MI/0007

  •  
  • (苦しい。幾ら呼吸をしようとしても、肺に酸素が取り込まれない。首を絞められていては到底できる事ではない)
    (口を開けて何か訴えようとするが、言葉が出ない。出る筈もない。 せめて首を絞める手を振りほどこうと、伸ばす手も小さい)
    (やめて。なんでこんなことするの…ボクがなにをしたっていうの いきができないから、くるしいから、やめて)
    (この大きな手を止めてくれる何かがあったらいいのに。手が、力を出しているその源を…止められるだけの何かが。)
    (薄れゆく意識の中でそう強く願った…その時だ)
    -- フェル 2021-11-01 (月) 19:48:50
    • (目の前の男が苦しみ出し、手の力が緩んで解放される。 咳き込むように呼吸をすると、急に思考がクリアになった)
      (男はその場に倒れ、身動き一つしなくなった。初めて発現した異能は、男の心臓を止め 自らの身を守った)
      ……とう、さん…? ねえ、おきてよ……(酒に酔うと暴れる父親だった、それでもフェルは彼の事が嫌いではなかった)
      (早くに母を失い、男手一つで子を育てる苦労を、子供ながらに理解もしていた。しかしそれらは、自らの手で失ってしまった)
      -- フェル 2021-11-01 (月) 19:56:22
      • ……また、あの夢か…。(たとえ克服しようとも、トラウマは隙を見てその存在を主張する)
        (11年前の出来事が鮮明に思い起こされ、苦い表情で寝汗を拭う…異能で誰かの心臓を止めたのは、あの一度きりだ)
        (だが、今度は皆を守る為…自らの心臓を止めねばならない。その事自体に迷いはないが…どうしても暗い記憶が付き纏う)
        (どうしてこう、忘れたい記憶だけは奪ってくれなかった。 そう心で呟く……決戦は近い。)
        -- フェル 2021-11-01 (月) 19:59:38
  •  
  • (10月半ば、菊上臨海公園)……寒くなければ、潮風も心地いいもんだなァ。 そうは思わないかい?
    (日も傾き始めた頃、ベンチに座ったままで 後ろに感じた気配に声をかけた)
    -- フェル 2021-10-24 (日) 13:32:39
    • 分かるといえば分かる。けど、こっちの冬は厳しいって聞くよね…関東の出だから、雪とか積もるとヤバそうで。
      (横から紙袋をずいと差し出し、隣に腰を下ろす)…差し入れだよ。 小腹を空かしてるんじゃないかと思ってね
      (以前見た時とは異なり、ごくごく普通の高校生といった服装で、仮面もしていない…強いて目を引くものがあるとするなら…)
      -- 七瀬 2021-10-24 (日) 13:37:58
      • …そんな顔してたんだな、だから仮面を……(相手の素顔を初めて見て、そんな感想を零した。左頬に走る傷跡と、火傷痕)
        凍結した路面を歩くときのコツは、上から真っすぐ足を下ろすこと。普段の感覚で歩こうとすると、あっという間に滑るよ…(紙袋を受け取り、覗き込む)
        肉まん、ピザまんにあんまん…こんなに? 食べきれない、少し持ってってくれよ…(以前の大食いが嘘のように、今は空腹感も人並みに収まってしまった)
        ちょっと七瀬に頼みたいモンがあってね、入谷さんの許可が下りればだけど。 現状の装備じゃいい加減キツくなってきた
        -- フェル 2021-10-24 (日) 13:44:00
      • 僕の異能で戻せるのは、物だけさ。生物は元に戻らない…回復魔法だって、万能じゃないし(長い前髪を捲ってみせる)
        (隠れていた右の顔面は更に酷く…右目は濁り、視力を失っているだろうことが明確に見て取れた)
        けど、怪異と戦うっていうのは…こういう事だよ。自分が傷つく代わり、誰かがその傷を受けずに済んでいるんだ…
        (紙袋からはピザまんだけを2個抜き取り)あまり食べなくても平気になったの? 経費で落ちる装備なら、大体許可は出ると思う
        …正直、「裏」は僕たち2課でも把握しきれてないからね。君の情報が頼りになってる…その代わり、「表」のサポートはやるよ。
        -- 七瀬 2021-10-24 (日) 13:51:35
      • っ……(何と戦えばこうなるのか。思わず目を逸らしたくなる傷跡を見て、言葉に詰まり)…そう、だよなァ。
        傷ついて欲しくない誰かのために、自分が体張るんだ…退けない場面もあるか。(果たして自分に、そうなってまで戦う覚悟はあるか…問われているかのようで)
        最近は、というか…あの一件から、嘘みたいに腹が減らなくなった。だからもっと持ってけよ(2個かよ、とあんまんを押し付けながら)
        ほい、必要なものリスト(ついでに紙切れを七瀬の手にねじこみ)できれば急ぎで。
        -- フェル 2021-10-24 (日) 14:02:59
      • その様子だと、守りたい人でもできた?(ピザまんを齧り、人懐っこい笑みを向ける)もしそうなら、それは強さにも弱さにもなるよ。
        後ろに、守るべき人がいるから退けない。本当に必要なのは、命を賭ける覚悟じゃなく…どんな傷を負っても、必ず守り切って生き延びる覚悟だと思う。
        要は、自分の身も守らないといけない、最低でも2人守るって考えると荷が重い話…だね。 …あんまんは嫌い、ごまみたいな匂いする奴が特に苦手なの(拒否る)
        …なになに。 防刃素材のベストに、9mmパラベラム弾200発、ブローニングHP二挺(タンジェントサイト付に限る)、同予備マガジン6本とマグポーチ…銃だけ妙に拘りがない?
        -- 七瀬 2021-10-24 (日) 14:16:07
      • チッ……(自分の迂闊さを呪った)…まァ、ね。 何ていうか、傷つくとこを見たくないって言うんだろうか…
        (自分より小柄な隣の少年は、その結論にたどり着くまでにどれほどの修羅場を潜り抜けてきたというのだろう。傷の数だけ学んできた筈だ)
        正義のヒーローなんて死んでも御免だ、と思ってたんだけどなァ……自分を守れ、それで皆も守れ、か。(突き返されたあんまんを齧る)…あっちぃ!!
        何だよコレ、中のあんが火傷しそうな温度じゃないかァ…くっそ… ポリマーフレームの銃は怪異相手じゃ脆い場面がある、あと趣味。
        -- フェル 2021-10-24 (日) 14:24:32
      • 失うものが何もない人間は、強いかもしれないけど…強さの伸びしろは殆どないからね。逆に守るべきものがある人間は、どこまでも強くなれる。
        いい傾向だと思うよ? 失ってからじゃ、後悔したって足りないんだから…(そう言って、海へ向ける視線は遠く)
        正義のヒーローには、少し前まで憧れてた。けど、性に合わないって気づいて…なら、自分が正義になればいい。自分だけが信じられる正義を持てばいい、って
        あんまんは半分に割って、しっかり冷まさないと… …趣味。(復唱した)これぐらいなら調達できるとは思うけど…
        -- 七瀬 2021-10-24 (日) 14:34:13
      • どこまでも強く、かァ…(沈みゆく夕日に手を翳しながら)壊す為じゃなく、守る為に…力を求めるなんてこと、無かったな…
        仲間との信頼関係を築くのもそうだし、一人の時と違ってやる事が多すぎる上に…慣れない。
        …なんだそれ、屁理屈みたいにも聞こえるなァ。自分が正義そのもの、か…だいぶ傲慢に響く。
        じゃあ、早めに頼む。 あぁそれと……
        -- フェル 2021-10-24 (日) 14:41:57
      • そうやって四苦八苦しながら、大事なものって作り上げてくんじゃないかな…で、失くしたくないから必死になれる。
        うん、屁理屈だよ?(あっけらかんとして笑う)要は自分の中で納得できれば、それでいいっていうだけのこと…気に入らない響きの言葉は、置き換える。
        (ベンチを立とうとして、呼び止められ)…うん、他にもなにか?
        -- 七瀬 2021-10-24 (日) 14:45:00
      • あ、あァいや……その、なんだ。 伊上にいたんだろ?七瀬なら、いろんなヤツと知り合ってるだろうと思って…
        例えばの話… 自尊心の強いヤツを、傷つけないように…手を貸したりとか、守ったりとか… そういうのに詳しくないかな、って…(しどろもどろ)
        -- フェル 2021-10-24 (日) 14:49:25
      • 個性に関してはすごく豊かな面々だよ、僕の友人は。 うーん、そう…だなぁ……相手の立場を損なわない感じに、とか?
        でもそれだと、なんか卑屈な風になりかねないし… そっか、そういう事か(くすり、と笑って)
        じゃあ自分で悩んでごらんよ、それだって大事な勉強と思って… それと、僕の名前は七瀬じゃない。奈々崎 七緒。
        呼びづらければナナでもいいし(それなら偽名とも共通してるから都合がいい、と)じゃあね…?(足早に去っていった)
        -- 七緒 2021-10-24 (日) 14:54:30
      • いつか、その友人の話も聞かせてくれよ。 伊上ってのも、案外面白そうな場所だ…少し興味が出てきてる。
        ちぇ、せっかく頼ってみたら自分で考えろときた…いいさ、まだ行き詰ったわけじゃない。答えも出るかもなァ…
        奈々崎……(苗字と名前に同じ文字列が続く偶然。自分と同じであることに不思議な感じがしつつ)あぁ、また…(背を見送って、暫く日没の海を眺めていた)
        -- フェル 2021-10-24 (日) 15:00:45
  •  
  • っ……!(目を開く。夜だ。どうやら現実に引き戻されたらしい…傷の痛みもまだ新しく、実際の時間経過はほぼゼロといっていい)
    (倒れた体を起こそうとする背後で、何事か喚きたてる博士。何を言っているのかはよく聞き取れないが)
    (傷口は黒い靄のようなもので塞がり、それ以上の出血は起きていない。頭痛も、鼻血も…嘘のように収まっていて)
    (思考がとてもクリアになっていた。五年来の付き合いだった空腹感も今は無い)よし……いける。
    -- フェル 2021-10-17 (日) 00:21:20
    • おいっ、何やっとるんじゃ起き上がってくるぞ!早く体を再構築せんか!
      無力化できん事には尋問どころか…ええい、なんなら殺しても構わんっ!(ドッペルゲンガーに対し、更なる攻撃指示を下す) -- ギーゼン 2021-10-17 (日) 00:25:48
      • ハイ ボ9は一人で十分deathのデ… 偽物は始末死マス…!(賽の目に切り刻まれた傷跡も生々しく、新たに腕を生やす)
        こレで おワリ …DA!(両腕の圧倒的質量による叩き潰し。朽ちたアスファルトの破片が無数に飛び散り、地面が半径数メートルに渡って陥没した) -- フェル(ドッペル) 2021-10-17 (日) 00:31:30
      • ……今、何かしたかい?(そんな陥没した地面の底で、見上げる姿は…偽ティランの腕が全く触れられておらず)
        よっ、と……(軽い跳躍でその穴から抜け出すと、ドッペルゲンガーへびしっと指をさし)
        ボク達の脳内会議は全会一致で、オマエを倒すことに決定したよ。いいや、ボク達じゃあない…もう、ボクだ。
        そして…(軽く腕を振るえば、ドッペルが真っ二つに裂け…その後ろの博士までも傷つける)
        他の皆はドッペルゲンガーもまた自分なのだと受け入れたけどね。 ボクは違う。オマエは断じて、ボクじゃない 逆立ちしたってボクにはなれない。
        (切る。切る。切り刻む。突き刺す。圧し潰す。抉り取る。ねじ切る。)ボクを、ボクの仲間をこれ以上愚弄するな。
        (無慈悲なまでの暴虐の後…ティランの口を大きく開けて)…オマエも、ボクの血肉になれば…それで初めて、ボクの一部だ。(跡形もなく、喰らい尽くした)
        -- フェル 2021-10-17 (日) 00:42:24
      • ぎゃあああっ、ひぃっ!? や、やめ…やめてくれぇっ わ、わしは…!
        (必死に弁明の言葉を探すが、急に出てくる訳も無く。傷を庇うように命乞いをするばかり) -- ギーゼン 2021-10-17 (日) 00:46:21
      • (自分の身に宿る怪異は、暴食の暴君。自らの意にそぐわぬ者は力でもって屈服させ、支配する)
        (だが、ここでこの醜い男を殺せば、自分もまた同じ醜い存在と成り果てるだろう。 これからは暴君ではなく、王でありたい。自分の中に在る存在を束ねる、小さな王でいい…)
        …うるさいバーカ。(博士の横っ面に渾身の蹴りを叩き込み、歯を何本か折って昏倒させた)

        ………なぁ、これでいいんだろう?
        -- フェル 2021-10-17 (日) 00:51:05
      • うん、お疲れ様。まさか…本当に命を奪わないとは思ってなかったけど、これで博士を尋問できる。
        (ホテルのエントランスから出てくると、手際よく博士に手錠をかけて)
        正直、肝を冷やしたよ…加勢が必要かと思ったのに、一人でやり遂げた。 約束通り、厚生労働省衛生2課は、君を歓迎する。
        -- 七瀬 2021-10-17 (日) 00:54:47
      • あァ、結局記憶は戻らなかった…そしてこれで、ボクは組織の裏切り者となった。踏んだり蹴ったりだね…まさしく
        (その場に座り込み、月を見上げる)…けどまァ、悪い気分じゃない。 スカッとした。
        やれやれだね、お次は政府の犬かァ…首輪はいつまで経っても外れない。
        (衛生2課の職員たちが駆け付け、博士を連行していくのを後目に そう笑うのだった)
        -- フェル 2021-10-17 (日) 01:02:08
  • (気が付けば、一人…寒村の広場に立ち尽くしていた。時間も日中であり、建物も明らかに現代の建築様式ではない)
    なんだ……どうなって、るんだ…? それ以前に、何処だ…ここ(最近、似たような体験があったが あれはベッドの上だった。これは明らかに違う)
    (そして今までとはっきり違うのが、自分の中の怪異の存在を感じ取れないこと。 異能はおろか、ティランを呼び出すことも一切できない)
    -- フェル 2021-10-16 (土) 22:53:19
    • (状況を整理する。博士を呼び出し、自分のドッペルゲンガーを模した人工怪異との戦闘…そして、半ば相討ちのような状況での負傷。)
      ……ボク達は、死んだ…のか?(はっとして、腹の傷を見るが…そんなものは最初から無かったかのようで)
      -- フェル 2021-10-16 (土) 23:00:32
      • まだ死んでないよ…もうじき死ぬけど。(やせ細った青年が、いつの間にか立っていた)
        今までずっと耳を傾けてくれなかったお前さんに、最後くらいは話をしたくてな(立つ力もなくした老人が、座り込んだまま)
        ねぇ…そうやって今も目を逸らし続けるの?(地面に倒れた女性が見上げる)
        わたしたちの事、見ないようにして ボク達はひとつだ、って思い続けるの?(しゃがみこんだ少女が、そう告げる) -- 村人 2021-10-16 (土) 23:08:31
      • (気が付けば広場は自分を中心に、数十人に取り囲まれているような有様で。そこでようやく理解する)
        …君達一人ひとりと、向き合っていたら…ボク達は、壊れてしまう。 あんな感情を、苦痛を何十人分と流し込まれるんだぞ…
        あァ、でもどうせもう壊れるのか… ならどうでもいいや、最後なんだ…付き合ってやる。
        -- フェル 2021-10-16 (土) 23:16:06
      • (これらは、飢饉の末に犠牲になった者たちの残留思念だ。怪異となる前の…しかしながら、データとしてコピーされた結果、色々な要素を欠損してしまった…)
        (おかげで、最も大きかった感情。負の側面が大きいものばかりが前面に押し出されてしまった。)
        ここは、座標的には今の水白と全く同じだ。 今、まさにお前さんが倒れている場所だな
        私達は、ただ静かに眠っていたかった。眠っていれば空腹も忘れられるから…けれど、無理やり起こされた。
        それが貴様のせいでない事は承知している。 だがな、否定し目を逸らし続けられては…意思の疎通すらできん
        もはや、わたしたち 一蓮托生じゃないの? だから、こっちを見てほしくて ずっと空腹を訴え続けたわ。 -- 村人 2021-10-16 (土) 23:28:54
      • ボク達は……(望んだ訳ではない。しかし彼らの存在なくしては、あの事件で生存はありえなかった。その記憶が僅かながらに蘇る)
        (破壊され尽くし、瀕死の体を補うように入り込み…組織の一つとなる怪異。死んでいく脳細胞と入れ替わり、記憶の上書きを代償に生命を繋ぎとめた)
        お互い…不本意だった。 望んでなんて……いや、死にたくはなかったか…(あの時と、今と。 その間の時期は、死を望んだことも多かったが…今は、失いたくないものが増えてしまった)
        自分の中に、自分じゃないものが居るなんて…ぞっとしない。それを受け入れろっての自体が…難しかったんだ
        -- フェル 2021-10-16 (土) 23:37:02
      • 君の友人にも、自分の中に別の存在がいる者がいたね。だけど君は「自分は彼らとは違う」と主張した。
        話そうとしても自問自答になる?当然だな、我々を無視するのであれば己の内に居るのは自分しかない。
        大勢の中で独りぼっち、それって悲しくない? 寂しくない?
        俺たちの眠りを妨げ、好き放題に弄り回したあいつに一矢報いてくれると期待したんだがな 残念だよ。 -- 村人 2021-10-16 (土) 23:43:34
      • あんなにも冷たく当たったボク達に…仲間だって、信じるって…言ってくれたのにな…馬鹿かボク達は。
        独りぼっちで居たかったわけじゃない、また失くすのが…怖かった。大勢から独りぼっちになるのが…
        だっていうのに、あいつらは…皆は…(放っておいてはくれなかった。だからこそ、放っておけない…死に直面して、改めてそれに気づかされる)
        クソ……もっと、早くに気づいていれば、こんな…!
        -- フェル 2021-10-16 (土) 23:54:40
      • 手遅れだと思うかね? ほほ、かつてお前さんの命を繋ぎとめたのが誰だか忘れているようだな?
        なぁ、君はまだ独りぼっちか? 違うだろう、離れていたって仲間が居る。
        それに我々が手を貸すとなれば、覆せぬ状況など無い。 望め、貴様の望みを言え!
        ねぇ、本当はどうしたいの? わたしたちだって、あなたの一部。みんなで手を取り合えば、こわくない。 -- 村人 2021-10-17 (日) 00:02:29
      • 死にたく、ない…っ! あいつらを倒して、また平坂会で…皆のそばに、居たい……!!
        (それが、自分にできる彼らへの報い方であり、贖いだろうと思ったから。そう叫んだ)
        -- フェル 2021-10-17 (日) 00:05:48
      • やっと正直になった。手間かけさせるよな、ホント…(背中の方で声がした。聞き覚えのある声だ)
        ねー、素直じゃないんだから。ほら、行った行った!(とん、と背中を押された。この感覚に覚えがあるような気がした)
        行ってこい、フェルディナント。ブチのめしてやれ。 …お前が、俺たち異能部隊の、最後の一人なんだ。
        私達の分まで…頼んだよ?(一瞬だけ見えた面々は、とても懐かしく。けれど名前は思い出せなくて…) -- ??? 2021-10-17 (日) 00:10:38
  • (9月の夜、まだ蒸し暑さの残る気候も 吉峰の山中であれば幾らか過ごしやすい…メールで指定した日時どおり、荒れ果てたホテルの駐車場に車が一台。)
    …待ってたよ、1年ぶり…ぐらいだっけ、ギーゼン博士。(そのヘッドライトに照らし出される人影が、そう言って出迎える)
    例の候補者は、逃走の危険があったんで拘束してある…連行の時には注意することだね。
    (車に乗ってきた初老の男が降りるのを、注意深く見守る。まだ気づかれてはならない…これが全て罠であることに)
    -- フェル 2021-10-15 (金) 20:18:57
    • そりゃあ、騒がれると困るな…なぁに、ちと薬を投与して眠らせれば安全じゃろう。そっちは構わんのじゃがな…?
      (バタン、とドアを閉め)わしにだけ極秘で見せたい物があるから一人で来いとは、どういう事か。
      手柄を横取りしようという連中も居ないではないが、なんじゃ…水白でよほどの発見をしたという事かのう
      (ディザストロも一枚岩ではない、欧州支部以外にも研究部と施設は存在する。 怪異研究の横取りを目論む仲間は、居てもおかしくないのだ) -- ギーゼン 2021-10-15 (金) 20:40:55
      • ここは凄いよ、博士の想像を遥かに超える怪異と異能の楽園さァ。 だからこそ、候補者の選定に手間取った…適合者が多すぎて、誰が最適か悩んだのさ
        それに定期報告は読んだろう? 裏の方には、もっともっとレベルの高い怪異がうじゃうじゃ居る。
        (こっちだ、と先導するように歩き出す。博士が続いて…車からある程度離れたところで、ティランを背から出現させ)
        …おかげでボク達も随分レベルアップさせて貰ったよ!(自身は背を向けたまま、ティランの巨大な腕が車を叩き潰す。これで逃げるための足は奪った)
        ここまで嘘は一切ないよ、全部本当の事だ。 そして博士…オマエに見せたいのは、この世の地獄ってヤツさ
        (ゆっくりと振り返る。その表情には憎悪と狂気、そして嘲笑…あらゆる悪意を詰め込んだようなそれ)
        -- フェル 2021-10-15 (金) 20:54:56
      • なんじゃと、貴様っ!?(丸腰の博士に戦闘能力はない 退路も封じられればもはやなす術は無い)
        いつからだ…貴様いつからわしらを裏切っていた! おのれ、そうと知っていれば……じゃが、貴様の処刑ぐらいは容易いわ!
        (封印弾と同様の球体を足元へ放り投げ、自分は慌てて距離を取る)ふっははは、所詮貴様は5年前のわしの作品よ 技術は!常に進歩し続けるのじゃ!
        5年もあれば天と地ほどの差も開く!(閃光と、ノイズが二人を遮った…その向こうに立つのは)
        (フェルと瓜二つの人影)この前のドッペルゲンガーの報告は実に興味深かった!未完成ではあるが再現に成功したのでな…貴様で実験してくれよう! -- ギーゼン 2021-10-16 (土) 19:53:01
      • 了解で su 博士。 もう一人の ボ9を マッサツすれば…いいんdeathね(似ているのは外見だけなのか、声はともかく人格は似ても似つかない)
        (ゆらりと体を揺らすと、ノイズ混じりの偽ティランまでも出現させ)
        オリジナル…偽造品の、偽造品ハ オリジナルと言って も 差し支えnai で脛(妙な発音で喋りながら、博士を守るような立ち位置で構えをとった) -- フェル(ドッペル) 2021-10-16 (土) 20:13:16
      • ………反吐が出るなァ、ボク達をフリー素材か何かと勘違いしてるヤツがここにも居たのか。
        けど、内面の嫌な部分を出してこない…というより再現できていないだけ、裏に出てくるヤツよりはマシだね(鏡写しのように、同じく構え…)
        来いよ、出来損ない。 オマエがオリジナルだっていうなら、ボク達がそれに成り代わってやる…
        (実力まで同等か、人為的に作られた存在だけあって未知数。まずは出方を伺い、その上で対策を取ろうと挑発する)
        -- フェル 2021-10-16 (土) 20:30:26
      • でハ…攻撃開死 ます(動きそのものは緻密さとは無縁そうな、ティランの腕による殴りつけだ)
        (しかしそれは、並外れた破壊力を付与されていた)どうdeath 驚き真下 カ?
        (正面から受ければ、たとえ外皮を硬質化させようとも 丸ごとひしゃげさせてしまうような、重い一撃) -- フェル(ドッペル) 2021-10-16 (土) 20:50:23
      • が、はっ……!!(同じ一撃なら、受け流せる自信があった。それだけに、予想外の威力は殆どまともに受ける羽目となって吹き飛ぶ)
        (空中で、ティランの腕と自分の尻尾を使い…姿勢制御。受け身を取りながら着地して)吹っ飛ばなきゃ、もっと酷いの貰ってたか…
        (異能を使うべきか否か、一瞬迷う。下手な使い方をして昏倒しようものなら、そこまでだ 脳への負荷を考えれば規模にも回数にも制限がある)
        (切り札に温存したとして、勝てる相手なのか?そもそも自分の弱点とは…血の混じった唾を吐き出し、考える)
        -- フェル 2021-10-16 (土) 21:03:42
      • ぬはははは、見たか聞いたか吃驚したか!わしの技術は貴様のレベルアップなぞ軽く超越するのじゃ!
        じゃが、降参は認めんぞ…痛めつけた後で誰の差し金か吐かせ、その上で処分してくれよう!
        (すっかり勝った気になりながら、安全地帯に陣取り)ほれ、さっさと倒してしまえい わしの貴重な時間をこれ以上割く必要はないのじゃ -- ギーゼン 2021-10-16 (土) 22:08:08
      • 了カイ 万全を期死て 戦闘不能に 死マス!(本体のスピードもオリジナル同様、素早い。吹っ飛んで開いた間合いを即座に詰めてくる)
        (パワー型の怪異とスピード型の本体。一見アンバランスなようだが、鈍足な怪異の攻撃速度を本体が補っているのだ)
        阻止て… 反撃への備えも! 防げ…「読み込みに失敗しました 指定されたファイル名は存在していません」!!
        (不可解な台詞と共に、異能を発動しようとして…不発。どうやら異能までは再現できていないが、将来実装する予定だったのだろう) -- フェル(ドッペル) 2021-10-16 (土) 22:17:08
      • は…?(今なんて?)コイツ、もしかして…(異能を使えないのに、異能を使う前提で思考し、行動する。それは致命的な隙だ)
        半端にボク達を模倣したのが災いしたね…(ドッペル側の偽ティランの剛腕が迫る中…此方はあえてティランを引っ込める。そうして身を低くし…)
        (両腕だけを異形化…ドッペルとの相対速度をも利用し その懐に飛び込む!)ボク達の弱点は…間合いに穴がある事さァ
        (長いティランの腕も、その間合いの内側は本体を巻き込むため振るうことができない。特に下方は死角になりやすい 自分の一番されると嫌な戦い方を、ドッペル相手に実践し)
        終わりだ…ッ!!(下から偽ティランの片腕を切り落とし、本体の脇腹をすれ違いざまに抉り…最後にとっておきの異能で、時間停止の刃を格子状に配置し…賽の目状に切り刻んだ)
        -- フェル 2021-10-16 (土) 22:30:59
      • 馬鹿na…防御を! 「実行エラー」 「ファイル呼び出しに失敗」 「管理者に問い合わせて下さい」!!
        dieダメージを 負いま死た……が!(オリジナルであればとうに死んでいた致命傷だが、本体までも怪異のそれは…辛うじて踏みとどまる)
        (痛みや怯みといった要素が無いだけに…)任ムは 推敲…死 マス… ア、アアア…(残った片腕の鋭い爪が、フェルの背中を貫いていた) -- フェル(ドッペル) 2021-10-16 (土) 22:40:39
      • っ……(焼けるような痛みが背から腹にかけて突き抜ける。何が起きたかは、少し視線を下に落とすだけで分かった これは致命傷だ)
        (勝ちを確信した時こそ、気を引き締めるべし。勝って兜の何とやら…だったか、この国ではそんな戒めの言葉があったっけなァ…)
        あ……ぐっ……(言葉を絞り出そうにも、異能の反動が脳に重くのしかかる 今、足元を染めているのは腹の傷か、それとも鼻血か?)
        (ボク達の命はあと何秒持つ?いや、博士は尋問するつもりだった まだ暫くは持つのか…? そう考えるうち、意識は遠のき…ぷっつりと途切れた)
        -- フェル 2021-10-16 (土) 22:47:37
  •  
  • (次に目を覚ました時、自分はベッドの上にいた。体を起こそうにも固定されているらしく、身動きがとれない)
    どうなったんだ……どこだ、ここ…(首は動く。見回して分かるのは、狭い部屋で、窓は一つ。カーテンで外は見えないが…)
    -- フェル 2021-10-10 (日) 15:25:59
    • 水白駅前のホテルの一室。(ベッドの横に置かれた椅子に座りながら、そう答える)悪いけど、暴れないように拘束させて貰ってる。
      回復魔法はかけたけど、軒並み怪異の方に吸収されて…傷は治しきれなかったよ まだ痛むかもしれないけど、そのまま聞いて。
      僕らが目的にしているのは、ギーゼン博士の人工怪異研究だけで…それの阻止以外には無いんだ。だから、君が博士を始末するならそれはいい。
      少しだけ僕らに協力をして欲しい…博士が死んでも、きっとどこかの誰かが研究を引き継ぎ、いつか完成させてしまう。その時のために、分析して対抗策を打てるようにしておきたいんだ
      -- 七瀬 2021-10-10 (日) 15:35:40
      • 死んで、なかったのか…。 ボク達に、復讐を遂げさせてくれるって…そこを確約してくれるんなら、悪魔にだって魂を売ってやるさ…
        (どうせ今の状況では選択肢などいくつもない。この拘束も対怪異用に防護措置の施されたものだというのは、試すまでもなく分かる)
        …で? 分析っていうのは、ボク達の体をモルモットにする事かい?
        -- フェル 2021-10-10 (日) 15:39:51
      • 違うよ、衛生2課はディザストロとは違う。人体実験をする訳じゃなく…博士の研究データが欲しいだけ。
        それを回収した上で、ディザストロのネットワーク上からウィルスを流し、向こうの研究データは破壊する。これも足止めにしかならないとは思うけどね…
        -- 七瀬 2021-10-10 (日) 15:43:32
      • ……信用できないね。自分達がその技術を独占したいだけだと、そうでない保証はどこに…?(首だけ七瀬の方に向き)
        答えろよ…日本政府が軍事転用しないと言い切れるのか? 怪異の力なんて、利用できるならそれこそ…!
        -- フェル 2021-10-10 (日) 15:46:25
      • この国は…先の戦争で、既にそれを試みていたんだ。(床を見つめながら、語り出す)怪異の軍事転用で、戦局をひっくり返す。
        その研究をしていたのが、僕の祖父だった…終戦の混乱で失われていたと思っていた研究の成果は、伊上市の地下で密かに眠っていた。
        それを知って、僕は色んな人たちの力を借り…事態の解決に動いた。それで、全部が片付いた…そう思ってた。
        海も空も、連合軍の勢力下にありながら…日本とドイツは、それぞれ潜水艦を使って密かに技術交換を行っていたのは知ってるかな…?
        ドイツからはジェット戦闘機やロケットの技術…日本から提供したものの中に、怪異実験の技術があった。未完成だったけれどね…?
        それも、終戦のごたごたで消失したと思われてた。 20年ぐらい前に、インド洋で沈没したUボートが発見されたんだ。
        それのサルベージに関与した業者の中に、ディザストロの関係者がいた。そこから先を追うのは大変だったよ…
        -- 七瀬 2021-10-10 (日) 15:54:14
      • 現代の技術で、過去の研究を完成に導いた…その結果がボク達だ、というワケかァ…(目の前の剣士、その祖父さえいなければ起こらなかった現象だ)
        (だが、仇と恨むにはあまりにも因縁が遠すぎるようにも思えた。そして、この剣士は自分の責任でもない何十年も前の身内の不始末を解決しようとしている)
        …生憎、ボク達は末端だ。知らされてる情報は殆どないさ…それでも、いいのなら。 組織の為、国の為、そういう目的だったら断ってたかもなァ…
        個人的な理由で というならまだ理解はできる…もっとも、オマエの事情だけであって あの入谷とかいうのは信用できないけどね…
        -- フェル 2021-10-10 (日) 16:32:49
      • それでもいい。君はこのまま平坂会の一員として動き、博士を誘い出して始末する。可能であれば彼の端末を入手してくれれば更にいい。
        彼の研究が完成してしまったのなら、それを打ち消す研究が必要なんだ。ウィルスとワクチンの関係のようなものだよ…後手には回るけど、それで救える人が居る。
        もし君の裏切りが発覚して、ディザストロから狙われることになろうと…僕ら、衛生2課が君の生活を守る。 これまでの罪状に関しても…できるだけ何とかなるよう、掛け合うから。
        復讐を終えたあとは…罪を贖う、そういう生き方をして欲しいと思ってる。(和解の意味も込めて、右手を差し出した)
        -- 七瀬 2021-10-10 (日) 16:40:41
      • ……いや、あのさァ。 …手、動かないんだけど(拘束されてるんだが?って顔で) -- フェル 2021-10-10 (日) 16:41:46
      • …あ。 いや、ご、ごめん…! 今解くよ…(そんないきさつがあり、顔を見合わせて噴き出しそうになる二人)
        (改めて握手を交わし、ここに密かに同盟が成立した。かつての負の遺産を断ち切るための同盟が)
        -- 七瀬 2021-10-10 (日) 16:44:25
  • (暗号メールは通常の定期連絡には用いない。特別な用件でのみ使用するものだ。厚生労働省の介入についても追記しておいた)
    (…が、当面の連絡方法に変更はなく…ただ、受け渡し場所の変更のみでお茶を濁すという杜撰な方法がとられた)
    まったく辟易するね……(新たな情報の受け渡し場所である、山中の廃工場に足を運ぶ。夏場だけあり、背の高い草をかき分けて進む苦労は並大抵ではない)
    (だがそれ以上に彼を辟易させるものがあるとすれば、先客の存在だろう。丸眼鏡をかけたスーツ姿のサラリーマン風の男がそこに居た)
    -- フェル 2021-10-10 (日) 13:13:14
    • フェル・シュングさんですね …私、厚生労働省衛生2課で人事を担当している入谷と申します。
      (連絡データの入ったバッグを確保する位置を占めながら、男はにこやかに名乗り…名刺を差し出した。およそこの場にそぐわぬ振舞いだ)
      先日はうちの七瀬がご迷惑をおかけしたことと思います、ちょっとこちらとしても予定外の行動でしてね…
      あー、それはさておき。平坂会でのご活躍は見せて頂きました。(くい、と眼鏡を押し上げ)こちらの勘違いかもしれませんが…
      ディザストロからの足抜けを望まれているようにお見受けしましたのでね。 -- スーツ姿の男 2021-10-10 (日) 13:26:07
      • ……(うんざりした顔で名刺を受け取ると、その場で破り捨て…)……!?(られない。紙とは思えない強度だ)
        そこまで知ってるなら話は早いや、口を封じるよりほか…選択肢が無いって事だもんなァ(一切の遠慮なしに、ティランをその背に出現させ)
        悪いけど、ボク達にはやらなきゃいけない事がある。そいつが済むまでは、誰にも介入させない…
        -- フェル 2021-10-10 (日) 13:39:29
      • ケブラー繊維の名刺です。30枚あれば9ミリホローポイント弾が止められますよ…痛いですが。
        おっと…! 短絡的な判断はおすすめしませんよ、状況をよく吟味し、自らの立ち位置を把握した上でお願いしたいですねぇ
        (軽く飛びのく入谷。それに合わせて天井の梁から、二人の間に割って入る影…黒いマントを翻すその姿は…仮面の剣士、七瀬)
        (そして朽ちた工作機械の影から、割れた窓から、裏口から、場所を問わずなだれ込んでくる特殊部隊風の装備をした男たち)
        この場所は我々の包囲下にあります。いやー、苦労したんですよ 雑草を踏み倒して道を作ってしまっては、あなた方に気取られ兼ねないですからねぇ -- 入谷 2021-10-10 (日) 13:47:45
      • (自分に向けられる幾つもの銃口を感じる。レーザーポインターの光点が複数、服の上で揺らぐからだ)
        (これは抗いきれない、と即座に理解した。だがそれゆえに…この状況でなら死ぬ事ができる、とも感じた。生きる目的が達せられない無念はあるが…)
        (耐えがたい空腹感と、自分の中にある無数の怨嗟の声、それら地獄の日々を終わらせることができるというのは 甘い、とても甘い毒だった。)
        やって…みろよ! はははは!!(瞬時にティランを金属質化させ、鋭利なる長針で剣を作り出し、目の前の七瀬と切り結ぶ)
        ボク達は…ずっと待ってたのかもしれないなァ、この時を…!(誰かが、自分を殺しに来てくれるのを。この痛みに終わりを迎えさせてくれる、誰かを)
        -- フェル 2021-10-10 (日) 13:58:02
      • っ…!(あの不可視の剣は、まともに正面から受ければ軍刀では折られるだけ。それを滑らせ、受け流すようにして)
        (身を低くし、ティランの懐から決して出ないように…だが積極的な攻撃には移らない。あくまでこの場での自分の役割は、入谷を守り、攻撃の目を引き付けること)
        栄華を偲ぶ扉…(静かに異能の名を口にする。その瞬間、世界から色彩が失われる…これを認識できるのは、七瀬ただ一人。時間の止まった世界を移動し…)
        …とはいえ、これだけは触れられないね(薄い、時間停止した空間の刃。下手な干渉は危険なので、それを持つフェルの腕の方を蹴り上げる…そして、世界に色彩と時間が戻る)
        -- 七瀬 2021-10-10 (日) 14:06:29
      • なッ……(気づいた時には剣が手から離れている)コイツの能力は…!(瞬間移動では説明のつかない要素が幾つかあった)
        (時間停止。詳細は違えど、自らの異能と同種の何かだと感じる そして、止まった瞬間を自分は認識できていない)
        (七瀬を巻き込まない範囲ではあるが、特殊部隊の連中も射撃を開始。しかし銃弾の悉くはティランの外皮を軽くへこませるに過ぎず)
        舐めるなよ…ボク達は、オマエ等みたいに群れなくてもなァ!(工場の床を爪が大きく抉る。コンクリートの破片が礫となって隊員を襲い)
        くたばれッ!!(剣とは逆の手でマシンピストルを七瀬に向け、撃つ。しかしそれすら囮だ…本命は、床を這わせた尻尾。その先には禍々しい牙が無数に生えて、第二の口と化している)
        -- フェル 2021-10-10 (日) 14:18:49
      • (怪異と一つになった姿に、その力を存分に振るうことの昏い喜びに、かつての自分を重ねてしまった)
        (だからといって、手心を加える理由にはならない。目の前の相手は、そんな生半可な対応で撃破できる存在ではないのだから)
        (銃口が此方を向くよりも先、またも時間を停止し…肘から先を強引に弾き上げ、銃弾が天井方向に逃げるよう仕向ける)
        (一瞬だけちらりと、入谷の方を確認する。戦闘中だというのに余裕の笑顔を崩さない様子に…底知れない何かを感じた)
        (それは自分や隊員に対する絶対の信頼といったものであろうか? これから起こる事を知っているからこそなのだろうか)
        (軍刀を構え直し、無力化の為に次なる一撃を用意する。そこで時間は再び動き出し…脇腹に衝撃を感じた)ぐっ……ぅ…!?
        (ヘビのように死角から這い寄っていた怪異の尻尾が、その牙で食らいついていた。みるみる内、服に赤黒い染みが広がる)
        -- 七瀬 2021-10-10 (日) 14:31:23
      • っと、そう来るだろうと思ったさ 思ったから、思ったからこそ!(囮に食いついてくれた事に喜び半分。残念さが半分だ)オマエなら、あるいはボク達を…(殺しきれたかもしれないのに、と)
        (尻尾から感じる血の味に、そのまま食いちぎって咀嚼したいのを堪え ある方向めがけて七瀬を振り回し、放り投げた)
        オマエはまたミスをやらかした 土壇場でまたもボク達を新たな段階に引き上げてしまったんだからね…
        (剣を弾き飛ばされた時に気づいたのだ それを一刻も早く回収しなけれれば、とその場の空間に固定しようとした。 つまり、空中に刃を固定できた)
        (基本ができてしまえば、後は応用だ。 小さな、ナイフ程のサイズの時間停止した刃を、特定の範囲に無数に設置したらどうなる? この不可視の罠は致命的な威力となるだろう)
        (七瀬から逸らされたマシンピストルの射線が天井を向き、梁を削って、屋根に穴を穿つ間 七瀬の最期を見届けるのだ)
        -- フェル 2021-10-10 (日) 14:41:54
      • (ぶん、と振り回され 勢いのままに飛ばされる…猛烈に嫌な予感が背後からする。立て続けの異能の使用で、疲労が増しつつあったが)
        (念のために時間停止し、振り返る。柱にでもぶつけられたらたまったものではない、と風魔法で投擲の勢いを幾らか相殺し)
        (時間が動き出した途端、自分の身体を無数に何かが貫いていく。どこをやられたのかも分からないほどに ただ鋭い痛みを束ねたような感覚が伝わった)
        う、あ、ぁ………(止血だ、早く回復魔法を…近くの隊員が救助のために駆けつけている足音が聞こえる。ダメだ、体に力が入らない…何をされた…?)
        -- 七瀬 2021-10-10 (日) 14:59:18
      • (自分が何をされたのか分からない、という点ではこちらも同じだった)
        (無意識か苦し紛れか、投擲された軍刀を弾き飛ばした直後のことだ)…が、ぁっ…!!(目の前で火花が散ったと感じた)
        (頭に大きな衝撃と、遅れて痛み。足元に落ちる、朽ちた照明。 これが頭に当たったのか、とうっすら理解したところで意識が刈り取られた)
        (それはまったくの偶然だろう、そこまで計算して銃口の軌道変更をできる物ではない 単に、運が味方しなかっただけのことだ)
        -- フェル 2021-10-10 (日) 15:08:20
      • 水白市防災センターに連絡、急いで救助ヘリの要請を。(てきぱきと隊員に指示し)
        …フェル君、我々は戦う前に勝利を得るのが本分でしてね。次の勝利の為にはあなたの存在が必要だ。
        おとなしく投降してくれるなどとは思いませんでしたが…おや、もう聞こえていない?
        では拘束の後、移送。 落ち着いて話せる状況を作るとしましょう…今後の作戦に彼は必要ですからねぇ
        では、急ぎ撤収を!(回収する予定だったバッグを抱え、撤収作業に移る) -- 入谷 2021-10-10 (日) 15:15:41
  • (ホテルニュー吉峰、308号室。端末を開いたまま、その画面をじっと見つめ…微動だにしない)
    (画面にはディザストロの研究部宛のメール…候補者が発見できた事と、受け渡し日時を予め決めてあった暗号文で下書きしたものが、未送信のまま残っている)
    (自分の目的の為ならば、誰を犠牲にしようがやり遂げる覚悟だった。それで誰を失おうと、心が痛むこともない。 筈だった…だというのに。)
    (閃光がコピー怪異に襲われた時、死なせたくないと思ってしまった。突き放すような態度をとった自分に、高坂は「仲間だ」と言った。)
    (洋助の「信用した」という言葉にも心が揺さぶられた。そしてついさっき、ホテルに迷い込んだ姫乃も後々の事が面倒だから助けたのではない事ぐらい、自分で理解できた)
    (それゆえに、だからこそ…)…一回きりの、チャンスなんだ。 しくじったら次なんて、無いのに…(これ以上、無意味な犠牲を増やして、その結果掴みとれるものは本当に自分の望む形か)
    (そんな迷いを残しながら、メール送信のボタンを押す)
    -- フェル 2021-10-09 (土) 20:01:58
  •  
  • (吉峰区の山中には、人々から忘れ去られたような廃墟というのが密かに点在している。それは、過疎化で人の居なくなった集落であったり)
    (または、交通の便が悪かったり大型店舗の進出で閉店に追い込まれた商業施設であったり。 そんな場所に足を運ぶ人間は限定されている)
    (今回足を運んだのは、モーテルの廃墟群。指定された時間に、指定された建物の部屋へと向かう。 組織との定期連絡の為だ)
    -- フェル 2021-10-04 (月) 15:55:06
    • (コテージ風の建物が幾つか並ぶ現地は、そのどれもが荒れており 人の手が入らなくなって久しい事を伺わせる…が、地面には車の通った痕跡)
      …ここか(5番のコテージ。隣は3番だった筈だが、なぜ4番が抜けるのか…4や9は、死や苦に繋がるため不吉、という事で避けられる なんて話を以前聞いたのを思い出し)
      (軽く周囲を警戒しながら、ドアを開け…黴臭い室内へと入る。 部屋の隅、床の間に置かれた小さめのバッグを手に取り…)
      通信は傍受の危険がある、といったって…原始的すぎてうんざりするなァ(中身は近況や指示の入ったメモリ類や、活動資金、予備弾など)
      (こちらからの報告も同様の手段で行っているが、聊か慎重すぎるきらいがある…そう考えていた)
      -- フェル 2021-10-04 (月) 16:05:36
      • (日も沈みつつあり、確実に闇が迫る。電気も止まっているこの場では、明かりなしでは動き回る事も困難だ)
        さっさと帰ろう…(バッグを回収し、外へ出た直後。異様な気配に取り囲まれている事に気づく)…チッ、面倒が増えたじゃァないか
        (雑怪の群れだ。どれも安定した形を成さず、これらをデータ化してもロードすら不可能な代物であることは承知済みだ。ならば…)
        おやつ程度にならなるかなァ、ほんっと…質より量だけどさ(ティランを呼び出し、その上半身に纏うようにして、向こうが行動を開始するよりも早く襲いかかる)
        (力の差は歴然だ。爪をフォーク代わりに、次々にその口へと獲物を運び 咀嚼し、呑み込む。その「食事」の余波は、地面を大きく抉って 竹林をなぎ倒し、コテージの一つを傾かせる)
        -- フェル 2021-10-04 (月) 16:19:18
      • (人前に姿をさらさず、思う存分に捕食ができるという点では 歓迎すべき状況ではあったろう)
        (形勢不利と見た雑怪の生き残りが、散り散りに逃げ出し始める。それらを仕留めようと動き出した時だ)
        (眼前を必死に逃走する1匹が、真っ二つにされ…消失した)……?(受付だったと思しき建物の影から歩み出てくる人影)
        (それは、黒を基調とした服に身を包み…刀を手にしていた。逆光のせいもあるが、仮面で覆われた下の表情をうかがい知る事はできない)
        …何だよ、オマエは。(食事の邪魔をされた以上に、状況に安心しきって第三者の目撃を許した自分へのいら立ちが大きい。ティランの口を大きく開け、威嚇する)
        -- フェル 2021-10-04 (月) 16:27:43
      • (目の前の人物は、問いに答えようとはせず…刀を構え直す。明らかに臨戦態勢へと移った)
        へぇ、だんまりか もしかしてビビっちゃったかなァ、運悪く迷い込んだ怪異狩りだろうけど…(大きな黒い腕を振り上げる…その先の爪は、刀身ほどではないが長く鋭い。単純なリーチならば上だ)
        安心しなよ、殺しはしないさ…!(腕を、叩き付けるように振り下ろす。まともに当たればその一撃だけで瀕死となりかねないような暴威 それが土塊を大量に巻き上げ、視界を一瞬遮った)
        外した…!?(手ごたえが無い。振り下ろす直前まで移動したようには見えなかったが…何らかの方法で回避されたのだけは確実だった)
        -- フェル 2021-10-04 (月) 16:36:21
      • (視界から消えた次の瞬間、怪異狩りは建物の屋根の上に立っていた もしこの場を観戦している第三者が居たとすれば、瞬間移動したように思えた事だろう)
        ……厚生労働省、衛生2課… 七瀬。(短く名乗って、刀を鞘に納める。よくよく観察すれば、軍刀のようにも見える)
        (居合のように低く構えを取り直し、また次の瞬間には消え…フェルの横合いから斬りかかってくる…しかし間合いが遠すぎる)
        (それも当然、既に攻撃は完了しているのだ。風魔法で形作られた、不可視の刃が斬撃となって飛ぶ!)
        -- ??? 2021-10-04 (月) 16:44:25
      • はァ?役人が何の用だ……あぁッ!(当然、斬りつけてくるものと予測しこちらは爪で迎え撃つ。リーチに勝るのだから何ら躊躇はない)
        (そう考えていた…しかし、振りかぶる腕がざくりと二筋切り裂かれたとなれば事情も変わってくる)
        (伝わる痛みに声を荒げ、逆の腕での迎撃を試みる 背筋に嫌な悪寒が走った。 そうだ、こいつは瞬間移動ができる)
        (こっちの反撃まで織り込み済みで、このタイミングで一気に懐に飛び込まれたら? …詰みだ)
        う、あぁぁッ!防げ、怠惰なる短針ッ!!(案の定、瞬きする間に敵は眼前。こちらの長い腕の内側…軍刀を抜いて肉迫。 異能を咄嗟に発動させ、盾とする)
        -- フェル 2021-10-04 (月) 18:21:26
      • (ガキン、と金属音。降り抜かれた軍刀は、半ばほどからその刀身を折られ…勢いのままに飛んでいった刃先が地面に突き刺さる)
        ……!(仮面の奥、横長の瞳孔が驚きに細まる)まさか、この短時間で…いや、ありえる。
        (またも瞬間移動のように間合いをとり、折れた軍刀を鞘に納める)同じ系統の…異能… いや、亜種…みたいなもの…?
        -- ??? 2021-10-04 (月) 18:27:38
      • (無我夢中での防御は、自分の前に壁を置くような普段のイメージではなかった。例えば、咄嗟に剣を拾って鍔迫り合いするような そんなイメージで展開された)
        (自分でははっきりと理解できる。時間停止させた空間を剣のように握り、それを自由に振るうことができる 今まで防御にしか使えなかった力が、攻撃に転用できるように成長した)
        あァ、土壇場でボク達の異能は新たな領域に進んだよ…ありがとう、これは礼を言わなきゃいけないと思うな、ほんと。
        ただ、剣術ってモノには親しんだ事がなくてさ…少し練習に付き合ってもらいたいなァ!(今度はこちらが攻める番、とばかりに七瀬めがけて駆け出す)
        -- フェル 2021-10-04 (月) 18:32:35
      • 悪いけど、それは付き合えない。(マントで顔を隠すように、空中に何かを放り投げ…素早く身を翻して逆方向へ)
        (スタングレネード。それが強烈な閃光と爆音を発する頃には、その姿はどこにもなかった)
        -- ??? 2021-10-04 (月) 18:39:43
      • (暗さに目が慣れてきた頃合いに、この閃光は甚大な効果を示す。視覚と聴覚を一時的に無効化され)
        く、そっ……どこだッ!!(闇雲に腕を振るい、死角からの襲撃を警戒したが…暫くして、気配が完全に消えている事を悟り)
        ボク達の事を嗅ぎまわるヤツが居る…それも、政府の役人が…?(その存在が明確に敵であると理解でき、今後はますますやりづらくなる事に更なる苛立ちと焦りを感じるのだった)
        -- フェル 2021-10-04 (月) 18:47:18
  • (6月某日、深夜。菊上区、六花製薬研究施設付近にて)…あっちのも監視カメラか。(遠くから敷地境界のフェンスを眺める影が一つ)
    あれに映ると面倒だからなァ、あくまで付近ってことで 敷地内にロードじゃなくていいか…(その方が直接的すぎず真実味が増すかもしれない、と)
    (各方面に分散するよう、敷地外周の広範囲を移動しながら 要所要所にて暴食コピーをロード。思いのほか長い距離を移動させられる事となった)
    大企業だけあって敷地が広すぎる、これで終わりかァ…(元来た道を戻り、ベスパを置いた地点まで行かなければならない)
    -- フェル 2021-10-03 (日) 13:19:10
    • これでつまらない結果しか出なかったら、どうしてくれようか…(ポケットから出したチョコバーを齧り、まばらな街灯の明かりしか無い一本道を歩く)
      …お。(この時間帯にしては珍しく、向こうから車がやってくるのが見える 営業時間外である六花製薬のものというより、裏道として迂回してきた車だろう)
      (最初はそう思ったが、どうも様子がおかしい。スピードが尋常ではない上、上向きのヘッドライトまで点灯させ、眩しい事この上ないのだ)
      ッ…おい、なんだよ!(20mほど手前で強引に歩道に乗り上げ、ぶつかる紙一重のところで過ぎ去っていく …否、そのまま急ブレーキ。タイヤ痕をアスファルトに残し)
      くそっ、アイツの差し金?なんなんだよ…(今度は強烈なスリップ音を立てて全速力のバック。またもフェルを轢くべく高速で向かってくる)
      -- フェル 2021-10-03 (日) 13:28:00
      • (避けようと走り出すも、車もハンドル操作で軌道を修正してこちらに迫る)…ティラン!(内なる怪異を呼び出し、黒い靄の腕で更に地面を押して跳躍)
        (大きな衝撃音と共に電柱へ突っ込む車。バンパーやトランクがひしゃげて テールランプの破片が散らばる。街灯の明かりに、血のような赤い車体が浮かび上がった)
        どこの誰か知らないけどさァ…ボク達にこんな真似したんだ、覚悟はできてるだろうね?(マシンピストルを右手に持てば、運転手がいるであろう右側のフロントガラスに銃口を向け)
        (一方の赤い車はといえば、アクセルをふかし…再びタイヤをスリップさせながら急発進 鋼鉄の塊による突進を仕掛ける)
        くたばれよッ…!!(運転手めがけて問答無用の連射。ほんの1〜2秒で弾倉内の25発全てを撃ち尽くす…ボンネットからフロントガラスにかけて無数の穴が開き、それでも突進は止まらない)
        (ぶつかる寸前、跳躍。そして怪異の腕でボンネットを踏みつけにして、更に反対の腕でルーフ上から貫くように運転席を攻撃。これで死なない人間などいるはずもない)
        どう…だっ(空中でぐるりと前転、車をやりすごし…振り返る。腕に普通の手ごたえとは異なる妙な感覚があったが、それ以上に妙な事がある)
        (薄暗いとはいえ、運転手の存在を視認できなかった。ルーフを貫いた時もシートに当たる感覚はあれど、肉を裂いた感触がない。 それ以上車はこちらを襲うでもなく、走り去っていくのだ)
        (電柱への衝突で激しく損傷した筈の後部が、今はもう凹んでもいない)…どうなって、いるんだ……?
        -- フェル 2021-10-03 (日) 13:52:08
      • (こちらを襲う動機が不明なら。攻撃を切り上げた理由も不明。得体の知れない何かを感じながら、足早にその場を去る事にした)
        (爪の先に残る感触が、怪異を攻撃した時のような不快感に似ていて…それが余計に不気味でもあった)
        (ここ水白市全域で、ここ半年ほど犯人不明のひき逃げ事件が多発していると知るのは もう少し後のこと…)
        -- フェル 2021-10-03 (日) 13:57:40
  • (4年前、東欧の某国にて。これははっきりと覚えている記憶だ)……っあ!(受け身も取れずに地面に叩き付けられる衝撃)
    (体を打った落下の痛みよりも、肺が酸素を求める苦しみの方が強い。だが呼吸もままならず、何度も咳き込んで ようやく肺に幾らか酸素が行き渡る…)
    げほっ、うぅ……これも、駄目なのか…(呼吸の苦しみから解放されれば、また空腹感が声高に主張を始める。首に巻き付いたロープに手をかけ、忌々し気に上を見る)
    -- フェル 2021-09-30 (木) 19:55:01
    • (半ばから切られたロープの反対側は、太い枝に結ばれていて ゆらりゆらりと風に揺れる)
      (こんな体になった当初、訳の分からぬ喪失感と耐えがたい空腹感、それに自身の中にある得体の知れない衝動から、心の均衡を崩した)
      (自分の中にある何者かは、大抵の場合意のままになってくれた。いや、既に自分の意思ですらないのかもしれない…が)
      (どうしても自分の意思に反し、言うことを聞かずに勝手に動く時がある。 自殺を試みようとした時だ)
      -- フェル 2021-09-30 (木) 20:09:16
      • (今も、怪異の爪がロープを切った。生命の危機に対し、怪異側が死を良しとせず 生き残ろうとする)
        (思いつく限りの方法を試してはみたが… お陰でこの地獄から安易に逃れる術は無い、ということを思い知らされただけだった)
        (車道に飛び出せば反対側へ放り投げられ、高所からの身投げも受け止められ、毒物は口に入れる前に怪異が喰らってしまう)
        (そうして次第に、抵抗の意思は砕け…諦めがとってかわり、支配する。死ぬことが許されず、強制的に生かされる、生きねばならない。)
        (人としての死、という当たり前の権利すら奪われた今…生きるために見出す目的はただ、自分をそうした者への復讐だった)
        …いいさ、いいだろうさ いいからこそ、生きてやる。アイツを始末する… それがボク達の、マイナスから始まったボク達の…ゼロだ。
        (首に絡んだロープを捨て、立ち上がる。誓いを立てたこの日のことを、生涯忘れる事はないのだろう)
        -- フェル 2021-09-30 (木) 20:24:17
  • (菊上港の倉庫群…明かりもまばらな闇夜、それも今は利用されていない空き倉庫の中ともなれば 視界は窓からの微かな明かりだけ)
    (そんな中に浮かび上がるシルエットは、人とは異なる異形)あーあ、コイツもハズレかァ…とんだ無駄足だったじゃないか。(それもその筈、人の背から生えた異形がシルエットを崩壊させているのだから)
    適合しない怪異をデータ化しても、ロードしたところで何の使い道もない有象無象になるだけ…
    (異形の口が、肉片のようなものを咀嚼するたび 辺りに血と唾液らしきものが撒き散らされる)ちょっ…汚いなァ、ティラン。お行儀が悪いよ…前菜にもならなかったってのは分かるけどね
    -- フェル 2021-09-25 (土) 23:15:07
    • (ばきばきと骨を嚙み砕く音)小腹を満たす程度、ってトコかなァ。生きてく為には食べなきゃならない、その為に仕方なくの怪異狩り…そういう建前もいいだろう。
      いいさ、いいだろうさ。ふふっ、いつか極上の食事で腹を満たしたいものだね…そのためには情報が不可欠だ 今のボク達には。
      怪異あるところに怪異狩りもあり…有用なデータと、候補者が一挙に見つかるチャンスかもしれないね、これは
      (スマホの画面を操作しながら、片手でチョコバーを齧る)…ただし、集中した情報はノイズにしかならない。選別し、分類し、吟味したうえで…皿の上に載るかを考えようじゃないかァ
      -- フェル 2021-09-25 (土) 23:32:40
      • ところで、だ。万が一にもこのボク達が、怪異であると間違われた場合…怪異狩りと戦わざるを得ない状況は起こると考えられる。
        そういった時、果たして正当防衛は適用されるんだろうかなァ? 法で明文化されていないものに対してどうなのか分からないから…
        やっぱり自分達の身は自分達で守るべき、とするのが正解かな? さすがに人間は食べた事がないけど、美味しいんだろうか 吐き気を催さないといいね?
        …あぁ、君は食べた事があったんだっけ 否、君のオリジナルは…だったか。(すっかり食事を終えた異形を横目に)
        -- フェル 2021-09-25 (土) 23:45:55
      • 少なくとも学校内でぐらいは…慎まないといけないなァ。いらぬ誤解を…いや、誤解というのは語弊がある。
        下手に勘のいい奴が正解を引き当てたりしないように、と言い換えようか…じゃないと、お互いにとって悲しい出来事が起こってしまう。
        (スマホの時計を確認し)…さァて、もう少し腹を満たすとしようか?ちっとも足りていないから、候補者探しもおぼつかない
        (カギを壊された倉庫の通用口を開け、夜の潮風を肺いっぱいに吸い込みながら…暗闇に紛れていった)
        -- フェル 2021-09-26 (日) 00:01:29
  •  
  • 天保の大飢饉…江戸時代後期に発生したそれは、東北地方に甚大な被害を齎した。
    そしてそれは、かつての水白も例外ではない。吉峰の山中にあった小村は飢饉により村民全員が餓死するという惨事に見舞われた。
    現在、その村の面影はどこにも残っておらず、ただただ山林が広がるばかりであるが…村の跡地には、犠牲者を慰霊するための供養塔が残っている。
    その場所というのが、ホテルニュー吉峰の敷地内…駐車場の端であり、営業当時はきちんと手入れされていた。
    経営が行き詰まり閉鎖されるに至って、ホテルは荒れるに任せ、そして駐車場は不法投棄の温床となった。 -- 2021-09-20 (月) 11:28:59
    • 数年前。

      …ことの発端は本当に些細な事だ。産廃を捨てにきたとある業者が、不注意からトラックを供養塔にぶつけ、倒してしまった。
      その時点では異変は起きなかったが、長年の眠りを妨げられた怨念はまず耐えがたいほどの空腹を思い出す。
      山と積まれた産廃、家電、果ては廃車まで。これらを供物と思ったそれは、ひたすら食べに食べた。だが空腹は満たされることを知らない
      時折、不法投棄に来る人間が置いていくゴミもあれど、そんな量では到底足りない。人間ごと食べた。まだ足りない。
      そのうち、面白半分でホテルに肝試しにやってくる若者もいた。それも食べた。まだまだ足りない。
      近くを通りがかる獣も、手当たり次第に食べた。ちっとも足りない、満たされない。
      発端から1か月…行方不明者が出始めたせいか、ホテルに近づく者もめっきり減った。 -- 2021-09-20 (月) 11:31:29
      • 深夜、吉峰山の細い道路を走る一台の観光バスがあった。山中だけあり、街灯の明かりすら乏しい中をヘッドライトだけが照らし出す。
        かつてあったホテルへ入るための左折の案内看板は、既に朽ち果てて支柱だけが残るばかり。
        そんな事もお構いなしに、バスは左折し、ひび割れ草の生えたアスファルトを踏みながら走る…この先にあるのは廃ホテルだけだというのに。
        廃業して二十数年、宿泊できる訳も無いというのに訪れる観光客など…まして深夜に来訪などあり得ない事なのだが。
        …それもその筈、停車したバスからぞろぞろと降りるのは武装した一団であった。

        各々銃を手に、統率された動きで配置についていく。軍隊というには聊か装備が足りず、それでいて警察というには物々しすぎる。
        ゲリラか傭兵、といった表現が一番近いだろうか。種族、国籍ともに統一感がない辺りもそれに拍車をかけている。
        その一団を指揮するのは、カーキ色のベレー帽を被った少女だ。帽子からはみ出たウサギの耳が月明かりに浮かび上がり… -- 2021-09-20 (月) 11:36:17
      • ロマーノ隊はホテル4Fで予定通り射撃ポイントへ、ティトも同行して本部との通信を確保!
        センリ、今回のはガチでやべーって話だから気ぃ抜いちゃダメよ?前衛のあんたらが肝なんだからねー
        …そんで、だ。(少女が振り返るのは背後に立つ人物。唯一場違いなカクテルドレスを纏う、黒髪の妖艶な女)
        今回のあんたの立ち位置ってのは何なのさ、Черный кролик(黒兎)。お目付け役?それとも助っ人?
        ウサギ同士でキャラ被ってんだから、タミーちゃーんとしては立場的にハラハラなワケよ、わかるー?
        -- 少女 2021-09-20 (月) 11:39:18
      • どちらも、といえば納得するのかしらね?教え子の晴れ舞台、見届けたいと思うのもあるし…アジア支部が私を寄越した理由を考えれば
        標的がそれだけ危険度の高いもの、という事かもしれないわ…要するに保険の一つね?
        (髪を弄りながら、倒壊した供養塔の方へ視線を向ける)…肌で感じるわ、そろそろТиран(暴君)のお目覚めみたいよ?
        (肌がひりつくような、嫌な感覚。その場の誰もが感じるほどに濃密な殺気が溢れてきたのはその数秒後のことだ) -- 黒髪の女 2021-09-20 (月) 11:41:25
      • しゃーないね、そしたらせいぜい頑張って出番回ってくる事祈っててネー?にししっ
        …いや待てよ?今保険の「一つ」っつった? 他にもなんかあるワケ?(自身もSMGを手に、臨戦態勢に移りながら問う)
        バスで待機してた奴らがもう一つの保険っつー事かしらねー。ま、うちらが怪異退治の専門家じゃないのは認めるけどー
        っと、お出ましのようじゃないのさー くくっ(口の端を吊り上げ、供養塔から湧き上がるどす黒い瘴気を睨む)
        (それは形を成せば、十数メートルはあろうかという巨躯の獣。口からは不揃いな歯が無数に覗き、涎を多量に垂れ流す)
        (食欲という飽くなき衝動に突き動かされる怪異「暴食の暴君」…それに対峙するは、ディザストロの実行部隊「カラミタ」の30名余り)
        (暴君の咆哮が夜の空気を震わせると同時、戦いの火蓋が切って落とされる…)
        -- 少女 2021-09-20 (月) 11:45:05
      • (戦闘は熾烈を極めた。開始15分にして多数の死傷者を出し、部隊は半壊。序盤こそ優勢に見えていたが、それはまやかしだった)
        は…ははっ、久しぶりにヤバいじゃん!いいねぇこういうの、大ピンチってやつー?つか、電子情報化するとほぼ弾丸きかねーってどういう事よ
        穴あけてもすぐ塞がってんじゃん、無敵だわこれ…弱らせて封印弾で仕留めろったって、まず弱らせんのが無理ゲーってのは予想してなかったわー
        (残弾も心もとなく、負傷者をバスまで運ぶ人員を割くせいで前線の維持が精いっぱいという有様だ)
        -- 少女 2021-09-20 (月) 11:47:59
      • お腹を切り開いてみたら、食べたものが零れてくるかと思ったのだけど…そうでもなかったのは残念。
        銃弾よりも刃物の方が幾らか効くようね? 虎の子の異能部隊をほぼ壊滅にして得られた成果がこれだけじゃ、私も大目玉だわ。
        博士の推測は正しかったわね…最近の家電はすべてコンピューター制御、それを無数に摂取した結果の進化。
        昔ながらの怪異だから、機械オンチかと思ったのだけど…人も怪異も、いつまでもアナログのままでは居られないものね?
        (大振りな爪での一撃を、紙一重でかわしながら その都度、手にしたククリナイフで怪異の腕を切り刻み…) -- 黒髪の女 2021-09-20 (月) 11:51:03
      • ったく、なーにが異能部隊さ!噛ませ部隊に改名しろっつの!…あ、生き残りが一人じゃもう部隊名乗れないね?ごめーん☆
        その生き残りも防御特化の異能ってんじゃ、事態の打開にゃ使えねーし…せいぜい邪魔しないように端の方で縮こまってな!
        (走り回って的を絞らせないようにしながら、通信機を片手に)はろー、ティトちゃーん、聞こえてる?
        ロマーノ隊にRPG用意させて!あたしの合図で一斉に撃つよーに、そう!狙撃じゃ全然効果ないのよこれ!
        -- 少女 2021-09-20 (月) 11:52:10
      • 返す言葉もないわね、ちょっと相手が規格外すぎたっていうのもあるのだけど…荷が重かったかしら
        (そんな怪異を相手に、かすり傷の一つも負わず 確実にカウンターを当てていくこの女もまた規格外なのだが…)
        爆発物の一斉攻撃、確かに一瞬だけなら致命傷を与えられるわね…封印弾の方は私が引き受けるとしましょう -- 黒髪の女 2021-09-20 (月) 11:54:07
      • つか、事前情報がショボすぎるんだよね これじゃタミーちゃーん達生贄みたいなモンじゃん ぜってー仕留めるからね?
        …うーし、生き残ってる野郎ども!もうチャンスはこれしかないぞー 一斉に手榴弾投擲!タイミング合わせてよー?
        3、2、1…今っ!!(ピンを抜き、手にした手榴弾を一斉に放る。それと合わせて通信機にも)撃てーッ!!
        (4階の窓から複数の発射炎。RPGの弾頭が怪異めがけて迫る…しかし)
        (偶然にもそのうちの1発を、暴君の爪が掠めてその軌道を大きく狂わせた…そのまま向かう先には一同が乗ってきた観光バス)
        -- 少女 2021-09-20 (月) 11:57:03
      • ッ……やらせない! 防げ、怠惰なる短針っ!!(皆が目線だけで追う中、飛び出した人影があった)
        (異能部隊、唯一の生き残り。大きな耳と長い尾…チンチラの特徴を持つ少年が、射線上に異能を発動…小さな絶対防御の障壁を作り出す)
        (直後、爆発。 RPGの弾頭は爆ぜ、バスは守られた。そして怪異を吹き飛ばす無数の爆発も同時に起こり…)
        -- フェル 2021-09-20 (月) 11:59:45
      • 封印は成功したみたいね…どう、保険の意味はあったと思うのだけれど。(身に付けた端末から、USBメモリを取り外す。後には怪異の痕跡は何もなく、爆発で抉れた地面があるばかり)
        痛手は被ったけど、これで帳消しにできるだけの収穫であることは保証するわ 博士も喜ぶでしょうね? -- 黒髪の女 2021-09-20 (月) 12:00:26
      • 割に合わない仕事だわー、それに…今度こそホントに異能部隊全滅ですぞー、ほれ(近距離で爆発に巻き込まれた少年を指差して)
        あの怪我じゃ長くは持たないね、衛生兵呼んでもいいけどどうする?今すぐ楽にしてやる?
        (腰の拳銃をぽんぽんと叩きつつ、バスの方へ歩き出す)作戦終了、全員撤収するよー 特大花火打ち上げちゃったから、光の速さで逃げないとねー
        -- 少女 2021-09-20 (月) 12:01:22
      • 一応助ける努力はしてあげて?彼は身を挺して仲間を守ったのだし、そうでなければ帰りの足がなくなるとこだったわ
        …フェル。 フェルディナント、聞こえている?意識をしっかり保って…貴方は助かるわ、こんなところで死ぬような子じゃないものね
        あら…貴方の内臓は随分と綺麗な色をしているのね、素敵。(意識が途絶える間際、少年の耳に届いた最後の言葉はそれだった) -- 黒髪の女 2021-09-20 (月) 12:02:17
    • 次に意識が戻ったのは手術台の上 傷がどうなっているのか確認しようにも、全身を拘束されているのか身じろぎする事もできない
      そうしている内に、ぼんやりと視界以外に聴覚も戻り始め 誰かの会話が聞こえてきた -- 2021-09-20 (月) 20:49:54
      • 応急処置が早かったおかげで、辛うじて命は繋がったようじゃな。一人だけとはいえ、よく連れ戻ってくれた
        ワシのこれまでの研究が正しければ、定着率の高さは異能を持つ者ほど良い、そして若ければ尚良い、そして付け加えるならば…瀕死ならば更に良い!!(狭い室内を歩き回り両手を広げて力説する)
        その点においてこの素体は実に実に実に良い! 人工怪異の試作品として調整しがいがあるというものじゃ
        これならばちょいと弄るだけで、予定の能力を発揮できるようになるじゃろう… -- 初老の男 2021-09-20 (月) 20:55:14
      • 素体、ねぇ…(男にUSBメモリを渡しながら)まぁ、こうでもしないともはや助かる見込みも無いかしら。
        そうして生かされるのは、果たして幸せなのか不幸なのか…私には分からないわね。
        ああ、そうそう…その子の名前はフェルディナント…フェルよ。 実験用のマウスじゃないのだから、博士も少し扱いを変えてほしいものだわ -- 黒髪の女 2021-09-20 (月) 20:59:04
      • 呼び方などはどうでも良いのじゃ、こいつが何者になるのか…大切なのはそこじゃろう(手術台脇の装置にUSBメモリを差し込み)
        だが、そうじゃなぁ…フェル…フェル………ではこう名付けよう、Fälschung(フェルシュング)(偽造品) 人工怪異の紛い物として、相応しい名じゃろう?
        さて、名も得たことじゃし…新たな人生の門出に、幸あれ!ロード完了じゃ(キーを幾つか操作し、画面と手術台の上の少年とを交互に見つめる) -- 初老の男 2021-09-20 (月) 21:05:14
      • っ……!!(装置が動き出すのと同時、得体のしれない感情と、見たこともない光景が頭に流れ込んでくる。それは膨大な情報量で…)
        (処理しきれない情報に飲み込まれ、その中に埋もれていくにしたがって 自分の一部が塗り替えられ、何かに上書きされていくのが分かった)
        (自分が自分でなくなっていく感覚。違う色に塗りつぶされていく。気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、キモチワルイ)
        (頭の中の、何を失ったのか。それさえ思い出せない…ただ大事な事だったような気だけが、する。そもそも、ボクは誰だ?違う、もう…ボク達だ。)
        (そうして混濁する意識の中、瞼は重くなり 思考は水底に沈むようにして停止した)
        -- フェル 2021-09-20 (月) 21:17:10
  • 主に個人イベント用。 余裕があったら前日譚でもこっちでやってみようか…なんて -- フェル 2021-09-18 (土) 21:32:33

Last-modified: 2021-11-01 Mon 19:59:38 JST (905d)