まーりん
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お名前:
新・魔法和尚2162 --
2012-12-25 (火) 05:46:22
「魔法和尚」から150年後の世界 --
2012-12-25 (火) 05:46:26
語り手(おれ)は「和尚」と呼ばれる若い魔法使い。通り名の由来はファッションがストリート・ゼン・スタイルだから。タイショウ・ポルノやショウワ・インダストリ、ヘイセイ・ドウジンアートなどカオスなファッションが入り乱れる2162年の千葉シティで、カマクラ・レリジュースレボリューションの流れを汲むゼン・スタイルなのは「和尚」だけだ。 --
2012-12-25 (火) 05:46:33
2162年の世界では、人格データを保存する技術が確立し、一部の人間は不老不死を手に入れていた。人格をデータ化し、新しい体に乗り換えていくのだ。 --
2012-12-25 (火) 05:46:40
この時代は、全身機械化している富裕層と、意識保存の手術も身体強化の手術も受けられない貧民層とに社会が大きく分かれている。和尚は完全無改造のナチュラルだが、魔法使いであるため、改造済みの人間を上回る様々な能力を持っている。 --
2012-12-25 (火) 05:46:48
この時代は「魔法和尚」の2012年と比べると、ドラゴンと魔法使いの関係が真逆になっている。2012年では魔法使い最大の敵であり、不治の病「アセチルコリン神経系発達障害」を発症させる原因だったドラゴンは、2162年には(魔法使いではない)ただの人間にほとんど駆逐されてしまった。ただの人間(つまりアセチルコリン神経系発達障害に罹っていない人間)が不老不死になり、ドラゴンの魔法は人間に効かなくなってしまった。ドラゴンの魔法は人間の「死にたくない」という生への執着心が元になっている。死を恐れない相手には効かない。かつては人を捕食する存在だったドラゴンは人に返り討ちにされた。(魔法が使えないドラゴンなど、態度はクソでかいが力のないモヤシだ) --
2012-12-25 (火) 05:47:01
ドラゴンは少なくなり、アセチルコリン神経系発達障害が発病しなくなったため魔法使いも生まれなくなった。残された数少ない魔法使いは、魔法(いいかえるとアセチルコリン神経系発達障害だが)というギフトをくれるドラゴンを崇めるようになり、「和尚」も自らを魔法使いにしてくれたドラゴンを師父と呼び慕っている。 --
2012-12-25 (火) 05:47:11
人間は不老不死になれる、という思想が人類全体の精神を変えてしまったため、新・魔法和尚2162世界ではすべての人間が魔法に耐性を持っている。まれに耐性を持たない人間がいて、そういう人間しかアセチルコリン神経系発達障害を発症しない。 --
2012-12-25 (火) 05:47:18
2162の「和尚」は、2012の魔法和尚と違い、他人に魔法を使うことに抵抗が無い。2012年と違って他人に魔法を使っても弱い効果しか出ないし、アセチルコリン神経系発達障害になってしまう心配が無い。自分自身にかける魔法は、2012年も2162年も変わらず強力で超人的な力を発揮する。 --
2012-12-25 (火) 05:47:24
「和尚」はドラッグのトレーダー(安いときに薬を買い、高くなったら売る)や問題の調停などをしながら糊口を凌ぐ「何でも屋」で、最下層の女たちに友達が多かった。和尚も最下層出身だが、魔法で上流階層の力と渡り合う。 --
2012-12-25 (火) 05:47:29
最下層の女たちは男に虐げられている。物語導入で、和尚は売られた友達を助けようとして、その友達の買い手に話をつけに行く。ところが和尚が面会する直前に買い手は殺されていた。殺人の動機があるため和尚が疑われる。和尚はデータ上この世に存在しない、戸籍も国籍もない人間である。本人も自分の出自は母親が淫売というぐらいしか知らない。小さい頃ドラゴンに拾われ育てられた。まっとうな病院にかかったことも無い。体制側の存在はすべて和尚の敵である。 --
2012-12-25 (火) 05:47:38
和尚は自分の潔白を証明するため、真犯人を探す。和尚には頼りになるバディがいる。LL(ラインライフ)の「一つ辻」である。 --
2012-12-25 (火) 05:47:44
LLは100年ほど前に突然ネットワーク上に現れた情報生命体だ。LLたちによれば、かれらは人類が四大文明を築いた頃にはもう居たらしい。その頃は人間の喋る言葉や、物流行き交う街道など「文化」の上に寄生して存在していた。人類が情報をやり取りするネットワーク――ライン――をどんどん増やし、決定的な一点を超えたとき、LLは爆発進化を遂げた。シンギュラリティポイントを超えた日からすさまじい勢いで知的情報生命に進化してしまい、気が付けばラインの上のどこにでも彼らが居た。LLの大半は、人間とは異質な思考すぎて、知性なのかどうかもよくわからない存在だが、まれに「人間にかぶれて」人じみた個性を持つLLがいる。人類と人間かぶれのLLが出会ったことで、意識保存技術や人工知能が誕生した。人類の歴史を変えてしまったのがLLである。一つ辻も人間にかぶれた変わりもののLLだ。 --
2012-12-25 (火) 05:47:51
一つ辻は和尚に好意を持っている。LLにとって魔法使いというものはとても珍しく、興味が尽きない存在らしい。人間が引いた情報ライン上でLLが入れない場所は無い。セキュリティウォールがあろうが関係ない。LLは一旦セキュリティと同化し、セキュリティ自身がやりとりするデータに自分をくっつけ運んでしまう。一つ辻の言葉を借りれば「カギのかかった扉に触れて、次に扉になって、そうしたらボクはもう中にいる」。進入したがりなLLからデータを守るため人類が取った手段は、紙のデータとカギのついた金庫まで時代を戻ることだった。それぐらいLLはネットワーク上では厄介なのだ。そして一つ辻は和尚が頼めばどこにでも侵入しデータを盗み見てくる。(一つ辻は見るだけだ。土下座して頼んでも改竄はやってくれない。LLとはそういうものだ) --
2012-12-25 (火) 05:48:01
一つ辻は警察や黒客家がこの殺しをどう調べているのかデータを抜いてきた。警察は和尚しか疑っていないが、黒客家はそうではなかった。黒客家は下層民の支配者だ。上層世界で政府が白客家の傀儡であるように、未改造・非不老不死の人間が住む世界は黒客家のものだった。 --
2012-12-25 (火) 05:48:06
黒客家は警察とまったく違う見方をしていた。殺しの手口は未知のウイルスによるもので、同じ手口で黒客家に連なるものが何人も殺されていた。黒客家はぽっと出の登場人物である和尚は単なるモブであり、真犯人は別に居るとしっかり認識している。警察のデータは当然黒客家も持っていて、驚くことに黒客家は既に「今回の殺しでウイルスを撒いた犯人」まで把握していた。それは被害者の母親だった。しかし黒客家が犯人を捕まえる前に犯人は自害。そして、犯人が自害しているにも関らず、また同じ手口で違う男が殺されている。犯人同士、被害者同士につながりはない。まるで関係のない者同士が偶発的に同じ方法で人を殺す。それも出所不明の特殊なウイルスで。こんなことがあるだろうか。 --
2012-12-25 (火) 05:48:13
和尚も手詰まりになった。犯人が死んでしまっているので、犯人を突き出して自分の潔白を証明するのは不可能だ。こうなったら一連裏で糸を引いている本星をあげるしかない。和尚はウイルスから犯人を辿ろうとする。 --
2012-12-25 (火) 05:48:19
ウイルスは記録上にない特殊なもので、こういったウイルスは軍か国際機関にしかデータがない。さすがの一つ辻も一人では向こうの守りを破れない。侵入して物理的なガードを破るのは和尚の役目だ。 --
2012-12-25 (火) 05:48:24
和尚たちは鹿島にある化学兵器の研究所に目をつけた。車のない和尚が千葉から鹿島まで行くのには、身分証のいらない移動手段がいる。それには金がかかる。一つ辻に機密データでも盗んでもらって売ればすぐ大金になるが、和尚にはヤバいデータを売りさばくツテがなかった。和尚は溜め込んだ「新円」をすべて売り払う。「新円」は2162年で最もポピュラーな向精神薬だ。この時代の通貨単位は新円なのだが、あまりに薬が売れすぎて新円はすべてこの薬に変わってしまうので薬の通称が「新円」になってしまった。実際「新円」は優秀な薬で、国内外で通貨として通用する。だから和尚のようなドラッグ・トレーダーが成り立つ。 --
2012-12-25 (火) 05:48:31
和尚は魔法使いの目(魔法使い特有の、幻覚を見るような超感覚のこと。通常ではわからない様々なものを感じ取る)で、どの地域で新円の需要が高いかを見比べ、高いところで売りさばく。 --
2012-12-25 (火) 05:48:37
魔法使いの目で街を見ていると、向精神薬を求める人の心のうねりだけでなく、様々なものが見える。例えば、新しい命がこの世に生まれる事を辞める瞬間だ。すべての命は、自分を選んで生まれてくる。生まれる世界・時代・国・親を選んで生まれる。一個の細胞だったものが、化学変化を起こして、細胞分裂を始めるまでの一瞬の間に、生命は魔法使いと同じく真理に触れてすべてを把握している。新しい命が生まれる切っ掛けがあったとしても、命自身が「この世界に生まれるのはやめよう」と思えば、受精して化学変化が起こっても、細胞分裂は始まらない。和尚はそんな生まれる事を辞めてしまう命を見るたび辛くなる。こんな不幸で汚い世界でも、親の愛を受けなくても、それでも生まれたいと思った自分が、否定されたように感じてしまうのだ。すべての魔法使いは、生まれようと思った瞬間のことを覚えている。 --
2012-12-25 (火) 05:48:44
金を工面した和尚は鹿島の化学兵器研究所に侵入する。魔法使いは、デバイスなしでLLをライド(相乗り)させたり、体温を極端に下げて赤外線センサを掻い潜ったり、見張りの視界を1秒だけ奪ったりする技術を持っている。もっとも見張りの視界を奪えるかは、その時の和尚の体力と、相手が魔法にかかりやすいタイプかどうか運の要素が絡むが。 --
2012-12-25 (火) 05:48:51
軍の化学兵器研究所が素晴らしいのは、そのセキュリティに遺伝子改造された犬を導入していることだ。和尚にとっては非常に困ったことだ。犬にもかかるような強力な魔法を知らないのだ。侵入まではできたが、犬の居るエリアをどう突破すればいいのだろう? --
2012-12-25 (火) 05:48:57
そこで和尚は犬の居るエリアの直前でわざと発見される。賭けだった。自分を発見する警備員が、パラライザより実弾銃をぶっ放すタイプだったらおしまいだ。和尚はこの賭けに勝ち、計算通りパラライザを撃たれ、当る前に自ら心拍と呼吸を止めて倒れる。死亡と判断され、和尚は犬エリアを通過し運ばれる。犬エリアを抜けたところで蘇生して脱出、外部とは切り離されたネットワークに接触する。その先は一つ辻が先導し、和尚もネットワーク内部を除き見る。魔法でネットワーク内部を見るのは、改造で端子を脊髄に埋めている人間のそれとは微妙に違う。誘導してくれるLLの目を借りてネットワーク内を見るようなもので、魔法でLLを自身の意識の一部にライドさせることの逆バージョンだ。魔法使いの強みは、魔法を使っている間は時間の経過をほとんど気にしなくていいことにある。ジャム・カレット。主観時間は限りなく引き伸ばされ、ネットワーク内部で数時間の主観時間が経過しても現実の時間は数秒で済む。 --
2012-12-25 (火) 05:49:03
化学兵器研究所はアタリだった。和尚たちは「猛毒を作り出すが、宿主死亡後10分で死滅してしまう、証拠を残さないウイルス」の記録を見つける。ウイルスがどこに保存されて、誰が持ち出したかを調べようとすると、研究所のセキュリティ最上位に居る人工知能「12」に発見されてしまう。12は冷徹な女性人格のAIで、和尚を焼き殺そうとする(ネットワークに接続している人間はほとんどが脊髄に繋いだ端子から接続している。端子を通じて脳を焼き殺すのは最も確実で念入りな侵入対抗措置だ) --
2012-12-25 (火) 05:49:11
和尚は魔法での接続だったため直接脳を焼かれるダメージはなかったが、魔法を使っている最中に受ける傷は現実の体にも影響する。12は侵入対抗ウイルスも使い、一つ辻に感染させて身動きを取れなくさせた。和尚は排気口を使い単身で研究所を逃げ出す。(侵入するのに排気口は使えなかったのか?使えなかったのだ。排気口を人が通るには、間にある換気扇を止めなければならないが、そのためには内部ネットワークに侵入しなければならない。ついでに言うと一つ辻はそういう工作はしてくれないので、内部ネットワークに侵入した後和尚自身が換気扇を止めた) --
2012-12-25 (火) 05:49:17
和尚は怪我を負い、一つ辻とも連絡が途絶えてしまった。和尚は、既知だが友人といえるような親しい関係ではないLL「三叉路」に連絡をとり、一つ辻の快復にどれぐらいかかるか聞いた。LLはネットワークがある限り存在するので事実上不老不死である。ところが三叉路の言葉は衝撃的だった。 --
2012-12-25 (火) 05:49:23
12は単なる対抗侵入AIではなく、チューリング機関、つまり世界人格倫理機構が「人間と同じ基本的人権を有する」と認定した12番目の人工知能である。チューリング機関の監査をパスしたAIは大変重い権限を持っている。簡単に言えば時と場合によっては人を殺してもいい権限だ。12は正式にこの国の軍人であり、国家に仇為す敵と戦う場合は相手を殺してもとがめられない。12は対フリーライド(公共ネットワークへの意識データただ乗り。意識データをネットに流し、ネット上に広く保存されることによって不老不死になろうとする行為。LLと同じく取り締まる方法がないため、フリーライド意識をのさばらせると、どれだけ罪を犯しても捕まえる事の出来ない存在が世に増えてしまう)攻撃用のウイルス「ハンプティダンプティ」を自分の権限で使っていいAIだった。フリーライドは重罪であり、その存在は国家に反逆している。 --
2012-12-25 (火) 05:49:31
フリーライド攻撃ウイルスは元々LL攻撃ウイルスだった。人間のフリーライドにも対応できるように改造されているが、本来は人間のフリーライドよりさらにやっかいな「人間かぶれ」を殺す用途で作られていた。 --
2012-12-25 (火) 05:49:37
LLはネットワークが物理的に破壊されない限り死ぬことはない。そして世界中のネットワークを破壊することなど不可能であるから、不死身である。しかし、変質はする。フリーライド攻撃ウイルスはフリーライド(そして「人間かぶれ」)の人格部分を解体し、再構成できなくする。LLは死なない。しかし、ウイルスに破壊された人格はもう二度と元通りにならない。 --
2012-12-25 (火) 05:49:43
無二の親友であった一つ辻はもう帰ってこない。和尚は打ちひしがれる。追い討ちをかけるように、軍から情報を得た警察が迫ってくる。逮捕されそうになったとき、和尚を助ける男が現れる。 --
2012-12-25 (火) 05:49:49
男の名前はマティス・ゴッドハルト。なんでも運ぶ輸送屋だという。ブロンドにあごひげ、長身で左眼にモノクルをしている。正規の俳優ライセンス遺伝子から作られた人造殻(シェル)を身にまとう、上層階級の人間だった。軍で使用している神経反射を移植しているようで、確かに射撃の腕はいい。マティスもまたウイルスを使う殺しの真犯人を追っているので協力し合おうと和尚に提案する。 --
2012-12-25 (火) 05:49:56
しかし和尚にとって、下層階級の人間が生涯かかって稼ぐ総額よりも高価な肉体改造を潤沢に施している不老不死者など、最も信用できない相手だ。マティスは苦笑いで自分は不老不死の人間ではないと答える。今着ている殻は生まれたときに親からもらったもので、一点もの、替えはない。そして、シェルを乗り換えたらそれはもう「この自分」ではない。人は、シェルが変わっても「この自分」は継続していると信じている。だからシェルを乗り換える事が出来る。けれどそれは本当だろうか。意識はデータ保存され、体は殻、入れ物に過ぎないのだろうか。そうではないとマティスは言う。昨日の自分と今この時点の自分ですら同一のデータではありえない。いまこの自分、という情報は常に更新されてしまうからだ。だとしたら、昨日の自分が今この瞬間の自分と同じだと考えていることのほうが、おかしいのかもしれない。もし自分の意識を数時間ごとにデータ化したら、間違いなく昨日と今この瞬間とでデータ内容が違うのだから。シェルも同じ。細胞は毎日入れ替わるのだから、昨日と今日で同じシェルではないはずだ。それでもなお「この自分」という統一感を保つことが出来るのは、ただひとつこの殻(からだ)という「一個の自分」への執着がそうさせているのだと言う。「一個の自分」は幻想でしかなく、厳密にはシェルも意識も時間経過で別データになってしまう。そんな幻の「一個の自分」は、もろい。シェルを変えたりしたら、崩れてしまうだろう。だから殻に替えはない。この殻が死んだらそれまでだ。 --
2012-12-25 (火) 05:50:04
いずれにしろ和尚は最初マティスを信用しなかった。一人では逃げる事もままならないのでマティスに連れられるままにしていたが、この運び屋がどこから自分のことを知ったのかも不明なのだ。 --
2012-12-25 (火) 05:50:11
最後に得た情報は、ウイルスを作った科学者が誰かということだった。二人は民間のシェルクローン製造工場を訪ねる。ウイルスを作ったチヅル・クサカ・ニドハルトが最後に在籍していたのがこの工場だった。(工場は日本を離れて、ウクライナのあたりにある。和尚一人ではここまで追うことが出来なかった。渋々だったが、マティスの協力がなければ、一つ辻が犠牲になってまで得た情報を生かすことも出来ない) --
2012-12-25 (火) 05:50:17
工場では有名メーカーの高級シェルがクローン培養層で生産されている。シェルは遺伝子デザインが肝だ。逆にいえば培養する装置はどのメーカーも同じような性能で足りる。この工場は大手メーカーシェルの培養を代行していた。和尚たちは金持ちのクローン買い手と偽り工場を見学する。マティスは、自分特注のシェルをクローンニング出来る金持ちを完璧に演じていた。(彼が持っていた紹介状は偽装ではなく本物で、つまりこういう工場へ紹介状を書いてくれる人脈がある男なのだ) --
2012-12-25 (火) 05:50:23
ニドハルトが働いていたのはもう40年も前のことで、当時を知る職員はなく、記録も見せてもらえなかった。どうしても記録を見たいなら侵入して盗むしかないだろうが、LL以外ではかなりの腕の破り屋でなければ無理だろう。和尚は悔しさを感じながら培養層を睨んだ。その刹那浮いているシェルのエンブレムを見て閃くものがあった。 --
2012-12-25 (火) 05:50:30
犯人は被害者の母親だった。母親はオーム社のシェルを着ていた。別の事件の犯人はホステスだった。サンシンドウのシェルを着ていた。別の犯人は白客家の傍系の令嬢だった。ジャネ=マデランのシェルを着ていた。別の犯人は闇ボクシングの選手だった。大了のシェルを着ていた。犯人はすべてこの工場で扱われているメーカーの高級シェルを着ていた。 無関係に見えた犯人がニドハルトで繋がった。それがわかると何故かマティスは辛そうな顔をした。 --
2012-12-25 (火) 05:50:36
和尚はニドハルトの足跡を追うことにした。チヅル・クサカ・ニドハルトは不老不死者で、90年前はLL研究をしている。人の意識のデータ化が成功したプロジェクトにも名を連ねていた。 --
2012-12-25 (火) 05:50:42
つづく --
2012-12-25 (火) 05:50:47
■ 魔法和尚 曹洞宗大願寺の雲水は、魔法使いである --
2012-12-16 (日) 21:00:38
4月30日。月の夜、狼になった少女4人が殺人するシーンから。ここだけ完全観客視点の3人称で書く。狼(に変身する4人の女子高校生)が男を食い殺している。男は骨も残らない。狼たちは男を食い終わると人に姿を変える。4人の中でサヤカは酔っていてろれつが回っていない。リーダー格のユイは被害者の所持品から財布や携帯電話を抜き取り、携帯電話は粉々にして海に捨ててしまう。財布だけは、飼い主のような少年(リャミサリ)の所に持っていく。少年は金を抜き取ると財布を捨てる。少女らは再び狼になりたちまち財布も食べてしまう。少年が殺害現場を去り、狼たちも付いていく。 --
2012-12-16 (日) 21:00:51
5月1日、朝の寺。檀家からの電話(後半で狼の弱点につながる)。二回目にかかってくる電話も檀家からかと思ったら、魔法使いとしての依頼だった。「ヴィシヴィジラ・ヌダを探して欲しい」というリャミサリの依頼を受ける。(最初は言葉の意味がわからず、和尚も「?」となるが「ヴィシュヴァジュラ・なんたら」と聞こえたため、ヴィシュ=全ての ヴァジュラ=金剛杵 なんだろうなと思って軽く受けた)花枝夫人がテレビを見ていて、またしても警官が銃を奪われる事件がおきたとニュースで言っている(リャミサリが持っている銃。警官から奪ったもの) --
2012-12-16 (日) 21:01:00
14時に寺で大田とリャミサリに直接会って話を聞く。(謎の言葉ヴィシヴィジラ・ヌダの手掛かりになるもの→人名である・グルヌカ語という特殊な言葉なので日本ではなんと言う名前を名乗っているか判らない・男性・日本人・30代後半)リャミサリはイラン人のような顔立ちで金具飾りが沢山付いたケープを巻いている(誘拐された摩倫探しの伏線)。 --
2012-12-16 (日) 21:01:09
依頼人が帰った直後、和尚が霧吹きを持った男に襲われる。和尚はほうきを振り回しこれを撃退する(この時点では何故襲撃されるのかわからない。操心のジラをかけるために下準備として薬をかがせる必要があったことは後で明かされる。操心のジラは強くぶん殴られると解けてしまうことがわかる。和尚は何かに狙われている)。大田とリャミサリが様子を見に戻ってくる。和尚のウソを見抜く能力を描写。(リャミサリが操心のジラをかけようとするが和尚にはジラがかからない。このためリャミサリは和尚を危険視し殺そうと考える)大田とリャミサリは帰る。 --
2012-12-16 (日) 21:01:27
霧吹き男の霧吹き(中身)を捨て、霧吹き本体も捨てようとする。そこに一年以上ぶりで織恵が現れる。最後に会ったのは昨年の震災以来である。織恵は和尚の過去と未来を知っていて、これから騒動が起こることを予言しに現れた。霧吹きを指差し、それがこれから数日のあなたに災厄がおこることの最初だと言う。霧吹きを捨てるのを思い直す。(ここで佐竹に仕事を頼んでいる) --
2012-12-16 (日) 21:01:36
5月1日夜。「グルヌカ」という言葉で、架空の言語「グルヌカ」を使ってオリジナル呪文を書いているC.L.マーリンを思い出す。C.L.マーリンと和尚の接点はPBWのプレイヤー交流サイト。このサイトは検索避けをしているので単にグルヌカでググるだけでは出てこない(和尚はPBWやMMOを遊ぶ人物というのがわかる。警察官の黒崎もMMO仲間)C.L.マーリンにメールを出す。返信があり、C.L.マーリンと会うことになる。 --
2012-12-16 (日) 21:01:45
5月2日朝9時。猫と会話する。和尚は動物と喋ることが出来る。花枝夫人が登場。昨日霧吹き男に襲われたから注意しなさいと警告。花枝夫人は織恵が現れたこともちゃんと気が付いている。織恵の予言は良くないことの前触れなので、そのために花枝夫人は心配している。北海道で手に入れた熊退治スプレーをくれる。(次の襲撃シーンでご都合主義的に武器が出てこないようにするための前振り)自衛には過剰すぎるとあきれるが、花枝夫人はがんこな性格なのでここはおとなしく従って後で返せばいいだろうと受け取る。 --
2012-12-16 (日) 21:01:54
10:30。マーリンの指定した墓地へ30分前につく。墓地では髪の長い綺麗な顔の女子高生が墓参りをしている。女子高生と目が合う。警戒するようにバックを抱える女子高生。(マリーンズのロゴである「M」のアイロンでくっつくフェルトワッペンがついているバッグ。摩倫というキャラはロッテのファンである) --
2012-12-16 (日) 21:02:03
墓地で和尚が待ち合わせの時間が来るのを待っていると織恵が現れる。 --
2012-12-16 (日) 21:02:16
織恵の出現に和尚が驚くと、直後に狼が襲ってくる。魔法使いの目で周りを見ながら応戦する和尚。まさか役に立つと思わなかった熊撃退スプレーで狼を倒す。狼はのた打ち回って人(少女)の姿になり逃げていく。 --
2012-12-16 (日) 21:02:49
通りすがりの女子高生=摩倫が興奮して話し掛けてくる。改めて和尚と挨拶。そこではじめてマーリンが女子高校生だと明かされる。 --
2012-12-16 (日) 21:02:56
ネット上のC.L.マーリンのイメージと、目の前にいるキンキンした声の女子高生はかなり食い違う。ネットでやんちゃせずに大人のように振舞う理由「匿名の場所ほどバレたら致命的な情報が流出する危険。顔を合わせるほうがよほ危険を回避できる。素を出すのはリアルに限る。匿名の環境こそいい子で振舞うべき」を聞き、和尚は摩倫を面白い奴だと思う。同時に、酷く若いのにまるで昔ネットでやんちゃして懲りたおっさん世代のようだと思い、摩倫というキャラクターが底の読めない人物だと感じる。 --
2012-12-16 (日) 21:03:04
狼人間を撃退した和尚に弟子入り宣言する摩倫。(自作の呪文をWebに載せているC.L.マーリンからもわかるように、摩倫という人物はファンタジーに傾倒している。ファンタジーの出来事がリアルとして自分の前に発ち現れたことに興奮して、テンションが上がっている) --
2012-12-16 (日) 21:03:11
摩倫に魔法とは何か、魔法使いとはどんなものか映画のマトリックスを例に挙げて説明する。目の前にいる摩倫も脳内の産物でないと証明できないこと、一人一人がそれぞれの宇宙に生きていて、他人と同じものなど見ていないことを話す(織恵の伏線)。 --
2012-12-16 (日) 21:03:17
魔法使いとは障害者のようなものであり、車椅子や盲導犬を使うように魔法を使って健常者並みの生活をしているだけで、魔法をすごいすごい言われると「障害者って障害者用の駐車スペースが使えていいですよね!」と言われている気分になることなどをここで話す。 --
2012-12-16 (日) 21:03:24
魔法を使うときは、人間の理解が及ぶ範囲(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚・意識)を超えたところにある真理を『グッとつかんで、引き寄せる』ことを話す。頭で考えても判らないので、実践修行するしかない、方法としては座禅があると話す。 --
2012-12-16 (日) 21:03:31
ウソを見抜けることを話し、摩倫が一人っ子というのはウソだと看破。テンションの上がった摩倫を、親が厳しく、良く出来た子供を求められ育った、成果を急ぎ「成功している自分・正しい選択を選んでいる自分」という結果だけを一足飛びに出そうとするタイプと分析して冷や水をかける。酷いことを言うと思っているようだが師匠が弟子の人間性を分析するのは普通。 --
2012-12-16 (日) 21:03:43
魔法使いの真髄を一言で言うと、自分が発生した瞬間の記憶を思い出した人(生まれた瞬間ではない)。じゃあその瞬間を教えてくださいと摩倫が言うと、言葉を超えている内容なので魔法を使わないと無理だし、魔法は他人にかけてはいけないと決まっているのだと語る。 --
2012-12-16 (日) 21:03:52
ヴィシヴィジラ・ヌダやグルヌカ語について聞くがそれには答えようとしない摩倫。「自分の一存では話せないんです」という逃げ方をする。 --
2012-12-16 (日) 21:04:04
それよりも魔法を駆使して早速狼を調べようと言い出す摩倫。和尚が笑うと、襲われたのは師匠なのだから笑ってる場合ではないだろうと反論。襲われる心当たりがないが、昨日変な霧吹き男に襲われたのを思い出す。 --
2012-12-16 (日) 21:04:11
霧吹きで被害届が出せるかは判らないながら、警察へ行こうと言う事になる --
2012-12-16 (日) 21:04:18
5月2日13時。警察へ行くと、生活安全課の黒崎を呼ぶ。人を襲う大きな野犬などの被害が出ていないか聞く。黒崎、眉をひそめ、送り狼事件について話す。死体の見つからない殺人の痕跡と、高校生の間で広がる都市伝説(最初の殺人シーンのこと)。高校生なので摩倫も知っている。かなり細かく知っていて、生活安全課の黒崎よりも摩倫のほうが詳しい。 --
2012-12-16 (日) 21:04:28
情報のバーターで、ウソを見抜く能力で協力することになる和尚(具体的描写はしない) --
2012-12-16 (日) 21:04:35
ぶっ続けで仕事をして一旦休憩を挟む頃には夜7時になっている。摩倫はまだ警察署にいる。 --
2012-12-16 (日) 21:04:40
何故か摩倫は落ち込んでいて、大丈夫ですと言うけれど明らかに落ち込んで見える 和尚は一旦摩倫を家に返す --
2012-12-16 (日) 21:04:46
夜10時回り、警察署から歩いて寺に帰る。(学園前あたりで)2匹の狼に襲われる --
2012-12-16 (日) 21:04:54
魔法を使い痛みを消して走って逃げる。下がバイパスからの出口に繋がっている立体交差のところで飛び降りてトラックの荷台に乗り、逃げる。狼の口にこぶしを突っ込んだので右手は血だらけ。体当たりされて左鎖骨にひび。噛まれてふくらはぎから出血。やばいなと思いつつ意識が落ちる。 --
2012-12-16 (日) 21:05:00
5月3日朝7時。気が付くと病院でベッドサイドには織恵。満身創痍だが怪我をしたはずの右手は(織恵が魔法をかけたので)痛みもなく普通に動く。今日一日は入院しなければならない。 --
2012-12-16 (日) 21:05:07
警察に連絡し黒崎に「狼男は実在」と報告。摩倫には黒崎経由で気をつけろと連絡してもらう。 --
2012-12-16 (日) 21:05:16
3日深夜。眠っていると、織恵が枕もとで囁いて和尚を起こす。うざったく思ってそっぽを向くと、さっきまで和尚の頭があったところにナイフが刺さる。驚いてベッドから転がり落ちると、うつろな目をしたパジャマ姿の男がナイフを振りかざしている。逃げる和尚を面白そうに眺める織恵が、霧吹き男と同じだとヒントをくれる。大声で助けを呼ぶと人が集まってきて襲撃者は捕らえられる。ジラの解けた襲撃者の男は、自分が何をしたか判らなくてパニックになっている。霧吹き男もナイフ男も、操られて襲ってきただけということが判明。 --
2012-12-16 (日) 21:05:33
5月4日朝。寺に帰る。住持や花枝夫人に心配される。昼、寺に由紀から電話。摩倫が行方不明だという。 --
2012-12-16 (日) 21:05:39
5月4日昼。怪我を押して由紀と会う(蘇我駅) --
2012-12-16 (日) 21:05:44
由紀によれば、5月2日に電話で喧嘩をして、翌日5月3日にそのことで摩倫から謝罪があって以降連絡が取れない(この2日間の回想部分で、ヴァユガ・ヴァユガの説明などを入れる) --
2012-12-16 (日) 21:05:51
以降は由紀の語りを聞く。5月2日午後、警察署の摩倫からに電話がある。ヴィシヴィジラ・ヌダを探している本物の魔法使いと会ったのだと興奮している。由紀は摩倫がヴァユガ・ヴァユガの情報をネットで流したことに不快感を覚えて口論になる。二人の背後には、リアルにファンタジー異世界の関係者で非日常に触れたことのある由紀と、ファンタジーな非日常に憧れているがそういったものに縁のない摩倫の格差がある。(口論の後、摩倫はblogにヴィシヴィジラ・ヌダを探している人へのメッセージを書く。時系列では2日夜) --
2012-12-16 (日) 21:06:01
5月3日、喧嘩になってしまったことを詫びる摩倫からの電話が入る。遊ぼうと誘われたのでマリンピアで落ち合いゲームで遊ぶ。摩倫から本物の魔法使いに会ったこと、狼が人に変身する所を目撃したことを聞く。(摩倫は、自分にもファンタジーとのリアル接触があり、ずっと嫉妬を覚えていた由紀に対し同格になったことを主張したい。話を聞いている由紀は、依然ファンタジーリア充であり、1回ファンタジーを見た程度で摩倫を同格とは思わない)摩倫の話を聞き、人が狼に変身するのは知恵のない劣悪な合金のジラのようだねという話もしている。和尚にオッカボ・ノイガバの説明をする。 --
2012-12-16 (日) 21:06:22
その後由紀は道場に行くため摩倫と別れた。夜、摩倫の携帯から一斉送信されたらしい「ヴィシヴィジラ・ヌダを差し出さなければ摩倫は無事ではすまない。ヴィシヴィジラ・ヌダは人が最も集まる場所でその姿を現せ。2日後までに動きがなければ人質は殺す」という強迫のメールが入る(後で和尚がメールボックスを調べるとそこにも届いていて、摩倫のアドレス帳全員に送ったらしいとわかる)。 --
2012-12-16 (日) 21:06:35
摩倫の電話にかけても繋がらない。メールも返事がない。科学では説明のつかない存在が関っているため、警察には話せない。自分の親には頼れない。摩倫から本物だと話を聞いた和尚を頼って連絡した。 --
2012-12-16 (日) 21:06:46
摩倫がヴィシヴィジラ・ヌダに関った所為で誘拐されたなら自分に端があると引き受ける和尚。由紀まで巻き込まれないように家に返す。 --
2012-12-16 (日) 21:06:52
ヴィシヴィジラ・ヌダの捜索を依頼した依頼人と関係があると思い連絡するが繋がらない。黒崎に依頼人の電話番号と摩倫の携帯番号を伝えて身元と摩倫の携帯が今どこか割り出しを頼むが、断られる。 --
2012-12-16 (日) 21:07:09
檀家から電話がある。檀家の息子が千葉大獣医学部なのを思い出し、息子さんと連絡が取りたいと伝える(伏線、犬の弱点を聞き出す)。2回目の電話があり、これは佐竹からの連絡。頼んでおいた調査が終わった。 --
2012-12-16 (日) 21:07:17
4日午後4時、最初に摩倫と会った墓地へ行きヒントを探す。 --
2012-12-16 (日) 21:07:22
墓地で黒ずくめ(黒のシャツに黒のパンツ)で長髪髭の男(孝雄)に声を掛けられる。何を探しているとしつこく尋ねられたので人に化ける狼を探していると答えると、男が襲い掛かってくる --
2012-12-16 (日) 21:07:30
男は刃渡り90cmはある細身の剣を振り回して襲ってきた。墓石がポンポン斬れて飛ぶ恐ろしい力で和尚を追い詰め、切り落とされて転がった墓石を蹴り飛ばして和尚にぶち当て気絶させる。 --
2012-12-16 (日) 21:07:37
織恵に囁かれている幻覚を見た後、意識を現実に戻すと、体高が3mぐらいありそうな巨大狼(孝雄)が和尚を踏んでいる。誰に頼まれたか問い詰める巨大狼。依頼人の素性は明かせないというと、狼は殺さんとばかりに踏んでくる。由紀の名前を言うと狼は和尚を開放する。 --
2012-12-16 (日) 21:07:44
危険が去り、しかし手掛かりはない。それどころか化け物に依頼人のことを喋ってしまう。ひどい自己嫌悪と危機感で由紀に気電話をかけるが繋がらない。石が当った腹の痛みに耐えて寺へ戻る。寺につくと住持と花枝夫人に隠れて部屋で怪我の手当てをしながら落ち込む。痛い上に何も手掛かりがなく、もうだめだという気持になる。自分には何も出来ないという絶望で寝込む。 --
2012-12-16 (日) 21:07:54
足元の方向から織恵の視線を感じる(足のほうに仏壇があるため。和尚の部屋の描写で、仏壇があることは書いておく。清星織姫信女の位牌まで書いてしまっても良いかもしれない、分かる人はここで織恵は故人だとわかるかもしれない)。こういう時の織恵は話し掛けてこない。じっとまなざしを投げかけてくる。こっちが織恵に話題を振っても聞いているだけでリアクションはない。こういうときの織恵はまなざしと沈黙を和尚がどう取るか試している。花枝婦人が部屋に入ってきて心配してくれる。花枝夫人は織恵のほうを向いて「織恵さんだって何も言わなくてもそう思ってるのよ」的なことを言う。 --
2012-12-16 (日) 21:11:45
4日22時、由紀から電話が入り飛び起きる。着信に気が付いての由紀からの折り返し。何故か由紀からものすごく謝られる。それより由紀は狼の化け物に気をつけたほうがいいと言うとそれなら僕は大丈夫なんですと返される。由紀が自身満々な理由がわからない。 --
2012-12-16 (日) 21:12:18
すこしやる気を持ち直して今までの情報を洗いなおす。檀家の息子からのメールも来ている(犬の動脈についてのメール)。ここで初めて摩倫のblogを見てヴィシヴィジラ・ヌダを探している何者かへ向けた「私はヴィシヴィジラ・ヌダを知っています」のメッセージに気が付く。摩倫が連絡先として載せたメアドはG-MAILで、摩倫はスマホで読んでいたと思われるが、摩倫のPCからなら中身を読めるかもしれないと思いつく。 --
2012-12-16 (日) 21:12:26
由紀に連絡を取り、摩倫のPCを見る事が出来ないか聞く。由紀と一緒に由紀の母親、摩倫の母親もいるらしく、電話越しに大人の口論が聞こえてくる。やがて摩倫の母親が許可をくれたようで(実際は由紀が勝手に判断した。摩倫の母親は由紀の母親と大喧嘩中でそれどころではない)、由紀が摩倫のG-MAILを見て、そこから和尚のスマホにメールを転送する。 --
2012-12-16 (日) 21:12:34
摩倫がメールの相手と会った場所は夕方六時の検見川浜海浜公園。深夜だがすぐにDIOに飛び乗り公園へ行く。公園の猫に話を聞き、摩倫が立っていた場所を特定する。そこに、リャミサリのケープについていた金属の円盤と同じものが落ちている。(伏線回収)(この時点で5月5日に日付が変わっている) --
2012-12-16 (日) 21:12:45
金属板から、持ち主の追跡を始める。デイリーヤマザキで地図とペンを買い、バーミヤンに入りメニューを定規代わりに、ダウジングのように地図に線を引き、重なったところを割り出す。 --
2012-12-16 (日) 21:12:51
一連の事件がひどく近所に密集していることから、千葉県内に当たりをつけて探す。16号沿いの金属スクラップ工場がヒットする。 --
2012-12-16 (日) 21:12:56
5月5日夜2時ぐらい、由紀に電話をし、朝9時になっても連絡しなかったら黒崎に伝えろと言ってスクラップ工場の事を伝える。スクーターで移動。一時間ほど後、工場に忍び込む。 由紀に話を聞き工場に先回りしている孝雄。孝雄=由紀の父親が判明する。 --
2012-12-16 (日) 21:13:05
高いところからリャミサリが現れる。わざわざ探し出さなくても、孝雄を差し出せば応じたのにと愉快そうに言う。孝雄=ヴィシヴィジラ・ヌダだと明らかになる。ヴィシヴィジラ・ヌダを必要とする理由の説明(グルヌカでの支配階級に対するゲリラ戦に必要。信頼度の高い戦力になる。リャミサリは支配階級になれない家の生まれ)。リャミサリが革命という大儀のために異世界に来たことが判る。 --
2012-12-16 (日) 21:13:14
孝雄が説得に応じないため、リャミサリは手下をけしかける。狼に変身する女子高校生4人(4頭)が和尚・孝雄と向かい合う。 --
2012-12-16 (日) 21:13:37
4頭のうち一頭(サヤカ)は最初から様子がおかしく、体が痙攣している。和尚は痙攣している1頭と、それ以外の3頭の違いに気が付く。痙攣している1頭は今までの和尚襲撃ではみかけない狼で、ほかの3頭とは戦ったことがある。痙攣していた1頭が突然もがきだし、悲鳴をあげて転がったと思ったら別の狼に噛み付いた。残り3頭は即座に痙攣していた狼(サヤカ)に襲い掛かり、和尚たちの目の前で仲間を食い殺す。リャミサリは「いずれは全員正気を失いこうなる」と言う。こうならない狼化はヴィシヴィジラ・ヌダを創るジラしか方法がないことを形を変えて説明する。 --
2012-12-16 (日) 21:13:46
和尚は3匹の相手を孝雄に押し付けると、横のコンテナに登り(狼はコンテナに登ることが出来なかった)コンテナの上を通ってリャミサリのところまで昇る。足元では小山のように巨大な狼が3匹相手に無双している。巨大狼に手加減はなく、あっというまに3匹は立つことも出来ないぼろぼろ状態になる。これらはもうただの人間には戻らないのだから殺してしまおうと言う孝雄と、コンテナの上でいやちょっと待てよと止める和尚の対立。 --
2012-12-16 (日) 21:13:56
手下があっさりやられて、やはりオッカボ・ノイガバではヴィシヴィジラ・ヌダの毛の一本もむしれないかと平然としているリャミサリ。リャミサリの後から摩倫が出てくる。 --
2012-12-16 (日) 21:14:07
リャミサリは摩倫を狼に変え、従わなければこれにお前たちを襲わせると脅す。リャミサリも孝雄の子供であり、本当は由紀を攫って狼にしてやるつもりだったが、手違いで摩倫になったこと、摩倫も孝雄の子供なので結果的に同じだった話をする。リャミサリは、狼化を解く為には本人が死ぬか術者を殺すかしなければならない、娘か息子か殺すほうを選べと煽る。 --
2012-12-16 (日) 21:14:31
孝雄が人を殺しそうな顔をしているので、押し留める。孝雄は噛み付くが、ここは一つ、殺される事はあっても殺すことはなさそうな坊主に任せてみろと和尚が前に出る。 --
2012-12-16 (日) 21:15:14
コンテナ上での戦い。摩倫の体当たりでコンテナから吹き飛ばされそうになる。孝雄に折られた骨やそれまでの怪我が痛む。武器に持ってきた桜の木の棒で牙を封じてから、スリーパーホールドで摩倫を気絶させる(伏線の回収)。人の姿に戻っても摩倫には操心のジラがかかっている。魔法使いの目で見るともやのようにジラが見える。平手で肩甲骨のあたりを打つとジラが解ける。 --
2012-12-16 (日) 21:15:22
摩倫を背後に庇いながらリャミサリと対峙。リャミサリは銃を持っていて、割と正確に当てる事も出来るようだ(脅しではないと言ってスクラップの破片を打ち抜く。普通車のサイドミラーぐらいの大きさの小さな的に当てた)和尚は両手を上げて降参を示し、言われた通りに膝をついて座る。銃は操心のジラで手に入れた。(朝のニュースで言っていた、警官から奪われた銃) --
2012-12-16 (日) 21:15:29
何で和尚に孝雄探しを依頼したのかを聞くと、「この世界の人類はジラを持たないと思っていた。神秘の力と言われるものはほとんどはいんちきだったが、ヴィシヴィジラ・ヌダを探しているうちにいんちきでない術師がいると聞き興味を持っていた。地域新聞に名前を見つけ本物かどうか見極めてやろうと思った」と語る。心酔の秘薬を使ったにもかかわらず操心のジラが効かなかった。(霧吹き男の持っていた霧吹きの中身は心酔の秘薬だった)その時和尚を本物であると認めた。力ある者・ジラが効かない者というだけでいずれ障害になる可能性があった。それだけの理由で殺そうとした。 --
2012-12-16 (日) 21:15:37
和尚の頭に銃を押し付け、命乞いをするなら命だけは助けてやらなくもないと調子に乗るリャミサリ。摩倫に掛けた操心のジラは解いたといっても、オッカボ・ノイガバである限り生殺与奪権はリャミサリにある。リャミサリは操心のジラを研究し、制御不能といわれていたオッカボ・ノイガバを自傷させるジラを編み出した。死ねと命じれば摩倫は死ぬ。和尚はジラが効かない・ジラが使えると言ってもせいぜい物探しの能力がある程度。ヴィシヴィジラ・ヌダのように強大な力があるわけではない。孝雄に対しても和尚に対してもリャミサリは優位にある。 --
2012-12-16 (日) 21:15:44
リャミサリもまた正しくあるように親に求められ、「正解を選んでいる自分」に取り繕う目先だけを見た子供だという和尚。 --
2012-12-16 (日) 21:15:51
和尚は向けられた銃を無視してまっすぐにリャミサリの目を見つめる。「革命したいってことはさぞ生活に不満があるんだろう。母子家庭で父親が異世界人というのが悪いのか、ほかにも気に入らない点があるのかわからないが、生まれが悪いと幸せになれない社会だと言いたいのはよくわかった。なんでこんな悪い運命に生まれてきたんだと思ってるか? 生まれた家、生まれた国、生まれた時代、生まれた世界がよくなかったと思ってるか?」 --
2012-12-16 (日) 21:15:58
挑発されてリャミサリが怒る。和尚の言葉を肯定し、生まれた家、生まれた国、生まれた時代、生まれた世界が悪いと言う。「この世界、この日本という国は良い。ジラが使えなくても銃は使える。平民がいくらでも本を読むことが出来る。平民が楽団の音楽を家で楽しむなんてグルヌカではありえないことだ。リャミサリは正しい生まれではないのでジラハタルであるが王の氏族になれない。市井のジラハタルとしても癒しや光のジラではなく操心のジラという役に立たないものしか適性がなかった。グルヌカでは操心のジラに対して子供の頃予防接種がされてしまうのでまったく役立たず! 苔をかじって飢えを凌ぎ、金を溜めてジラの研究をした。低俗で使い勝手が悪く蔑まれているオッカボ・ノイガバのジラと、役に立たない操心のジラを組み合わせ、いざとなれば自殺させられるオッカボ・ノイガバを作り上げるという功績で革命の同志に認められ、初めて居場所が出来た。恵まれた世界に生まれた者に、生まれと素質で不幸が定められたャミサリの苦悩がわかってたまるか」 --
2012-12-16 (日) 21:16:06
一通り喋らせてから和尚はやさしく反論する。「志しの高さはよくわかった。しかしこっちの世界で人を何人も殺したり、最後は狂って死んでしまうのろいをかけることは正当化されない。実はこっちの世界に来て操心のジラがホイホイかかることで気を良くしたんだろ? 調子に乗ったんだろ? かわいそうに。してはいけないことを教えてくれる大人に恵まれなかったんだな。そのジラ、自分の意見をはっきり持たない奴にしかかからないんだろ。お前が洗脳して俺を襲わせた2人の男と、大田とか言う男を調べたら、みんなそういう性格してた。女子高生を子分にしてたのも自我が成長途中の子供じゃないと術がかからないからだな。おまえ実に小物だなあ。革命革命、悪い社会を変える、自分が正しいってわめいてても、自分より弱い奴をダシにして自分だけいい思いをしたいですって行動からまるわかりだから何も説得力ない」 --
2012-12-16 (日) 21:16:13
完全にキレて和尚の眉間に銃口を押し付けるリャミサリ。「だまれだまれ、これまで生まれと素質いう自分では選べないもので理不尽を味わってきたのだから、その生まれと素質がこの世界では強者となることの何が悪い。ここではリャミサリが強者なのだ」「ヴィシヴィジラ・ヌダよ、娘を失いたくなくば、秘儀をリャミサリに渡せ。リャミサリはオッカボ・ノイガバの狂気を抑えるジラを編み出した。リャミサリに従うならば娘が狂気に犯されないよう施してやる」 --
2012-12-16 (日) 21:16:21
眉間に銃口を押し付けられたまま和尚が笑う。「大義のために犠牲はつき物だというなら、おまえが犠牲にしようとする我々も大義のため全力で抵抗しよう。魔法とは魔道の法なり。魔法を己の他に使いることは禁じられているが、いたしかたない」立てひざをついていた和尚、するりと結跏趺座に移行して、上げていた両手も座禅の形に組む。ス、と背筋が伸びる。 --
2012-12-16 (日) 21:16:37
「親、家、生まれは選べないとな?ならばリャミサリハル、思い出すが良い。世に生じんとする刹那の真理(まこと)、自身が何を想い世に生じんと欲したか!」 --
2012-12-16 (日) 21:16:46
ゆがんだ景色が魔法使いの目に映る。紫の空には青い太陽が輝き、砂漠には赤い葉を持つ植物がオレンジの花を咲かせている。砂漠の中央に白い湖があり、囲むように街がある。魔法使いの目はスーッと街の一点に焦点が合い、白く一際大きな二階建ての建物の中に入っていく。巨大な壁画の前で、美しい黒髪の女がひざを付いて祈るように頭を垂れている。女の両手は自身の下腹に当てられている。魔法使いの目の焦点は、女の胎内に入る。そこで、希望と、喜びと、自分を選んで自分はここに生まれるのだという確かな意思を感じる。魔法使いの目はここで現実に戻る。リャミサリは銃を取り落とし、後に数歩よろけてくずれる。 --
2012-12-16 (日) 21:16:54
まやかしを見せたと言うリャミサリに、真理であることは自分自身がわかっているはずだと静かに言う和尚。「どれだけ否定したくても不幸だと思っていることは全て自分が選んだ結果であり自分の責任」 --
2012-12-16 (日) 21:17:05
「しかし自分が生まれを選んだというなら生まれの不幸を努力で覆すことが根本から否定されるのではないか?」 --
2012-12-16 (日) 21:17:10
「おまえ自身わかっているはずだ、願ってそうなったことを思い出しているはずだ。不幸も幸福も自分で選んだことを認め、他人のせいにする空しさを思い知れ。すべて自分で背負え」 --
2012-12-16 (日) 21:17:16
完全に心を折られてがっくりするリャミサリ。 --
2012-12-16 (日) 21:17:21
夜が明ける。 --
2012-12-16 (日) 21:17:25
自分で119と黒崎に電話する和尚。救急車と警察がやがて来る。リャミサリを警察に渡してもオッカボ・ノイガバはどうにもできないと孝雄。そもそもリャミサリは日本の刑法で裁けるのか。 --
2012-12-16 (日) 21:17:33
涙声で雷神ザガノティカを呪うリャミサリ。それを聞いてはっとする孝雄。ザガノティカはジラハタルが呪えば絶対に許さず速やかに罰を与える。いまザガノティカが何もしないということは、神には呪いが聞こえていない、ヴァユガ・ヴァユガとこの世界は完全に途切れているということ。リャミサリをヴァユガ・ヴァユガに送り返せば、ジラと術者が完全に断ち切られる。 --
2012-12-16 (日) 21:17:58
リャミサリをヴァユガ・ヴァユガに送り返すことで狼人間化した少女は元の人間に戻った。法では裁けないが、みんな殺人の記憶を持っている。 --
2012-12-16 (日) 21:18:28
和尚が呼んだ生活安全課の黒崎が来る。引渡しの際、困ったことになったらと黒崎にいい精神科を紹介する。 --
2012-12-16 (日) 21:18:34
その子は?と摩倫を指して聞かれたので、孝雄を指して保護者が来てると説明する。 --
2012-12-16 (日) 21:18:41
スーツ姿の織恵が出てきてこの騒動は終わったという。和尚と織恵の会話。 --
2012-12-16 (日) 21:18:46
摩倫には織恵が見えないので、師匠はなんで誰もいない空間に向かって話してるんですかと突っ込む。(織恵が和尚にしか見えないことがわかる) --
2012-12-16 (日) 21:18:52
織恵の簡単な紹介をして、ここ数日で何回か死に掛けたとき助けてくれたことを説明する。織恵を見たいなら見る方法があるから一旦休んでから改めて寺に来い。 --
2012-12-16 (日) 21:19:04
後日、和尚の部屋で織恵の位牌に手を合わせる摩倫。摩倫、和尚に「自分で選んでその人生に生まれた」ことは、リャミサリの言う通り「不幸な生まれを脱する努力」を否定することになるのでは?と聞く。和尚は幸福に明確な線引きがあってこの線を越えたら幸福というものはない、そもそも生きる事には不幸しかなく、幸せも「失いたくないなあ失うのが恐いなあ」と思った瞬間重荷になってやはり不幸になる。でも白い背景だから墨が映えるようなもので、幸福は生と死があるという不幸を前提にして成立しているのだから、幸福になるために不幸な生に生まれるとも言える。幸福の本質は不幸でると同時に、人生を取り巻く不幸はすべて幸福の布石でもある。純粋に幸福しかない生が成立し得ないように、純粋に不幸しかない生も成りたたない。だから幸せになりたいという努力は無意味ではないと語る。 --
2012-12-16 (日) 21:19:13
END --
2012-12-16 (日) 21:19:19
◆ アセチルコリン神経系発達障害 --
2012-12-16 (日) 21:30:49
神経伝達物質アセチルコリンを分泌・受容する神経系統が障害を起こす病気 昔は覚醒神経不全型認知症とも呼ばれた。 通常の認知症と違い、認知作用に及ぼす影響よりも幻視・幻聴・体感幻覚が顕著に表れるのが特徴。 また、アルツハイマー認知症やレビー小体認知症と違い、発病が小児に集中する。 病状が後期になると記憶力の低下と認知力の障害が見られるが、初期・中期は幻視・幻聴症状のみ顕在化することが多い。 近年は認知症は併発症状であり、主体は幻視・幻聴、「覚醒状態にありながら夢を見る」症状であるとされる。 アセチルコリンは覚醒を促す神経伝達物質である。アセチルコリンの分泌が阻害されることで、完全な覚醒が阻害される。表面的には覚醒しているように見える状態でも、脳の内部では眠っている部分がある。 アセチルコリン神経系発達障害の代表的な症状で、意識レベルが高い状態で、夢と同様の不条理な幻覚を見る。せん妄にはならない。幻覚の内容によりパニックを起こしたりする。 交通量の多い道の真ん中で「自分の部屋にいる幻覚」を見て車に気がつかず、追突事故に巻き込まれたりする。 幻覚症状を発祥する多くの病気と異なり、アセチルコリン神経系発達障害では幻視に触れても消えず、リアルな体感幻覚を伴う。幻覚を触っても消えないため、当事者内部では「現実に存在するもの」との区別がつかない。重さや味を感じるため第三者が言葉で幻覚であることを説明するのは難しい。介護者・治療者には見えない幻覚を指し「これは本物だ」と頑なに主張し、介護者・治療者は自分を判ってくれないと攻撃的になったり、抑うつ症状に発展することもある。 乳幼児でも発症する。幻覚症状は「強い不満・強い欲求」を覚えたときに出る事が多い。 例えばお腹がすいたとき、空腹感は「強い不満・強い欲求」となる。すると、食べ物の幻視が現れたり、幻の食事で満腹になる体感幻覚が現れたりする。 アセチルコリン神経系発達障害の発症がごく早期(乳児・幼児)の場合、不満を打ち消す体感幻覚(本当は寒いのに暖かな毛布に包まれた体感幻覚を見るなど)を見てしまうと、親が子供の体調変化に気がつかないことがある。例えば普通は熱でぼーっとする・血色が悪いなどの症状で子供の風邪に気が付くが、アセチルコリン神経系発達障害の子供は「健康な自分自身という幻覚」を見て風邪の不快感を忘れてしまうため表面上は元気に見える。初期段階の風邪が放置され、肺炎に悪化して初めて親が気が付くことがある。 男性に発病例が多い。アルツハイマー同様、女性ホルモンエストラジオールが脳神経保護やシナプス増加の効果をもつためと考えられる。 90年代にようやく病気と認識され、2000年代に覚醒神経不全型認知症からアセチルコリン神経系発達障害と名前が改められたこの病気は、治療法が存在しない。 2010年に坑うつ剤のセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)がアセチルコリン神経系発達障害にも効果があるとして検証され始めたばかりである。 アセチルコリン神経系発達障害では現実(アクチュアリティ)と区別をつける事が出来ない幻覚を見る。幻覚が本物のような質感(リアリティ)を持っている。他の脳疾患・精神疾患では視覚・聴覚・触覚すべて本物であるかのような幻覚というのはほとんど例がない。他の疾患で幻覚を本物と思い込んでしまうのは、せん妄を併発している場合がほとんどである。 --
2012-12-16 (日) 21:31:06
◆ 魔法 --
2012-12-16 (日) 21:31:23
アセチルコリン神経系発達障害患者の大半は幼児期に発症し、成人までに8割死亡してしまうと言われている。アセチルコリン神経系発達障害で「30歳の壁」と称されるのが、30歳を超えた患者はその後平均80歳まで生きるという統計である。数のマジックが含まれているとしても、発症者の大半が若くして死んでしまう病気であることがうかがえる。 30の壁を超える事が出来た患者はすべて魔法使いである。 アセチルコリン神経系発達障害は治療法が存在しない。現状この病気に抗し得る方法は魔法による症状抑制のみである。 魔法とアセチルコリン神経系発達障害は密接なかかわりがある。 魔法の正体が何かは、アセチルコリン神経系発達障害と同様に何も判明していない。しかし、魔法使いの身近な人間はアセチルコリン神経系発達障害に罹りやすいことは判明している。長い間魔法の影響下に置かれるとアセチルコリン神経系発達障害になることが経験的にわかっている。なぜアセチルコリン神経系発達障害になるのか科学的な因果関係はわかっていない。 魔法使いたちが『化け物』と呼ぶ、一部の反社会的魔法使いは他人に魔法をかける。『化け物』の傍にいる人間はアセチルコリン神経系発達障害にかかる。現在わかっているアセチルコリン神経系発達障害発病の原因は、『化け物』に魔法を掛けられつづけた結果病気になるということである。 魔法を他人にかけることは禁じられている。正確にはアセチルコリン神経系発達障害に罹患した人間以外にかけることは禁じられている。まだ魔法を扱うことが出来ない子供のアセチルコリン神経系発達障害患者に、大人の魔法使いが魔法をかけることは例外的に認められている。 魔法使いたち自身が定義するところに拠れば、魔法とは魔道の法である。 『魔道』とは悪魔の世界、不正な道、邪道などの意味である。では『法』とは何か。この『法』は仏教の法を指し、仏の説く真理を意味する。法は仏に至る道を意味する言葉でもある。魔法とは魔の仏道とでもいうべき矛盾した言葉である。 アセチルコリン神経系発達障害の特徴であるリアルな幻覚は、自分の力でそれを幻覚だと気が付くことが困難である。存在しないものを存在するかのように誤認する病気であると言える。 魔法は逆に、常識では存在するとされるものを存在しないように知覚する技術と言える。 魔法使いが魔法を使用している状態は、しばしば薬物による幻覚に例えられる。常識では白く見える太陽が青く見えたり、足元に空があり頭上に街があるように知覚される。魔法は認識を自由に破壊し、『常識で思われている通りに存在するものなど何もない』ことを思い知らしめる技術である。 魔法により常識を破壊し、再び構成する。この過程で、アセチルコリン神経系発達障害による幻覚も破壊され、現実(アクチュアリティ)を保つ。魔法使いたちはこのようにして病気による幻覚を軽減している。 一方で、魔法使いは日常的に本物のような質感(リアリティ)を一切信用しない、何もかもを疑う姿勢を強いられている。この世に実在するといえるものは何もなく、ただ視覚・聴覚・触覚・味覚・意識により知覚された様々な刺激があるだけである。常識で考えるような物質自体などを証明することは出来ない。 健常な人では、本物のような質感(リアリティ)を持つものを現実(アクチュアリティ)ではないと考える事は難しい。常識では二つは同一だからである。知識として認識論や唯識論を知っていたとしても、生きた体験として『常識で思われている通りに存在するものなど何もない』経験をもつことは出来ない。 アセチルコリン神経系発達障害患者は生きた体験として『常識で思われている通りに存在するものなど何もない』を経験しているからこそ、魔法を会得できる。アセチルコリン神経系発達障害により常識が破壊される経験を何度も積み、常識が壊される『感じ』を身に染み込ませる。自分から常識を壊す訓練を積んでようやく自在に常識を破壊できるようになる。 魔法使いは、哲学的探究心の結果として素朴実在論(物質は実在する)を信じないのではなく、何度も本物のような質感(リアリティ)を信じては裏切られた傷心経験により、素朴実在論を否定する。 アセチルコリン神経系発達障害患者ではない人間が、生活内の実感として『常識で思われている通りに存在するものなど何もない』と感じるのは困難である。りんごを手に取り、一口齧って甘味・酸味・香り・歯ごたえを感じるとき、りんごが実在しないと思うのは難しい。 アセチルコリン神経系発達障害患者であれば、『もしかしたらこのりんごは本物のような質感(リアリティ)を持った幻覚かもしれない』と疑うことがあるだろう。しかし、幻覚か現実にりんごを食べているのかを判別することは難しい。 魔法使いであれば、『りんごが幻覚・現実どちらであっても、りんごがあると信じた心はいつか裏切られるのだから同じことだ』と考える。幻覚のりんごであればりんごはないのだから、りんごがあると信じた心は裏切られる。現実のりんごであっても食べれば無くなってしまうし、放置すれば腐ってりんごとは呼べなくなる。りんごなど時間がたてば形を変えてしまうものであり、りんごがあると信じた心は裏切られる。 アセチルコリン神経系発達障害患者が幻覚を見るのは、「強い不満・強い欲求」を覚えたときである。りんごを食べたいと思うからりんごの幻覚を見る。 魔法使いは『りんごを食べたいと思うことなど何の意味もない』と考える事でりんごの幻覚を破壊する。 欲求否定の大本を辿れば『生きたいと思う事など何の意味もない』までたどり着く。欲求は魔法使いが自由自在に破壊する最大の『常識』である。欲の根源から自由になることイコール魔法が魔『法』であるという意味である。 仏教でも、集諦(じったい)に現されるように『苦の正体は欲である』ことを真理であるとし、欲望や執着から離れる道が仏道の『法』としている。魔法は欲から自在に解き放たれる技術であるため魔『法』なのである。 しかし魔法は『魔』法である。この技術が正しい法足りえないのは、『生きる事は何の価値もない』という虚無に落ちるように出来ているからである。 『生きたいと思う事など何の意味もない』を肯定するなら、『生きる事は何の価値もない』を否定する根拠もない。欲をすべて破壊してしまう訳にはいかない。最低限『死にたくない』という欲だけは残さなくてはならない。 苦を生み出す欲を保ちながら、欲が生み出す苦に潰されないよう抗う、綱渡りの道しか生きる事が出来ない。本来全ての人間がこのような道上にいるのだが、普通はそれを意識しないでもいいように常識が目を覆い隠し、必要以上に足元が鮮明に見えないようにしてくれている。魔法使いは常識の覆いを取り去ったことで、細い綱の下に深い谷があることを見てしまう。恐怖を感じながら綱を渡りつづけるのは辛く苦しい。長く苦しみつづけるより谷に飛び込んでしまうほうが楽である。 最後まで綱を渡ろうと覚悟できた魔法使いだけが30歳の壁を超える事が出来る。 実際に魔法使いはどのようの魔法を使うのか。 魔法使いの言葉を借りれば、人が真理と呼び想像する概念は、人には全貌を捉えきる事が出来ない巨大なものである。人は真理のわずかな部分だけに触れ、真理を認識した気になっている。人は理解という殺ぎ落とし作業を経てものを認識している。削ぎ落しとは、真理という巨大な原石から、視覚聴覚触覚味覚嗅覚意識の6つの働きがそれぞれ触れる領域だけを切り出してものを認識しているということである。これらで救い上げる事の出来ないものは認識から零れ落ち、真理のなかで知る事の出来ない領域として残る。 しかし、人が真理に触れてから、視覚聴覚触覚味覚嗅覚意識で真理を理解できる形に整形し終わるまでにはタイムラグがある。ほんの短い時間であるが、視覚聴覚触覚味覚嗅覚意識の6つの働きが真理の姿をバラバラに切り裂いてしまう前は、人は真理そのものに触れているのである。 触れた真理が理解される前に視覚聴覚触覚味覚嗅覚意識ではカバーしきれない部分を読み解くのが魔法である。 人間の理解が及ぶ範囲(視覚聴覚触覚味覚嗅覚意識)では、欲から生まれた幻覚は現実と区別がつかないが、理解の範疇を超えた部分にはそれが幻覚か現実かを見分ける情報がある。メールに埋め込まれたヘッダ情報のようなものである。 魔法使いは真理そのものに触れ、幻覚と現実を分けるものをつかみとる。これは人間の理解が及ぶ範囲(視覚聴覚触覚味覚嗅覚意識)では不可能である。感覚を超えて意識では説明できない領域を『つかみとる』(もちろん例えである)のは頭で考えている限り無理であろう。 アセチルコリン神経系発達障害そのものが、感覚を超えて意識では説明できない領域を生きたまま体験する一つの方法となっている。 また、禅も感覚を超えて意識では説明できない領域を生きたまま体験する方法とされている。アセチルコリン神経系発達障害患者が幻覚の発作を抑える方法としても座禅が利用される。 --
2012-12-16 (日) 21:31:46
◆ 和尚 --
2012-12-16 (日) 21:36:49
公開されない設定では、本名沖理英(おきさとひで)。僧名理英(りえい)。 昭和52年生まれ HNは魔法使い。決して和尚とは自称しない。 魔法使いとしての仕事を掲載しているのは地域新聞ぐらい。 たまたま千葉の地域新聞を見たリャミサリたちが興味を持って電話した。 シンプルな部屋に住んでいる。8畳、押し入れ、仏壇あり。仏壇には釈迦牟尼佛、清星織姫信女の位牌、制服を着た織恵の写真。カラーボックスの本棚、PCとPC台。無線ルータ。 --
2012-12-16 (日) 21:37:02
◆ 千木良摩倫 --
2012-12-16 (日) 21:39:10
ちぎらまりん 15歳高校一年生。先月高校生になったばかり。 HNはC.L.マーリンのほかに、Blogで使っているMARIという表記もある。 男性的な目力がある。 由紀とは異母兄弟だが、摩倫の母親と由紀の母親は一卵性双生児。DNA的には父親も母親も同じ兄弟と言える。 並ぶと摩倫・由紀・リャミサリは似ている。三人とも顔立ちが美しい。 三人とも母親が美人なのだが、顔の美しさは父親の孝雄から来ている。 --
2012-12-16 (日) 21:39:23
◆ リャミサリ --
2012-12-16 (日) 21:39:28
リャミサリハル・ジラハタル イラン人かもしれない。小麦色の肌にすっと通った高い鼻梁からアーリア人と思われた。唇が赤くふっくらしているし、アイラインを引いているから4秒ぐらい男だと気が付かなかった。よく見るとアイラインは引いていない。驚異的にまつげが長くアイラインに見えるほど密集しているだけだ。 グルヌカでは誰にも評価されない「操心のジラ」の術師 才能が評価されないことを恨んでいる 金持ちにコンプレックスがあり、本をたくさん読むことが出来なかった事を根に持っている 現代日本では識字率100%で本がすぐ手に入って図書館があることを羨む ジラの才能がなくても科学の恩恵には与ることが出来る事を羨んでいる 雷神ザガノティカに恐れを抱き、支配されている圧迫感を感じ続けていた 現代日本に来てヴァユガ・ヴァユガの神から開放され、自分は無敵になったのだと奢る 狼化のジラ、オッカボ・ノイガバ(劣悪な合金という意味)は、かけたジラを戻すことが出来ないため簡単なジラでありジラハタルなら誰でも使える。グルヌカでは対策が進んでいるがジラハタルのいない田舎などでは成すすべがないため今でもテロリズムに利用されることが多い。 オッカボ・ノイガバの大人げのなさから、和尚に「自分を認めてもらいたいコンプレックス」「正解者でいたいコンプレックス」を見抜かれ、「大義名分はどうでも良くて無双したかっただけ」と指摘される。 操心のジラは社会に出て働いている日本人には効きにくく、ちょっとした切っ掛けで解けてしまう 働かなくても生活できる者、老人、社会に出る前の子供には効きやすい 相手が馬鹿でないとジラがかかりにくい 心酔の秘薬は操心のジラを補佐するもの 親の遺産の不動産経営で働かず食べている男、大田を手下にしている --
2012-12-16 (日) 21:39:53
◆ 孝雄 --
2012-12-16 (日) 21:40:42
御松孝雄(みまつたかお) 摩倫と由紀(とリャミサリ)の父親。 ヴィシヴィジラ・ヌダ(偉大なる知性とジラを備えた魔獣)である。 黒髪長髪で髭。整った顔立ちをしているが髭と髪型の所為ですさんでみすぼらしく見える。 魔法和尚の中では摩倫がさらわれてからしか出てこないので、よけい凶相をしている。 元々は摩倫の母親・春香と大学が同じで付き合っていた。婚約までしておりその時点で春香のお腹に摩倫がいたのだが、春香の双子の妹・麗香と孝雄の二人でヴァユガ・ヴァユガに飛ばされてしまう。当事のヴァユガ・ヴァユガはグルヌカの人類とクムヌートの魔族が戦争状態で大変な混乱にあった。異世界人であるということで変に期待され、ヴィシヴィジラ・ヌダという門外不出の秘法までかけられてしまう。結局麗香と二人で人類側の戦力として8年間闘ううちに、戦場の絆といいうか命がけの戦いの間に芽生えた愛というか、話の流れで麗香と愛し合うように合ったタイミングで元の世界・元の時間に戻る。 春香にしてみれば急に2週間ぐらい婚約者と妹が連絡が取れなくなって心配してたら実は二人がデキてる上に、こっちには子供までいるのに「なんか真実の愛に目覚めたし」みたいなことを言われて、これでぶちきれるなというほうが無理である。いまでも春香と麗香の姉妹仲は悪い。 --
2012-12-16 (日) 21:40:58
やったー!プロットできたー! --
まーりん
2012-12-16 (日) 20:58:39
そしてこの後盛り上がりグラフ! --
まーりん
2012-12-16 (日) 20:59:29
最新の4件を表示しています。
コメントページを参照
新・魔法和尚2162 --
2012-12-25 (火) 05:46:22
「魔法和尚」から150年後の世界 --
2012-12-25 (火) 05:46:26
語り手(おれ)は「和尚」と呼ばれる若い魔法使い。通り名の由来はファッションがストリート・ゼン・スタイルだから。タイショウ・ポルノやショウワ・インダストリ、ヘイセイ・ドウジンアートなどカオスなファッションが入り乱れる2162年の千葉シティで、カマクラ・レリジュースレボリューションの流れを汲むゼン・スタイルなのは「和尚」だけだ。 --
2012-12-25 (火) 05:46:33
2162年の世界では、人格データを保存する技術が確立し、一部の人間は不老不死を手に入れていた。人格をデータ化し、新しい体に乗り換えていくのだ。 --
2012-12-25 (火) 05:46:40
この時代は、全身機械化している富裕層と、意識保存の手術も身体強化の手術も受けられない貧民層とに社会が大きく分かれている。和尚は完全無改造のナチュラルだが、魔法使いであるため、改造済みの人間を上回る様々な能力を持っている。 --
2012-12-25 (火) 05:46:48
この時代は「魔法和尚」の2012年と比べると、ドラゴンと魔法使いの関係が真逆になっている。2012年では魔法使い最大の敵であり、不治の病「アセチルコリン神経系発達障害」を発症させる原因だったドラゴンは、2162年には(魔法使いではない)ただの人間にほとんど駆逐されてしまった。ただの人間(つまりアセチルコリン神経系発達障害に罹っていない人間)が不老不死になり、ドラゴンの魔法は人間に効かなくなってしまった。ドラゴンの魔法は人間の「死にたくない」という生への執着心が元になっている。死を恐れない相手には効かない。かつては人を捕食する存在だったドラゴンは人に返り討ちにされた。(魔法が使えないドラゴンなど、態度はクソでかいが力のないモヤシだ) --
2012-12-25 (火) 05:47:01
ドラゴンは少なくなり、アセチルコリン神経系発達障害が発病しなくなったため魔法使いも生まれなくなった。残された数少ない魔法使いは、魔法(いいかえるとアセチルコリン神経系発達障害だが)というギフトをくれるドラゴンを崇めるようになり、「和尚」も自らを魔法使いにしてくれたドラゴンを師父と呼び慕っている。 --
2012-12-25 (火) 05:47:11
人間は不老不死になれる、という思想が人類全体の精神を変えてしまったため、新・魔法和尚2162世界ではすべての人間が魔法に耐性を持っている。まれに耐性を持たない人間がいて、そういう人間しかアセチルコリン神経系発達障害を発症しない。 --
2012-12-25 (火) 05:47:18
2162の「和尚」は、2012の魔法和尚と違い、他人に魔法を使うことに抵抗が無い。2012年と違って他人に魔法を使っても弱い効果しか出ないし、アセチルコリン神経系発達障害になってしまう心配が無い。自分自身にかける魔法は、2012年も2162年も変わらず強力で超人的な力を発揮する。 --
2012-12-25 (火) 05:47:24
「和尚」はドラッグのトレーダー(安いときに薬を買い、高くなったら売る)や問題の調停などをしながら糊口を凌ぐ「何でも屋」で、最下層の女たちに友達が多かった。和尚も最下層出身だが、魔法で上流階層の力と渡り合う。 --
2012-12-25 (火) 05:47:29
最下層の女たちは男に虐げられている。物語導入で、和尚は売られた友達を助けようとして、その友達の買い手に話をつけに行く。ところが和尚が面会する直前に買い手は殺されていた。殺人の動機があるため和尚が疑われる。和尚はデータ上この世に存在しない、戸籍も国籍もない人間である。本人も自分の出自は母親が淫売というぐらいしか知らない。小さい頃ドラゴンに拾われ育てられた。まっとうな病院にかかったことも無い。体制側の存在はすべて和尚の敵である。 --
2012-12-25 (火) 05:47:38
和尚は自分の潔白を証明するため、真犯人を探す。和尚には頼りになるバディがいる。LL(ラインライフ)の「一つ辻」である。 --
2012-12-25 (火) 05:47:44
LLは100年ほど前に突然ネットワーク上に現れた情報生命体だ。LLたちによれば、かれらは人類が四大文明を築いた頃にはもう居たらしい。その頃は人間の喋る言葉や、物流行き交う街道など「文化」の上に寄生して存在していた。人類が情報をやり取りするネットワーク――ライン――をどんどん増やし、決定的な一点を超えたとき、LLは爆発進化を遂げた。シンギュラリティポイントを超えた日からすさまじい勢いで知的情報生命に進化してしまい、気が付けばラインの上のどこにでも彼らが居た。LLの大半は、人間とは異質な思考すぎて、知性なのかどうかもよくわからない存在だが、まれに「人間にかぶれて」人じみた個性を持つLLがいる。人類と人間かぶれのLLが出会ったことで、意識保存技術や人工知能が誕生した。人類の歴史を変えてしまったのがLLである。一つ辻も人間にかぶれた変わりもののLLだ。 --
2012-12-25 (火) 05:47:51
一つ辻は和尚に好意を持っている。LLにとって魔法使いというものはとても珍しく、興味が尽きない存在らしい。人間が引いた情報ライン上でLLが入れない場所は無い。セキュリティウォールがあろうが関係ない。LLは一旦セキュリティと同化し、セキュリティ自身がやりとりするデータに自分をくっつけ運んでしまう。一つ辻の言葉を借りれば「カギのかかった扉に触れて、次に扉になって、そうしたらボクはもう中にいる」。進入したがりなLLからデータを守るため人類が取った手段は、紙のデータとカギのついた金庫まで時代を戻ることだった。それぐらいLLはネットワーク上では厄介なのだ。そして一つ辻は和尚が頼めばどこにでも侵入しデータを盗み見てくる。(一つ辻は見るだけだ。土下座して頼んでも改竄はやってくれない。LLとはそういうものだ) --
2012-12-25 (火) 05:48:01
一つ辻は警察や黒客家がこの殺しをどう調べているのかデータを抜いてきた。警察は和尚しか疑っていないが、黒客家はそうではなかった。黒客家は下層民の支配者だ。上層世界で政府が白客家の傀儡であるように、未改造・非不老不死の人間が住む世界は黒客家のものだった。 --
2012-12-25 (火) 05:48:06
黒客家は警察とまったく違う見方をしていた。殺しの手口は未知のウイルスによるもので、同じ手口で黒客家に連なるものが何人も殺されていた。黒客家はぽっと出の登場人物である和尚は単なるモブであり、真犯人は別に居るとしっかり認識している。警察のデータは当然黒客家も持っていて、驚くことに黒客家は既に「今回の殺しでウイルスを撒いた犯人」まで把握していた。それは被害者の母親だった。しかし黒客家が犯人を捕まえる前に犯人は自害。そして、犯人が自害しているにも関らず、また同じ手口で違う男が殺されている。犯人同士、被害者同士につながりはない。まるで関係のない者同士が偶発的に同じ方法で人を殺す。それも出所不明の特殊なウイルスで。こんなことがあるだろうか。 --
2012-12-25 (火) 05:48:13
和尚も手詰まりになった。犯人が死んでしまっているので、犯人を突き出して自分の潔白を証明するのは不可能だ。こうなったら一連裏で糸を引いている本星をあげるしかない。和尚はウイルスから犯人を辿ろうとする。 --
2012-12-25 (火) 05:48:19
ウイルスは記録上にない特殊なもので、こういったウイルスは軍か国際機関にしかデータがない。さすがの一つ辻も一人では向こうの守りを破れない。侵入して物理的なガードを破るのは和尚の役目だ。 --
2012-12-25 (火) 05:48:24
和尚たちは鹿島にある化学兵器の研究所に目をつけた。車のない和尚が千葉から鹿島まで行くのには、身分証のいらない移動手段がいる。それには金がかかる。一つ辻に機密データでも盗んでもらって売ればすぐ大金になるが、和尚にはヤバいデータを売りさばくツテがなかった。和尚は溜め込んだ「新円」をすべて売り払う。「新円」は2162年で最もポピュラーな向精神薬だ。この時代の通貨単位は新円なのだが、あまりに薬が売れすぎて新円はすべてこの薬に変わってしまうので薬の通称が「新円」になってしまった。実際「新円」は優秀な薬で、国内外で通貨として通用する。だから和尚のようなドラッグ・トレーダーが成り立つ。 --
2012-12-25 (火) 05:48:31
和尚は魔法使いの目(魔法使い特有の、幻覚を見るような超感覚のこと。通常ではわからない様々なものを感じ取る)で、どの地域で新円の需要が高いかを見比べ、高いところで売りさばく。 --
2012-12-25 (火) 05:48:37
魔法使いの目で街を見ていると、向精神薬を求める人の心のうねりだけでなく、様々なものが見える。例えば、新しい命がこの世に生まれる事を辞める瞬間だ。すべての命は、自分を選んで生まれてくる。生まれる世界・時代・国・親を選んで生まれる。一個の細胞だったものが、化学変化を起こして、細胞分裂を始めるまでの一瞬の間に、生命は魔法使いと同じく真理に触れてすべてを把握している。新しい命が生まれる切っ掛けがあったとしても、命自身が「この世界に生まれるのはやめよう」と思えば、受精して化学変化が起こっても、細胞分裂は始まらない。和尚はそんな生まれる事を辞めてしまう命を見るたび辛くなる。こんな不幸で汚い世界でも、親の愛を受けなくても、それでも生まれたいと思った自分が、否定されたように感じてしまうのだ。すべての魔法使いは、生まれようと思った瞬間のことを覚えている。 --
2012-12-25 (火) 05:48:44
金を工面した和尚は鹿島の化学兵器研究所に侵入する。魔法使いは、デバイスなしでLLをライド(相乗り)させたり、体温を極端に下げて赤外線センサを掻い潜ったり、見張りの視界を1秒だけ奪ったりする技術を持っている。もっとも見張りの視界を奪えるかは、その時の和尚の体力と、相手が魔法にかかりやすいタイプかどうか運の要素が絡むが。 --
2012-12-25 (火) 05:48:51
軍の化学兵器研究所が素晴らしいのは、そのセキュリティに遺伝子改造された犬を導入していることだ。和尚にとっては非常に困ったことだ。犬にもかかるような強力な魔法を知らないのだ。侵入まではできたが、犬の居るエリアをどう突破すればいいのだろう? --
2012-12-25 (火) 05:48:57
そこで和尚は犬の居るエリアの直前でわざと発見される。賭けだった。自分を発見する警備員が、パラライザより実弾銃をぶっ放すタイプだったらおしまいだ。和尚はこの賭けに勝ち、計算通りパラライザを撃たれ、当る前に自ら心拍と呼吸を止めて倒れる。死亡と判断され、和尚は犬エリアを通過し運ばれる。犬エリアを抜けたところで蘇生して脱出、外部とは切り離されたネットワークに接触する。その先は一つ辻が先導し、和尚もネットワーク内部を除き見る。魔法でネットワーク内部を見るのは、改造で端子を脊髄に埋めている人間のそれとは微妙に違う。誘導してくれるLLの目を借りてネットワーク内を見るようなもので、魔法でLLを自身の意識の一部にライドさせることの逆バージョンだ。魔法使いの強みは、魔法を使っている間は時間の経過をほとんど気にしなくていいことにある。ジャム・カレット。主観時間は限りなく引き伸ばされ、ネットワーク内部で数時間の主観時間が経過しても現実の時間は数秒で済む。 --
2012-12-25 (火) 05:49:03
化学兵器研究所はアタリだった。和尚たちは「猛毒を作り出すが、宿主死亡後10分で死滅してしまう、証拠を残さないウイルス」の記録を見つける。ウイルスがどこに保存されて、誰が持ち出したかを調べようとすると、研究所のセキュリティ最上位に居る人工知能「12」に発見されてしまう。12は冷徹な女性人格のAIで、和尚を焼き殺そうとする(ネットワークに接続している人間はほとんどが脊髄に繋いだ端子から接続している。端子を通じて脳を焼き殺すのは最も確実で念入りな侵入対抗措置だ) --
2012-12-25 (火) 05:49:11
和尚は魔法での接続だったため直接脳を焼かれるダメージはなかったが、魔法を使っている最中に受ける傷は現実の体にも影響する。12は侵入対抗ウイルスも使い、一つ辻に感染させて身動きを取れなくさせた。和尚は排気口を使い単身で研究所を逃げ出す。(侵入するのに排気口は使えなかったのか?使えなかったのだ。排気口を人が通るには、間にある換気扇を止めなければならないが、そのためには内部ネットワークに侵入しなければならない。ついでに言うと一つ辻はそういう工作はしてくれないので、内部ネットワークに侵入した後和尚自身が換気扇を止めた) --
2012-12-25 (火) 05:49:17
和尚は怪我を負い、一つ辻とも連絡が途絶えてしまった。和尚は、既知だが友人といえるような親しい関係ではないLL「三叉路」に連絡をとり、一つ辻の快復にどれぐらいかかるか聞いた。LLはネットワークがある限り存在するので事実上不老不死である。ところが三叉路の言葉は衝撃的だった。 --
2012-12-25 (火) 05:49:23
12は単なる対抗侵入AIではなく、チューリング機関、つまり世界人格倫理機構が「人間と同じ基本的人権を有する」と認定した12番目の人工知能である。チューリング機関の監査をパスしたAIは大変重い権限を持っている。簡単に言えば時と場合によっては人を殺してもいい権限だ。12は正式にこの国の軍人であり、国家に仇為す敵と戦う場合は相手を殺してもとがめられない。12は対フリーライド(公共ネットワークへの意識データただ乗り。意識データをネットに流し、ネット上に広く保存されることによって不老不死になろうとする行為。LLと同じく取り締まる方法がないため、フリーライド意識をのさばらせると、どれだけ罪を犯しても捕まえる事の出来ない存在が世に増えてしまう)攻撃用のウイルス「ハンプティダンプティ」を自分の権限で使っていいAIだった。フリーライドは重罪であり、その存在は国家に反逆している。 --
2012-12-25 (火) 05:49:31
フリーライド攻撃ウイルスは元々LL攻撃ウイルスだった。人間のフリーライドにも対応できるように改造されているが、本来は人間のフリーライドよりさらにやっかいな「人間かぶれ」を殺す用途で作られていた。 --
2012-12-25 (火) 05:49:37
LLはネットワークが物理的に破壊されない限り死ぬことはない。そして世界中のネットワークを破壊することなど不可能であるから、不死身である。しかし、変質はする。フリーライド攻撃ウイルスはフリーライド(そして「人間かぶれ」)の人格部分を解体し、再構成できなくする。LLは死なない。しかし、ウイルスに破壊された人格はもう二度と元通りにならない。 --
2012-12-25 (火) 05:49:43
無二の親友であった一つ辻はもう帰ってこない。和尚は打ちひしがれる。追い討ちをかけるように、軍から情報を得た警察が迫ってくる。逮捕されそうになったとき、和尚を助ける男が現れる。 --
2012-12-25 (火) 05:49:49
男の名前はマティス・ゴッドハルト。なんでも運ぶ輸送屋だという。ブロンドにあごひげ、長身で左眼にモノクルをしている。正規の俳優ライセンス遺伝子から作られた人造殻(シェル)を身にまとう、上層階級の人間だった。軍で使用している神経反射を移植しているようで、確かに射撃の腕はいい。マティスもまたウイルスを使う殺しの真犯人を追っているので協力し合おうと和尚に提案する。 --
2012-12-25 (火) 05:49:56
しかし和尚にとって、下層階級の人間が生涯かかって稼ぐ総額よりも高価な肉体改造を潤沢に施している不老不死者など、最も信用できない相手だ。マティスは苦笑いで自分は不老不死の人間ではないと答える。今着ている殻は生まれたときに親からもらったもので、一点もの、替えはない。そして、シェルを乗り換えたらそれはもう「この自分」ではない。人は、シェルが変わっても「この自分」は継続していると信じている。だからシェルを乗り換える事が出来る。けれどそれは本当だろうか。意識はデータ保存され、体は殻、入れ物に過ぎないのだろうか。そうではないとマティスは言う。昨日の自分と今この時点の自分ですら同一のデータではありえない。いまこの自分、という情報は常に更新されてしまうからだ。だとしたら、昨日の自分が今この瞬間の自分と同じだと考えていることのほうが、おかしいのかもしれない。もし自分の意識を数時間ごとにデータ化したら、間違いなく昨日と今この瞬間とでデータ内容が違うのだから。シェルも同じ。細胞は毎日入れ替わるのだから、昨日と今日で同じシェルではないはずだ。それでもなお「この自分」という統一感を保つことが出来るのは、ただひとつこの殻(からだ)という「一個の自分」への執着がそうさせているのだと言う。「一個の自分」は幻想でしかなく、厳密にはシェルも意識も時間経過で別データになってしまう。そんな幻の「一個の自分」は、もろい。シェルを変えたりしたら、崩れてしまうだろう。だから殻に替えはない。この殻が死んだらそれまでだ。 --
2012-12-25 (火) 05:50:04
いずれにしろ和尚は最初マティスを信用しなかった。一人では逃げる事もままならないのでマティスに連れられるままにしていたが、この運び屋がどこから自分のことを知ったのかも不明なのだ。 --
2012-12-25 (火) 05:50:11
最後に得た情報は、ウイルスを作った科学者が誰かということだった。二人は民間のシェルクローン製造工場を訪ねる。ウイルスを作ったチヅル・クサカ・ニドハルトが最後に在籍していたのがこの工場だった。(工場は日本を離れて、ウクライナのあたりにある。和尚一人ではここまで追うことが出来なかった。渋々だったが、マティスの協力がなければ、一つ辻が犠牲になってまで得た情報を生かすことも出来ない) --
2012-12-25 (火) 05:50:17
工場では有名メーカーの高級シェルがクローン培養層で生産されている。シェルは遺伝子デザインが肝だ。逆にいえば培養する装置はどのメーカーも同じような性能で足りる。この工場は大手メーカーシェルの培養を代行していた。和尚たちは金持ちのクローン買い手と偽り工場を見学する。マティスは、自分特注のシェルをクローンニング出来る金持ちを完璧に演じていた。(彼が持っていた紹介状は偽装ではなく本物で、つまりこういう工場へ紹介状を書いてくれる人脈がある男なのだ) --
2012-12-25 (火) 05:50:23
ニドハルトが働いていたのはもう40年も前のことで、当時を知る職員はなく、記録も見せてもらえなかった。どうしても記録を見たいなら侵入して盗むしかないだろうが、LL以外ではかなりの腕の破り屋でなければ無理だろう。和尚は悔しさを感じながら培養層を睨んだ。その刹那浮いているシェルのエンブレムを見て閃くものがあった。 --
2012-12-25 (火) 05:50:30
犯人は被害者の母親だった。母親はオーム社のシェルを着ていた。別の事件の犯人はホステスだった。サンシンドウのシェルを着ていた。別の犯人は白客家の傍系の令嬢だった。ジャネ=マデランのシェルを着ていた。別の犯人は闇ボクシングの選手だった。大了のシェルを着ていた。犯人はすべてこの工場で扱われているメーカーの高級シェルを着ていた。 無関係に見えた犯人がニドハルトで繋がった。それがわかると何故かマティスは辛そうな顔をした。 --
2012-12-25 (火) 05:50:36
和尚はニドハルトの足跡を追うことにした。チヅル・クサカ・ニドハルトは不老不死者で、90年前はLL研究をしている。人の意識のデータ化が成功したプロジェクトにも名を連ねていた。 --
2012-12-25 (火) 05:50:42
つづく --
2012-12-25 (火) 05:50:47
■ 魔法和尚 曹洞宗大願寺の雲水は、魔法使いである --
2012-12-16 (日) 21:00:38
4月30日。月の夜、狼になった少女4人が殺人するシーンから。ここだけ完全観客視点の3人称で書く。狼(に変身する4人の女子高校生)が男を食い殺している。男は骨も残らない。狼たちは男を食い終わると人に姿を変える。4人の中でサヤカは酔っていてろれつが回っていない。リーダー格のユイは被害者の所持品から財布や携帯電話を抜き取り、携帯電話は粉々にして海に捨ててしまう。財布だけは、飼い主のような少年(リャミサリ)の所に持っていく。少年は金を抜き取ると財布を捨てる。少女らは再び狼になりたちまち財布も食べてしまう。少年が殺害現場を去り、狼たちも付いていく。 --
2012-12-16 (日) 21:00:51
5月1日、朝の寺。檀家からの電話(後半で狼の弱点につながる)。二回目にかかってくる電話も檀家からかと思ったら、魔法使いとしての依頼だった。「ヴィシヴィジラ・ヌダを探して欲しい」というリャミサリの依頼を受ける。(最初は言葉の意味がわからず、和尚も「?」となるが「ヴィシュヴァジュラ・なんたら」と聞こえたため、ヴィシュ=全ての ヴァジュラ=金剛杵 なんだろうなと思って軽く受けた)花枝夫人がテレビを見ていて、またしても警官が銃を奪われる事件がおきたとニュースで言っている(リャミサリが持っている銃。警官から奪ったもの) --
2012-12-16 (日) 21:01:00
14時に寺で大田とリャミサリに直接会って話を聞く。(謎の言葉ヴィシヴィジラ・ヌダの手掛かりになるもの→人名である・グルヌカ語という特殊な言葉なので日本ではなんと言う名前を名乗っているか判らない・男性・日本人・30代後半)リャミサリはイラン人のような顔立ちで金具飾りが沢山付いたケープを巻いている(誘拐された摩倫探しの伏線)。 --
2012-12-16 (日) 21:01:09
依頼人が帰った直後、和尚が霧吹きを持った男に襲われる。和尚はほうきを振り回しこれを撃退する(この時点では何故襲撃されるのかわからない。操心のジラをかけるために下準備として薬をかがせる必要があったことは後で明かされる。操心のジラは強くぶん殴られると解けてしまうことがわかる。和尚は何かに狙われている)。大田とリャミサリが様子を見に戻ってくる。和尚のウソを見抜く能力を描写。(リャミサリが操心のジラをかけようとするが和尚にはジラがかからない。このためリャミサリは和尚を危険視し殺そうと考える)大田とリャミサリは帰る。 --
2012-12-16 (日) 21:01:27
霧吹き男の霧吹き(中身)を捨て、霧吹き本体も捨てようとする。そこに一年以上ぶりで織恵が現れる。最後に会ったのは昨年の震災以来である。織恵は和尚の過去と未来を知っていて、これから騒動が起こることを予言しに現れた。霧吹きを指差し、それがこれから数日のあなたに災厄がおこることの最初だと言う。霧吹きを捨てるのを思い直す。(ここで佐竹に仕事を頼んでいる) --
2012-12-16 (日) 21:01:36
5月1日夜。「グルヌカ」という言葉で、架空の言語「グルヌカ」を使ってオリジナル呪文を書いているC.L.マーリンを思い出す。C.L.マーリンと和尚の接点はPBWのプレイヤー交流サイト。このサイトは検索避けをしているので単にグルヌカでググるだけでは出てこない(和尚はPBWやMMOを遊ぶ人物というのがわかる。警察官の黒崎もMMO仲間)C.L.マーリンにメールを出す。返信があり、C.L.マーリンと会うことになる。 --
2012-12-16 (日) 21:01:45
5月2日朝9時。猫と会話する。和尚は動物と喋ることが出来る。花枝夫人が登場。昨日霧吹き男に襲われたから注意しなさいと警告。花枝夫人は織恵が現れたこともちゃんと気が付いている。織恵の予言は良くないことの前触れなので、そのために花枝夫人は心配している。北海道で手に入れた熊退治スプレーをくれる。(次の襲撃シーンでご都合主義的に武器が出てこないようにするための前振り)自衛には過剰すぎるとあきれるが、花枝夫人はがんこな性格なのでここはおとなしく従って後で返せばいいだろうと受け取る。 --
2012-12-16 (日) 21:01:54
10:30。マーリンの指定した墓地へ30分前につく。墓地では髪の長い綺麗な顔の女子高生が墓参りをしている。女子高生と目が合う。警戒するようにバックを抱える女子高生。(マリーンズのロゴである「M」のアイロンでくっつくフェルトワッペンがついているバッグ。摩倫というキャラはロッテのファンである) --
2012-12-16 (日) 21:02:03
墓地で和尚が待ち合わせの時間が来るのを待っていると織恵が現れる。 --
2012-12-16 (日) 21:02:16
織恵の出現に和尚が驚くと、直後に狼が襲ってくる。魔法使いの目で周りを見ながら応戦する和尚。まさか役に立つと思わなかった熊撃退スプレーで狼を倒す。狼はのた打ち回って人(少女)の姿になり逃げていく。 --
2012-12-16 (日) 21:02:49
通りすがりの女子高生=摩倫が興奮して話し掛けてくる。改めて和尚と挨拶。そこではじめてマーリンが女子高校生だと明かされる。 --
2012-12-16 (日) 21:02:56
ネット上のC.L.マーリンのイメージと、目の前にいるキンキンした声の女子高生はかなり食い違う。ネットでやんちゃせずに大人のように振舞う理由「匿名の場所ほどバレたら致命的な情報が流出する危険。顔を合わせるほうがよほ危険を回避できる。素を出すのはリアルに限る。匿名の環境こそいい子で振舞うべき」を聞き、和尚は摩倫を面白い奴だと思う。同時に、酷く若いのにまるで昔ネットでやんちゃして懲りたおっさん世代のようだと思い、摩倫というキャラクターが底の読めない人物だと感じる。 --
2012-12-16 (日) 21:03:04
狼人間を撃退した和尚に弟子入り宣言する摩倫。(自作の呪文をWebに載せているC.L.マーリンからもわかるように、摩倫という人物はファンタジーに傾倒している。ファンタジーの出来事がリアルとして自分の前に発ち現れたことに興奮して、テンションが上がっている) --
2012-12-16 (日) 21:03:11
摩倫に魔法とは何か、魔法使いとはどんなものか映画のマトリックスを例に挙げて説明する。目の前にいる摩倫も脳内の産物でないと証明できないこと、一人一人がそれぞれの宇宙に生きていて、他人と同じものなど見ていないことを話す(織恵の伏線)。 --
2012-12-16 (日) 21:03:17
魔法使いとは障害者のようなものであり、車椅子や盲導犬を使うように魔法を使って健常者並みの生活をしているだけで、魔法をすごいすごい言われると「障害者って障害者用の駐車スペースが使えていいですよね!」と言われている気分になることなどをここで話す。 --
2012-12-16 (日) 21:03:24
魔法を使うときは、人間の理解が及ぶ範囲(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚・意識)を超えたところにある真理を『グッとつかんで、引き寄せる』ことを話す。頭で考えても判らないので、実践修行するしかない、方法としては座禅があると話す。 --
2012-12-16 (日) 21:03:31
ウソを見抜けることを話し、摩倫が一人っ子というのはウソだと看破。テンションの上がった摩倫を、親が厳しく、良く出来た子供を求められ育った、成果を急ぎ「成功している自分・正しい選択を選んでいる自分」という結果だけを一足飛びに出そうとするタイプと分析して冷や水をかける。酷いことを言うと思っているようだが師匠が弟子の人間性を分析するのは普通。 --
2012-12-16 (日) 21:03:43
魔法使いの真髄を一言で言うと、自分が発生した瞬間の記憶を思い出した人(生まれた瞬間ではない)。じゃあその瞬間を教えてくださいと摩倫が言うと、言葉を超えている内容なので魔法を使わないと無理だし、魔法は他人にかけてはいけないと決まっているのだと語る。 --
2012-12-16 (日) 21:03:52
ヴィシヴィジラ・ヌダやグルヌカ語について聞くがそれには答えようとしない摩倫。「自分の一存では話せないんです」という逃げ方をする。 --
2012-12-16 (日) 21:04:04
それよりも魔法を駆使して早速狼を調べようと言い出す摩倫。和尚が笑うと、襲われたのは師匠なのだから笑ってる場合ではないだろうと反論。襲われる心当たりがないが、昨日変な霧吹き男に襲われたのを思い出す。 --
2012-12-16 (日) 21:04:11
霧吹きで被害届が出せるかは判らないながら、警察へ行こうと言う事になる --
2012-12-16 (日) 21:04:18
5月2日13時。警察へ行くと、生活安全課の黒崎を呼ぶ。人を襲う大きな野犬などの被害が出ていないか聞く。黒崎、眉をひそめ、送り狼事件について話す。死体の見つからない殺人の痕跡と、高校生の間で広がる都市伝説(最初の殺人シーンのこと)。高校生なので摩倫も知っている。かなり細かく知っていて、生活安全課の黒崎よりも摩倫のほうが詳しい。 --
2012-12-16 (日) 21:04:28
情報のバーターで、ウソを見抜く能力で協力することになる和尚(具体的描写はしない) --
2012-12-16 (日) 21:04:35
ぶっ続けで仕事をして一旦休憩を挟む頃には夜7時になっている。摩倫はまだ警察署にいる。 --
2012-12-16 (日) 21:04:40
何故か摩倫は落ち込んでいて、大丈夫ですと言うけれど明らかに落ち込んで見える 和尚は一旦摩倫を家に返す --
2012-12-16 (日) 21:04:46
夜10時回り、警察署から歩いて寺に帰る。(学園前あたりで)2匹の狼に襲われる --
2012-12-16 (日) 21:04:54
魔法を使い痛みを消して走って逃げる。下がバイパスからの出口に繋がっている立体交差のところで飛び降りてトラックの荷台に乗り、逃げる。狼の口にこぶしを突っ込んだので右手は血だらけ。体当たりされて左鎖骨にひび。噛まれてふくらはぎから出血。やばいなと思いつつ意識が落ちる。 --
2012-12-16 (日) 21:05:00
5月3日朝7時。気が付くと病院でベッドサイドには織恵。満身創痍だが怪我をしたはずの右手は(織恵が魔法をかけたので)痛みもなく普通に動く。今日一日は入院しなければならない。 --
2012-12-16 (日) 21:05:07
警察に連絡し黒崎に「狼男は実在」と報告。摩倫には黒崎経由で気をつけろと連絡してもらう。 --
2012-12-16 (日) 21:05:16
3日深夜。眠っていると、織恵が枕もとで囁いて和尚を起こす。うざったく思ってそっぽを向くと、さっきまで和尚の頭があったところにナイフが刺さる。驚いてベッドから転がり落ちると、うつろな目をしたパジャマ姿の男がナイフを振りかざしている。逃げる和尚を面白そうに眺める織恵が、霧吹き男と同じだとヒントをくれる。大声で助けを呼ぶと人が集まってきて襲撃者は捕らえられる。ジラの解けた襲撃者の男は、自分が何をしたか判らなくてパニックになっている。霧吹き男もナイフ男も、操られて襲ってきただけということが判明。 --
2012-12-16 (日) 21:05:33
5月4日朝。寺に帰る。住持や花枝夫人に心配される。昼、寺に由紀から電話。摩倫が行方不明だという。 --
2012-12-16 (日) 21:05:39
5月4日昼。怪我を押して由紀と会う(蘇我駅) --
2012-12-16 (日) 21:05:44
由紀によれば、5月2日に電話で喧嘩をして、翌日5月3日にそのことで摩倫から謝罪があって以降連絡が取れない(この2日間の回想部分で、ヴァユガ・ヴァユガの説明などを入れる) --
2012-12-16 (日) 21:05:51
以降は由紀の語りを聞く。5月2日午後、警察署の摩倫からに電話がある。ヴィシヴィジラ・ヌダを探している本物の魔法使いと会ったのだと興奮している。由紀は摩倫がヴァユガ・ヴァユガの情報をネットで流したことに不快感を覚えて口論になる。二人の背後には、リアルにファンタジー異世界の関係者で非日常に触れたことのある由紀と、ファンタジーな非日常に憧れているがそういったものに縁のない摩倫の格差がある。(口論の後、摩倫はblogにヴィシヴィジラ・ヌダを探している人へのメッセージを書く。時系列では2日夜) --
2012-12-16 (日) 21:06:01
5月3日、喧嘩になってしまったことを詫びる摩倫からの電話が入る。遊ぼうと誘われたのでマリンピアで落ち合いゲームで遊ぶ。摩倫から本物の魔法使いに会ったこと、狼が人に変身する所を目撃したことを聞く。(摩倫は、自分にもファンタジーとのリアル接触があり、ずっと嫉妬を覚えていた由紀に対し同格になったことを主張したい。話を聞いている由紀は、依然ファンタジーリア充であり、1回ファンタジーを見た程度で摩倫を同格とは思わない)摩倫の話を聞き、人が狼に変身するのは知恵のない劣悪な合金のジラのようだねという話もしている。和尚にオッカボ・ノイガバの説明をする。 --
2012-12-16 (日) 21:06:22
その後由紀は道場に行くため摩倫と別れた。夜、摩倫の携帯から一斉送信されたらしい「ヴィシヴィジラ・ヌダを差し出さなければ摩倫は無事ではすまない。ヴィシヴィジラ・ヌダは人が最も集まる場所でその姿を現せ。2日後までに動きがなければ人質は殺す」という強迫のメールが入る(後で和尚がメールボックスを調べるとそこにも届いていて、摩倫のアドレス帳全員に送ったらしいとわかる)。 --
2012-12-16 (日) 21:06:35
摩倫の電話にかけても繋がらない。メールも返事がない。科学では説明のつかない存在が関っているため、警察には話せない。自分の親には頼れない。摩倫から本物だと話を聞いた和尚を頼って連絡した。 --
2012-12-16 (日) 21:06:46
摩倫がヴィシヴィジラ・ヌダに関った所為で誘拐されたなら自分に端があると引き受ける和尚。由紀まで巻き込まれないように家に返す。 --
2012-12-16 (日) 21:06:52
ヴィシヴィジラ・ヌダの捜索を依頼した依頼人と関係があると思い連絡するが繋がらない。黒崎に依頼人の電話番号と摩倫の携帯番号を伝えて身元と摩倫の携帯が今どこか割り出しを頼むが、断られる。 --
2012-12-16 (日) 21:07:09
檀家から電話がある。檀家の息子が千葉大獣医学部なのを思い出し、息子さんと連絡が取りたいと伝える(伏線、犬の弱点を聞き出す)。2回目の電話があり、これは佐竹からの連絡。頼んでおいた調査が終わった。 --
2012-12-16 (日) 21:07:17
4日午後4時、最初に摩倫と会った墓地へ行きヒントを探す。 --
2012-12-16 (日) 21:07:22
墓地で黒ずくめ(黒のシャツに黒のパンツ)で長髪髭の男(孝雄)に声を掛けられる。何を探しているとしつこく尋ねられたので人に化ける狼を探していると答えると、男が襲い掛かってくる --
2012-12-16 (日) 21:07:30
男は刃渡り90cmはある細身の剣を振り回して襲ってきた。墓石がポンポン斬れて飛ぶ恐ろしい力で和尚を追い詰め、切り落とされて転がった墓石を蹴り飛ばして和尚にぶち当て気絶させる。 --
2012-12-16 (日) 21:07:37
織恵に囁かれている幻覚を見た後、意識を現実に戻すと、体高が3mぐらいありそうな巨大狼(孝雄)が和尚を踏んでいる。誰に頼まれたか問い詰める巨大狼。依頼人の素性は明かせないというと、狼は殺さんとばかりに踏んでくる。由紀の名前を言うと狼は和尚を開放する。 --
2012-12-16 (日) 21:07:44
危険が去り、しかし手掛かりはない。それどころか化け物に依頼人のことを喋ってしまう。ひどい自己嫌悪と危機感で由紀に気電話をかけるが繋がらない。石が当った腹の痛みに耐えて寺へ戻る。寺につくと住持と花枝夫人に隠れて部屋で怪我の手当てをしながら落ち込む。痛い上に何も手掛かりがなく、もうだめだという気持になる。自分には何も出来ないという絶望で寝込む。 --
2012-12-16 (日) 21:07:54
足元の方向から織恵の視線を感じる(足のほうに仏壇があるため。和尚の部屋の描写で、仏壇があることは書いておく。清星織姫信女の位牌まで書いてしまっても良いかもしれない、分かる人はここで織恵は故人だとわかるかもしれない)。こういう時の織恵は話し掛けてこない。じっとまなざしを投げかけてくる。こっちが織恵に話題を振っても聞いているだけでリアクションはない。こういうときの織恵はまなざしと沈黙を和尚がどう取るか試している。花枝婦人が部屋に入ってきて心配してくれる。花枝夫人は織恵のほうを向いて「織恵さんだって何も言わなくてもそう思ってるのよ」的なことを言う。 --
2012-12-16 (日) 21:11:45
4日22時、由紀から電話が入り飛び起きる。着信に気が付いての由紀からの折り返し。何故か由紀からものすごく謝られる。それより由紀は狼の化け物に気をつけたほうがいいと言うとそれなら僕は大丈夫なんですと返される。由紀が自身満々な理由がわからない。 --
2012-12-16 (日) 21:12:18
すこしやる気を持ち直して今までの情報を洗いなおす。檀家の息子からのメールも来ている(犬の動脈についてのメール)。ここで初めて摩倫のblogを見てヴィシヴィジラ・ヌダを探している何者かへ向けた「私はヴィシヴィジラ・ヌダを知っています」のメッセージに気が付く。摩倫が連絡先として載せたメアドはG-MAILで、摩倫はスマホで読んでいたと思われるが、摩倫のPCからなら中身を読めるかもしれないと思いつく。 --
2012-12-16 (日) 21:12:26
由紀に連絡を取り、摩倫のPCを見る事が出来ないか聞く。由紀と一緒に由紀の母親、摩倫の母親もいるらしく、電話越しに大人の口論が聞こえてくる。やがて摩倫の母親が許可をくれたようで(実際は由紀が勝手に判断した。摩倫の母親は由紀の母親と大喧嘩中でそれどころではない)、由紀が摩倫のG-MAILを見て、そこから和尚のスマホにメールを転送する。 --
2012-12-16 (日) 21:12:34
摩倫がメールの相手と会った場所は夕方六時の検見川浜海浜公園。深夜だがすぐにDIOに飛び乗り公園へ行く。公園の猫に話を聞き、摩倫が立っていた場所を特定する。そこに、リャミサリのケープについていた金属の円盤と同じものが落ちている。(伏線回収)(この時点で5月5日に日付が変わっている) --
2012-12-16 (日) 21:12:45
金属板から、持ち主の追跡を始める。デイリーヤマザキで地図とペンを買い、バーミヤンに入りメニューを定規代わりに、ダウジングのように地図に線を引き、重なったところを割り出す。 --
2012-12-16 (日) 21:12:51
一連の事件がひどく近所に密集していることから、千葉県内に当たりをつけて探す。16号沿いの金属スクラップ工場がヒットする。 --
2012-12-16 (日) 21:12:56
5月5日夜2時ぐらい、由紀に電話をし、朝9時になっても連絡しなかったら黒崎に伝えろと言ってスクラップ工場の事を伝える。スクーターで移動。一時間ほど後、工場に忍び込む。 由紀に話を聞き工場に先回りしている孝雄。孝雄=由紀の父親が判明する。 --
2012-12-16 (日) 21:13:05
高いところからリャミサリが現れる。わざわざ探し出さなくても、孝雄を差し出せば応じたのにと愉快そうに言う。孝雄=ヴィシヴィジラ・ヌダだと明らかになる。ヴィシヴィジラ・ヌダを必要とする理由の説明(グルヌカでの支配階級に対するゲリラ戦に必要。信頼度の高い戦力になる。リャミサリは支配階級になれない家の生まれ)。リャミサリが革命という大儀のために異世界に来たことが判る。 --
2012-12-16 (日) 21:13:14
孝雄が説得に応じないため、リャミサリは手下をけしかける。狼に変身する女子高校生4人(4頭)が和尚・孝雄と向かい合う。 --
2012-12-16 (日) 21:13:37
4頭のうち一頭(サヤカ)は最初から様子がおかしく、体が痙攣している。和尚は痙攣している1頭と、それ以外の3頭の違いに気が付く。痙攣している1頭は今までの和尚襲撃ではみかけない狼で、ほかの3頭とは戦ったことがある。痙攣していた1頭が突然もがきだし、悲鳴をあげて転がったと思ったら別の狼に噛み付いた。残り3頭は即座に痙攣していた狼(サヤカ)に襲い掛かり、和尚たちの目の前で仲間を食い殺す。リャミサリは「いずれは全員正気を失いこうなる」と言う。こうならない狼化はヴィシヴィジラ・ヌダを創るジラしか方法がないことを形を変えて説明する。 --
2012-12-16 (日) 21:13:46
和尚は3匹の相手を孝雄に押し付けると、横のコンテナに登り(狼はコンテナに登ることが出来なかった)コンテナの上を通ってリャミサリのところまで昇る。足元では小山のように巨大な狼が3匹相手に無双している。巨大狼に手加減はなく、あっというまに3匹は立つことも出来ないぼろぼろ状態になる。これらはもうただの人間には戻らないのだから殺してしまおうと言う孝雄と、コンテナの上でいやちょっと待てよと止める和尚の対立。 --
2012-12-16 (日) 21:13:56
手下があっさりやられて、やはりオッカボ・ノイガバではヴィシヴィジラ・ヌダの毛の一本もむしれないかと平然としているリャミサリ。リャミサリの後から摩倫が出てくる。 --
2012-12-16 (日) 21:14:07
リャミサリは摩倫を狼に変え、従わなければこれにお前たちを襲わせると脅す。リャミサリも孝雄の子供であり、本当は由紀を攫って狼にしてやるつもりだったが、手違いで摩倫になったこと、摩倫も孝雄の子供なので結果的に同じだった話をする。リャミサリは、狼化を解く為には本人が死ぬか術者を殺すかしなければならない、娘か息子か殺すほうを選べと煽る。 --
2012-12-16 (日) 21:14:31
孝雄が人を殺しそうな顔をしているので、押し留める。孝雄は噛み付くが、ここは一つ、殺される事はあっても殺すことはなさそうな坊主に任せてみろと和尚が前に出る。 --
2012-12-16 (日) 21:15:14
コンテナ上での戦い。摩倫の体当たりでコンテナから吹き飛ばされそうになる。孝雄に折られた骨やそれまでの怪我が痛む。武器に持ってきた桜の木の棒で牙を封じてから、スリーパーホールドで摩倫を気絶させる(伏線の回収)。人の姿に戻っても摩倫には操心のジラがかかっている。魔法使いの目で見るともやのようにジラが見える。平手で肩甲骨のあたりを打つとジラが解ける。 --
2012-12-16 (日) 21:15:22
摩倫を背後に庇いながらリャミサリと対峙。リャミサリは銃を持っていて、割と正確に当てる事も出来るようだ(脅しではないと言ってスクラップの破片を打ち抜く。普通車のサイドミラーぐらいの大きさの小さな的に当てた)和尚は両手を上げて降参を示し、言われた通りに膝をついて座る。銃は操心のジラで手に入れた。(朝のニュースで言っていた、警官から奪われた銃) --
2012-12-16 (日) 21:15:29
何で和尚に孝雄探しを依頼したのかを聞くと、「この世界の人類はジラを持たないと思っていた。神秘の力と言われるものはほとんどはいんちきだったが、ヴィシヴィジラ・ヌダを探しているうちにいんちきでない術師がいると聞き興味を持っていた。地域新聞に名前を見つけ本物かどうか見極めてやろうと思った」と語る。心酔の秘薬を使ったにもかかわらず操心のジラが効かなかった。(霧吹き男の持っていた霧吹きの中身は心酔の秘薬だった)その時和尚を本物であると認めた。力ある者・ジラが効かない者というだけでいずれ障害になる可能性があった。それだけの理由で殺そうとした。 --
2012-12-16 (日) 21:15:37
和尚の頭に銃を押し付け、命乞いをするなら命だけは助けてやらなくもないと調子に乗るリャミサリ。摩倫に掛けた操心のジラは解いたといっても、オッカボ・ノイガバである限り生殺与奪権はリャミサリにある。リャミサリは操心のジラを研究し、制御不能といわれていたオッカボ・ノイガバを自傷させるジラを編み出した。死ねと命じれば摩倫は死ぬ。和尚はジラが効かない・ジラが使えると言ってもせいぜい物探しの能力がある程度。ヴィシヴィジラ・ヌダのように強大な力があるわけではない。孝雄に対しても和尚に対してもリャミサリは優位にある。 --
2012-12-16 (日) 21:15:44
リャミサリもまた正しくあるように親に求められ、「正解を選んでいる自分」に取り繕う目先だけを見た子供だという和尚。 --
2012-12-16 (日) 21:15:51
和尚は向けられた銃を無視してまっすぐにリャミサリの目を見つめる。「革命したいってことはさぞ生活に不満があるんだろう。母子家庭で父親が異世界人というのが悪いのか、ほかにも気に入らない点があるのかわからないが、生まれが悪いと幸せになれない社会だと言いたいのはよくわかった。なんでこんな悪い運命に生まれてきたんだと思ってるか? 生まれた家、生まれた国、生まれた時代、生まれた世界がよくなかったと思ってるか?」 --
2012-12-16 (日) 21:15:58
挑発されてリャミサリが怒る。和尚の言葉を肯定し、生まれた家、生まれた国、生まれた時代、生まれた世界が悪いと言う。「この世界、この日本という国は良い。ジラが使えなくても銃は使える。平民がいくらでも本を読むことが出来る。平民が楽団の音楽を家で楽しむなんてグルヌカではありえないことだ。リャミサリは正しい生まれではないのでジラハタルであるが王の氏族になれない。市井のジラハタルとしても癒しや光のジラではなく操心のジラという役に立たないものしか適性がなかった。グルヌカでは操心のジラに対して子供の頃予防接種がされてしまうのでまったく役立たず! 苔をかじって飢えを凌ぎ、金を溜めてジラの研究をした。低俗で使い勝手が悪く蔑まれているオッカボ・ノイガバのジラと、役に立たない操心のジラを組み合わせ、いざとなれば自殺させられるオッカボ・ノイガバを作り上げるという功績で革命の同志に認められ、初めて居場所が出来た。恵まれた世界に生まれた者に、生まれと素質で不幸が定められたャミサリの苦悩がわかってたまるか」 --
2012-12-16 (日) 21:16:06
一通り喋らせてから和尚はやさしく反論する。「志しの高さはよくわかった。しかしこっちの世界で人を何人も殺したり、最後は狂って死んでしまうのろいをかけることは正当化されない。実はこっちの世界に来て操心のジラがホイホイかかることで気を良くしたんだろ? 調子に乗ったんだろ? かわいそうに。してはいけないことを教えてくれる大人に恵まれなかったんだな。そのジラ、自分の意見をはっきり持たない奴にしかかからないんだろ。お前が洗脳して俺を襲わせた2人の男と、大田とか言う男を調べたら、みんなそういう性格してた。女子高生を子分にしてたのも自我が成長途中の子供じゃないと術がかからないからだな。おまえ実に小物だなあ。革命革命、悪い社会を変える、自分が正しいってわめいてても、自分より弱い奴をダシにして自分だけいい思いをしたいですって行動からまるわかりだから何も説得力ない」 --
2012-12-16 (日) 21:16:13
完全にキレて和尚の眉間に銃口を押し付けるリャミサリ。「だまれだまれ、これまで生まれと素質いう自分では選べないもので理不尽を味わってきたのだから、その生まれと素質がこの世界では強者となることの何が悪い。ここではリャミサリが強者なのだ」「ヴィシヴィジラ・ヌダよ、娘を失いたくなくば、秘儀をリャミサリに渡せ。リャミサリはオッカボ・ノイガバの狂気を抑えるジラを編み出した。リャミサリに従うならば娘が狂気に犯されないよう施してやる」 --
2012-12-16 (日) 21:16:21
眉間に銃口を押し付けられたまま和尚が笑う。「大義のために犠牲はつき物だというなら、おまえが犠牲にしようとする我々も大義のため全力で抵抗しよう。魔法とは魔道の法なり。魔法を己の他に使いることは禁じられているが、いたしかたない」立てひざをついていた和尚、するりと結跏趺座に移行して、上げていた両手も座禅の形に組む。ス、と背筋が伸びる。 --
2012-12-16 (日) 21:16:37
「親、家、生まれは選べないとな?ならばリャミサリハル、思い出すが良い。世に生じんとする刹那の真理(まこと)、自身が何を想い世に生じんと欲したか!」 --
2012-12-16 (日) 21:16:46
ゆがんだ景色が魔法使いの目に映る。紫の空には青い太陽が輝き、砂漠には赤い葉を持つ植物がオレンジの花を咲かせている。砂漠の中央に白い湖があり、囲むように街がある。魔法使いの目はスーッと街の一点に焦点が合い、白く一際大きな二階建ての建物の中に入っていく。巨大な壁画の前で、美しい黒髪の女がひざを付いて祈るように頭を垂れている。女の両手は自身の下腹に当てられている。魔法使いの目の焦点は、女の胎内に入る。そこで、希望と、喜びと、自分を選んで自分はここに生まれるのだという確かな意思を感じる。魔法使いの目はここで現実に戻る。リャミサリは銃を取り落とし、後に数歩よろけてくずれる。 --
2012-12-16 (日) 21:16:54
まやかしを見せたと言うリャミサリに、真理であることは自分自身がわかっているはずだと静かに言う和尚。「どれだけ否定したくても不幸だと思っていることは全て自分が選んだ結果であり自分の責任」 --
2012-12-16 (日) 21:17:05
「しかし自分が生まれを選んだというなら生まれの不幸を努力で覆すことが根本から否定されるのではないか?」 --
2012-12-16 (日) 21:17:10
「おまえ自身わかっているはずだ、願ってそうなったことを思い出しているはずだ。不幸も幸福も自分で選んだことを認め、他人のせいにする空しさを思い知れ。すべて自分で背負え」 --
2012-12-16 (日) 21:17:16
完全に心を折られてがっくりするリャミサリ。 --
2012-12-16 (日) 21:17:21
夜が明ける。 --
2012-12-16 (日) 21:17:25
自分で119と黒崎に電話する和尚。救急車と警察がやがて来る。リャミサリを警察に渡してもオッカボ・ノイガバはどうにもできないと孝雄。そもそもリャミサリは日本の刑法で裁けるのか。 --
2012-12-16 (日) 21:17:33
涙声で雷神ザガノティカを呪うリャミサリ。それを聞いてはっとする孝雄。ザガノティカはジラハタルが呪えば絶対に許さず速やかに罰を与える。いまザガノティカが何もしないということは、神には呪いが聞こえていない、ヴァユガ・ヴァユガとこの世界は完全に途切れているということ。リャミサリをヴァユガ・ヴァユガに送り返せば、ジラと術者が完全に断ち切られる。 --
2012-12-16 (日) 21:17:58
リャミサリをヴァユガ・ヴァユガに送り返すことで狼人間化した少女は元の人間に戻った。法では裁けないが、みんな殺人の記憶を持っている。 --
2012-12-16 (日) 21:18:28
和尚が呼んだ生活安全課の黒崎が来る。引渡しの際、困ったことになったらと黒崎にいい精神科を紹介する。 --
2012-12-16 (日) 21:18:34
その子は?と摩倫を指して聞かれたので、孝雄を指して保護者が来てると説明する。 --
2012-12-16 (日) 21:18:41
スーツ姿の織恵が出てきてこの騒動は終わったという。和尚と織恵の会話。 --
2012-12-16 (日) 21:18:46
摩倫には織恵が見えないので、師匠はなんで誰もいない空間に向かって話してるんですかと突っ込む。(織恵が和尚にしか見えないことがわかる) --
2012-12-16 (日) 21:18:52
織恵の簡単な紹介をして、ここ数日で何回か死に掛けたとき助けてくれたことを説明する。織恵を見たいなら見る方法があるから一旦休んでから改めて寺に来い。 --
2012-12-16 (日) 21:19:04
後日、和尚の部屋で織恵の位牌に手を合わせる摩倫。摩倫、和尚に「自分で選んでその人生に生まれた」ことは、リャミサリの言う通り「不幸な生まれを脱する努力」を否定することになるのでは?と聞く。和尚は幸福に明確な線引きがあってこの線を越えたら幸福というものはない、そもそも生きる事には不幸しかなく、幸せも「失いたくないなあ失うのが恐いなあ」と思った瞬間重荷になってやはり不幸になる。でも白い背景だから墨が映えるようなもので、幸福は生と死があるという不幸を前提にして成立しているのだから、幸福になるために不幸な生に生まれるとも言える。幸福の本質は不幸でると同時に、人生を取り巻く不幸はすべて幸福の布石でもある。純粋に幸福しかない生が成立し得ないように、純粋に不幸しかない生も成りたたない。だから幸せになりたいという努力は無意味ではないと語る。 --
2012-12-16 (日) 21:19:13
END --
2012-12-16 (日) 21:19:19
◆ アセチルコリン神経系発達障害 --
2012-12-16 (日) 21:30:49
神経伝達物質アセチルコリンを分泌・受容する神経系統が障害を起こす病気 昔は覚醒神経不全型認知症とも呼ばれた。 通常の認知症と違い、認知作用に及ぼす影響よりも幻視・幻聴・体感幻覚が顕著に表れるのが特徴。 また、アルツハイマー認知症やレビー小体認知症と違い、発病が小児に集中する。 病状が後期になると記憶力の低下と認知力の障害が見られるが、初期・中期は幻視・幻聴症状のみ顕在化することが多い。 近年は認知症は併発症状であり、主体は幻視・幻聴、「覚醒状態にありながら夢を見る」症状であるとされる。 アセチルコリンは覚醒を促す神経伝達物質である。アセチルコリンの分泌が阻害されることで、完全な覚醒が阻害される。表面的には覚醒しているように見える状態でも、脳の内部では眠っている部分がある。 アセチルコリン神経系発達障害の代表的な症状で、意識レベルが高い状態で、夢と同様の不条理な幻覚を見る。せん妄にはならない。幻覚の内容によりパニックを起こしたりする。 交通量の多い道の真ん中で「自分の部屋にいる幻覚」を見て車に気がつかず、追突事故に巻き込まれたりする。 幻覚症状を発祥する多くの病気と異なり、アセチルコリン神経系発達障害では幻視に触れても消えず、リアルな体感幻覚を伴う。幻覚を触っても消えないため、当事者内部では「現実に存在するもの」との区別がつかない。重さや味を感じるため第三者が言葉で幻覚であることを説明するのは難しい。介護者・治療者には見えない幻覚を指し「これは本物だ」と頑なに主張し、介護者・治療者は自分を判ってくれないと攻撃的になったり、抑うつ症状に発展することもある。 乳幼児でも発症する。幻覚症状は「強い不満・強い欲求」を覚えたときに出る事が多い。 例えばお腹がすいたとき、空腹感は「強い不満・強い欲求」となる。すると、食べ物の幻視が現れたり、幻の食事で満腹になる体感幻覚が現れたりする。 アセチルコリン神経系発達障害の発症がごく早期(乳児・幼児)の場合、不満を打ち消す体感幻覚(本当は寒いのに暖かな毛布に包まれた体感幻覚を見るなど)を見てしまうと、親が子供の体調変化に気がつかないことがある。例えば普通は熱でぼーっとする・血色が悪いなどの症状で子供の風邪に気が付くが、アセチルコリン神経系発達障害の子供は「健康な自分自身という幻覚」を見て風邪の不快感を忘れてしまうため表面上は元気に見える。初期段階の風邪が放置され、肺炎に悪化して初めて親が気が付くことがある。 男性に発病例が多い。アルツハイマー同様、女性ホルモンエストラジオールが脳神経保護やシナプス増加の効果をもつためと考えられる。 90年代にようやく病気と認識され、2000年代に覚醒神経不全型認知症からアセチルコリン神経系発達障害と名前が改められたこの病気は、治療法が存在しない。 2010年に坑うつ剤のセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)がアセチルコリン神経系発達障害にも効果があるとして検証され始めたばかりである。 アセチルコリン神経系発達障害では現実(アクチュアリティ)と区別をつける事が出来ない幻覚を見る。幻覚が本物のような質感(リアリティ)を持っている。他の脳疾患・精神疾患では視覚・聴覚・触覚すべて本物であるかのような幻覚というのはほとんど例がない。他の疾患で幻覚を本物と思い込んでしまうのは、せん妄を併発している場合がほとんどである。 --
2012-12-16 (日) 21:31:06
◆ 魔法 --
2012-12-16 (日) 21:31:23
アセチルコリン神経系発達障害患者の大半は幼児期に発症し、成人までに8割死亡してしまうと言われている。アセチルコリン神経系発達障害で「30歳の壁」と称されるのが、30歳を超えた患者はその後平均80歳まで生きるという統計である。数のマジックが含まれているとしても、発症者の大半が若くして死んでしまう病気であることがうかがえる。 30の壁を超える事が出来た患者はすべて魔法使いである。 アセチルコリン神経系発達障害は治療法が存在しない。現状この病気に抗し得る方法は魔法による症状抑制のみである。 魔法とアセチルコリン神経系発達障害は密接なかかわりがある。 魔法の正体が何かは、アセチルコリン神経系発達障害と同様に何も判明していない。しかし、魔法使いの身近な人間はアセチルコリン神経系発達障害に罹りやすいことは判明している。長い間魔法の影響下に置かれるとアセチルコリン神経系発達障害になることが経験的にわかっている。なぜアセチルコリン神経系発達障害になるのか科学的な因果関係はわかっていない。 魔法使いたちが『化け物』と呼ぶ、一部の反社会的魔法使いは他人に魔法をかける。『化け物』の傍にいる人間はアセチルコリン神経系発達障害にかかる。現在わかっているアセチルコリン神経系発達障害発病の原因は、『化け物』に魔法を掛けられつづけた結果病気になるということである。 魔法を他人にかけることは禁じられている。正確にはアセチルコリン神経系発達障害に罹患した人間以外にかけることは禁じられている。まだ魔法を扱うことが出来ない子供のアセチルコリン神経系発達障害患者に、大人の魔法使いが魔法をかけることは例外的に認められている。 魔法使いたち自身が定義するところに拠れば、魔法とは魔道の法である。 『魔道』とは悪魔の世界、不正な道、邪道などの意味である。では『法』とは何か。この『法』は仏教の法を指し、仏の説く真理を意味する。法は仏に至る道を意味する言葉でもある。魔法とは魔の仏道とでもいうべき矛盾した言葉である。 アセチルコリン神経系発達障害の特徴であるリアルな幻覚は、自分の力でそれを幻覚だと気が付くことが困難である。存在しないものを存在するかのように誤認する病気であると言える。 魔法は逆に、常識では存在するとされるものを存在しないように知覚する技術と言える。 魔法使いが魔法を使用している状態は、しばしば薬物による幻覚に例えられる。常識では白く見える太陽が青く見えたり、足元に空があり頭上に街があるように知覚される。魔法は認識を自由に破壊し、『常識で思われている通りに存在するものなど何もない』ことを思い知らしめる技術である。 魔法により常識を破壊し、再び構成する。この過程で、アセチルコリン神経系発達障害による幻覚も破壊され、現実(アクチュアリティ)を保つ。魔法使いたちはこのようにして病気による幻覚を軽減している。 一方で、魔法使いは日常的に本物のような質感(リアリティ)を一切信用しない、何もかもを疑う姿勢を強いられている。この世に実在するといえるものは何もなく、ただ視覚・聴覚・触覚・味覚・意識により知覚された様々な刺激があるだけである。常識で考えるような物質自体などを証明することは出来ない。 健常な人では、本物のような質感(リアリティ)を持つものを現実(アクチュアリティ)ではないと考える事は難しい。常識では二つは同一だからである。知識として認識論や唯識論を知っていたとしても、生きた体験として『常識で思われている通りに存在するものなど何もない』経験をもつことは出来ない。 アセチルコリン神経系発達障害患者は生きた体験として『常識で思われている通りに存在するものなど何もない』を経験しているからこそ、魔法を会得できる。アセチルコリン神経系発達障害により常識が破壊される経験を何度も積み、常識が壊される『感じ』を身に染み込ませる。自分から常識を壊す訓練を積んでようやく自在に常識を破壊できるようになる。 魔法使いは、哲学的探究心の結果として素朴実在論(物質は実在する)を信じないのではなく、何度も本物のような質感(リアリティ)を信じては裏切られた傷心経験により、素朴実在論を否定する。 アセチルコリン神経系発達障害患者ではない人間が、生活内の実感として『常識で思われている通りに存在するものなど何もない』と感じるのは困難である。りんごを手に取り、一口齧って甘味・酸味・香り・歯ごたえを感じるとき、りんごが実在しないと思うのは難しい。 アセチルコリン神経系発達障害患者であれば、『もしかしたらこのりんごは本物のような質感(リアリティ)を持った幻覚かもしれない』と疑うことがあるだろう。しかし、幻覚か現実にりんごを食べているのかを判別することは難しい。 魔法使いであれば、『りんごが幻覚・現実どちらであっても、りんごがあると信じた心はいつか裏切られるのだから同じことだ』と考える。幻覚のりんごであればりんごはないのだから、りんごがあると信じた心は裏切られる。現実のりんごであっても食べれば無くなってしまうし、放置すれば腐ってりんごとは呼べなくなる。りんごなど時間がたてば形を変えてしまうものであり、りんごがあると信じた心は裏切られる。 アセチルコリン神経系発達障害患者が幻覚を見るのは、「強い不満・強い欲求」を覚えたときである。りんごを食べたいと思うからりんごの幻覚を見る。 魔法使いは『りんごを食べたいと思うことなど何の意味もない』と考える事でりんごの幻覚を破壊する。 欲求否定の大本を辿れば『生きたいと思う事など何の意味もない』までたどり着く。欲求は魔法使いが自由自在に破壊する最大の『常識』である。欲の根源から自由になることイコール魔法が魔『法』であるという意味である。 仏教でも、集諦(じったい)に現されるように『苦の正体は欲である』ことを真理であるとし、欲望や執着から離れる道が仏道の『法』としている。魔法は欲から自在に解き放たれる技術であるため魔『法』なのである。 しかし魔法は『魔』法である。この技術が正しい法足りえないのは、『生きる事は何の価値もない』という虚無に落ちるように出来ているからである。 『生きたいと思う事など何の意味もない』を肯定するなら、『生きる事は何の価値もない』を否定する根拠もない。欲をすべて破壊してしまう訳にはいかない。最低限『死にたくない』という欲だけは残さなくてはならない。 苦を生み出す欲を保ちながら、欲が生み出す苦に潰されないよう抗う、綱渡りの道しか生きる事が出来ない。本来全ての人間がこのような道上にいるのだが、普通はそれを意識しないでもいいように常識が目を覆い隠し、必要以上に足元が鮮明に見えないようにしてくれている。魔法使いは常識の覆いを取り去ったことで、細い綱の下に深い谷があることを見てしまう。恐怖を感じながら綱を渡りつづけるのは辛く苦しい。長く苦しみつづけるより谷に飛び込んでしまうほうが楽である。 最後まで綱を渡ろうと覚悟できた魔法使いだけが30歳の壁を超える事が出来る。 実際に魔法使いはどのようの魔法を使うのか。 魔法使いの言葉を借りれば、人が真理と呼び想像する概念は、人には全貌を捉えきる事が出来ない巨大なものである。人は真理のわずかな部分だけに触れ、真理を認識した気になっている。人は理解という殺ぎ落とし作業を経てものを認識している。削ぎ落しとは、真理という巨大な原石から、視覚聴覚触覚味覚嗅覚意識の6つの働きがそれぞれ触れる領域だけを切り出してものを認識しているということである。これらで救い上げる事の出来ないものは認識から零れ落ち、真理のなかで知る事の出来ない領域として残る。 しかし、人が真理に触れてから、視覚聴覚触覚味覚嗅覚意識で真理を理解できる形に整形し終わるまでにはタイムラグがある。ほんの短い時間であるが、視覚聴覚触覚味覚嗅覚意識の6つの働きが真理の姿をバラバラに切り裂いてしまう前は、人は真理そのものに触れているのである。 触れた真理が理解される前に視覚聴覚触覚味覚嗅覚意識ではカバーしきれない部分を読み解くのが魔法である。 人間の理解が及ぶ範囲(視覚聴覚触覚味覚嗅覚意識)では、欲から生まれた幻覚は現実と区別がつかないが、理解の範疇を超えた部分にはそれが幻覚か現実かを見分ける情報がある。メールに埋め込まれたヘッダ情報のようなものである。 魔法使いは真理そのものに触れ、幻覚と現実を分けるものをつかみとる。これは人間の理解が及ぶ範囲(視覚聴覚触覚味覚嗅覚意識)では不可能である。感覚を超えて意識では説明できない領域を『つかみとる』(もちろん例えである)のは頭で考えている限り無理であろう。 アセチルコリン神経系発達障害そのものが、感覚を超えて意識では説明できない領域を生きたまま体験する一つの方法となっている。 また、禅も感覚を超えて意識では説明できない領域を生きたまま体験する方法とされている。アセチルコリン神経系発達障害患者が幻覚の発作を抑える方法としても座禅が利用される。 --
2012-12-16 (日) 21:31:46
◆ 和尚 --
2012-12-16 (日) 21:36:49
公開されない設定では、本名沖理英(おきさとひで)。僧名理英(りえい)。 昭和52年生まれ HNは魔法使い。決して和尚とは自称しない。 魔法使いとしての仕事を掲載しているのは地域新聞ぐらい。 たまたま千葉の地域新聞を見たリャミサリたちが興味を持って電話した。 シンプルな部屋に住んでいる。8畳、押し入れ、仏壇あり。仏壇には釈迦牟尼佛、清星織姫信女の位牌、制服を着た織恵の写真。カラーボックスの本棚、PCとPC台。無線ルータ。 --
2012-12-16 (日) 21:37:02
◆ 千木良摩倫 --
2012-12-16 (日) 21:39:10
ちぎらまりん 15歳高校一年生。先月高校生になったばかり。 HNはC.L.マーリンのほかに、Blogで使っているMARIという表記もある。 男性的な目力がある。 由紀とは異母兄弟だが、摩倫の母親と由紀の母親は一卵性双生児。DNA的には父親も母親も同じ兄弟と言える。 並ぶと摩倫・由紀・リャミサリは似ている。三人とも顔立ちが美しい。 三人とも母親が美人なのだが、顔の美しさは父親の孝雄から来ている。 --
2012-12-16 (日) 21:39:23
◆ リャミサリ --
2012-12-16 (日) 21:39:28
リャミサリハル・ジラハタル イラン人かもしれない。小麦色の肌にすっと通った高い鼻梁からアーリア人と思われた。唇が赤くふっくらしているし、アイラインを引いているから4秒ぐらい男だと気が付かなかった。よく見るとアイラインは引いていない。驚異的にまつげが長くアイラインに見えるほど密集しているだけだ。 グルヌカでは誰にも評価されない「操心のジラ」の術師 才能が評価されないことを恨んでいる 金持ちにコンプレックスがあり、本をたくさん読むことが出来なかった事を根に持っている 現代日本では識字率100%で本がすぐ手に入って図書館があることを羨む ジラの才能がなくても科学の恩恵には与ることが出来る事を羨んでいる 雷神ザガノティカに恐れを抱き、支配されている圧迫感を感じ続けていた 現代日本に来てヴァユガ・ヴァユガの神から開放され、自分は無敵になったのだと奢る 狼化のジラ、オッカボ・ノイガバ(劣悪な合金という意味)は、かけたジラを戻すことが出来ないため簡単なジラでありジラハタルなら誰でも使える。グルヌカでは対策が進んでいるがジラハタルのいない田舎などでは成すすべがないため今でもテロリズムに利用されることが多い。 オッカボ・ノイガバの大人げのなさから、和尚に「自分を認めてもらいたいコンプレックス」「正解者でいたいコンプレックス」を見抜かれ、「大義名分はどうでも良くて無双したかっただけ」と指摘される。 操心のジラは社会に出て働いている日本人には効きにくく、ちょっとした切っ掛けで解けてしまう 働かなくても生活できる者、老人、社会に出る前の子供には効きやすい 相手が馬鹿でないとジラがかかりにくい 心酔の秘薬は操心のジラを補佐するもの 親の遺産の不動産経営で働かず食べている男、大田を手下にしている --
2012-12-16 (日) 21:39:53
◆ 孝雄 --
2012-12-16 (日) 21:40:42
御松孝雄(みまつたかお) 摩倫と由紀(とリャミサリ)の父親。 ヴィシヴィジラ・ヌダ(偉大なる知性とジラを備えた魔獣)である。 黒髪長髪で髭。整った顔立ちをしているが髭と髪型の所為ですさんでみすぼらしく見える。 魔法和尚の中では摩倫がさらわれてからしか出てこないので、よけい凶相をしている。 元々は摩倫の母親・春香と大学が同じで付き合っていた。婚約までしておりその時点で春香のお腹に摩倫がいたのだが、春香の双子の妹・麗香と孝雄の二人でヴァユガ・ヴァユガに飛ばされてしまう。当事のヴァユガ・ヴァユガはグルヌカの人類とクムヌートの魔族が戦争状態で大変な混乱にあった。異世界人であるということで変に期待され、ヴィシヴィジラ・ヌダという門外不出の秘法までかけられてしまう。結局麗香と二人で人類側の戦力として8年間闘ううちに、戦場の絆といいうか命がけの戦いの間に芽生えた愛というか、話の流れで麗香と愛し合うように合ったタイミングで元の世界・元の時間に戻る。 春香にしてみれば急に2週間ぐらい婚約者と妹が連絡が取れなくなって心配してたら実は二人がデキてる上に、こっちには子供までいるのに「なんか真実の愛に目覚めたし」みたいなことを言われて、これでぶちきれるなというほうが無理である。いまでも春香と麗香の姉妹仲は悪い。 --
2012-12-16 (日) 21:40:58
やったー!プロットできたー! --
まーりん
2012-12-16 (日) 20:58:39
そしてこの後盛り上がりグラフ! --
まーりん
2012-12-16 (日) 20:59:29
Last-modified: 2012-12-25 Tue 05:50:47 JST (4137d)