いつか Edit

それは、青年が掴み、引くだけで。するり、と解けた。
固く巻きつけられていたとは思えないほどに柔らかな動きで、はぎ取られたもの。
青年の右手の中、握られた布。
一筋の光すら届けぬと言わんばかりにぐるぐると、青年の顔を、瞳を蔽っていた其れ。
何の変哲もない、ただ長いだけの包帯にも似た、少し汚れたベージュ色。
しかし、もしかすれば。
本当に、包帯だったのではないだろうか。
留めるのは血液ではなく、それは。
あちら側が、こちら側へ、零れ落ちないように―――……。

瞳の中に、美しい蒼があった。
蒼穹に似て、大洋に似て、きらり光る色があった。
その中央に、真紅があった。
炎のような。そして何よりも。
血の色のような赤が。

青に包まれる赤。
即ちその眼球は、世界の色をしていた。

そして零れ落ちた世界が、侵食する。


その瞳は、決して、見ては、ならない。

主語は何か。
周囲の誰かか。違う。
瞳だ。

その瞳は、決して、見ては、ならない。

何を。
答えは単純に。世界を。
だから、つまり。

その瞳は、決して世界を見てはならない。



青年の見た先から、世界が崩壊していく。
物理法則が時に裏返り、魔法が音をたてて道理に叩き伏せられる。
魔術師の迸らせた炎は蝶へと変わって木々を食い尽くし、
戦士の剣が空を断ち割る。
影の内から這い出た光が、人の熱を喰らって闇へと姿を変えた。
阿鼻叫喚。由来は二つの地獄の名。すれば即ちこの場に似合う。
そこはまさに、地獄のようにも、極楽のようにも、否。
この世のものではない。唯只管に、そんな光景だった。

そしてその中央に立つ青年は、世界の摩擦に瞳を焼きながら。
涙一つ流すことなく、その場へと佇んでいた。






三行 Edit

異界の神に仕えた神官が
全部失ったので
なんとなく生きている

設定 Edit

名前:
元 ミドリノ=アイズウォーカー
現 ミドリノ=アシタバ


外見:
・現在
灰色の髪に褐色の肌。
瞳の色は現在真っ黒。
肌にフィットした黒のTシャツに洗いざらしのだぼついたズボン。
ズボンと同じ色の大きな布を肩から掛けている。
アクセサリの類はつけていない。

・過去
灰色の髪に褐色の肌。
目元はベージュ色の細長い布でぐるぐる巻きに覆われており、伺うことはできない。
肌にフィットした黒のTシャツに洗いざらしのだぼついたズボン。
ズボンと同じ色の大きな布を肩から掛けている。
鈍い金色の金属片のつながれた首飾りをしている。


設定:
世界のあらゆる所を「見る」ことを定められた”アイズウォーカー”の、元一員。
愛する少女を救うために瞳を晒したが、結局その行為は無駄に終わり、
少女は死んで、世界間摩擦に焼き切れて漆黒となった瞳だけが残った。
五感が鋭く、どれか一つを閉ざされたとしても、特に問題なく活動することができる。

その他 Edit

現在の戦闘設定
基本的には素手と足がメインだが、
ケモノや野盗の対策に、荷物の中に入れた小剣を使う。
力技よりは、避けて殺すタイプ。

性格
比較的常識人。
思い切りはいい方なので、時折ずばずば行く。

服は神官の服かな?
私服。色々な地方を回るので、
一定程度進むごとに現地の服へ着替えていた。


アイズウォーカーの作り方:
1.臨月の妊婦を全く光の差し込まない部屋へ移します
2.子供が生まれます
3.生まれた子供が何かを見る前に、眼球に目薬をさします
4.できあがり

アイズウォーカーについて:
上記の手法によって眼球を染め上げられた人間で構成される。
ただ「神のために世界を巡る必要がある」ということだけが理念。
歴史については不明。彼らは自分たちのために記録を残すことはしない。
世界中の記録には時折名前が出ることがあるが、
規模の大きな宗教でもなく、社会通念に反することも少ないため、
1、2行程度の記載のみとなる。
布に覆われた眼球は、所有者へ世界を見せることはないが、
その布を通して入り込む世界情報を、
異世界の神は認識し、読み取っているという話。

異界の神について:
いるのかいないのかわからない。

現在もそのあたりとつながりがあるのかな:
眼球が黒変した時点でアイズウォーカーではなくなっているが、
目薬(原材料にアイズウォーカーの涙を使用します)を
作ることもできなくなっているので、特に追手が居たりするわけでもない。

キャラシート Edit

◆基礎情報
登録氏名:ミドリノ=アシタバ
性別:男
根源属性:『侵食』
クラス:旅人(上級)
所属:なし

◆ステータス
筋力:20
生命:20
敏捷:30
感覚:40
魔導:5
精神:10
知恵:20
魅力:20

◆パラメータ
HP:80
MP:30
行動値:70
人脈:40
幸運:

◆特性
『アイズウォーカー』:元神官。世界のあらゆる所を「見る」ことを定められた”アイズウォーカー”の一員だった。
『超感覚』:五感が鋭く、どれか一つを閉ざされたとしても、特に問題なく活動することができる。
『旅人』 :アイズウォーカーとして世界を巡る旅をしていたので各地の事を知っている。
      あらゆる土地の『地方知識』を任意で取得可能。
『褐色』 :一部のお嬢さん方に大人気。
      人脈使用時、NPCを女性にする場合3回まで消費なし/痕跡なしで使用できる。褐色に祝福あれー。
『常識人』:尊い。
『森の主の加護』:死闘を演じた末に殺された森の主はその相手を憎みつつも尊敬している。
         森での戦闘では神が相手でもない限り死ぬことはない(どの程度まで大丈夫かはGMと要相談)

◆技能

《筋力技能》
『体術』:「Lv3 習熟度110% クリティカル値22」:ステゴロ最強は浪漫。
『剣術:小剣』:「Lv2 習熟度80% クリティカル値16」:

《生命技能》
『応急手当』:「Lv2 習熟度80% クリティカル値16」:軽症を治療できる。
『薬学知識:初級』:「Lv1 習熟度50% クリティカル値10」:目薬とか塗り薬とか簡単なものなら作れる・判別できる。

《敏捷技能》
『反射』:「Lv3 習熟度120% クリティカル値24」:人並みはずれた身体能力により、とっさの出来事にすばやく反応できる。

《感覚技能》
『視覚』:「Lv4 習熟度160% クリティカル値32」
『聴覚』:「Lv4 習熟度160% クリティカル値32」
『触覚』:「Lv4 習熟度160% クリティカル値32」
『味覚』:「Lv4 習熟度160% クリティカル値32」
『嗅覚』:「Lv4 習熟度160% クリティカル値32」

《魔導技能》
『禍時の目』:「Lv1 習熟度35% クリティカル値7」:真実を見抜く瞳。幻術を無効化できる。異界の神の目だった頃の名残のようなもの。ただし高位の術は無理。

《精神技能》
『どうしてそう変な方向へ思い切りがいいのよ!!』:「Lv2 習熟度70% クリティカル値14」:常識人が無茶をした時特有の有無を言わさない感じの迫力あるあれ。

《知恵技能》
『宗教知識:アイズウォーカー』:「Lv4 習熟度140% クリティカル値28」:アイズウォーカーや異界の神に関する知識。
『旅の達人』:「Lv3 習熟度110% クリティカル値22」:旅慣れしているので土地勘のない所でもそれなりに動ける。食事のおいしい店・安全な宿など見つけられる。

《魅力技能》
『魅了:褐色』:「Lv3 習熟度110% クリティカル値22」:一部の人間の心をつかんで離さない。
『目が死んでる』:「Lv1 習熟度50% クリティカル値10」:一部の人間の心をつかんで離さない。多分。
『説得』:「Lv2 習熟度80% クリティカル値16」:待て、話せばわかる。
『手懐ける』:「Lv3 習熟度110% クリティカル値22」小さな動物なら意のままに操ることができる。名のある森の主を殺したオーラ的なものの影響。

◆装備
『小剣』:判定修正値3 ダメージ係数3 ブロック係数3:持ち手部分にアイズウォーカーの刻印のあるシンプルな剣。
『断罪の鎖のナックルダスター』:判定修正値2 ダメージ係数4 ブロック係数2
 ナグ王国国境付近の寒村で発見されたメリケンサック。青褪めた輝きを放つ。
 複数の輪状の鋼鉄が高熱によって溶かされ、神の悪戯か偶然この形に形成されたようだ。
『セブンリーグブーツレプリカ』:判定修正値4 ダメージ係数3 ブロック係数3
 お伽話に出てくる七里を一歩で駆けるという魔法の靴。の、レプリカ。
 レプリカといえど出来はよく、履いて長い距離を歩いても疲れず、とても丈夫で汚れにも強く耐用年数も長い。
 ナグ王国国境付近の寒村で作られている工芸品で、村が戦争の最前線だった頃にとある靴職人が作り上げ、駐屯軍の正式な装備として採用された経緯を持つ。
 その靴職人の技術を継ぐ者は未だ現れておらず、いずれひっそりと失伝しお伽話の中の靴と同様、幻の靴になるだろうと言われている。
『旅人の服』判定修正値2 ダメージ係数1 ブロック係数2:どこかの国の服。質素。

◆携帯品
『旅道具一式・改』:旅をするうえで必要な道具一式。旅に便利なものが色々詰まっている。どらえもんか。
『古い包帯』:昔自分の瞳を覆っていたもの。

成長履歴 Edit

  • 2015/05/17
    • アイテム:『断罪の鎖のナックルダスター』、『セブンリーグブーツレプリカ』取得。
    • ステータス:筋力5上昇。(15→20)
  • 2015/06/13
    • 特性:『森の主の加護』追加。
    • 魅力技能;『手懐ける』追加。

Last-modified: 2015-06-13 Sat 03:16:05 JST (3212d)