モドル
七匹の悪龍『ディアスポラ・マルス』と創造主 †
世界を超えて現れ、人が持つ輝かしい概念を喰らう悪しきドラゴンたち。
それは朱、翠、碧、金、白、黒、骸の七匹の悪龍。
異世界の王が創り出したとも言われる龍は、
最終的に概念を喰らいつくして世界を覆うほどに増えると言われている。
彼ら撒き散らされた悪意は倒されなければならない。
世界にある奇跡、無限、絶対、勇気、慈愛、正義、欲望の七つの輝ける概念が潰える前に。
翠のオーバーハウザー †
“奇跡”の概念を喰らうグリーンドラゴン。
奇跡的にダンジョン深層から後輩を救出して生還するはずだった
川添孝一を喰らうことでその中にある奇跡の概念を吸収しようとした。
しかし、時間を逆行して川添孝一を救いに来た仲間たちに討伐され、その生命を終えた。
暴風が如きブレスを放つ、凄まじい戦闘能力を持つドラゴンだが、
人語を解さないなど悪龍の中で最も知性が低い。
朱のエンドテイカー †
“勇気”の概念を喰らうレッドドラゴン。
海底都市を目指してダンジョンを踏破した勇気ある者を喰らうことで力を蓄えていた。
結果として勇気を持って迷宮レボルシオンを踏破したユイカたち蒼海の冒険者たちに討伐された。
全てを灰に変える炎のブレスを操り、被害を受けた者の存在する確率をゼロにする牙を持つなど
凶悪な能力を持っていたが、真の勇気を前に敗れ去る形になった。
大量の財宝を集めている辺り、龍の本能がかなり強い個体であることが覗える。
黒のアビスセイファート †
“正義”の概念を喰らうブラックドラゴン。
水白の街に異界を作り、鎧の怪異である黒の王として君臨していた。
本人も知らないながら、その起源はディアスポラ・マルスの悪龍であり、
不完全ながら力を解放すると同時に黒い龍へと姿を変えた。
高坂綾たち平坂会の街を守るという正義の心を前に敗れ去り、死んだ。
力が完全であれば世界を闇に閉ざす黒のブレスを放つポテンシャルを秘めており、
その力は水白の街にとって非常に危険なものであった。
“慈愛”の概念を喰らう機械魔のドラゴン。
元々、生物としての肉体を持っていたがある世界を滅ぼした際に
気に入った種族である機械魔の構造を取り込んだ姿である。
強大な力を持つ個体をブレス『導の破閃』で異世界へ飛ばし、
その痕跡を辿ることでまた違う世界を侵略する。
レオンたち探検部にジアリウスを侵略しに来た個体を撃破され、
レシグナシオンに帰ったレオンには全てのアルプトラウムを破壊された。
相手に当たったという事実を作り出してから爪を振り下ろすなど、ブレス以外の戦闘能力も非常に高い。
なお、会話が支離滅裂な部分があるが『人間にとって耳障りの良い言葉』を選んだ結果としてこうなっており
龍同士ならまともに会話可能……なはず。
碧のオルタードゥーム †
“無限”の概念を喰らうブルードラゴン。
映画の中にある無限の概念を喰らって力を蓄え、
勢い余って肥満体になっていた。
荒れ狂う雷を伴うブレス『雷哮』や龍言語魔法など
様々な攻撃手段を持つ強大な龍。
一之瀬千歌たち映研のメンバーに撃破された。
絶対防御アブソリュート・ディフェンスや殺戮に適した水と雷の術など
戦力面で一番バランスが良い龍なのだが、
凄まじい戦闘力を誇る面々に圧倒される形で敗北したのだった。
白のナインザーガー †
“絶対”の概念を喰らうホワイトドラゴン。
他者から絶対に覆らない概念を奪って力として行使し、
自分のモノとして悪用する悪辣な性格の龍。
万物分解の力を秘めたブレス『ニヒト』やブレードを使った近接戦闘、
否定論者としての権能によるアンチマジックなど多彩な戦闘手段に加え、
さらには人間相手への騙し討も辞さないなど凶悪な個体である。
生まれたばかりの龍に寄生して力を蓄え、世界を蝕まんとしたが、
フィーネたちル・コンセルトの冒険者に撃破された。
自分が固有の肉体を持たないことへのコンプレックスがあり、
寄生虫呼ばわりをされると激昂する。
創造主『エンディア』 †
ディアスポラ・マルスを創り出した異世界の王。
なぜ、悪龍を使役しているのか。その目的は何か。
全ては謎に包まれている。
七匹の善き龍『セブンスコード』と創造主 †
世界を超えて現れ、魔たる者が持つ悪徳を戒める善きドラゴンたち。
龍の独自の思考回路により独善を成す、ということを善と呼ぶのであれば
紛れもなく善き龍である。
彼らは朱、翠、碧、金、白、黒、鎧の七匹の龍であり、
人を守護する際には人の姿を取って現れると言われている。
彼らはそれぞれが該当する
魔たる者の傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲を戒めると言われている。
しかし彼らを信じてはならない。
龍にとっての善が必ずしも人間を善導するとは限らないからだ。
朱のドラゴンにして暴食を戒める龍。
京都の街にフリーターの青年として現れた。
彼の特徴に世界の可能性を『演算』することで
無限に分岐するこの世界の行末を見ることができる。
しかしそれは龍の精神であっても過酷な惨劇の繰り返しであり、
彼も精神が破綻する寸前まで追い詰められていた。
演算することで得られる無限に等しい余暇を魔術の研鑽に当てており、
重力に関する魔術は特に数十万年分の研究が成されている。