TGD/安住区
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- 賑やかな観光地はそのまま賑やかなパニック地帯になった
人々は電子機器の不調により情報を得られず狼狽えるばかり
しかし南東からゾンビと化した人間達が押し寄せてくるのを見ると我先に逃げ出した
自分が安全と思う場所へと
ある者は災害発生時の避難場所へ逃げる事を選び
ある者は家族を思い、自宅への道をひた走った
そしてある者は、紅葉区…人口の少ない場所こそ安全と見なし、北へと走るのだった
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- ゴールデン銀座の一角
- (夕刻。空が赤く染まる頃。安住区の商店街にある個人経営の病院から出てくる)
ようやく終わった。初診で検査は時間がかかるわね。それにしても… (呟きながら空を見上げる。雲は僅か。山間に沈み行く赤い太陽は何か大きく見える) …暑いわね。もうすぐ衣替えだって言うのに。…これはこの後の予定も考えなおしだわ。 (言って、商店街の奥へと目を向ける。視線の先にあるのは甘味処と染め抜かれた暖簾だ) -- 真秀
- 雲海堂で抹茶ぜんざいの予定だったけれど、もっと冷たいものが欲しいわね
そうなると、うん、震動庵でかき氷だわ。いちごミルクの…!(おやつの予定は決まった) (商店街は安住区の学校の生徒が多く見られ、異なる制服の真秀は浮いてはいたが本人は気にしない) (この先には美味しいものが待っているのだ。巨大なかき氷はきっとインスタ映えもする事だろう) -- 真秀
- (こうして、少女のどうという事のない平穏な放課後は過ぎて行くのであった) -- 真秀
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