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  • 《 ゾ ド 要 塞 包 囲 戦 》 -- 2012-08-26 (日) 22:57:15
    • 【226年 7月 ゾド 包囲網 西方領陣】 -- 2012-08-26 (日) 23:00:26
      • いやいやいやお待たせしました、準備に手間取ったもので
        (悠々と天幕にはいり西方領の大将である候、フリストフォンに声掛けるは包囲戦始まってより不在であった黒山羊の頭)
        (伝令からの礼はあったもののその姿を見せることは少なかった。その場で水を飲み話を続け)
        さて、そろそろ始まります故・・・前線まで如何ですか閣下
        (今にもけらけらと笑いそうな遊び心地の語りで誘う) -- 2012-08-26 (日) 23:06:55
      • ほう。……それもまた催された一興であるのならば、乗らざるを得んだろうな。生憎、退屈をしていてな。
        (静かに立ち上がる)喜劇への誘いなど……何年ぶりの話だろうな。
        かつては社交の道具であったそれに、心躍らせるとは、つくづく俗に落ち着いたものであると自省するところだ。
        或いは、その俗こそが興であるのだとしたら、ただの王のままでは永遠に知ることは出来なかったかも知れぬな。 -- フリストフォン 2012-08-26 (日) 23:13:02
      • (天幕から出て歩けばそれら芝居染みた俗ごとき応酬は書割を割くがの如く剥がれ)
        ハハハハ、娯楽とは即ち退屈せぬために作られたもの。
        社交の道具となったのもその延長でしかない。
        人はパンのみに生きるにあらず、娯楽を。と唱えたのは誰だったかな(からからと笑いながら高台に上り指差すは南方領陣)
        (そこには巨大な・・・小屋1つあるのではという荷車がいくつも運び込まれ整列していた)
        始まるぞ -- ヴァイド 2012-08-26 (日) 23:30:48
      • 遍く全ての物が道具としてしか機能し得なかった我が人生を悔もう。
        その上でそれを嗜める今を愛そうではないか。
        ふむ……。
        (そのいくつもの荷車を睥睨し、静かに顎に手をやり、成り行きを見守る) -- フリストフォン 2012-08-26 (日) 23:40:25
      • (荷車付近に居た魔術師らが何かを唱え、兵士が荷車を覆う布を剥がせば起き上がる)
        (巨大な肉塊を礼装した姿・・・柱の騎士と王に似た姿。違うとすれば・・・)
        (王であるだろうものは女性用の騎士礼装と王族の礼装を混ぜたような装飾を)
        (極限まで装飾を施したといっても過言ではない姿が戦場に巨体を立たせ)
        (騎士は二足歩行の威厳ある姿ではなく下半身は肉腫、装甲された上半身を大きくうつむかせ・・・四つんばいの赤子のように)
        (古代の戦車・・チャリオットのごとく大地に立った)

        (そして宴が始まった)

        (最後の徹底抗戦か、とのごとく要塞に雪崩れ込むと大爛の兵士を片っ端からなぎ払っていく)
        (騎士らしきものの怒涛の突撃もさることながら騎士とまったく別種ともいえる光景がまた広がる)
        (叩き潰す、突撃し飛び掛る大爛の兵士を食っているのだ)
        (口、体表、肢から死骸も生きたままであっても統一のものでなければ同じ肉とし咀嚼し飲み込む)
        (みるみるうちに最初にみた姿よりも巨大に膨れ上がり強靭となる姿が戦場に恐怖を撒き散らす)
        (攻撃を受ければかんしゃくのように城壁ごと兵士を薙ぎ殺し、雄たけびを上げ空気を振るわせた)
        (柱の騎士と王を用いた戦術とはまったく別の戦いがことここにいたって産声を上げた) -- 2012-08-27 (月) 00:12:13
      • (一度、その技術を分解し、自分なりに再構築した身であるから理解出来る)
        (あれは……柱の騎士の技術のその先にある物だ)
        (成る程、腐肉を消費して時限より逃れられない彼の騎士を、自給自足が可能な形にして来たか)
        ほう……。
        宛ら、東で言う餓鬼のような姿だな。
        ……しかし、趣味が良いな、ヴァイド。
        飢え苦しむ者に大して、喰らう怪異を差し向けるとは。
        つくづく喜劇の演出として楽しませてくれる。
        (その血と肉の宴の中、無垢な残酷性で戦場を咀嚼する赤子を見て嗤う) -- フリストフォン 2012-08-27 (月) 00:51:18
      • あれはなぁ、柱の女王と近衛と呼んでいる。
        素は母と子だ。いや・・・なんだ、騎士と王の封建を見てな。母と子の愛の深さを思い出したのだよ。
        これはもしや可能ではと思い弄らせていたんだが、いや中々どうして、素晴しいものができた。
        戦局の生死の最中にもっとも原始的な愛・・・母子愛が食らう姿
        西方を歩きそれなりの血の妾とその子を集めた甲斐があったものだ、ハハハハハ!

        (柱の女王が危機に晒されれば暴れるようにその障害を取り除き)
        (近衛たる子が危機となれば呪詛と魔術を織り込み強化と狂化を繰り返す)
        (そして大爛の兵を食い続ける)

        食らう近衛が餓鬼ならば、女王たる母は鬼子母神か・・・
        どうだ美しいだろう?母は子を守り、子は母を守るために・・・
        あのような醜悪な姿と成り果ててもその愛は消えぬ、むしろ増すばかりだ
        大爛のどのような大儀も意志も純粋無垢なる子と母に吸われ、同化し回帰する・・・
        すばらしい
        (そう喜ぶ中、また一人の赤子である近衛が大爛の兵らを喰らっていく・・・)
        (前線もまた、歓喜が沸く) -- ヴァイド 2012-08-27 (月) 01:06:53
      • いや、ヴァイド……大爛の兵はな、その殆どが自己の目的を持たず戦場に立っているのだ。
        彼らはその殆どが、基礎的な人としての考えを剥奪される傀儡である。
        西の者が正義と忠義を以って剣を振ることを、私は肯定するわけではないが、東の者はそれすらも持たない伽藍の者が多い。
        むしろ……この残酷な宴は他者の血肉となる救いであるのかもしれんな。
        (泣き叫び、食らわれゆく帝国の兵を睥睨し、呟く)

        私もかつてはその一翼を担っていた。本爛という名を与えられ、爛という名に縛られることで、他者から役割を与えられていた。
        悲劇的にも、それに見合うだけの力がこの手に有り、完璧に本爛という容れ物を全うすることだけが、私の存在の理由だった。
        或いは、そのままであれば、この残酷な宴も、皇として恥辱と屈辱に顔を歪める仮面にて悲劇と嘆いていたかも知れぬな。
        だが今は……どうだ。
        その姿を見て、漸く救われゆく下々に、喜悦が止まらぬ。
        ……母の胎へと還りうることを悦べ……帝国の傀儡達よ。 -- フリストフォン 2012-08-27 (月) 01:26:18
      • ハハハハハハハ!アハハハハハ!
        そうか、そうか、うむそうか。成る程肉塊であったか。
        そうだったな爛煌をみればそうだな、傀儡が殆どであるか!
        人でなしであったか!そうかそうか、うむ成る程そうだったか!
        (笑う、笑う、嘲りでもない。喜び)

        ではなるほどようやく人に戻る。回帰するのだ。救済か、なるほどそれはいい
        原初たる母の愛により回帰するのだ!

        うむうむ。いいだろう、いいだろう。
        今この一瞬でしか味わえぬ、感じえぬ愉しみがここにはある。
        そしてそれを愉しめるということも・・・無常の喜びである。
        (末期の砦は食い尽くされた。大爛の兵士、誰も彼もが皆肉となり)
        (母に回帰し無垢な赤子となった)
        (陥落した砦に響く雄たけびは大気を震わす赤子の鳴き声)
        (統一連合の戦局の1つでしかないが・・・戦争の色が決定的に変わったことを物語る一幕であった) -- ヴァイド 2012-08-27 (月) 02:03:58
  • 《 ゾ ド 要 塞 包 囲 戦 》 -- 2012-08-25 (土) 01:28:50
    • 「よもや我々まで前線にでるとは思いませなんでしたが…」
      将軍の一人が包囲戦本陣天幕で呟く。目の前の簡易机に布かれた地図は最新のものとなっている。
      ウラスエダールからの補給戦、ローディアから、アルメナから…大爛との戦争が始まってから…
      いや続く最中、道路は異常に増えた。どちらにとっても有用になるものだから破壊する時期が難しい。
      故にこのような地図上に何本も線が太く引かれるようになっているのが現状なのだが…
      しかしもってこの奇妙な道がようやく統一連合として一枚岩になった兵士達をここまで進めさせたのだ -- 2012-08-25 (土) 01:39:14
      • 「そこまでの窮地と、分水領となっているのが今でしょう。我々ローディアの民…来年の朝日を拝めるか怪しいもの」
        事実、ここにいる将軍らも兵士らも、この陣こそ本来後方にいるものらなのである。
        その半数が年老いた将軍…なぜならば彼らはアルメナとローディアを結ぶ衛生都市であり
        ローディア連合王国南方領の者たちであったからだ。彼らは膨大な西方領とはその統治目的
        設立目的が大いに違う。アルメナとの技術、人材、交易の中心として置かれたものらであり
        もっぱら医療をローディアに広める技術と医術機能のために存在している。
        事実兵の大半が負傷兵や身体に難がある者らを新たにその医療で蘇らせたもの達であった。
        今までその位置関係もありコンスタントにある一定の兵を輩出するしかできなかったが…戦況の悪化と
        技術の醸造も相まってようやっと完成した大量の柱の騎士らも引き連れての参戦となった。 -- 2012-08-25 (土) 01:50:11
      • 「…して、我等が太陽王はどちらへ。本陣の軍議が終わってからしばらくたつが」
        そして彼らを統べる者、彼らは皆こう呼んだ。太陽王と。如何なる身体に難がある者も…
        年老いた者であっても領民として受け入れその技術によって再び人間としての生を歩ませていたからである。
        無論、当初は都合よく実験台に切り刻む外道とまで言われていたがこの末世とも呼べる今
        倫理も情理も裏返った今となっては…救世主として崇められていた。
        「前線でゾドに向けて既におっぱじめられておるわ。本当にあの方は前に立つのがお好きな方だ。」
        そうして笑い会う彼らもまた…その医術と神聖魔術らの恩恵を受けて体が異形としつつも
        前線に立てることを喜ぶ将軍らであった。天幕で笑いあう老将ら皆、最後の兵隊。
        我々はまだ戦える、戦って死ねる。この祖国が滅ぶか生きるかの大事に病床で詰まらぬ老後、杖と寝台で痴呆に苛まれ死ぬのは嫌だと。
        彼の者が差し伸べた手を喜んで掴んだ人間であった… -- 2012-08-25 (土) 02:00:30
      •  
        前線の連合兵はまさに今までの集大成、という有り様であった。
        柱の騎士に随伴する兵が…カタパルト、トレビュシェット。それら投射攻城兵器により物を飛ばせるだけ飛ばし
        ゾド要塞外周だけではなく城から出てくる兵士に損害を与えている後、近接戦闘にて盾とし距離をつめ
        マスケット兵の一斉射撃で…と。限りある人材すらも削り、この包囲戦にて首を絞め殺そうという戦いであった。
        ウラスエダールから補給戦確保のため削り出されたガラス化した大地も投射の岩とした。
        特に対人相手とならば、そこそこ使えた。
        今までの恨みを晴らすかの如く…昼夜問わずそれらもゾドに投げ込み
        さらには前線で死んだ大爛の兵士を切り刻みズタ袋に詰めて要塞内部に叩き込んだ。
        伝染病に苦しめられれば一日でも早く城が開くだろう。
        この兵士の中の何人がゼナンのように毒攻めできればよいかと考えているか…それらを如実に物語る。 -- 2012-08-25 (土) 02:18:00
      • 「おぉ、太陽王よ。ここに居られましたか!!!」
        ばたばたと歩いてくる老将が声を投げるは全身鎧に外套で身を包んだ王
        かの男は、紅白で彩られた全身鎧と大仰な兜を纏い紅蓮のマントを前線の丘で靡かせてい)
        老将を見るや否や、頷き副官らしき男…これまた老人であるが。かのものが応える
        「ほほほ、如何なされたか。他の領主が面通しに来たか」
        これはこの南方領の主である男…彼にとっての常套の儀礼ともいえるべき通例だった
        まずかの男はどんな場であろうと鎧にて応じ、言葉を発することがない。公務の殆どを…
        かの副官が応え、話す。公務であり他の諸侯との会合でも一言たりとも喋らない
        諸説話はあり、その姿は病に朽ちている、自らを医療に投げ込んだため声を発せない等…理由は定かではない
        しかしその領主としての機能、それらが彼の者の存在を許した。ようは繋がりさえあればいいと
        ある種の西側封建社会の横の繋がりである様式を表していた
        「どうもこうもありませんぞ、我等を放っておいて前線とは、皆待ち望んでいます」
        かの男が、からからと笑うそぶりにて老将の笑顔に応えると副官に頷き天幕へ戻)
        「ではその間もこれまで通りの定石とし続けさせ、突出した武将や鳥や蟲が出れば守りとせよと伝えます」 -- 2012-08-25 (土) 02:37:31
      • 天幕では誰もが彼を待ち望んでいた。入るなりその名を呼ぶ声が天幕中に木霊する。
        「お待ちしておりましたぞ!」「早く!前線へ!」「椅子を暖めるのは飽きました!」
        そして王に用意された椅子に腰掛ければ、皆静かに耳を傾ける。
        副官がいない…それだけで今は異常なことであった。無論、前線に指揮官を残すのは定石であったが…
        この太陽王が、かの男が、副官を連れていない…即ち、肉声による辞があるのかと。
        先ほどとは打って変わって湖畔のような静けさが天幕を支配する。
        そしてその静けさを最初に破ったのは…紛れもなくこの男であった。
        鎧の中からくぐもった…掠れた、誰とも付かない人間の声が、鳴る。

        「この地に遥か彼方より続く血を持って命ずる。
         我が名…ラー・アルラーム・カイルの名において…この戦に全てをかけよ
         今を持って燃やせ。輝け。」

        静まり返った湖畔に油と火を注ぐかのごとく声が、涙が湧く。
        少し前までは明日をも知れぬ、未来など見えぬ老いと病に冒されたものたちであった。
        誰からも不要とされ、なぜ戦えぬのかの、戦えると惨めに思っていた者らであった。
        しかし、今、再びその命は欲しいと。必要だと、その声を持って命じられたのだ。
        誰もが歓喜し、武器を取り、兜を取り天幕を出た。
        熱狂的な風が天幕より吹き出した。
        最後に残るかの太陽王は、椅子を揺らし一人思う。
        揃い、揃う。これからが本当の戦いだと。ようやくにして整ったのだと…
        前線から戻ってきた副官と南方領本陣である天幕をほぼも抜けのからにした老将と将らに飽きれつつ
        その先にある、その中にある宝玉を愛でる。
        さて、あれはいつ出そうかなと。まぁまず…西方侯であるアイツに会ってからでも遅くないと。
        手の中にありもしない宝玉を愛でた。 -- 2012-08-25 (土) 02:58:38
      • 【226年 6月 ゾド 包囲網 南方領陣】 -- 2012-08-26 (日) 01:32:43
      • 「元気がなくなっておりますなぁ連中は」
        隻眼の老将はかつての繁栄が腐肉の如く崩れ爛れていくゾドを眺め呟く。
        山を背に、かつてあった神聖ローディア共和国の首都は今や見る影もない。
        戦乱の続くこの戦国の世ではどこも一寸先はそのようなものなのだが…
        こと国の中心であった場所なれば、そう思わぬことも無理はない。
        明日はわが身であることも重々承知だが、どちらの陣営も一瞬の栄華が持つ儚さを帯びていた。
        「これは必要ありませんかもなぁ、彼女らは」
        そうため息と共に頭をかく老将の退屈な顔は、伝令により水を指される。 -- 2012-08-26 (日) 01:40:59
      • 「失礼します。南方領よりの伝令にございます。礼装が済んだ、とのことです。」
        ふむ、と老将はナイフで白ヒゲ切りそろえた鋭い口元を撫で、思案する。
        本当に必要なのか…?このままで充分ではないか、と。そのまま視線を隣で眺めている
        太陽王と呼ばれる男、南方領主とその副官に問うた。
        答えは…
        「続けよ、とのこと。ゾドから大爛の者らを駆逐するまでが此度の戦いであると仰せだ。」
        老将が笑う。自らの考えが通らなかったことではない…ある種の確認ができた。
        つまるところ、徹底的に大爛のものを潰すまでがこの戦い。捕虜など誰も取らず一人残らず殺すのだと。
        殲滅するまで戦えとの辞に他ならなかった。
        「到着は来月の予定と管理官の算段によるものです。」
        「ご苦労、下がれ。誰かこの者に水と充分な休息を与えよ。」
        トレビュシェットが大爛兵の死体を投げ込むその風切りと駆動音を背に彼らは前線を眺め 戦いを眺め、戦う。
        宴は近い。
        その前に砲撃の休息間を縫って胡久美に中を伺わせるか…と思案するのだった。 -- 2012-08-26 (日) 01:54:16
  • 《 第 二 次 バ ル ト リ ア 会 戦 》 -- 2012-08-12 (日) 23:38:23
    • (最前線よりほど近い丘の上。六稜軍前線本陣……そこからも、その異形の姿を見止めることは容易であった)
      白い……竜……!?
      (平原に突如として出現し、柱の騎士達をつれて進撃してくる巨大な白竜。明らかに帝国軍のみを狙うその威容を前にして、すでに前線は完全に崩壊していた) -- 宗爛 2012-08-13 (月) 19:31:13
      • 「で、殿下……いったいアレは……」
        「に、逃げましょう! あんなバケモノ相手にできるわけが……!」 -- 六稜兵 2012-08-13 (月) 19:31:59
      • 撤退はしない
        今撤退すれば後詰の本隊にまで被害が及ぶ。そうなったら撤退支援を受けられなくなる。支援なしで孤立すれば、結局ゾドにつく前に砂漠で追撃隊に追いつかれて野垂れ死ぬだけだ
        何としても本隊から撤退命令が出るまで時を稼ぐ。戦況を報告しろ -- 宗爛 2012-08-13 (月) 19:35:21
      • 「は、はい! 各隊前線で奮闘しており、連絡は未だ途絶えていません! 天教術師のいる隊は魔術連絡も可能です!」 -- 六稜兵 2012-08-13 (月) 19:58:15
      • つまりまだ六稜軍は健在ということだな……よし
        次に打つ手は決まった。大型兵器を全軍投射後、破棄。即座に全軍突撃だ -- 宗爛 2012-08-13 (月) 19:59:49
      • 「突撃!? 無謀な、殿下は我々に死ねとおっしゃるのですか!?」 -- 六稜兵 2012-08-13 (月) 20:00:30
      • 案ずるな。あのバケモノに向かって突撃しろなどとはいわん
        目標は……南方だ。南方の敵編隊に対して全軍突撃を敢行し……陣中突破を図る。その後に南方神国領内を抜け、本隊から撤退命令を引き出した後、頃合を見てゼナンにまで撤退だ
        あのバケモノは見たところ帝国兵と連合兵の見分けがついている。となれば連合兵に対する攻撃は及び腰になるはずだ
        乱戦域に入れば僅かばかり生存率も上昇し、その上で敵編隊の突出を抑制することができる
        さぁ、いくぞ。モタモタしている暇はない -- 宗爛 2012-08-13 (月) 20:04:52
      • (800人大隊とも成れば、奴兵隊と言えど十分な戦力とみなされ、天教術士が配備される 宗爛の指示は、最前線の女にも即座に届いた)
        (その伝令の声に、中隊長達がざわめく 南に逃げれば、敵連隊と竜に挟まれるのではないか 本体の為の捨石にされるのでは、と怒声が上がる)
        (しかし、数秒の瞑目の後に、女は間を横に振るう 部下の声が収まる)
        成る程、そうするしかないか(いくらかの推測は立つ それを、宗爛の実務的な考え方を真似て作り置けば)捨てがまり(一声もらす)
        天教術士殿!将軍に伝令を!!(指示を飛ばし、準備をさせる その間に)全軍集合!兵の逃散を許すな!!生きたければ逃げるな!!(指示を投げる)
         
        (宗爛に伝令が通る アベル大隊からです、と)『赤鋒、竜を貫くには未だ足りず 赤矢、敵壁抜けるには未だ細く 赤求めるは、他色を束ねる親虫の糸』
        (古い帝国の詩を真似て、こんな時にも洒落を利かせる 敵陣突撃の為の、他部隊への指示権を欲する、との求めであった) -- アベル 2012-08-13 (月) 22:46:22
      • 『為らば糸は蜘蛛へと至り 蜘蛛の子は土蜘蛛に倣う』
        (背後から、声が響く。そこにいたのは六つ目の異形面を被り、巨大な黒山羊に乗った男)
        伝令の必要はないぞ、アベル
        ……三中隊預けてやる。できるな? -- 宗爛 2012-08-13 (月) 23:08:52
      • (その声に気付き振り返れば、思わず目を丸くした)将軍!?(前線師団長が前線に居るのは不思議ではないが、此処は最前線だ)
        (流石に言葉をなくしてパクパク口を動かすが、すぐにその口を閉じ、敬礼をした)『NO』と言う際の言葉は知りません 辞書が落丁品だったもので
        (にぃ、と口の端を挙げる ギザっ歯が見えた 其れは、武者震いを起こす戦士の顔でもあり、信任を得た将の顔でもあった)
        有難き幸せ、拝領いたします!之より帰陣まで、六稜の名の下に『紅原奴兵聯隊』と称します
        (そして、振り返り声を張る)新規中隊の長に伝達!鋒矢の陣の後方両翼からの紅原本隊の支援と、後続部隊への後援!!
        将軍、それと(馬に跨り、片手敬礼 長い髪を揺らし、女は目を細める)帰陣の暁には、我が兵へ甘味と酒を頂ける様お願いします ひひ、私がそれ等を好きなだけですが -- アベル 2012-08-13 (月) 23:25:00
      • いいだろう。最高級の蜂の子の唐揚げと蛇酒を約束してやる
        (擦違い様に前に出てそう約束しつつ、小高い丘から飛び出す)
        (我先にと戦陣を切り、骨剣を抜いて声を張り上げる)

        全軍突撃!! 死にたくないなら我に続け!!! 国境にまでたどり着ければ、我々の勝利だ!!

        (時が惜しい。そして士気も惜しい。ならば自分が前にでるしかない)
        (忠誠心のあるものは将を守るために続く)
        (功名心のあるものは欲を捨てきれず続く)
        (どちらでもないものは、流れが傾けばそれに続く)

        (鬨声をあげ、土煙と共に南方戦線へと強攻する六稜軍)
        (背後では白竜がドラゴンブレスを吐き……先ほどまで六稜軍本隊が陣取っていた陣地一帯を丸ごと焦土へと変える)

        (デタラメな威力だな……! ええい、急がなければ兵が恐慌に陥る。そうなったら軍事行動など不可能だ)
        (今は戦の熱と、一時の目的を与える事で恐怖を紛らわせなければ……) -- 宗爛 2012-08-13 (月) 23:35:22
      • 約束だぜ、ソーランショーグン(にやりと笑えば、先陣を切る宗爛から視線を外す 直ぐに追わぬ 突進の地響きの中、自分の連隊を見る)
        1000人隊だ、凄い事になったな、ええおい?此処に居るのは、ほぼ全員外国人だ 傭兵も居る、俺達みたいな敗戦国の兵も居る、現地徴発の元農民の人も居るだろ
        (女は、長い髪を纏めなおしながら、何てこと無いようにあっさりと)みーんな、別に帝国の為に死にたくはないだろ(笑言った)
        (即時動くべき事態でも、女はゆっくりと、声を届かせる それは、術を通し、宗爛にも聞こえていただろう それをわかりながらも……)
        帝国の為に戦うなんて反吐が出ると思ってる奴等も居ただろう(この軍団の忠誠心を否定し)
        さっさと逃げ出して、平和な村で貧乏でも平和な暮らしをしたかったやつも居るだろう(功名心も否定して、)
        (その上で、)だが、今だけは、お前達はどこの軍でも、誰の兵でもない!!ただ、お前達が、自分自身の命を救う為に、ただ戦え!!生きろ!!
        活路は……(抜いた剣を天に掲げ、馬に拍車をかけた 馬の嘶き 棹立ちの馬の上で、真っ直ぐ南に振り下ろす)
         
        一路、南方ッ!!鋒矢の陣!!全っ軍ッ!!突撃ぃぃぃいいいいいいいいっ!!!!!
         
        (宗爛の後ろ、かつて無い鬨の声 誰の為でもなく、己の為に、生きる為の叫び 駆け出した連隊は、宗爛本隊と肩を並べ、敵陣に突っ込む)
        (その姿は、他部隊の奴隷達にも伝播した 他国部隊を統括する将達も、続けて真っ直ぐ南に動き始める!) -- アベル 2012-08-13 (月) 23:50:20
      • (中央戦線から無事脱出を果たしたことで、六稜軍の大部分はドラゴンブレスの直撃を避けることが出来た)
        (しかし、背後で行われるドラゴンによる虐殺により兵士の一部が恐慌状態へと陥り、戦列に乱れが生じ始めている)
        ……落伍兵は放っておけ。流石に面倒を見ている余裕がない
        今は一兵でも多く、敵の南方前線を突破するのだ
        ここを突破できなければ生きる道はない。退けば本来の殿につかわれ、止まれば何れ挟撃されて殲滅される
        我々は前に進むほか道などないのだ
        進め、殺せ、奪え!! 生きるために!
        (近衛兵達を一喝しつつ、自身も軽弓を射り、接近してきた敵は黒咲がケリ倒し、宗爛が骨剣で切り裂く)
        よし……完全に乱戦域に入った。ここならドラゴンブレスで一網打尽という最悪の事態は避けられる
        このまま突破して神国に逃げ込むぞ! -- 宗爛 2012-08-14 (火) 00:38:33
      • 振り向くな!!人は見るな!!!己を生かせ!それが結果、仲間を最大に生かす道となる!!
        (連隊の先頭に立って剣を振るう 性別や立場は違えど、宗爛と同じ様に自分すら軍を鼓舞する道具に使う それが、今この場で他を生かす最良の方法だと理解していた)
        (飛ぶ矢が霞めて頬が裂けるも、振るった剣で敵を薙ぐ 槍を構えた応対を見れば、剣気を練り上げた一撃で、間合いの外から打ち崩す 仮にも、切り込み隊長や人外の騎士と渡り合う一騎当千なのだ)
        定期連絡ッ 黄!青!黒!白!緑!(術兵越しに各部隊隊長からの返答を聞く 舌打ち)緑、逝ったか 副隊長を暫定隊長に!青!両翼に展開して緑を援護せよ!
        (雑兵は己が為に、隊長は雑兵の為に、そして)俺は、全員の為に(剣を翻し、突き出された槍の柄を断つ)生きるぞおおおっ!!(呼応する、奴兵の声は竜の如くに) -- アベル 2012-08-14 (火) 00:51:07
      • 突破しろ!! 一人でも多く! 一刻でも早く!
        (血飛沫を浴びて、肉片を振り払って、前へ。前へ。前へ。前へ)
        (振り返る暇などない。省みる暇もない)
        (ああ、しかし。何故だろう。今自分は落ち着いている)
        (1つの目的にむかって、ただ進んでいるこの状況)
        (走馬灯のように、過去が想起される。右も左も敵しかいなかった、過去の宮廷がダブって見える)
        (生きるために陥れ、生きるために謀り、生きるために蹴落とした)
        (その過去が、この戦場と重なっていく)
        (死に瀕すれば瀕するほどに、滅びに寄れば寄るほどに)
        (こんなにも心は落ち着いていく) -- 宗爛 2012-08-20 (月) 01:02:16
      • (背後で、白竜が滅びを吐き出す。白熱した光の暴走は前線を薙ぎ払い、一切合財を悉く灰燼へと帰していく)
        (崩壊した前線で兵士が逃げ惑う。誰とも知れぬ兄弟の一人が、自らの軍団と共に竜の口腔へと消えていく)
        (こんなものが、こんなものが戦であるのだろうか)
        (これが戦だというのなら、今まで我々のしていた戦とはなんだったのだろうか)
        (勝ち戦と侮る敵兵を切り裂いて、反面生きる為に前に出る雑兵を蹴散らして、それでも心は落ち着いていく。冷えていく)
        (戦を超越してしまった前線を脱するために。ただ目的に向かって歩むために)
        (生へと執着を駆き立てて)
        (我武者羅に前へ。前へ。前へ) -- 宗爛 2012-08-20 (月) 01:11:01
      • (最後の三発目。竜の口に絶望的な密度のエネルギーが収束を始め、日が傾き始めた戦場を照らし出す)
        (誰もが死を覚悟した。後方の落伍兵がつい足をとめた)
        (百戦錬磨の帝国兵が、暴虐の限りを尽くした帝国兵が、あるものは膝をおり、あるものは何かに祈りを捧げていた)
        (諦めなかったものだけが、往生際の悪い奴等だけが)
        (俺の後ろを今も駆けている)
        (血と肉の道をただひた走っている)
        (それでも、目前の滅びから逃れることは叶いそうもない)
        (頭の片隅でそう理解していても、諦めることはできない)

        死にたくない(負けたくない)

        (たったそれだけの、極普通の欲望のために全力を尽くす)
        (盤面の状況など関係ない。只今を優先する)
        (只今生き残れるのなら。只今生き延びる術があるのなら)
        (今は、共にそれを為すのみ) -- 宗爛 2012-08-20 (月) 01:22:20
      • (果たして、その願いが届いたのだろうか)
        (それは上天の超常が悪戯に下した結末か)
        (それとも、ただ人が手にするに余る力であっただけなのか)

        (光は竜のその身を蝕み……喰らいつくしていく)
        (竜の腹が裂けて光が荒狂い、表皮が燃える)
        (血は沸騰して赤い霧となり、骨は炭化して崩れていく)
        (それでも、よほどの帝国が憎いのか。一歩、二歩と燃え続けるその身体を引き摺って)
        (前線の帝国軍へ崩れ落ち、前足を大きく踏み出したまま果てた)

        (暫しの静寂。両軍、何が起きたのか一瞬理解が及ばなかった)
        (統一連合の兵士たちは涙し、帝国の兵士たちもまた涙した)
        (異なる意味の涙を流した)

        (諸手を挙げて歓喜する一人の帝国兵。先ほどまで天に祈りを捧げていたものだ)
        (自らの祈りが通じた奇跡を喜んでいる。天は未だ自分を見捨てていなかったと。天は自らを選んだと)

        (そんな思い違いをしている) -- 宗爛 2012-08-20 (月) 01:37:25
      • (そう、思い違いだったのだ)

        (その後のことは自分でもよく覚えていない)
        (ただ、あったことを今は記す)
        (一度だけ、はるか南西で光が瞬くのが見えた)
        (灯台のように光が明滅し、一度周囲の音が消えた直後)

        (戦場に……『日が、落ちてきた』)

        (上天より飛来した、光塊)
        (地教術師が魔術であるとわめくまで、だれもがそれを流星の一撃であると疑わなかった)
        (極光の奔流は先ほど奇跡を喜んでいた兵士を敵味方の区別なく飲み込み、一瞬で消し去った)
        (そんなことが。僅かの間に2,3度あった)
        (ようやくそれが連合側の新兵器だと理解した頃には、既に敵味方共に完全に崩壊し、本隊は我々を見捨ててゾドまで撤退していた)

        (逸早く前線を脱出した我々六稜軍はそれでも被害甚大であり、光に飲まれた兵士も数多くいた)

        (そんな報告を聞いたのもあとのことだった)

        (3度目の極光の一撃に巻き込まれた俺は重傷を負い、数日生死の境を彷徨ったという)
        (気付けば俺はゾドの寝台で横になっていて、ただぼさっと一部始終の報告を狗面から聞いていた)

        (幸いにも我が軍は未だに作戦行動を続行できるだけの能力を保持していたが……あれから、光を極度に恐れる兵士が増えたという報告を、俺は笑うことができなかった) -- 宗爛 2012-08-20 (月) 01:49:42
    • ──戦場より遠く離れたスリュヘイム・魔導研究施設──
      ・・・ったく、まだ未完成にも程があンだぞこいつァよ!まだ砲身の補強も対魔術式も終わってねェ、今撃ったらオシャカになっちまうぞ!?
      (小男が苛立ちを隠せない様子で捲し立てる。それもその筈、スリュヘイムの技術の粋を集めた超重魔導砲 " ゲヴァルト・リヒト "を、これからすぐに発射しろという指令が来たのである)
      (完成度としては7割、確かに発射自体は不可能ではないが、運用試験は十分でなく耐久性の難点も改善されていないため、発射自体にも危険を孕み、
      また撃てたとしても砲身が耐え切れずまた一からの作り直し同然のレベルまで崩壊してしまうであろう事は容易に想像できた) -- ヨルゲン 2012-08-13 (月) 23:43:09
      • 議会の決定ですので。事態は急を要します(冷徹な眼をした連絡将校が告げる)
        (それに、と付け加え)壊れたら、また造れば良い…もし今撃たずに!未完成の砲を抱えた国が、人が。残らず敵に押し潰されるのと、何方が良いか?
        高度な政治的・戦略的判断である、ということを御承知いただきたい… -- 連絡将校 2012-08-13 (月) 23:59:13
      • チッ・・・コイツをここまでにするのにどれだけ掛かったと思ってやがンだ、不死兵をどうこうするのたァ訳が違ぇンだぞ?これだから軍部の野郎どもは・・・(ブツブツ言いつつも作業は進める)
        解ってると思うが、コイツはまだ未完成だ。射撃実験も満足に出来てねェから上手く当たるかは分からん。それ以前に発射が上手くいくかどうかも確約しかねるぜ・・・・・・その責任(ケツ)は手前ェらで持ってもらう。それでいいんだな?
        (一瞬だけ振り向き、鋭い眼光を将校に向けて言い放つ) -- ヨルゲン 2012-08-14 (火) 00:16:46
      • 勿論。我等が公国の技術を、技術者を信ずればこそ…よもや役にも立たぬガラクタを、幾年かけて組み上げたわけでもありますまい?
        (さながら、此処も戦場である。視線が交錯し、言葉の下では互いに絶対の自信を戦わせているのだ)
        (重圧がかかる。そもそも、これが失敗すれば―帝国軍の中央突破の阻止、という作戦目的の前に、砲の破損は失敗に数えられない―統一連合は遠からず瓦解するのだ)
        (議会と軍部からの密命を受けた連絡将校は、階級以上に重要な情報と権限を与えられていた)
        (一蓮托生。言わずとも、察せられる空気であった) -- 連絡将校 2012-08-14 (火) 00:25:37
      • ヘッ、使いっ走りのガキが一端の口を利きやがる。(にやり、と薄ら笑いを浮かべ、砲に向き直る)
        ・・・・・・撃てるのは三発が限度だ。発射については確実に成功させてやる。命中精度も、腕利きの導術師を集めてあっから問題はねェ。
        あとは、状況を的確に判断して、最高のタイミングで撃てる「砲撃手」だ。 -- ヨルゲン 2012-08-14 (火) 00:38:25
      • 技師殿に使いっ走られていたおかげですな(帽子を被り直し)
        あるのでしょう?心当たり(ヨルゲンが条件を提示するとき、既に解決策は用意されている。)
        (あとは、それを間に合わせる事が出来るか、出来ないか。単純な能力を、胆力を試されているのだ) -- 連絡将校 2012-08-14 (火) 00:50:23
      • (ヨルゲンと将校の話す場から少し離れて)
        (魔術院の卒業者として、作業に参加させられていた彼もたまたまこの場にいた)
        (緊急で発射するための突貫作業の人手として呼集されたのだ)
        (最も、こなしていた作業は照準術式の調整補助や素材としてのオリハルコンの調達・使用部位への意見など)
        この化け物を…ゲヴァルト・リヒトを本当に使うんだな…
        (あれが齎す死者の量は、一体いかほどになるのか。想像もつかない) -- シュルス 2012-08-14 (火) 01:08:08
      • ケッ、当ったり前だろーが!俺を誰だと思ってンだ?(以前より狼狽える事が減った将校に悪態を吐きつつ)・・・・・・オウ、入れや。(そう言うと、全身黒尽くめの服を纏った者が入ってくる・・・顔も完全にマスクで覆われ、性別の判断も付かない)
        コイツに砲撃手を任せる、異存はねェな?・・・・・・ま、他にいい候補が居るってンなら別に誰でも構わねーが。(ニヤニヤと笑いつつ) -- ヨルゲン 2012-08-14 (火) 01:27:35
      • 流石ですな…異論?ありませんとも
        (宣伝相向きの格好だ、と内心感じつつも。結果がどう転ぼうと、このヴェールに包まれた射手は如何様にも脚色できる…)
        …刻限は迫っております、し ね

        本日二○○○より随時発射可能体制。間に合わせて頂きたい
        (そして、魔力と虹鉄に彩られ、後に災いの光と形容された砲座が動き出す) -- 連絡将校 2012-08-14 (火) 01:46:15
      • (遠間に見える。黒ずくめの何者かが…こちらにも伝わる声からすると、あの何者かが発射の引金を引くようだ)
        (照準術式の補正作業を急ぐ、術式の制御自体は得意分野だが、照準系は専門外である)
        …忙しくなりそうだ
        (時間制限が出来た事で、更に作業は加速して行く) -- シュルス 2012-08-14 (火) 02:01:32
      • 了解だ。さあド素人どもは離れてな、作業のジャマだ!(人払いをし、砲撃手室に黒尽くめの者を入らせる)
        それじゃあ・・・・・・頼むぜ。此処まで来たら何も言う事ァねぇ、思うさまにやってのけな!(頭を撫でてやり、部屋を後にする)
        発射準備だ!特殊魔導炉フル稼働開始!安全弁第一より順次解除!導術班、遠隔視術式始めろ!!
        (次々と指示が下され、本格稼動が始まる) -- ヨルゲン 2012-08-14 (火) 02:03:33
      • ・・・・・・・・・(明に暗に数多の戦場を駆け抜けてきた経験からの戦局を見る眼、そしてアルメナの技術とヨルゲンの調整によって高められた集中力と持続力、期を逸する事なく射撃出来る決断力・・・それらを全て備えている彼女は、正にうってつけと言えた・・・)
        (この期に及んでも彼女には、一切の気負いも恐怖も昂揚もない。それが、「ひとでなし」の精神だからだ)

        「戦場状況、確認。ドラゴンの出現により帝国軍は半壊、「それ」から逃げつつも連合軍部隊を駆逐し、国境へ達する目論見・・・」 -- エルサ 2012-08-14 (火) 02:17:26
      • 照準術式補正完了。遠隔視術式とのリンク確立
        (忙しなく指を動かし、導術班・照準術式担当の一員として作業を進める)
        (発射の時は刻一刻と近付いている) -- シュルス 2012-08-14 (火) 02:19:05
      • ・・・・・・砲撃準備。(帝国軍の先鋒が防衛を突き崩し、神国への国境へと向かう。それに伴い、戦線を維持していた敵本体も塊で移動を始めた!)
        「・・・・・・・・・・・・3、2、1、撃て。

        (凄まじい轟音とともに、彗星にも似た極大の光条が空を劈く!!) -- エルサ 2012-08-14 (火) 02:41:51
  • 《 第 二 次 バ ル ト リ ア 会 戦 》 -- 2012-08-10 (金) 23:36:28
    • (私は、連合国の澱である)
      (底に沈殿し、撹拌せねば表面に浮いてもこない、そういう役割を十年以上前に一人の王と一人の皇によって与えられた)
      (方や象徴として、方や供物として、そこに自己の意思を介在する余地など微塵もなかったが、私はそれですら何方でも良かった)
      (主張すべき自己の意思すらも、私は所持していなかったからだ)
      (だが、そんな空虚な澱ですら、この戦場に足並みを揃えて槍を並べる一つとならねばならぬほど、戦況は逼迫していた)
      (何しろ帝国兵の数が多い。単純にして明確な差として存在するその優位性を、帝国は余すことなく酷使し続けている) -- フリストフォン 2012-08-10 (金) 23:48:26

      • (侵略戦というものは、フィールドという点で大きく侵略側が不利であるにも関わらず、歴史の上で何度も攻城が成る理由は)
        (何をも得られない戦いというものが兵士の志気を大きく削り続けるからである)
        (今回の戦も例外ではなく、兵士の志気はその圧倒的な数を前に削られ続けていた)
        (故に、西側の軍党指揮を採れる者全てが駆りだされ、総力戦を余儀なくされていた)
        (それは恐らく……現王ですら、例外でいられるのは僅かな時間だろうと、実際の戦場に立って思う)
        (等しく、ここは誰もが死を感じざるを得ない地獄だ)
        (鼓舞による志気向上も限界に達しようという、与えられた兵の顔色を馬上で睥睨しつつ、戦場の遥か先、帝国の方を見据えた) -- フリストフォン 2012-08-10 (金) 23:48:37
      • (平原を吹きぬける風。その風が不自然に……東から西へと吹き込みはじめる)
        (同時に……)
        (黒煙が戦塵と共にフリストフォンの軍勢へと踊り掛かって来る) -- 2012-08-11 (土) 00:14:24

  • (見据える先。誇示するかのごとく掲げられた軍の旗を見て、指揮官は呟く)
    ……来たか。シュウ。
    いいだろう。それが……お前の出した結論であるなら、それを正してやらねばなるまい。
    戦場で得られる物など、何もないのだと。何もないことを愉しいと思える私のような性質がない限り、居るべき場所ではないと。
    (伝令に陣形を整えるように告げる。陣は横陣。横一列に並ぶ、シンプルにして最古の陣形)
    さあ、来い。……兄の首級は此処ぞ。 -- フリストフォン 2012-08-11 (土) 00:41:38
  • (わかる……あそこにいる。ここにいる。まるで、互いにその吐息が聞こえるかのようだ)
    (遙か後方にいるにも拘らず、その声が聞こえる。吐息が漏れるように、六稜の旗が囁く)

    わかっているさ。戦場は俺の居場所じゃないことくらい、最初からわかっているよ
    でも、関係ないんだ。関係ないからいいんだ。だって兄様がいるもの。兄様がそこにいるんだもの
    だったらそれ以上なんて何も要らない。何1つ必要ない
    アナタのいる場所が俺のいる場所だ
    俺はそう強いられて生きてきた。アンタがいなくなったばかりになぁああ!!!

    (まるで怒気がそのまま形になったかのように……黒煙がフリストフォンの横陣へと撒きついてくる)
    (そうそれは……戦塵、砂煙に偽装した毒)
    (風も風読みによって操作したものだ。既に戦争は始まっている) -- 宗爛 2012-08-11 (土) 00:56:33
  • ;(黒煙が地を這い、意思を持っているかのごとく隊列の一部を苦悶に歪ませる)
    (……成る程。毒か。……考えている)
    (そして、お前らしいな、自らの手を汚すことで、味方の被害を最小限にする、敵のみを傷つける戦法だ)
    (横陣を組まず、例えば一列にて中央突破を狙っていれば、一箇所に集中した毒によって一網打尽にされていたかもしれない。良く、学んでいる)

    (だが。それでは王足りえないのだよ、シュウ。それは利と理を良しとする、私の考えだろう)陣形。偃月
    ――二つに裂けろ、本陣。(元より、横陣の形を取っていれば、数として上回っている相手であるなら、中央突破をして然るべきだと読んでいた)
    (少数精鋭の定石であるところの中央を厚く構える魚鱗ではなく、横陣の構えを取ったのは、あえてそれを誘っていた手管なのだが)
    (招き入れたのが毒であるなら、その策を別の形で使わせてもらおう)
    構えろ。(信号弾による号令で、味方が一斉に横陣の中央に向けて盾を構える

    (瞬間、爆風が地をなぎ払い、閃光が眩く六稜軍の瞳を焼く。心象に深く刻み込まれるまでに)
    (それを以って毒煙を晴らし、土煙の中から中央にて馬で歩み出る)

    戦力や立場とは保持し、守るものではない。有効に使い、消費してこその意味だ。
    どちらでもいいという私の生き方を踏襲しての、どちらもいらないというその無欲に似た強欲が。
    お前が私足りえない最大の理由だ、シュウ。
    (アルメナの技術。死葬兵を、借りての……自爆という手段
    (死葬兵は数こそ少ないが、味方と同じ武装をさせている。誰が爆発するか分からない軍勢となった西ローディア軍が、毒の風下を避けた二手に別れ、斜めに進軍をしてくる) -- フリストフォン 2012-08-11 (土) 01:16:41
  • (信号弾の爆風により毒は薙ぎ払われるが、帝国軍は丘を取った有為を捨てる心算はないらしく、全軍疎らに布陣したまま矢を放ってくる)
    (無論唯の弓ではなく、水銀弓である。しかも、風読みによって風にのって飛んでくるそれはより鋭く、より遠くから届く。西の弓の飛距離から鑑みれば最早冗談としか思えないような遠距離からだ。疎らに布陣された弓兵達は二手に分かれた西ローディアの軍勢に対してもムラなく応射撃、御丁寧に兵士よりも馬を優先して狙っている。レンジ外から続けられるそれは、明らかに機動性を殺ぐために行われている)

    (そして同時に……声が響いてくる。風にのり、威圧のあるその声。否、声ならぬ咆哮)

    跪け

    (動物感応の応用。騎馬に対する威圧) -- 六稜兵 2012-08-11 (土) 01:55:25
  • (高台からの矢による一斉射撃に、堅牢に固めた鎧の隙間を穿たれ、全面に立った者達がその毒と痛みに喘ぐ)
    (結果、苦しまぬ兵が死葬兵のそれと分かる形となり、陣形が徐々に乱れ始める)
    (馬上で剣を振り、状況の不利を以って小さく嗤った)
    (定石に勝る奇策なしと。そう判断して定石に定石を重ねて来ている)
    (数の有利に驕ることなく、感情を理由にすることなく)
    (ただ妄執にも似た自身の性質を飼い慣らした上で、全てを理と利で御している)

    (先んじて戦線の先端に触れた死葬兵もまた、陣を崩すには至らず、自爆という手段を有効に使えないまま、爆散し果てていく)
    (自身の指揮する機動力も、攻撃範囲を面としている高台からの射撃には圧倒的に不利は否めない)

    そうか。
    これは。
    (小さく、呟く)
    ……成る程、これが。執着か、ヴァイド。
    (口内で弄ぶように呟いた瞬間、動物感応によって騎馬が一斉に足を鈍らせる)
    (機動力を削がれた騎馬隊を狙ったように矢が居抜き、ただでさえ少ない戦力は、十全に隊という形が成り立たないまでに削られ始めている)
    ……この不利は。この攻の焦りは。
    私の執着が生み出した結果というわけか。
    成る程な。
    (男は、生まれて初めて、嗤った)
    ……シュウ。いつの間にかお前は……私の敵となっていたのだな。 -- フリストフォン 2012-08-11 (土) 02:20:55
  • (機先を挫かれ、突撃に失敗した西ローディアの兵達に止めをさすかのように)
    総員!! 全軍突撃!!
    (号令を共に、高台から重装騎兵と魔獣……そして蟲が逆落としを仕掛けてくる)
    (機動性と、勢いと、そしてなにより物量を減じた西ローディア軍に対して再び定石を重ねる)
    (しかし、今回はただの定石ではない。確実に討ち取るための策。陣形戦術を基礎とする西には恐らくない、秘策)

    (まばらな集団が固まった集団が崩れた際に使う戦術……浸透戦術)
    (戦線にムラができ、機動性を失った西ローディア軍の前線を蹴散らし、時には素通りし、陣形と陣形の隙間に浸透するかの如く帝国軍がなだれ込んでくる)
    (無論、前方からだけではない)
    (左翼、右翼、そして中央3方同時。物量と、まばらな布陣を生かした突撃)
    (そして、その先頭にて陣頭指揮を執る旗頭は……)

    (六つ目の異形面をつけた……六道鬼と呼ばれた帝国将軍)

    迎え(利用し)にきましたよ……フォン兄様 -- 宗爛 2012-08-11 (土) 02:46:40
  • (もはや、戦線は瓦解したと言っていい)
    (間隙を縫うようにして攻め入ってくる帝国軍は、急造の軍隊の戦列など容易く蹴散らし邁進してくる)
    (認めざるを得ない。何らかの感情が自分の中に芽生えつつあり、それが足枷として作用したと)
    (これは――皇の定石に王が奇策を以って挑んだ結果の敗戦であると)

    ……よもや。
    此れほどまでに、盤上で正着を指すに至っているとはな。
    シュウ。

    (単騎ではないが孤軍。しかも三方を遮られ、恐らく退路も断たれているだろう)
    (眼前に立つ、六つ眼の瞳を持つ鬼は、帝国の傀儡ではなく。自らの妄執を利用せしめる魍魎であった)

    ……一つだけ、勘違いを正そう。
    私は……お前を……そしてお前の母を捨てたわけではない。
    それは……シュウ、お前の勘違いだ。
    (命乞いにも取れる言葉を放ち、小さく顔を伏せる) -- フリストフォン 2012-08-11 (土) 03:12:00
  • (巨大な黒山羊にのった鬼は、フリストフォンの目前にまで踏み込み、水銀槍の穂先をぴたりと突きつけ……止まる)

    ……フォン兄様が悪いんですよ
    フォン兄様がいなかったから、僕は「フォン兄様になるしかなかった」
    周りがそう強いた。母がそう強いた
    そうしなければ生き残れなかった

    (周囲から近衛兵や生き残った護衛などが鬼へと切りかかるが)
    (鬼の周囲に控えた異形……骨面の異形達と、蜘蛛糸を編んでつくった覆面の重装騎兵達が槍を振るい、弓を射れば途端に大人しくなる)
    (それでも、決死の思い出突破を果たした一人の剣士が宗爛へ肉薄し……黒咲に噛み殺される)

    (返り血が、お互いの頬を染める。互い違いの頬。右頬と左頬にそれぞれ左右対称の紅化粧)
    (小さく顔を伏せるフリストフォンの言葉をきけば、小さく溜息)

    関係ありませんよ。フォン兄様。何も関係ないんですそんなこと
    アナタが『帝国』を裏切ったか裏切らなかったかなんて、どうでもいいことなんですよ

    大事なことはたった一つ。たった一つだけなんです。フォン兄様

    アナタが僕の前からきえて、『僕の』気持ちを裏切ったことが問題なんです

    突然アナタが目の前に現れたときは、殺さなければ気がすまなかった
    アナタがいなくなったせいで母は死んだ。僕もこんな人生を歩むハメになった
    僕はね、フォン兄様。アナタがいてくれればそれでよかったんです
    アナタが皇帝になって、アナタの隣で補佐をして、みんなで笑って帝国を食いつぶせればそれでよかったんです

    でもアナタは消えた。アナタがいなくなったせいで……
    (わなわなと震える。狂気が膨れ上がる。捻じ曲がった感情が歪に腐爛して)

    俺は……アンタの代わりにされた!!!

    (張り裂ける)

    フォン兄様。一度だけ、一度だけ言います
    一緒に帝国に戻りましょう。一緒に、昔みたいに、飛姉と、僕と、三人で笑って暮らしましょう
    僕と飛姉の為に一生嘘を吐き続けて生きてくださいよ

    (仮面越しに、口角がつりあがる。瞳孔が開ききり、涙が自然と流れていく)
    (そう、俺はそうだ。俺は卑怯者だ。俺は卑屈なガキだ。知っている)

    昔みたいに。カラッポなままのフォン兄様として、戻ってきてくださいよ

    (でも、それでいい。コイツさえいれば、この人さえいてくれれば、この大好きで愛してて凄くて完璧で完全で無欠で無血な偶像さえあれば)
    (彼以外の全てはずっと幸せでいられるのだから)
    (エゴ丸出しの兄弟愛。汚物のような愛憎の感情)
    (いくら汚れていようと構わない。いくら歪と罵られても構わない。それでも変わりなんてないんだ)

    (僕は未だに……彼を愛しているのだから)
    (愛という言葉が、その人のことを必要としているという意味でなら、誰よりも強く。誰よりも深く。誰よりも……重く) -- 宗爛 2012-08-11 (土) 03:40:11

  • (それは宗爛という男の慟哭であった)
    (長年、真っ直ぐに突きつけられてきた愛は、その矛先が存在を消したことで、ベクトルとして歪んでいった)
    (虚無に対して押し付けられた直線が根本を同じくしてその頭身を撓ませるように、深く、歪に)
    (それは静謐なる狂気。虚無なる正常の対局に位置する、真っ直ぐな曲線)

    (世の中の全ては自分という力に寄り添うだけで、他愛なくへし折れて来た)
    (相対してくる物はもちろんのこと、寄り添おうとした物、付き従おうとした物ですら、その影響からは逃れられなかった)
    (万物に触れることが出来ない性質は、触感を持たぬ人間が自意識を育成出来ないのと同じように、大いなる虚無を齎してきた)
    (だが)
    (今ここで)
    (その力によって折れ曲がった存在が、その愛を歪な直線で向けてきている)

    (そうか)
    (これが、ヴァイドの言う。私が興味を持つに値する、宗爛という男の、弟の価値か)

    ……そうか。
    お前は、私を……。
    それほどまでに、必要としていたのだな。

    すまない。
    シュウ。
    ……すまない。
    (それは、悲しみと後悔、そして絶望に彩られた声色であった)

    ……本当に、すまない。
    ……何一つ、理解してやれなくて

    (瞳に、手を触れると、そこには灼熱の瞳の色が存在している)

    シュウ、『俺』はな。
    お前を裏切ったわけでも、お前を捨てたわけでもないんだ。
    (両手を広げると、男の顔の上で鮮烈な笑顔の華が咲く)

    今の今まで。
    お前は、『俺』の世界の中にすらいなかったのだから

    (絶対虚無の暴虐が、目覚める)
    (それは、予備動作も、呪文詠唱も、待機時間も、瞬間予兆すらない)
    (完璧な構成を持った緻密さと、人の捉えられない速度で編みこまれた咒式)

    (かつて、誰もが問い、やがて問わなくなった問いがある)
    本爛よ。お前にあれは出来るか?と

    (その問いの意味を行動という答えで示してきた男が、今、生まれて初めてその言葉に二つの重なった意味を持つ言葉を以って返す)
    ――何故……それを出来ないのかだけは、『俺』に理解できない唯一だよ。

    (地面が鳴動し)
    (その場に散らばる沢山の死体を原料として、膨大なる呪術の儀式を冷酷で無尽蔵な魔力にて強引にねじ伏せ)
    (その魔術は、成る)

    柱の騎士が、男の呼応によって、再びバルトリアの大地を揺るがした
    (その肩で。『本爛』という存在が。宗爛を敵と認めた零指向の悪が。灼熱の瞳で嗤っている)
    その、願いは叶えてやれない。
    私はそれすらも……どちらでもいいのだから。-- 本爛 2012-08-11 (土) 04:15:38
  • (突如出現した柱の騎士の一団。しかし、既に帝国軍は柱の騎士に対する対処法を学んでおり……尚且つ、宗爛の率いる六稜軍は殊更詳しく柱の騎士について調べていたためにそれにより潰走することはなかった)
    (しかし、前線で……フリストフォンたった一人のデタラメな神業によって生み出されたその様を見た者達は……例外である)

    「な?! な、なんだ死体が……突然……!?」
    「バカな、何の予備動作もなく……!」
    「こ、こんなに簡単につくれるなんて聞いてないぞ!!」

    (白兵戦において最大の優位とか如何であるか?)
    (単純で明確な答がそこにあった。即ち)
    (圧倒的質量による蹂躙)
    (柱の騎士が一度腕を振るうたびに、血飛沫があがる)
    (柱の騎士が一度脚を踏みしめるたびに、大地が悲鳴を上げる)
    (前線は混乱し、敵味方入り混じった混戦の様相を呈する)

    は、ははは……

    (昔から、コイツは何も変わっていなかった。本当に何も変わっていなかった)
    (出来ないことなんて何もない。誰かが出来るなら出来るのだ)
    (否)

    はははは……

    (数字の上で出来るのならば)

    ははははははははははははは!!

    (即ち全てがこの男は出来るのだ)

    そうだ!! アンタはいつだってそうだった! アンタの瞳には俺も!! 母も!! 皇帝すらも映っていなかった!!
    深紅はただの血の色で、その奥の『病み』には誰も近づけなかった!
    近付こうとした俺がこの有様だ……近付こうと思ったのに、近づけると思ったのに……

    結局全部勘違いだったわけだ!! ひぃひひひ!! はーっはっははっは! やっぱりフォン兄様は凄いや!! はははは、はははははははは!!
    (近くに近衛もいなければ、近隣の部隊すら敵味方構わず逃げ出しているこの状況)
    (あと数分もすれば冷静さを取り戻した部隊がそれぞれ柱の騎士を各個撃破するだろうが、それまでは戦場は一種の麻痺状態になる)
    (この男は、そんな状況をたった一人で、ただの一瞬で作り出した)

    確信したよフォン兄様。やはり僕はアナタを愛している
    なんでもできるアナタを愛している。そんなアナタが大好きだ
    今だってすぐにでも手元に起きたい。今すぐにでも……利用してやりたい

    どうせアンタは何をしたって不幸なんだ
    なんでもできるんだから何をしたって満たされやしない。何をしたってどうでもいい。アナタは神なんだ。人の身をした神だ
    どうせなにをしてもどうでもよくて、どうせ何をしても不幸なら

    アナタはもっと、他人の為に不幸になるべきだ

    導いてやるよ。本爛
    俺が皇として……アンタの王たる姿を正しく利用してやる

    それが叶わないから
    手元にこないのなら

    必ず……殺してやる

    殺して、利用して……歴史の中で永遠にしてあげるよ

    大事な大事な、僕の王様

    (自分でなんでも出来てしまった男と、自分では何も出来なかった男)
    (何も出来ない男が何かを成すためには、成せる何かを使うしかない)
    (目前の男ですら、考えてみればそういうものなのだ)

    (この男が好きな理由なんて突き詰めればひとつしかない)

    (この完全な、神の如き兄が一人いるだけで)

    (この兄以外の全ては幸福にすることができるのだから)

    さて、頃合か……

    (柱の騎士の拳を紙一重で避けつつ、黒咲を駆り、後退する)
    (同時に、帝国軍の反撃が始まる。対柱の騎士装備。爆撃。酸撃。炎撃……呪毒によるディスエンチャントから、地教術を利用した足場の操作まで)
    (既に完全に研究し尽くしているといわんがばかりに帝国軍は柔軟に対応した)

    フォン兄様。忘れないでください
    アナタは絶対に幸せになれません。詩あわせの意味を理解できないアナタは一生幸せになれない……だから……

    アナタは僕の幸せのダシになるべきなんだ

    また会いましょう……フォン兄様。アナタこそ、皇帝に相応しい唯一のお方です

    (感情が暴走しても、利は追い続ける)
    (目前の男にそうされたその男は……意外なほどにあっさりとその場から引き下がった) -- 宗爛 2012-08-11 (土) 05:07:22
  • (宗爛という男が準備を重ね、正着手を重ねて陣取った高さよりなお、遥かなる高みより男は嗤う)
    (暗く、昏く、儚い、空虚な笑みを以って、世界を嘲笑った)

    最初から、何もこの手にはなく。全てがこの手の中にあった。
    そして今でも、何も手の中にないから、何であろうが掴むことが出来たのだ。

    触れることが出来ないのだから、壊れていく何かに手を伸ばし救おうとすることも、
    救われようとする何かを毀すこともできない。
    ただ、在るだけの悪。そんな私という形をした何かが、私の本質なのやもしれんな。

    (眼下に広がる惨状も)
    (戦況ですら、男には興味の埒外にある)

    (ただ一つ、或いは生まれて初めて知る、その感触は)
    (好奇心と呼ばれる物であるのだとしたら……男は、柱の騎士の上で顔を抑えて、嗤う)

    導こうじゃないか。宗爛。
    私が、王として。お前の皇たる有り様を、私のために歪めよう。

    私は生まれて初めて、自分の意思で何かを選ぼうと思う。
    今まで与えられた全てに反応を返すだけだった私が、生まれて初めてだ。
    宗爛。
    お前は私が戯れとして……壊そうとしてやろう。

    壊れてくれるなよ……大切な私の弟。 -- 本爛 2012-08-11 (土) 05:20:59
  • 六稜軍 本陣 -- 2012-08-11 (土) 00:14:52
    • (小高い丘に布陣を済ませた宗爛。此処までは帝国でとる戦術の定石である)
      (これだけで本爛を……いや、フリストフォンの軍勢を挫く事は難しいだろう。奴がこの程度の策とも呼べぬ策でうろたえるとも思えない)
      (しかし、それでいい。そこまではお互いに予想の範疇)
      ……既に戦線は拡大しきっている。援軍もすぐには到着しない
      せいぜい来たとしても余所の諸侯が手勢を連れて現れる程度。その程度なら……我が六稜軍7000余の前では問題にもならない
      さぁ、帰ろうフォン兄様。かえって姉さんと僕と…3人で帝国を喰らい潰そう
      蟲の子は蟲らしくするべきだ……なぁ、姉さんもそう思うだろ?
      (背後に振り向き、そう呟く)
      (六つ目の仮面をつけて相貌のその奥。そこまでは伺えない) -- 宗爛 2012-08-11 (土) 00:19:50
    •  本当に、本兄を連れ帰るんだよね・・・?
       (爆薬を装填された皮鎧を着込んだココロアの足元に立って飛爛は問い返した。)
      (その仮面の下で弟がどんな顔をしてるのか想像したら、また泣きだしそうな気がしてしまった。)
       (手紙で、本爛を打つために手伝ってほしいと言われたあと。飛爛は散々迷って結局手を貸す)
      (ことにした。すでに六稜軍の後方の空には矢尻形編隊を連ねた巨鳥の群れが飛んでいる。) -- 飛爛 2012-08-11 (土) 00:34:09
    • ああ、勿論さ。『冷静』に考えて調べてみれば、今のフォン兄様は幸いにも西方諸侯の一人であらせられる
      それなら、骨の髄まで利用するなら生け捕りにしたほうが帝国としても都合が良い筈。裏切り者だろうと問題なく連れ帰ることができるさ
      そしたら名前を変えてもらって、次に顔を変えてもらえばいい。そしてフォン兄様ではないフォン兄様にすればいいのさ
      ……まぁ、返答次第ではあるけれどね
      飛姉。早速仕事を頼みたい。まずは西方の道を爆撃して潰してきてくれ
      退路と連絡線を絶ちたい。そうなれば邪魔は入りにくくなるはずだ -- 宗爛 2012-08-11 (土) 00:44:45
    • (周囲の兵士に邪魔にされようと、露骨に嫌な顔をされようと、一回り大きくなった金属の塊を纏った少女は飛爛の側から離れない)
      (彼女が何処に行くにも無言で着いていくのだった。飛爛から話しかけられれば口を開くが、そうでなければ大体黙って突っ立っているだけである。今も作戦内容を聞いて飛爛がどう答えるかだけを気にしている) -- フェロミア 2012-08-11 (土) 00:46:17
    • くくく……はじまったか
      (眼下に広がるフリストフォンの軍勢。その横隊陣形をみながら笑う)
      (密集しなかったことはまずは流石である。重装騎兵の打撃力は西のほうが上である以上、一点突破をねらったところで陣形を整えられてしまえばそれで終わりだ)
      (ならばまずは挫く必要がある。相手の流れを。動きを。気勢を)
      (さすれば自然と陣は崩れる)
      (だが、しかし……)
      フォン兄様がこの程度の手を読めないわけもない……同じ帝国にいたのだ。むしろ定石として当たり前のように認識しているだろう
      返し手はいくらでもある……さぁ、どう返してくる……ふふふ -- 宗爛 2012-08-11 (土) 01:02:04
    •  (ためらいのない言葉、確かに今はそうするのが正しいと理解はできる。)
      (冷静でいられるはずがないな・・・と飛爛は思った。ただ、宗爛は必死になって今も)
      (自分に課せられた運命と戦おうとしてるんだと、思えば。今は迷っていられない。)
      ・・・わかった、編隊の爆装は済んでるから、私が上がればすぐに取り掛かれる。
      フェロミアは私の直援にまわってね。
      (短く答えて、飛爛はココロアの蒼い背中に飛び乗った。飛爛をのせるためにしゃがんだ鳥が)
      (再び立ち上がると、地上に居ながらもうすでに誰の手にも届かない高さだった。)
      あ、そうだ・・・ね、宗 -- 飛爛 2012-08-11 (土) 01:03:39
    • ……? どうしたんだい飛姉?
      何か質問でも?
      (普段よりも勤めて柔らかくたずねる)
      (いっそ不自然なほどに、柔らかく) -- 宗爛 2012-08-11 (土) 01:08:31
    •  (周囲の兵士の頭上を大樹の枝のように覆い隠す巨大な翼は、すでに戦場の風を受けて膨らみ)
      (はじめていた。あとは一気に駆け下りて飛びたてばいい。その背にのって飛爛は笑っていた。)
      (これから戦いだというのに、無邪気そうな顔で。)
      私はいつだって、宗の味方だよ、絶対にね!
       (いまさら当たり前な言葉だったが、それは最後に二人きりで会った、あの日の続きの言葉だった。)
      (あの時は言いそびれたけれど、悲しそうな顔をして笑う弟に一番言うべきだった言葉だと思う。)
       (風を押しのけてココロアが翼をしならせると、高い澄んだ不思議な鳴き声を飛爛に呼応するようにあげた。) -- 飛爛 2012-08-11 (土) 01:18:45
    • (姉と弟の交わす感動的な会話すら聞こえていないかのように、飛爛に向かってうんと頷く)
      (今の自分の存在意義は自らの性能の証明と持ち主に勝利をもたらす事にある。他は瑣末な事。)
      (そのはずが、胸の奥が不快な熱さで炙られていた。最近、飛爛が自分以外の存在と触れ合っていると時々こうなる。今はこの感覚がなんなのか分からないが)
      (とにかく、早く空に上がりたかった。そうして存分に戦おう。静かにココロアの横に並ぶ) -- フェロミア 2012-08-11 (土) 01:27:45
    • え……ふぇ、飛姉……
      (姉のその言葉をうけて……放心して姉を見送ったあと)

      (仮面の下で笑う)
      ……ああ、僕もそうだよ飛姉。だから -- 宗爛 2012-08-11 (土) 02:01:16
    • 裏切らないでね。フォン兄様みたいに

      (誰にもきこえないその囁きは、蒼穹に溶けて消えた)

      ……さて、裏切り者のフォン兄様はどう動くかな -- 宗爛 2012-08-11 (土) 02:02:10
    • 二手にわけたか……一つの軍隊を柔軟に機動させうるその采配は見事といえるが……
      あいにくと同じ土俵で戦うつもりはないのですよ、フォン兄様
      (射程で勝る以上、この有為を捨てる理由も、心算も、意味も、一切ない)
      (定石ではあるが、定石であるからこそ破られにくい。定石であるからこそ磐石)
      (奇策とは少勢が行うもの。数で勝るなら普通に戦い、普通に殺し、普通に勝てば良い)
      (戦争に、華など必要ない) -- 宗爛 2012-08-11 (土) 02:08:29
    • (高台から、睥睨する。崩れ落ちていく西の軍勢を。意味も成せずに爆散していく自爆兵達を)
      さて……そろそろ頃合か
      ……狗面。本陣は任せる。応答は必要ない。これは命令だ
      (そう尤も信頼し、尤も疑っている側近に命令を下し、自信は黒咲と共に前線へと降りていく) -- 宗爛 2012-08-11 (土) 02:35:51

  •  (翼に風を孕ませて、蒼い巨鳥は戦場の空へと舞い上がった。その背に乗る飛爛の視界も上がっていく。)
    (どこまでも遠くに続く地平線が見えた。連合国軍の砦や陣地が小島のように点在し、その周りに)
    (無数の帝国軍が群れ、攻め立てている。)
     (火線を引いて無数の龍勢が飛び出し、横一列に並んだ柱の騎士に当たって爆ぜた。)
    (風切羽の遥か下を燃えながらゆっくりと倒れる巨体が前から後へ流れていくのを横目に、)
     (矢尻形編隊を組んだシャツァルの群れを従えて、飛爛達飛行兵は戦場の空を飛んでいる。)
    (5羽で一つの<を作り、それをさらに7つ連ねて一つの編隊だ。それが3つ。100羽以上の大編隊)
    (本国からの増援も得てシャツァル飛行兵の編隊はますますその数を増している。)
     (その一番先頭で、斜め右後の飛行形態フェロミアと並んで飛ぶのが飛爛とココロアだ。)

    <<第一はこのまま私と一緒に直進、第二第三は散開!敵拠点を各個爆撃>>
    <<了解しました姫様。>>
    <<了解ッ姫様御武運を!>>
     (飛行帽に仕込んだ小道具の調子はいいようだ、耳あてから第二編隊を率いるクラトと第三編隊長の)
    (声がはっきりと聞こえた。)
     (この通信機はフェロミアの鎧の修理を通じて得た、魔石を動力にした機械仕掛けの技術を解析して)
    (作られたものだ、50mも離れると使えないが、それでも手信号よりずっと便利だった。)
     (巨鳥の群れが3つに分かれて飛んでいく、先頭を飛んでいた飛爛達の編隊は真っ直ぐに)
    (敵の頭上を跳び越して、遥か後方、戦場の西側にある橋梁や街道沿いの拠点を爆撃に向かう。)
    <<フェロミア、あれ私の弟なんだ>>
     (その途上で、ふいに傍らを飛ぶフェロミアへ通信石を通して飛爛が語りかけた。)
  • (蒼い鳥に付き従う青い魚。巨鳥の編隊の中では異質で非常に目立つ物が空を泳ぐ。)
    (それは以前より巨大化し、ココロアの巨体にも見劣りしない。周囲の状況を観察しつつ飛ぶ。普段通りクールに仕事をしているように見えて、胸に潜むもやもやに苦しんでいる)
    (要するにイラついているのだ。その原因は一つではないが、先ほどの自分は蚊帳の外な会話はその内に数えていいだろう。いきなり無条件に、兵器としての性能以外の部分で褒められ、愛されたと感じていたから。)
    (要するに嫉妬である)
    (とは言え誰に八つ当たりするでもなく黙々と指示に従う。多分、褒めてもらいたいのだろう)
    (部隊が分散してややあって、飛爛から声がかかる。興味なさそうに「そう」と短く答えを返した。あの男の事なんか気にもしていない、と伝えようとしているのだが、声色がスネているのが丸分かりだ) -- フェロミア 2012-08-11 (土) 10:06:57
  •  (飛爛はちょっとにやついてしまった。矢の届かない高さとはいえ、真下は戦場の真っ只中だというのに。)
    <<あはっ拗ねないでよ、紹介し忘れたのは悪かったってば>>
     (だがおかげで宗爛と顔を合わせた時から、もやもやしたもので胸焼けした気持ちが少しスッとした。)
    (飛爛は物心ついたときから、今乗っているココロア以外の動物を特別可愛がったりした経験はないが)
    (ペットを飼う人の気持ちもなんだかわかるなぁと、嫉妬心全開な返事を聞いて思った。)
     (思っただけで絶対言わない、これ以上気を悪くさせても可愛そうだ。)
    <<でも、お願い・・・あいつを助けるのを手伝って欲しい>>
    <<命令して手伝わせるだけじゃ、あんまりに大変すぎて私がもたないかもしれないから>>
    <<だから、お願い>> -- 飛爛 2012-08-11 (土) 11:33:02
  • <<別に>>
    (拗ねてなんていない、と拗ねた声で答える。飛爛でもこんな受け答えをされるのは初めてだろう、これまでは不満でもあればストレートにぶつけてきていた)
    (今回は違う。血の繋がりと言う人間ならではの関係性を見せ付けられたり、付き合いの長さや有用性についての自信のなさを突かれたりして心が揺れている。元々素直に友好や愛を求める事の出来ない性格でもあった)
    (だからちょっと拗ねて見せたり、自分が役に立つところを見せようとする。愛して欲しいと請うて得た愛にはそれほど価値を見出せない。だから)
    <<分かった、手伝う。手伝うけど、あいつの為じゃないからな>>
    (だから、願われれば引き受けてしまう。わざとらしい注釈までつけてしまう所は、この少女の初期の感情機能を思えば成長といえるのかも知れなかった)
    <<要するに、戦えばいいんだろ?慣れてる>> -- フェロミア 2012-08-11 (土) 23:34:06
  • <<ありがとうフェロミア>>
     (フェロミアの拗ねたような声聞くと飛爛が他のシャツァルを構っていると、ココロアが嘴で背中を)
    (ついばんでくるのを思い出してしまった。)
     (しかも、飛爛となかよくしてた宗がよほど気に食わなかったのか、『あいつのためじゃない』なんて)
    (言われると、ストレートにあなたのため、と言われてるようでツンとした態度とあいまって、)
    (飛爛はますます頬が緩んでしまう。ここは一つ気合を入れなおさなければならない。)

    <<私には戦う力が必要何だってことが、やっと覚悟できたから・・・あなたが居てくれて、幸運だよ>>
     (立ち上っていた煙を一つ突き抜けた。まもなく作戦地点が近い。) -- 飛爛 2012-08-12 (日) 00:44:56
  • <<うん……>>
    (礼に対する答えもそっけない。鎧の中に隠れた表情は見えない。だが声色は大分変わった。いつもの無表情の口元が少し緩んだ、時折見せる顔を想像させるほどに)
    <<私は優秀だからな>>
    (得意げに言葉を返す。大口を叩く程度には回復した自信を胸に、近付いてきた目的地を観察しつつ独り言)
    <<幸運……私のも、続けばいいけど>> -- フェロミア 2012-08-12 (日) 00:55:20
  •  (フェロミアの独り言に、飛爛は小さくうなずいた。)
     (やがて地上に敵の姿が見え始めた、街道を両脇から挟んで進む部隊の列。並んだ柱の騎士を動く)
    (城壁のように配置してその後ろに歩兵が続いている。上空から見れば四角い歩兵の列が、間隔を開けて)
    (地上にチェック柄を描いて、街道を戦場へと進んでいく。)
     (胸中をよぎる不安を振り払うように、飛爛は強く全員へ声を飛ばした。)
    <<急降下爆撃用意!ユパンキ班、セルパ班は敵最前列へ!リョサ班、ヤワル班は中央!>>
    <<残りは私に続け!>>
     (了解!という返事とともに矢尻編隊を組んでいた巨鳥達が後方から順々に、頭を地面に向けて)
    (まっさかさまに落ちていく。その鉤爪には対柱の騎士専用に調合された新たな爆薬を掴んでいた。)
    <<行くよフェロミアッ今度は迷子になっちゃダメだかんね!>>
    (進む速度を速めながら飛爛達の編隊もぐんぐんと敵へと迫っていく。) -- 飛爛 2012-08-12 (日) 01:45:07
  • (その言葉を待っていた、とばかりに軽くブーストをふかす。以前はココロアのスピードについていけなかったが、今は自らの鎧を巨大化してなおいい勝負をしていた。ココロアが大量の爆薬を積んでいるからか、そばにいたいという心が武具結晶に力を与えたのか)
    (ともかくスピードを上げつつ着いて行く。敵の大群も、以前苦渋を舐めさせられた巨大な騎士も何故だか脅威に感じない。共に戦えればそれでいい。)
    <<もう、離れない>>
    (口にはしないが、それは約束のつもりだった。これまでは困難な要望には努力するとか、最善を尽くすとか、そんな言葉で誤魔化して来た。今回は違う) -- フェロミア 2012-08-12 (日) 19:59:02
  •  (放たれる矢を避けて波打つように鳥の群れは兵士めがけて下降していく。)
    (柱の騎士が頭上に振り上げる巨大な腕の間合いも飛行兵達は見切っていた。)
     (次々と鉤爪に抱えられていた爆薬が投下されて、巨大な火球が横一列に吹き)
    (上がった。巨人の釜戸と名づけられたその爆薬は聳え立つ柱の騎士を一瞬で)
    (炎の中に飲み込み、炎は時間差をおいて一列また一列と巨人を飲み込んでいった。)
     (爆弾を投下した巨鳥達は吹き上がる炎に押し上げられて、再び地上の兵士が手の)
    (届かない空の上へと舞い上がっていく。) -- 2012-08-12 (日) 20:32:36
  • (中々の威力だ、と思う。ただただ爆撃するだけなんて、と馬鹿にしていないでもなかったがこれだけの火力があれば問題あるまい)
    (こうなったら負けていられない。折角火槍をマウントできる場所を増やしたのだから使わない手はあるまい)
    (空からの攻撃の有利な点の一つは、重要な部分を探せてそこを直接攻撃出来ることである。もちろん迎撃は激しいだろうがそのリスクに見合う戦果を得られよう)
    (弓兵部隊の指揮官と思しき者を探し、彼らに火槍を放つ。人には大げさすぎるが外れても怪我をさせることは出来るだろう。指揮系統を乱すべく攻撃をかける)
    (今の所柱の騎士に対しては他の飛兵任せではあるが、様子は伺っている。臨機応変・効率重視の戦術は変わらない) -- フェロミア 2012-08-12 (日) 21:12:50
  •  (壁を失い、指揮官を失った兵士の大半がばらばらと街道から離れて散っていく。)
    (これで敵から、この街道を押さえる力は大きく削がれた。)
     (巨鳥達は上空で円を描き、再び一つの群れへと戻る)
    <<念のためもういっかい爆装を…って、何あれ!?>>
     (上空から遥かに後方を睨む飛爛、その空色の瞳に映ったのは、遠めにもはっきりと分かるほどに)
    (柱の騎士の群れが次々に立ち上がっていた、まるで火山が地の底から黒煙を吹き上げるようで、)
    (先のバルトリア会戦で、突然巨人が生まれたときと同じような威圧感を伴っていた。)
     (あれは周りにいる統率された柱の騎士達とはあきらかに異なる・・・。あれはただ憎悪が懲り方って)
    (死者の肉を纏っただけの存在ではない・・・。)
    <<8時方向に回頭、六稜軍の援護に向かう!>>
     (酷く嫌な予感がして飛爛はココロアの体を大きく傾けて急旋回を切った。) -- 飛爛 2012-08-12 (日) 22:20:22
  • (ここらで補給するのもいいだろう、自分はかなり弾薬を渋っていたのでもう少し行けそうではあるが他の兵士は分からない)
    (突撃であろうと補給であろうと、どの道飛爛に従って飛ぶつもりだったのだから問題は無い。そう、予想していなかった増援が来たとしても)
    (確かに新たに現れた柱の騎士たちはどこか違う。感情を抑え、機械的に物を見ている自分でさえ根源的な恐怖や嫌悪感を覚えるほどである。本当ならあまり戦いたくない相手ではあった)
    <<了解>>
    (でも、それに挑むというのなら。剣は相手を選ばない、選ぶのは使い手だ。自分もまた同じ)
    <<でも、弾は持っておけよ>>
    (ただの剣とは違う所は少しは戦況を判断出来る所だ。残弾を一部の兵士に集めて戦わせ、他の兵士は一旦補給に戻るのはどうかと提案をする) -- フェロミア 2012-08-12 (日) 22:30:37
  •  (急旋回する飛爛とココロアの動きについてこれたのはフェロミアだけだった。)
    (これでも相当抑えていたつもりだったが、また悪いくせが出たらしい、部下を置いてきぼりにする)
    (ところだった。)
    <<忘れるとこだったよ、サンキューフェロミア>>
    <<弾薬を抱えてる者は私についてきて!他は陣地へ!>>
     (速度を緩めた飛爛の元にすぐ互いがぶつかり合うほどスレスレに場所を入れ替えて編隊は)
    (組みなおされた。)
    <<大丈夫前みたいな無茶はしないから・・・>>
     (自分に言い聞かせるように飛爛はつぶやいた。) -- 飛爛 2012-08-12 (日) 22:57:46
  • <<うん>>
    (素っ気無く、嬉しそうな返事を返して自らは飛爛の後に続く。空では自分しかついていけないと言う事実は優越感や占有感を喚起して士気も上がる)
    (だが状況は刻々と変わる。ただ守る為ならくっついていればいいが勝利をもたらすためには時には離れねばならない事もある。背後よりも側面の敵が恐ろしい時だってあるのだから。)
    <<しなきゃダメなら、無茶していいよ>>(その時は喜んで別働隊となろう。盾ともなろう)<<私が……助けるから>> -- フェロミア 2012-08-12 (日) 23:29:50
  • (聖少女騎士団は善戦していた。重装騎士と武具結晶魔法の連携は奇跡的な戦力を生み出した)
    (敵はその物量故か中央突破は取らず、最初から包囲殲滅戦を仕掛けてきた)
    (こちらが逆にその包囲を打ち破っていく形になる。友軍を助けるために奔走する)
    (柱の騎士を盾に使い、接近戦を挑んでは敵部隊を蹂躙していく。ミスリル合金を纏った重装騎士たちは戦車そのものである)
    (わずか100騎と十数人の少女が戦場を攪拌していた) -- レイラ 2012-08-11 (土) 00:23:06
    • (ミスリルの戦車に守られながら、炎が、氷が、風が、様々な属性の魔法が吹き荒れる。言うなれば「硬い魔術師集団」で、その戦力には眼を見張るものがあった)
      (弓などの遠距離攻撃がくれば氷の壁がそれを遮り、代わりに炎の柱が敵を飲み込む。それから何とか逃れた兵士は重装な騎士が槍で一突き。その部隊は防・遠・近の全てを備えていた)
      オラオラッ、数だけかテメーらは! 次灰屑になりたい奴は誰だい!? -- ヨノ 2012-08-11 (土) 00:35:33
    • (だが、逆を言えばその魔術師集団である数名の少女を倒せばこの部隊は機能しなくなる)
      チッ、やってもやってもまだ出てきやがる。ゴキブリかこいつらは……!
      (結晶の連続使用は体力を大幅に削る。できるだけ温存しておきたいというのもあり、魔法はいざというときにしか使いたくないが……その「いざという時」が多すぎる)
      (ほとんど最前線を任されているのでしょうがないが、時折柱の騎士で時間を稼ぐ必要があった。そここそが、唯一の弱点でもあった) -- ヨノ 2012-08-11 (土) 01:20:47
    • (舌打ちをするヨノ その視界の端で、指示も無く魔法を放つ光が見えた)
      (しかも、その光は炎となり、壁としている柱の騎士に襲い掛かっていた!続いて二度、三度 悲鳴のような詠唱と共に、柱の騎士が火の柱に変わる) -- 2012-08-11 (土) 01:36:25
    • ――ッ!!
      (壁として使っていた柱の騎士の突然の炎上。火矢などではない、純然たる「魔」の業)
      くっ、魔術師かい……厄介なのが現れたね。全軍停止! 魔法相手に重装騎士は木偶にしかならねえ……結晶魔法にて殲滅する!
      (相手は炎を使っている。氷の壁ではすぐに溶かされてしまうだろう。ならば、より強い炎で飲み込んでしまえばいい)
      喰らい……やがれぇぇぇっっ!!
      (光が放たれる方向へと、何本も炎の柱が立つ! それは帝国兵を何人も飲み込みながら、光の射す方へと増え続けた) -- ヨノ 2012-08-11 (土) 01:45:07
    • (ヨノが放った光が、光を放つ集団を飲み込む 悲鳴 そして、其れすらも飲み込んで炎は伸びた)
      (そんなヨノを慌てて羽交い絞めにしたのは、副官である 赤毛の友から託された騎士 なお魔法を放とうとするヨノの耳元で怒鳴る 何故味方を攻撃するのです!と)
      (ヨノの炎に飲まれたのは、炎の力を持った騎士隊であった 辛うじて、同属性のその騎士達はヨノの炎を緩和している しかし、壊滅状態だ)
      l(では、何故味方であるはずの聖少女達が、柱の騎士を襲っていたのか それは、ヨノを羽交い絞めにした騎士が伝える)
      (柱の騎士を良く見てください、襲撃です!百足が、大百足が無数に、絡んで!!)
      (その声と同時であった 聖少女達に燃やされ、ヨノの炎に巻き込まれた柱の騎士が一体、倒れた ギチギチと耳障りな音を立てて、そこから離れたのは、炎を耐えた大ムカデの群!)
      (少女達の悲鳴が上がる 生理的な嫌悪を催すその姿、その群 無数に襲い掛かってきた!!) -- 2012-08-11 (土) 02:00:07
    • なっ、クレイン!? 邪魔すんなっ、今ここで連中を仕留めなきゃ――
      (続くクレインの言葉に絶句する。味方? 目をやれば、燃えるのは柱の騎士と、友軍である炎の騎士団。どうして、と悲痛な瞳をヨノに向けていた)
      なっ、なんで……なんでお前ら柱の騎士をっ、あ……
      (ぎちぎちと不快な音を立てるは、柱の騎士を食む巨大ムカデ。その外殻は炎すら防ぎ、その長大な体躯で連合軍を蹂躙する)
      ……、レイラっ!!
      (夥しい量のムカデが聖少女騎士団を襲う! が、その瞬間、巨大な氷の壁が地面よりそそり立つ!)
      レイラ、あたいはあいつらを倒してくる。虫の事は、あたいが一番良く知っている!
      (返事を待たずに氷の壁の外へと飛び出す! 狙うは、骨格と骨格の隙間、関節部。そこに炎の剣を突き立て、内部から焼きつくす作戦だ) -- ヨノ 2012-08-11 (土) 02:12:53
    • (死肉で作られた柱の騎士を食む百足の軍 其れを見た少女達の動きに乱れが生まれる)
      (戦を重ねて凄惨な様子には強くなっても、)……本能をかき乱す物を見れば、魔法なんて落ち着いて使えないだろうよ……(遠くに旗が立つ 帝国の旗 その下には、馬に乗った女の姿)
      少数精鋭、それも良いだろう ヨノちゃんにタイマンで敵う奴なんてそうそう居ないし、俺だって、今ではどうか分からない 況してや、聖少女に囲まれたら、俺じゃあ太刀打ちできない
      だけど、だけどだ 悪いなぁ、ヨノちゃん(兜の面を下ろす 百足の甲を使った、火や冷気に強い特製の防具 帝国の装備の中で、女は目を細めた)それでも、俺達は勝たせてもらう
      10頭の虎に10人の人で立ち向かう必要は無い!(周囲を鼓舞する声 剣を抜き、高く突き上げる)我等は弱いが故に群れる蟲!!だが、虎などおそるるに足らぬ!!(ヨノが百足を一体殺す間に、幾多の百足が横を駆け抜け、少女達に襲い掛かる!)
      (柱の騎士が倒された、隊長が友軍を討った、そして蟲の津波 その様子に心を乱された少女たちが、悲鳴を挙げて魔法を放つ 狙いが反れる、威力を間違える 蟲と共に燃やされ、凍らされる友軍 地獄絵図)
      10を10集めた力よりも、1を100集めた群が勝つ!!それが戦だ!全軍!突撃ぃぃぃいいいいいっ!!(そこに、土煙を挙げて突撃を仕掛けた!) -- アベル 2012-08-11 (土) 02:23:01
    • (クソッ、なんて有様だ!)
      (結晶の力は凄まじい。凄まじいが故にコントロールも難しい。万全の状態なら訓練で十全に魔を操ってきた彼女たちも、心を乱されれば、それはいとも容易く溢れ、零れる)
      (あのレイラですらそうなのだ、他の少女たちはもっとだ。そしてヨノもまた、自軍に対し攻撃してしまったことにより少なからず心が乱れた)
      (そこに聞こえるのは)
      ……アベル……アベル、アベルッ、アベェェェェェェェェェェェェェェルッッッ!!
      (友人の声。それが、自軍に対して。自分に対して、突撃と言い放った。――ここで止めなければ、聖少女騎士団は壊滅するかもしれない)
      100集めようが1000集めようが、100万には勝てねえんだよ、アリンコ共がぁぁぁぁぁ!!
      (翅を広げ、鱗粉を振りまく! 吸わなくてもいい、敵陣に振りまかれれば……)
      燃え尽きろォッ!
      (発火性の鱗粉から巻き起こる、巨大な爆発! それは大きな炎の渦となり、全てを燃やし尽くす。そう、味方さえも) -- ヨノ 2012-08-11 (土) 02:35:59
    • (ヨノの叫び声が聞こえた いや、錯覚かもしれない 遠すぎる、しかし、それでも)ヨノォオオオオオオオオッ!!!(呼応する、声)
      (ヨノが一人で立ち、構えるのが見えた 空気が煌く 鱗粉 それが何かは分からなかった しかし、ああ、しかし 女は、ヨノの恐ろしさを、聖少女隊の力を知っていた)
      俺達は蟻だ 踏み潰されて、あっさり死んじまう ヨノ、ああ、ヨノ だから、俺達は(振り下ろしていた剣をあげ、ぐるぐると回す)
      (そうすれば、突撃の勢いそのままに、ぐうっと大隊が左右に分かれる 聖少女騎士団に近づかぬまま、大きく大きく、囲むように迂回する)
      (分かれた大隊のその向こうに、構えている弓中隊があった 用兵の術 それは、ヨノの力を知っているからこそ)軍隊としてお前に立ち向かうよ 昔の様に、一対一は、出来ないんだ
      之は決闘じゃない、戦争なんだ 少数精鋭は、(剣を横に振るう 弓兵が弓を引く、引き絞り、構える ヨノの鱗粉から遠く離れた場所で)
      数に潰される(爆風に焦がされる虫達は耳障りな断末魔を挙げる その後に、少女達に矢の雨が降り注いだ) -- アベル 2012-08-11 (土) 02:46:41
    • (間違いない、アベルの遠吠えが聞こえた。この戦場で、友人同士が、怒号を飛ばしあった)
      〜っ!!
      (そしてアベルだからこそ、自身への立ち回り方を知っている。炎の鱗粉は容易く避けられ、その次には大量の矢。炎が届かぬ距離)
      お前らぁっ! いつまで虫ごときにビビってやがる!! 此処は戦場だ、矢が飛んでくるぞぉ!!
      (ヨノの声を聞いてか、聖少女騎士団の隊長格――レイラが、氷の壁で矢を防ぐ! 他の少女たちも各々の属性魔法で、矢を吹き飛ばし、跳ね返した)
      (しかし、流石にそれも遅かったのか何人かの少女は射られ……)
      くそっ!!(後退しようにも重装兵に囲まれた聖少女騎士団とアベルの兵では機動力に差がありすぎる。迎え撃つしかないのだ、この危機的状況を)
      重装兵は左右に展開! レイラっ、お前は弓から皆を守ってやれ! 他の結晶持ちは結晶魔法にて援護! 殲滅しなくてもいい、退却への時間を稼げ! -- ヨノ 2012-08-11 (土) 03:06:44
    • (それは、ヨノが知る直情な剣を振るう剣士ではなかった 冷静で、冷徹な将としての顔 剣を振るう 次の矢が継がれ、再度驟雨の如くに降り注ぐ)
      (魔法に対し、こちらは唯の弓 容易に魔法の壁に防がれるが、ならば次矢を注ぐだけ 数の有利、物量の有利を存分に使う 聖少女達が守れば守るだけ、力を、体力を削ぎ落とされて行く)
      黄盾隊は集合!青槍隊は左右散開で間合いを取って待機!黒弓隊!放て!!(攻めぬ ただ、しかし矢は放ち続ける壊滅はさせず、消耗をさせる 獅子奮迅の活躍をしていたヨノ達の力を、他に振るわせず、後退させていく)
      (火傷を負った腕で、ヨノを掴む手があった 爆風に巻き込まれながら、それでも、なおヨノに添う副官の姿 ただれた唇で紡ぐ 退きましょう アベル様に、攻める気はない 攻めて大損害を出すよりも、退かせて戦場から居なくさせたいようです)
      (ならば、其れに乗りましょう 起死回生は後で謀れば良い 激情を、飲み込んでください 我が主)(その言葉を聞くか、否か) -- アベル 2012-08-11 (土) 03:16:50
    • (悟った。これがアベルの真の姿だと。冷静沈着、常に敵の動きに目を配り、柔軟に対応させていく。そこには戦士のアベルはいない。将としてのアベルがいた)
      (魔法を恐れてか近接型の兵士が来ず、来るのは雨霰と降り注ぐ矢ばかり。氷で作った壁もさほど長くは持ちそうにない)
      クレイン……チッ、すまねえ……聖少女騎士団、矢に気をつけつつ後退! これ以上犠牲者を出すな!
      (傷つきながらも尚自らに従うクレインの言葉を、呑んだ。奥歯を噛み締めながら、聖少女騎士団は一路、戦線を離脱した)
      ……それがあんたのやり方かい、アベル……あんたがそういう手で来るなら、こっちだって…… -- ヨノ 2012-08-11 (土) 03:24:51
    • (此処でヨノが我を失い、単騎で突出しようものならば、物量と重装騎兵に押し込まれ、召し捕られていただろう)&br;(苦い敗北を飲み込み、隊を生かす為に動き始めたヨノを責める声はなかった レイラとヨノを中心に、聖少女達は退却を行う)
      (体勢を立て直せない程度に攻めながら、女は兜の奥で目を閉じ、息を吐く)……汚い奴だと思っているだろうな、ヨノちゃん ああ、之が、俺なんだ
      それでも、之は戦だから(目を開ける 十分に戦場から退かせる事が出来た 剣を振るい、伝令にラッパを吹かせる 深追いはせず、こちらも引き上げた)
      (遠くになった聖少女騎士団を振り返る 友の顔を思う その無機質な目が、今は)……俺に微笑んでくれないよな、やっぱ(口の中が、苦かった……) -- アベル 2012-08-11 (土) 03:35:56
  • ―砦の一つ、公国軍駐屯地 -- 2012-08-11 (土) 00:23:46
    • 704戦試、かく戦えり、か
      (春の空気も近い朝。石造りの城塞は、死体に溢れていた)
      (物言わぬ軍勢は、三交代で砦の防衛に当たっている。活気も皆無、静まり返る) -- 704試験部隊・連絡官 2012-08-11 (土) 00:31:38
    • おう、連絡官殿!連中じわりと包囲を狭めてきておるぞ!
      (名乗りついでの威力偵察を済ませてきた騎士は、意外なほど安定していた。)
      (大体この段階で敵軍に単騎突撃・もしくは部隊より逸れ・もしくは特殊戦術試験により・本隊と切り離され単独行動をとり始めるところだ) -- レーヴェンフック 2012-08-11 (土) 00:34:56
    • 騎士殿、不死兵及び傀儡兵の布陣は既に完了ですが…
      彼我戦力差は歴然、徒に兵力を擦り減らす籠城は得策と言えないのでは?
      (公国のメンツは立っても、利益に対する損失は、と続けようとして) -- 704試験部隊・連絡官 2012-08-11 (土) 00:38:03
    • 統一連合の同胞が各所で持ち堪えておるのだ
      それに、優先ケースは発生しておらぬ(この部隊の指揮権は、未だ騎士にあることを意味する。)
      戦の貴賎の程…貴を広く知らしめ、見せる時ぞ!
      (精神論よりの言葉ではあるが、実際この時点までは包囲側帝国と防衛側公国軍、戦力的には五分 奇跡のバランスであったがしかし) -- レーヴェンフック 2012-08-11 (土) 00:43:31
    • …少なくとも「人材」は、通例通り後方にて待機させて頂きますよ(五分の天秤は、チリ一つ載ったほうが重くなる…)

      (砦に残されたのは、屍の軍勢と…大門の上にて待ち構える、統一王朝の騎士のみ) -- 704試験部隊・連絡官 2012-08-11 (土) 00:49:44
    • (いつも通りのやり取りの最中、ふらりと何者かが現れる。甲冑を着込んでも一目でわかるその特徴)
      (四つの腕を持つ、あの東国の剣を振るう剣士が、不意に現れたのだ…最も、その様子は以前とは比べ物にならないほど衰弱しているが)
      うへえ、何かくせえと思ったら、死体兵並べてたのか…おお、久しぶりだな、騎士様
      (大分顔色が悪いが、様子は以前と変わりない男が、気さくにレーヴェンフックへ手を振るう) -- 胡久美 2012-08-11 (土) 00:53:51
    • サッハーギか!(大手門上。振り向かず応える、開戦こそしていないが、一触即発の状態であればこその緊張感)
      良い所に来た、猫の手も借りたい状況でな…
      (この好機に、孤立しがちな少勢へ売り込みをかけてくる傭兵は数多い。その類である、と勝手に判断し) -- レーヴェンフック 2012-08-11 (土) 00:59:40
    • ああそうかい…それじゃ…(ひょいひょいと、そのやせ細ったからだからは想像もつかぬ身軽さで)
      (レーヴェンフックの元へ)
      しかし騎士様はホント派手好きだよなー…あんただからいいけど、こんなとこ突っ立ってたら普通矢で撃たれて即あの世行きだぞ…(ふざけた様子で語りながら、巧妙に殺意を隠し、右の手に刀を持つ、薄紅色に怪しく輝く刀身は、獲物に飢えるかのよう妖気を放ち)
      ま、そうじゃなくても…今からもう一遍死ぬ羽目になるけどな
      さよなら、騎士様よ(手に持った妖刀を、勢いよく鎧の繋ぎ目部分へめがけ振り下ろす!)
      (騎士の超重量の鎧といえど、流石に繋ぎ目は脆いであろうと踏んだうえでの一撃が、レーヴェンフックの背後から襲いかかる!) -- 胡久美 2012-08-11 (土) 01:21:33
    • ―何を、言っておる…?(時が、凍り付く)
      (あるいは、騎乗していれば気付けたのかもしれないが…全くの不意打ちであった)
      (妖刀の刃は背中より左肩の関節部を狙い、留め金のいくつかと蛇腹状装甲を削ぎ飛ばした。「肉体」に切り込んだ感触はない…恐るべき重装甲である)
      (しかし、軽傷…少なくとも、鎧を損傷しただけであるはずなのに。統一王朝の騎士は、「左肩が動かせない」と、大きく崩れる姿勢から容易に判断できた)

      (そして戦場が動き出す。突然大手門の上で倒れる指揮官に、帝国軍は好機を見て進撃を開始)
      (逆に、「優先ケース」発生に対して公国軍は極一部の殿を残し撤退を開始。状況は決定的となった中で、当の大手門では)
      ぐっ…ぐっ?!利に狂ったか、修羅よ!(長槍を杖に、何とか立っている騎士がようやく向き直り問いかける) -- レーヴェンフック 2012-08-11 (土) 01:34:09
    • きひひ、悪いな騎士様、あんたの事は嫌いじゃねえが…雇い主からの御命令でよ(震える腕を見せ)
      見ての通り水銀毒だ、治すためにはちょいと金がいるんでね…
      阿修羅様としちゃあ、もうちょいこの世で楽しみてえからよ…ま、恨まないでくれよ?
      (軽口をたたく一方、斬った側にも困惑が渦巻く。あの攻撃は明らかに失敗だった、傷らしい傷も見当たらない)
      (そも、死体兵である以上切断か、相当深く切り込まない限りダメージ等無いに等しい筈、だというのに目の前の騎士は腕を動かす事ができない重傷を負っている)
      (もしかして体に秘密があるのか、そう、例えば…内部の本体が人型でなく、液体か、気体の様な―)
      っち、まさか見てやがったとはな…(レーヴェンフックの正体について、一瞬核心に近い回答を出しかけるも、直後の帝国軍の動きによりそれは中断される)
      まあ中身が何だろうが関係ねえ、俺は仕事をこなすまでだ…(四つの腕がそれぞれ、刀を握る)
      共闘した好だ、苦しまず一瞬で、首をはねてやるよ!(そして繰り出される4つの剣閃!その全てが、騎士の関節や鎧の隙間、弱点と主わしき部分をついてくる!)
      (だが、それらは全て先程と同じく脆い部分に当たればダメージを与えられるものの、逆に装甲に阻まれれば、自身の刀などたやすく折れてしまう)
      (胡久美自身にとっても、そうした危険を孕んでいる…体を少しでも剣の軌道からずらせれば、或いは!) -- 胡久美 2012-08-11 (土) 01:51:03
    • 傷病が源は東夷の侵攻ゆえであろうに!
      (飛来する火矢に、砦が焼け始める。疎らなマスケット銃の発射音と、帝国軍の突撃の声が響く)
      統一連合の大事に、割れておる場合か…!
      (言っても、虚しいことである。確かに数年前までは戦争をしていた国々であり、未だ利権争いは絶えぬのが連合の実情である)
      (何かと目立つ騎士に刺客が差し向けられたのも、不思議なことではない…)
      だが舐めるでないぞ、貴様に取られる首級ではない!
      (剣閃は4つ。一つは動かぬ左腕を丸ごと慣性で振り回し、アル・メタル謹製の篭手で受ける。刃の破損は免れまい)
      (一つは右篭手接続部、長槍を無力化するための一撃。こちらは体勢が崩れたことによりその長槍の鉄砲身が追加装甲となる)
      (一つは腰の軸を横から切断するための…だが、これは継ぎ目の内部、人間ではありえない細さに絞られた腰に分厚く施された装甲に阻まれる)
      (そして最後の一つ、これまでの崩しはこの一手のためか。宣言通りに、無防備な首の付け根を襲う刀は、正しく鋼を切り裂いて―)
      (曲がり、止まる。確信できたはずだ、シルエットから判断できる、人体が纏える装甲厚ではない事が)
      好機!(刀の間合いでの前蹴りは、尋常でない重さで襲い掛かる。騎士の外骨格関節は、内部の瓦斯圧を人型に補正するためのもの!) -- レーヴェンフック 2012-08-11 (土) 02:13:31
    • (殺った、幾ら重装甲といえど、これだけ同時に急所を狙われれば…)
      …何の冗談だよ、おい…(斬れない、妖刀を除く、3本の刀は全てが騎士の体に傷すら付けられず、破損し)
      (妖刀の一撃も、ずらされ、その人の規格から外れた装甲に、容易に太刀筋を阻まれる)
      くっそ…ぐはぁ!!(斬り込んでわかる、これは、この目の前の存在は、ただのアンデッドではない。いくら何でも、例え亜人の死体といえども、あのような人体の限界を無視した鎧を纏えるわけがない)
      (そして、一瞬の動揺が攻防を逆転させる、続いて繰り出される鉄の塊がと部下の様な蹴りは、胡久美の腹部に直撃する)&bg;ぁ、がぁぁああああああ!!!!っ!ひは、ひ、ぃぃ…!!ッヒ…!!!
      (水銀毒に侵された体に、その蹴りは想像以上に効いたらしく、声にならない奇声を上げ、悶え苦しむ)
      くそ、がぁぁあ…!!
      (だが、それでもなお立ち上がるのは生への執念からか。と、折れ曲がった左手の刀を投げ捨て、妖刀を両の手で持つ)
      …(背の腕は破損した刀を逆手に持ち、完全に防御の構えをとる。そして自身は大上段に構え、意識を集中させる…)
      …(殺気が膨れ上がる。妖刀から放たれる邪気は更に濃くなる…刀に宿る思念が、意図せず読みとれてしまう程に)
      斬レ…コノ世ノ全テヲ…森羅万象、アラユル物ヲ…
      (剣から放たれる思念はただ一つ、それだけ。かつての持ち主の妄執が乗り移ったかのようなそれは、弱い者なら聞くだけで背筋に震えが走る) -- 胡久美 2012-08-11 (土) 02:37:53
    • …公国法戦時特例により貴様を公国準国民として扱おう
      (統一王朝の騎士は、この期に及んで情をかける。水銀毒に苦しむ姿は、見るに忍びない)
      申し開きは送還の後に…(立ち上がる姿を認める)何…だ…?
      (妖刀が赤く輝く。不定形の意思が、気体の意思に伝播する。さながら、幻聴に頭痛が引き起こされるような―隙)

      (折しも攻城戦の最中、大手門には梯子がかかり、不運な帝国兵がその決闘を目撃する)
      (四本腕の狂鬼と、人型をした鉄塊の対決は、戦場にあっても異質だ 妖怪同士の争いに期せずして踏み込んだような気さえしていた―とは後に語る所)
      (何と叫んだのか、までは分からない。鉄塊のほうがマスケット銃を構え、発砲した次の瞬間―勝負は決したそうだ) -- レーヴェンフック 2012-08-11 (土) 02:55:06
    • (涎を垂らし、狂った猟犬のように目を爛爛と輝かせる悪鬼、次の瞬間、その殺気が最高潮に膨れ上がった刹那!)

      一陣 雪走り

      (不意に、そう呟く男の声が響いた直後、その決して斬られる筈の無い、超重装甲の首が、根元から断たれ、宙を舞っていた…)
      (男が放ったのは、極限まで集中し、その首元の装甲を、意思に比例し切れ味を高める妖刀で、横薙ぎに斬り裂いたのみ)
      (しかし、単純かつ意識の統一が必要なだけに、その威力は絶大、ともすれば魔法合金すら断つその威力は)
      (公国の騎士の、鎧に覆われた首をも、見事切断してみせた) -- 胡久美 2012-08-11 (土) 03:18:43

    • (首のない重騎士が大手門より落下してきた…とはまた別の帝国兵の証言である)
      (タイミングよく重装の騎馬が屍体をその背に受け、走り去っていったため確認は出来なかったというが…それにしては奇妙な証言もまた、存在した)
      (首級を落とせば即ち死。であるというのに…逃げ去る騎馬からは、確実にそれとわかるほどの悲鳴が上がっていた…というのだ) -- レーヴェンフック 2012-08-11 (土) 21:15:58
  • 六稜軍 後衛 -- 2012-08-11 (土) 00:29:23
    • (小高い丘に陣取った、100人から成る六稜軍薬士中隊はまだ動かない、前線の動きをつぶさに見て不動)
      (皆、一般的な帝国兵に比べ、より軽装であり、何かしら薬品入りの瓶や筒、玉を持ち、山羊やサソリに乗っている) -- 薄荷 2012-08-11 (土) 00:36:02
    • (前線より命令が下る)
      (1個王軍規模の軍勢と本隊が接触)
      (数では此方に利があるが、故に長く利を保つ必要がある。周辺兵力の相当及び拠点の制圧をせよ)
      (手段は問わない。捕虜はとらなくてもいい) -- 六稜兵 2012-08-11 (土) 00:49:40
    • (白い大男が手を掲げる。副官がラッパを吹き、同時に全員が眼と呼吸器を護る仮面を装着。そして……やや散開気味に進軍を開始)
      (強靭な脚を持つ動物と蟲の機動力を活かし、風上を取ってから一斉に視神経溶解・筋弛緩効果のある毒粉を大気に撒き散らす)
      (地面を這うように進む白い煙は何十倍にも膨れ上がり、余計に敵兵の恐怖を煽る。また迎撃してくる敵に対しては敵の射程に入らないうちに、水銀矢の斉射で追い返す)
      (そして一糸乱れぬ離脱行動。その場に留まる、ということをしない)
      (殺傷数はそれなりであるが、友軍の利を保つための攪乱の任は充分に果たしていた) -- 薄荷 2012-08-11 (土) 01:03:00
  • ─────────────────────────── -- 2012-08-07 (火) 21:13:18
  • 《 ゼ ナ ン 焦 土 作 戦 》 -- 2012-08-05 (日) 00:00:27
    • それは聖歌と共に現れた
      戦火を巻き上げ、戦果を挙げて、戦禍を引き摺り現れた
       
       主はいませり。主はいませり。悲しみに溢れた大地を救う為。主はいませり 
       手に手に持った祝福儀礼済みのハルバード。その先についた果実はただ紅い 
       ハレルヤ。天を仰げ祝福の子。ハレルヤ。我等が神が報いてくださる 
       これは神の血とパン屑である。彼らはそう断じた。そう決定付けた
      かつて神国民といわれた者達の死体をそんな虚言で唯のモノにかえた 
       我等、神罰の地上代行者。神に殉じるもの。神に逆らうもの。我等神聖騎士団。愚者達よ。喜ぶがいい。神は等しく救いの手を差し伸べよう  -- 2012-08-05 (日) 00:17:42
      • (最前線。うち1つ。ゼナン近辺の村の広場で、約500人の神殿騎士を引き連れる男が笑う)
        ひぃーっはっはっはっは!
        教皇猊下の勅命により、この村の一切を徴発することとなった! 無論、その命もだ! 帝国の連中は死体までつかうからな、相手に物資は与えられんのだよ! -- カルロ 2012-08-05 (日) 00:37:16
      • (自領土に関わらず行われる略奪。領民を逃がしている暇はない。そんなことをしていれば帝国軍においつかれる)
        (故に殲滅し、粉砕し、一切を略奪して進むほか手はない)
        遺憾だ。実に遺憾だよ。しかし、しょうがないことなんだ。神の為、国の為、民の為、これは仕方がない犠牲なんだよ
        せめてもの報いとして一切合財根こそぎ奪い去ってやろうじゃないか、はははははは! -- カルロ 2012-08-05 (日) 00:44:12
      • 神殿騎士A「部隊長!」
        今は神任執行中だ! 司教とよべ!
        神殿騎士A「はっ! 申し訳ありません司教様!」
        うむ、して、なんだ?
        神殿騎士A「帝国の連中がこちらの動きをかぎつけました! いかがしますか?」
        はっ! きまっているだろう。神殿騎士5000人といえば普通の兵が1万いようが3万いようがモノの数ではない
        おい、例の術法の準備をしろ
        神殿騎士A「!? し、しかし、あの術法は流石に……」
        構わん。あの蛮族共に神の御威光と見せ付けておく必要がある
        何。下位の騎士なら全滅しても構わん。やれ
        神殿騎士A「りょ、了解しました……神の御心が侭に」 -- カルロ 2012-08-05 (日) 00:50:01
    • 黄金暦224年 10月 ゼナン要塞南東 丘陵地帯 -- 2012-08-06 (月) 00:11:21
      • (大乱戦である。またもや前線に取り残される形となった統一王朝の騎士は、ゼナンを奪還…いや、蹂躪に進軍してきたアルメナ・神殿騎士団に追われていた)
        ええい!何の因果か!(裏拳一発、鎖の音が絡みつく。狂乱状態にある神殿騎士達は、見境というものを失っていたらしい…目に付くもの、すべてが敵という勢いだ ことに、無駄に強力な鎧騎士とあっては) -- レーヴェンフック 2012-08-06 (月) 00:17:52
      •  (視界を奪う濃霧が地上にある一切の命を撫で殺した後、気の早い者達が戦利品を漁る。)
        (彼らの踏む石畳は道端に転がる死体の吐いた血と吐瀉物で汚れ、手をついた壁には今だ)
        (べったりと付着した毒の残留物で汚れていた。)
         (そんな汚れきった神国の街を無数の足音が揺らす、燃え盛る浄化の炎を背負って)
        (血まみれの鈍器を振るって、あたるものなら帝国兵もゼナンの城壁も区別無く打ち砕く。)
        (鋼鉄に鎧われた異形の狂気が足並みをそろえて行進していた。)
         (奴らは切られてもとまらない、突き通されても止まらない、死してなお死することすらなく。)
        (恐怖を武器としてばら撒き続けた帝国軍もこの時ばかりは恐れおののき、)
        (逃げることを忘れて手にした武器を振りかざすしかなかった。)
         (その結果が大乱戦、バルトリアの再来のような凄まじい大混乱だった。数を頼んで敵を押し)
        (つぶそうとした帝国軍のせいで、混乱に拍車がかかり、自体はすでに収集不能の様相を呈する。)
         (爆薬が炸裂して誤爆された兵士がバラバラに地面に降り注ぐ横でメイスをぶち当てられた)
        (騎馬小隊はその騎馬の肉と混ざって見分けがつかなくなった。)
        (毒にまかれて死に絶えたゼナンとその前に広がる平野は今、黒煙と血煙に覆われていた。) -- 2012-08-06 (月) 00:46:55

      •  (立ち上る黒い煙を吹き飛ばして、頭上を突風が過ぎ去った。)
        (ゆうに10m以上はあろうかという翼を広げた数十羽の巨鳥が矢尻の編隊を組んで急降下)
        (そして神殿騎士をなぐりつけるようにその鉤爪に掴ませた爆薬を叩きつけて首を上向きに)
        (急上昇していく。)
         (間をおいて凄まじい大爆発が巻き起こる、他の帝国軍が使う爆薬の比ではない衝撃と爆炎)
        (が周囲を焼き、揺さぶった。) -- 2012-08-06 (月) 00:47:04
      • ぬおお?!(投下された爆裂弾に巻き込まれ。暴風に晒され、しかし熱量により活力を取り戻す)
        あれは…何ぞ?公国の増援…か?(この乱戦である。敵味方の区別は、神殿騎士にあらずとも最早容易には付き難い)
        (であれば、本国でも開発中との噂を聞く航空戦力…あるいは、長距離炸薬砲のそれと考えるのもまた仕方のない事である)

        (神殿騎士らは、統一王朝の騎士よりかは冷静であったらしい)
        (実棍が、石礫が。常識外の膂力で射出され、再びの爆撃を期して下降する巨鳥の編隊に突き刺さる) -- レーヴェンフック 2012-08-06 (月) 00:58:01
      • 散開ッ!
         (ただでさえ黒く煙視界が悪いなか、誰よりも早く地上の敵の動きを察知して飛爛は手信号を)
        (かざしながら叫んだ。)
         (巨鳥の群れが畳よりも大きな翼を羽ばたかせてさっと左右に割れ地面すれすれを飛んでいく、)

         (ハリネズミのような防御を誇ったゼナンに真正面から突っ込まずにすんでほっとしたのも束の間)
        (今度は東国の巨大生物もかくやという化け物の軍勢だった。)
         (何もしないままでいるのが許されるはずもなく、飛爛の率いるカタクァの軍に爆撃支援)
        (命令が下った。敵陣に爆弾を落すのと違って、こうも混戦ではわざわざ急降下して確実に)
        (敵頭上に投下せざるを得ない。ここでもまた、仲間が落とされはしないかと飛爛の不安が募った。)

         (打ち出された礫を避けて巨鳥の群れが再び高度を取り始めた。地面を転がった爆薬が再び)
        (戦場を大きく振るわせた。)
         (爆弾は全部落とした、ひとまずはまた陣地まで戻って爆装のしなおしだ。)
        (なるべくゆっくり戻ろうか、そうすればどうせまた今回も帝国の勝ちで終わるだろうこのやり辛い)
        (戦いも決着がついてくれるかもしれない・・・。)
         (そう思考をめぐらせながら飛爛が騒乱から上空へ逃れようとした瞬間だ、凄まじい叫び声が響いた)
        (ガラス編で黒板をおもいきり轢き掻いたような絶叫。それが自分達の乗る巨鳥シャツァルの声だと)
        (飛爛にはすぐに分かって、その尋常ではない叫び声に振り返ったとき、見たのは神殿騎士の)
        (異形の腕に肢をつかまれて地面に叩き落とされた仲間の姿だった。)
         (鈍い蒼色の羽が撒き散らされる、乗っていた人と鞍ごと鳥の背骨がメイスに砕かれて鮮血が吹き上げた。)

         (蒼く煌く鳥が空中で前転し、その頭を縦にめぐらせた。余りに急激な方向転換のせいで)
        (翻った巨大な翼が再び開いたときに、パンッと風切羽の先端が音の壁を裂く。)
        (飛爛とその騎鳥であるココロアを誰も止める暇は無く、付き従っていた編隊が向きを変えたときには)
        (すでにその後姿は天空からまっさかさま、鳥の亡骸の側に立つ神殿騎士めがけて落ちていた。)
        殺せッ!!あいつの頭を潰せぇッッ!!
         (飛爛が叫び、怪物染みた咆哮でココロアも吼えた。鉤爪がローブを纏った頭に深々と突き刺さる)
        (だが、恐るべき耐久力で頭から血を撒き散らしながらもまだ神殿騎士は生きていた。)
        叩き折れッ!
        (落下の勢いそのままに上昇したココロアがその鉤爪に獲物を掴んだまま、波を打つように急降下しはじめる。)
        (行く先に平原に突き出した巨大な岩。頭を砕かれたまま振り回されて、抵抗することが出来ない)
        (神殿騎士の体が岩にたたきつけられて真っ二つにへし折られた。砕けた鎖の破片が岩に)
        (めり込むほど激しく打ち付けられ、水風船のように肉が散る。) -- 飛爛 2012-08-06 (月) 01:40:10
      • (大空を舞う翼は地に墜ち、蜘蛛の如き腕に絡め取られ…断末魔の叫びを上げた)
        (少なくとも、窮地を救われたのは確かである。それが、意図したものかどうかは…五分五分であったが)
        (何より、部下の死に激昂し。単騎引き返してくる情、これまで見た帝国兵のどれにも見られない装束)
        (であれば、彼の者は西の将である…そんな期待が、先行した)
        我こそは統一王朝が騎士!エルネスト・フォン・レーヴェンフック!
        (名乗りを上げ、今正に地上へ降り敵を潰した大鳥に押しかからんとする神殿騎士らとの間に割って入る一騎!)
        クレイエ(カラス)の騎士よ!此奴らは正気を失っておる、脚を止めては捕まるぞ!(囲む一体に打ちかかりつつも、背中越しに声をかけ) -- レーヴェンフック 2012-08-06 (月) 01:56:08
      • はぁ・・・はっ・・・!
         (怒りのままに敵を地面にたたきつけた結果、速度が保てず、地面に降り立ってしまった。)
        (まだ破裂した怒りは収まらない・・・が、不意に後からかけられた時代がかったセリフに)
        (思わず振り返った。獲物を狙う猛禽ような空色の瞳が見たのは、背後からくる巨体を)
        (切り伏せる、全身隙間無く甲冑姿の騎士の姿。)
         (一瞬、怒りの表情のまま、理解が追いつかなくて飛爛は固まった。)
        (が、すぐに気を取り直し、手綱を繰ってココロアをかけさせた、巨大な鉤爪が跳躍とともに)
        (真正面の神殿騎士を前蹴りで吹っ飛ばす。)
        こんなに突出してあなた何やってるの!?戻らないとあぶないよ!?
         (きっと捕虜になった西方の武将か何かが奴兵に混じって戦っているのだろうと思う。)
        (普通の奴兵とはまったく見た目が違うが、飛爛は捕らえた相手をそのままの状態にしておいた)
        (こともあったので、たぶん似たような変わり者が他にもいたのだろうと納得した。) -- 飛爛 2012-08-06 (月) 02:19:19
      • (あれだけの体躯、一度地上に降り立てば囲まれた状況で…飛び立つ事は困難か!であれば、目の端で追うだけであったその操者の姿も実像を伴って…)
        レディ?!(戦場には不釣り合いな。小柄で、吹けば飛ぶような…言っては何だが、淑女と言うよりも少女であった。)
        …ッ!此方の台詞であるぞ!
        (戻るところで捕まってしまってな!と言葉を続けつつも、長槍…マスケット銃、据付のウォーピックでメイスの一撃を捌き、西側特有の絡み突きで5つある目玉の尽くを潰し無力化する。傷病手当の上退役は間違いない損傷…であるといいが)
        彼の者は勇敢に戦った!不意の終わりであろうとも、眠りにレディの付き添いを望む戦士ではあるまい!
        (騎馬と大鳥、地上にて並び立つ。図らずも東西の機動戦力が共闘の形をとった) -- レーヴェンフック 2012-08-06 (月) 02:35:13
      • 今は女だって戦えるなら戦士よ!
         (そこはかとなくバカにされた気がしたのでムキになって叫び返す飛爛。)
        (滑走するだけの隙も距離も、敵味方引っ掻き回されたサラダボウルのような状態では望めない)
        (だが、その羽を使い巨鳥は跳躍を繰り返しながら、地上でも軽快に立ち回っている。)
         (化け物染みた腕力を持った敵ばかりとはいえ、相手が基本的に歩兵なのが幸いした。)
        うりゃっ!!
         (鞍にすえつけられた取っ手を引く、巨鳥の腹を覆う皮鎧に弾帯のごとく連ねられたロケット弾)
        (が点火、白煙を引いて飛び出し、先端の鏃が神殿騎士の鎧にがっちりと食い込んだ。)
        (炸裂音、10連装の火槍が一斉に爆裂して鎧ごと神殿騎士を吹っ飛ばした。) -- 飛爛 2012-08-06 (月) 02:50:03
      • (新兵器!目が醒めるような威力、公国の技術力を実感する…その実、てんで的外れではあるのだが)
        (正気を失った神殿騎士の膂力は、この人類を遠く越えた地平にある甲冑騎士に迫るほどのものだ)
        (だが、機動力では比べ物にならない。騎馬と、それに準ずる巨鳥シャツァルが駆け、包囲を打開するため火砲が煌めく)
        (数の不利を覆すには理由がある。近づけば騎士が投げ飛ばし、支援に飛爛が火箭を飛ばす)
        やるではないか!だが…(レディ、と言いかけたところで)君の名は!(戦士に対する礼として、名を聞くことにした) -- レーヴェンフック 2012-08-06 (月) 03:07:38
      • フェイランッ!
         (攻撃を避けるために神殿騎士を踏んづけて舞い上がったり、頭よりも高い位置から落ちたり)
        (するせいで飛爛の言葉はぶつ切りになりがちだった、長々としゃべってたら舌を噛む上下動のせいだ。)
         (メイスの一撃を飛び上がって避け、着地ざまに、腰から抜いた馬上筒とおぼしき短銃で狙撃する。)
        (ローブの下の顔にぶら下げられた鎖が弾け飛んで、神殿騎士の体が仰向けにのけぞった。)
        (だが、元々地上戦力である騎士とは違って、シャツァル兵は地上での継戦能力も突撃力も騎馬)
        (には遥かに劣っていた。飛爛が地上に降りてからの僅かの間ですでに武器は底を付き掛け、)
        (空を翔る翼は地上では重たく枷となる。)
         (正直、1人だったらもっと大ピンチだっただろう・・・はっとそこで思いついた。)
        エルネストって言ったわね!突撃はできるんでしょ、でっかい馬乗ってるんだから!
         (でかさで言えば飛爛の乗るシャツァルとて全長7mを越そうかという恐竜に羽が生えた)
        (ような奴だが、このさい問題なのはその突撃力である。)
        50・・・40mでいいから!ココロアを上げて! -- 飛爛 2012-08-06 (月) 03:34:24
      • ヘラ殿か!(西方と東方の発音の違いである。加えて戦場での短いやり取り、公国風の名前にて理解するのに時間は要さなかった)
        (槍の一振りは神殿騎士の過剰な重量を数体纏めて投げ飛ばし、山を築かん勢いだが。連携に陰りが見え始める)
        (いずれ圧殺も見えていたはずだ、この戦場に騎士一人では。ならば、この少女の存在は天佑と言う他はない。)
        …!たとえ不可能とて、覆してみせよう!翔べい、コ・クレイエ!
        (些か大きすぎる守護鳥は、戦場に在れば抜群に目立つ。象徴的な…民の、望んだ力として彼女はまさに煌めくばかりである。ここで地に這うべきではない)
        Feuer!!!(馬上で、マスケット銃が火を噴く。ほぼ同時に騎馬突撃が、長い長い坂道の街道に陣取る神殿騎士の一党を軒並み吹き飛ばし駆ける!) -- レーヴェンフック 2012-08-06 (月) 03:55:19
      • ああ・・・変な兜被ってるからよく聞こえなかったんだね・・・
         (などと呟いている余裕は無い。豪砲一喝一気に黒く焼けた大地を駆け下る蹄の後を鉤爪が追った。)
        (重厚な鎧の金鳴りも激しく、トレーラーで軽自動車を跳ね飛ばす派手なカーチェイスよろしく)
        (一直線上に滑走路を切り開く騎士の後を飛爛はココロアに乗って駆けた。)
         (追いかける神殿騎士のローブから垂れ下がった鎖が激しく音を立てた、疾走する獣の速度に)
        (人間の足で追いつくなどありえないことだが、化け物染みた彼らの脚力はそれすらも可能に)
        (するらしい。だが大地を蹴る鉤爪の力がついには勝った。)
         (十分にその体が速度に乗ったとき、その太い首と、胴の翼が、風切羽の1本まで大きく広がり)
        (風を捕らえ始めた。)
        (早鐘のように打っていた鉤爪の足音がドッドッと感覚を広げていく)
        上がれぇーッ!!
         (走る巨体が跳躍した瞬間、翼が地面へ風を打ちつける。蒼く煌くその体は再び舞い上がっていた。)
        (疾走する騎士の頭上を追い越して風に乗った巨体が地面を6枚羽の影で覆いながら加速する。)
        (空へあがった飛爛の元へ、先ほど彼女に置いて行かれたシャツァルの編隊が)
        (戦場の黒煙を割いて駆けつけ、ぐるぐると螺旋を描きながら一つの群れへと上空で合流した。)

        火槍用意ッ!あの騎士の前に居る敵に弾幕を集中ッ!!
         (数十羽から成る編隊がくの字を連ねるように矢尻形編隊の列を作り、飛爛を先頭に陣形を整えなおす) -- 飛爛 2012-08-06 (月) 04:24:48
      • …美しい(大空を舞う鳥たち。その中央に今加わったのは、先ほど飛び上がった…一際大きな、蒼色の翼だ)
        (地上より見上げる騎士と騎馬は、朝焼けの中に未だ囲まれたままで。しかし、そう呟かずには居られなかった)

        (一瞬後、目前の敵を航空支援により排除せしめた束の間の共同軍は挨拶もそこそこに解散することとなる)
        (理由は単純、自陣に―飛爛の認識では、帝国軍―戻るはずの騎馬が、槍を掲げる略式の礼をした後てんで見当違いの方向へ駆け出したからで)
        (本陣以外の野営地でも確保してあるのだろうか?ともかく、敵勢から逃げる向きなのは間違いない。)
        (すぐに森へと入り、見えなくなった騎士が、彼女の率いる軍…その付近に陣取る方面軍に、帰って来なかったことだけは確かであった) -- レーヴェンフック 2012-08-06 (月) 04:37:07
  • 《 ゼ ナ ン 要 塞 攻 略 戦 》 -- 2012-08-02 (木) 22:48:16
    • バルトリア会戦の混乱から数ヶ月、本土からの増援が到着したことにより帝国軍は再び進軍を開始し北方戦線と南方戦線を突破した
      北方戦線は竜害の影響で双方進軍が滞ったが、ここ南方の神国では本土決戦の様相を呈することとなっていた…
      神国軍1万3千、対する大爛帝国南方々面軍3万。神国軍前線最終防衛線、"城塞都市・ゼナン"城壁前にて戦闘が開始された
      -- 2012-08-02 (木) 22:55:53
      • ※乱入&枝追加一人遊び歓迎※ -- 2012-08-02 (木) 23:07:40
      • 帝国軍が主力である騎兵を突撃させないのには、単純な温存以外にも理由があった。それは神国側の兵の特色をよく見れば理解できる
        アルメナの地は軍馬の生産及び維持に適さない土地柄であり、軍隊は機動力に乏しいものである
        その代わりに充実しているのが大量の重装歩兵とバリスタ、交易で入手している火薬と火砲である
        重装歩兵の鎧と盾は矢による攻撃を防ぐため帝国の弓騎兵では歯が立たず、さらに特筆すべき点として「ファランクス」がある
        長槍を歩兵全員で構え、騎兵による突撃を防ぐ戦術である。神国軍歩兵の陣形は変幻自在に変化し、機動力を補う
        堅牢な城壁もあいまって神国アルメナの防衛戦における勝率は高く、半ば不敗神話と化していた……
        -- 2012-08-03 (金) 00:16:49
      • また、宗教国家であるアルメナでは神官も戦場に出ることは珍しくない。彼らにはそれだけの力がある
        後方に陣を張り、魔術による支援と回復を行うのだ。よって負傷した兵の復帰が早く、兵数は戦力の目安になり辛い
        さらに恐ろしいことに再生不能となった兵士ですら、キメラ化して戦力として運用するという……
        -- 2012-08-03 (金) 00:36:00
      • 不敗を誇る神国の防衛戦術。帝国側が遅延する戦況に対し特効薬として持ち出した戦術は「毒攻め」であった……
        奴兵などの陽動戦力を大規模に動員し、要塞前に敵主力を引き付けた。一方ゼナン要塞南方にあった丘陵地を別働隊に占拠させておき
        神国の主力部隊を引き付けたタイミングを見計い、風読みによって風上から毒草や毒虫を乾燥させ粉末状にした毒煙を流したのである
        その毒は空気よりも比重が重く、相当な時間城塞都市に停滞
        城壁を破らずして神国の兵のみを打ち破った。そう、城塞内の非戦闘員を巻き添えにして……
        -- 2012-08-03 (金) 23:49:45
    • 数の上では帝国側が有利ではあるが、やはり城攻めとなるとなかなか攻め切れないようだな…
      (優秀な建築技術を持つと聞き及ぶ神国アルメナ。ここに至るまでも高い城壁や厳しい砦、防衛塔などの建築物が散見された
       先に占領した東ローディアよりも防衛設備が充実しているのは自明であり、純粋な兵力差で押し切れるほど容易い敵ではなかった
       遠く、神国兵の布陣するその後ろに聳え立つ堅牢な城壁を眺めながら、ただ全軍突撃の指令を待つ) -- マサヨシ 2012-08-02 (木) 23:17:43
      • フン、東ローディアみてぇな城だったらあっという間に討ち滅ぼしてやったのになぁ、将義。
        なぁ……お前、この戦いが終わったらどうするつもりだ?(動物の胃袋をなめした水筒から水を飲みながら)
        このまま一生つまらん奴兵生活ということもないだろォ? -- 玄骸 2012-08-02 (木) 23:30:06
      • …我ら奴兵部隊にそのような華のある役目は回ってこんさ。こうして我らが動員されているということは、あの壁はまだ暫く立ちはだかるということだろう
        (珍しく副官の野蛮人がまともな会話を持ちかけてきたので訝しく思った。なので、質問を質問で返してみる)
        そういう貴殿はどうなのだ。元罪人らしいが、この戦争で刑期を減らし自由の身になれるのか? -- マサヨシ 2012-08-02 (木) 23:39:33
      • やれやれだぜ……(舌打ちを一ツ)斬りあいはいい。汚れ仕事も構わん。だが退屈だけは勘弁だ。
        …俺か? 俺は何十年分刑期を減らしたところで自由になんかなれやしねぇよ……
        ま、その前にフケてやるがな。(憚りもせずそのようなことを言い) -- 玄骸 2012-08-02 (木) 23:58:09
      • 左様か……己は―― (と、言いかけたところで将軍の号令がかかる) -- マサヨシ 2012-08-03 (金) 00:00:10
      • 刻限である!! 予定通り各奴兵部隊は突撃せよ!!!!
        (帝国軍はまず囮として惜しくない歩兵戦力…奴兵を突撃させる作戦だ。その理由は突撃してみればおのずと分かる) -- 帝国軍将校 2012-08-03 (金) 00:03:28
      • む……玄骸、この話は一旦預からせてもらう
        我ら戌徒部隊も、玄骸副隊長を先頭に突撃開始!! 敵の弩と長槍歩兵に注意しろ!! -- マサヨシ 2012-08-03 (金) 00:06:09
      • ま、いいだろ……(刀を抜き)それまでに手前ぇがおっ死んでなければなぁ!!
        突撃だ、突撃ィ!! 俺ら奴兵に逃げ道なんか残されちゃいねぇぜぇ!!
        生き残りたきゃ勝つしかねぇ! 前にしか道はねぇんだ!! さぁ………いくぜお前らぁ!!
        (抜刀した男たちの背中が続く。どこまでも果てしなく続く、戦争という名の道を突き進むために) -- 玄骸 2012-08-03 (金) 00:13:20
      • …来たぞ! 敵歩兵部隊に向けて一斉掃射!!
        (城壁の上から神国の弩兵部隊が矢を放つ! 突撃する奴兵達の頭上からは極太の矢が降り注いだ!!) -- 神国兵 2012-08-03 (金) 00:25:32
      • (自分に向かう矢を悉く切り払い)この程度で怯んでんじゃねぇ!!
        逃げるなっつってんだろ!! ああ、そうだぜ……矢に刺さって死ぬのも後で処刑されるのも一緒だろうが!!
        だったら最初から死ぬ気でかかれっつってんだよ!!(一人、誰よりも先陣を切り) -- 玄骸 2012-08-03 (金) 00:45:49
      • 玄骸…あの太い弩砲矢を難なく切り払うか。恐ろしい男だ……
        (やや後方から部隊全体の動きを統率している将義は副官の剣と気迫に感服する。あれほど戦場が好きな男もそうは居まい
         さて、矢の雨霰を潜り抜けたその先に待っている者へ目を凝らせば――) -- マサヨシ 2012-08-03 (金) 00:50:16
      • 愚かなる東方の蛮族共よ……我らの神の威光を知らしめてやろうぞ!
        (神官達が後方から何やら魔術を行使し伏兵の姿を日の下に曝け出す…キメラだ!)
        ゴガ――ゲピェ――!!
        (大きさで言えば柱の騎士のように巨大ではないが、中型のモンスター程度には達する肉塊(できそこない)
         もはや人間の姿を保っていなくとも、不自然な位置から生えた手足や顔…パーツは間違いなく神国兵のものだと物語る
         彼等は矢の雨を抜けてきた歩兵達に向かって我武者羅に突撃してくる!) -- 神国兵 2012-08-03 (金) 00:57:22
      • おい将義………面白いもんが見えるぜぇ。(それは自分たちの部隊を吹き飛ばしながらやってくる)
        継接キメラだ。(刀を構え、ニヤリと笑う)ははははははっ! アルメナの野郎ども、面白ぇこと考えやがるぜ!!
        柱の騎士だけじゃなく、こんな玩具まで見せてくれるとはなぁ!! ははははは!!!
        (狂ったように笑っていた玄骸は、刀を肩に担いでキメラに突進する)
        はああぁっ!!(そして初太刀で相手の足部分を切り払い)デカブツのセオリーだ、足から狙っていけよ!! -- 玄骸 2012-08-03 (金) 01:10:11
      • …っ、あれが鬼滅羅(キメラ)兵なるものか……なまじ原形が分かる分、気味の悪さは柱の騎士以上だな…
        (戦闘狂の玄骸とは対照的に辟易する。他の奴兵達よりも倭洲出身の将義にはより禍々しいモノに見えた
         だが、隊長たるもの常に冷静に努めようと敵の動きを観察する……)
        …? 待て玄骸!それは通じない!! -- マサヨシ 2012-08-03 (金) 01:22:17
      • ゲルペッ――!?
        (足を斬られたキメラは確かに無様に地面に転がったが、次の瞬間には腰から生えていた別の足でバランスを取った!
         さらに背中から生えた手に持つメイスで玄骸に反撃を仕掛ける!) -- キメラ兵 2012-08-03 (金) 01:24:38
      • 何!?(将義の言葉に警戒すると、肉塊は違う足で立ち思いも寄らぬ腕で攻撃してくる)
        おおっと!(メイスの一撃を後方に跳ぶことで辛うじて避け、何とか体勢を立て直す)
        こいつら……ただのデカブツじゃねぇってことか。 -- 玄骸 2012-08-03 (金) 01:32:38
      • よし、敵は混乱している。掃射、構え――てぇー!
        (方々でキメラとぶつかる奴兵達。足止めをするキメラの安全を考慮せず再びバリスタから矢の雨が降る!
         さらに、第二掃射が終わった後はキメラの背後からファランクス陣形の重装歩が迫ってくる!) -- 神国兵 2012-08-03 (金) 22:42:20
      • この期に及んで城壁の上から…!? この鬼滅羅兵とて、貴様らの同胞であろうに…!!
        (矢の雨を凌いだ後、勢いを削がれた帝国軍の突撃部隊をキメラの後ろから突いてくる神国の長く慈悲の無い槍…
         神を信じ身を捧げる名誉に殉じた者達を賛歌する一方で、これが現実の扱い。キメラの啼き声はどこか悲しげにさえ聞こえた)
        ……これが、貴様達の信仰か。これが貴様達の神の教えか! ならば己が、その神を殺して見せれば貴様らの目は醒めるか――!?
        (雄叫びは無い。自分達に「義」があるとも思っていない。ただ今この場では神国を「気に入らな」かったのだ
         うろたえる戌徒の奴兵を追い越して、槍に頬を切らせて、副隊長の横で肩を並べて、その刀は大上段に!)
        斬り捨て――御免ッ!!
        (断末魔の叫びをあげながらキメラ兵が真っ二つになる。一刀の下に切り伏せる事こそが、彼等のへの慈悲だと部下に見せ付ける
         …いや、そんな心算もないのだろう。将義とて怒りの感情を持つことがある…というだけに過ぎなかった)
        容赦するな!躊躇うな! 情けをかけずに斬って捨てよ!! そして――槍兵もだ!
        (重装歩兵の長い槍の隙間に入り込み、素早い動きで歩兵の足を強く峰打ち。金属製のブーツごと粉砕してまずは一人を再起不能に) -- マサヨシ 2012-08-03 (金) 23:04:17
      • ヒュー!(一刀の元に切り伏せられるキメラを見て舌なめずり)なかなかやるじゃねぇか将義よぉ……
        それじゃ俺はこっちをもらいだぁぁぁ!!(向かってくる槍を次々と切り飛ばし)隊長首を寄越しやがれッ!!!
        (一人の鬼人が重歩兵の首を次々と刎ねていく――――まるで防具など最初から存在しないかのように) -- 玄骸 2012-08-03 (金) 23:21:15
      • ヒィ!? な、なんだこの東国人ども…! これが「鬼」というものか…ええい落ち着け!陣形を崩すな!!
        (文字通り鬼気迫る勢いの戌徒隊が一番槍でファランクスの陣形にダメージを与えた。しかしそれで戦線全てが狂うわけではない
         神国のファランクスは完成された陣形であり、崩すにはどうしても帝国側の歩兵の数が足りなかった) -- 神国重装歩兵 2012-08-03 (金) 23:29:54
      • (いかん、突出し過ぎたか……しかし、我らがこれだけ尽力しても崩せる気配なし。今回も作戦失敗か…)

        (一旦冷静になり、槍の間合い内で柄による打撃を受け止めていると…何か、微かだが異臭を感じる)
        む…なんだ。敵の火薬の匂いか? 玄骸!お前は鼻が利くだろう。何か匂わないか?
        (完全に偏見だった。しかし大爛出身の玄骸が鼻を凝らせばその匂いは判別出来るもので) -- マサヨシ 2012-08-03 (金) 23:36:12
      • なんだとコラ、人を犬か何かみてぇに………(しかし僅かに臭ってくるそれは――)
        将義ィ!! 早く全員退かせろ!! 毒だ、あいつら毒を使うつもりだぜぇ!?
        (口元を隠しながら最前線から退く。動物的な直感もまたこの男の持ち味であった) -- 玄骸 2012-08-03 (金) 23:40:56
      • (速やかな副官の指摘に四方を確認する。見れば南方…小高い丘の上に布陣する帝国の部隊が見えた
         同時に、そこから流れてくる何か粉塵のようなもの……そこで己が重要なことを忘れていたのを思い出す
         非人道的手段においては、帝国軍とてどの陣営にも引けを取らない ということを…)
        そ、総員退却!玄骸の後に続け!! おい神国兵達!貴殿らも退け!毒攻めだ!! -- マサヨシ 2012-08-03 (金) 23:57:14
      • バカが、敵を気遣う暇があったら手前ぇも逃げるんだよ!!
        (口元を押さえたまま走って逃げて)く……お構いなしの好き勝手絶頂やらかしてくれるぜぇ…! -- 玄骸 2012-08-03 (金) 23:59:06
      • は?敵である貴様が何を言っている!!さては我らの統率を乱す策略か!? この期を逃がすな!逃げる帝国兵の背中を貫いてしまえ!!
        (ファランクスの部隊はその号令と共に今はまだ足元に漂うだけの毒霧に自ら突っ込んでいく…) -- 神国重装歩兵 2012-08-04 (土) 00:00:32
      • くっ……! 皮肉なものだな、帝国の目論みである陽動は恙無く成功してしまったのだから…
        (玄骸からの呼びかけは最もであり、仕方なく未だに行軍を続ける神国兵を尻目に戦場から離脱する
         本来なら弩兵により背中を撃たれるか、ファランクスの槍に刺されるかだったが、直に神国兵達は皆倒れていく……)
        戦場に神は居ない。それは神国とて、同じだったか…… -- マサヨシ 2012-08-04 (土) 00:04:29
    • ゼナンを前にして、さしもの帝国軍と言えどもその堅固な防壁の前には本格的な攻勢に転じるには未だ機を逃していた
      時は夕刻近く。城塞の前には両軍の兵士の死体が転がり、血の赤をさらに夕日が朱く染めている…… -- 2012-08-03 (金) 00:22:58
      • その中にあって、西側の兵士には未だ息がある者も居るようで幽かな呻き声が聞こえる。
        アルメナの兵達は神聖魔術による強化が施されている者が多い分、生半では死に難い。それ故行動不能の傷を受けても死ねず、苦悶を味わい続けるということも珍しい事ではなかった
        だがその頑強さ故に彼らは、本国の神聖魔術による治療を受ければ、再度前線に立つことも可能なのだが……つまり彼らは、再利用率の高い戦術単位でもあるのであった -- 2012-08-03 (金) 00:27:10
      • 「くそ、東の蛮族共めぇ…!!」(怒りを露にするのは、神殿騎士達の一人)
        (彼等から見れば、不浄な蛮族の死体で溢れ返った戦場を嫌悪感を露にしながらも進んでいく)
        (目的はただ一つ、再利用できる戦力の回収、即ち、生存者の救助である。)
        (その中にあって一人、明らかに神国のそれとは違った甲冑を着込んだ者がいる、恐らくは傭兵だろう)
        「この辺りか…よし、お前達、これから生存者の救助を行う。生きている者が入れば速やかに救助し
        同行した神官達の元へ運べ、いいか、敵は血も涙もない不浄な蛮族、どこに隠れ、我々の虚を突こうか伺っているに違いない!決して一人で行動はするなよ!」
        (そう言うと、2〜3人のペアを組み、それぞれで生存者の確認に回る、甲冑の傭兵も誰かと行動をしようとしたが、そこでふと先程の隊長格らしき男に呼び止められ)
        「待て、貴様の様な信用ならん奴に、我が仲間と組ませる事等できん、見たとこ東の者の血をひいてる様だしな」
        「お前は一人で生存者を探せ」
        (疑い深い隊長格の男に舌打ちをしつつも、一人で生存者を捜す、最も、それでも視界に神殿騎士の連中の見える範囲から離れず、いつでも対応できる様に警戒はしているが) -- 胡久美 2012-08-03 (金) 00:48:38
      • 胡久美が分隊と離れ、生存者を探す為につと視線を巡らせたその時。
        ばん、と乾いた音が響いた
        次いで、ばん、ばん、ばん、と続く破裂音。夕日の中に、むせ返るような血の臭いと火薬の燃える臭い、そして血煙が充満し
        誰かが悲鳴を上げた。 -- 2012-08-03 (金) 00:53:03
      • Ho,Haaaaaaaaaaaaaaaa!!!!
        (虫の息の兵に仕掛けた爆薬が無事爆発したのを見とり、浅黒い肌の兵が近くの茂みから手負いとなった神殿騎士へと槍を突き出し、血祭りに上げる)
        (その先頭に立つ仮面の男は、一際異様な風体であった。半裸の上半身を晒し、炎のような刺青を筋肉の動きで蠢かせ)
        (大将首と思しき神殿騎士へと瞬く間に躍りかかったと思えば、両の腕に着けた牙獣の手甲を鎧の隙間へと突き込み、その命を断ち切る)
        っははは、行くぜぇ野郎どもぉ!
        (仮面の奥から次なる獲物を求め、銀髪の野獣は首を巡らせる) -- 阮焔 2012-08-03 (金) 01:02:14
      • (聞こえたのは、スリュヘイム出身の自分には聞き慣れた音であり、神国の者達は余り聞いた事が無いであろう、火薬の炸裂音)
        …あーあ、また外れくじ引いたか…こりゃ?
        (水銀毒の治療方を探すうち、神国の怪しげな魔術なら或いは、とこの国に訪ねて来てみれば、戦の準備の真っ最中)
        (傭兵だった自分は一も二もなく巻き込まれ、非正規の兵として、奴兵の様に扱われ戦場に連れてこられた)
        (それでも生存者の回収だけなら、まだマシかと思った矢先に、これである)
        さあて、次は何が来るかねえ…!(四本の腕が同時に太刀を抜き、構える。幸い痛みは引き、薬もまだ効いている。)
        (自身が生き残る事だけを考えれば、まだ何とかなるだろうと、青年は読んでいた)
        誤魔化しなんざ後で幾らでもできるしな…最悪バックレちまえばいいし(言いながら、襲い来るであろう敵の姿を探し) -- 胡久美 2012-08-03 (金) 01:02:40
      • (見れば、仲間に駆け寄った神殿騎士の一人が、爆発の直撃を浴び、肉片を撒き散らす様を目撃する)
        (次いで聞こえた悲鳴は、先程のいけすかない隊長の声、不謹慎ながらも、内心様あみろと溜飲を下げる )
        (だが呑気にそんな事ばかりに気を取られていられない、安城というべきか、敵の待ち伏せがあったからだ。)
        敵は…こりゃだめだ、連中持ちはするだろうが…(先程の爆発でかなりの者が死傷したらしい、残ったものも命が惜しいのか)
        (早々に引き下がった。となると、当初の予定としては如何にここから逃げるかになる、が…)
        あの野郎…簡単に帰してくれそうにやあねえな…
        (褐色の肌に銀の髪、独特の刺青を入れた男と、仮面越しに視線が合う。先程の鮮やかな手口といい、かなりの手練れと見て相違ない)
        (無言で前の両腕で剣を逆手に持つ、前で防ぎ、後ろで攻撃する、攻防一体の型だ)
        (幸いにも生き残りが検討しているのか、自分へと注意が向いたのは今の所あの仮面の男だけの様だと、男は辺りを見廻しながら思う) -- 胡久美 2012-08-03 (金) 01:14:36
      • (此処らで橋頭堡を確保したい所であった。本命についてはまだあるにしろ、少なくとも今は攻めこんで行く必要がある。その為の一手)
        おいおい、食べ残しは良くねぇからよぉー、弓兵。火矢と油球ぁー。
        (背を見せて逃げる神殿騎士には、動物の内臓に油を詰めた物を投げ付けさせた後に火矢で射る。如何に矢をも受け付けぬ重装甲の鎧であっても、熱に焼かれれば蒸し焼きになるしか無い)

        ……ぁん? なーんだ……居るじゃねえかよ、面白そうなのがよぉー……
        (仮面の下側、顕になった口元がにやりと笑い……)
        Da,Da,Da,Haaaaaaaaaaaaaa!!!
        (怪鳥のように声を上げ、四腕の男に突進する。全身のばねを活かして飛び、一回転しつつ恐るべき速度でもって胡久美の首を刈るべく右腕の牙を突き出し、直突きを叩きこむ!) -- 阮焔 2012-08-03 (金) 01:28:02
      • しかしつくづくお面野郎と縁があるな俺は…!
        (逆手に持った左の刀を、進行上に置く様に斬り上げ)
        (背の側にある右腕が、宙に浮いた状態の阮焔へ、水平の横薙ぎを繰り出す!)
        ちょいと体調が悪くてね、舞い上がってるとこ悪いが…速攻で死んでくれや!!(更に追撃!左後ろ腕の刀による突きが、駄目押しとばかりに、その胸元へ!防具など一切付けてない状態で受ければ、当然ながら即死は免れない!) -- 胡久美 2012-08-03 (金) 01:41:04
      • っははは! 残念ながらよぉー、因縁は俺で最後になるかもなぁ、えぇオイ!!
        (一発目の右の直突きは、逆手持ちの左刀に阻まれ……間髪入れずに繰り出される水平斬りと突き、そのどちらもが致命のものである)
        (恐るべきはその精妙なる四腕の操作であった。まさに自らの腕として刀を振るい、人を斬る事に長けた業前。だが……)

        (右の爪を受けた刀にかかる重量が不意に軽くなったと思えば、胡久美の視界から阮焔は消失していた。殴りつけ、防がれた勢いをも殺さず利用して、空中で倒立するようにぐるりと身を回す。刃を抱くように髪一重で避けて、四腕の背後へと降り立つと)
        Shii,Ha....!!!
        (鋭い呼気とともに膝立ちの姿勢から即座に足を蹴りあげ、獣牙の爪の着いた足裏で背後からの蹴撃。狙うは右の脇腹、肝臓だ) -- 阮焔 2012-08-03 (金) 01:51:34
      • 嘘だろ…!!(身体能力に自信のあった青年は、幾度か軽業師めいた技をした事があるが、これは次元が違う)
        (無駄を省き鍛え抜いた体、超人的なバランス感覚、更に一歩間違えば死に繋がる一撃を前に、それを行える胆力…それら全てを持っているが故の、まさに超人的な回避動作)
        こんのやろ…!!(状況は最悪、後ろ腕は両方とも振り切り、左腕も突き出したまま、戻す暇など当然ない。)
        っがぁぁあああ!!(右手に持った、薄紅色の刀身の刀、それを逆手のまま、振り向きざまに阮焔へ突き刺そうとする!)
        ( 阮焔は気づいただろうか、あのバルトリア会戦に現れた巨大な騎士と、今この青年が持つ刀が、よく似た雰囲気を持っている事に)
        (尋常では無い切れ味を持つそれは、頑強な獣の骨すら容易く切断する程の切れ味を持つ、運悪く刺されれば、阮焔の体を容易く刺し貫くだろう) -- 胡久美 2012-08-03 (金) 02:15:19
      • (と、そのとき……後方より異常な速度で異常な質量が轟音烈風を伴って迫ってくる)
        (見れば、それは巨大なハルバード。到底人がもてるとは思えないような大きさをしたそれは文字通り横槍を入れる形で阮焔へと迫った!)
        -- 2012-08-03 (金) 04:58:07
      • ()った。そう思えるタイミングでの一撃だが、四腕の傭兵もさるもの。回避ではなく攻撃を選択して来た事に即座に気づき、歯を剥いた笑みを濃くする)
        (本当に、戦というのは──)
        ──退屈しっねぇぜぇ、オイ!!

        (だがさらに恐るべきは仮面の拳士の身体能力か、蹴りを放った身体のばねを活かし、崩れた体勢もものともせず、突きをいなすために胡久美の背を蹴り再び中空へと身を躍らせ)

        ……何ッ!

        (結果的にそれが、阮焔の命を救う)
        (颶風の如くの長柄武器の一撃は、背面宙返りを決める阮焔の銀髪の一房を薙ぎ散らす。きわどい所で回避に成功し、胡久美と阮焔と、乱入者で三角を描くような構図へと着地する)
        (背後に控えた小越奴兵隊の兵士達が敵意も露わに槍を、剣を構えるが)
        手ぇー出すんじゃねぇーぞ。お前らじゃ相手になんねぇ……いーぃ手練だ。
        (片足を畳み、顔面を両の手甲で守るような独特の拳法の構えを取ると、敵へと視線を向ける) -- 阮焔 2012-08-03 (金) 05:07:20
      • ふん、あれを避けるか。蛮族はどいつもこいつも逃げ足だけは軽快とみえる
        (イヤミをいいつつ、戦塵を纏って現れたのは、正規軍のフルプレートを装備した神殿騎士の一団)
        (皆一様に重装のチェインメイルを装備し、その上からこれまたバカみたいに重そうなフルプレートを着込んだ挙句、止めとばかりに暗紫のローブをすっぽりと被っている)
        (重戦車といって差し支えない装甲を纏った一団の先頭にいるのは……金髪三目の若い男)
        神殿騎士カルロ・ブレンゴーラ 推参!
        そこな蛮族! みたところ、将とお見受けした、いざ尋常に勝負!!
        (ようするに首という名の手柄が欲しくて、功名心から胡久美の邪魔をしたのである)
        ふん! 傭兵、少し休んでいろ! ここは私が引き受ける!(意訳:手柄寄越せ! 当然、従う義理はない。回復したらすぐさま横槍をいれてしまえばいい) -- カルロ 2012-08-03 (金) 05:17:12
      • ヒュゥ♪
        (砂塵の向こうより現れたる神聖騎士団。壁と言っても差し支えの無い彼らはしかし、見かけに反した機動性で以て、見かけ通りの重い一撃を叩き込む暴威である)
        (そしてその先頭。豊かな金髪を後ろに流し、額にもう一つの目を増やした美丈夫を見て、仮面の男は嗤う)

        いざ尋常にだとかそう言う物言いは西の連中の一つ覚えって奴かよぉー? 戦は進化するもんだぜぇ、おい。オラ笑ったれ笑ったれ
        (後ろの部下を煽りつつ、カルロと胡久美に油断なく視線をやる。まぁ、このカルロと言う男腕はともかく一対一を所望している以上それを違えて策を巡らすタイプではないだろうが……)
        (四腕の傭兵は違う。コイツは恐らく、何でも良いのだ。機先を制し有利に戦いを運んだが、恐らくどちらかと言えば自分に近い──戦いを楽しむ人種)
        だがまぁ、その手のノリは嫌いじゃねぇーよ。
        来いよ神殿騎士。奴兵とはぁ言え将軍に仕える武将だぜ。俺を殺りゃあ、ゼナンが落ちるのが三日は遅くなるだろぉよ!
        (だが、此処で撤退を指示しても部下は恐らく、神聖騎士団の打撃力に耐えられまい。故に一対一を受ける事を選んだ)
        (──もちろん、傭兵が何かすれば、即座に部下が時間を稼ぐであろう。それは国が、西句が滅んだ時よりの信頼でもあった)

        小越(ティウ・ベト)奴兵隊、阮焔。かかって来やがれぃカルロ・ブレンゴーラ!! -- 阮焔 2012-08-03 (金) 05:31:16
      • ええい、我々は温故知新を尊んでいるだけだ!! (嘲笑、挑発にはめっぽうよわいエリート神殿騎士。一目で器の小さい男であるということがわかる)
        ふん! まぁいい、逃げずに受けて立つというならその首級、神の供物として捧げてくれるわ! おい! お前たち! 手を出すな、あの男は僕がやる……お前たちは周りの雑魚共を片付けろ!
        神殿騎士A「了解です隊長」
        神殿騎士B「ところで隊長、もし敵に活きの良いのがまざってたら、救済してもよろしいですか?」(奴隷として捉えるの意。高く売れる)
        ハッ! 無論だ! よぉし、この奴隷共はおまえたちにくれてやる。好きにしろッ!
        神殿騎士ズ「さっすが〜、カルロ様は話がわかるッ!」
        (号令と同時に神殿騎士達が散開し、手に手にもったメイスや祝福儀礼済みのロングソードを振りかざして迫ってくる)
        (その重装備からは想像もできない軽快さだ。宛ら山中を飛びまわる四足獣が如きスピードで駆け回り、得物を振り回す)

        さぁて、グエンといったか、お前も救済してやる、神の御心が侭にッ!
        (ドンッと大地を振動させてカルロが迫れば、先ほど投げ捨てたハルバードをワンアクションで拾い上げ、そのまま間髪いれずに大地ごとえぐり、振り払う)
        (さすればその大質量は地面を捲り揚げ、舞い上がった大地は天然の散弾兼目晦ましとなって阮焔へと飛来する)
        (当然、ハルバードのそのものの刃も伴って) -- カルロ 2012-08-03 (金) 05:48:00
      • っしゃオラ、西句の戦い方ぁ生白い坊主どもに教えたれぃ! 出し惜しみすんな、柱の騎士相手だと思ってかかれぃ!
        (神殿騎士達の動きを受け、即座に彼らの機動性を活かせぬ茂みから続く森林まで後退を始める部下たちにそう指示を出し)
        (轟音と共に振りぬかれるハルバード。重い得物であるというのにまるで棒きれを扱うようなスピードで迫り来るソレは)
        Da,Haaaaaaaaa!!!! Ahaaaaaaaaaaa!!!!!
        (受ける事など端から選択肢には存在しない。故に、半バック転で最低限刃の間合いの外へと出る。逆立ちに近い姿勢に吹き上げられる石塊が素肌に裂傷を作るが、本命の一打を食らうよりはマシと判断して)
        (そのまま手首のばねと背筋だけで姿勢を回し、側転を繰り返しながら振り抜いたカルロへと間合いを詰める。幻惑するように右へ左へ)
        How,Haaaaaaaa!!!
        (怪鳥のような叫びとともに、整った異貌の下顎へと強烈な踵を蹴り上げる!) -- 阮焔 2012-08-03 (金) 06:03:04
      • チッ! ええい、チョコマカと!!(豪腕をもって振るわれるハルバード。総重量100kgを優に超えるそれは文字通り必殺の威力を秘めているが、あたらなければどうということはない)
        (カルロの技巧は西の御座敷試合をしている貴族の中では確かに優れているのかもしれないが、常に戦場で命の取り合いをしている職業軍人達からみれば、児戯にも等しい飯事であった)
        (三目を目まぐるしく動かし、阮焔の動きを追おうとするが、視線をめぐらせればめぐらせるほどその術中にはまり、)
        はぐっ!?
        (あっさりと蹴撃をうけてしまう)
        (しかし)

        キッサマァ!! よくもぉ、よくも僕の顔をぉお!
        (普通なら一撃で昏倒するはずの顎への一撃。それを受けてなお、踏鞴も踏まずにハルバードの石突で迫撃を仕掛けてくる)
        (そう、こんなカルロが今まで戦場で生き残り続けている証左がそこにあった)

        (即ち、限界まで強化された肉体に宿る、バケモノ染みたタフネス) -- カルロ 2012-08-03 (金) 06:12:50
      • (足裏に感じる手応え。常ならばどう、と重い鎧が倒れる音を聞くのだが)
        Shiiiiiiiii......ッ!!
        (蹴り足の勢いのまま身体が流れるに任せ、軸足を倒して危うい所で石突きの殴打を躱す。傾げた首を掠めたソレは、ひゅご、と恐ろしい程の風鳴りを耳元で響かせ)
        ……ははっ!ゾッとしねぇ!!ゾッとしねぇぞオラァ!!
        (極めて愉しそうに言いながら、ほとんど地面すれすれから右手を発射する。手甲の牙が狙うは膝の鎧の継ぎ目。足を奪い、機動性を殺す事が肝要と見たが……)
        (しかし、と。ほぼ地面に倒れこんだ姿勢で思う。恐らくこの怪物は、その程度では止まるまい……!) -- 阮焔 2012-08-03 (金) 06:24:42
      • ええい、笑うな!! そのニヤケた口元、仮面ごと粉砕してくれるわ!
        (戦の矜持を理解できないカルロにはその笑みは侮りとしてのみ写り、更にヒートアップしていく)
        (顔を真っ赤にして迫るカルロ。デタラメに振り回し続けるハルバードは鋭さを増す代わりに軌道は殊更単調になり、戦巧者である阮焔からすれば先ほどよりもむしろ避けやすくなっている)
        (あっさりとまた傷を受けるが、やはり阮焔の予想通り、その程度でこの人型戦車がとまるはずもない)
        ハッ! 軽いわッ! 捉えたぞ蛮族!
        (負傷した矢先から傷口を自慢の神聖魔術のリジェネーションで治癒……否、キメラ化によって強引に傷を塞いでしまい)
        シィっねぇえええええええ!
        (そのまま強引に前にでて、大上段から渾身の振り降ろしを見舞う) -- カルロ 2012-08-03 (金) 06:40:25
      • っははははははは!!! いいや笑うなぁ! 楽しいからなぁ!!!
        (振り回されるハルバードを地を転がり、背筋で跳ね上がって避けては拳を、蹴りを叩き込むがまるで効く気配は無い)
        (そも重装の兵に対し阮焔が優位に立てたのは、出鱈目な速度をさらに見切って突き込まれる致命の牙があってこそ。それが通じぬ相手となれば、自然一撃必殺の攻め手は封じられ)
        (やがて、強引なまでの前身から繰り出される大上段。生まれた隙に手甲の牙を突き込むが、矢張り重戦車は止まらぬ。むしろ怒りに身を焦がした一撃はさらなる速度で唸りを上げて)
        Ha,How,Wat!!!
        (こちらも強引に身を捩り、分厚い胴鎧を三度蹴り飛ばしてなんとか頭から両断されるのを避ける。半ば吹っ飛ばされるように数歩を転がり、再度身を起こして構えを取った所で)

        (背後、神殿騎士と奴兵隊が消えた森より、爆音と、悲鳴と、そして火の手が上がる)
        ……おぉ。罠ぁ上手く働いたみてぇーだなぁ
        今頃お前の部下ども、蒸し焼きなんじゃぁねぇかぁ? うん? -- 阮焔 2012-08-03 (金) 06:43:34
      • クソ!! のらりくらりと逃げるばかり! 正々堂々と真正面から……ぬ!?(土埃と共に粉塵を巻き上げ、ハルバードを再び振りかぶって迫ろうとするが、その爆音の行方を知れば顔色が変わる)
        !? ば、馬鹿な……祝福儀礼を受けた神殿騎士一個小隊が、たかが蛮族共相手に……全滅だと……!?
        (部下達に対して感慨はないが、敵地において配下を失ったことにかわりはない。即ち、敵地にて孤立したのである)
        ……蛮族貴様……指揮官である僕を此処に釘付けにすることで、最初から戦力の分断と、各個撃破を狙って……自分自身を陽動につかったとでもいうのか!? 小癪な!!
        (それでも、今の戦況のまずさは自分でも理解している、いかに神殿騎士といえど不死身ではないのだ。ここで退かねば多勢に無勢。命はない)
        くっ! この勝負預けた! おい!! 傭兵、貴様はここに残って撤退支援をしろ!! いいな!?
        (そんな情けない捨て台詞にもなっていない喚き声だけを残して、三目の神殿騎士は後方へと撤退していった) -- カルロ 2012-08-03 (金) 07:00:28
      • あんの野郎…(堂々と獲物を横取りしようとする、見覚えのある神殿騎士に殺意を覚える)
        (だが、今回ばかりは救われた事も事実、最悪のタイミングで薬の鎮痛効果が切れた今、傭兵の体を刺す様な痛みが蹂躙する)
        っがぁぁ…こ、んなときにぃ…!!(好機と見た阮焔の兵の一人が青年に迫るも、逆に袈裟に斬られ浅くは無い傷を負い、倒れ込む)
        おいこらぁ、待てこのクソ…!(逃げ去る三つ目の神殿騎士、己とてこの状態で取り残されれば、確実に命は無い)
        く、仮面野郎…今日は勝ちを譲ってやる、また会おうぜ…(痛む体に鞭を打ち、先程の騎士に続く様に逃げ去った) -- 胡久美 2012-08-04 (土) 00:35:36
    • そして、戦場には毒の風が吹く -- 2012-08-03 (金) 22:00:40
      • (今、まともに立っていられる兵が、人が どれだけ居るというのだろうか)
        (帝国軍の攻撃か、呪術か?流行病という規模でない…何より、効果は劇的に・速やかにあらわれた)
        (皮膚への赤斑と嘔吐、粘膜からの流血を主な症状とし、最悪の場合翌朝を待たずに死に至る)
        (もはや防衛戦力は死に体。そう容易に判断出来得る状況で)
        (例外が、またも存在した) -- 2012-08-03 (金) 22:16:03
      • これは…妖術、か…?(見渡す限りの病毒畑に、流石の騎士も言葉を失う)
        (防衛戦である。竜害により戦線が容易に変動する北方よりも、公国軍向きと判断され派遣されたはずだったのだ)
        (ゼナン守備隊の後詰めとして、士気の維持に貢献せよ…実際、華の無い作戦目的であった、がしかし)
        (市民、兵の区別なく、一網打尽としか言いようが無い。そんな死病都市の後詰めなど、華がどうこう言う話ではない) -- レーヴェンフック 2012-08-03 (金) 22:24:04
      • クライネ・リーゼン224に報告する。戦列歩兵に若干の損傷を確認した
        戦力の減少の主原因は恐らく都市圏付近での濾過呼吸器装着が遅れた死骸術師の不注意ではあるが、想定外の事態だ
        「貴重な人材」を喪う事は国家の損失である。現時刻をもって704戦術試験部隊は作戦目的を変更、クライネ・リーゼン224の運用評価試験へと移行する
        (事務的に告げ、馬車は撤退を始めた。何時もの事だ…瓦斯仕掛けの騎士はまたも死地に一人取り残される) -- 704試験部隊・連絡官 2012-08-03 (金) 22:33:12
      • 了解した …撤退に支障ない範囲で生存者を探し、療法の解明に努めることを要請する
        (眼球が黄色く濁り、皮膚に正常な色を持つ部位は欠片も残らず。病んだ骸の街で、統一王朝の騎士は風上を見据え、騎行する) -- レーヴェンフック 2012-08-03 (金) 22:40:47
      • ・・・・・・帝国の奴共の仕業、か。戦の現実というものを良く知っている・・・黴臭い神国軍では「卑怯者が、愚劣な蛮族が」と恨み節が渦巻いているであろうな。
        (未だに「名乗り」を上げて戦をするような仕儀が良しとされているアルメナでは、理解できないだろう────戦争とは、武勇を誇り敵と力を競い合うものなどではなく・・・勝利し、得るためだけの「行動」に過ぎないのだと)
        造り込まれた神殿騎士ならば季節外れの花粉程度の効果だが、半端者や通常人は・・・一溜りも無かろう、な(悶死する兵と悠然と佇む甲冑騎士を一瞥し、再び戦場に向き直る) -- エルサ 2012-08-04 (土) 00:22:35
      • グレヴィリウス卿…(ふと、頭を向けた先に見えた影に、呼びかけた)
        未知の攻撃である。過信は禁物であるぞ(言いつつ、鎧のガス・マスク・フィルタを交換する。本来であれば気密室での作業が望ましいが、望むべくもない)
        (果たして今回の戦術試験に彼女との共同戦線は想定されていたのであろうか?心強い味方であることには違いないが)
        儂は風上と目される…そうさな、あの丘の上辺りであるか?を目指すが如何する?
        (飛散物であるならば、放射状に広がる被害範囲の重度にも説明がつく 下手人の見当を付けるのが、まずは最優先) -- レーヴェンフック 2012-08-04 (土) 00:42:12
      • ・・・・・・御心配、痛み入ります。(これだけ遠距離・広範囲に効果を現せる毒物の種類は決まっている。野草や蟲の毒を乾燥させた粉末・・・大方そんな所か)
        (水銀など重金属ならば水に混ぜねばならぬし、呪毒で不特定多数に効果を与えるには大隊クラスの人数の大呪術部隊で、それもごく近距離で行わねば不可能であろう)
        風を利用している可能性は・・・高いと存じます。そして、特殊工作班の仕業ならば兵数もそう多く無い筈・・・・・・参りましょう。 -- エルサ 2012-08-04 (土) 01:13:00
      • (概ね一致したその見地に頷くと、騎馬は脚を振り上げる)
        防疫兵が潜む可能性が高い…一騎に固まって進めば対応が遅れる
        (今回、騎馬への同乗は無しだ。通常、徒歩と騎馬が行軍の足並みを揃えることなど不可能だが)
        卿、早駆けにて同道を願う!やってくれるな?
        (一人と一騎はともに尋常の兵には非ず) -- レーヴェンフック 2012-08-04 (土) 01:25:39
      • 了解しました・・・・・・それでは、いざ。
        (一息に殲滅してしまわねば、被害の拡大は留まらないだろう。それに手練の工作員を減らせれば、それだけ今後の戦での運用精度を下げる事にも繋がる)
        (チェインメイルにフルプレートと、所々にオリハルコンを用いて軽量化はしているものの重装には変わりない・・・が、薄衣を纏うが如く軽妙に駆ける) -- エルサ 2012-08-04 (土) 02:00:14
      • (やはり、というべきか。丘に近づくにつれ段々と瘴気が濃く渦巻いてくる)
        (全く遅れずに駆け、被害の規模を確認しに来たのであろう防疫兵を見つけざまに斬って捨てるエルサを伴い)
        (正しく風下直撃、兵を配置することすら危うい最危険地域を正面から踏破して)
        (丘を越えたところに、敵は居た
        // -- レーヴェンフック 2012-08-04 (土) 02:18:00
  • ※乱入&枝追加一人遊び歓迎※ -- 2012-08-03 (金) 22:06:28
    • 戦場を見渡せる断崖の上から見ると、そこは大河の水が一滴残らず干上がって出来た谷のように見えた。
      その川底から帝国軍と連合国軍がどろどろと足音を響かせて連日合戦を繰り広げている。
      対岸にあたる遥か向こう側の崖に霞んで見えるのが神国アルメナの巨大要塞ゼナンだ、城壁は
      黒々として巨大、重厚にして壮麗、城壁の遥か下でたむろする軍馬がアリンコのように見えてしまった。 -- 2012-08-03 (金) 22:06:44
    • 「はー・・・さすがにカタクァにもあんなにでっかい石造建築はないわねぇ・・・あ、また大砲撃った、うはっ射程すごい。」
       望遠鏡で敵の要塞を眺める飛爛、巨大な城壁に白煙が上がった瞬間、遥か下方で爆発が巻き起こる。
      要塞都市の名前は半端ではなく、相手の壁は分厚いだけでなく、ハリネズミも丸まって可愛くなるほどに
      全方位に死角なく火砲、バリスタ等で武装されていた。 -- 飛爛 2012-08-03 (金) 22:07:06
    • 「まともに相手をさせられなくて良かったですね姫様」
       飛爛の横で岩い足をかけ手を額にかざして遠くを見るクラト、彼は裸眼でもよく見えるらしい。 -- 2012-08-03 (金) 22:07:42


    •  こんな時こそ真っ先に活躍するはずのシャツァル達は大きな翼を畳み、岩山の乏しい芝生
      に藁を敷いてもらい、そこにうずくまって目を細めていた。
      他のカタクァ兵達も流れ弾も飛んでこない、馬も蟲も上ってこれない断崖の上から高みの見物である。
       彼らの持つ投下爆薬を使えばあの分厚い城壁とても無事ではすまないだろう、まさに活躍のチャンス
      だというのに、彼らは座して待っていた。

      ・・・・・・・・・ゼナン攻略戦の前に遡る、シャツァルと新兵器を用いた空爆で、攻城戦において目覚しい戦果を
      上げその力を見せ付けたあと。
      『爆弾は特殊な装置で制御するんで残段数が少ないでーす』
      『あんまり長旅で鳥が疲れちゃいましたー最近うまく飛べませーん』
      『別に逆らうわけじゃないですけど、私らいなくなったらこの後が大変じゃないのかなぁー?』
      ・・・等々、たとえ代表が皇女でも断頭台送りになりそうなワガママを飛爛はためらいもなく連ねた。
       それと同時に、ますます荒れる大爛本国の自領の事が気になる位階の高い皇族へ、災害を免れ
      たくわえも十分であったカタクァより金や物資を送らせる約束を餌に自分達の後ろ盾としたのだ。
       結果、大戦の真っ最中ではあっても、互いを喰らい合う事を忘れない皇族達のハングリー精神を利用し
      『華桌の軍は貴重な決戦兵力であるゆえ、ここぞというときで使う』
      という、命令を受けることに成功したのである。

       飛爛に話を持ちかけられた皇子の一人は、強力なおもちゃを手に入れ、他のライバルに差を
      付けられるとホクホク顔で、見事に利用されているとも気付かずにいい気なものであった。 -- 2012-08-03 (金) 22:08:00
    • 「この間は肝を冷やしましたが、形成は以前大爛有利、将軍方は手柄の奪い合いにご熱心であられる
       我々もうまくその隙に入れましたね、あれでは帝国も連合も消耗は避けられますまい。」

       自らの書いた計略がうまく行ったことがうれしいのか、戦場を眺め渡しながらクラトは上機嫌そうだ。

      「うん・・・・・・・・・ぬぅあああ〜〜ッ!」
      「ど、どうしました姫様!?腹痛ですか!?」

       クラトの言葉にうなずいたあと、へなへなっと頭を抱えてうずくまる飛爛。抑えてるのは頭だ。

      「すっごい自然に両方殺しあって弱ればいいなーって思った自分に自己嫌悪・・・」
      「・・・いい加減、覚悟きめて慣れてくださいよ姫様、いざってとき失敗しますよ」
      「・・・うん」

       戦に出てから1年余り、元来感情の起伏が激しかった飛爛は日増しに不安定になっているようで。
      戦場で怒り任せの八つ当たりのように敵兵を鉤爪で切り刻むこともあった。
      笑っていたとか思えば、突然、泣き出すこともしばしばあった。
      (戦う技は日ごとに成長しておられるが、姫様の心が追いつかないのかもしれぬ・・・・・・・・・)
      そう思ったクラトの心配そうな顔に気付いたのか、飛爛は小さな体をバネ仕掛けのようにシャキッと伸ばした。

      「両方の力が削げるのは私達には有利だけど、いつまでも高見の見物とはいかないわね、
       今は曲りなりにも友軍よ、偵察を飛ばして、弾幕の薄い箇所を探って空爆をしかけるわ!
       言い訳が立つ程度には、仕事しとかなきゃね」
      「承知いたしました」

       執事のように恭しく頭をさげ、飛爛の元から下がるクラト。小高い岩のうえに立って地上を見下ろす
      飛爛の横顔と空色の瞳は鋭かった。吹き上がってくる戦場の匂い交じりの風に広がる黒髪が翼を広げる
      猛禽のようだった。
       その凛々しく気高い姿を一体いつまで保っていられるのか、クラトは岩場の下から見上げながらそう思った。 -- 2012-08-03 (金) 22:53:21
  • ─────────────────────────── -- 2012-08-02 (木) 22:31:22