いただきものデス
概要
名前ニコラウス・アンフェット
性別男の中の男デス
年齢13歳
種族人間と獣人のハーフ…まぁほぼほぼ獣人デスね
出身地ミオの海洋都市タルトゥス
学科商学科の1年
企画企画/アルミネラ王立学院
好きな曲恋はいつも幻のように
霧の摩周湖
煙が目にしみる
あきないきつね
かやの(34)
自分で描いたやつ
スッで頂いた男の中の男なボク
ウワーッ↑に色がついたーっ!
犯人はシーナくん
ちょっとやんちゃ風味なボク
が!ミコトちゃんといっしょに!!
行動方針
RP傾向なるようになってしまえって感じデスかね
好きお金・ふくびき・アーティファクト・ウソをつくこと
苦手話の通じないやつ・肉体言語・損をすること

かいわゾーン Edit

編集:ねずみの天ぷら これは編集ボタン 訂正とかできマス qst089846.png これはすてきな抽選機 回すとおやつとか出マスよ

押すと鳴る
そしてこれはやきんランプ
ペカってる日は夜通し霊圧がないのデス デスデス

ニコ>ARA/0012 &color(#c38743){きつねいろとはこういうものだ};
お名前:
  • (時刻は朝の9時。雲ひとつない初夏の陽気が窓辺に降り注ぎ、寝台に横たわる老人を照らし出す)
    (かつて黄金色に輝いていた髪は灰色にくすみ、色艶も見る影なくぱさぱさとしている。元気よくぴんと立っていた狐の耳もいまは力なくしなだれるばかり)
    (生き馬の目を抜く商人業で鍛え上げられた眼力も見る影なく、閉じられた目の周りにはおびただしいシワとシミが生まれていた);
    (王国歴574年。ニコラウス・アンフェット84歳のすがたである)
    -- 2022-07-05 (火) 23:56:33
    • (カーテンを開ける音が部屋に響く。そして…彼にとっては長年聞き慣れた声が聞こえる)
      ニコ、朝だよ〜?おはよー!…もう、何時まで寝てるの?(ニコのベッドの傍に置かれた、座りすぎて肘掛がつるつるになってしまった椅子に腰かければ…何時もの様に彼に聞こえる様に話しかけるのだ)
      (世の中も、自分達を取り巻く環境も全てが変わっていく中…何も変わらない。何十年と繰り返してきた朝だ) -- 2022-07-06 (水) 00:06:47
      • ……(カーテンが開き、瞼の奥に向けて降り注ぐ日差しに眉をしかめる)
        …………ぁー。(力ない声を一つ出し、声が飛んできたほうへと顔を向けた。誰かがいることはわかる。誰かはわからない)
        ぁー……メイプル……ちゃうわ……ココ、やったか……?おはよーさん……(この場にいるはずもない、暗黒大陸で居を構えている長女夫妻の娘の名を出した。もはや妻と孫娘の区別もつかないのだ!)
        ……今日はな、じぃじ……調子ええで。ココは……どうや?勉強、頑張っとるか…?(焦点の合わない瞳は、ミコトを見つめながら海を隔てた彼方の孫娘を見ている)
        -- 2022-07-06 (水) 00:15:27
      • あはは、おはよー!…そうだねぇ。将来はミコトおねえちゃんを見習って魔術師になるんだ。だから頑張ってるよ。(座りながら足を組めば、肘掛に肘をついて)
        ふふっ、ボク達の子は皆立派に育ったよ。じぃじ?(彼を優しく一度撫でれば、そのまま手を握って) -- 2022-07-06 (水) 00:27:49
      • そーかそーか……ココは、えらいな……『ミコトさん』は……すごい魔術師や……よう見習うんやで……(かつて無数の傷と拳ダコで痛々しく膨れ上がっていた戦士の掌は、今や骨と皮だけとなり、己を撫で付ける若々しい掌に触れる。かさかさした手応えがミコトの肌に伝わるだろう)
        ……あー。ジェイコブ……あいつ……あいつは……ええかげん、会長……なれたかいな……?(長男ジェイコブは4年前に悪性の腫瘍で死んでいる。ミネラ地方統括部長という出世コースの最上級にたどり着き、次期会長の噂も高くなってきたところの死であった)
        ……ぁー、ココ……じぃじな、行かんならんところ、あるんや……鏡……鏡な。鏡に……(身だしなみを整えたいようす)
        -- 2022-07-06 (水) 00:31:31
      • ………(ニコの言葉に、無言で頭を掻いて…困った様な笑みを浮べるが…)
        そうだねニコ。ほら、しゃっきりしないとダメだよ?君は何時だって、格好良いんだからさ(すくと立ち上がれば、慣れた風に彼を抱き起こし。そのまま鏡の前に立たせて)
        (これも何年、何十年とやってきた事だ。元気な頃は何時もボクに身嗜みをチェックさせて。心配性なのか、それとも単に格好良い姿を見せたいだけなのか…そんな彼に良く笑ってしまった物だ。懐かしいな、なんて思いながらも) -- 2022-07-06 (水) 00:50:11
      • なんやいな……ココ、知らんやろけど……じぃじ、若い頃は、モテたんやで……?(体中から肉の削げ落ちた、羽根のように軽い体を抱え上げられ鏡台の前へ)
        (何年も、何十年も。耳を髪を尻尾を……自慢の毛並みを触らせるのはミコトだけだった。子供達にすら整えさせたことはない)
        (もちろん、ここにいるのがココ本人であれば途端にむずかったであろう。口ぶりとは裏腹に「眼の前に居るのが誰か」は理解しているのだ)
        …………(ぼんやりした顔のまま、髪をくしけずられている己を見つめていたが)……?(ふいに目に光が灯り……鏡に映るミコトの瞳を『見た』)
        ……ぅわ。ミコト。ミコトだよな、ミコト。……久しぶり?で、いい?(この日。ニコラウスは幾年ぶりかに正気を取り戻した)
        -- 2022-07-06 (水) 01:00:18
      • ええ、ボクですよ。君の命。…やっとおきた?もう、お寝坊さんなんだから
        ん〜、どうかな?ボクにとっては毎日…何時も通り。君をこうして…君と共に歩む日々だけれど(くすくすと笑って) -- 2022-07-06 (水) 01:16:02
      • いやー……私にとっては何十年ぶりかだぞ、君の顔ちゃんと見るの……(寝たきりになったのはせいぜい3年前。「ミコトの顔」を認識できなくなったのも10年前くらい。ニコラウス的には久しぶりの再会だ!)
        ふふ。いつもどおり……いつもどおりか……覚えてるぞ、確かに君は「私がじじいになっても、この心はどきどきしていると思う」と言っていた。
        どうだ?もはや最愛のきみの顔すらわからなくなったこの老いぼれにも……ミコトはどきどきできるか?(くっくっ。鏡写しになった意地の悪い顔で笑うぞ)
        -- 2022-07-06 (水) 01:24:58
      • そうだね…君がボクを見てくれるのは、久しぶりかも。(一緒に鏡に映っては、相変わらずの癖っ毛を整え様として見せながらも…顔を隣会わせにして、何時も通りの笑顔を見せて)
        またそんな事をいって。もう何十年君と一緒に居ると思っているの?当たり前、だよ(ぎゅーっとそんな彼を抱き締めて) -- 2022-07-06 (水) 01:32:18
      • だよなぁ……すまん、あれだけ「お前だけを見る」と約束しておいてなぁ……(さくさくと髪を整えられながら、目の端に涙がにじむ。どうして自分は最愛の妻の顔すら忘れていた…)
        (そして、鏡の向こうから笑顔を投げかけてくるミコトに)……それでも、だよ。男は好きな女の前では常にカッコいい己でいたいものだ……知ってるだろ?私はええかっこしいのカッコつけだからな(唇の端を吊り上げ、傍らの妻と同じように鏡に向けて笑ってみせる。自慢だった八重歯も抜け落ち、かわいげのひとつもない枯れた笑みだ。輝かんばかりに瑞々しいミコトの笑顔とはなにもかもが違う)
        ……(年寄りになってしまった自分を、あの頃と同じ熱量で抱きしめてくれる妻の髪を撫で)……ミコト。私が正気であるうちに言っておかねばならんことがある(神妙な顔で切り出した)
        まず。私は近いうちに死ぬ。自分の体だ、それくらいはわかる。いまのうちに親族……パンチャ達は間に合わないだろうが、それでも声はかけて欲しい。
        ジェイコブのところは息子夫婦に子供が生まれたところだったな、奥さんはいいから孫だけでも越させて欲しい。私が顔を見たいからな。
        メイプル一家は何が何でも呼ぶように。私のカワイイメイプルと死に目に会えないなんてつらすぎるし、あのクソ旦那にはくれぐれも言って聞かせねばならん!(真顔でつらつらと何言ってんだこいつ)

        ……そりれとな。サイドテーブルの一番大きな棚。底板が外れるようになっている。……私の頭がはっきりしているうちに渡したいものがある。きみへの……最期の。プレゼントだ
        (ミコトが言われるがままに板を剥がせば、握りこぶしほどの透明な球体が仕舞われていた。透明度の低い、軽くくすんだ球体だ)
        ダイヤの珠。本来ダイヤモンドは計算され尽くしたカットを施すことで輝きを増す宝石だ。それを球場になるまで丹念に研磨すると……あまりきれいでない球体ができる。
        適切にカットすれば国が買えるレベルの原石を丹念に磨いて無価値なものにした……おそらく、このジアリウスで最もムダなモノ。台無しなモノ。……私が考えた、最大級の『混沌』だ。……受け取ってくれるか?&bt;(混沌とはなにか。思うに「有用と無用」「陰と陽」あらゆる要素が混ぜ合い「どちらでもなく、どちらでもある状態」なのだと思う)
        (そのままでも価値のあるダイヤモンドを、丹念に手間ひまかけて無価値にする。しかし無価値となったダイヤはそれでも美しい。「無価値であり、価値がある」そんな到達点だった)
        -- 2022-07-06 (水) 01:55:54
      • …(抱き締めたまま。静に)
        知ってるよ。知ってる。全部…君の事なら、なんだって知ってる。……君が今日、ボクに会いに来てくれるって知ってれば、もう少しおめかしだってしたのにな。ほら、あれ。君の好きなドレスでも着て、さ?(そして彼の言葉を一つ一つ聞き、頷く。)
        ……
        最後になっても、君は働き者だね。ボクと2人の時間を過ごしてくれても良いのに…ん(なんて返して…彼の最後のプレゼントを、言われるままに受け取る形になれば)
        ふぅん…これが君の答え?ふふっ、もう。君らしいね。ありがとう、ニコ(球体のダイヤを眺めては、ポツリと言い)
        でも…ボクはケイオスである前に。君と共に在る者だ。ボクの答えは、最後まで君の隣に居る事だったよ。楽しい…日々だったね…ニコ -- 2022-07-06 (水) 02:15:33
      • はは、それはお互い様ということだ。私だってもう少し正気に戻るのが早ければ、きっちり身支度して驚かせてやりたかったのだが(くっくっ。あのドレスは似合ってたからな)
        それも今更だな……私は強欲なきつねなのだ、最期の時は愛する人たちに見送られたい…なるべく多くに……その中に君とメイプルがいてくれないと困る(こいつしつこいんだ!)
        ……ま、お気に召して頂けたようで何よりだ。いっておくがそのダイヤ、ちゃんとカットする倍以上の値段と時間がかかったんだぞ?(にやにや。胸中に推し戴いてくれているさまを見てとても嬉しそうに顔を歪め)
        …………あぁ。とても。楽しくて、充実した……振り返るヒマもない、人生だった(ミコトの手を借り、よたついた足取りで部屋から出る)
        (部屋の外。最初に建てた『二人のためだけの家』……老いたニコラウスの隠居所の外には、ミオ第二の都市に成長した港町タルトゥスの遠景が広がっていた)
        ……(丘を、二人を優しく撫で付ける風に目を細め)……なぁ、ミコト。私は君のおかげで幸せな一生だった。
        君は……君は、わたしが重荷ではなかったか?私は「幸せな私」のために……きみを、利用……いや。「私のために、キミの時間を無駄遣いさせてはいなかったか?」(震える声で問う。ミコトは…あまりに優しすぎた。ミコトのそばは居心地が良すぎた)
        (自分は、自分の幸せのためにミコトをないがしろにしていなかっただろうか?)
        (おそらくは生涯最後の正気の時間。いまこそすべてを吐き出すときだと思った)
        -- 2022-07-06 (水) 02:43:14
      • お互い様じゃないっ!女の子は何時だって、お洒落に時間が掛かるんだよ?(お陰でノーメイクだ、なんて言って)
        あっ、人への贈り物の値段を意識させるのはノーマナーだぞ〜?ふふっ♡職業病だね?(そして、ニコを支えながら…外の景色を一緒に見て、彼の言葉に一つずつ頷いては)
        うん…うん…。ふふ、君はまだ、ボクの事を何も知らないって言うのかな?
        …ボクには人も世界も、全てが瑣末な事に見えていたんだ。あの時、君を見るまではね。この世界も、他の世界も。何処の世界でも創造主が居て、彼等の掌の上で踊るだけの人や、出来事ばかりだと思っていた。
        でも、それは全部違ったんだ。ボク達はまだ見ぬ明日を往く者。君が居るからこそ、ボクは日々を歩めたんだ。幸せを感じる事が出来た。君のお陰で…ニコがボクに、全てを示し、与えてくれた
        人間は…人生は面白く…幸せな時を持つ幸せな生き物だと知る事が出来た。ボクはアレからずっと…君と共に歩む今を、心から幸せだと思っているんだよ?
        ふふふっ…あぁ、良い日だね、今日は?ほら!風が気持ち良いよニコ(そう言って、彼の手を強く握って) -- 2022-07-06 (水) 03:06:26
      • なにおう?商会の主がどれだけ世間の耳目に晒されていたと思っている?あの頃の私はきっときみたち女性に負けないくらい気を使ってたぞ(知ってるだろうに、と笑いながら)
        きみはこうでも言わんとなにかの拍子にうっかり捨てかねんからな、どうか大事にしてほしいという……おっとと(よろけつつ、肩を借りつつも外へ。ほんとに見る影もないな!)
        ……知っている、つもりだ。つもりだった。だが……ずっと、怖かった。きみと暮らす日々があまりに幸せで……きみが、ミコトが、あまりに……あの頃のままだったから。
        見た目も、気持ちも。老いさらばえていく私を…常に、少年の頃と変わらず愛し続けてくれていた……無理をさせていないか、ずっと怖かったんだ…(ミコトの横顔を眺めながら、ぽつぽつと心のしこりを吐き出す)
        (そして、吐き出し終えてからミコトの言葉を噛み締め)……ふふ。私たちは神に作られたかも知れんが……神とて、つくったものがどうなるかまでいちいち干渉はすまいよ。絶対めんどくさいからな(数百人規模の商会ですら端には目が届かなかったのだ、と経験を交えたぼやきを入れ)
        ……ふっ。光栄だな……私は君に与えられるばかりだと思っていたが……あぁ。なんだ……私は……君に…………(握り合う手に少しの力を込め、ミコトの手に「証」を刻み込む。幸せであった証。愛していた証。ニコラウスがニコラウスであった「証」を)

        ……ほんとうに……風が…………ここち…………
        (ぼやけた視界に見覚えのある顔が見える。パンチャ。旦那の…旦那の名前なんか知らん。孫のココ。ジェイコブの息子の名前は……ああ、トマスだ。トマスと赤ん坊を抱く嫁。赤ん坊は確かミコトが名付けたはずだ……確かハオだったかな?)
        (メイプル……ああメイプル。歳をとっても可愛いなお前は……私の宝物だしなぜ私の走馬灯に紛れ込む旦那!!ああ腹立つなこいつほんとに私のメイプルの肩なぞ抱きおって走馬灯のくせに!!)
        (……まぁいい。走馬灯の中でも旦那と寄り添うメイプルはかわいらしくも愛らしく……幸せそうだ。あの子が幸せなら私がどうこういうこともないだろう)
        (義兄さん、義姉さん……あれ以来家族を連れて遊びに行くことが増えたがそのたび食べきれないくらいのごちそうで歓待してくれたな……義姉さんの腹基準で料理を出されるととてもこまる…)
        (ミコトを遺して逝くことでまた義兄さんには怒られそうだ。これは仕方のないことなんですゆるしてくださいなぐられるのもセプクもいやです。というかいま死にます)
        (あ、ゴルジャだ。おまえ最後までフルラのところで世話になってたらしいな幸せものめ!オマエの孫はいい相棒だったよ、オマエと同じくらい!)

        (あぁ。そして。やはり私の走馬灯を締めるのは君か)

        「ハイ。ボクの一生はどーデシタか、ボク?」私にはもったいないくらいの人生だったよ。オマエも味わえばよかったのに
        「それはよかったデス。……もーいいデスカ?」あ、まだ最後に一言だけ。あの子に言いたいことがあるんだが。
        「1秒デス。ソレ以上はさすがのボクにもおまけしてあげられまセン」十分だ。ありがとう、明るきビンウ神。あなたを信仰していてよかった。
        「どーいたしマシテ。神とは不公平でびょぅどうなもの…今回アナタを贔屓したのも只のきまぐれなのデース」この神さてはクソだな!? -- 2022-07-06 (水) 03:37:44
      • …………(風に吹かれたまま、しばらく黙り込んでいたニコラウスの目が不意に開き) !!(やせ衰えた体からは考えられないような力でミコトを抱き寄せる!)
        ミコト!ありがとう!ずっと……ずっと!!愛してるぞ!!

        (言いたいことだけを言い終え、最愛の妻を抱き締めたまま。ニコラウス・アンフェットの体が動くことはもうなかった)
        -- 2022-07-06 (水) 03:52:23
      • (それから…ずっと手を握っていた。彼の手を離したくなかったからだ)
        ………
        (それでも、何時かは別れが来る。それは…1年後か?10年…或いは、70年後か)
        (あっという間の時だった。日々同じ瞬間など無く、良い事も悪い事も全てが輝かしい、黄金にも勝るボクと君の時だ)
        ………
        (…終わりたくない。永遠を求めたいんだ。本当は君とずっと過ごしたいよ。そう…内心では思ってしまう。だけど…時は未来へと進んで行く。だからボクは君の一番好きなボクで、何時もの笑顔を君に向けて。これで最後)
        「…ボクも君の事を、ずーっと、愛しているよ。…お疲れ様。そしておやすみ、ニコ」 -- 2022-07-06 (水) 04:20:58
  • さて。そんなこんなデ、ボクのアルミネラ王立学院における留学生活、その一年目は終わりマシタ。
    たった一年間にイベント起きすぎた反動デショーカ、卒業までは……わりと平穏デシタネ。少なくとも悪神の眷属だの悪神の降臨だのといったとんでもない事態には巻き込まれマセンデシタ。てゆーかこんなこと一年間にニ度も体験するとかありマス?
    もちろん探検部の活動もエントリヒ・ヴァイスが閉じてからハ…ほんとに探検が主デシタ。永久氷壁の奥にあると言われる、魔族に作られながら神の側についた種族・巨人族の隠れ里を探せ!デスとか
    雪山に住む伝説の毛長象を追え!とか、ミオ密林地帯の最奥に潜む伝説の戦闘民族・トラン族の謎を暴け!とか……どーして部活動でボクの父の出身部族が探られることに?
    マーとにかく、そうした活動デスとか、もちろん商学科の勉強なんかもこなして……無事4年間で卒業できたのデス。
    もちろん傍らには愛するミコトちゃんがいてくれマシタ!あの子がいっしょにいてくれたノデ、毛長象を食べに来た亜竜に轢き殺されそうになった時も
    たまたまボクのこと知ってるトラン族がみんな狩りに行ってて、留守居役の戦士たちによってたかって魔拳でぶん殴られた時も……マーギリギリ生きて帰ってくることができたのデス!
    ボクになにかあるとあの子が悲しみマスカラネ!
    -- 2022-07-03 (日) 23:32:17
    • 王立学院を出てからはミオに戻り家業を継いだ。当然、ミコトを連れて。
      一緒に住むようになってわかったことだが、ミコトは歳を取らないらしい。魔道を極めたものにとって時の流れなぞは意味をなさなくなる……だか、なんだか。魔導科の授業はろくすっぽ受けていなかったから、俺には理解できなかった。
      俺としては同じ時間を過ごすことはまったくやぶさかでなかったが、そう言うとミコトは決まって悲しそうな顔で
      「ニコにはニコの、ボクにはボクの運命があって、ボクらの道は交差することは会っても同じ一本に繋がることはない」と、首を振るのだ。
      今はたまたま道が重なっているだけ、必ず分かたれる時が来る。無理やり道を混ぜてしまうことは「正しくない」…混沌の魔術を使うくせに道義や秩序を持ち出してまで拒否する。
      結局。まるっきり納得できたわけではないが、俺もミコトとは時間の話をしなくなった。
      同じ道を歩み続けることが出来ないなら、せめて交差している間だけは。ゆっくり、同じ速度で歩きたい。そう思った。
      この頃にはじめての求婚をしたが、やはり同じ理由で断られた。永遠に年若い少女を妻にすると何かと面倒だろう、と。
      そんなもの亜竜の顔面ぶん殴るよりずっと楽だ……といったのだが、どうにもミコトという女は一度自分が「こう」と決めたことは頑として譲らないところがある。
      「せめて指輪だけでも」と頭を下げ、どうにか受け取ってもらえた。あの輝くような笑顔は生涯忘れられようもない……我ながらクサいな、この表現。
      -- 2022-07-03 (日) 23:52:28
      • ミコトを伴侶とすることを認めていただくため、彼女の御両親にお会いした……際の、こと。は……思い出したくない。
        義兄が口を極めて「生き延びることだけを考えろ」と言っていたが……なるほど、あれは怪物だ。スヴィーカリ級の魔族と二対一で対面させられたようだった。
        先に許しを得ていた義兄夫婦のとりなしで、なんとか命は助かった……のか?俺は本当に俺か?義兄かミコトにナニカサレタのではないだろうか?
        そんな疑問も残ったが、とにかく。俺の無事を喜び……ああ、思えばミコトの涙を見たのはこの時が初めてだった気がする。そこまでか。そこまでか御両親。おっかねぇ。
        とにかく。晴れてご家族公認となり、タルトゥスの外れに小さな家を建てた。ここには商会の仕事を一切持ち込まない。ミコトと二人で過ごすためだけの家だ。……二人っきりで過ごすための。そのはずだった。
        付き合いだしてからもう何年にもなるし、その間も全く『避妊』という単語を辞書から切り取ったような行為ばかりしていたのに、一切兆候がなかったので忘れていた。この世界には『ヤればデキる』という金言があったのだ。
        子供が生まれた。顔立ちはミコトに似て、耳と尻尾を俺から受け継いだ……どこからどう見ても、俺の子だ。俺達の。ニコラウス・アンフェットと椎名命の。子供だ。
        どうやらミコトは泣かない子ではなかったらしい、おそらく泣く機会がこれまでなかっただけだ。この日以降も彼女が泣く場面を何度も見たし、それらは全て様々な感情が籠もった、人間の涙だった。
        俺達の涙でべしょべしょになりながら産声を上げた娘には、義兄夫婦に名付け親になってもらうことにした。
        パンチャ・アンフェットの人生に幸多からんことを九善神に祈……いや違うな。俺が幸せにしてやる。安心しろパンチャ。
        -- 2022-07-04 (月) 00:21:45
      • 我らがガラガラ商会が主に取り扱う品目は食料品だ。食は国を支える屋台骨、食べないと人は死ぬ。食べ物がうまくないと人は生きる気力を失う。
        「おいしーモノ食べてればしあわせ ダヨネー」と、よく母も言っていた。ウチの商業理念はこの母の一言に集約されている。
        「うまいものを、多くの人に。食で人の腹とか心とかいろいろ満たす」儲けを考えるのはそのあとでいい。
        ……だったのだが。やはり食を多くの人に届けるにはカネが要る。それも今までのやり方では到底稼げない額が。
        日々変わらぬ売上実績と取っ組み合いながら「この先」を模索していたところ、懐かしい方からの連絡が入った。
        シリウス・アストリア。かのギザニア王国の大貴族……であったような、なかったような。とにかく、商道に明るく術師としての腕は言うまでもない、頼れるかつての先輩だ。
        事業拡大の相談を持ちかけたところ「さすがに表立っての協力はできないが」と前置きした上で、彼が手ずから引いた最新の星図と、ギザニア出身の腕利きの船乗り達を紹介していただく。
        曰く「パーツをどう組み上げるかは君に任せるよ」……いーんデスカネ、これ外交問題スレスレじゃないデス!?と、おもわず昔の口調が出てしまった。
        とはいえ、星図自体はミネラ天文学会発行のものだし、船乗り達もギザニアでの契約が切れてたまたまフリーになっていただけ。要するに「シリウスに相談したタイミングが絶妙だった」だけなのだ。
        ミコトに言わせれば「それがキミの運命なのさ」といったところだろうか。いずれこんなチャンスを逃す手はない。ガラガラ商会はこの日より……

        ミネラへの直送便をはじめた。

        ガラガラ商会の理念は「うまいものを、多くの人に。食で人の腹とか心とかいろいろ満たす」 理念を外れて稼いだカネで顔を前に向けられるだろうか。また、理念を外れて食わせる飯で腹以外は満たせるだろうか。
        おそらく満たせる。カネはただのカネで、飯はただの飯だ。過程なぞどうでもよい。
        ただ、俺が。ガラガラ商会の参加の小売店や直属の商会員を預かる俺が。母の掲げた理念から外れるのが嫌だっただけだ。
        とにかく。陸路よりずっと素早くミオの食材をミネラまで届けられるようになったことで、売上は多少伸びた。
        俺が学生だった頃からもミネラへの販路は持っていたが、海路は「渡航難度の割に儲けが少ない」として、どこの商家もあまり手を出していなかったのだ。
        我がガラガラ商会には最新の星図を提供してくれるミネラ王立天文学会の会員と、海洋国家ギザニアで揉まれた腕利きの海の男達が居る。渡れない海域などなかった。
        王都アルミネラでもそれと知られる商会になるまで、それほど時間はかからなかった。
        -- 2022-07-04 (月) 00:56:54
      • 気付けば、ガラガラ商会は主要四国すべてに支店を出し、各国の食を各国へ。世界を回す大商家になっていた。
        周囲に助けられ、がむしゃらに走り続けた結果……ではあるのだが。家族の顔を最後に見たのがいつだったか。思い出せなくなっていた。
        妻……と呼ぶと「はー?ボクはニコとケッコンした覚えなんてないしー!?」と怒り出すので……実のところ、対外的には魔術顧問と呼んでいる。
        なにしろ食材の冷蔵・温蔵だの輸送ルートの安全確保だの、魔術が入り用な場面はとにかく掃いて捨てるほどある。ミコトの魔術師としての才能は本人が「超天才」と豪語するだけあって、素人目にも凄まじいものがあった。
        たまにふざけて大失敗するが。
        ……とにかく。魔術顧問の……ええい妻だ妻。妻のミコトとは仕事でもプライベートでも常に一緒だ。当たり前だ。彼女の顔は目を閉じても思い出せる。
        では。パンチャは。ジェイコブは。メイプルは。子供たちの顔を思い出そうとして……皆、赤ん坊の頃の顔しか思い出せなかった。
        妻はあくまで顧問、相談役であり、基本的には非常勤だ。私が自宅に戻って、彼女が家にいなかったことは一度もない。常に暖かく出迎えてくれる。
        では子供達は?なぜ私は彼ら彼女らの顔を思い出せない?
        答えは簡単。寝ているからだ。私が自宅に戻るのは、いつも決まって既に酒場すら閉まっているような時刻だからだ。そんな時間に子供達が起きている方が困る。
        朝はどうだ。確かに朝食の時間くらいはパンチャたちと揃って卓に着いている。着いているだけだ。
        私の目線は常に新聞か報告書。言葉を交わすのは秘書。末娘のメイプルなど、私と会話をしたことがないかもしれない。

        「前の家が手狭で不便になったから」という理由でタルトゥスの目抜き通りに作らせた、無駄にだだっ広い屋敷の執務室で。私はふと、自分を責めるような目で睨みつける、金髪の子供を見た気がした。

        なあニコラウス。私は家族のために働いているんだ。本当さ。その証拠にミコトだって私に不満を言ったことはない。
        彼女は私をわかってくれている。全てパンチャ達のためなんだ、ってね。あの気分屋が、言いたいことはなんでもずけずけいう女の子が。私達を愛してくれている妻が。否定しないんだぞ?
        だからお前も私をそんな目で見るんじゃあない。確かにジェイコブたちには寂しい思いをさせているかも知れないが、きっとミコトが言って聞かせてくれているはずさ。
        「社長さんはキミ達のために毎日遅くまで働いてるんだよ!えらいよね!」とな!

        「どーしてミコトちゃんが、ボクらの子供に向けて、ボクのことを「社長さん」なんて呼び方してるンデス?」
        忘れたのか?彼女が言い出したんだ。「この子達はボクと同じ運命にはない、きっと普通の人生を送るから。ボクがお母さんだと教えないで欲しい」と。
        あの子達も「父の命令で自分たちの面倒を見てくれている『ミコトさん』」と覚えているはずだ。

        「ミコトちゃんは幸せそうデスカ?」
        ああ。いつも私が屋敷に戻ると温かい食事を用意してくれて、私の話を笑顔で聞いてくれる。
        あの笑顔があるから、私は毎日働けるし、あの笑顔に会いたいから、会社を出てからヨソへ寄り道したことはこの数十年間一度もない。ビンウ神に誓って言うよ。私にはただの一秒たりとも、彼女を愛さなかった瞬間などない!

        「そーデスカ。じゃーいいのデス……」
        金髪の子供は納得してくれたらしい。さすが昔の姿とは言え私だ、ミコトが幸せならそれでいいとわかって「ア、最後にもうひとつダケ」なんだしつこいなこいつ。
        「その『ミコトちゃんと食べるごはん』おいしーデスカ?」
        私は答えられなかった。言葉が出なかった。ミコトは常に私に微笑んでくれている。愛してくれている。四人目も欲しいな……と考えていたところだ。
        味。彼女が作ってくれる、私のための食事。その味は…………どんな味をしていただろう?昨日、私はなにを食べただろう?
        なにも思い出せなかった。

        「…………」
        金髪の子供は、今度こそ私の前から消えた。青色の瞳にありありと軽蔑の色を浮かべて。 -- 2022-07-04 (月) 01:51:40
      • 屋敷に使いを出し、今日からしばらく帰れなくなることをミコトに伝えると、信頼できる部下に留守を頼み、愛馬に跨った。
        ヴィーデマイセルフ。かの世界の歌姫フルラ・ヌーヴより贈られた、世にも珍しい喋る馬……あのクソうまの孫に当たる名馬だ。「特別"良い子"が生まれたからね」と言っていたが…

        \ったくよォー!いまから船旅の上、しかもそこからアシュザークまで走れだと!?てめーおれさまのことなんだと思ってんだ蹴るぞ!!/……ほんとに。あのやろうそっくりの"良い子"だな、フルラ。
        とはいえ、さすがはかつて悪神の攻撃をもその脚で振り切った名馬の孫。想定よりかなり早くアシュザークに着いてしまった。ありがとうヴィーデ、あとでいやってほどリンゴやるからな。
        \糖度高いやつだぞ/あーはいはい。
        ミネラ北方・辺境領アシュザーク。ここには義兄夫婦が住んでいる……というか。この地方は義兄夫婦が治めている。正直顔を合わせる瞬間を思うと今から気が重いのだが……
        仕方ない、これも己の招いた業というものだろう。覚悟を決めて家令の案内を受け、城内を招かれるままに進んだ。

        「久しぶりですね、ニコ。もしかしたら近いうちに来るんじゃあないかと思ってましたよ」
        あぁ、この人の殺気は歳を重ねて尚いささかも衰えを知らない……というか昔より強い。絶対に強い。
        心のなかで冷や汗を拭いつつ「お久しぶりです義兄さん、相変わらず若々しい……」と、通り一遍の口上を述べる前に。思い切り胸倉を掴まれた。

        「昔『ミコトを泣かせるようなことがあったら、地獄の底まで追いかけ、殺す』……確かに言いましたよね。貴方はなんと答えたか覚えてますか?」……『ヴァレンタインの追跡者が臍を噛むくらい幸せにしマス』でしたかね?
        返事すると同時に右頬の当たりで爆発が起こった。頬肉が爆ぜ飛んだ。絶対千切れた。それほどの痛みと衝撃だった。

        「約束を果たしてもらいますよニコ。今日この場で死になさい。せめてもの情けだ、墓はタルトゥスに建ててあげます」
        今度は左頬が爆ぜた。また右。左。右。顎。鼻。鼻。右。右。左。右。
        よくもまあ胸ぐらをつかみ上げたままこれだけ規則的に腰の入った拳を打てるものだ、と感心させられながら、私の意識はヴァレンタインの死神に根本から刈り取られた。


        目を覚ますと、顔中を焼けた鉄で包まれているかのように痛む。歯も折れている。目すらもうまく開くことができない。我ながらよく生きているものだ。
        「よく生きてますね。本気で殺すつもりだったんですが」 でしょうね。貴方はそういう人ですから。
        皮肉のひとつも言ってやりたいのだが今は口が開かないし、歯がほとんどないのでうまく発声もできないだろう。

        「トウヤ!ニコはまだ何も言ってませんのに、その言い分も聞かずにバチクソブン殴るのはあんまりですわ!」この声は義姉さんか。見えないがきっとこの方も昔と変わらず若々しく美しいのだろう。
        姿も気持ちも、あの頃のままに。きっとこの夫婦は今でも睦まじいやりとりを重ねているに違いない。
        ミコトもそうだ。ミコトの愛は、彼女に愛を告げたあの日から少しも変わらず、私に向けられている。
        今も開かない瞼の下から私を覗き込むミコトの瞳は、少年であった頃の私を見つめていた、あの瞳のままだ。

        私だけが。皆と違う。

        私の身体は老いた。「まだまだ若いものには負けんよ」そんな言葉を何度吐いたかわからない。
        私の心は濁った。「会社のため」と言いつつ、会社の柱であった母の言葉を忘れ、仕事にかまけ我が子の顔すら思い出せなくなった。
        私の愛は薄れた。かつて初めて我が子を抱いた時の誓いは守られているか?パンチャは幸せな顔をしているか?ミコトは?
        なぜ義兄は怒っている。制裁を受ける前、彼はなんと言っていた?

        「ボクら兄妹は異世界を行き来できる……そう話したことがありましたね。あぁ返事はしなくていいです、貴方の声など聞きたくもないので」
        「まぁ異世界に行くのはそう簡単ではないのですが、通信魔術の類など使わなくとも、いつでも顔を合わせて話をするくらいは造作もない、ということです。」
        あぁ。やはりミコトは泣いていたか。老いた私の姿に、あの金髪の子供と同じ瞳を。私に向けていたのか。
        「『ニコは凄いんだよ!約束通り世界一の商人になったし、歳を重ねるごとにどんどんカッコよくなるんだ!』……だ、そうです」 は?
        「『優しくてカッコいいダーリンとかわいい子供達!ボクね、いますっごく幸せだよ!』顔を合わせるたびに同じことを言うんですよ。いやぁ妬けますね……ほんとに……もうちょっと殴ろうかな」 すいません勘弁して下さい。
        「トウヤ!ニコが本当に死んでしまいますわ!?まぁわたくしが死んでも死なせはしませんけど!」 お願いします義姉さん、その狂戦士を止めて下さい。
        「ボクの妹は幸せです。妹はね」 私は殴られ損ということだろうか。腹立ってきた。
        「あの子の幸せはあの子だけで完結するものだと思いますか、ニコ?」 質問の意味がわからない。何が言いたいのだこの人は?
        「仕事は楽しいですか?」 首の軋む音を耳奥で聞きながら、ゆるゆると横に振る。楽しくなどない、家族と社員を養うためにやっているのだ。
        「子供はかわいいですか?」 首を動かせない。縦にも横にも振れない。その資格が私にはない。
        「いま、ニコラウス・アンフェットは…幸せですか?」
        ……わからない。私は幸せか?おそらく今の私は少年の日の夢をすべて叶えつつある。もうひといきのところまで来ている。その確信は確かにある。
        だが。
        夢の終着点に辿り着いた私は、果たして幸せの中にいるのだろうか?

        「でしょうね。そういう顔をしていたのですよ貴方は……カーラ、もういいですよ。ボク達のバカすぎるかわいい義弟を治療してあげて下さい」
        ヒールの音も高く私のもとへ走り寄る音とともに、痛みがみるみると引いていき……新しい歯も生えた。なにこれこわっ。 -- 2022-07-04 (月) 03:55:45
      • 「泣いているのは貴方です、ニコラウス。涙も流さずに泣き顔で。雨に濡れた犬のような顔で謁見室に入ってきた。なので殴りました」 約束が違うのでは?
        「違いませんよ?さっきも言ったでしょう『あの子の幸せはあの子だけで完結するものですか?』と」
        「おおかた、仕事漬けの中でミコトや家族のことを思い出しでもしたのでしょうが…その流れでまずボクのところに来たのも許せません。なので殴りました」 えぇ……
        「えーじゃないですよ取って返して家族のもとに戻り『父さんが悪かった!』とひとこと言えば終わる話でしょうが!顔を合わせるのが気まずいからってわざわざミオからこんなところまで来てるんじゃないです!!」
        「わたくし事情は存じ上げませんが、トウヤの言うことが本当なら……わたくしもどうかと思いますわ。どうかと!思いますわ!!」
        はい……ニコラウスがどうかしてました……殴られて当然の大馬鹿です……
        「よろしい。それでは改めて問いますよ、ニコラウス・アンフェット。あなたはいま幸せですか?」
        幸せではないですが、幸せになるための材料は既に。
        「そうですか。お帰りはあちらです」 はい、ご迷惑おかけしました。義姉さんも……
        My pleasure(どういたしまして)ですわ!今度は皆さんを連れておいでなさいませ、うちの子たちも喜びますし」 ……はい、必ず。
        義兄夫婦に礼をし、「それはそれとしてアナタはあの子を殴りすぎですわー!!」とかなんとかやっている喧騒を背に、リンゴ食ってたヴィーデに跨り(二回振り落とされた)急いでアシュザークを後にした。もはや私に行くべき処は一つしかない。
        このとき義兄に言えばすぐにタルトゥスへ戻れたのでは?とも思ったが、恐らくあの意地の悪い義兄は笑顔で断っただろう。この道中もまた、私への罰だと言わんばかりに。

        \つきあわされるおれの身にもなれこのやろー!/ うるさい。ヴィーデうるさい。 -- 2022-07-04 (月) 05:33:21
      • タルトゥスに戻ってから、私はすぐにガラガラ商会の会長職を辞し、名目だけの相談役となった。要するに隠居だ。
        院政だ責任逃れだと揶揄する声もあったが、こんな会長のわがままにも付き合ってくれる部下のおかげで、なんとか引き継ぎも終わらせることが出来た。
        なんのことはない、既にこの商会は私の手を離れても大丈夫なほど盤石になっていたのだ。私一人が空回りしていただけだった。
        子供達とも改めて話の席を設け、今までのことを謝罪した。だめな父さんで、お前達を寂しくさせてすまない、と。
        まだ小さいメイプルなどは私にしがみついて泣いていたが、ジェイコブや、そろそろ成人になるパンチャは「そんなこと気にしてたんだ」と、至って冷めた反応だった。
        「ミコトさんがね、毎日父さんの話をしてくれるの」
        「会長さんはいつも頑張ってるんだよー」「社員のみんなは会長さんを頼りにしてて大好きなんだよー」
        「で、最後は決まって「ま!会長さんを一番好きなのはこのボクなんだけどね!」が口癖で。あんなキラキラした目で言われたらねぇ」「なー。憎もうにも憎めないって言うか」
        メイプルに「おとうさんだいじょうぶ?おなかいたいの?」と頭を撫でられながら、涙が止まらなかった。
        私を幸せでなくしていたのは私だ。幸せは最初からあった。私がこの手で作り上げ、ミコトが守ってくれていたのだ。
        夕食のメインには海鮮焼きそばが出た。ミコトとジェイコブの皿にネギは乗っていない。私は息子の食の好みすら今日まで知らなかったのか。
        私は何も言わず食べ進め、子供達は『ミコトさん』と談笑しながらゆっくりと食べていた。
        フェルメールさん秘伝のレシピを受け取った彼女の息子が作る料理は、ミコトがいつも作ってくれていたものとは味が違ったのだろうか?同じだろうか?ミコトは彼や彼の母から料理を習っていたのか?
        何もわからない。私は私の家の中を何も知らない。これから学び、知る楽しみが増えた。明日の食事も楽しみだ。

        夜。ミコトにアシュザークであったことを話し、会社から手を引くことも話した。
        すべてを語り終えてもミコトはいつもの笑顔で「ふーん」と言うだけで何の感慨もない。正直離縁を言い出されることも覚悟してたんだが?腹くくって損したんだが?
        「うるさいなー!腹くくるくらいなら腹を切るべきなんだよニコはー!!」 えぇ……たしかに昔さんざん言われたけど「腹を切れ」って……
        「ボクはね、ニコがやりたいことなら絶対に賛成するし、そのためにボクの力が必要ならいつでも力を貸すよ?」
        「確かにちょーっと寂しくなることもたまにはあったけど……頑張ってるニコはね、いつもカッコよかったから」
        「カッコいいだんなさまを支えるのがおよめさんの役目だもんね♡ねーっ♡」 飛びついて私の首に腕を回してくるミコトを勢いをウケきれず、ベッドに倒れ伏してしまった。
        そこからは言葉を交わすことはなかった。というか言葉が出なかった。出るのはしゃくりあげる声ばかりで、視界が歪んで妻の顔も見えない。
        泣き疲れた私が眠るまで、ミコトは頭を撫でてくれていた。メイプルは母親似かな、と思ったことだけは覚えている。
        -- 2022-07-04 (月) 06:15:47
      • 相談役になってからというもの、私は暇になった。というより今までが忙しすぎた。我ながらちょっと無理しすぎだったと思う。
        ガラガラ商会は拡大路線を止め、これまで私が築いた販路を、商会の信頼を落とさないよう維持することに注力していくそうだ。
        新しい会長は「コレ以上手広くやって商品の味落としとったら意味ないですしね」と笑う。そうか、私は母の理念を後進にも伝えられていたらしい。
        パンチャは25になろうかという頃、突然見たことない男を連れてきて「わたしこの人と結婚するから」と言って家を出ていこうとしたので慌てて止めた。我が娘ながら素っ気なさ過ぎる。
        男は商会とは関係ないゼイム人の冒険家で、ミコトから聞いた私の学生時代の冒険譚を話聞かせたことで仲良くなったらしい。
        巨人族の村を見つけた時の話をすると目を輝かせて聞いてくれ、気を良くした私は、横から飛んできた「いい人でしょ?」の一言に思わず頷いてしまった。
        しまった。言質を取られた。そう思った次の瞬間には用は済んだとばかりに夫となった冒険家を連れて屋敷を出ていってしまった。
        今は夫と一緒に暗黒大陸へ渡り、現地の伝承を収集しているらしい。元気でやっているなら何よりだが……危険なことに首を突っ込んでないか心配だ。

        ジェイコブはガラガラ商会に入った。ゆくゆくは会長職に就くつもりらしいが、私の代で世襲を解いてしまったため実力でのし上がる必要がある。
        「ボクは父さんの子だよ?父さんに出来たことが息子に出来ないわけないだろ!」と胸を張っていた。この子は優しげな顔立ちのわりに向こう気が強い。
        商人にいちばん大切なのは己に、商品に対する自信だ。頼りない商人の扱う品を買いたい客はいない。
        それだけ伝えると「つまり…ボク向けの仕事ってことだね」と笑っていた。さすが私の息子。いい商人になる顔だ。

        メイプルはアルミネラ王立学院に進学し、法学科に入った。
        なぜか魔導科の成績がやたらと良く、その才能を生かさないのは惜しいとして編入をよく勧められるそうだ。
        「魔術も楽しいんだけど、あたしは……ミオ王家で働きたいと思ってるの……」と、はにかみながら夢を口に出すさまは我が娘ながら実に愛らしい。よく我々の血からこんなにまともな子が生まれてくれたものだ。
        きっと学院の男どもに飢えた野獣の視線を向けられているに違いない。最低でも私と殴り合える男でなければ決して伴侶とは認めんぞ。

        メイプルは夢を叶え、ミオ王宮で書記官の仕事についた。ますます男どもが鈴なりに成っているに違いない、もはや一刻の猶予もないぞこれは。不逞の輩どもは皆殺さねば。
        来るべき闘いの日に備え、すっかりなまってしまったかつてのトランの戦士の身体を鍛え直すことにしたところ、程なくして腰を痛めてしまった。
        「もー、ニコはしょーがないなー!」とミコトは笑いながら看病してくれたが、どうやらこの身体はもはや戦士ではないようだ。
        そういえば最近は近くのものがよく見えない。腰をやる前から、ベッドや椅子から立ち上がる時、足に力を込めないと転げてしまうことがある。歯を磨くとえづくことが増えた。
        トレーニングしている時にも、子供達に「父さんももう若くないんだから」とよく言われた。私の時間はおもったより進んでしまっていたらしい。
        ミコト。腰の湿布を鼻歌交じりで取り替えてくれている少女。私の愛する妻。
        私の妻は……どんな顔をしていた。こんな顔だったか?この少女は本当にミコトか?
        思い出せない。愛する女の顔がわからない。この少女がミコトであるかどうかの確信が
        「はい、できたよ!」ぺちーん、と音高く背中を叩かれる。この声。この遠慮のない仕草。間違いない、ミコトだ。ミコト以外であろうはずがない。違ってたら怒るぞガラガラ商会元会長現相談役だぞ偉いんだぞ私。
        昔、家族の顔が思い出せなくなり狼狽したことがあったが、今はミコトの顔が思い出せなくなっても取り乱したりはしない。
        私は幸せの中にいて、ミコトが私を幸せにしてくれている。何がどうなろうとそれだけは決して変わらないからだ。
        -- 2022-07-04 (月) 11:04:08
      • ……よし、パスはこんなものでいいデショー!!最晩年シーンはなんかこー流れでお願いしマス!!(雑なフリ!) -- ニコ 2022-07-04 (月) 06:17:08
      • なおミコトちゃん含め名前を使わせていただいた方々、あまつさえ勝手に長尺のコレジャナイセリフまで振られてしまった義兄サン義姉サンにはとてもとても伏しておわび申し上げマス(本当に申し訳ない…) -- ニコ 2022-07-04 (月) 06:20:09
  • 企画が

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せーってーい Edit

  • 交易立国ミオの海洋都市・タルトゥスにある中規模商人ギルド「ガラガラ商会」の次期当主(わかだんな) 身長151cm体重44kg
    • タルトゥス産の海産物や果実といった食料品を主に取り扱っており、ミオ人の胃袋はガラガラ商会が握っていると言っても過言ではない
  • 「いやめっちゃ過言デスよ?さておきタルトゥスは魚も野菜もフルーツもおいしいステキなところデース、ミオへお越しの際はぜひお立ち寄りくださいデスね」
    • ちなみにタルトゥスはミオ西部・砂漠地帯のはしっこにある。海の幸と砂漠の幸が一度に楽しめるおすすめ観光スポットです
  • 「『砂漠の幸って何だよ』と思いまシタ?スイカとか砂漠原産デスよ。おいしい水分補給源デス
    あとは小麦やデーツなんかも採れマスし……まぁ人間が住んでる以上、人間が生きていける程度には食べ物もあるんデス。いうほど死の大地ってわけでもないデスよ」


  • きつねの獣人と人間のハーフ
    • 現ガラガラ当主の母とミオ最強の拳闘士だった父の子。耳以外はどっちかというと母親似
  • 「とーさんが用心棒の仕事を受けた時、かーさんに一目惚れしたそうデス。まぁ詳しい話は聞いてまセンけどね、両親のなれそめのろけ話とか気まずいデスし」
    • しっぽはすごくもふもふしている。もっふもふ
  • ノーしっぽの人にもわかりやすく言うと、しっぽ触られると尻を撫でられてるような感覚になりマス。
    ボクのしっぽは超もふいのでもふりたくなる気持ちもわかりマスが……まぁ、程々にしてくだサイね?」


  • 探検部所属
    • 物珍しさと冷やかし、あわよくば珍しいアイテムが手に入らないかというスケベ根性。要するにとても志が低い
      • 主に補給品を持ち歩くアイテム士的な存在。戦力として見られても困る
  • 自分で言うのもなんデスが、ボクの戦闘力はクソザコデス。あくまでサポート役デスネー

  • 購買部でバイトしてる
    • いろいろあって購買に発生した大量の行列をさばいた際、その客あしらいテクを見込まれた
  • いずれ商会を継ぐうえで現場の仕事をわかってて損することはないデスシ、接客も慣れるとなかなか楽しいものデス。あっおともだち割引はしまセンヨ?

  • ふくびきが好き
    • ガラガラ商会の名前の由来にもなった回転抽選器が特に好き
  • 「いいデスよネー、ふくびき。当たってもハズレてもみんな笑顔デスよ?ボクの部屋にもあるのでドーゾ回してってくださいデス」

  • カネモ(おかねもち)
    • なのは親であってニコ自身ではない
  • 「当たり前の話デスネー。ガラガラ商会のお金はギルド員のみなさんや従業員のみんなの為のお金デス
    ぽっくんはあるくみーのしろきーん、って感じデショーカ?カツアゲは勘弁してくだサイね」


  • 寮住まい
  • 「上記の通り、ボクは治安の悪いところだとわりと死ぬしかないのデス。デスデス」
    「その点学生寮なら治安は国と優秀な教師のみなさんが保証してくれてマスからネ。とても快適デース」


  • 幻術が得意
    • 分類としては神聖魔術にあたる。元々は商売人の必須スキルである「客を幻惑する」話術・身振り手振り・デモストなどをより効果的に見せるための術だが
      これをミオの商人達が戦闘にも活かせるよう発展させた
  • 「大昔の道案内の標識を『太古の神託が書かれた由緒ある木簡』と言うのも、ただのパンチを『瀑布を断ち割る聖闘士の一撃』と言うのも
     ウソっぱちを信じ込ませるという意味では一緒ってわけデスね」
    「これもボクら商売人の守り神・明るきビンウ様のご加護の賜物なのデス。ありがたやありがたやデェス」
    • 主に幻覚や幻聴を引き起こすような技が多い
      • まあ幻術だしね
  • 「幻術にかけるコツは「意識のスキを作る」ことデス」
    「集中して計算か何かしてる時に横から話しかけられると気が散りマスよね?意識が声をかけてきた人に向きマスよね?」
    「はいその瞬間にノートにらくがきしマース!+と-書き換えて式をめちゃめちゃにしたりうんこちんちん書き添えたりしマース!」
    「あとはまぁ、なんでもない石ころを価値のある石に見せることもできマスが、ダイヤやルビーのように見せるのは無理デス」
    「あくまで『火種を煽る』術で、『火のないところに煙を立てる』術ではないんデスネー」

  • "アーティファクト"に興味がある
    • 異世界からの漂流物とか人魔戦争時代(あるいはそれ以前)の強力な武具や魔道具であるとか、そういったもののミオにおける呼び方
  • 「十字教…でしたっけ?あっちだと聖遺物とか呼ぶそうデスね。まぁいち商人の手に余るモノなのは確かデス」
    「でもそれはそれとして見てみたーいデスしあわよくばボクのモノにしたーいのデェス!」
    「けっこうダンジョンとか魔物の巣に落ちてるらしいんデスよね。見てみたいデスネー」

  • 鑑定スキルも高い
    • ミオの商人なら誰でもできる神聖魔術に「鑑定」と「偽装」というものがある
      どちらも名前通りの術
  • 「ボクらの神話によると、ビンウ様が鑑定の奇跡を齎された際、一緒に偽装の奇跡も人々に教えたそうデス」
    「"鑑定"も"偽装"も熟練に比例して精度は上がりマス。達人の"偽装"を見破る"鑑定"は…ボクのかーさんでも難しいんじゃないデスかね?」
    「もっとも"偽装"は、あくまで"鑑定"の奇跡を阻害する術なのデス」
    「ただの紙コップに『ミネラ神の血を注いだ聖杯』という"偽装"をかけたとしマス」
    「"鑑定"の精度が足りずにその"偽装"を暴けなかったとしても、その紙コップを本物の聖杯と信じる人がいマスか?」
    「つまり『"偽装"のかかった物品の真贋を見極める』のが"鑑定"の奇跡も含めた鑑定スキル、その商人のウデってことデスネー」
    • ちなみに"偽装"の奇跡をかけた品を"鑑定"の奇跡を使えない人に売ることはミオでは特級の大犯罪にあたる
      発覚次第即死刑。
  • 「カタギの人を騙すよーな商人に生きる資格は無いってことデス。デスデス」
    「じゃあナンデ"偽装"なんて術があるか、デスか?たぶんビンウ様の遊び心じゃないデスかね?」
    「"鑑定"があるからって自分の目利きを磨かないようじゃ商人失格なんぬー!ぬーっぬっぬ!みたいナー」

  • 弱い
    • 実は父直伝の拳闘術のワザマエを誇るが、肉体そのものの貧弱さはどうしようもない
  • 「だいたい商人は前に出てガンガンやりあう職じゃねーデス、そゆのはもっとふさわしい脳筋さんの仕事デス」


  • ウソつき
    • どうでもいいウソをよくつく
  • 「あいつはウソつきだ」と思われてたほうが幻術の精度も上がりマスからネー。それに商人の言うことなんてみんなウソデスよ、みなさんも騙されちゃダメデスよ」

  • あとは思いついたら増える
  • 「設定なんてそんなのでいいんデスよ」

そうびとスキル Edit

ブツ用途
行商鞄ミオ商人の旅の必需品。明らかに鞄より大きい物体でもホイホイ入って
「アレが欲しい」と念じながら探れば、なるほど欲しかったものがスイと出た。
要するにあれだ、四次元ポケット。まあファンタジーだもんね!
投げナイフ「とりあえず戦いの意志はある」と仲間に示すための装備
狙ったところに投げるくらいはできるが魔物に効くか?そんなもん
発破瓶錬金術師が作った高性能な火薬を手持ちサイズの瓶に詰め込んたあぶねー物体
ゼイムのほうではこれを鉱脈の掘削に使うんだって まぁ魔物にも効くんじゃない?
こんなもん大量に持ち歩きたくないので数はあまりない ていうか魔法で焼いたほうが多分強い
各種補給品きずぐすりや包帯、添え木、保存食やおやつ、清潔な蒸留水など
仲間のピンチはすなわち自分のピンチなので必要とあらばわりと気前よく放出する
スクロール読めば魔力の泉湧く、使い捨てのインスタント魔術が記された巻物
火水土風の基本4元素のスクロールに加え、イザというときのためのとっておきの巻物もあるよ
火薬岩強い衝撃を与えると爆発する名前通りの岩。大小さまざまな石が耐熱性の袋にみっちり詰まってる
発破瓶ほどの燃焼力はないが、熱を伴って飛散する石の破片はあなどれない威力を持つ
衝撃が加わらない限りはただの石。触るとほのかに暖かくカイロのような使い方もできるが懐に入れたまま転倒したら死ぬ
スリング中心に石をセットするスペースを据えたいわゆる投石紐。ニコのように貧弱な坊やでも遠心力でけっこうな威力が出る
発射することなく石を詰めて振り回すという使い方もできたり、意外と戦い方の幅は広い。ポーションピッチャーもできる


なまえこうか
幻闘人敵の視覚情報を狂わせ、一人の敵を3人いるように見せる術
「3人に見えやがる」と言っても、ちょうど立体視やる時に視界がブレるあの感じなので攻撃が当たるときは当たる
幻声尋離れた位置にいる対象の"耳元に"声を届ける術
敵への攻撃にも味方との内緒話にも使えるが、対象は単体指定なので微妙に痒いところに手が届かない
幻飛刃武器や拳を振り抜いて衝撃波を飛ばす……ように見える技
衝撃波ではなく空気中のチリや水分のようななんかを集めて飛ばしているので、ダメージはないが目潰し目眩ましにはなる
幻光神背中から神々しいまでの光を放つ術 うさんくさい宗教団体の教祖とかがよく使う
ビンウ神に帰依してる魔術使いならだいたい知ってる技なので、ドヤ顔でこれを使う教祖は基本鼻で笑われる
あぁ目くらましくらいにはなりますよ
幻霧陣あたり一帯を数歩先も見えない濃霧に包むニコラウス最大の大技
もちろん自分も見えなくなるので逃げるときくらいしか役に立たない


わざこうか
"魔拳"ミオの密林地帯を縄張りとする氏族・トラン族に伝わる武技
己の内に流れるマナを拳に凝縮するというごくごく単純な魔術だが、トラン族の戦士は修練と研鑽によって、他の氏族に"魔拳"と渾名されるほどの技術に昇華させた
通常魔術の4工程のうち「術式の構築」を省いたような形で用いられており、よーするにタメてぶん殴ってるだけだったりする
あぁニコラウスの父はこのトラン族の出身なので父に習いました
ソニックセイバー左腕を魔力で加速させ放つ最速の一撃。威力より速度を優先させているので速いことは速いがニコの細腕ではたいしたダメージにならない
魔拳術の基本となる技なのでとりあえず載せとこう的なやつ
マグナムセイバー右腕で放つ重い一撃。こちらは威力優先なのでニコが使ってもわりかし痛い
ソニックに比べ発動可能になるまで時間がかかるし拳の加速もないので使い所さんが若干限られる
バスターソニックあのソニックセイバーが威力を増して帰ってきた!という触れ込みで編み出されたもう一つのソニック
ものすごい小刻みにソニックセイバーを連発することで「小さいパンチ数百発ぶんの大きな一発」級のダメージを与える
めっちゃ連発するのすごい疲れるから使いたくない
サイクロンマグナム右腕をねじり込みながらぶち込むコークスクリュー式のマグナムセイバー
拳のすさまじい回転が生み出す空気の渦が竜巻となり、拳がかするだけでも破壊を巻き起こす
めっちゃねじらないと竜巻が出ないし腕すごい痛くなるから使いたくない
二重発破トラン族の技ではないニコの父のオリジナル。この技でトラン族最強の戦士の座に上り詰めた…らしい。本人が言ってた
両の拳にマナを溜め込み、左の拳を相手に添え、その拳に全力の右を叩き込むことでマナの威力が数倍になる
魔力を纏った拳は当たった瞬間に敵へ放たれてしまうので「左拳の魔力が発動するより前」に右拳を当てる必要があり、難易度はかなり高く決めるチャンスも少ない
うまく決まれば技名の通り相手の体内でニ度マナが炸裂するが、失敗すれば単に自分で殴った左拳が痛いだけで終わる
つまり使いたくない


ここいる? Edit

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  • (ゴルジャの子孫が早速がっつり出てきて吹く)増えてない!?この感じだと結構増えてない子孫!?きっと私がおばあちゃんになったらファーム経営してるんだな…(とおいめ)
    しっかし波乱ありながらもいい人生おくちゃってこのー(うりうりする楽師)今のニコが出てくる辺りとかもいいねぇ(他の皆も私から見ると言いそう!って感じする) -- フルラ 2022-07-04 (月) 21:36:15
    • 私の中ではゴールドジャーニー系として確固たる地位を築いていることになっている。なにしろ言葉が通じる上によく走るからな、「ちゃんと走った時の」成績はやばいはずだ
      ぶっちゃけこの後ももうちょっと続く予定なのだがまぁそれは追々ということで……そこと義兄にどつかれるシーンは特に打ってて楽しかったのは秘密だぞ。
      もちろん「勝手に借りる以上は」と皆々様の発言を洗ったりもしたが、うまくできているかはどきどきだ(大人口調のきつねはびくびくしていた)
      -- 2022-07-05 (火) 00:14:59
      • 「勝手に借りる」ということは……貴方、「勝手に借りられる」覚悟があるんですね?
        ということでこちらの締めにもニコのお話を盛らせていただきました。お互いお疲れ様!
        僕はセリフが少なかったのもあるけど問題はないと思う!何より僕は結構こういうギリギリを攻める計画をやりそうなので。
        にしてもニコはやりきったんだねぇ。おじいさんになっても微笑ましいのはよき。 -- シリウス 2022-07-05 (火) 00:21:24
      • ポンコツンデレお姉さん、いいものだな……まぁ「お姉さん」と呼べるギリギリな気がしないでもないが(きつねはいらんことを言った)
        「君達が暗黒大陸のシェアを奪ってもいいんだよフフフ」くらいの意味をこの人は込めてくる、と思ってパーツ云々のセリフを打ったがどうやら間違ってはいなかったらしい。ギリギリは攻めるものだからな…
        まあ90%ほど妄想と捏造なのでミコトや義兄姉にこらっされた時は……腹でも切るか(ズバー)
        せっかくの商人としての顔を活かせそうだったイベントをやきんに潰された恨みは会社にぶつけようと思う。お疲れ様!
        -- 2022-07-05 (火) 00:38:30
      • これはなんと素晴らしい大往生…!定命とそうでない者も良いよねいい…
        (結局ゴルジャもうちで大往生してるのに吹くと共にしみじみ。ファーム以外にも劇場経営とかも手伝ってもらったことでしょう的な表情のお疲れ様後方老婆顔楽師) -- フルラ 2022-07-06 (水) 23:02:28
      • いいデス……あの大オチのために成り上がり一代記があったのデス、デスデス(ミコトちゃんがいる限りボクも永遠…いい……という顔。あっ死んだのでもとの口調デス)
        そりゃマー押し付けた側デスカラ、牧場の敷地とかスタッフとかいろいろ手配してたデショーネー。そしてモリモリ増えてそうデスゴルジャ族(そのうちこの世界のうまみんなしゃべるようになりそう)
        老いたフルラサンもルシールめいて茶目っ気あるおばあちゃんになってそーデスネー、よきよきデス
        -- 2022-07-06 (水) 23:34:24
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Last-modified: 2022-06-10 Fri 15:44:52 JST (658d)