施設/子安市
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- (2月14日。それは思春期の少年少女にとって、いろいろと慌しい日である)
(こと、自由な校風である樽谷学園では、校内で堂々とチョコの遣り取りが行われている) (尤も、磨夜にとってのヴァレンタインは友達とのチョコ交換会の日の様なものである) (今日も、例年と同様にクラスの親しい友達連中に高級チョコの詰め合わせを渡し、また、思い思いのチョコを貰う…) (そんな1日を終えた、放課後である。…けれど、今年はちょっとだけ、違う) (今、磨夜は高等部の校舎にいる。あるクラスの教室の前に。手にはリボンを賭けた小さな箱を携えて) …まだお帰りになってないといいけれど。まあ、居なければその時はその時、ですわ。 (よし!と頷くと、教室のドアを勢いよく開ける。帰り支度をしていた生徒達の目が自分の方を向くが――) (まるで気にする様子もなく、にこりと笑顔で、言った)石神先輩ー!チョコをお持ちしましたわー。 -- 磨夜
- (周囲が無駄にそわそわしているのはいつもの事)
(クラス全員に配る様な奇特な女子がいなければ特に貰ったりもせず、同じくそんなポジションの友人と共にだらだらしていたのだ) (そしてまぁ、何事もなく配る系のチョコだけを貰って帰るはずが。この日は違った) (がらっと扉が開くのは別にいい。気にせず鞄に教科書を詰めて) (周囲の視線が全部集まった。こう、聞き覚えのある声で何か言われたような…というか) 名 指 し ! ? -- 佑也
- 名をよんだ後で、その名の少年の方を見る。居た。席の位置は前に来た時にちゃんと覚えていたのだ)
(少年の驚きの言葉、その意味はよく判らず首を傾げ)…?勿論ですわ。このクラスにわたしの知り合いは石神先輩だけですもの。 (そう言いながら、唖然とする石神の方へとてててと歩みよって行く)最近、お顔を見れていなかったものですから、この機会にと… そう思いまして、参上した次第ですわ。お時間の方はよろしいですか?先輩。 -- 磨夜
- あー。ああえーと…(周囲の視線が痛い。ついでに聞こえるひそひそ声は耳に痛い、近くの奴が肘で突いてきたやめい)
そうか、知り合い居ないんだ…と…とりあえず時間は大丈夫だけどそういう事じゃなくてな!?(周囲を見て、鞄を引っ掴み) 丁度帰る所だから一緒に帰りながらどうだ、というかそうしてくれ!(逃げるためなら手段は選ばないというわけで凄い事を言いながら磨夜に提案する、外を指さしながら) -- 佑也
- (周囲の羨望と冷やかしの声に慌てる石神。それが面白くてくすくすと笑う)
(目的の半分は達成した。それはからかう事ではない、無事の確認である。勿論それは口にはせず) あら、ここで受け取っては頂けませんの?仕方ありませんわね…。 わかりましたわ。今日は先輩にお付き合いいたしますわー。 (周囲の誤解に輪を掛ける物言いで頷き、可笑しそうに笑い乍、石神と共に教室を後にする) (――そして、校門の外。…逃げだしたい一心で走る石神を追うのは、運動音痴の身では大変で、はあはあと肩で息をする) は、走るのが早いですわ…。そんなに、はぁ…急がずとも…。 -- 磨夜
- そんな衆人環視の中で受け取るのはごめんだぁー! 義理でも!!
(逃げる逃げる。磨夜の思惑等知ろうはずもないので、多分に照れながら校門の辺りまで。競歩のつもりだったが走ってた。のに気付いたのは後ろでぜぇはぁしてる磨夜を見た時である) こ、ここまで来れば追ってこまい……あ。ごめんな。大丈夫か?(周囲の視線とやっかみがなくなってようやく落ち着いたのか声をかけ) -- 佑也
- だ、大丈夫ですわ…。でも、これ以上走るのは勘弁してくださいましね…ふぅ…。
(乱れた髪を手で直し、息を落ち着け)はあ、こっちでも考えただけで走れればいいのに…。 (そうぼやいた後であらためて石神へと目を向けて)まずは驚かせてしまい、申し訳ありませんですわ。 先輩って、見た目クールキャラっぽいのにシャイなので、つい、あの様にしたくなってしまいます。 (てへー、と笑って)あ、先輩も帰り道はこっちなんですわね。良かった…。 -- 磨夜
- 走らない、まあ休憩したらのんびり歩こうか…(落ち着いてくると、悪い事したかなぁという気になるのだが)
…? ああ、GLOの話? まだやってたんだ、橘さん(なんとなく、それが嬉しい事であるかのように笑い) …ああうん。そんなに丁寧に謝られると困るんだが…って(先の言葉を聞いて) そういうことかいっ! からかうのも程ほどにして欲しいな…特に今日は凄い焦る あれ、橘さんもか。そこまで考えずに走って来たけど丁度よかった…ええと。歩き出す前に貰った方がいいのかな…チョコ(義理だろうがなんだろうが期待せずにはいられない年頃である。微妙に落ち着かなげに聞いて) -- 佑也
- (あ、と口を塞ぐ。思わぬ事を言ってGLOの話しになってしまった)
(でも、それも良いかと思う。最早、隠す事もあまり無いのだ) 勿論、続けていますし、これからも続けて行きますわ。 GLOのあの世界を遊び尽くすには、いくら時間があっても足りないくらいですもの!それに… GLOではかけがえのない友達、仲間も沢山できましたから。まだまだ、やめるワケにはいきませんわ。 (楽しそうに、笑顔で言い切り。程ほどにと言う言葉には…その笑顔が悪戯っぽく変わった) (その内、また何かしでかす気なのは明白。でもそれは数ヶ月先の事だ) あ、そうでしたわね。では、どうぞ、先輩。ハッピーヴァレンタイン!ですわー。 (高級洋菓子店の包装紙で覆われた箱をはい、と差し出す) お口に合うといいのですけど…。 -- 磨夜
- ほら、色々なんかあって止めてく人が多かったからさ。それでもやってるなんて凄いな…しかも、これからも
(かけがえのない友達、仲間、か。彼女も、あの世界のどこかに居たのだろうか。もしかしたら、あの戦いの場に…まさかな、とそこで思考を止め) 奇遇だな。俺も引き続きやる予定何だ…ま、高3になったら受験があるから1年とちょっとで一旦止めるだろうけど (その言葉は、ゲーム内で彼女も聞いた事があるかもしれないが。それはともかく…チョコが出て来るとびしっと背筋が伸びた) …あ、ありがとう…適当に渡されるのと違うと有難みも違うなぁ(両手で受け取って、包装に目を走らせる) (ちょっとじーんと来つつ……)…あ、これあの高い洋菓子店の…い、いいのかこんなの? 友達に配るにしては高くない? -- 佑也
- そうですわね。未帰還者事件に連なる、様々なアクシデント…。
まったりとしたネトゲライフを楽しみたい方々にとっては、アレはやめるに十分な事だった様ですわ。 中等部でも、それで止めてしまった人も相当数いるようで…。でも、わたしは逆ですわ。 あ、先輩も続けるんですわね!よかった…。なら、その内一緒に冒険をしませんか? (ごく当たり前の様に誘えた。これももう、自分のキャラを隠す必要がなくなったためだ。実に気楽) (残り1年と言う言葉には、やはり当たり前の様にリヴェルの顔が思い浮かぶ) (でも受験でネトゲ休止と言うのはよくある話しだ。まさか、ね、とだけ呟く) 値段などお気になさらないで。いくらであろうと、手作りのチョコに敵う物などありませんわ。 …て、あ。(ここに来て肝心の事を思い出す)そう言えば、先輩はお付き合いしてる方は…? -- 磨夜
- その辺だよな。実際、クラスでやってた奴も皆とりあえず様子見、とかが多かったしな…
(そっちもそうだよな、と頷きつつ…やはり橘さんは変わり者だという感想。あんまり、逆の発想にいきつかないと思うのだが) …俺のキャラと? そうだな。そういうのも悪くないかもしれない…そのうち時間合わせてログインすれば会えるかな…連絡取れないといけないけど…(携帯を取り出し)…メアド交換する?(割と露骨なナンパの気がするが、チョコで浮かれているだけです) 手作りだったら本命っぽくてさすがに焦るぞ…橘さん湯煎とか知ってる? やる機会があったら鍋焦がさない様に作るんだぞ…(料理ベタだったのをちゃっかり覚えてた) はい?(なんか微妙に声がうわずった。なんでこのタイミングでそういうこと聞くのこの子) いや、生まれてこの方居ないけど… -- 佑也
- 先輩は、先日の一件を知ってますか?未帰還者を作りだしていた男と、それを倒したPCの話…。
集団幻覚とか、メタネタだとかいろんな説がありますけど、わたしはアレは全て真実だと…えと、信じています。 (知っているとは言えず、最後だけちょっと言葉を濁し)こう言うと不謹慎ですけど、その一件で興味が深まったんですわ。 どこまで言っても謎だらけの不思議な世界、リアルにまで影響を及ぼす機能。 恐く無いと言えば嘘になりますけど、それ以上に、知りたいという欲求がこの胸に湧いてくるんです。 (自分の胸に掌を当てて、目を輝かせて述べた) はい、是非。まあしばらくは忙しくてIN出来る時間は少なくなってしまうのですけど… (メアド交換にははい、と頷いて、自分も携帯を取り出す)赤外線で送りますわね。(そして携帯同士を近付けてメアド交換) ゆ、湯煎くらい知ってますわ。チョコを直火にかけたらどうなるかも…その、身を持って知ってますわ…。 (鍋こがしは既に経験済み。相変わらず料理は下手である。問いへの答えはまあ予想通りであった) まあ、そうですわね。居たらこうして今、わたしと歩いているわけがありませんもの。 よし!(ぐ!と拳を握って)なら、来年は手作りに挑戦しますわー。 -- 磨夜
- (この上なく、ある意味で誰よりも知っているのだが…途中で昏倒したけど。この件で嘘は吐きたくないが、しかし…とりあえず頷くに留めた)
さすがに、話には聞いたよ。…そうか、橘さんは信じてるのか、あの事件を…好奇心は猫を殺すけど…まぁ もう、大丈夫そうだしいいんじゃないかな。GLOが運営されているうちは、楽しめると思うよ。リアルへの影響はもうない方がいいと思うけど (目を輝かせて語る様子は、眩しく映る。なんとも、見ているのが照れくさいくらい。おかげで、真実へ向ける欲求への既視感のようなものを見過ごしてしまった) じゃあまあ、お互い落ち着いたら電話するって事で。ありがと(つつがなくメアドをゲット。幸運である) …ああ、身を持ってってもうやらかしたか…(曖昧な笑み…だったが)…そりゃそうだよ。そんなにモテる顔してないしな… やる気まんまんだな………来年もくれるとか?(そんな事一言も言って無いのだが男なら期待せざるを得ない) -- 佑也
- (口元に手を当ててくすりと笑い)ふふ、大丈夫!デッドなんて日常茶飯事ですわ!
あ…リアルへの影響は…まあ、そうだといいですわね(言葉が濁る。左胸にはまだその影響があるままだった) はい、GLOのことでもそれ以外でも何でもメールしてくださいね。わたしはちょっと筆武将ですけど…。 て、あら、人間顔ではありませんわ!大事なのは心、ですわ。 (きっぱりと言い切る。大事なのはアバターではない。そこに宿る魂だ) (そして磨夜は自覚はなしに感じていた。この石神祐也という少年に、あの意志の強い練装士と同じ心の在り様を。だから――) 先輩が望むのなら何度でも、あ、でも…味は保障出来ませんわよ? (てへりと笑って言ったその時、携帯がアラームを鳴らした。何故か「あ〜ん❤」という音だった) …あ。あら、そ言えば切り忘れてましたわ。先輩、もっとお話したいのですけど 今日はこれから病院に行かないといけないので…。ここでお暇しますわね。 -- 磨夜
- もしかして橘さんのキャラ、レベル低いとか後衛系…?(まさか、勇猛なウォリアーだと想像できるはずもなく)
意識不明者も、どんどん目覚めてるみたいだしね。これ以上は何もないのを祈ってるんだけど ま、俺も女の子ほどマメにメールしたりしないけどたまには送るよ、せっかくだしな…?(お世辞か建前…だと思うのだが。この少女からはそういうものを感じなかった) …褒め言葉に受け取っておくよ、ありがとう(少し照れながら笑う姿は、GLOの誰かと同じものだった) 何度でもって…(だからこの子はなんでそういう事をあっさりと)…なにその着信音!? あ、そうなんだ。じゃ、俺は寄る所あるし。一緒に帰るのはまた今度でも(またな、とそこで別れるのだった) -- 佑也
- それは、内緒ですわー(悪戯心から、キャラの事は秘密にした)
はい。意識不明者が多く出たのは事実、今のところゲームとの関連は証明はされていないけれど…。 (HMDを含めたハード面にその証拠があれば、GLOもただでは済むまいと言う不安はあった) (まあそれは今はいい。着信音には誤魔化す様に、えへへと笑って) 4月からは校舎も同じになりますし、一緒に帰れるといいですわね。 それでは、先輩、今日はありがとうございました!またですわー。 (片手を振ってててて、と病院まで行けるバス亭のある道へと走ってゆく。その走りはとても…遅かった) -- 磨夜
- 学園 講堂 --
- 朝礼にて --
- 昨晩、生物の担当教諭である音羽先生が倒れられ…
…、残り一月ほどのこの時季に誠に残念ですが…、後任として…… --
- 緊急朝礼での学長の長話。
要約すれば、とある女性教諭の急病による救急搬送、休職と後任人事の告知。
地方紙の紙面に小さく記事が載るも…それもまた一人、市内において頻発する意識不明者の数が増えたに過ぎなかった --
- 放課後 図書室にて
(少女達が小さな声で会話をしている) --
- どうしたん?
柚香ちゃんがうちに用事やなんて、めずらしいわぁ あっ 別にや〜ゆうわけじゃないんよ、ただ珍しなあって思ったんよ -- ゆかり
- あの…………その…………… 黒崎先輩にお願いがあって……その…………。 -- 柚香
- (図書室で借りた本を返しに行きがてら、新しい本を刈りに来た所。聞く気はなかったが声が漏れ聞こえた)
(本棚に向きながら、少女らには背を向ける形だ) -- 佑也
- そんなに縮こまらんと、何でもゆってみ?
うちにできることなら協力はおしまへんよぉ やて、柚香ちゃんは美術部の大事な後輩やからね -- ゆかり
- でも……あの…(言い辛そうに迷った後、意を決して口を開いた)
お願いです…GLOで、見てきて欲しい場所があるんです 黒崎先輩はとっても強いキャラを持ってるって聞いたんです お願いです……強い、人にしか頼めないんです -- 柚香
- (何を借りているかと思えば雑多に、歴史の本だったり、更にはコンピューターのAIについての本)
(ネットゲームについての、様々な面での書籍もないかと探していた所で…その台詞が耳に入った。GLO) ……ん?(学校内で聞くのも珍しくは無いが、一応耳を澄ませてみる。本は探しながらだが) -- 佑也
- …っ ま、いややわぁ、どこで聞いたん? そんなん昔のことやぁ(照れた様子)
もうやめて半年は経ってるんよ、大したことあらひん キャラデリはしてへんから……見てくるくらいなら簡単やけど………? -- ゆかり
- クラスの…男子に聞いて………。
あ、ありがとうございます!! 私……キャラクター消しちゃったから…もう、見れないし…こんなこと、言うのも図々しいってわかってるんですけど……でも、どうしても気になるんです…… 馥郁たる木花の深森っていうフィールドが今もあるのかどうか、あったとしたら…どうなってるか見てきてもらえませんか? -- 柚香
- ……(聞き覚えがあるそのワードは。確か…)
(エヴァさんの居たエリア…? と思いつつ、いい加減同じ場所にいるのも変なので、抜いた本を抱えて彼女らとは別の机に座ると本を読み始める。話の先が気になったのだ) -- 佑也
- お喋りな男はモテへんてゆとたって
…へ? 消してしまったん? あんなに気にいっとったのに、ちっちゃいけど頑張るゆうとったんに……? 転職やて最近やっとできたって聞いたばかりやなかった…………? ん〜うちの知らんフィールドやね アプデで追加されたんやろか -- ゆかり
- きっとあのままだと…皆に、迷惑掛けちゃうから……。 それなら、私の手で終わらせてあげたかったんです………
でも、消した後も不安で…もしかしたら…………… フィールドは、その……… ここからは、夢、みたいな話なんですけど…聞いて、もらえますか…… -- 柚香
- (これは、どうも盗み聞きが過ぎてるな…と思った物の。ゲーム側で知り合いの消息が途絶えた理由は理解する)
(故に、この本を読み終わるまでは聞いて行こうと決める。ちなみに題名「人工知能学辞典」…難しくてよくわからない) -- 佑也
- なんや、ゲーム内でもめたんか? そういうのならうち得意やけ(主に力で解決)、相談してくれたらよかったんに………。
まあもう消してしもたんならどうにもならんから、気にしすぎちゃダメやよ もちろんや 笑ったりしいひんから話して欲しいわぁ -- ゆかり
- (それから柚香が話したことは、まさに絵空事のような話だった)
(ゲームから帰ってこない未帰還者のこと、自分もそうなりそうだったこと、得た力のこと、関った人々のこと………そして故意ではないが自らが歪めてしまったフィールドのこと) ……ごめんなさい…危ないって分かっていて、頼んでごめんなさい…… 強い先輩ならきっと逃げられるから………少しだけ、少しだけでいいんです 見てきたら必ずすぐに帰ってきて下さい (ぽつぽつと語られる長い話が終わる頃には、すっかり日も落ちて帰りを促す音楽が流れ始めた) -- 柚香
- …これ、借りるのは止めよう…(結局、盗み聞きと半々以上に本に読み耽っていた。その分不審さは無かっただろうが)
(チャイムより少し早く立ち上がり、鳴った時点で慌てて本を本棚に戻す。借りるべき二冊の本を図書委員にハンコを貰い) -- 佑也
- (結局二人は佑也の存在を気にする余裕もなく、話し込んでいた所を司書さんに追い出された)
(それからもカフェで随分と話し込んだようだ) (佑也とゆかりがゲーム内で遭遇するのは、そう遠くない話のこと) --
- 1月某日。とある1年クラスの教室。昼休み
(珍しく、持参の弁当と一緒に飲んでいるのは水筒ではなく紙パックのコーヒー牛乳である) いや、失くしちゃってな水筒…(そこを突かれたクラスメイトと話ながら食事を進める) -- 佑也
- ――随分と、時間が掛かってしまいましたわね。まあ仕方ない事とは言え…。
(中等部の制服を着た少女が、高等部校舎の廊下をすたすたと歩いて行く。胸に、チェック柄の紙袋を抱えて) (少女が足を止めたのは、あるクラスの教室の前。おもむろにガラリと扉を開け、教室の中を見回す) 眼鏡、眼鏡…。ああ、居られましたわ!(そして石神の姿を目にするや、そう言って嬉しそうに笑う。更に――) 石神先輩ー。お待たせいたしましたわー(言って、其方に手を振る) (真昼の闖入者は…来るなり、恐ろしく目だっていた) -- 磨夜
- ……(さて、午後の授業が終わったら今日はGLOでどうするか…等と。のんびりおにぎりを頬張っていたのだが)
……!?(がらっとドアが開くくらいでは別に目も向けずに友人と話していたのだが、メガネ。石神。で該当するのは残念ながら自分だけだった) (クラスメイトのひそひそ声と後期に満ちた視線に晒されながら錆びた玩具の如くギギギ…とゆっくりドアの方を見たら。何かいた。前に中庭で会った中等部の子だ) …お待たせ!? 待ってない(ここで友人に待ち合わせか! あんな子どこで捕まえた!とか野次代わりに突かれたり。本人もテンパって磨夜の前まで小走りに) 廊下、廊下!(廊下で話そうとジェスチャーで示しながら教室から逃げる様に退散。背後から色んな声を受けながら全面逃走である) -- 佑也
- (周囲の好奇に満ちた視線。…を、まったく気にも止めず、磨夜は石神の方へと歩みよって行く)
(けれど、当の石神はどういう訳か慌てふためいて…自分を連れて廊下へと飛び出してしまった) あ、あらあらあら…?せ、先輩?あの、お食事中だったのでは…。 (廊下に連れ去られると、わけがわからない、といった表情で首を傾げる) まあでも、此処でも問題はありませんわ。先輩、先日お昼をご一緒した時、水筒をお忘れになったでしょう? すぐに届けようと思ったのですけど、先輩のクラスを探すのに時間が掛かってしまい… お待たせする羽目になってしまったのですわ。 -- 磨夜
- ああ…あとで徹底的にからかわれる…
(この年代にとってこの手のネタは絶好の話の肴である。そりゃあもう後で追求されるだろうなと溜息) …いいんだ、飯を落ち着いて食べられる状況じゃなかったし…で? ……あ(そこで忘れたのか、と合点のいった顔) …あー。名前は書いてあったけどクラスなんて書かなかったしな… わざわざ調べてくれたのか? 悪いな、ありがとう(色々なんであんな目立つ事を! とか聞く気だったのが綺麗さっぱり失せてしまった。素直に礼を言う) -- 佑也
- からかわ…?(くすり、と笑み)先輩は、仲の良いお友達が沢山居るんですわね。よい事ですわ。
(それなりに想像は付いたが、所詮は噂。友達同士のじゃれ合いとして理解した) はい。お名前は伺いましたし…。それでですね、お飲み物に困っているのではと思いまして 温まる紅茶を淹れさせていただきました。お口に合うとよろしいのですけど…。 それと、今日、たまたま調理実習がありましたので、それで作った物も、よろしければどうぞですわ。 (はい、と赤いギンガムチェックの紙袋ごと差し出す。中身は水筒と、タッパーに納められたオムレツとほうれん草のソテーだ) (出納の中身はジンジャーアップルティー。身体のあたたまる紅茶だ) -- 磨夜
- …いや、沢山かはともかくまあ仲はいいんだけどこの後の展開は疲れるからいいとは…(はははと乾いた笑い)
飲み物はまぁ…余計な出費ではあったけどちゃんと飲んでたけど。食堂で買って来てさ…紅茶? (紙袋を受け取り中から水筒を取りだす。確かに自分の物だ)調理実習……まさかクラスの女子が余ってるの適当に配る以外で貰うとは…貰っちゃっていいのか? (とりあえず、水筒の中身は貰っていいだろうと自分で注ぎ) ……うわ(いい味がする。いいお茶なんだろうな…等と味わいながら飲んでいる) -- 佑也
- まあ誤解と言うものは話せばすぐに解けるものですわ。それに…お互い様、ですもの。
(先日の昼食の後、磨夜もまた少なからず石神と共に居た事をあれこれ言われたのだった) (けれど、それはそれで楽しんでしまうのあたりが磨夜の、石神とは違う点だ) ああ、やはり…。ごめんなさい、それなら例え休日にでもご自宅を探すべきでしたわね…。 (サラリと恐ろしい事を言った後、問いには勿論、と頷いて笑み)ただし、その…(ちょっと、俯いてもじもじとし) 味には、自信がありませんから…。ま、まったくと言っていいほどに…。 あ、お茶はどうですか?甘すぎでないといいのですけど。 -- 磨夜
- ……お互い様って? ……もしかして中庭で話してたのそっちも見られた?
そりゃ悪い事したな…(苦笑い。楽しんでいるとは思いもしなかった) いやいや、そこまでして貰ったらさすがに悪いって。先生にでも言って渡せば探してくれただろうに… ……?(なんかこう、GLOでいつのまにか培われた生存本能が危険を告げている様な) (しかしそんな事言われてお問われる様な胆力はない。ないのだ)…ああいや、せっかくだし貰うよ(タッパーを開いてひょいと摘まむはホウレンソウのソテー。ぱくり) アップルディーだね、俺はここまで甘くしないけど…これはこれで新鮮だ(身体も温まるし、と特に不満なさそうだ) -- 佑也
- ええ、それはもうばっちりと。写メまで撮られていましたわ。まあ、わたしは困りませんけどー。
(クラスメイトにいろいろ言われた時の事を思い出しつつ、くすり、と笑う) 先生方でも休日に働かせてしまっては気の毒ですわ。こうして届ける事も出来ましたし、それに… (ほうれん草を食べるのをじ…と見る。味は、薄すぎる。醤油でもほしくなるほどに) (一方、オムレツの方は味は普通だが具である野菜の微塵切りが、でろーんと飛び出している) ――それに、ちょっと確認しておきたい事もあったのですわ。 -- 磨夜
- 写メ撮られるな事してないよな!? おのれ女子め…困らないのか(大物だなぁ…と磨夜を眺め)
…良く出来た子だなぁ君は。俺ならそれくらい働けと思わないでもないけど(大人にはちゃんと働けというのが持論らしい) …塩コショウもバターの味もしない…(もぐもぐ。食べ物は粗末にしないのでちゃんと食べた) …オムレツ、具がはみ出してるね…(食べる)…味は大丈夫だけど。卵で包むの難しかった? ?(…口の中にオムレツが残っていたので、視線だけで先を促す) -- 佑也
- ふふふ、大丈夫ですわ。一緒にPCを見ているだけの写真ですもの。
先生方にもご家族は居られるでしょう。そのご家族と一緒にすごすための時間を潰してしまうのは…。 (ちょっと、顔に陰が落ちた。しかし、味の感想にすぐ顔を上げて)あ、あら…。量が少なかったのでしょうか…。ごめんなさいね。 (そもそもバター投入を忘れているのには最後まで気付かなかった)オムレツはその、フライパンの上で引っ繰り返すのが難しくて…。 ああ、お料理も考えるだけで出来ればいいですのに! (視線には、どう言った物かと考える。とりあえず、素直に話すことにした) この間、先輩は黒PKのスレッドに興味をお持ちだったでしょう? あのPKにキルされた方は、大変な事になっているという話しがあるんですわ。 それで、先輩が黒PKに倒されたりしていないかと…心配だったんですわ。 -- 磨夜
- ……あの時か!?(大分くっついてなかったっけ…!? と青くなる)
……ああ。そう言われればそうだね(家族が居ない自分にはピンと来ないのだが。それが普通の感覚だし、当然だと思うので頷いた) うん、味が偏ってるしもうちょっとちゃんと炒めた方がいいね。バターソテーだったんじゃないのかな… オムレツはまぁ、難しいから。フライパンに入れてすぐかき混ぜながら奥に集めて回転させないと半熟にならないんだ(妙に詳しいアドバイスをしつつ、完食) ハハハ、GLOじゃないんだから……ああ。話もそれか(黒PKと言われると素直に頷く) アスキア……いや、なんでもない。大変な事か…(未帰還者だな、と察しがつくがそこまでは言わず) 大丈夫だよ、この通り元気だろ(この回答はしかし不味かった。やられたら元気ではなくなる事を知っている、という事だ) -- 佑也
- そ、その時ですわ。まあ(此方の)誤解は解けたので大丈夫です。
(肩をよせあっていた事はあえて言わなかったが、覚えていた事にちょっと驚いた) (先生の事はそれで終わりと言葉を続けず)く、詳しいんですわね。先輩はいつもご自分でお料理を…? て、こ、ここで全てお食べにならなくても…。それなら座れる所に行きましたのに。 (それでも、全て食べてくれた事が嬉しかった。にこーと笑みを浮かべる) はい。信じられないと言う方も多いのですけど、実際に被害を受けた方も――あすきあ? (聞き覚えのない単語。響き的には名前の様だが…。あるいは、この石神のアバターの名前だろうか…等と思う少女) (そして続く、石神の失言。…この人は、ある程度の事は知っていると確信する) (ならば、いっそ腹を割って話してみるべきか――)あの、先輩は未き… (そう思った瞬間、昼休みの終わり、5分前を告げるチャイムが鳴り響いた) -- 磨夜
- …あ、良かったね。そっちは誤解解けたんだ。こっちは……(遠い目が全てを物語る。まあ、誤解というよりはからかいのネタになり続けているだけだが)
ん? 自炊派だからね。朝昼晩俺が全部飯作ってるから、余裕 …あ、気にしないでくれホント(失言した、と思いつつ手を振る…黒PKの正体、だなどと言えるはずがない) …(どうも、この子も何か調べて回ってるのは間違いない。意外だが出来れば巻きこむのは避けようと言い訳を探していた所で…) (救いの手はチャイムだった) …あ、昼休み終わるな。中等部の校舎ちょっとあるだろ、急いで戻った方がいいぞ…それじゃ。今日はありがとうな橘さん。御馳走様(紙袋にタッパーを戻すと、水筒を持って自分の教室に戻っていった) -- 佑也
- (くすくすと笑う。これから教室で更につつかれるのだろう。それを想像すると可笑しかった)
本当、みんな恋愛のことで騒ぐのが大好きですわよね。て、3食ご自分で!?そ、それは凄いですわ…。 (家事などほとんどした事のない磨夜にとって、その報告はショックだった) (気にするなと言われても、もう聞いてしまった。アスキア、この名についても調べる必要があるかも知れない) う。は、はい…急いで戻らないといけませんわ…。先輩、それではまた…。 今日はこれで失礼しますわ(ぺこり、と頭を下げると自分の校舎へ向かってたたた、と走っていった。その走りはとても――遅かった…) -- 磨夜
- <1月某日、学園敷地内、中庭>
(三学期のはじまって間もない時期、進学の決まった中学三年生にとってこの時期はちょっとした暇である) (時刻は昼休み。この日、授業自体は午前中で終わっていたが、所属する委員会の都合があり、磨夜は午後も学園に残る事になっていた) (今は昼休み。クラスの友達が帰った後、中庭にくりだし、ベンチに腰を降ろしてお弁当をひろげる) (幸いにも今日の昼は日差しが強く、風も無かった。教室内より庭の方が温まる) …困ったものですわね。こんな時に限って早く帰れないなんて。 (言い乍、紅茶を一口のみ、ベンチに置く。その横には雑誌が一冊置かれている。GLOマガジン2月号だ) -- 磨夜
- (包みと四角いノートPCを小脇に抱えたメガネの学生がふらっと中庭に)
(服装で、高等部1年の生徒だと分かる。着崩さずにきっちり制服を着込んでいる辺りに几帳面さが出ているのが見てとれるかもしれない) ……(空いているベンチを探す。ちらほらあるが…一人分空いていても女の子が複数座って賑やかな所や、カップルらしき学生がいるベンチに行く気にはなれず。磨夜の居るベンチに着た) ここ、空いてる?(磨夜の座る場所と逆の端を示し) -- 佑也
- (甘く味付けされた玉子焼きを口に運ぶ。悩み事は尽きないが、食欲は十分)
(今日もお弁当は美味しい。ゆっくりと、それを味わおうとしていると、間近で男子の声がした) (ほへ?と言う顔で首を傾げる。それが自分に言った言葉だと気付くのに数秒掛かった) …あ!ココの事でしたのね。…待ってくださいな、今荷物をのけますわ。 (自分の隣に置いていた、雑誌と鞄を逆の側にまとめて置き直す。結果、男が座るには十分なスペースが空いた) どうぞ、お座りになって。…あら、高等部の方ですわね。 (見ればその制服は高等部の物。あと数ヶ月もすれば自分もそれを着るのだなあ、と、じ…と眺める) -- 磨夜
- (GLOマガジンがちらっと見えた…しかもこの子、どこかで見た気がする。と思ったがまさか下級生にそんなナンパ紛いの台詞はかけられず、荷物をどかして貰うと)
ありがとう。悪いね (空いたスペースに座ると、膝の上でノートPCを開き、起動。OSが立ち上がるまでの間に包みを開く) (水筒と、アルミホイルに包まれた手作りのおにぎりが3つ。小さいタッパーを開くと漬物が入ってたりもした) ああ。高1だよ、その制服…中等部の三年生だっけ?(アルミホイルからおにぎりを出しながら答え) -- 佑也
- (昼食を摂り乍、PC。行儀は悪いけれど、眼鏡を掛けたその姿には似合ってる気がした)
(問いには、にこりと笑って頷き)はい。中等部3年の、橘磨夜と申します。(特に警戒する事も無くアッサリと名乗る) (そして男の弁当を見ればおにぎりと漬物。渋いけれど…)あら、少食ですわね…。 わたしのクラスの男子など、すごい量をお食べになりますのに。 (まったく遠慮なしに言って、にこにこと笑う) (磨夜の弁当は、サンドイッチをメインに、玉子焼き、ウインナー、ポテトサラダ。それにデザートのフルーツを詰めたタッパーが有る) (それに加えて、魔法瓶に紅茶を用意していた) -- 磨夜
- …へ? ああ(名乗られるとは思わなかったので1テンポ遅れ) 高等部1年の石神祐也だ(礼儀は守るとばかりに、磨夜を見て名乗り返した。再びPCに目を落としながらおにぎりを頬張る)
……(租借しながら、起動したPCでブラウザを起動。お気に入り一覧から…GLOのBBSを選んだ。読み込み中…遅い。相当古い中古のもの故に) (おにぎりを飲み込んでから答えた)カロリー的には足りてるからね、節約の一種だよ(別に、腹が減らないというわけではない。我慢である) そっちは量はともかく豪華でいいな(水筒から彼が注ぐのは緑茶であった。また渋い) -- 佑也
- 石神先輩ですわね。来年度からお世話になります。よろしくですわ。
(ぺこりと頭を下げ、それからサンドイッチを食べる。具は照り焼きの鶏肉にレタス。節約と聞くと、ふむぅと唸って) (そんでポン!と自分の掌を合わせて)では、こうしませんか。(二人の間に自分のサンドイッチと、おかずを並べて) どれでも、お好きなものをどうぞお召し上がりになって。替わりに、そのおにぎり、おひとつくださいな。 (良いアイデアだとばかりに、脳天気に提案する)それにしても…。お食事中までネットだなんて。 一体、何をそんなに真剣に見てらっしゃるのかしら…? -- 磨夜
- こちらこそよろしく。ま、校舎とか教室が変わるくらいだけどな。中高一貫だし
(さっきからやたらと人懐っこい目の前の少女を眺める。自分はモテる方ではないはずだが…?) (となると、目の前の橘さんが人懐っこいのだろう。納得したので交換を提案されてもなんとか落ち着いて) 腹減りの俺としては嬉しい提案だな…残りの二つはこっちが鮭でこっちはワカメご飯。それでいいならどっちか持っていっていいよ(ちなみに今自分が食べているのは昆布である。無難だ) 勉強とか授業のレポート…なら格好よかったんだけどな。残念ながら趣味…遊びの事だよ。ネットゲームさ(遊びといいながらも、BBSを眺める顔は真剣さが伺える) -- 佑也
- ですわねー。出来れば、進級に際して新鮮味が感じられると良いのですけど…。
(育ち故か、警戒心の薄い少女。その人懐っこい態度は、学友にモテ期の到来を思わせる事もしばしばある、事もある) はい。育ち盛りなのですから、おなかいっぱい食べるべきですわ。…では、わかめご飯の方を。 (海草類は好みだ。でも家ではあまり食べない物で、そのおにぎりを貰えるのは嬉しかった) (早速、両手でおにぎりを持つと先端からぱくぱくと食べて)おお〜。ほどよい塩加減、これはおかず要らずですわね。 (半分ほど食べて、一度お茶を飲み)ネトゲを…?ここ数年では何と言ってもGLOが人気ですわよね。…て、あら? (目をぱちくり。そして石神の顔をじ…と見詰める) -- 磨夜
- 制服のデザインが変わるとか、そういう細かい所から探せばそれなりに新鮮さもあるかもね。女子だし
(この後学友にからかわれたりするのだが、今のこの時の祐也には知る由もなかったのだった…) 懐が寂しいと中々そうも言えなくてね…じゃあこれとか(無難にウインナーを選んで一つぱくり。肉はいい…) そうそう。そのGLOだよ……目新しい情報は無いか(PC画面とにらめっこしていたのだが…そんなに凝視されれば気付く)…な、何だ。どうかしたか?(磨夜の方を見て若干仰け反りつつ。ウインナーはもう飲み込んだ) -- 佑也
- なるほどですわ。では昨年、先輩が高等部に進級された時はいかがでした?新鮮でしたか?
(同じベンチでお弁当を交換して食べる様子など、傍目には確かにそう映ってもおかしくはなかった) (その事に気付くのは、同じく、後日クラスメイトにからかわれた時になるが) (そして、石神の顔を眺める磨夜は、得心のいった様に笑みをうかべて)GLOで思い出しましたわ! 貴方はあの時…冬休みの間にネットカフェでお話をした方! 学生だろうとは思っていましたけど、同じ学園だったのですわねー。 (一人納得して、はしゃぐ様に再会を喜ぶ) -- 磨夜
- ……どうだったかなぁ。ああ、クラス替えがあったからそれは結構新鮮だったな。後は…そんなに(苦笑する)
(もう一個ウインナー貰う。ああ、これ高い奴だ…いいの食べてるなぁ…と庶民の感想を持ちつつ) …? 何を? ……(ネットカフェ、と言われ)……ああ。ああー…ナプキン落としたよね確か(手をポンと叩き) 凄い偶然だな…(はしゃぐ程ではないが、純粋に驚いて改めて磨夜を見て) -- 佑也
- クラス替えは、ちょっと怖いですわ。今のクラスメイトと離れ離れになるのは…。
(貰ったおにぎりを食べ終える。大きなおにぎりは思いのほか腹に貯まり、満腹感を覚える) あ、よろしければどんどん食べてくださいね。わたしはその、今のでおなかいっぱいになってしまいましたわ…。 (言ってまた紅茶を飲むも、ナプキンと言われてこほこほとむせる)けほ、し、失礼しました…。 覚えて頂けていたのは嬉しいですけど、あのメモの事まで…。むぅー…。 (バグに対抗する力をバグから得る。その試みが失敗した(と思ってる)今となっては、苦い思い出だ) まあ、子安市近辺で学園と言えばここですものね。あり得る事ですわ。それで、GLOの方はいかがですか? この頃は、その…(ちょっと、言葉を選んで)怖い噂が飛びかっている様ですけれど。 -- 磨夜
- 大丈夫大丈夫、橘さん人懐こいみたいだし。自分から積極的に行けば新しい友達も出来るだろ
…そうか? なら遠慮なく…いいもの食べてるね。手作り?(ひょいと手掴みで卵焼き貰う。他は箸がないと食べづらい) っと、大丈夫? いや、ナプキンくれる人なんて珍しいからな。つい(その様子に少し笑い) いかがですか…と言われるとなんだろう。まあ楽しいけどね 怖い噂…は大丈夫。削除されてるよ…まただ。見たかったんだが…運営も仕事し始めたみたいだね -- 佑也
- 人懐こい、そ、そうでしょうか…。それが、この頃はわたしもGLOにどっぷりハマってしまってまして…
(てへへ、と照れた様に笑う。手作り?との問いには首を横に振って)残念ながらお料理はあまり出来ませんの。 石神先輩のおにぎりは手作りなのですか?とても美味しかったですわ、ごちそう様でした。 (ナプキンの話題が出たついでに、玉子焼きやウインナーを摘んで汚れた指を拭ける用、ウェットティッシュを差し出し) 楽しめているなら何よりですわ。ゲームは楽しくなければ。…あ、ちょっと失礼。 (言って、ひょいとPCの画面を覗きこむ。ノートPCの狭い画面ゆえ、肩をよせあって眺める姿勢に) ああ、これは昨夜起きた1:11の惨劇こと、黒PKの情報のスレッドですわね。 大殺戮であったにせよ、PKは日常的に起きている…ごく普通の、仕様内の事でしょうに。何故、削除されたのか…。 (言い乍、目線は石神の顔へと映る。今の話題にどんな反応を見せるか、見定める様に) -- 磨夜
- うん。凄くなつっこい。そりゃまた…女性プレイヤーも多いゲームだけど。先生に怒られない程度にした方がいいぞ
(礼を言って、素直に手を拭いた)そう、じゃあ作ってくれた人に感謝しておこう。御馳走様 ……っとと(いきなり女の子に肩を寄せられればそりゃもう驚く。祐也が硬直している間によく画面が見えるだろう) 昨夜…ああ、うん。街中で起きたとかちらほら聞いたしその辺じゃないか…騒がれてるのは(無難な言葉を選んで答えて) ただ、噂話が独り歩きしてるみたいなこの状況は気になってね。BBS眺めるのが日課になっちゃったよ(苦笑いして答えた) -- 佑也
- むぅ、まあよく言われる事ですけど、自分ではわかりませんわ…。
あ、学業の方でしたらご心配なく。これでも成績は良い方なんですわよ。 (一寸、自慢気に言って胸を張る)て、わたしにも感謝してくれてもいいですのに…。 (果たして石神の返事は、ごく普通のプレイヤーを思わせる、無難な言葉であった) (磨夜の表情に、ちょっと残念そうな色がよぎる)匿名掲示板ですし、まあ5割は噂、4割はネタと言ったところですわね。 でも、その削除された情報は本当のようですわ。もし、貴方が黒い甲冑に黒い剣を装備したPKを見たら すぐ、お逃げになる事をお勧めしておきますわよ。 (偶然、ポロリと流れる情報。それは黒PKが拳術士ではない事を示すものだ) -- 磨夜
- 自分の事って自分じゃわからないもんだよ。最近教えて貰ったんだけどな、先輩からのアドバイス
へぇ。羨ましいな…最近勉強よりゲーム優先になってきて…気を引き締めておこう (一方、こちらは抜け目なく磨夜の表情を追っていた…「何か、追ってるのかなこの子は」) …なるほど。真実は1割あると。いい事言うね。甲冑に黒い剣……そういうPC沢山居そうだけどな(分かったよ、と頷き) 橘さんも。画面にノイズが走ったら気を付けた方がいいよ。すぐにゲームを止めて目を休めた方がいい、そういう時は (そんな、お返しの用に何か知っていそうなアドバイスをすると。チャイムが鳴った) …やべ、午後の授業が(ノートPCを畳んで、包みを仕舞い込み) -- 佑也
- たしかにその通りですわ。ありがとうございます、先輩。
わたしはもう進級待ちですけど、先輩はテストがありますものね。頑張ってください。 (刹那の緊張、互いの腹の探り合い――になるには、互いの素性を知らなさすぎた) はい、黒い装備はカッコいいですものね。該当するPCは多いかと…て、ノイズ…。 (目を丸くして驚いてしまった。けれど、丁度その空気を破る様に…チャイムが鳴り響く) あらら、話しこんでしまいましたわ。それでは先輩、ごちそうさまでした。 (自分も荷物をまとめる。こちらは委員会の仕事だけなのでのんびりとしたものだ) -- 磨夜
- ははは、一夜漬けは趣味じゃないんだけどそろそろ頼らないと危ないかもな…
こちらこそ。美味しかったよ。人の弁当貰うも悪くないな(またな、と手を振ると、後は振り返らずに去って行った…水筒を忘れて) (この後巨乳下級生と中庭で何をしてやがった!! と級友にからかわれましたが本人以外には無害です) -- 佑也
- そう言えば、男子はあまりお弁当の交換はしませんわね。不思議ですわ…。
(普段、ごく当たり前の様に、友達とおかず交換してる身としては素で不思議であった) あ、GLOマガジンを読む時間が…て、あら…?(忘れられた水筒に気付く) あとで届けましょう。でも、あちらは今から授業ですし…うーん…。 (結局、その日は時間が合わず、届けるのはまた後日になるのだった…) -- 磨夜
- 休日 閉ざされた校門
普段、学が樽谷学園の前を通る事はない 通学にも、通院にも、買い物のルートにも無縁の場所だ -- 学?
- 接点はといえば、父が此処で教鞭をとっていた事 それだけ。
学の両親が彼を遺し他界してからもうすぐ3年になる 父が受け持ったクラスの生徒はもう卒業し、この学校には居ないだろう -- 学?
- 父がどのように生徒達と接し、授業を行っていたのか学は知らない
きっと楽しい事も有っただろうし、ストレスも沢山有っただろう事はある程度想像出来る しかし、結局それは想像止まりでしかないのだとも学は思う -- 学?
- 両親と仲が悪かった訳ではない むしろ仲の良い家族だったと思う
そう思う一方で、自分がそう思い込みたいだけなのではないかとも思う -- 学?
- 自分は父の事をよく知らなかった 母の事にしてもそうだ
両親が死んだ事を知っても自分は泣く事がなかった 時々こんな思いに囚われる 自分という人間は酷く薄情で冷たい奴なのではないだろうかと -- 学?
- 寒い。義足から寒さが這い登ってくる。
何分ぐらい此処でこうして立っていたのだろう このまま立ち呆けて居た所で何も得る物はない まして風邪を引いてしまっては面白くもない 学はこの場を離れていった -- 学?
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