* ホーエンツォルク家出身 サンドバード・ホーエンツォルク 13131 [#vf00619c] |ID:|13131| |名前:|サンドバード・ホーエンツォルク| |出身家:|ホーエンツォルク| |年齢:|35| |性別:|#listbox3(男,server,sex)| |前職:|#listbox3(人足,server,job)| |理由:|#listbox3(何となく,server,reason)| |状態:|#listbox3(野垂れ死に,server,state)| ////////// |その他:| [[ステータス>http://gold.ash.jp/main/?chrid=13131]]/[[戦暦>http://gold.ash.jp/main/advlog.cgi?chrid=13131]]| ~ |[[現状の気分>http://jp.youtube.com/watch?v=cesXquW2bRo]]| ~ **夜を待ち、朝を繰り返す。何処とも知れぬ場所へ、帰る度に。 [#i3dfe4db] CENTER:[[ボロボロの羊皮紙が10枚並んでいる>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst009263.txt]]~ //ちょっとここを見た人全てに問いたい //・・・サンドバードのバニー姿みたい? //見たい人がいるなら多分描きます //・・・今さながらサンドバードの過去編書きたくなったわ・・・この子は本当に可愛いな!畜生! //私が惚れた人なんですから、可愛いのは当たり前ですよ。 //(真顔で恥ずかしい台詞を言う白巫女) //どちらかと言えばバーテンふ……バニーで。 //そしてこの場を借りて最後まで使われなかった裏設定発表ー //10代前半の頃、実は牧童だった。 //教会で妹と祖母とひっそりと暮らしていた。両親は山賊に襲われて死んでいる。 //山賊襲撃の時、彼は妹を逃がすも捕らわれ、そこを皮肉なことに他の賊の一人に救われる。 //彼が異様に死者に拘ったのはその賊が殺した相手を必ず埋葬に儀礼を尽くしていたことと、教会で育ち人は死んだらどこへ行くのか、などの宗教的な思考を多感な少年時代に受け取ったからである。 //何故教会を出て人足になったかと言うと、彼は人や神に頼った生き方が嫌いだったから。 //山賊に襲われ、命さえ奪われそうになった時、人は一人で自分の身を守れなければ駄目だと考え、そして、命を救えないお布施や布教に嫌気が差し妹を置いて出て行った。 //妹は性格的にエル姐さんに似ていた、でも彼女ほど開き直ってない。兄の前では大人しいかまとと娘。 //彼は妹のことは覚えていても、一人で生きることのほうが大事だと思っている。身内には結構厳しい。 //バクフさんのことが好きだった。憧れに近いが、死んだ後にそのことに気付く。 //好みの女性は死にそうに無い人、素直な女性。 //本名はサンドバード・ハノーヴァー、ホーエンツォルクは母親の旧姓。教会を出たときにハノーヴァー性は捨てた。 //そして中の人はチャット部長の一言を更新していた。この子の苗字と本名からわかるかもしれませんが、世界史が大好きです。 //自伝SS書いてたとき色々凝ってたのはその影響です。あぁ、バグズバグゥはもっと生かして書きたかった。オリジナルすぎるのも困り者って話だねぇ・・・ //以上使われなかった設定&独白シリーズ。 ~ ~ ~ //「今度呑むときはワリカンだ。また一緒に呑もうぜ、同輩」 // これは本当のような嘘のお話。 //夜の街路を馬車が駆ける。日は遥か前に沈み、深い闇が民家の合間を漂っていた。 //蹄が石畳を叩く音だけが響き、人気のない界隈にはただ寂しさだけが感じられる。 //やがて馬車は止まり、中から若い女の声が聞こえた。 //「将軍、着きましたよ。将軍」 //しばらくして、馬車の灯りの漏れる扉より一人の男が降りてきた。茶の外套に身を包んだ野暮ったい髪の男だった。 //「では、また明朝」 //扉から若い女は身を乗り出し将軍と呼ばれた男にそう伝えると、従者に馬を走らせ去っていった。 //去りゆく馬車を男はじっと見ていたが、その後姿が街路の果てに途切れると、ようやく歩き始めた。 //男はただ黙々と歩き続けた。当てがあるのかどうかは誰にもわからなかった。 //ただ、すっぽり被ったフードの下から覗く顔には、異様にギラついた目と病人のように痩せた頬が張り付いていた。 //しかし、男の顔からは死ぬ間際の人間の様子は受けられず、まるで必死にそこからもがく生の力強さを感じ取ることができる。 //灯りも尽きた街中を幽霊のように男はさまよっていたが、やがて一つの大きな灯りの元にたどり着いた。 //そこは、酒場だった。 //街中で唯一つ、漆黒の支配者である夜に抵抗するが如く凛然と灯りは輝いている。 //(俺は今更何を期待しているのだろうか……) //男は酒場を前にして、立ち尽くし、考え事をしているようだった。 //酒場の看板に書かれた『Golden Lore』の文字が輝くように光で照らされていた。男はそれを眩しいと思った。思ったが、瞼を閉じることはできなかった。 //(約束を果たしに…来たというのか?それは一体誰の約束だ…あの墓守のか、それともあの魔術師のか、あの子供のか、それとも…) //ふと、男の心の中にある像が浮かんだ。憧憬にも似たそれは、酒場の中の光景だった。 //酒場の中でグラスを拭いている男の姿、砂色の髪。対峙するように席に座っているのは金髪の少年だった。 //(……10年など、数える暇もなかったな) //男は酒場の光に吸い込まれるようには入って行った。 //街の静寂と対照的な耳を裂くような喧騒が扉から溢れ出す。 //彼の侵入を気にかける者は誰もいない、妙な客が入ってきたとしても酒場の冒険者たちは歯牙にもかける様子はないようだ。 //その酒場に、男の見知った顔は一人も、いなかった。 //初めから予想はしていた。 //『因果な仕事だよ、冒険者ってのは』 //不意にある男の言葉を思い出した。それは懐かしき氷の魔術師の言葉だった。その彼の姿も、この酒場にはない。 //(10年など…) //男は酒場の中を進み、カウンター席へと腰をかけた。 //見知らぬ顔のバーテンダーが注文を仰ぐ。 //「ご注文は?」 //「……」 //男はしゃべらない。 //「ご注文は?」 //苛立たしげに再度注文を仰ぐバーテンダー。 //「…昔、この酒場の二階に男が住んでいたはずだ」 //「は?」 //「男の名前は、サンドバード。その部屋は、今どうなっている?」 //バーテンダーは理解に苦しむと怪訝な顔をして、男から視線をはずした。 //すると、バーテンダーの後ろの方から別の男が顔を出した。 //「サンドバード……あぁ、あの散らかった部屋のことですか。前のマスターが死んだので片付けましたよ。家具や彼の遺品は納戸にしまってあります。もしかして宿をお探しですか?でしたら、お安くしときますが」 //でてきたのは身なりのいい紳士だった。だが、外套の男は前のマスターが死んだという話を聞き、愕然としていているようだった。 //「いや、泊まるわけじゃない。俺・・・私はサンドバードの知人だ。彼の遺品を、捜している」 //「あぁ、そうなんですか」 //「納戸の鍵を貸してくれないか?」 //男はそういうと紳士に懐から出した金貨を三枚ほど掴ませて、顔色を伺った。 //「いいですよ」 //金貨をポケットにしまった紳士は、奥の部屋へと入っていったが、しばらくして鍵を手にして部屋から帰ってきた。 //「どうぞ。でも、僕が鍵を渡したこと、酒場のマスターには言わないでくださいね」 //男は鍵を手渡されると無言で立ち上がり、冒険者たちを避けて納戸のほうへ歩いていった。 //納戸の中は暗かった。僅かにランプの明りが部屋内を照らしているが、奥行きや棚の正体がはっきりとしていない。 //入り口の近くには割れたワインボトルや、先端の破損した銅細工、使われなくなった箒などの忘れられた存在の山が積まれていた。 //壁にかけられたランプを一つ取り、手に提げて納戸の中を探索する。 //目当てのものは果たしてここにあるのか。もはや灰になってしまっているのではないか。 //そんな不安を胸に、男は足元に気をつけながら戸棚や無造作に置かれた木箱を調べ始めた。 //ふと、部屋の端の端に「砂鳥」と書かれた張り紙の張ってある箱が目に入った。それは所々破けた肩幅ぐらいの大きさの皮製の箱だった。 //そんなまさか、とは思う。 //いくらなんでも安直すぎるだろう、砂鳥など・・・。 //だが、男の中である種の確信が、胸の鼓動を伴い高まり続けていた。 //恐る恐る箱に近づき、蓋を開ける。箱の中には山高帽が一つ、窮屈そうに入っているだけだった。 //男は硬直し、息を呑んだ。忘れ去られていた思い出が、そこにあった。 //箱の中をよく見ると、細い糸のようなものが帽子にくっついているのが分かる。 //ランプを近づけてみると、それが枯れきった花であることがわかった。 //それは10年と言う時を耐え忍んだ、手向けの花。どこの誰かからかは・・・・・・いや、きっとあの巫女だろう。 //確信はないが、なんとなく、そう思った。 //震える指先で花に触れてみるとくしゃり、と小さな音を立てて砕けてしまった。既に風化する一歩手前だったのだろう。 //「10年は・・・あまりにも重すぎたか」 //改めて山高帽を手に取り、それを近くで見つめてみた。大した虫食いもなく状態は良好だ。 //納戸を出て行く際に、男は勢いよく外套を脱いで、それをワインボトルやガラクタの山に被せて去っていった。 //紳士に鍵を渡すと、男はカウンターで帽子を眺め始めた。 //男は遠くを見る眼差しで、口には微笑を浮かべながら、帽子を宙で様々な角度に傾けて見ている。 //少し色が剥げた、見知らぬ傷跡が増えている、こんなに大きい帽子だったろうか。 //帽子を眺めている間、えもいわれぬ心情が彼の心を支配していた。 //やがて指が止まる。何か意を決したように、男は山高帽を頭に被った。 //それは男の革軽装とひどく似合っていた。10年の時を、感じさせないほどに。 //(これで全ての用事は終わった) //男は席を立とうとした。酒場を出るつもりなのだ。 //だが、いざ立ち上がろうとした瞬間、彼の横に一人の男がどさり、とぶっきらぼうに腰を降ろした。 //酒場の陽気な雰囲気に飲まれ、男は外へ出る機を逸してしまう。 //「あんた生きてたのか」 //それだけではない、視線をあわせず彼は男へと話しかけてきた。見ると金色の髪をした、気品のある、彫刻のような男だった。 //澄んだ声が、男の耳に届く。それは響く鐘の音のようでもあり、とても、とても懐かしい声だった。少し枯れてはいるもの、忘れがたい旧友の声だった。 //男の表情は険しかった。まさか、旧友と再会することになるとは思っていなかったのだ。皆、死んだと思っていた。 //己の恥を曝け出す相手はもういないと、そう思っていた。 //しかし、横に座った男、ホタル=ムーンボウは生きていた。あの頃の少年の面影をそのままに。 //彼のほうを見て、唇をきつく絞る。男はずっと考えていた。万が一旧友と出会ったら自分は罵倒されるのではないかと。 //『どの面下げて帰ってきた』、『恥はないのか』。 //心の中で、何度そういった声が聞こえたかは知れない。再会を喜ぶには10年と言う月日はあまりに重すぎた。 //(背が伸びたな、だが、顔は大して変わっていない・・・流石は魔術師と言ったところか) //ホタルの顔を見る。言葉を発してはいなかったが、勘のいい占い師のことだ。彼の正体には既に気付いているだろう。 //苦しいような、怪訝な顔がホタルの持つ全ての表情だった。 //だから、男の口は無意味な嘘を吐いた。 //「人違いだ。俺はサンドバードでは、ない」 //ひしゃげた声で、彼は言い切った。 //ホタルは一瞬だけ驚いた顔をしたが、すぐに何か察したように平生の食えない顔に戻った。少し残念そうな瞳をしていたのは、見間違いではない。 //「・・・あぁ、そうかい。昔の俺の友人にひどく似てたんでな、声を掛けただけだ・・・いや、あいつは死んだ。生きているはずがない」 //それはナイフのような鋭利さと冷酷さが混じった、冷たい声だった。 //男は得体の知れない恐怖を抱えながら、はやくホタルが去ってくれることを望んでいた。 //間違っても、「一緒に飲もう」などと悪魔の口が開く前に彼に消えて欲しかった。 //「だが、実を言うとな」 //しかし、ホタルはまだ語るべきことがあると真剣な口調で話を続けた。 //「俺も、ホタル=ムーンボウじゃない。だから、俺はサンドバードなんて人間は知らない。ところで、あんたは誰だ? //いや、名前なんかいいぜ。酔った冒険者は鶏よりも早く忘れちまうからな」 //サンドバードは固まった。何も言えない、言えるはずがなかった。嘘が嘘で帰ってきたのだ。 //そして、この場でそれを見抜けるのは彼と彼だけだった。全てを察していたホタルはサンドバードのために嘘をついた。 //酒の切れたグラスの中の氷が溶けて、カラン、と小さく音を立てた。 //「あんたの仕事は何だ?」 //職業、男はふと兵士達を従え、戦で指揮を取る自分の姿を思い浮かべた。 //いや、それは違う。それは本当のことだ。そんなことを言ってどうする。 //ここで唯一の再会を喜ぶ手段は嘘を吐くことに他ならない。 //「私の職業は冒険者だ、酒場に冒険者以外が来るものか・・・いや、たまに借金を背負うためだけに身の程しらずの若者がくるな」 //苦笑を浮かべて、サンドバードはホタルの方をみた。それはとても不器用な笑顔だっった。 //「違いない。ところで、俺も冒険者なんだ。見ての通り新米でね。あんたもそうだろう?しかも、歳も同じくらいじゃないか。これは偶然じゃないと、俺の勘が告げてるね」 //次々と並べられる嘘に、サンドバードは噴出しそうになった。 //(この、大嘘つきめ) //「しかし、この数奇な出会いを挨拶だけで済ませるのは少し物足りないと思わねぇか?」 //『ホタルではない男』はにやり、と笑って『サンドバードではない男』のほうを見た。 //「おい、ウェイター。酒をもってきてくれ、あと俺にもグラスを用意してくれよ。何本かって?何本だっていい、夜は長げぇんだ。酒が尽きるまで飲むつもりだぜ」 //彼はウェイターを一人捕まえて、早口にそう注文した。 //酒が出てくるまで、二人は黙ったままだった。あちらもこちらも聞きたいことは山ほどある。 //「ディセアはどうなった」 //「背が伸びたんじゃないのか」 //「どうして街に帰ってこなかった」 //「10年間何をしていた」 //だが、それらの話題はけして語られることがなかった。それはサンドバードとホタルがする話で、ここにいる二人がすべき話ではなかったから。 //解けることのない一夜限りの魔法が、二人を包んでいる限りは。 //「・・・本当は悲しくなかったわけじゃない」 //山高帽は頭を垂れて、唸るように喋った。 //「全てを失って、悲しくないはずがなかった・・・どう表現すればいいのか解からなかっただけなんだ。それが、今頃になって・・・」 //優しい沈黙が、二人を包んでいる。言葉はもはや、何の意味も持たなかった。 //ただ、一人の男が泣いて、もう一人がそれを聞いて、酒が来るのを待っていただけだ。 //やがて、ウェイターから一本のエールが二人の間に差し出された。 //「たぶん、多分な、これは俺の想像なんだが、あぁ、初対面でこんな失礼なことを言うのは許してくれよ? //そういう性格なんだ―――俺とお前は物凄く反りが合わないと思う。お前は過去を見続けて、俺は未来を見ているからな。 //それに、いきなり泣き出すような男、俺は嫌いだしな。でも、反りが合わない同士だから、酒を飲むことだってある」 //彼は自分のグラスにエールを注ぎ、相手方へエールを差し出した。 //それに習い、彼もまたエールを注ぐ。 //「「あぁ」」 //二人同時に言葉を発した。 //もう解かっている。 //彼らは反りが合わない、だから、どうしようもないところで似てしまうのだ。 //「「言っておくが、これはワリカンだからな」」 //互いに笑みを浮かべ、全てが可笑しいといった様子で声なき笑い声を上げていた。 //そして、次に交わされる言葉はあの言葉―――。 //『『飲もうぜ、同類』』 //ちりん、と二人のグラスが重なり、10年の月日を越えて約束は果たされた。 // これは嘘のような本当のお話。 [[コメントいじり>http://notarejini.orz.hm/?cmd=edit&page=%A5%B3%A5%E1%A5%F3%A5%C8%2F%CC%BE%CA%ED%2F13131]] #pcomment(,5,below,reply)~ --- ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~~ ~ ~ ~ ~ ~ ある部屋の一室。机をはさんで男と女が向かい合っていた。~ 男はこの世の全てなどどうでもいい、といった感じに宙にぶら下がる点灯を見上げ、女は机の上にちょこんと置かれた口の開いた箱を凝視している。~ 「将軍、これはなんですか?」~ 「土産のショートケーキだ」~ 「・・・・・・」~ 造作も無く言う男に対し、女ははぁ、とため息をついてあきれていた。~ そう、箱の正体は二つ分のショートケーキが入っていたであろう大きさの包みだった。~ しかし、その中には今、一つしかショートケーキがない。~ 「食べましたね」~ 「それは、俺が買ったからな。店の主にも早めに食えと言われた、馬車がこっちに着くには半日掛かる、小腹も空く、手元にはショートケーキがある。~ これらの観点から導き出される当然の答えだ」~ 「馬車の中で食うとか馬鹿ですか。どうして開口一番に『ナフキンはあるか?』と言ったのか、その謎が解けましたよ」~ 「で、食べないのか?」~ 男は箱の中のショートケーキへ視線を落とす。女もそれに釣られて、じっと見つめる。~ そのショートケーキは実においしそうだった、形も苺が墜落したことを除けば半日という長旅を乗り越えてきた割には申し分なく整っている。~ ホイップクリームの甘い臭いが彼女の鼻先をつつく、そんな小悪魔的な誘惑がショートケーキから漂っている。~ あぁ、あの層重ねにされたスポンジを口にいれれば、そこには無限の幸せが待っているだろう。~ 果肉と果汁の風味に甘いあのクリームが溶けていく様。食べたい、と女はそう思った。~ 思ったが、二つの理由が彼女の行動を阻害していた。~ 一つは、これは半日も立ってしまったケーキだということ。~ そう、生ものを冷凍保存もせずに半日放置すればどうなるか?~ すっぱくなる。臭いだけじゃなくて、胃もだ。~ そして、もう一つの理由は、~ 「・・・私がもし食べたら、ヤンさんの分なくなりますよね?」~ 彼女のもう一人の上官の顔を立てなければ成らないということだった。~ 「気にするな、あいつには今度別のものを買ってくる。エメル、お前は甘いものが好きだろう」~ 「えぇ・・・」~ いや、あんたが馬車の中で食わなきゃ全部話が丸く収まるんだよ、とは思っても口には出さず、彼女はショートケーキに手を伸ばした。~ 「そういえば、将軍は随分とあの街に御執心ですね?昔何かあったんですか」~ もぐもぐ、と口とフォークを持った手を動かしながらエメルと呼ばれた女は話す。~ 「色々、な。そうだ、一度お前も行って見ると良い。戦争屋もしばらくは休みだ。どうせ半年もすぎれば暇なんだからな」~ 「良い所ですか?」~ 「・・・さぁな」~ 男はふい、と視線を窓の方へ逸らし、眩しそうに太陽を見つめた。~ 雲も遮ることのない苛烈な太陽の輝きは確かに眩しかった。~ 眩しかったが、男はついぞ瞼を閉じることは無かった。~ ***裏 [#ue71b69a] //「・・・なぁ、エメル」 //「どうしたんですか将軍」 //「CVってなんだ?」 //「・・・・・・」 //「なぁ」 //「しっ!」 //「おい、いきなりなんだ」 //「女禍に聞かれています」 //「解かりにくいネタをだすな」 //「将軍、世の中には知らない方が良いこともあるんです」 //「いや、ずっと昔なんだがな、冒険者の時の話だ。仲間の皆が俺のCVは〜・・・とか言ってたのを思い出したんだ」 //「CV・・・」 //「CVってなんなんだ,キャッスルヴァチカンの略か?」 //「ヘルシングにでも出てきそうな名前ですね」 //「・・・紫外線のウルトラヴァイオレットと関係あるのか?」 //「将軍のCVは大塚明夫だって中の人が言ってましたよ、それで満足してください」 //「オオツカアキオ?誰だそれは」 //「東洋の有名人です、あるときはFOX部隊でスネークのコードネームを持つ特殊部隊員、あるときはオペの技術は超一流、ただし無免許な医者、またあるときはソロモンよ!和私は帰ってきた!」 //「エメル・・・お前そんな知識をどこから・・・」 //「東洋の神秘です」