名簿/366724
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**幸せな事 [#m35f0e17] 私が血まみれで帰ってきた夜あの人が言った。「結婚しよう」と。~ 血の理由が言えないでいる私を、抱きしめて。~ ~ 白いドレスの私とスーツの貴方。お揃いの銀の指輪。神様の前で愛を誓う。~ ~ 死が二人を分かつまで、と。~ ~ いいえ神様、死ぬ時だって私たちは一緒よ。どんな事だって私達を引き離す事はできない。
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#navi(../) * ドゥミモンディーヌ家出身 ラーラティーナ・ミハイロフ 366724 [#ucb19df3] //#ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst050664.jpg,around,500x500) //#ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst053113.jpg,around,450x263) |#ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst049689.jpg,around,雪ん子さんからいただいたわv)|ID:|386376| |~|名前:|ラーラティーナ・ミハイロフ| |~|出身家:|ドゥミモンディーヌ| |~|年齢:|26| |~|性別:|#listbox3(女,server,sex)| |~|前職:|#listbox3(占い師,server,job)| |~|理由:|#listbox3(故郷に錦を飾りたくて,server,reason)| |~|状態:|#listbox3(野垂れ死に,server,state)| ////////// //|方針:|#listbox3(特になし,server,type)| //|難易度:|#listbox3(安全第一,server,diff)| //|信頼性:|#listbox3(あまり気にしない,server,conf)| |~|その他:| [[ステータス>http://gold.ash.jp/main/?chrid=409273]]/[[戦歴>http://gold.ash.jp/main/advlog.cgi?chrid=409273]]| |~|お値段:|金貨30枚〜プレイに応じて+α| |~|テーマソング:|[[雨が降る>http://www.youtube.com/watch?v=aLnhkCx4ASg]]| |~|>|CENTER:\ほんとに何度目d/&br;http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst049806.png &br;''●三行設定●''&br;[[娼館「ハニー&バニー」>施設/娼館「ハニー&バニー」]]の顔役。&br;おっとりおねえさん娼婦。&br;余裕がありそうに見えてすぐ泣くし慌てる。&br;北の雪国から出稼ぎに来ています。&br;&br;●名簿内下の方リンク●&br;[[隠し設定>名簿/366724#la6eae64]]・[[戦闘設定>名簿/366724#cd7f94f5]]・[[手記>名簿/366724#p438b635]]・[[コメントアウト>名簿/366724#s435150d]]・[[メイドゾーン>名簿/408773#bf7f2783]]| // // ※ ご注意「//////////」より上は変更可能個所以外はそのままにして下さい。 // タイトルの「家出身」の記述も含まれます。 //#vote(ラーラを買ったら押すボタン→[63]) #clear *最後の [#b4392be4] 貴族護衛依頼中、瓦礫に行く手をさえぎられて、人が通れるようにする頃には何者かに囲まれていた。~ ここまではいつもの護衛。~ でもひとつ今日は違う。~ 「何者か」わからない集団に囲まれたのではなく、周りには見知った人々。~ …冒険者じゃない。私とリラちゃんと同じ場所の暗殺者達。~ 狙いは多分護衛対象の貴族じゃない…私。~ 少し前にいるリラちゃんが動じた様子がないもの。きっとはじめからわかっていたこと。~ 今日私は殺されるんだろう。~ ~ 私もわかっていたの。~ ずいぶん前から。~ ~ 私は冒険者と娼婦以外のもう一つの仕事を放棄した。~ ~ それでも数ヶ月は普通に暮らせていたのは父とリラちゃんのおかげだったんだろうと思う。~ 二人は知っていたのに何も言わなかった。いつも通りの穏やかな生活。~ その裏で、私が殺されないよう尽力してくれていたんだ。~ きっと説得しても駄目なことを知っていたから。私はもう決めてしまっていたから。~ 少し前に二人ではもうおさえられなくなったんだろう。~ 私はミハイロフ家の一員ではあるけれど、鬼の血は遠く、強くもないのだ。~ そして貴重でもない裏切り者を見逃してくれるほど私の組織は甘くもなかった。~ ~ 私は命令がきても、暗殺対象を殺さなくなった。~ ううん、殺せなくなったの。~ ~ だって私……~ ~ *** [#d3ce96fd] ~ 戦って、気がつけば血の海の中横たわっていた。~ これくらいでは私は死なない。けれどもう周りには誰もいなく…ああ、一人だけ、いた。~ ふわふわした薄紅色の髪の毛が見える。~ ~ 「リラ…ちゃん…」~ ~ 新緑を思わせるような明るい緑色の瞳が、無表情に私を見下ろしている。~ 力の抜けていく体を引きずって、瓦礫に手をかけ、立ち上がる。~ ~ 「貴女が私を殺すの?」~ ~ 「…うん。決まりにゃ」~ ~ 「ずうっと私の面倒を見てきた貴女が?」~ ~ 「そうだよ。僕以外がよかったかにゃ?」~ ~ 私は少し考えて、笑顔で首を振った。~ ~ 「ううん、貴女がいいわ」~ ~ 思えば長い付き合いだった。~ 私が施設に連れて来られた時、初めて笑いかけてくれたのはこの子だった。~ 私より少し年上だからって、お姉さんぶってよく面倒を見てくれた。~ いつの間にか私の方がおとなに見えるようになってしまったけれど。~ ~ 思い出すのは娼婦としての初めての夜。~ 私達はお互い経験がなくて、相手はサディストの変態親父数人で。~ 先に部屋に呼ばれたのは彼女。~ きっとすごく怖かったのに、痛みに弱い彼女は泣き叫びたかっただろうに、一言も声を上げなかった。~ 次に私がいたから。怖がらせないようにって、思ったんだろう。~ ~ 殺すための技術を学んで、初めて人を殺して気が狂いそうになった時、抱きしめてくれた。~ 自分だって初めてだったのに。~ ~ わがままで、甘ったれなのに、私には誰よりも優しくあろうとしてくれた。~ だけど私は彼女が嫌いだった。~ ~ 誰よりも濃く強い鬼の血を持つためか、いつだって彼女は特別扱いだった。~ いつ死んでも代わりがいる私とは違う。ただ生まれが違うだけなのに。~ だから私は彼女が嫌いだった。~ ~ でも、好きだった。~ 私をいつでもかばってくれたこの子が。~ ~ ~ ~ 「殺されるつもりはないのよ。だって私…」~ ~ 血で滑る手でナイフを構えて私は口を開いた。~ ~ *** [#kfd4d66f] ~ CENTER:闇の大魔術師・ラーラティーナ・ミハイロフ~ CENTER:──黄金暦166年 9月、貴族護衛依頼にて死亡──~ ~ ~ ~ CENTER:"「だって私……子供ができたのよ」"~ ~ ~ ~ *** [#a426fa00] ~ [[その後…>中出しされながらの求婚で、一発koラブラブキュン!]] *設定 [#ub959f57] #ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst049665.jpg,around,right,214x300) -''性格'' --見た目とは裏腹に子供っぽい。実は地味な格好の方が好き。&br;それでも仕事の時はちゃんと「作って」いる。 --可愛いものが好き。部屋にはぬいぐるみが多い。箪笥のなかにはもっとある。 --ひとりで寝るのが嫌い。 -''設定'' --銀の髪、すみれ色の瞳、尖った耳。鬼の血を引いている。 --北の雪国から来た娼婦。こちらに来て、[[ラズ>名簿/13003]]の養女になった。 --娼館のマダムはとても忙しい人なので、代わりに雑務をやっている。未亡人らしいという噂。 -''娼婦的な設定あれこれ'' --包み込む様に抱いたり。甘えるお姉さんになったり。相手に合わせる。 --でもくっつくのが好き。バックは嫌い。 #clear *アドレス帳(顧客リスト ) [#z7beade1] 手帳と共に焼失。 //#memo() *彼女の肖像 [#oaa3c56c] [[■>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst049665.jpg]] [[■>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst050624.jpg]] [[■>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst050620.jpg]] [[■>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst050621.jpg]] [[■>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst050261.jpg]] [[■>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst049881.gif]] **頂き物 [#e980b3b4] [[http://notarejini.orz.hm/up2/s/qst049689.jpg>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst049689.jpg]] [[http://notarejini.orz.hm/up2/s/qst050664.jpg>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst050664.jpg]] [[http://notarejini.orz.hm/up2/s/qst053113.jpg>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst053113.jpg]] ///追加が遅れてごめんなさいーなんか足りないと思ったら…っ *隠し設定的なあれ [#la6eae64] -[[リラ>名簿/286518]]と同じ[[組織>名簿/366724#t5735962]]の暗殺者。 --幼い頃に組織に身を売られて暗殺者として育てられた。娼婦は組織に言われてやっている(それが組織の資金源の一つでもあるので) --人を殺す事に抵抗を持ち続けつつも、組織から逃げて殺されるのも怖いし、他にどうやって生きればいいのかも知らない。 --[[リラ>名簿/286518]]同様子供が産めない体。でももし奇跡がおこって、子供を宿す事ができたら暗殺者も娼婦もやめて生きようと思っている。 --ひとりで寝るのが嫌いなのは人を殺す夢ばかり見るから。 --冒険者であれば彼女が護衛依頼に出てくる暗殺者だと気づくかもしれない。 **ミハイロフと言う名前 [#j02f45c8] -ラーラは元々ミハイロフ姓だった。 --生まれた時からではなくて、結婚した時に変わった名字。 --旦那様は今の養父の遠い親戚だった。彼女自身も養父の母親の血筋。 --自分が暗殺者と言うのを隠して冒険者と結婚。依頼の最中、旦那様とは知らずにその冒険者を手にかけた。 --人を殺す悪夢、相手は旦那様だったり、気になるお客さんだったり…色々。 **暗殺者・ラーラティーナ [#rd467c45] #ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst049846.jpg,around,right,197x300) -闇色の服を纏い、黒いベールをつけて顔を隠す。それが暗殺者としての彼女の姿。 -仕事の前には特殊な香を炊く。対象者を殺す事以外考えられなくなって、痛みも苦しみもわからなくなる御香。 --御香は草花のような香りがする。原料は[[北の雪国の青い花>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst050721.jpg]]。 --特殊な血を持つ人間以外には軽い痛み止めにしかならない。 -黒衣を纏った彼女に、冒険者は話しかけない方がいい。暗殺者にとって冒険者は敵、ためらいなく殺しにかかる。 ***リラとの違い [#h0a64519] -香が効き過ぎる所。 --リラは仕事中も自我は残るし、仕事が終わる頃にはきちんと抜ける。 --ラーラは自我が残らない。仕事が終わっても数日は抜けきらない。 ---その間は黒衣のまま[[スラム>施設/スラム街]]のアパートに身を隠してぼんやりしている。 ---昔[[どこかの国のシスター>名簿/252645]]が住んでいたアパートで、祭壇が置いてある。それを見てると何故か落ち着くからそこにいる。 --リラは冒険者を自分の意思で殺し、ラーラは自分の意思とは関係なく殺すということ。 ---不幸な事に、自我がないときの記憶もしっかりと残る。 #clear *戦闘設定 [#cd7f94f5] 短剣で切りかかる。いたってシンプル。戦う時はアラビアンナイトの踊り子のような格好をする。~ 暗殺者モードの時は黒衣。どちらの時も武器は一緒。 **武器 [#df5a7e44] -”''星の子''” --クリスナーガという60cmくらいの短剣。空から降ってきた金属の塊から作られたのでラーラはそう呼んでいる。 -''ジャマダハル'' --手に一つずつ持つ。名前はつけてない。 *手記 [#p438b635] #region(彼女の記憶。灰になった古い手帳。) **怖い夢 [#we37f577] 雲に月が隠されて、真っ暗な夜。闇夜と同じ黒衣を纏って”仕事”をする。~ 目の前に立ちはだかる邪魔ないきもの。私は短剣を振りかぶって… ……~ ~ …気がつけば血の海。”仕事”の終わり。~ 雲が風に流され月明かり。地面に転がったいきもののひとりの顔が目に入る。~ ~ あの人だけはどんな時でもわかるって思っていたの。愛している人は特別だって。~ **幸せな事 [#m35f0e17] 私が血まみれで帰ってきた夜あの人が言った。「結婚しよう」と。~ 血の理由が言えないでいる私を、抱きしめて。~ ~ 白いドレスの私とスーツの貴方。お揃いの銀の指輪。神様の前で愛を誓う。~ ~ 死が二人を分かつまで、と。~ ~ いいえ神様、死ぬ時だって私たちは一緒よ。どんな事だって私達を引き離す事はできない。 **走り書き [#q1cc8502] 死ぬのが怖い。どうしても怖いのよ。あの人がいない世界で生きていたって仕方がないのに。 **猫の子 [#h59ce82c] 猫みたいなあの子、幸せそうなあの子。どうして私と同じなのにあんなに平気な顔をしているの?~ 私と同じ育ちなのに、私と同じ血のはずなのに。~ 純血種に近いから、あの子は幸せなんだろうか。私の方が純血種のような見た目なのに。~ ~ 人の幸せを憎いと思うほど、もう若くはないのだけど。~ ほんの少しだけ…本当にほんの少しだけ… (書かれた言葉は上からぐしゃぐしゃに塗りつぶされている)~ **冒険者の町と最後の純血種 [#t39efd54] あの人を失って、何年たったのか数えるのが怖い。心の痛みが薄れていく自分が悲しい。悪夢は相変わらず見るのに。~ そんな頃、私は仕事の拠点を変えるように命じられて、住む場所を変える事になった。~ 冒険者に混じって”仕事”をしろと言う。…猫の子と、同じように。~ 冒険者の町…最後の純血種、鬼がいる町へ。~ ~ 鬼は、とても無邪気に笑う子供だった。~ 鬼は、母親のように私に「おかえりなさい」と言った。~ **似ている二人 [#z7f3f525] 私と同じ名字。私と同じ髪の色。私と同じ瞳の色。~ そして多分、もう一つ同じ。~ ~ 海が見える古いお墓の前で、青い花を供えながら鬼は言った。「僕達、親子になろうよ」と。~ **蜂蜜と兎 [#k9a35037] 明るいお店、可愛い女の子達と優しいマダム。今日からここで働くんだ。~ 「”仕事”以外はどうか穏やかな日々を」養父になった鬼の願い。~ 駄目よ父様。ゆっくり時間が流れると、私は悪い事ばかり考えてしまうのよ。~ ~ 「損な性分だね」とマダムが笑って…そして私に仕事をくれた。~ **ひなげし [#q0d696d8] 「一晩お相手したお二人は〜 翌日三途の川渡り〜 四日で五人〜 手元に残るは六文銭〜」~ 窓辺でぼんやりしていると歌が聞こえる。綺麗な人が唄う歌。~ 寂しそうな人だなって初めて見た時思った。その後で養父に聞いた話で納得。~ ~ 彼女の真似をして同じ歌を唄う鬼。窓辺に腰をかけて。~ 「…彼女を僕が買ってみようか」~ ふいに歌をやめて彼が言う。~ 「貴方は、死なないから?」~ 「ううん、もしかしたら…死ねるかもしれないって思って」~ 彼の言葉に私は「無理よ」と笑った。~ 「どうしてさ?」と振り向く鬼。不思議そうな顔をして。~ ~ 「自分が死んで誰かが傷つくくらいなら、何をしても生き残るでしょう?貴方は」~ たとえ一言会話しただけの子であっても。古い友人が連れてきた子に、そんな事。~ 「……そうだね」~ 鬼は苦笑して、また窓の外を見る。外は夕焼け。もうすぐ、仕事の時間。~ ~ そして彼は、芝居がかった声で続ける。~ 「俺を殺せる存在はもうこの世界にはいないらしい 」~ 「なぁに、それ。お芝居の台詞?」口紅を取り出して、私は仕事の準備をする。~ 鬼はそれを手に取ると、私の頬に手を添えた。慣れた手つきで紅がひかれる。~ 「死ねない死にたがりが言った言葉さ。もうずいぶん昔…」~ ~ 「彼はもう、死ねたのかな」~ ~ 私と同じ色の紫の瞳で、彼は老人のように静かに笑った。~ **面影 [#a1aee1a3] 殺風景な部屋。生活感のないその部屋に置かれた青い花。私を抱いて眠る人。~ 疲れた顔はいつもより少しだけ幼く見える。~ ~ あの人に目許が似ているかな?静かに話す声は?…いいえ、やっぱりどこも似てない。~ 似ているのならば、自分の心も誤魔化せるのに。~ ~ 私より白い肌。赤く染まった指先の白い手に、自分の指を絡める。~ いつかこの人の面影を誰かに探すようになるのだろうか。~ ~ そんなことを考えながら、夜明けに怯える。~ **黒猫 [#t31396b6] 猫が羨ましい。彼らは自由でどこにだって行ける。~ でもきっとこれは無いものねだり。怖くてどこにも行けないだけの子供の我侭。~ ~ それでも猫は温かくて、私の側へと寄ってくれる。~ 沢山食べて好きなところで遊んでおいで。でもちゃんと帰ってきてね?~ ~ 様々なものを見てきた、硝子玉のように綺麗な瞳を、また私に見せて。~ **知られてはいけない事 [#x5c4bfb6] スラムのアパートの一室。私の隠れ家。~ かつては異国の神様に仕える誰かの部屋だったらしく、細かい細工の施された祭壇がある。~ 香の効き目が切れるまで私はここで眠る。~ ~ 夢心地のまま廃墟を歩いていると、いつか見た少女に出会う。…冒険者。~ 駄目だとわかっているのに殺したくてたまらなくなる。~ 香が切れなかったらと思うと恐ろしい。彼女を傷つけなくてよかった…。~ ~ 気づいただろうか。彼女は。~ 遠くに見知った顔が見えた気がした。~ ~ 祭壇のある部屋に逃げ込んで、名前も知らない神様に祈る。~ どうか知らないままで。どうか穏やかな時間を私から奪わないで。~ **古いアパート [#f3eb0894] 仕事の黒衣のままあの人の家に行く。どうしても顔が見たかった。~ もう全てを話して、彼に縋ってみよう。そんなことを考えながら、痛む腕を布で縛る。~ 灯りの無い部屋。扉をノックしても…誰もいない。~ ~ 寂しさで泣き出しそうになる。でもどこかでホッとしていて。~ 会いたい。でも…会えなくてよかった。~ **女同士 [#ydbdba4f] 花束を持って彼女がやってきた。…きっと襲った人間が誰か確かめるため。~ ~ 私は笑顔で花を受け取る。~ 彼女も笑顔。~ ~ 知らない振り。ずるい大人な私達。~ ~ でもそれは何よりも優しい事だと思った。~ **金色 [#uf06043e] 監視者か確かめなくてはいけない。彼女は砂漠の出だと言った。~ 彼女の香水には私と同じ香りはしない。~ ~ 酷く怯える私に彼女は秘密を分けてくれた。~ 私には無い強い意思の瞳。陽射しに輝く砂漠の金色。~ 余計に自分の事は言えなくなる。きっと邪魔になるだろうから。~ ~ 小さな檻すら壊せない自分には、彼女はとても眩しくて…少しだけ妬ましい。~ ふと、彼女の弱さを支える人はいるのだろうかと思う。~ どんな人でも弱いものは持っている。ああでも、私に強さが無い様に彼女には弱さが無いのかもしれない。~ ~ …強さ、私にもあるのだろうか。~ **深紅 [#c37cadad] 新しい着物を鬼の子にもらった。彼のお気に入り、窓辺で歌う彼女への贈り物のついでらしい。~ 何をするでもなく、彼は彼女の元へ通っていた。~ 彼女の何が彼を惹きつけたのか…どこか儚く、そして死の香りのする女性。~ ~ 赤い綺麗な振袖を大事にそうに抱える鬼。それを横目に着物に袖を通してみる。~ 振袖と言う歳でもないので普通の着物。真っ白い生地に異国の鳥や花が描かれてとても綺麗。~ 鏡をうっとり眺めながら、あの赤い振袖はどんな模様なのだろうと思う。~ 贅を尽くした可憐な振袖だと得意げに鬼が言っていた。彼女が着るのが楽しみ。~ ~ 鬼は歌う。彼女の歌を、幼い声で。彼女の帰りを待ちながら…~ ~ そしてふいに歌が止んで… ~ ~ …それから彼がその歌を唄う事はなかった。~ **やまない雨 [#u3fa4b86] #ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst051587.jpg,around,300x351) 「今日は雨が酷いからもう帰りなさい」~ 庭でぼんやりしているとマダムが言った。~ 「…雨?マダム、雨なんて降っていないわ……?」~ 今日は綺麗な星空…空を見上げると星が滲んでいる事に気がつく。~ ~ 頬を伝う涙。~ ~ …雨粒は私の瞳から。~ ~ ~ ~ 帰ってこない。あの人が帰ってこないの。~ ~ まだ彼に何も伝えていないのよ。私。 #clear #endregion ---- *コメントあうあう [#s435150d] //#comment(below) //#pcomment(,5,below,reply) ///■こんせぷと■ ///もてる全てを出し切った、限界まで重い女! ///■方針■ ///一応娼館企画者なので、従業員が登録されている間は無限復活します ///引退した場合も同様に再登録 ///■中の人メモ置き場■ ///http://notarejini.orz.hm/up2/upload.php?id=049539 ひなげしちゃんSS ///http://notarejini.orz.hm/up2/upload.php?id=050068 暗殺集団名前 ///http://notarejini.orz.hm/up2/upload.php?id=050170 …えへへ ///■こめあうあう■ ///がおんがおん。 //もう見てないだろうがリラやラズくんのコメに書くのもなんだしこっちで書こう! //「長い間お疲れさまだったなー…その結果が結婚であり妊娠であったのだから常連だった身としては大変喜ばしいぞ!」 //「なんというかラーラさんは最後は死にそうな儚さがあっただけに地味に心配してたからなー…」 //「…しかしアレだけ一杯したのに出来なかったのに、他の男で妊娠するだなんて…くっ、男としては悔しいし旦那さんは羨ましいぞ!」 //「まぁあとは元気な子を一杯産んで、幸せな家庭を築いてくれ。うちみたいにな!」 //と言うメッセージカードと花束がリュッケから届いたとかなんとかで ///今気づいた!!あらーごめんねごめんね!書き込んでくれる人がいるとは思わなくて…ありがとう!! /// ///(新居に突然養父の名前で花束が届いた。枯れてしまわないように魔法が施してあって) ///(よくよく見るとメッセージカードに懐かしい名前。恋人には父からだと言って花瓶に生ける) ///(生まれてくる子は誰の子供だかわからない。でも、多分最愛の人の子供。女ってこういう勘だけはすごく冴えてるから、不思議) ///(娼婦だった頃、幸せだとはいえないけれど、嫌いでもなかった。何故か楽しい事ばかり思い出して、彼の事もその一つ) ///(陽の当たる場所に花瓶を置いた。花に陽が透けて、少し眩しい。もう戻れない懐かしい街の思い出と同じ) ///…ふふ、夫婦でも秘密は一つくらいあってもいいわよね…?(とこっそりお腹の子に呟いて、風に揺れる花を眺めていた)
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