武装神姫 MMS AGL:bk.ARNVAL
イモリン・ザイコ(16999) 活動記録
黄金暦91年5月〜92年4月
※斜体になっている文章は、対象者の手で記録が作成された当時、暗号化により閲覧が制限されていた部分である。


黄金暦91年 5月
6年目最初の依頼は、巨大な怪物討伐。
サソリかトカゲあたりかと思っていたら、巨鳥→死霊→怪鳥のコンボでした。
アミィさんの仇討ちに、少しは役に立ったでしょうか。
もちろん、ただの自己満足に過ぎないのですけど。

来月の依頼は……2ヶ月前の予想が的中、うさんくさい情報の怪物討伐が来ました。
今までの経験から推論するに、今回も肩すかしの可能性大です。
この酒場からの同行者は、トマトさんと、次で3ヶ月連続で一緒になるゼロさん
聞けば、トマトさんもうさんくさい怪物討伐で、まったく同じ経験があるとか。
やはりこれは、嫌がらせの一種か何かなのでしょうか?
私はもっと強くなりたいのに……。

黄金暦91年 6月
狼、プディング、ムカデ……悪い意味で予想通りでした。

クロコさんと話をして、それから……。今思い出しても、気恥ずかしさに床を転げ回りたい衝動にかられます。
それはともかく、クロコさんと会話をしなければ、私はとんでもない間違いを犯すところでした。
そうなる前に気づけてよかった。頼れる友人がいてよかった。

ここ数ヶ月の間に、エクセルさんの件以外にも、リルさんが大破し、岡崎さんの魂が戻り、
ポヘミアンさんクドリャフカさんが危機から生還し……。
偶然にすぎないとはいえ、なんだか、急に神姫関係者の動静が不穏になってきた気がします。
今後、何事もなければよいのですが……。

黄金歴91年 某月 某日
いくつもの罪と、それらに与えられた、罰という名の許し。
……抽象的な物言いは得意ではないのですが、この事件を端的に言い表すとすれば、そうなるのでしょうか。

アミィさんクロコさん、アミィさんの友人のシーニャさん
オリオナエさんエクセルさんアルエさんアーンヴァルさんシィラさん、そして私……。
絶望から始まった物語は、多くの人の思惑を飲み込んで、最後にはこれ以上考えられないほどの希望で終わった。
そう私は思います。

右腕を失い、その代わり友情を壊さずにすんだシーニャさん。
彼女が親友を手に掛けようと思った気持ちが、私には理解できる気がします。
私(と共犯者たち)もまた、それに近い決意をしたことがあるから。
ただ、私たちと違うのは、彼女はひとりだけで罪を背負おうとしたこと。
それが間違いだったとは言いません。むしろ、辛かっただろうと同情の念を覚えます。
落ち着いたら、あの人にも声をかけてみよう。敵ではなく、同じ経験をした者として。

そして、記憶の大半を失い、その代わりに再び血の通う肉体を得たアミィさん。
今の彼女は、私とともに戦ったことも、自分が一度死んだことも、自ら死を選ぼうとしたことも覚えていません。
厳密には、昔の彼女とは別人に生まれ変わったと言うべきなのでしょう。
もちろん、一度蘇った時点ですでに以前とは同一の存在ではないとも言えますし、
今まで周囲の事例をさんざん見てきた上で何を、と言われそうですが、
やはり個人的に複雑なところはあります。
でも、辛い時期のことも忘れたことにより、以前よりも屈託のない笑顔が見られるようになった。
クロコさんもそれを受け入れ、仲睦まじい関係を取り戻せた。
だから、トータルで見れば、救いだったと結論します。

今度こそ、アミィさんとクロコさんが引き裂かれることはないと信じます。

あ……エクセルさんも不幸な目に遭ったのを忘れていました。
でもまぁ、あの人のことですから、すぐ立ち直ることでしょう、うん。

黄金暦91年 7月
今月もムカデでした。

バクフさんが未帰還となり、マリーシアさんが大破。
どちらも直接の面識はありませんが、片や酒場の英雄で牧本さんの大切な人、
片や神姫素体使用者として、ずっと気にかけていた方々でした。
マリーシアさんは一命を取り留めたものの、バクフさんは……。
その直後、牧本さんの姿も消えてしまったと聞きます。どこかで幸せになっていると、そう思いたいです。

黄金暦91年 8月
久しぶりにニッパーさんと同行。初めてオーガロードと交戦。
罠もなく、戦闘回数も少なめでしたが、貴重な戦闘データを得られました。
また、『極めて上質な護符』を入手しました。

先月までご一緒していたゼロさんが死亡……いえ、「引っ越し」されました。
ですが、きっとまた会えそうな気がします。
あと、エクセルさんが女性になっていました。ついでに増えてました。生きてるって何だろう。

黄金暦91年 9月
虎、リザードマンロードと初遭遇。オーガロードに続き、強敵でした。

酒場に戻った時、アーンヴァルさんがまだ戻ってきていないといううわさを聞きました。
私は装備を外すことも忘れ、その足、いえその翼でシィラさんのもとへ駆けつけ……
結果的に、それが幸いしました。
無惨な姿となったアーンヴァルさんを、全速力で床下へ搬送し、ポヘミアンさんの保護を受けることができたからです。

あの人には、クロコさんの救命やエクセルさんの捜索、アミィさんの件でも手を貸していただけました。
その時のお礼も、まだ私は直接言っていない。その前に先立たれては困るのです。
上記の件では、何の役にも立たなかった私ですが、今日、ようやくひとりを……
シィラさんも含めれば、ふたりを手助けすることができました。修復が終わる時が待ち遠しい。

その一方で、タネコさんが還らぬ人となってしまいました。
エクセルさん改めエイミィさんやオリオナエさんの捜索により、CSCのうち一基だけを回収。
交わした言葉は多くなかったけれど、タネコさんの笑顔は、私の記憶にしっかり焼きついています。
おやすみなさい、タネコ・ヨダンシンキさん。妹のように思っていた人。

黄金暦91年 10月
再びリザードマンロードと交戦。

心配とうれしさが一緒になった報らせ。
ポヘミアンさんが重傷を負ったものの、すぐに元気な姿を見せてくれました。
やはり床下は、あの人あってこそのもの。無事でよかった。

うれしい報らせがもうひとつ。マックスさんが太陽の力っぽい奇跡が起こって復活し、
再び冒険に出ることになりました。
(実はポヘミアンさんが前回新しい能力を手に入れた時、すでに実体化していたそうですが、
うかつにも今まで気がついていなかったなんて誰にも言えません……)
いきなりジョークでプロポーズされて狼狽したりもしましたが、以前と変わりない(外見はともかく)
その様子に、安心しました。今度はどうか大事がなければいいのですが。
あと、冗談を真に受ける悪い癖を直して、落ち着きましょう私。

最後のうれしい報らせ。先日、タネコさん捜索の際にオリオナエさんが発見した天使さんが、
無事目を覚まし、戻るべき場所へ帰ったそうです。どうか末永くお幸せに。

来月は寡黙なケモジさんと同行し、またリザードマン討伐です。
毎月のように神姫関係者の災難が続いていますし、自分の依頼も敵が手強くなってきています。
自分もいつ何があるかわかりません。それまでに、私はあとどれだけのことができるのでしょう……。

黄金暦91年 11月
リザードマンロード、リザードマンの精鋭、熟練のインプと交戦。
今回は運良く、自分が罠を見抜いて回避し、ロードにとどめを刺せました。
また、『インプ十体殺し』の称号を獲得。
それらの影響でしょうか、自分にしては珍しいくらい能力評価が上昇しました。

今月は幸いにして、神姫関係者に大きな被害はなかったようです。
来月は4日行程の人型討伐。最近、町から遠い依頼が増えてきました。
心してかからなければ。

[追記]
タネコさんの友人シュビース・ハーヴェストさんが、冒険者としてこの町にやって来ました。
彼女の義足を見た時は、思わず声が詰まりました。おとなしいかたですが、どこかあの人の面影を感じます。
それから、センターに新たに登録されたドッペル・ネイキッドさん
言語機能が不自由なようですが、悪い人ではなさそうです。
どちらのかたも、無事に生きてゆかれますように。私も微力ながら、その役に立てればと思います。

黄金暦91年 12月
人型の正体はオーガロードと精鋭でした。また、初めてスライムと遭遇。
罠を回避できた割に、いえ回避できたからなのでしょうか、
敵の強さとくらべて経験の蓄積は今ひとつでした。
次も確定でオーガ、現地までの距離から見て、おそらくロードクラスと推測できます。
このごろ、ボスの率いる手勢は一撃で倒せないことが多くなりました。
ランク名が同じでも、道中で出会う敵なら、逆に勢い余って2回攻撃してしまうくらいなのですが。
どうにも中途半端なので、今後の課題です。

しばらく前までが嘘のように、最近は神姫関係者が平穏無事です。
来年も、これが長く続いてくれるといいのですが。ともかく、これで91年も終わ……

……あ。
アルエさんの結婚式に着ていく服を買わなくては。
さすがに晴れの席に素体のまま出席というわけにはいかないですよね。
どんな服なら失礼にならないか、リサーチするところから始めましょう……。

[追記]
またやってしまいました……。

黄金暦92年 1月
推測どおり、オーガの精鋭とオーガロードでした。戦闘は2回のみで終了。
罠も回避できて安全ではあったものの、成長率はやはり低めでした。
来月は……
(「うさんくさい情報」「怪物討伐」と書かれた依頼書を、丸めてゴミ箱に放る)
毎年17歳になるというイノウエキクコさんと同行です。

先の一件で知り合ったモコマさん、このまえ挨拶をしたばかりのフライさんが亡くなられました。
やはり今年も、こうした悲しみとは縁が切れないようですね。

[追記]
ウィリアムさんの傭兵部隊の新年会にお呼ばれ。
今回はお酒を飲みませんでした。自分で自分をほめてあげたいです。
軍人さんと聞いて少し緊張していたのですが、皆さん気さくなかたばかりで、楽しい席でした。

黄金暦92年 2月
(92年8月 記す)
やむを得ない事情で、ここから数ヶ月間、留守がちになりました。
記録をつけている時間もなかったため、今まとめて追記しています。

この月はうさんくさい怪物討伐。イノウエキクコさんと再び同行。
超巨大ムカデと一度戦ったのみで終了でした。途中、自分が罠を3回発見することができ、
よりいっそう安全な道中だったと言えます。
確たる証拠はないのですが、『極めて上質な護符』を装備してからというもの、
罠を発見できることが多くなった気がします。
逆に、それまでの『ありふれた手袋』を外して以降、宝箱の鍵開け役が
私以外のメンバーに回るようになった気がします。
酒場で時おり話題になる「防具による能力補正」は、本当かもしれません。
『一山当てた』の称号を獲得。

黄金暦92年 3月
(92年8月 記す)
うさんくさい怪物討伐。狼、大蛇、ムカデと、例によってガッカリ依頼でした。
とはいえ、ムカデとの戦闘で、大きな損傷を受けてしまいました。
戦闘でこれほどの損傷は、いつ以来のことか、すぐには思い出せないくらい久しぶりです。
もはや単純な戦力としては敵ではないムカデであっても、油断は禁物ということを再認識しました。
『毛皮剥ぎ』の称号を獲得。

少しだけ時間が取れたので、自宅にしばし戻ってきました。
バレンタインの時期は過ぎていましたし、例年のようにたくさんのチョコを作る暇もなかったのですが、
ひとつぐらいなら何とか可能……。
そう思ったとき、真っ先に頭に浮かんだのは、マックスさんの顔でした。
冒険者に復帰した際に会って以降、マックスさんに関する処理優先度が高くなっていくことに、
このときは自分自身、戸惑いを覚えていました。
もっとも、マックスさんとリ・プラスさんが喜んでくださったことで、その困惑はしばし薄れていたのですが。

ちょうどアーンヴァルさんが、長い修復期から目覚めたと知りましたが、この時は立ち寄る時間もなかったため、
日を改めて訪問しました。今までずっと言えなかったことを、ようやく言えた……。
現在、再び冒険に出ていらっしゃいますが、シィラさんともう二度と別れることのないよう願っています。

その一方で、メルトーナ・イモゲナさんが還らぬ人となりました。
新年会で、月影さんとあんなに仲睦まじかったのに、それからわずかの間に……。
主のいない部屋に駆けつけても、何も言葉が出ぬまま、私は再び町を後にしました。
後日、やはり彼女はまだ戻ってきていないと聞きました。やりきれません……。

黄金暦92年 4月
(92年8月 記す)
起動から23年が経過。
人型の討伐で、ミイラと初めて遭遇。強さとしてはリザードマンと同じか、やや上くらいでしょうか。
罠にもかかりましたが、キンタロスさんらと力を合わせ、無事に依頼を達成できました。
『非常に上質なクロスボウ』を同行者に譲ってしまったことは、少し惜しかったかも。
……そう思っていた時期が、私にもありました。

再び一時帰宅。
ディノス先生トーコさんの結婚式にも出席できず、お祝いの言葉だけ述べてきました。
それと、アルエさんの結婚式で初めてご挨拶した張飛さんが、テトロンさんのもとに生還。
お友達から祝福という名のタコ殴りにあっていたので、思わず止めに入ったのですが、
ちょっと失言をしてしまいました。私ももう少し空気を読めるようになりたいです。
おかげで、後で冷やかされましたが、マックスさんの優しいところが見られたので、
結果オーライというやつでしょうか。

町を発つ前に、マックスさんらからお返しのキャンディーをいただきました。
マックスさんにつられて、つい「愛情を込めた」と口走ってしまいましたが、今にして思えば、
そう言ったとき初めて、私は自分の抱いていた感情に気がついたのだと思います。

慶事の一方、マオチャオナノダー・シンキさんとドッペル・ネイキッドさんが未帰還との報らせ。
無邪気で表情豊かな、頑張り屋のまおちゃおさん。彼女と話していると、自分まで明るい気持ちになれました。
きちんとした意思の疎通ができないままだったドッペルさん。彼女は私たちに何を伝えたかったのでしょう。



86年5月〜92年4月の総合データ
冒険回数:72回
※赤字部分は前回の集計以降に増加または獲得した分
獲得した財貨:321,555G相当(+100,216G)
獲得アイテム:ごくありふれたクロスボウ/上質なクロスボウ/ありふれた手袋
         /非常に出来の良いロングボウ/ありふれた指輪/とても出来の良い杖
         /極めて上質な護符 (獲得順)
        ※92年5月現在、「上質なクロスボウ」「極めて上質な護符」を装備中
獲得した称号:山岳の/駆け出しの/半人前の/弓術入門者/弓術初級者/一人前の
         /弓術中級者/弓術上級者/熟練の/懐が暖かい/練達の/小金持ちの
        /怪物ハンター/手練れの弓手/死体砕きの/コボルド二十体殺しの
        /インプ十体殺しの/一山当てた/毛皮剥ぎの (獲得順)
        ※92年5月現在、「怪物ハンター」を適用中

戦闘データ
戦闘回数:209回(+34回) 1依頼平均:2.902回
とどめを刺した敵の合計:136体(+18体)
※赤字部分は前回の集計以降に変化があったもの
ゴブリン12 コボルド20 オーク6 リザードマン14
下っ端ゴブリン1 コボルド5 オーク1 手練れのリザードマン3
ゴブリンの衛兵1 下っ端コボルド3 手練れのオーク3 熟練のリザードマン5
熟練のゴブリン9 手練れのコボルド3 オークの精鋭1 リザードマンの精鋭4
ゴブリンキング1 コボルドの衛兵1 オークロード1 リザードマンキャプテン1
熟練のコボルド3 リザードマンキング1
コボルドの精鋭4 リザードマンロード1
コボルドキング1
アンデッド24 狼・虎24 不定形7 インプ8
ゾンビ3 4 ブラックプディング4 インプ1
下っ端ゾンビ1 下っ端狼2 オーカーゼリー1 下っ端インプ1
手練れのゾンビ3 手練れの狼5 ウーズ1 手練れのインプ4
グール6 狼男5 スライム1 熟練のインプ2
下っ端グール7 熟練の狼男4
グールリーダー1 狼男の精鋭2
グールチーフ1 2
ミイラ2
オーガ7 トロル0 巨大8 その他6
手練れのオーガ4 巨大蟻5 大蝙蝠2
オーガの精鋭2 超巨大ムカデ1 大鼠2
オーガロード1 巨大トカゲ1 大蛇1
超巨大サソリ1 死霊1