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- 会合所
- ここが新しくなった修練会……建物もすっかり新しくなってるのに、随分と懐かしいな -- アレク
- まぁ、ここを放置してた僕が使うような権利はないけども。少し眺めていくぐらいならいいかな(目新しくも懐かしい会合所のそこここに視線を注ぎながら) -- アレク
- 新しい修練場、新しい顔触れ、何でも変わっていくものだ ……置いていかれたのは僕だけか(年を取った、とため息をつきつつも会合場の椅子に座る) -- アレク
- この修練会をリルカさんが見たらなんて言うかな…… わからないか(かつての修練会のまとめ役を思い返しつつ、立ち上がり会合所を出て道場へ) -- アレク
- 自己修練場
- 稽古用道場
- やはりこのあたりも違うといえば違うけど、雰囲気は懐かしいな(幾度となく同輩と競いあった道場に過去の思いを馳せる) -- アレク
- ふっ、はっ!(ミドル、ハイと二段蹴りを素振り)……ん、堪能させてもらったかな これ以上は今の人に邪魔になるかも知れないし、帰ろうか(ノスタルジーを満喫した所で踵を返し去っていった) -- アレク
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- 会合所
- さて、そろそろ稽古を付けてもらえるだろうかな…(木剣を手にとり眺め) -- リチャード
- 自己修練場
- 稽古用道場
- さて、丁度此方にお誂え向きの戦斧がある。両刃とも断ち切れはしないが、重量は結構なものだ。
正面から当たれば、骨の一本や二本は覚悟だね。(2mはあろうかという大男が担ぐ得物は、彼の体躯と比較しても、かなりの大きさ) (両肩に乗せながら、ゆらゆらと歩む) -- ジョージ
- いや、そこまでの膂力をお持ちとは思わなかったな…(上着とガンベルトを会合所に預けて木剣を手に)
…はて、修練会とはここまで気合が入った場所とは想定外…いや、今更いうのもなんだろう 一手ご指南頼もう(それらしい言葉とは裏腹に軽く剣を両手に握り向き合う) (威風堂々、気迫はない。黒板に書き写した要点をまとめながら相対する姿は戦闘の素人) -- リチャード
- 何、昔取った杵柄って奴さ。伊達でこのような体格をしている訳じゃあない。
頭は縁に良くぶつけるし、似合いの服を探すのも一苦労だよ。これぐらいの利点があっても良いだろう? (飄々とした佇まいで戦斧を長めに構えれば、尖端を掠らせるような間合いでそれを振るう) (風を切る音は鈍く、速い) -- ジョージ
- 確かに。武に携わらぬ者とは到底思えない。
まるでそのためにあるかのように見える…失礼だったかなこれは (円の軌道、ポイントを復習するがしかし。この体躯と長さに破砕を脳に刷り込ませるような音) (受ける、いや触れることもためらわれる。火に煽られるように飛びのく。攻めるには些か勇気も補う経験も足らない。まずは観察するしかない) -- リチャード
- (互いに交えるには遠い距離。容易く避けられるのは当然だ。人は危険より身を引く生物である)
(ならばその先を読むのもまた、容易いものだ。ジョージの姿勢は、既に前へ前へと踏み込んでいる) (癖のある長髪を振り乱しながら、先の一撃の遠心力に任せて、振り下ろされるは本命の一打) -- ジョージ
- (距離が縮まっていると気づいたのはジョージの体の線を縦になぞるように振り下ろされた一打が肩を掠めたとき)
(何よりも直撃を免れたのは振り下ろしが体の直立と同じ軌道をなぞるとの知識から) (傷つけるだけでいい。振り下ろされた戦斧を体の脇に、短く床をけり腕にめがけて横薙ぎに片手で木剣を振るった) -- リチャード
- (道場内に、乾いた音が一つ響く。その長い柄を引くことで、利き手を打ち据えようと鋭く伸びた木剣を、確かに防いだのだ)
……と、この様に相手も当然、自分の強み、弱み、双方に理解が及んでいる場合は、しっかりとした対策を打ってくる。 どのようにしたら自分は崩れ去るのか、逆説的に考えれば、自ずと選択するカードは少なくなる。 よく「型」という言葉を耳にするだろう?剣にしても、拳にしても。あれは、その最適回を身体に染み込ませる為に行うんだ。 一定以上の力を持ち得た者同士が行う戦闘は、更にその先を読み合う、言わば陣取り合戦のようなものになってね。 例えば、次に俺が選択する行動は。斧を用いた切り替えしか。それでは一拍遅れてしまう。読めていたなら、威力は重要じゃない。 一度斧から片手を離し、サイドキックなりで姿勢を崩しに掛かる。どのタイミングで直撃しても、必殺の一撃足りえるからね。 ではそれに対するリアクションは何を選択するべきか。斧も、大きな体躯を用いた一撃も、十分な距離があってこその技法。 速度のアドバンテージを生かすため、なるべくなら張り付きたい。ならば俺と同じく体術か。それでは威力は見込めない。 体格の差があり過ぎる。故にリーチの面でも恵まれない。ここでは、木剣による突きはどうか。 得物の長さにより、リーチで優位に立ち、鋭利な一刺しは、威力も十分。腕に決まれば、そう易々と戦斧は振るえない。 頭だけで考えるよりも、実際に身体を使ってみれば、直感的に浮かんでこないか? 俺はこの瞬間が、たまらなく好きだ。 (斧を杖代わりに、笑顔を交えながら講釈は続く) ……質問があれば、受け付けるよ。 -- ジョージ
- (しっかりと、しかし経験のなさでそこそこの力で握られていた木剣ははじかれて宙を舞う)
(からからと乾いた音が道場に響き) なるほど…つまり。戦いに大事なのは体の動かし方の最適回と強みと弱みの理解、許容、補助…そして相手の最適回の理解と諸々を読み取り予測すること… となるわけか。いやしかし言うほど簡単ではないなこれは… -- リチャード
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- 会合所
- 自己修練場
- (窓の外から舞い込んでくる桜の花びらを摘み)春だねー…… -- セリア
- ふむ、ふむふむ…なるほどな(カッと持ち込んだ黒板にチョークで書き込む)
【斧】 小型で片手で扱えるもの:ハンドアックス ハチェット 戦闘に特化したもの:バトルアックス トマホーク ハルバード フランキスカ か…つまり冒険で入手できる小型の斧は民家やきこり小屋からモンスターが奪った可能性が高いと -- リチャード
- (リチャードさんはいつも熱心だなぁと思いながら見ている) -- セリア
- では、大型の戦斧は?怪物が鍛冶をするとは思えませんが。 -- 茜
- いくつかあるがまず『怪物が鍛冶をすると思えない』というのには異を唱えたい。
彼らにも文明はあるだろうし、集落も存在するかもしれない。そこで製造したものを遺跡や洞窟、根城に持ち込んでいる可能性だって充分にある。 しかし現実的なのはやはり軍隊が使っていたものを拝借する可能性だ。戦場跡で廃棄されたものを持ってくる等だな。 これは近隣の村人も行うだろうがやはり彼らよりモンスター達のほうが力は強いため奪われる。 そこで出現被害が届き我々に討伐命令がくる…という感じか。他は商人を襲撃して得る。これは護衛依頼で我々に下されているな… (と黒板に書きとめたところで) つまるところ斧を使う人型の怪物相手にはどう戦うか?と聞きに来たわけなんだが… -- リチャード
- ……斧は攻撃のメインが振り下ろすと薙ぎ払うだから、その円の半径に入るように心がける?
こう、思いっきり懐に入る。(口をへの字に曲げて)勿論、相手の零距離に入ることになるケド… -- セリア
- 他の武器と比較して、重心が尖端に集中している、という特性が斧にはある。
遠心力を使って対象に叩き付けることにより、その打撃力を生かすための構造だね。 けれどそれには十分な膂力と、バランス感覚が必要とされる。武具の重量が増せば増す程、破壊力と共に比例する訳だ。 ならばバランスを司る足腰、もしくは武器をとり回すための手首、それも内側。このどちらかを狙えば良いんじゃないかな。 基本的に小回りが効く代物じゃあない。どうしても大振りにならざるを得ないから、自らの動きで視界が遮られることも多々ある。 そこを突けば、幾らか楽をできるんじゃないかな。どうだろう? -- ジョージ
- ふむ…つまりその斧の長さ自身と体がリーチとなる…いやどの武器にも言えることだが…
そこに遠心力、円形の軌道と銃身の刃の部分が攻撃の長となり…大きな動きであるため挙げられた体の点どれかを傷つければ戦力もそがれるはず…と(弧を描くように黒板に軌跡と体の点を描いてポイントも書き記す) あとは実技か…こればかりは相手をしてもらわないと見に付かないものだな -- リチャード
- 私は、斧の心得はあまり。セリアは? -- 茜
- ……実際に斧を使ってくるとなると結構限られてくるなぁ。
手斧を持ってるゴブリンと戦ったことはあるケド、かなり弱い種族だったし… -- セリア
- 私もほとんど使ったことないや。 -- セリア
- まあ、意外にも貴重なものだからねぇ。剣が支給されるのは、汎用性を考えればこそであるし、希望者自体が少ないだろうから。
どうだい、青年。付け焼き刃で良ければ付き合うよ。 -- ジョージ
- ではお言葉に甘えてその胸を貸していただこう。剣術もままならぬものだが、ご指導を
//日付変わっていたので打ち合いは明日の方にしていただきたく…申し訳ない -- リチャード
- 稽古用道場
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- 会合所
- 自己修練場
- ここが修練会かぁ………よし。(運動着のまま拳を握り) -- セリア
- (ゆっくりと準備運動をこなす)寒い分、しっかり体を温めておかないとね… -- セリア
- ……ん。そろそろはじめようかな。(構えを取り、握っていた拳から力を抜く)…はっ!(正拳突き)
しゅっ(下腹部からの呼吸と共に上段蹴り)は……!(中段の掌底打ち) -- セリア
- せっ!(くるりと回って真横に回転蹴り、途中で軌道を下段に変えて)
うーん……こうかな!(感覚を確かめるようにもう一度同じ軌道で回し蹴り) -- セリア
- 精が出ますね。成る程、セリアは武術家でしたか……。あれ、所属はM科では? -- 茜
- ああ、茜。(両腕を軽く振り)うん、M科だよ。(素早く右の貫手を振り抜くとその軌道を炎が走り)
……こんな風に、魔術と格闘術の組み合わせが私の戦闘スタイルなの。 -- セリア
- ああ、これが……。(以前、師の講義で受けた通りのタイプだと、一人納得した)
くれぐれも、道場は焼かないようにお願いしますね。再建には苦労したのですから。(冗談めかして) -- 茜
- あはは、大丈夫。火の始末はきちんとするよ。私もせっかく入った修練会で火事を起こしたくないしね?
(その場で足刀蹴りを放ち、足払いと連動して)疾ッ!(炎を伴う拳、アッパー気味の軌道で空を裂き) …強くなりたい。(拳を強く握り)まだまだ足りないね! -- セリア
- 稽古用道場
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- 会合所
- さて、今日は無手における戦闘について話そうか。「剣道三倍段」という言葉を知っているかい? -- ジョージ
- 剣を前にする場合、段にして三倍程度の腕前が無いと、話にならないという……?
どうでしょう、私には……段という言葉自体が曖昧で、本当に存在するのか……。 -- 茜
- そう、曖昧なんだ。要するに例え話だね。この場合は、段数は重要では無く、両者の間にある、埋められない程の差。
それを表現している言葉だ。俺が思うに、3倍どころの話では無いと思うよ。突き付けられた剣を前にして、人は殆どの場合、無力だ。 突く、殴る、蹴る、打つ……これらの行為は、全て人の体で行われる。刃を引けば血が流れるし、弱点そのものと言っていい。 何より、リーチの差。まず先手は望めない……では、利点は何処か? -- ジョージ
- 利点……難しい問いかけです、師父。そうですね……まず、得物を持つ必要が無いのでは。重量に囚われる事が無いのは、利点です。
それに、警戒される事が無いのは……大きいと思います。 -- 茜
- だけどそれは、大きな欠点にも繋がるね。武器が持つ威圧感は、時として刃を交える事無く、持ち主に勝利を齎してくれる。
仰々しい甲冑なんかもそうだねぇ……何も持たない人間には、それらのアドバンテージが薄いんだ。余程の大男じゃないと。 俺のデカい図体は、そういった意味じゃ役に立つモノだよ。他には? -- ジョージ
- 欠点にも繋がる……ならば、欠点も、利点に繋がるのでは……?例えば、リーチの差ですが、内に入り込めば大きな利点となります。
何故ならば、剣や槍等は往々にして、大きな予備動作が生じます。故に、この差はリーチの差を補って余りある物と判断しました。 ……如何でしょうか、師父。 -- 茜
- ご明察。だから洞窟や廃虚なんかの狭くて、足場の悪いところは、無手の方が滅法強い。
武器を持ちながらでも殴る蹴るは可能だけれど、どうしても重心がそちらに引っ張られるからね。 まそこを上手く処理するのが、俗に言う達人だ。 -- ジョージ
- じゃあ、開所はどうするのか。上記の利点じゃ、欠点を覆すのは、容易じゃあない。とてもじゃないが、難題だ。
その不可能を可能にする為に、格闘家の多くは、様々な方法を取り入れているんだよ。 -- ジョージ
- 武器を前にして、武器と対等に戦う方法……? 頓知は、どうも苦手です。 -- 茜
- 簡単さ。その身を武器にすればいい。魔力、気力、人の身体に流れる不思議な力は、使い様によっては、様々な効果を齎す。
補助に特化した魔術大系を用いればそれは容易いだろうし、基礎さえできれば、意外と見様見真似でも何とかなるもんさ。 君のクラスは……S科だっけね。M科なら、利用者がいるかもしれないよ。 -- ジョージ
- 他科とはあまり交流がありませんから……クラスメイトとも、ですけれど。(何処か影のある反応)
……そんなことは置いておくとして、具体的には、どういった補助魔術があるのですか。 武器、と言うと硬化……若しくは、俊敏化辺りでしょうか。授業で習ったような、気がします。 -- 茜
- やれやれ……友達作りの方法なんて、俺の専門外なんだけどね。まあいいさ、この話はゆっくりしよう。
戻りまして、補助魔術だ。君の言う通り、その辺が恐らく最も、オーソドックスな術式だろう。 どちらも簡略化され、永続的に使用できるのが利点だ。それ故に、消耗し続けるという欠点もある。 咄嗟に切り替えるには、魔術方面での技術と、センスが必要になってくる。あちらを立てればこちらが立たず、だね。 だから一般的な戦士は、あまり補助魔術を使わない。勿論、中には自己強化を施して、獅子の如く立ち回る戦士もいるが。 まあ、例外中の例外だと思って良い。余裕があれば、此方の方面も学んでいくと良いかもしれないね。 -- ジョージ
- 当然、魔術に頼らない方法もある。俺や君のように、前衛を張る戦士のように、呼吸と身のこなしだけで、立ち回る者達もいるんだ。
東洋の武術で言うところの「剄」を用いる場合は、この手合いが多いな。前者よりも、遥かに難易度が高く技術が要求される。 狂気の沙汰とも。それ故に、対峙した場合の恐ろしさは、筆舌に尽くし難い。単純な打撃力に加えて、何と説明したらいいかな……。 波動、精神の爆発、どれもしっくり来ないが……魔術的な衝撃波のようなもの、と捉えてくれれば間違いは無い。 なるべく、距離を取って相手取ることをオススメするよ。さて、今回は以上。 -- ジョージ
- はい、ありがとうございました。(一礼をし、ジョージが去るのを待って、筆記用具の片付けに入る)
「剄」か。私にも使えるだろうか……お父さん、教えてくれなかったな。(溜息交じり、快晴の空を見上げた) -- 茜
- 自己修練場
- 稽古用道場
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- 六日目
- 壁面は全行程の7割を消化したところ。最初の男を中心に、様々な職種、性別、種族、数多の人間が入り乱れている。
当然、この街の風物詩、若かりし冒険者の姿も垣間見ることができた。 --
- 最初は店の修理のために修繕技術を習う目的で手伝いに参加していた。
手伝いという名目なら修繕などしたことがない自分でもその技術を見て実際に体験することができる。 しかし今はこの施設がどういうものか知った上で参加している。戦う技術を習う場所、そこがこの場所らしい。 最低限の大工仕事は覚えたので炊き出しで手伝うことにした。メニューは3つ、ビールが加わるのは修繕が終わってからだろう。 -- リチャード
- 彼女もまた、一人の冒険者。それも駆け出し。自身、名乗るのもおこがましいと思っている程に、腕が無い。
最初の男はきっと、目的があってこその行為に及んでいるのだろうと、勝手に推測をし、末端に加わった。 決して同情からではない。師と呼べる人物を探して、彼女はここにいるのだから。 持ち前の怪力を生かし、重い資材を運び込む。その都度周りからは歓声があがり、彼女は恥ずかしげに会釈で返す。 流れる汗は、眼差しは、最初の男に届いているのだろうか。 -- 茜
- 男は、懸命に働いた。寄せられる声、力、期待、それらに後押しされる形で、集まった人々を引く。
人々もまた、彼の熱意に当てられて、作業は怒涛の如き勢いで進められていった。 この日集まったのは、述べ五十人は越えているだろうか。夕焼けが沈む頃には、残すところは屋根だけとなった。 各々の瞳には、辿り着くべき光景が、既に映りこんでいる。 --
- 七日目 --
- 大工だと名乗る青年が、屋根を次々に打ち替える。その手際の良さは、先の建築業を営む二人組さえ、息を呑んだ。
その下では、リチャードを中心に、女学生諸君が昼仕度に追われていた。慌しくも可憐な姿。何と微笑ましい光景か。 隣では、自称写真家が、ファインダー越しに眺めている。 --
- 家に帰ってからも食堂の修理をしていたためか大工作業が身に付くのも早かった。
しかしそれを上回るほど目まぐるしく変わる昼支度に駆り出されたか、やる流れになっていたのか。 女学生や参加した近所のご婦人らの手際を見習い調理に専念する。難しい料理などない。 簡単なものばかりだ。だが今日の昼はとかくうまいはずであろうことが伝わってくる。 -- リチャード
- 廃材の運び出しを終えて再び戻れば、一層賑やかな風景が広がっていた。それはまるで、映画のワンシーン。
集った面々の表情は活き活きと、生の輝きに満ちている。きっと父も、母も、こうして生きていたのだろうか。 それが嬉しくて、嬉しくて、不意に顔を綻ばせた。彼女の心中に灯る想いは、数知れない。 次に任された大役は、昼食の味見係。おたまを握り、熱心な目でその行為を見つめる銀髪の老女。 茜が頷けば満足そうに、隣に佇む、恰幅の良い女性の、背中を思い切り叩いた。きっと彼女らは親子なのだろう。 女性陣に混じり腕を振るうリチャードに気付き、視線を交わす。彼もまた、自分の同じ冒険者。 抱いた親近感をそのままに、そっと微笑みかけた。まるで、映画のワンシーン。 -- 茜
- 八日目 --
- 修練所 携帯でコメントページを編集すると容量の関係で内容が失われてしまう事があります
- 一日目
- 嘗て賑わった道場も、長らく利用されなければ朽ちてゆくもの。
木で作られていた床、壁等は所々剥がれ落ち、腐食していた箇所は虫が巣食っていた。 庭先には雑草が生え渡り、人の侵入を拒んでいるかのようにも見える。 そこに立ち入る男、一人。 --
- 2メートルはあろうかという巨漢を揺らしながら、敷地内へと踏み入った。
肩には鎌、木槌、様々な道具が敷き詰められた、工具箱等が下げられている。 まずは、と生い茂る緑の束を、次々に伐採し、積み上げていった。 炎天下、残暑の日差しは未だ強い。 --
- 日暮れ。宵の闇。時間は緩やかに過ぎ、建物を覆っていた草花は、取り除かれ、隅へと追い遣られている。
まだ枯れずに残っていた井戸水を汲み上げ、全身へと浴びる。地下水はこの季節だというのに冷たく、心地良い。 また明日からの作業を練り上げるため、宿へと戻っていった。 --
- 二日目 --
- 建物の補修に取り掛かる。木造の関係上、老朽化著しく、腐食も激しいため、その殆どを引き剥がすこととなった。
槌で木の板を叩き割り、次々に取り壊す。姿を現した柱に手をつけ、隅々まで調べ上げる。激しい損耗は見当たらない。 どの柱も、先のように大きな問題が確認されることはなかった。軽い補修を施すだけで済んだのは、幸いである。 打ち潰した廃材は、雑草の束に寄り掛けるようにして安置され、処分の時を待つ。 --
- 三日目 --
- 剥がした箇所を、真新しい木材で張り合わせてゆく。部位によっては細やかな切断、調整も必要で、この作業が一番時間を貪った。
壁が終われば床。床が終われば天井と、少しずつだが、確かな仕事をしてゆく。 --
- 四日目 --
- 張り替え作業は、漸く全体の半分が済んだところ。窓枠を作り直し、ある程度の形が出来上がってきた。
先立って完成した縁側で、一人秋刀魚を焼く。芳しい香りに誘われたのか、近所の野良猫共が集まってきた。 これには大男もたじたじで、折角用意した大半を、食べられてしまう。 --
- 悲しみのあまり、それからあまり作業が進まなかった。早々に切り上げる。 --
- 五日目 --
- これだけの突貫作業。噂にならぬはずも無い。人から人に話は流れ、見物客が顔を覗かせるようになった。
金槌を握る手にも熱が入り、否応にも心が熱くなるというものだ。 --
- 野次馬にも、男の作業に興味を持ち、やがて手伝いをする人間が現れた。最初は一人二人。
彼らは共に建築業を営んでおり、単身この難物に挑みかかる姿勢に心を動かされたという。 釣られるようにして、地元の少年。友人等を引き連れ、作業を賑やかした。 こうして始めは孤独だった戦いも、何時しか大きな群れを形成するにまで至る。 --
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