以下のプレビューを確認して、よければページ下部のボタンで更新してください。

ノーネイザン家は押しも押されぬ名家である
だから、車争いに使用する戦闘牛車も一台で戦争が可能なまでに設計されたものであり、負けしラズであった
常に祭りを禿頭席で楽しみ、その後ろにはただひたすら敗車たちの怨念が渦巻いていた
それが、家に不幸を呼び込んだのである
第一子誕生は朧夜であった 赤子の産声に喜び勇んで飛び込んだ当主は女児であることに失望するまもなく驚愕する まるで今夜の月のように、赤子の姿がおぼろげだったからだ
赤子は朧車だったのである
一見は愛情を注いで育てられたようだがやがて嫡男が誕生するとその心根の冷たい態度はあからさまになり、両親は関心を示さなくなる
金には不自由せず、愛情だけが欠落する典型的な不良として育った


タイムスタンプを変更しない