西方の錬金術大国「ハイラーグ皇国」 Edit

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ハイラーグ皇国とは Edit

酒場のある街から馬車で5日ほどの場所にある小国。
西方諸国と呼ばれる国家群の中では比較的中央に位置し、国土のほとんどが平野である。
前黄金歴170年、ハイラーグ家により建国され、以来ハイラーグの者により統治されてきたが、
黄金歴88年、当時の大臣によって起こされたクーデターで20年ほど国政の安定しない時期があった。
現在は王家も復興し、王位についているのは復興に心血を注いだ女王ミシェル・ハイラーグの嫡男ミリアである。
王位についているのはミリア・ハイラーグの長女マリオンである。【黄金歴176年改訂】
王位についているのはマリオン・ハイラーグの長男ニコラウスである。【黄金歴208年改訂】
国教は特に決まっていないが、ほとんどの者が精霊を信仰している。
構成する種族は人間がほとんどであるが、国家単位で他種を排斥するといったことは特にない。
人口はおよそ150万ほど。
国の紋章はハイラーグでのみ見られる雪華の花を使用し、国立の施設では何らかの形でこの花を象った紋章が使われている。
略称はハ国で田舎の小国というイメージで大体合ってる。

Tips:ハ国の裏に錬金術あり
 
ハ国と切っても切り離せない物、それが錬金術である。
これほどの錬金術大国となった理由を知るには建国にまつわる話を知るのが一番であろう。
 
  昔々、ハイラーグが国でなくただの平原であった頃の話。
  この平原にはとても強い魔獣が沢山住んでおり、人々は豊かなこの地を指をくわえてみているだけでした。
  ある日別の大陸から来た旅の錬金術士が行き倒れになっていた所、それをハイラーグ王家のご先祖さまが助けました。
  錬金術士は御礼としてなにか一つ望むものをあげようと言いました。
  ご先祖さまが魔獣を倒す力がほしいというと錬金術士は一振りの剣を作り、与えました。これが宝剣ブルーエッジです。
  その剣を持ってご先祖さまは魔獣を倒し、みんなで仲良く住むことになりました。
  そしてご先祖さまは王様になりました。
 
梗概であるが錬金術が建国に大きく関わっているのは分かって戴けるだろう。
この後、件の錬金術士のため現在の皇立錬金術学校の前身となる研究機関が作られている。
そういった経緯もあり、これほどまでの錬金術大国となったのだろう。


政治体制 Edit

立憲君主制、二元主義型議院内閣制。
司法、立法、行政を分けた三権分立が実現しており、内閣はハイラーグ皇を長として議会から総理大臣を選び、それがそれぞれの省庁の長を採る。
ハイラーグ皇の裁量は限りなく少なく、内閣の監督的立場でありその行動に承認を与える。
黄金歴80年頃までは絶対王政であったが、クーデターを挟み114年にハ国が解放されて以降段階的に政体改革が行われた。

主な地域 Edit

皇都
ハイラーグ皇国の首都であり、皇都と呼ばれている。
国内で最も栄えている都市であるものの、田舎の国なのでそれほどでもない。
後述する皇立錬金術学校があるのもここである。
錬金術が広く用いられているため、文明レベル自体はそこそこ高い。
クライナーハーフェン
ハイラーグが所有する領土南方の港町である。小港という名とは裏腹に規模は大きい。
人魔大戦後に手に入れた土地を活用し、漁港と貿易港を整備した。
スナイディア、サイレントヒルに囲まれた湾の中央部に位置し、他の国へのアクセスは上々。
排他的経済水域とか領海とかそこら辺はなぁなぁにやっている。
ただし外洋に出る際通行料を取られるので、錬金術発祥の地である南方の大陸「カントレーヌ」へはこの港ではなく西岸の港を利用するのが一般的である。
不落城砦
ハイラーグ北部、魔界村領(元魔法謳国ミモザ)に食い込んだ場所に存在する一大スラム街。
元は人魔大戦期に魔界勢力と戦うための軍隊が経由する中継基地であったが、戦場からの汚染が及び始めると放棄された。
黄金歴50年ころからならず者が集まって増改築を進め、その名に違わぬ難攻不落の城砦となった。
人魔大戦負の遺産の一つである。

管理はハイラーグと魔界村であるが、魔界村は不干渉を貫いているため実質ハイラーグ一国の管理下に置かれている。
魔素や化学物質、瘴気等の影響により、そこで生まれたものは浅黒い肌であったり獣の部位を持つ。
また、その成り立ちから犯罪者やハイラーグの学会を追放された異端の錬金術士が住み着くには良い環境であり、
その住人のほとんどがなんらかの犯罪に関わったものである。
ハイラーグ国軍による介入も行われて入るものの、魔界村領に位置するという地理的条件からそれほど回数は多くない。
カイ・マイアーの出身地でもある。

気候・風土 Edit

温暖地域に分類され、四季がはっきりとしている。
また、湿気も少ないため一年を通して過ごしやすく、国民のおおらかさもこの風土からきていると言われている。
そのため農業・牧畜が盛んで、国民のほとんどがそれに従事しており、魔法や錬金術に関する研究は医療、薬学についてが主である。
小さいながらも領土のほとんどが平野であるため耕作可能地が多く、国民の意識も高く自給率は非常に高いので別名が「西方諸国の穀物庫」である。
特産品は質のいい羊毛から作られる毛織物で、他国から買い付けに来る商人も多い。
あったかい。

教育 Edit

6年の義務教育期間が存在し、読み書き計算など、勉強の基本を教えられる。
大きめの街には職業教師がいるものの、小さな村ではそうはいかず、それぞれの村に駐在する騎士団員の数名が教師の役割を担っている。
それに加え錬金術学校の卒業生が出身の村に帰って小さな錬金術学校を開くことも多い。(要国家資格)
勉強に対する意識は高く国民全体の識字率は80%を超えている。
その後職業別の専門学校があるが入学は任意。錬金術学院もこの専門学校に相当する。
何歳からでも入学可であるが、近年では錬金術需要の高まりから希望者が増加し、入試制度を取り入れている。

宗教 Edit

前述のとおり国教はなく信教の自由が認められている。
国民の大多数を占めるのが精霊信仰であるが、教義などの特に無い所謂アニミズムである。
具体例を挙げるのならば、きのこ取りに行っても全てを取らず、一部を森の精霊のために残しておく。
魚釣りで小さな魚を釣ると小魚は水の精霊の化身であるので逃がしてやる。
などなど本物の精霊様を崇め奉るのでなく、それぞれに宿る魂に敬意を払う程度のこと。
とはいえ、信教の自由が認められているため、他国から弾圧された新興宗教の偉いさんが逃げこんでくることも間々ある。
最近では宗教絡みの事件も増えてきており、大きなものでは閃光騎士団の副団長(当時)が乗り出す事態にもなった。

Tips:風の精霊にはお気をつけて

精霊信仰が強いハイラーグ皇国であるが、本物の精霊を崇めているわけではない。
しかしながら、本当に精霊が現れればそれなりに敬意を持って接することがほとんどである。
そんな信仰を逆手にとったのがイタズラ好きな風の精霊で、食い逃げすること皇国の8割の飲食店が被害にあったという。
そこで、食い逃げされないように皇国内の飲食店には風の精霊が嫌がるおまじないを書き付けた紙がどこかしらに貼り付けられるようになった。
食事をする際は探してみてはどうだろうか。


錬金術 Edit

ハイラーグ皇国における錬金術は魔法というよりは科学よりの学問である。
魔力はないよりはあった方がいいが、無くても問題はない程度。
人魔大戦期にはその技術力で国を中心として兵器開発をしていたが、現在では西方諸国が安定していることもあり行われていない。
薬作りを入門とし、合金作成、ゴーレム製造、アイテムエンチャント等々の系統に枝分かれしていく。
現在では油汚れがよく落ちる洗剤、虫が寄ってこなくなる芳香剤のような生活雑貨に錬金術が利用されている。

錬金術で想像されるのがホムンクルスであるがハイラーグでのホムンクルス製造は禁忌とされ、それに類する研究許可も幾多の精神鑑定と厳しい審査を通った者だけに出される。
近年では秘密裏に大量のホムンクルスが生み出された事件があり、以前に増して審査が厳しくなったようだ。
一方で錬金術の元となった金を作ること自体は禁止されていない。難易度が非常に高く、出来る金の量以上にかかる経費が莫大だからである。

錬金術学院を卒業し、国家試験に受かることで錬金術士(アルケミスト)の称号が与えられる。
様々な分野全てを修めることで創造者(クリエイター)の称号を贈られることになっているのだが、その称号を持つ人間は歴史上片手で数えられるほどしかいない。

組織 Edit

ハイラーグ国内にある組織の内、特筆すべきは三つ。
一つ目が錬金術学校、二つ目が閃光騎士団、三つ目が騎士団である。
これらは全て国の機関であり、雪華の紋章が使われている。

皇立錬金術学校 Edit

アカデミーと称される錬金術を教える学校である。
皇都に存在する本校と、地方都市に存在するいくつかの分校からなる。
前身となった錬金術研究所は建国に関係した錬金術士の為に設立され、この大陸における錬金術の最先端といっても過言ではなかった。
その後、人魔大戦終結頃に研究所の教え子たちにより学校が作られ今の形になる。
200年の歴史の中で輩出した高名な錬金術士の数は多く、アグレッシブな人間がほとんどであるのが特徴。
全寮制、学費は国の全額負担。
近年までは入試の制度も存在しなかったが、志願者数の増大により本校のみ黄金歴170年から実施されるようになった。
ハイラーグの錬金術は南方大陸の流れを汲むもので、現在そちらの錬金術学校とは姉妹校として交友がある。
また、本校の卒業生が開いた錬金術の私塾が新大陸にもあり、数年前正式に分校と認められた。
錬金術が広まりを見せるにつれ新たな発見も多く、現在では錬金術のレベル自体が上がってきている。

制服は女子がセーラーワンピースで男子はベストとYシャツネクタイ、実験時に着る用に緑のローブが全生徒に支給される。
女子生徒には雪華を象ったヘアピンが支給され、男子生徒には腕章が支給される。
購買には雪華の紋章が入っている小物がおいてあり、リボンや栞などがよく売れている。

閃光騎士団 Edit

少数精鋭からなる独立治安維持部隊である。
現在の団員は閃光騎士27名、見習い15名の計42名。女性が多い。
その内のほとんどは皇都におらず、国内視察と称して飛び回っているため腰が軽い人間ばかり。
雪華章と呼ばれる武力行使、捕縛、逮捕の権限を個人に認めた証を持ち、一個人が過剰な程の力を持つ。
百箇条の閃光騎士団規則に反しない程度にはルール無用の残虐ファイターどもで、ピーキーな性格の人間が多い。
また、閃光騎士全員が習得している閃光剣という技は元々隣国ヒルベルトホルストの騎士の技でもある。
この閃光剣が閃光騎士と認められるために必要な技能で、努力すればなんとかなるものでもなく天性の素質によるところが大きい。
素質のある人間を探すのもお仕事のひとつ。

治安維持活動が主な任務であるので村人に頼まれ怪物退治もするが、騎士団との兼ね合いもあり微妙な仕事だったりする。
ていうか閃光騎士団はよくも悪くも目立つ事が多いので騎士団とは若干仲が悪い。

創設者は皇女クーシェ・ハイラーグであり、初代団長でもある。
二代目団長はリカルド・フェルエンベルク。
団長に指名された理由は「一番まともで事務仕事もしてくれそう」だから。
閃光騎士団はとことん座っていられない者が多いのである。
三代目団長はヘルムート・コルネリウス。
指名された理由は「リカルドの弟子だし真面目そう」だから。

ハイラーグ国軍 Edit

国内の魔物討伐任務、有事に備えた戦闘訓練、国外の騎士団との共同演習などが中央軍の仕事。
練度は中の上、他国との模擬戦闘では負け越しである。
「能力は低く見積もってもらってくれていた方が何かあった時やりやすい」
とは国軍の前身である騎士団の何代か前の団長の言葉。
負け惜しみかもしれない。

各町村にも最低で4〜5人は派遣され、そこそこ大きな街では小隊クラスが派遣される。
魔物退治と警察的なお仕事が主な仕事。
以前までは教師の仕事もしていたが現在は教員資格とかも出来たので廃止。
徴兵制度はないが志願者自体は多く、怪物退治で名を上げようと思っているものも多い。
200年頃に騎士団からハイラーグ国軍と改名。

諜報機関「インビシブル」 Edit

これについてはよくわからない組織であり、存在していないのではないかと言われている。
というのが大半の人間の認識で、これを知っているのは王家の人間と一部の幹部のみ。
それらの人間も全貌を把握していない。
主な役割は他国に放った大量の諜報員からもたらされる国外の情報を王家に提供することである。
末端の構成員は自身がどの国に属しているのかも知らない。
……というのが近年までの状態であったが、本拠地が突如皇都にお引っ越し。
暴走を見張るためだの、壊滅直前までいっただの様々な噂があるが、実際のところは不明。
表向きはモンスターによって両親を亡くした子どもを集めた孤児院。
国の機関でありながら唯一雪華の紋章を使っていない。

人物 Edit

東西を魔導王国と武装国家に挟まれたハイラーグはどちらに染まることもなく錬金術という道に進んだ。
結果として西方諸国内でも随一の錬金術大国となり、多くの有名錬金術士を輩出してきた。
反面、魔法や武芸等に関しては遅れを取っており国外まで名が届くような武芸者や魔法使いはそれほど多くない。
閃光騎士団の活躍などで錬金術だけでなく剣術を習う人間も多少増えてきたが、魔法使いに関してはほとんどその話を聞かない。

初代ハイラーグ皇 Edit

ハイラーグを建国した人間。
元々はハイラーグ村の村長さんで平凡な農民でもある。
始祖の錬金術士とは行き倒れているところを助けてから一国の主となっても深い親好があった。
一宿一飯のお礼としてブルーエッジを受け取り、建国の祝いとして宝冠をもらい、結婚の祝儀として宝玉を手に入れた。
この三種は現在でも受け継がれ、真のハイラーグ皇でなければその元に集まらないと言われている。
現皇のミリア・ハイラーグも先皇ミシェル・ハイラーグよりこの三種を託されている。
皇妃は身体が弱く、高級な食べ物に弱い人物であったがその歌声には特殊な力があったため人とは違う種族だったのではないかと言われている。

始祖の錬金術士 Edit

ハイラーグに錬金術を伝えた人物のことをこう呼ぶ。
そもそもは海を隔てた南方の大陸にあるカントレーヌという錬金術国家の研究者。
机にかじりついて研究ばかりしている周囲の人間に嫌気がさし、当時航海技術も発達していないにも関わらず単身こちらの大陸にやって来る。
その後は建国の物語にある通り、初代ハイラーグ皇(とはいえ助けた頃は一介の農民)に助けてもらいこの地で錬金術を普及させた。
今日のハイラーグの錬金術士のアグレッシブさはこの錬金術士に由来しているのかもしれない。
錬金術には様々な体系があるものの、カントレーヌから伝わったハイラーグの錬金術は化学の隠し味に魔法を使う程度のもので魔法の才能がなくても大体の人が出来る。

闇黒の君 Edit

皇立錬金術学校にてその存在がまことしやかにささやかれる人物。いわゆる都市伝説や学校の七不思議に属する。
黄金歴以前からの噂であり、実在したかどうかは今となってはさして重要ではない。
錬金術士の中には闇黒の君を信奉する一派があり、彼らはそのシンボルとしての闇黒の君を崇めている。
本来なら禁忌であるはずのホムンクルスの作成や人体実験等がその一派によって秘密裏に行われている……というこれまた噂。
とにかく闇黒の君についての噂は非常に多く、闇黒の君を信奉する者がいるのも事実である。
とはいえ、学生がかかる麻疹のようなものなので、学校を卒業する頃には黒歴史化している生徒がほとんどのようである。

玉孫 Edit

ハイラーグ皇家における最大の謎、生まれない卵。
皇妃ミナリリアが産後の疲労を回避するために竜形態で子供を生んだところ卵で生まれてしまった。
エンシェントドラゴンに属するので生まれるのに必要な時間は膨大。
兄弟は長いこと一緒にいるので意思の疎通は可能な様子だが、両親祖父母は全くわからない。
城内の人間は何かあるとこの卵のもとにやって来てお祈りをする。簡単なお願い事なら叶うと評判なのだ。

リカルド・フェルエンベルク Edit

閃光騎士団二代目団長。
ネジがぶっ飛んでる団員が多い中、唯一といってもいい常識人。
最年少入団、最速正騎士試験合格と華々しい記録を持つが団内格付けにおいては上の下ほど実力である。
ムラが激しく、守る戦いには滅法強いが競う戦いには死ぬほど弱いのが原因と本人は漏らしている。
戦うことしか頭にない人間が多いのでその他諸々の事をかんがみた結果の閃光騎士団長登用だったようである。
現在は年齢のこともあり団長の座を辞し、後進の育成のため閃光騎士見習いの顧問をしている。
二児の父であり、長男は錬金術士、長女は閃光騎士を目指している。

歴史 Edit

人魔大戦 Edit

概要等はこちらにて。
設定/人魔大戦


Last-modified: 2012-04-21 Sat 23:10:13 JST (4349d)