黄金暦142年6月(11/21) †
戦闘(サエ、ライダーvsアダム、セイバー) †
- 廃線の森・アゲイン --
- ヤ、というわけで今回は別ルートからですな、探りに来たわけで
(鬼門七鍵守護神・処住の、テント大の装甲に包まれつつ進む 急な襲撃に警戒してのことだが、小回りは効きづらい) -- ライダー
- 必ず・・・見つけ出す・・・・・・(気を引き締め、厳しい顔つきで進む)
(彼女に出来る最大限周囲に気を配っている) -- 莢
- しかしですな莢君。その、窓を占拠されますと操者たるワタクシに外が見えないわけでありまして
(ずずん、木に脚を取られ巨体が転ぶ) -- ライダー
- ・・・・・そういうこ・・・(とは早く言え、という前に転がる巨体、そしてその中で翻弄される子猫) -- 莢
- …とまあ、妖怪というのもまた一長一短ありましてナ…
ましてや人為的に再現したものであれば。幾ら名工カラクラの作といいましてもうんぬんかんぬん(転がる中、猫に蹴られながらも処住を立てなおすと解説病が始まった、隣の小窓から外を見るしか無さそうである) -- ライダー
- うるさい(げし)・・・いいから(げしげし)・・・早く何とか(げしげしげし)・・・しろ・・・
(漸く立て直ると窓から離れ)つまり・・・おまえしか外が見えない・・・ 不便だ。 この音を聞きつけて・・・出て来たらいいが・・・・ -- 莢
- 静寂に満ちた森、転倒の音が響けば…聞き覚えのある硬質な音もまた響き…
森の陰達が蠢き始める --
- っとと、早速出てきましたな…木偶、地形に住む者を動かしている…?
……本体、が居ない限りは 定置型の行動原理として順当なのは「追い返す」ですかな…(音の鳴る方へ舵を切り) -- ライダー
- また・・・あの音、出てきたか 耳障りだ・・・・・・・・!
私には・・・この術の原理が分からん・・・ 追い返すとは、どういうことだ・・・ -- 莢
- 要するにですな、自身の意思を拡散、あるいは定着させる。「目的に沿う機構」として分離するのですな
デ、どうやらこの森には彼等の大事なものがあるらしい。ならば、入られたくない。我等のような明確な敵ならば尚更ですな。しかし 単なる散歩に訪れた老人などを急に襲うなどして目立てば…逆に不利。この広い森をカバーするにはあまり細かい識別能力を持たせることもキツいと見まして。 通常ならば、脅威を感じない限りは…追い返す方向で動いているのではないかと -- ライダー
- 音鳴る方へと向かえば行く手を妨げるように起き上がった木々の影達…以前見た事のあるあれだ --
- ふむ・・・つまり・・・この近くに奴らの拠点があるが故・・・立ち入られたくない、しかし目立ちたくも無い・・・だから「追い返す」か・・・(子供向けの魔法基礎で居眠りしていた時とは打って変わって。 すとんと理解したようだ)
ここらの影の相手をしても・・・きりが無い・・・・・・・ 突っ切れるか・・・? -- 莢
- ヤ、理解が早くてよろしい 出来ればですな、普段ももう少し…(しかし、「あの」セイバーが真っ当な手を打つだろうか?だが現に今そうなっていると見られる)
やってみましょう。エ、ほっぷすてっぷ(軽快に跳ねる巨体、影に真っ向から踊りこむ) -- ライダー
- 奇怪な光景、只の人がみればそれだけでその場を後ろにするであろうが…
更に近付き駆け抜けんとする二人に対し、影は小さく身を縮めて、至近距離で爆ぜた!礫の如く降り注ぐ黒 --
- (小言は耳に入らない それでも影が爆ぜる音は聞こえる)・・・なんだ・・・!?
(小窓を譲ったので音しか聞こえず、余計に不安は煽られる) -- 莢
- 頑張れ、頑張れ処住〜(どうやら乗機の選択は正しかったようだ…地雷原を駆け抜けるように、樽に手足が生えたような材木要塞は進む)
やったったった?!しかし…はやいところ、抜けないとまずいかもしれませんな(揺れる室内。) -- ライダー
- 爆ぜた影は瘴気を撒き散らし、辺りを蝕んでいく…
行く手を阻むは爆ぜる影ばかりではない、進むにつれてその激しさを増し、一層陰湿なものとなってくる… --
- ヤ、成る程…物理的な障壁だけでなく環境的なものも?
莢君、少々空気が悪いゆえ外での派手な立ち回りは出来ぬものと心得ましょう。こいつの装甲が頼りですな ……恐らく、棲み処付近まで抜ければ…(未だに姿を顕さないのは不可解ではあるが進む、進む この激しさならば行く手には必ず敵が居る) -- ライダー
- (不浄な空気は小さな身体を苛む)・・・・・・・・・・・・ 私にも、わかる。 気持ち悪い・・・
はやく・・・抜けろ・・・・・・(揺れに堪えながらも身を縮こませる) -- 莢
- 辺りは罠罠罠罠……さながらキャスターの陣地の如く。
攻撃、障害多岐に渡り、堪え忍ぶ二人に襲い掛かる…だが 進み続ければやがては森の切れ目が見えてくるだろう --
- ヤハハ、コリャちょっと予想外でしたな…!(剣林弾雨をひた走り 森の地獄を潜り抜け)
しかし何故・・・?ここまで、仕掛けてくる気配は無し(光が見える、突っ切りはしてもやはり被害の少ない方へ 誘導されるかのように) ッ!変殻…ッ(装甲が維持できない より剛性を上げ、天幕を絞った「椎蜘蛛」にやむなく変形、ギリギリで森を抜ける) -- ライダー
- (森を抜けることに必死でそこにどんな思惑が隠されているかなどと考えている様子はない)
抜けた・・・か・・・・? -- 莢
- 森を抜けると其処には咲き誇る花々…遠方に見えるのは大邸宅、あまりにも広大だが此処は庭、だったのだろうか
視界に入る人影… --
- どうやら。(展開された蜘蛛は鞘に戻る、少女を肩に乗せ降り立つそこは花畑)
…どうやら、アタリ、のようですが…サテ(人影は何者か 誰何の声は無くとも、味方で無いことは間違いない) -- ライダー
- (ぐったりしていたのも束の間、すぐに顔を上げて人影を睨みつける)
(確証は無いが予感がする きっとあの影は…………) -- 莢
黄金暦142年7月(11/22) †
戦闘(サエ、ライダーvsアダム、セイバー) †
- 百合の館・メルキオール --
- (二人の目の前に現れたのは、邸宅を背に佇む青年。現れた闖入者には何の感慨も抱いていない様子で、ただ視線を返している)
ようこそ、我が居城へ。 -- アダム?
- バカな…マスター、では?!(誘い込まれた、という可能性に行き当たる ならば、敵は此処で決着をつけるつもりだ―!)
莢君、十分警戒を…(言ったところで、完全に対策を講じられた敵地である 何より未だ姿を現さぬ「剣士」と、渡り合うには少女に敵マスターを任せる他はない 完全に失策だった -- ライダー
- おまえが・・・・っ おまえがマスターか!!(声を荒げ言い放つ)
(憎しみを語るのは言葉ではなく… ライダーの心配も他所にアダムへと駆け寄る 大きく拳を振り上げて) -- 莢
- セイバー、サーヴァント同士、任せたぞ。俺はマスターを潰す。
(控えさせた従者を呼び出す合図だ。月夜が静寂に映える闇の中、二人の影が交わろうと) 悪いが、動物愛護の精神は持ち合わせていないんでね。 (既に、魔術は発動している。莢の拳の先には、魔力によって形成された大型の球体があった) -- アダム?
- ニンゲンに・・・庇護される程落ちぶれていない・・・っ!(大口を叩くも向かう先には如何にもな魔法が発動している)
(小さく舌打ちをすると 魔法球体に突っ込むまいと軌道を逸らす 拳を地面に叩きつけるように力をかけ、球体の下へと潜り込もうとする) -- 莢
- ならば路傍の捨石となるか、野良猫。
(球体の反応は早い。莢を察知しているかのように、正確に下段へと起動を変える) どうした? 魔術を行使しないのか? -- アダム?
- (アダムの言葉に耳を伏せ、牙を顕わにする)いつの世も・・・ニンゲンは口が達者なことだ・・・
・・・・・・・・!!(動きが予知されている…避け切れない、接触する!) (猫が魔術による防御をする気配は無く、驚くほど無防備だ) -- 莢
- 人間には言語という知恵があるのさ。そうしなければ、生存できなかった。
(肉体との接触と共に、球体が小規模な爆発を起こす。猫の肉体が、硝煙に包まれて) まさか、こんなものではないだろう? -- アダム?
- (硝煙の中からやや焦げた巫女装束の猫が姿を現す まともに食らったのにあの程度の被害。 魔術ではない、だが、彼女が何者かに守護されているのは明らかだろう)
(爆風に煽られ、されどしっかりとした足で着地)やれ言語やれ知恵と言いながら・・・最終的には愚かな手段しか取らぬのがニンゲンだ どこまで・・・驕り高ぶれば気が済む?(言い終わるのを合図に、再びアダムへと駆け寄る) -- 莢
- 直撃させた、と思ったが。
(やはり何らかの策を講じている。魔術を使用しない、その上で丸腰だとは到底考えられない) 化物とコミュニケーションが必要か? 化物は人間に倒される、それが定めだ。 (魔術の効果が薄いのならば、物理的な衝撃ではどうか。莢の周囲に、何らかの気配が現れ始める) -- アダム?
- ・・・私を化け物と呼ぶのか? おまえたちが?? 滑稽だ、実に滑稽だ! おまえらが心に飼っているモノの方がよほど化け物だというのに
(周囲の気配は気になる それでも自分がやるべき事は目の前の敵を倒す、ただそれだけだ) (駆け寄った勢いを殺さずそのまま蹴りかかる) -- 莢
- (一つ、二つ、気配は増えてゆく。莢が攻撃に移る際には、その数実に九)
かも、しれないな。 (自嘲か、散りゆく者への惜別か。言葉を終えた後には、気配は正体を表していた。かつて神話の時代より語り継がれし、死者の魂をヴァルハラへと運ぶ御使い、冠された名はワルキューレ。九人の戦乙女が、莢を取り囲んでいる!) バイバイ、ジプシーキャット。 (一斉に下される、九本の剣による審判!) -- アダム?
- (捉えた、と思った刹那━━━)
(先行く右足に刃が触れる)く…ぁ……っ!? (痛みに怯む隙も無い、降り注ぐ刃の的となり一身に受ける) (貫かれるは右肩、左腿、右手甲、左腕…何処もかしこからも鮮血が溢れる) (最も朱が鮮やかなのは…腹、深々と貫かれている) -- 莢
- よくやった。
(目的の達成を確認すると、瞬時に消える九つの影) 俺の魂を喰わせた使い魔だ。セイバーの他に、サーヴァントが九体いると考えてもらっていい。 必殺の切り札故に使い惜しんでいたが……もう見ることもないだろう。それほど血を失っては、な。 -- アダム?
- ・・・・っ!!(影が消えると同時に地へと落ちて 周囲へ血溜りを作る)
(切り札、そんなものがあればもっと戦えたのに。 情けない、器として…天満の器として余りにも情けない) (目の前のニンゲンに一撃も入れることが出来ないなんて) (込み上げる赤が邪魔をして言葉を発することが出来ない、しかし目だけは輝きを失わず アダムを睨みつけている) -- 莢
- (莢へと近づき、靴裏で髪を踏みつける。いかなる手段の反撃を受けないとの確信があった。隠し玉が存在するなら、此処まで自分を追い込む必要があるのか?)
どんな気分だ? 最も、声を出してしまってはまた傷口が開くぞ。 (更に、足に力を込めて) 髄分と、お前のサーヴァントは薄情だな。マスターが死んでは現界が不可能だというのに。 -- アダム?
- (朱に染まる銀糸、踏みつけられてざりりと悲鳴を上げた)
・・・がっ はぁ、げほっっ(血を出来る限り吐き出し) 踏む、な・・・・!! あいつは・・・こなくて当然、セイバーを仕留めず・・・・・・ ぐ・・・っ 来たら、殺す・・・・・・・・・ (常人よりはいくらか丈夫とはいえ、鮮血は止まらない それでも助けを呼ばないのは虚勢か、信頼か。) -- 莢
- (素直に、足を退かせた。嗜虐嗜好はないし、情報を引き出す理由も、興味もない。ないない尽くしだ。そう、自分にとって目の前の小動物は、既に終わっている)
死ね。 (その単語だけでことは足りる。ごく短く告げ、発露した魔力を莢の頭蓋へと押し付けた) -- アダム?
- (眩しい… 目の前の、命の灯火を消そうとしている魔力さえその明るさ程度しか分からない)
(視界はそれほどに翳み、音は聞こえず、静かだ 眩暈が酷く、意識が遠のき、猫はひっそりと目を閉じた) (………なのに音が聞こえる 内から響く鈴の音) (思い出せ、莢(器)の意味 発現せよ、そのチカラ おまえにはもう二度と、踏み躙られぬ様に与えられたチカラがある………)
(猫は 今一度 瞳を 開けた) ひと!(透る声 それは対する魔力を打ち消す声) (アダムが発露させた魔力を瞬時に相殺し、猫の身体は宙へと舞う) -- 莢
- 何っ!?
(詰め、だと確信していた。目の前の獣に余力はないと。それどころか先程まで零に近かった魔力を、何故大量に感じる?) 貫け、Slave! (再度九つの人型が現界し、莢へと飛来する。自分は比嘉の戦力差を誤ってはいない。上にいるのは、自分だ!) -- アダム?
- ふた!(紡ぐ毎に跳ね上がるナニカ)
(それは朱に染まった銀糸を靡かせ 宙で哂う) 芸が少ないな・・・・・・(囁く声、表情、全てがアダムを見下し嘲笑う) (一度目と同じように避ける素振りは無い、しかし一度目と違う余裕がそこには在った) -- 莢
- (何かがおかしい。自分は誰を相手にしているのだ? 半死半生だった化け猫は、何処へ追いやられた?)
畜生の分際で、ほざくな! (収束した人影たちは、主の命の元、莢を貫こうとする!) -- アダム?
- (声を荒げるアダムを見下しながら、哂う 哂う)
(ひらりと右手を前に一本 流れる動きで左足を下げ二本 舞うように優雅に刃を受け流す 依然として滴る赤をも小道具として利用し舞い終わる頃には九本の刃を流していた) ・・・・・・終わりか・・・・・・・・?(くすくす、口元を歪めて) -- 莢
- (攻撃をいなされた戦乙女たちは役目を負え、消える。召還術は乱発が効く魔術ではなく、この戦いで助力は期待できない)
爆ぜろっ! (莢を目掛けて無数の弾丸が舞う。飛んだのは、戦いの最初に使われた魔力の球体。少々形が小ぶりにはなったが、それだけ魔力を凝縮してある) -- アダム?
- (何時ものように怒りで魔力を暴走させているわけではないため、怪我による出血以外の出血はない それどころか徐々に治癒しているようにさえ見える)
可愛らしい・・・鞠だ・・・・・・(飛来する球体を爪で一突き) (触れれば爆ぜる筈の魔法球を、遊ぶように宙に打ち上げる) (無論弾丸の多くは莢に到達し予定通り爆ぜたが…着物さえ焦げることなく平然と遊び続ける)効かぬと・・・知っているのに何故使う・・・? まさか・・・他に術が無いのか・・・・?(くすくす くすくす笑い声は止まらない) -- 莢
- (―適わない。決断は早かった。現在自分が行える最上の選択は、消耗を最小限に抑えこの場から撤退すること)
アダム・アウエルンハンマーがセイバーに命ずる! 俺を守れ! (手の甲に刻まれた紋様が輝き、絶対遵守の命令、令呪が行使された!) -- アダム?
- おやおや・・・・・・・存外、潔い・・・ もっと醜く喚くと思っていた・・・・・
(靡く髪をかき上げる 彼女の後ろ、髪に隠された部分から溢れる魔力、光 令呪の発動)ライダー、セイバーを倒せ (冷淡に冷酷に 獲物は逃がさない 淡々と告げた) -- 莢
- (令呪の発動、ライダーと対面していた女の虚影が掻き消え、主の影から姿を見せる)
(もはや影で作っていた傀儡すら解き、影の世界から姿を見せるは義足の女) -- 剣士?
- 承服(言葉は飾らない。心は迷わない。絶対のシステムがそれに必要な要素全てを揃えそれを行わせる。主義主張を全て覆し、ただそれに至る手段と化す)
万物流転共鳴相似(先に主の下へ辿り着いたセイバー、その振るう一撃を捉え折る、そこまでは変わらず) ―二重破剣(しかし、そこからは違う。折った刃を砕かずに、返す刀は鞘を開き 打ち込まれた、寸分違わぬ致命の一撃を剣士自身へ向かう刃とする!) -- ライダー
- (最早猶予はない。セイバーが押されている、つまり、敵の魔力量は自分より上だ。が、セイバーは役目を果たした。そう、自分の魔力が練られる時間稼ぎを)
退くぞ、セイバー! (淡い発光に包まれ、アダムとセイバーの姿はその場から消えようとして) -- アダム?
- (近接する気配、牽制に振るう黒い薄刃、捉られ折られる…だが、砕いては攻手にはならない)
(故に砕かず返してくる、其処までは予測の範疇) (事前に読めているならば必殺の返しも十分に避け、反撃に移れる…) (だが、女は致命的なまでに不幸…その背後には主の姿、避ける事は即ち…)
…(躊躇いなく、その黒刃を自らの身で受けとめる…主を守れ…その令は今もなお続いているが故に) -- 剣士?
- ヤ、デハまた来世…旋風君(普段のひょうげた言葉が入り込む余地は無い。ただその最期を無言に葬送するはずである、令呪の力―への、ささやかな抵抗を言葉へ乗せて見送った) -- ライダー
- 足止め、よくやった(舌なめずり その言葉は賛辞であるはずなのに禍々しい)
逃がしはしない、おまが・・・侮り、詰ったバケモノに・・・ 惨めに、無様に敗れるがいい (愉しそうに瞳孔を細め、祝詞も無しに行使するは天満のチカラの一部) (九本の眩い槍が莢を中心に輪を描くように音も無く現れ、アダムと…ライダーの刃を一身に受けるセイバー目掛けて一斉に突き出される) (それらは目標に近付くにつれ収束し、やがては一本の巨大な…天より降る槍として二人を貫かんとする!) -- 莢
- (足先から、腰が、胸腹から肩まで、転移の魔術が行使されようとしていた。が、暴虐の君は最高の舞台からの退場を許さない)
―――っ! (末期の言葉を発する暇も、走馬灯すらも許さず。ただ無慈悲に、人間の四肢は槍によって引き裂かれた) -- アダム?
- おさらばで、ありますよ…先生…(口元から血を溢しながら気弱げな笑み)
(死に体の身で主を逃がそうとその手を伸ばすが…閃光が全てを呑み込んだ)
(影は過ぎ去り、光は残る…) -- 剣士?
- あとは高笑い。影も瞳も光も人も、全て消え去り獣じみた叫声が響くのみ
…これが、二つ目の終わり。かくも不条理な戦争を闘った剣士と術者の、凄惨な幕切れだった 巡る、巡る 舞台が巡る。次の戦場を、次の敗残を、次の勝利を求めて聖杯に張られた銀盤は廻る― --
- …御意に。(ライダーの後方、影から姿を見せる女)
(カツンとあの硬質な音が響く) -- 剣士?
- 莢君?!(甘く見ていた、社を壊した敵への憎悪。最早交戦状態、しかも)
ええい!(早速現れた影 音もなく背後をとる「剣士」 いやさ、「忍者」というべきか 損傷により鞘の動作は不全、変形の幾つかが使えぬ有様だがやるしかない) エ、暫くぶりで(だが声はあくまで講談調 間断なく構える間も尽きない矜持) -- ライダー
- 折角お越しいただいたのでありますから、目一杯歓待するでありますよ
準備の時間は存分に頂いたでありますし (微笑と共に響き渡る轟音、影の巨人の姿が…二つ) -- 剣士?
- マ……そうでしょうな、本日この日の晴れ舞台(傀儡に手間取っている暇はない、魔術師と猫の戦力差は歴然だ)
大入り満員、然して要らず!(跳ねる!殴りかかる巨人の片方を呑み込まんと機功鞘が唸る!今宵の観客は、一人) -- ライダー
- (殴りかかる一方に対し、鞘で呑み込まんとすればもう一方は接近)
(その動きは以前見た大樹の影を思うと軽快…その身を歪ませ逆に男を飲み込まんと影の顎門を広げる) (剣士は動かず…いや、動けないのか?…微笑と共に眺めていた) -- 剣士?
- 彌屡屠因(ばきばきばきり、指の一本を残して鞘に呑み込まれる巨人。破砕、破滅の音が鳴り…そこでもう一方に捕らえられ)
とっとっと、ええい囮には見えぬ!(閉じられんとする顎に、つっかえ棒で止めるも口中。みしりと加わる力に絶体絶命だが、だがしかし) その牙、顎、武にして兵力!(認識は済んだ。ならば折るべきモノが…目の前には三十六歯二対で七十二、顎を合わせて七十四!蠢く、奈落の口金) -- ライダー
- いやはや、不定形でもへし折れるでありますな(拍手喝采、鳴り止まぬ硬質な音)
(顎門から漏れ出した瘴気が跡には残される) -- 剣士?
- ぐぇっふげっふ、ヤ、単位時間内に微積分でどうにかなるものですな まこと世の理というのはいい加減ですな
(くるくるすたん、老衰前に入れ歯必須となった巨人の口中から抜け出して 貴方へ駆ける、歌舞伎武者 次の得物は上下左右、どちらから来るものか 鞘を走らせ折ってくれよう、掠る地面に火花が散る) -- ライダー
- (ライダーへの魔力供給が著しく減る)
(それは即ち主の危機を示していて………) --
- …ッ!(伝わる、しかし 目を離すことなど出来ぬ敵)
(何より。この苦境に泣き言をあげぬ主人だからこそ、隙を作るわけにはいかない 今要るのは―剣士の打倒、その一言だ) -- ライダー
- さてはて、どうしたものでありましょうか…(女は動かない、やはり鳴り響く音)
(極薄の…原子の結合すら断ち切る極限よりも更に薄く研ぎ澄まされた黒い刃、下から…男の影から顕れる) 先生は実に厄介であります…やはり主殿にまかせてしまうでありますかな(戦乙女が舞うのを眺めつつ女はにこやかに呟く) -- 剣士?
- ・・・ッ!(避けず。勢いは殺さない、脇腹を浅く切り裂いて、触れた刃を走りつつ砕く)
そうも言ってられぬようで…ヤ、一つ、ワタクシと踊っていただけませんか (肉薄!音の所在を探りつつ、目に見える貴方へ突っ込む!鞘は展開済み、サーヴァントを武器と定義すればその意図は明白) -- ライダー
- お誘いとあらば…(ようやく女が動く、渦巻く風、その手で印を結びつつ)
(音は…女の足下から、其処にまるで別の空間があるかのような…) (地から足が離れず滑るようにして移動するその動きもまた違和感…) (疾風迅雷、何の奇のてらいもなく真正面からの突撃、突き出される腕はただ虚空を捻っただけ) 穿…(その一言、そのまま空間が、その場にある存在ごと捻り斬られる!) -- 剣士?
- ヤ、全く、全く!(供給される魔力は風前の灯。見て、交錯する瞬間に呑み込もうと―)
ぐぅぅぅぅぅぅッ?!!?!(疾い!今、やっと自ら動いた「剣士」の攻撃は人の、そして英霊の速度も超えていた 捉える事適わず 消し飛ぶ半身、更に減る魔力 霞む現界) エ どうして、どうして……面白いッ(ひた走る その姿は今にも倒れそうで、だが不可思議に揺れて 貴方は気づいただろうか?館の屋根に、窓に、森に、空に、地に、見つめる216の少女の瞳) サテ、大・舞踏会(不意に取り落とす左手の鞘。奇術のように掻き消えて、次の一撃を捉えるべく…再び宙に現れる) (その一瞬、人の腕から切り離されて 捻じ切る空間を捉えて折らんがため!多重に浮かぶ、木の欠片) -- ライダー
- (手応え、有効打を与えた確信があった、継続したまま次なる一手を打たんとしたが…)
…!?(気配に鋭敏であるが故に見物者が居る事にすら女は気付いていたが、今注がれている視線の数は…度を超している) (そして、何よりあの鞘が、明滅するようにして螺旋斬る「刃」を悉く捉えていく…) 流石は先生、いやはや困ったでありますな…(無力化されていく光景を極間近で見せられる) -- 剣士?
- 東・西・南・北・天・地・無用!(瞳は観測主だ。あらゆる、あらゆるセカイの狭間から。揺れる波動関数を確定し、威力の位置を測定し。)
壬子癸(浮かぶ、斬撃の来る位置に「在る」) 丑艮寅(掴む、満身創痍の腕が鞘を「執る」) 甲卯乙(疾る、意よりも速く威力に「番う」) 辰巽巳(開く、過たず殺意を鞘口で「呑む」) 丙午丁(調べる、その破壊の渦を解くため「触る」) 未坤申(聞こえる、構成破砕の…音域すら突破した次元振動を「奏でる」) 庚酉辛(伝わる、四季峠の殻に内包された鳴動が歪みを「砕く」) 戌乾亥(始まる、繰り返す事全方位全時間!一瞬だけ敵うという事は…いつまでも敵うという事!) エ、勿論君の先生は強い。君の先生ですから…ナ(奔って、来る) -- ライダー
- されど、小鳥が親鳥を越えて行くように…生徒は師を越えるもの…
さて、疲弊したその状態で何時まで保つでありましょう?防ぐだけでは……勝てぬが道理 拙者の刃は先生も居られるこの空間そのもの…際限は無いでありますよ?(しかし、言葉ほど女に余裕がある訳ではない) …(周囲の空間に対し、宝具をほぼ常時展開しているが為にその魔力燃費は狂戦士並に悪い) (更には空間を圧縮し、影で覆って作り出した虚人を悉く…空間を螺旋切る刃を今も…喰われているが故に…)
(近づいてくる男に対し、大気をより濃く濃く…気圧を高め、徐々に見えざる刃を忍ばせていく) (自然と風が、吹き荒び始めた…) -- 剣士?
- (切れそうだったラインは再び勢いを取り戻す)
(疑ってしまうほど確実に、今まで以上に強かに繋がり始める) (流れ込むのは紛れも無い莢の魔力) --
- 道理不条理何するものぞ?ヤ、しかし言う通り(削る火花と歪む空。寸秒に無数の折刀は乱気流を呼び嵐を形作る)
しかししかし大舞台、隣の幕もまだ変わる(破砕と斬撃が完全に拮抗し、二人の間には無風状態が作り出される 純粋な残存魔力の削りあい、ならば男が圧倒的に不利…だが) ダラけた芸は見せられませぬ…ナ!(観測眼は捉えた 主人の変化を…続いて補充される魔力!捌く鞘には後光が散って、唸る音鳴地獄の喚聲!) -- ライダー
- 変わる?いえいえ、多少延びたに過ぎぬでありますよ…
(高圧になった大気が一瞬にして緩められていく…急速な減圧、忍ばされた意識外の魔の手、それは明らかな変調を齎す筈だった) ……!?(その瞬間、対する相手の明らかな変化を感じ取る…それは減圧症状によるものではない、急激な魔力の増大) -- 剣士?
- (武器ならぬ武器、その慧眼は特筆に価する。そう、観測は微細な変化を見逃すはずも無く 鞘がその環境自体を武器と認識しても「構成破砕の意思を持ち、また実行するものはあくまで一人」)
(故に、だからこそ微細な感覚の狂いは致命の隙を作るはずであった そう、弱ったサーヴァントには) 頼もしいことで…ッ!(内圧も外圧も無い、魔力によって構成された肉体をはみ出してなお足りぬ純粋な力が周辺の空間へ侵食を開始する 言うなれば球体、見えない宇宙艇を纏っているかのように 交錯の、間合い) -- ライダー
- …まさか!(主達の闘いの様子が目に入る、立場は逆転、軽くいなされあしらわれているかの如く劣勢)
…くっ!(今すぐにでも援護に手を出したいがそれは許されぬ、状況が、対峙する相手が許しはしないだろう) -- 剣士?
- そして、一騎討ちは唐突に崩される 主人の下へ、主人の元へ これは尋常の決闘ではない、聖杯に与えられた状況破壊の力が行使され、舞台は移る --
- 今日は役者がそろっているようだね……なら、今日の私は聴衆だ。アランでもヌクティアでもない一人の観客としてこの舞台を楽しむとしよう(いつのまにか館の隅では一人の女が佇んでいた) -- アラン
- ほほう、どうやらムーンダストの方が今のところは優勢のようだね……しかし、舞台とは些細なことで転ぶもの。今は固唾をのんで見守ろう、ふふふ -- アラン
- 貴方の隣、少女の幻影が瞬いては消える キモノに彩られた小さな影が --
- おや? 新たな聴衆かな?
君もどうだね、こっちに来て一緒に見ては?(笑顔で語りかける) -- アラン
- ふい、と話しかけられると消える ややあって、逆方向に同じ影―いや、微妙に違う 顔ではない、その装いが― --
- おや、これはまた珍妙愉快。よろしければ名をお聞かせ願えるかな? 儚い聴衆よ -- アラン
- ぷい、とまた消える 今度は廊下の向こう、また別の娘
映像を再生するように、幽世に迷い込んだように サーヴァント同士の決闘を見つめては消える 周囲の霊圧が乱れる、何らかの波動関数が収束しようとしている 同じ場所で、巡業公演が一度に催されようとしている― --
- ほほう、どうやら聴衆をも使う舞台にしたてあげようと何者かが暗躍しているようだね……面白い! その試みここでしかと魅せてもらうことにするよ -- アラン
- おやおやアラン、何か面白いものでも見つけたかね?(戦いを傍聴せんと現れる白衣を纏った男) -- ベヒスト
- おや、ロジャーじゃないか。残念ながら、今の私は夢幻の舞台に踊る役者にではなく、どこにでもいる無力な聴衆さ。その名で呼ばれるには相応しくない(とすまなそうに笑う。それが証拠か、今日は仮面をつけていなかった)
ああ、見てくれ。今、最高の舞台が催されているところさ。生憎、役者は出揃ってしまっているがね -- アラン
- おや、それでは今日の君はなんと呼べばいいかねレディ。
我々が役者として立てなかったのはいか仕方ない、せめて観客として終焉を見届けるしかあるまい。 -- ベヒスト
- 聴衆は聴衆であるべき、名は必要ないさ……しかし、名無しは些か不便だ。今は仮に『ジェーン・ドゥ』と名乗らせてもらうよ
全くその通り。完成された舞台には引くものも無ければ加えるものもない。我々はただここに座してシナリオの行く末を見守るのみ、だね……ふふふ -- アラン
- 名称不明とは、これまた洒落が聞いているねジェーン。(口の端を吊り上げ笑みを浮かべる)
その結末はどうなるか我々にも分からない、見届けたものだけが知る真実となるだろう……。 -- ベヒスト
- お褒めに預かり嬉しいよロジャー(こちらも笑顔でかえす、今日は仮面がないので心から嬉しそうなその顔が良く見える)
おや、どうやらムーンダスト君側がチェックメイトだね。眠り姫側はどうこれを切り返すかな? -- アラン
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