『黄昏開拓記』徐周伝 Edit

姓名徐周
慧高
性別男→女
年齢30歳
出身地遠国の帝国
職業自称隠遁の士/似非道士
理由新興国家において高い地位を得るため
企画企画/イムルトン王国開拓記
行動方針
RP傾向めっちゃ文通になります
好み神仙趣味、真理の探求、清貧(自称)、名誉・栄誉・富裕(本音)
苦手官僚登用試験、努力の人、天才


近況 Edit

  • 黄昏歴 1103年12月:邯鄲の夢の果てに、童女となった。
  • 黄昏歴 1103年3月:アデーレ=ファリン・アルスレイムに対して、騙す形で取り入ろうとして成功。アルスレイム家に一応の士官する。
    • 徐周本人は道士として士官されるつもりだったが、「三等兵」として採用されてしまった。アデーレは即決した形であるため、今後徐周の立場がどうなるかは不明瞭であろう。

隠遁家を演出するための草庵 Edit

編集:info/黄昏歴
黄昏歴 1104年10月(西暦 2024-04-20)
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「玄真庵」と表札の出された草庵。道士を自称する徐周が住む。
薬を売る、陰陽五行の乱れを正すなどが謳い文句。
実際にそれらを解決することはまずない。金を積んで誰かに解決を依頼するか、口先でごまかすかである。
http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst070556.png
お名前:
  • トゥランの屋敷にて出された一杯の茶を飲み干した刹那、私は眠りに落ちた。
    私は今、深き眠りの淵に立っている。なるほど、確かに彼は私の求める通りのものを差し出してくれたようだ。
    トゥランが以前私に齎した護符の力──夢の中での栄達──、それはあまりに素晴らしいものだった。
    故に、もう一度その夢を見たいと望むのは不自然なことではあるまい。一夜にして一生を巡ることができるのだ。
    ……私はそう、この世での栄達を求めていたはずなのに、既に夜の夢に溺れていたのである。 -- 徐周 2018-05-14 (月) 22:05:28
    • 最初にトゥランの護符で見た夢で、私は栄耀栄華を極めていた。
      第に登り、妻子を得、天子に仕え、宰相となって栄華の内に一生を終えた。
      昔、盧生という男が邯鄲という地に赴き、呂翁という神仙の術を極めた男に出会い、彼に渡された枕にて栄耀栄華の夢を見たという伝奇を読んだことがある。
      最終的に、栄耀栄華も一晩の夢に同じく儚きものであると盧生は悟る。栄達などに真の生の喜びはないという、道家めいた話だ。いわゆる「邯鄲の夢」である。
      今思えば、私もこの盧生と同じ体験をしたと言えるだろう。だが、私の出した結論は彼とは異なる。
      私はそもそもこの話が嫌いであった。人生の栄枯盛衰を見たとて、覚めれば夢である。夢は夢、現実ではない。
      現実に栄華を極めて満足に死ぬことも当然ありえる話である。このような夢を見たからといって、悟った気分になるのはそれこそ虚しいことだ。
      夢は夢、そのような栄耀栄華の夢を見たのならばそれは娯楽として楽しめば良い。

      少なくとも、一杯の茶を飲むまでの私はそう思っていた。
      だが、実際にはそう割り切れていたわけではない。何度もあのときの夢を見ようとしたのだから。
      私は現実の栄華の夢を、夜の夢の中で果たし、満足していたのだ。どうせ、現実では叶わぬと。
      夢を楽しんだ後は現実で栄達を目指す──「僕はそうできる」と信じていたのだ。
      だが、この夢は甘くはなかった。私はもっと早くに気づくべきだったのだ。
      やはり、この世もまた夢のようなもの。夢が夢に影響を及ぼすようなこともあるのだと。

      私は夢の中で、夢を叶えてしまった。既にかつての栄達への思いも薄れていた。
      夢に変化を求め、別の人間の人生を、別の栄華を楽しみたいという欲にとらわれていた。
      故にこそ、私はあのような夢を見たのだ。そして── -- 徐周 2018-05-14 (月) 22:47:16
      • 私は夢を見始めた。
        三度目のの夢を。
        それがあのような結果になることを知らないままに。
        夢の中で私は様々な人間となった。
        文官、武官、詩人……果ては恐れ多いことながら天子にすらも。
        だが、私はそれでは満足できなくなっていた。体験すればするほどにその思いは強まる。
        数刻の間に、私は何度夢を見たのだろうか。
        そして、私は最後に見た夢へと沈んでいく。

        昔者荘周夢に胡蝶となる──『荘子』の中で特に有名な寓話であろう。
        私は胡蝶ではないが、最後の夢の中で一人の童女として生まれていた。
        しかもただの童女ではない──真人/神人である。即ち、仙人である。
        藐かなる姑射の山の神人の如く、白雪のような肌を持ち、五穀を喰らうことなく生き続ける者となった。
        雲に乗り、龍を操り、およそ人界では天子すらも体験することのない、神仙の遊びを得たのである。
        なるほどそうだ。私は神仙の道にも興味があったのだ。姑射の山の神人の話にも憧れたことがある。
        だからこそこのような夢を見たのである。

        私は四海に遊び、天界を旅し、地の底を巡った。
        神話伝説の中に登場する神仙と遊び、老いる事なき永遠を得たのである。
        ああ、これこそまさしく夢の中の夢。男は女になれぬが、私は今女となっている。
        それどころか、そういった男女の区別をも越えた神人となったのである。
        夢の中で、私は不遜にもこの夢を永遠のものにしたいと思った。
        最早現実などどうでも良いと。人界の栄華など神仙の楽しみの前には塵のようなものにすぎぬと。

        私はついに夢の中で現実の自分自身の姿も忘れ果てた。
        かつて自分がどのような姿であったのかなど、どうでもよいと思ったのだ。
        永遠にこの夢の中にいるのだから、と──

        ああ、私は何故そのようなことを思ったのだろうか。
        夢は夢だと、そう思って目覚めるべきであったのに。 -- 徐周 2018-05-14 (月) 23:09:07
      • ──その時、私は夢の中から放り出された。
        夢から覚めたのである。

        「何だ……もう終わりか。しかし、神仙の夢をも見たのならば最早……」

        私は夢から目覚めたことに不満をいうほどに、夢に溺れていた。
        だが、徐々に自分の身の異変に気づき始めたのだ。

        私の手が異様に小さい。私の手はこのようなものであったろうか?
        私の髪がとても長い。私の髪はこのようなものであったろうか? 体を見下ろして見れば、そこにはとても小さな体があった。
        私の体はこのようなものであったろうか──? 自身の姿が思い出せない。

        そして私は気づいたのである。
        茶器に映る自らの姿を見た、そのときに。

        「僕は、あの夢の童女になったのか……?」

        取り返しのつかない夢に、足を踏み入れたことに。 -- 徐周 2018-05-14 (月) 23:15:05
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三行 Edit

  • 官僚登用試験に落第し、
  • 祖国を出奔した男が、
  • 再び栄華の夢を見る。

徐周伝 Edit

周は、遥か東域、一天万乗の天子が君臨する大帝国の辺土に生を受ける。
生家は下級役人を生業とし、父は老齢ながら学問を志すこと篤く、長男たる周を高級官僚にすることを目指し、自ら学んだことを毎日のように教授した。
故に、幼年の周は博学才穎の名高く、故郷では無双の天才と持て囃され、周も自らの才を恃み、官僚登用試験に合格し、進士となって立身出世することを疑わなかった。
燃え上がる野心のままに、いずれ宰相まで上り詰め、天下の政を恣にする夢に胸踊らせる日々を送る。

冠礼を終えれば即座に京師へと上り、未来の高級官僚への道を拓くための官僚登用試験に臨むものの、及第に至らず落第。成績は非常に悪いものであった。
自らを天才と自負し臨んだ故に、落第の事実に非常に落胆するも、元より一度で受かるような試験ではないと父親に金子を遅らせながら、試験及第のために京都に留まり続ける。
されど、京師の辺土にない誘惑の多さに惑って享楽に耽り、更には自らの才能を信じ、必死に勉学に励むこともなく、堕落した日々を送った。

京師での生活は二年、三年と過ぎたが官僚登用試験に合格すること能わず、遂に父親からの金子も滞り始め、ここに至って周は必死に試験に臨む。
結果は振るわず、落第を続け、父親からは故郷に戻るようにとの文が毎日のように届き、周を追い詰めた。既に実家の財政は限界に達しようとしていた。
周はようやく、自らが辺土の小さな村で猿山の大将に祭り上げられていたただの凡才であったことに気づいたのであった。
天賦の才がなければ努力する他ないが、それを行うには遅すぎるほどの年月が経っていた。

自らの真実に気づいたとき、周は一時的に精神に変調をきたし、京師を出奔。故郷の生家に帰ることもなく、彷徨の日々を送り始めた。
かつての友人の家に転がり込んでは学問の無意味さ、立身出世の虚しさを説き、無為自然の道を称賛した。
それらは全て自らの劣等感の裏返しであり、自らが失敗したものを否定することで自らを保とうとしたのであった。
しかし友人は耳を貸さず、あろうことかその友人は官僚登用試験に及第し、出世の道を歩き始め、完全に明暗は分かたれた。

友人宅を出奔した周は、ひたすらに神仙趣味に走り、俗世から離れ隠遁の士となり登仙するのだと自らに言い聞かせ、神仙の術や薬を求めて西域へと旅した。
様々な術法や霊物、仙薬を試すものの効果はなく、遂に国を跨ぎ、流れ流れて最早祖国へと戻る方法すらもわからなくなった。
そうしたときに、イムルトン王国の話を小耳に挟み、捨てたはずの野心、否、未練が鎌首をもたげ始め、周は王国へと向かった。

出来たばかりの新興国であれば、官僚として登用されることも夢ではない。
遂に自らの才を発揮する時が来た。これは天助である──
こうして、周はイムルトン王国に腰を落ち着けたのであった。

立身出世と神仙への憧れ、その間で揺れながら周の王国での日々が幕を開けた──

為人 Edit

野心篤く、夢は壮大なれどもそのための努力を厭うた男。
かつては周囲の人間を見下し、自らを天下の英才と自負したものの、その自信は既に打ち砕かれている。
現在は卑屈で、自らが成功するためならば正道に外れたこともやってのけるという思いはあるものの、さりとて邪道に手を染めるような思い切りの良さもない。

初対面の人間には基本的に紳士的に対応し、栄華や名誉などには興味がなく、隠遁のためにこの国にやってきたと嘯く。
曰く、祖国での煩わしい人間関係から逃れるためと──その実は異なるのだが。
隠遁者・神仙家を気取り、神仙の術の研究を行っているが、それはこの国の人々を欺かんとしているためである。
この国で権力と権勢を得ようとしていることを隠すためである。
しかし、その野心が漏れ出ることはあるであろうし、真実を知った者には本性のままに対応するだろう。

地道に開拓に協力し名を挙げるという発想は持っておらず、国家の大事が発生した場合にそれを解決などし、名を挙げることを画策しいる。
力仕事などには関わりたがらないが、一応の体面を保つために道士の真似事として薬を煎じて販売し、農作業などに協力する姿は時折見られるだろう。
現在は隠遁者を演出するための草庵を建て、居住している。

神仙への憧れは、最初は劣等感の裏返しであったが、天下の霊物などの収集は半ばライフワークと化しており、草庵の中には様々な鏡や祭祀用の剣、呪符などが置かれている。
ただし、当然ながら本物と呼べるものはほとんど所持していない。
もしこの世で立身出世が叶わないのであれば、仙境に入ることを目指すというのも、周の真実の思いの一つである。
かつて学んだ経書の類についての記憶は、長い彷徨の間に忘れ去ってしまっており、かつての辺土の英才の面影はない。

名誉栄誉への未練などは未だ残っているものの、既に祖国にてそれを成すことには拘っていない。
ただ、郷里に残してきた老父母のことは心残りとする。
しかし、最早帰る術も、文を送る手段も周は持ち合わせていない。

体躯は中肉中背、容姿も取り立てていうべきところがない男である。
黒を基調とする道袍を纏う。

//草庵に書付を残す Edit


Last-modified: 2018-05-14 Mon 23:17:08 JST (2167d)