名簿/498107
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- 黄金歴246年12月夕刻 洋上学園都市島西南部工場街にて --
- 急がないと…夕食に遅れちゃう……(年の瀬も近いとある日の夕刻。近道のために工場街を行くクレハ)
(不気味さを感じていた工場街にももう慣れ。いつもの様にてっこてっこと急ぎ足で進んでいく) -- クレハ
- (クレハがいつもの様に灯の漏れる建物の側を通りかかった時それは起きた)
ドンッ!(爆音と共に建物の壁が弾け飛ぶ。続き聞こえるは機械音と警報のサイレン) (瓦礫と撒き上がる土煙りの中、巨大な何かが道をふさぐ) --
- え…きゃっ…!?
(爆音の衝撃に吹き飛び転がり、二度三度と身を打ち付ける) …いたっ…何が起きたの…って…!? (身を起こす。所々が痛むも骨折等はないようだ) (しかし巨大な何かを見上げれば言葉が止まる。何かはわからない、しかし一つわかる事がある、それは……) 逃げないと…… (本能的な物が告げる。痛む身体を立ちあがらせその場から離れようと……) -- クレハ
- ブンッ(土煙りの中の巨体が唸りを上げる。何かをふり回す鈍い風切り音)
(周囲の建物が爆裂し弾け飛ぶ。建物の破片が弾丸となりさらに広範囲の建物を破壊すし被害は拡大する) (その弾丸はクレハの頭上を越え、建物を倒壊させ壁となり道を塞ぐ)
「全員逃げろ!コイツはもう止められない!」 「誰か公安を呼べ、逮捕なんか気にしてられっか!」 (破壊音の中、誰かの大勢の怒声と悲鳴が飛び交う)
ガシャリ(機械音。直後に聞こえる鈍い地響き。巨体が移動を開始した) (土煙りの中から巨体が姿を現す) (それは四本の足を持った巨大な建機。アームの先からは鎖が伸び巨大な鉄球が揺れる) --
- はぁはぁ…逃げないと…逃げないと……
(痛む身体を前へと進ませる。背後からは怒声と破壊音が聞こえる、しかし振り向く余裕は無い) え……きゃあ…!? (頭上を何かが越えて行く。それを建物の破片と理解するよりも早く着弾した建物が倒壊しその衝撃に尻もち) …嘘…逃げられない…? なんで…なん………!? (道をふさぐ瓦礫の山。退路を断たれ、絶望の表情のまま破壊の主の方へと振り返る) (その巨体を…建機の姿に言葉が止まり蒼白となる) -- クレハ
- (どこかで炎が上がる。赤々と燃える炎を背に巨体が咆哮を上げる)
(巨大建機の側に瓦礫と倒れる生徒の姿、首謀者なのか巻き込まれたのかはわからない) (上部に設置された赤い単眼が光線を放ち周囲を照らす。破壊は無い、光学センサーの類だろう) (光線は倒れる生徒を過ぎ、建物を過ぎ、クレハを捉えた) (赤い光線がクレハの身を舐める様に照らす。それはまるで飢えた野獣の舌の様で) ガシャリ(巨体が一歩踏み出す) ガシャリ(巨体がさらに一歩踏み出す) (巨体が全身する度、大地は揺れ、建物にヒビを描き倒壊へと導く) (クレハから十数メートルの距離で巨体が静止し、そして) グンッ(鉄球を大地へと振り下ろし周囲に破壊を撒き散らす) --
- やだやだ…来ないで来ないで……
(逃げる場所を探す。視界に入るは倒壊しかけた建物と瓦礫の山) (立ち上がれまま瓦礫の影へと這って行く。無様だと思う、しかし今は逃げるのが先) …今度は…何…あ……あ…… (赤い光線が身を舐める。「見られてる…!」そう思った瞬間クレハは動けなくなった) (恥ずかしがり屋で、見られるのが苦手で…… どんなに頑張っても直せなかった自分の性分) …!! (爆裂音が聞こえる。身体が中を舞う 「ああ…私このまま…、もっと学園で色々したかったな……それに……」) まだ…光を…みつ け て …あ……光…? (光は星、夜空を飾り始めた星達の輝きに手を伸ばす。なぜそうしたのかわからない) (わからないがそのまま星を掴んだ。掴めるはずはないがそれでも掴んだ) …!? 光…? (掴んだ手から光が…光の粒子達が溢れだす) (光の粒子達は地面に叩きつけられるはずだったクレハの身を包み、柔らかなクッションの様に保護した) 私…生きてる…… (光の粒子達はクレハの周囲をヒュンヒュンと音を立てながら回る) -- クレハ
- (巨体建機の動きが止まる。破壊対象物の活動停止を確認できなかったからだ)
(機械の頭脳は対象物を破壊するのに最適な方法を選択したはずだった) (最低限の電力諸費と最低限の行動フェイズで対象を活動停止に導ける方法を) (しかしそれはかなわなかった) (機械の頭脳は再度選択を開始する。より確実に対象を破壊出来る方法を) (そして選択を完了する) キリキリキリ……(鎖を引き戻し鉄球を高く掲げる、アームを伸ばしより高く掲げる) ブォン!(そしてアームを振り下ろし、鉄球を対象へクレハへと放つ) --
- はぁはぁ…私に…出来るの…? 使えるの…?
(周囲を飛びまわる光の粒子達に問いかける…答えは無い) …そう…答えてくれないのね…私が考えるしかないのね…… (先まで恐怖はどこかに消えた…いや…まだ怖い……。眼鏡も衝撃で吹き飛び今は無い) (恐怖している時間はない、巨大建機は次の攻撃の準備に入っている) やれるかわからないけれど…やってみるしかないよね…… (右手を巨大建機に向け掲げ、蒼の瞳で見据える) お願い…私にもっと…光を……! ヒュンヒュンヒュン(クレハの想いに答える様に光の粒子達が加速する) もっと…もっと…光を…… (光の粒子達がさらに加速する。巨大建機が鉄球を高く掲げるのが見える) (「もし出来なかったら…今度こそ私……」) もっと…もっと…もっと…輝け…! (クレハが光に包まれる。まばゆい輝きが巨大建機を周囲の建物を照らす) (そして鉄球が破壊の一撃をクレハへと放った瞬間……) いっけぇぇぇぇぇ……!! (加速の臨界を越えた光の粒子が解き放たれる。閃光の一撃が巨大建機へと解き放たれる) -- クレハ
- (閃光が穿つ。鉄球を穿ち巨大建機の鉄の身体を穿つ)
(巨大建機の単眼が最後に捉えたのは白の世界) (機械の頭脳が自身の破損を認識する) (『移動機能破損、攻撃機能破損、視覚センサー系破損、破損、破損……ブッ』) (全ての破損を確認し終える前に機械の頭脳は停止した) (鈍い音を上げながら崩れゆく巨体、周囲に激しい土煙りを撒き上げる) (巨大な建機は鉄の瓦礫となった。もう動く事は無いだろう) (別の音が聞こえる。消防車のサイレン、救急車のサイレン、人々の声) --
- やった……
(巨大建機を穿つ閃光を見れば、その場に膝を突きそして倒れ伏す) (「動けない…やっぱりだめかしら……」) (そんな事を思う中聞こえてくる人々の声。保安部の救急隊の声だ) (安心し意識が途切れる直前クレハが思ったのは……) (「眼鏡新しいの買わないと……」)
(クレハが次に目覚めたのは病院のベッドの上だったらしい) -- クレハ
- 「工場街13番地区建機暴走事件」概要
違法部活動(兵器開発部)による改造建機の暴走事故。 対人対物センサーの故障により自律AI系にエラーを生じそれが暴走に繋がった模様。 負傷者32名、死亡無し、工場街建造物12棟倒壊及び損壊。 なおこの事故により生徒一名に異能の発現を確認、現在詳細を確認中。 --
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Last-modified: 2013-04-28 Sun 22:50:06 JST (4013d)