと、すぐに戻っていった。
        カトラは、ちょっと気に入らなげに見ていたが、5分もたたないうちに、サキは
        2人の側でこっくりこっくりと、首を揺らし始める。
        「眠るのならベッドの方が良いなのだ」
        「ふぁい…2人をおねがいねぇ…」
        「任せておけなのだ」
        サキを軽く抱え上げると、カトラは2階の寝室まで運んでいった。

        体型と姿勢に合わせて、形状と反発力をAIで操作して最高の睡眠をもたらす、キングサイズ
        ベッドは、今度こそサキをしっかりと受け止めて快適な眠りを提供しているようだ。
        そっと戸を閉めると、階下を覗き見る。ウルメル、レィメルが、アニメとスナックの
        虜になり続けている。
        カトラは得意げに溜息した。
        「古代文明のテクノロジーは大したものなのだ。おかげで我も安んじることができよう。
        褒めてつかわそう、はるかぜよ」
        『お役に立てれば幸いです』
        天井の指向性スピーカーから、声がする。
        眠っているサキや、アニメを見ているウルメル、レィメルの耳を邪魔することなく、カトラに
        だけ声を届けられる。これもテクノロジーの賜物である。

        「さーて、我もくつろぐとするかなー。ドローン、スナックとジュース、我の分も持って
        くるなのだ」
        「ピピッ」
        カトラは階下へと、伸びをしながら降りて行った。 -- カトラ 2019-09-19 (木) 00:23:48

      • カトラはかつて思っていた事がある
        音楽と言う物は人間の持つ文化の中で唯一、竜に勝る物では無いかと
        時に感情を揺らし、時に戦意を高揚させ、時に竜に穏やかな眠りさえもたらす
        サ姫の歌でさえ、カトラを穏やかな眠りへと誘うのだ
        偉大とされる音楽家が作った曲ならばなおの事だろう

        しかし今日、この考えを改め無くてはならない
        カトラは知ってしまった
        音楽にこのスナック菓子が加わった時の相乗効果の恐ろしさを

        「良い…実に良いのだ……」
        カトラはカウチに身を任せながら、スナック菓子を口へと運んだ
        耳には指向性スピーカーから聞こえる音楽が穏やかな時間を演出する
        今聞いているのは、古代の人間が作ったされる『惑星』と言う名の曲
        この世界にあったとされる『星々』をテーマにした、七つの曲のからなる組曲だ
        その中でもカトラは特に木星をテーマにしたとされる曲をいたく気に行った

        そしてそれは、丁度その木星が流れている時に起こった

        「ふふーんふふーん…なのだ……うぉ…?」
        『カトラ様、おくつろぎ中申し訳ありません。火急のご連絡がございます』
        曲が急に途切れ声が聞こえて来た。はるかぜの声だ
        「なんなのだ、まったく…我はリラックスタイム中なのだ……」
        至高の時間を中断され、露骨に機嫌の悪さを見せるカトラだが
        つい先ほどのウルメルレィメル消失事件の件もあり強くは言えない
        『申し訳ありません、しかしお子様の摂取カロリーの件についてご報告が……』
        「せっしゅかろりー…?」
        聞き慣れぬ単語に首を傾げてしまうカトラだが
        その意味を聞いて顔を青くする事になってしまった

        「うぃ……」
        「にゅぃ……」
        「いかん…これは極めて不味いのだ……」
        カトラの目の前には大量のスナック菓子の袋に埋もれ唸り声を上げる二人の幼子の姿
        ぽっこりお腹のウルメルとレィメルの姿があった

        これは明らかに食べ過ぎた。アニメを見ながら無心に食べ続けた結果なのだろう
        カトラにも経験がある。熊の村で祭の菓子を食べ過ぎて動けなくなった事があった
        竜族の胃は食べ過ぎくらいで壊れるほど軟弱ではないが
        それよりもこの状況を見たサ姫に何を言われるのか、カトラにはそれの方が恐怖だ。
        「そうだ!運動だ!身体を動かして腹ごなしをするの…どぅあ!?」
        なんとせねばと焦るカトラだが、背後に感じる気配は時遅しを告げていた……

        「…カトラちゃん、これはどう言う事かな?かな?」
        「は、はい…なのだ……」
        この後、カトラが大変な事になったのは言うまでも無い。 -- サキ 2019-09-21 (土) 22:29:05



      • 「言われるままにお代わり持って来つづけたこやつらも
        悪いみたいなとこはある」
        「「?!」」
        えっこっちの責任!?と言いたげに、トリとボールのドローン
        が振り向く。
        「責任転嫁しない」
        「はい…」
        正座したまま、サキにぴしっとされてしまった。

        「んでも、ほれ…我の角削って飲ませたし、もう大丈夫じゃろう」
        爪を切った後のように、スース―して、カトラは角をさする。 -- カトラ 2019-09-21 (土) 23:51:48
      • 「…うん…一応落ち着いたみたいだね…?」
        「すぴぃー……」
        「すみゅー……」
        毛布に包まれ穏やかな寝息を立てるウルメルとレィメル
        カトラの角には病や傷を癒す治癒効果があるが、胃腸薬にもなる様だ。
        以前はウルメルとレィメルに角を与える事を拒んだカトラだが
        今回の件では大きく反省している事が見て取れる
        それでもやはり……

        「でもね?やっぱり食べ過ぎは良く無いと思うの」
        「うむ…わかったのだ……」
        「カトラちゃんもだよ…?」
        自分もなのか?と目を丸くするカトラだが
        サ姫が指差す先。カウチの周囲に散らばる多数の空袋
        完璧な状況証拠が山を成して存在していました。

        「カトラちゃんは誇り高い神域のドラゴンなんだよね…?」
        「う、うむ……」
        「なら子供のお手本にならないと…ね…?」
        にっこり微笑むサ姫にカトラは何も言えないのでありました -- サキ 2019-09-22 (日) 00:14:38
      • 「うむむ…」
        頬を膨らませつつ口を真一文字に結ぶ、何か言いたいが
        なんも言えない表情である。
        「まぁ、確かに、アレはやけに心地が良すぎて、止まらなくなった感じ
        はあるなのだがなのだ…」 -- カトラ 2019-09-22 (日) 00:41:25
      • 「もうー…欲望に負けちゃダメだよー…?」
        「…サキュバスのお前がそれを言うか?なのだ……」
        食欲と並ぶ性欲の悪魔である、サキュバスが欲望について説教する
        実におもしろい光景でありました

        「ん…じゃあ…私と…♥」
        「…うむ、自身を律するとしよう、なのだ」
        性的な事に関しては相変わらずストイックなカトラでありました。
        あるいは照れ隠し? -- サキ 2019-09-22 (日) 23:37:07

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公式設定 Edit

『カトラ・ブレンナドヨークトルドッティル』(本名)
・遠い遠いドラゴンが治める氷河と火山とドラゴンの国のお姫様
・故郷で継承権争いが勃発、姉妹達の戦いで山は崩れ(物理)大地は裂け(物理)海は荒れた(ハリケーン)
 ドラプリは弱い。女王ドラゴン、ブレンナドヨークトルの実の娘だけど、体は人間要素が多くて弱い。
 そんな己の弱さを克服しようと旅立った。姉妹達のスペックがおかしすぎて勝負どころか巻き添えで死にかねないし。
・なお、家族仲は大変良く、姉妹たちは毎日殴り合いながらカトラの心配をしてるし、ママには行き先もバレてて
 暖かく見守られているのを知らぬは本人ばかりなり。
・姉妹の中では最弱だが、牛を素手で投げ飛ばすぐらいの力はあるし、素肌で拳銃を弾く防御力もある。
 暴走する牛の群れからは逃げるし、ライフルで尻を撃たれると弾が刺さってちょっと泣く。
・身長は角を入れないで140センチ代の雰囲気かな。


『ドラゴンの国』
・すごい遠くて寒い島の火山の中にある国。
・日本からアイスランドくらい遠い、火山と氷河と草原や渓谷が広がる雄大な景色もまるでアイスランドだ。
 間違いなく、映画化の際のロケ地はアイスランドだ。
・ドラゴンの国へ地上から行けるのは火山の中にある王都だけ。そこから先の広大な地下世界が主な国土。
 ぶっちゃけ現世より地獄よりにある国だ。

『サ姫ュバスサキちゃんと呪いの首輪』
・サキはドラプリが悪魔召喚したら出てきたサキュバスの国のプリンセス。
・レズ吸精されそうになったので、マジックアイテム『家畜の首輪』を嵌めて従わせたが、首輪が故障してしまった。
 おかげで、首輪から妙なミッションを命令され、クリアできないとケツバットされたり、
 ローション風呂に投げ込まれたりするハメに。(顔面パイ投げもある)
 本来は首輪を嵌められた者がミッションをクリアして、首輪を外すための機能だった模様。

『エーライヴァ・ブレンナドヨークトルドッティル』(末の妹)

exp033778.jpg

・エーラだよ。
・カトラの末の妹、小さくて寒色系の氷河ドラゴン。吹雪と化して空を飛び、川を氷河に変え
 氷山を空から落とし炎すら凍てつかせる。
・十分馬鹿力なカトラが非力なお嬢さんに見えるレベルの怪物であり、本来超越種ドラゴンの持つ
 力はエーラの方が標準レベルみたいなの。ほんとはエーラでもまだ力は弱い方。
・エーラはカトラが好き、カトラはエーラよりゴキブリの方がまだ好き。

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ドラ姫とサ姫のおうち遍歴



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