街人/記憶のない子
ごうごうと音が響く
- ゆっくりと目を開けると、一面真っ暗な空間を漂いながらゆったりと落ちていた
(また、この夢・・・)
- 意識は朦朧としてここが何なのかは分からない、ただ自分が保護され、預けられる前もこの夢を見ていた事は覚えている
(預けられた・・・) 自分を迎え、受け入れてくれた・・・あのお家
- 見たこともない不思議な人・・それも沢山の人との共同生活・・・
正直不安しかなかった、受け入れられなかったらどうしようって でもそんな事は全然なくて、とても暖かな物に自分が包まれているのを感じる
- (・・・帰りたい・・)
そう願うと徐々に意識が遠のく・・辺りは暗く、冷たいが・・なんだかふわふわと、心地よく感じた・・このまま願い続ければ、自然とまたあの家で目覚められる・・その確信があった (・・・そういえば・・・なんで「蒼い」って思ったんだろう・・・?)辺りは真っ暗なのに・・・そう疑問を抱いた時
ごぼっ
- ぷぁっ!?・・・っは・・・は・・・・っはぁ・・・(思わず飛び起きた、汗にまみれた首元を摩る・・・先ほどまで感じていた息苦しさはなかった)
はぁ・・・はっ・・・(ぽたりぽたりと脂汗を垂らしながら辺りを見渡して自分のいる場所を確認する・・・大丈夫、孤児院だ、いつも寝泊まりしてる大部屋だ)
- ・・・・・はぁ・・・ぁ・・・ぅ・・(安堵の吐息、そして無性に不安に駆られ、自分の体を抱きしめる・・・寝間着は汗でびっしょりと濡れていた)・・・・・・?
(否、汗にしては少しかきすぎではないか?)・・・っ(髪はこんなにも濡れるものだろうか) ・・・ぁぅ・・(布団をめくると粗相をしたとかそんなレベルでなく・・・まるでバケツの水でも浴びせたみたいに全身が濡れそぼっていて) ・・・くちっ!(当然の様に風邪をひいた)
- ・・・・・・ --
- こちょこちょ胡蝶! --
- ひゃぁあ!?(びっくぅとしてから)あ・・あぅ・・・(怖がって縮こまる) --
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