TGD/まほろば市内
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- ██月██日 まほろば市 安住区 千歳家 -- 千歳百華
- 古めかしいのは門構えだけ。
門をくぐれば、立て直しと増改築が目に見える、大きくもなく小さくもない平屋造りの、お爺ちゃんの家があります。
玄関に3人、私よりは小柄な人影が見えます。開けてみましょう。
- 「モモ姉」「百華さん」「……こんにちは」
姪の██ちゃん、従妹の█さん、従弟の███くんでした。 久しぶり、と応えると、今年小学生になったという██ちゃんは、私に甘えるように抱きついてきて、私は思わず、彼女の頭を撫でてあげるのです。 █さんは、私より三つ歳下のしっかり者で、██ちゃんに「百華さんが迷惑でしょう」と少し笑いつつ、「でも、本当にお久しぶりです」と、お辞儀をします。 ███くんはというと、今年で中学2年生で、会釈をしてからは、ほとんど黙っています。お年頃なのでしょう、たまに視線が怪しくても、私は咎めません。
やがて、私が来たことに気が付いたのか、お父さんの姉で私の叔母の█さんと、従姉の██さんが、台所より顔を出してきます。 お父さんの弟に当たる███叔父さんや、█叔母さんの旦那さんは、二人揃って仕事疲れから、居間で死んだように休憩しているそうです。 「来たわね、電車代結構かかったでしょ。お金は足りた?」と言う██さんは、私と同じ市内に住んでいて、昔からたまに構って貰っている間柄。 実を言うと、お化粧やお洒落も、お母さんや友達より、██さんにたくさん教わりました。 今でも私のことを妹のように可愛がってくれて、「何かあったら、いつでも頼ってね」と声をかけてくれました。 █叔母さんはというと、「まだ時間があるから、お爺ちゃんにもご挨拶を」と私を家の奥へと促します。
お爺ちゃんはまだ元気でした。 私が挨拶をすると、「おう、来たな」と言葉少なに応えて、最近どうか、大学では上手くやれているか、などと他愛もない言葉を交わします。 私が、クレー射撃のできる大学に入ったんだ、と言うと、お爺ちゃんは目を細めて「そうか」と言い、少し考えてから腰を上げ、 部屋の隅の、厳重そうな施錠のされたロッカーに向かいます。 ロッカーの鍵を外し「どうだ、久しぶりに触ってみるか」と言うお爺ちゃんに、 私が、ダメだよ、と言うと、「モモもようやっとそういう分別の付く歳になったな」とカラカラと笑いました。 少しして、「どうだ、どうせならうちで暮らすか」と言うので、大学があるから、というと、「それもそうか」とまた言葉少なになり、 「俺だけじゃなく、親戚は皆協力的だから、いくらでも頼っていい」と言ってから、「あと、客間に荷物を置いてくるように」と言いました。
従姉の██さんが、「この家、地味に広いよね」と私に付き添ってくれます。 そういえば、今日は何の行事で皆集まっているんだっけ、と私が聞くと、██さんは、「百華は気にしなくていいよ」と言います。 お父さんとお母さんは家で留守番で、私だけがお爺ちゃんの家というのも、なんだかおかしな話。 お父さんは仕事だとしても、お母さんは付いてきてくれてもいいのに。
客間に行く最中で、█叔母さんの旦那さんが起きてきて、改まったご挨拶をしてきます。 従姉妹の二人のお父さんです。「これからも、百華さんが良ければ、会ってあげてくださいね」と結びました。 ███叔父さんはと言うと、従弟の███くんのお父さんなのですが、奥さんはもう一人のまだ小さいお子さんとお留守番だそうです。 やはり今はぐったりと眠っているようで、それを見た私は██さんと一緒にくすくすと笑いました。
久々のお爺ちゃんの家ですが、私だって、少し歩けば間取りは大体思い出せます。 客間として使える部屋は2つあって、じゃあ私はこっち、と戸に手をかけると、██さんは、「ダメよ」と慌てたように止めに入ります。 なんで?と聞くと、「だって、その部屋には」と██さんは言い淀み、少し考えて、続けて言います。 「そっちには、お父さんとお母さんが、いるでしょう。」
二人とも、先に到着していたらしく、もうすっかり身綺麗にして、寝床に就いていました。全然、元気そうでした。 ただ、叔父さんのようにすっかり寝入っているようで、起きてくる気配はありませんでした。 ██さんは、私に何か言い含めようとしているようでした。でも、あまり耳に入りません。私は、最近こういうことが多い気がします。 ただ、しばらくすると、私が来たことに気付いたらしく、やっぱり二人共、起きてきました。
██さんは、何かに驚いたらしく、私に、「お爺ちゃんを呼んできて、私は叔父さんたちを呼んでくるから」と言って、バタバタと廊下を駆けていきます。 私は、というと、寝起きで這うように寄ってきたお父さんに左手を取られて
――痛い。
- 10月20日 まほろば市 安住区 千歳家
- (今日は左手が厭に痛むなあ……)
(……何だったっけ。) (――ああ そうだ。) -- 千歳百華
(『生きている人にとっては、まだ立って動いている人を、なんとかしたい』) (『千歳さんは銃を持っているのよね。弾は足りているの?』) (『試す意味が無い。 』) (『ははっ!たしかにな!陰気な放送ばっかじゃみんな気が滅入っちまうよな!』) (『私は『事件』の真相を掴みたい でもそれには今以上の困難が伴うわ』)
(えっと だから――) -- 千歳百華
(かんがえるの やめよ) -- 千歳百華
(*静寂*)
(※千歳百華は 24発分の 散弾実包を手に入れて 帰ってきた) (※千歳百華の お気に入り武器が 更新された) -- 千歳百華
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