MF/0085
- (陸路で行くか空路で行くかという案に対し結局の所途中から陸路という事になった)
(今後の事を話し合うだけならばそれこそ空路のみでも事足りるがそれ以外にも取るべき時間は多い) (再編成などで組織そのものが時間を必要としているなど細々と理屈を付け彼らには納得して貰う事とした) (本音を言えば傍らに居る女性に様々な世界をゆっくりと見て欲しいという理由でありそれを口にしても了承されただろうが) (…色々と変化を感じた一年ではあったがこうした部分だけは恐らく生涯変わらないのだろう) -- コッローディ
- まぁゆっくり行こーよ。途中観光なんかしてさ。これから忙しくなるんだから、着くまではのんびりしていーんじゃない?
……そういうことでしょ? あといろんなとこ見せたいとかさ。(肩をすくめて)言葉が足りないのは相変わらずだね? (くすくすと笑って、コッローディの隣で陸路に揺られている。こちらはこの1年間で少しだけ大人っぽくなったが、軽い調子は相変わらずだ) ……それにしても。最初に会ったときはこんなふうになるなんて、想像してなかったなー。 -- ラリィ
- 癖の様な物でしてねぇ、つい言葉を足りなくさせたり欺瞞を混ぜ込む事で相手に不信や考えさせてしまう
(見抜かれてしまえば苦笑しつつも正直に話す…復讐の為に嘘を吐き続けた結果の悪癖なのだと) (頬杖を付きラリィを眺めながら)ええ私も…初めは彼崎さんの指示で探りに来たな?ではせいぜい利用しましょうなどと考えていましたからね それが今やこうして頼る程に大事な存在になっているとは、…変わるものですね -- コッローディ
- 本当に悪い癖だよ?これからは少しずつ直していかなくちゃ、面倒と回り道の元なんだからね?
(自分の口に人差し指を一本当てて、まるで悪い子を注意するみたいに) 最初は指示ってほどのものじゃなくて、情報聞いただけだったんだよね。 だから会いに行ったのは独断っていうか興味本位っていうかー。楽しそうだったからっていうか。コロちーがもっと悪い男だったら猫が死んでたねえ(楽しそうに笑って) んふふー、そこがアタシの魅力と実力。(と、冗談めかしてウィンクをひとつ)だからアタシに感謝しないと。 アタシはアタシで、コロちーには感謝してるけど、ね? -- ラリィ
- (わざとらしくしかめっ面の子供のような表情を作った後笑顔を向ける、こうした積み重ねで一つ一つ嘘が消えていくのだろう)
やれやれ本当に恐ろしい好奇心だ、ですのでこれからは猫が死んでしまう程になったら私を呼ぶようにして下さいね 何があっても守りますよ、ええそれだけの魅力は認めます(守る…と口にする瞬間僅かに男の表情が強ばる) (気付かれないように軽口に混ぜ込む本心、だがそれでもかつて失った者には守るという言葉は偽装出来なかったのだろう) しかし私が貴女に感謝するのはともかく私が感謝される謂れですか…飛行機ですか?(冗談めかすような問い) -- コッローディ
- 守ってくれるんだ。ふーん。(強張った表情に、ちょっと不服そうな視線を向けた。まるで気まぐれな猫のような)
そういえばカタリナさんってさ。結局男の人なの?女の人なの? (飛行機か?と聞かれれば、それはそれで楽しかったけどさ、と肯定しつつ) それも含めてなんだかんだ、貴重な体験をさせてもらったしね。 面白い出会いだったことには間違いないもん。それこそ、人生を変えちゃうくらい。 この出会いがなかったら、アタシはずーっとあの町から出ないで骨をうずめてたんだろうな、って。 ……今思うと、アタシも過去に囚われちゃってたのかな、ってさ。 -- ラリィ
- (不服そうにされれば少し困った表情になりつつもカタリナの性別を聞かれればおや、という表情)
ロベルトさんから…(と言おうとしてカタリナの人物像しか語っていない事に気付く)女性ですよ ただ恋愛関係などはありません、掛け替えの無い大親友であった事は間違いありませんがね (そう語る男の表情には未だ消えぬ強い憂い、親友と語るにはウェットで…本人も気付かぬであろう感情が籠もっている) (そして過去に囚われていたというラリィに対して男は穏やかに微笑む) しかし生きていく上では過去の檻に囚われている方が何も考えずに済む事もあります ゆったりとした安寧の時であったかも…すみませんつい意地の悪い事を言いたくなりました 私はそれを分かっていて貴女を連れ出したんですよラリィさん -- コッローディ
- ふぅーん?そうなんだ。女の人ねー(恋愛感情はない、と言われても、それを鵜呑みにするにはあまりにも湿っぽくて)
(知らず、じとーっとした生白い視線を向けていた)ま、いーけどね。(つーん、と拗ねたように) (そういうところだぞ?という視線をもうひとつくれたあと、続く言葉には素直に驚いて) ……えっそうなの!? てっきりアタシが魅力的だからだとばっかり思ってた! -- ラリィ
- (事実はどうあれこの男にとっては友情でしかない事は確かなのでその態度に苦笑しか浮かばない)
(驚くラリィに対してこちらも少しだけ驚いた表情を向ける) だからですよ?ラリィさんが囚われていると感じたのは事実です それと共に囚われている方が幸せかもと考えているのも…その上で 貴女が魅力的だから無理やりその手を握ったんです (場所が場所だからか、耳元に寄せれば静かな声でそう告げる) (それともただ単に手練特有のズルい手段なのかも知れない…男の訳知り顔の笑みから窺い知るのは難しそうだ) -- コッローディ
- (やきもちと名前のつく感情と態度だったが、ラリィの中では変なもやもやで)
(そのもやもやも驚きで吹っ飛んでいた) (その隙を突くように、耳元で甘やかに囁かれれば頬を赤く染めて) もう。殺し文句がずるいよ。(赤らんだ顔を見られるのを恥じらって、窓の外に顔を向けた。そのままで言葉を続ける) ……アタシは子どもだったの。ずーっと。オクスリっておもちゃで遊ぶだけの子ども。 でもさ、子どもって、いつかは巣立って自分の家族を持つものじゃない。……手を握られるまで、それをずーっと気付かなかったんだなあ。 だからアタシを大人にしてくれてありがとうって、そう思ってたの。 ……もう。ちゃんと顔を見ていいたかったのにさ。(と、少しふくれて) -- ラリィ
- (膨れるラリィの手を男の手が唐突に握り込む、それは畳み掛ける様な口説き方というよりは…)
(新しい縁を確認させるような優しく温かな握り方だ) 私にとってもラリィさん…貴女がそうなんですよ 貴女がデイライトの改良品を完成させた時私は漸く実感として思い出せたんです …誰かを、いいえ皆を救いたいと子供の頃抱いた夢を 一度は諦め、一度は奪われ…そして一度は自身で穢したその夢を 貴女なら出来ると信じたその時から進もうと決心はしていたのかも知れませんけれどね それでも私に夢を取り戻させてくれて有難うございますラリィさん(男の真摯な顔は常にラリィに向けられ続ける) (そこから再び口説こうとしたが男は思い留まる、直ぐにそうして逃げようとするのは自分の悪い癖だ) (それよりも今は純粋な感謝を…と男の手がもう一度女の手をしっかりと握った) -- コッローディ
- ……アタシもね、子どもの頃の夢を思い出したんだ。叶ったと思ってた夢。
幸せな家族がほしいっていう、貧しくて愛されない子どもの、アタシのみたまぼろし。 (ごつごつとした大きな手の、暖かな温もりを感じながら) 大人ってさ、誰かのために何かをできるひとだと思うんだ。 アタシとあなたとみんなの力で、誰もが幸せな家族を持てるなら――それは素敵なことだなって。 ……あはは。いつのまにか、おんなじ夢を見てたみたい。 ――うん。どういたしまして。そして、あらためて……ありがとう。(その言葉を口にするときには、いつのまにか瞳は合わされていて) (ほんの少しでも切欠があれば、口づけのひとつでもしてしまいそうな――) (そのとき、車内に白い髪の個人秘書の咳払いが響いて、はっと我に返る) (ごめんごめん、と彼女に手を合わせて。それから窓外を指さして) 見て見て!次の街に着いたんじゃない!? (まだまだ先は長い。旅も、人生も、夢と想いの行方も――) (爽やかな潮騒の響く異国の、空と海の青色の境に浮かぶ街並みは美しく。ふと見上げれば天高く、暖かな陽光が映えていた) -- ラリィ
- 〜La fine〜 --
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