時は黄金暦223年 3月
人災、竜災の果て、次に人々を襲ったものは……
正真正銘の自然災害だった
西方北方を震源地とした大地震
海は荒狂い、山は崩れ、地は裂ける
何者も、母なる大地の怒りと無縁ではいられない
時は黄金暦223年 4月
正義とは何か
人道か? 正道か? 騎士道か?
何れも否
正義とは、勝者である
正義の名の元、勝者は救済という名の略奪に舵を切る
時は黄金暦223年 5月
世界にあるモノは限られている
限られたそれらを得るためには奪う他ない
弱肉強食の理は人の世でも同じこと
生きる為に、喰らう為に……奪う為に
東の獣が牙を剥く
時は黄金暦223年 夏
かたや、必勝疑わぬ古豪率いる3万の兵。
かたや、敗北知らぬ豪傑率いる1万5千の兵。
既に忘れ去られた古代文明の地、ゾルドヴァにて相対す。
戦が始まる。
出来試合という名の憐れな戦が。