名簿/102606

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  • (空間がちーーーーと、チャックの様に開き、別の空間から万国旗に包まれた人間が現れる)
    • (そこには、黒衣の男が佇んでいた)このセンスは……あの双子か
      全く、いつも面白い厄介ごとを持ち込んでくれる(呟き、『彼』を診察台に横たえる)
      • さて……連中から聞いてるかもしれないが、俺はお前たちの言うところの悪魔、という奴だ
        (もっとも、俺自身は今でも人間のつもりだが、な)
        つまり……俺は、お前を助ける事ができる。 ただし、その場合それなりの代償を頂く事になる
        それでも良いなら、思え。 代償を支払ってでも助けて欲しいと
      • (いくらか、迷ったのだろう。その言葉から、しばらくして反応がある)
        (最低限、命を助けてもらうだけなら、代償はどれ程だ?と)
      • 命だけ? 本当に命だけ助ければ良いのか?
        ここがどこだと思う? 悪魔の住処が、どこにあると思う?(どこか、面白がるように)
        命だけなら、魂の幾許か……なあに、死にさえしなかれば、肉体同様に時と共に回復する
        元いた場所まで送り届けて欲しいなら……そうだな、君の千切れかけた右腕を貰おうか
      • (先程よりも、長い沈黙……そして『彼』ははっきりと頷く)
      • クク、それは助けは要らない、ということかな? それとも、右腕を差し出して送り届けて欲しいと言う事かな?
      • (…………右腕を、差し出す)
      • よろしい、契約成立だ。 では、まずは君を生かすとしよう
        このまま右腕を奪えば死んでしまうからな(切れかけた魂の緒を繋ぎ、血液の流出を止め、内臓のいくらかを修復する……最低限生きられる。それだけの処置)
        (そして、右腕を肘よりも少し上から……切り離す)
      • (痛みは、無かった……ただ、寒さと喪失感だけが感じられる)
      • さて、これで処置は完了……これで君を元居た場所へと送り返す事が出来る
        (あろうことか、悪魔は切り離したジェイコブの腕を食べている……血を飲み下し、肉を食らい、骨髄を啜り……右腕は、悪魔のハラの中へと収まった)
      • なるほどな……これが君の……
        君が元居た場所へと戻るまでに、あるいはどこかの場所、いつかの時間を覗き見る事となるかもしれない
        それは、おそらくは君にとって意味のある相手、意味のある光景だろう……良き旅を
        (その言葉を最後に、再び意識が遠くなってゆく)
  • ――――
  •    
  • ポォおねーさん、おきて…?ポォおねーさん…♪(彼女の格好は、ポォが眼を覚ます前と大幅に異なる)
    (大事なところをほとんど隠せていない、非常に短い黄色を基調としたレオタード。腰周りにつけられたシースルーの薄い飾り布、そして何よりー…はばたき、くねる羽と尻尾、それに角)
    (そんな姿の幼女が、少女の手を戴いてその指を含み、ぴちゃぴちゃといやらしい音を立てている) -- クラリッツ
    • ・・・? んん〜〜? (よく解らないままに起こされたそして声のするほうを見ると―)
      !!??っっっ!?? あ、あなたっ何をしているのかしらっっ!?(ポォはポォのままだった。理由は2つ、夢であると自覚していないのだ)
      (もうひとつは契りを交わし覚醒を行った後すぐに目覚めが行われた事。 なりたての淫魔の契りが浅い状態にある)
      (しかしそれもほんの少しのきっかけであの直後に戻せるであろうと淫間は気付くだろう) -- ポォ
  • あー、いけないんだー…♪ポォおねーさん、忘れちゃってるー♥(楽しそうな声でそういうと、ポォの瞳を見つめながら頬や鼻の頭にたっぷりと唾液を乗せ、舐め上げる)
    (昼間のお茶会の時とはまったく違う、暗く淀んだ輝きに満ちた瞳。唾液はたちまちに揮発し、理性を侵す甘い匂いを放つ)
    さあ、思い出しておねーさん…おねーさんはえっちなことが大好きな淫乱…♥おまんこずぽずぽ、クリトリスをきゅっとひねって、乳首をぐにぐに……みーんな気持ちよくて、大好きだよね?(意識に染み入るような甘い声。唾液にまみれたポォの手をそっと持ち上げ、彼女の秘裂に添えさせる) -- クラリッツ
  • (身体の自由が利かずされるがままに、またはあやつり人形のように、体に火照りを与えさせられていく)
    あ。 はァ……!?あ、あなた…クラリッ…(目を合わせた瞬間)ピシッだってぇ わたしエッチなんでしょぉ…? ???
    わ、わたし…えっちなことが…大好…???あっは♡ これ…私なんだ…? 素敵…
    鼓動が強くなっていき) そう…私…(添えさせられた手をそのまままさぐり始めながら)
    (表情が惚け、目の色が澱み、愛液を太股から滴らせながら)クラリ…ツ…さま♡ …すぐ、イキますわ…
    (その瞬間に身体が弾け、頭から、背中から、腰から異形が飛び出した。) -- ポォ
  • (目の前の少女の発情していく様子を…自分を思い出していく匂いを感じ取り、快楽に身体を震わせる)
    おはよう、ポォおねーさん♥ 自分が誰だか、ちゃんと思い出せたかな?(レオタードの隙間から染み出て、湧き出る愛液をポォの滑らかなおなかにこすりつけるように腰をくねらせながら、その小さな手はあごに添えられ、強制的に視線を合わせさせ……それは相手に対する自分の優位を確認する儀式)
    (その間にも幼女の長い、艶めく尻尾は目覚めたての淫魔のそれと絡み、尻尾を愛撫するように絡み合い、こすりあっている) -- クラリッツ
  • はい。クラリッツ様…♡ (吸い込まれそうな妖艶な瞳、ピンクに光り引き寄せられそうな唇)
    (見つめるだけで欲情を誘う。油断をするとなりたての淫魔では逆に魅了されかねない)
    ん… はぁん… (ぽたぽたと淫液を滴らせながら絡み合う尻尾、ただ少し違和感がある 服が元のポォのドレスのままだ)
    はぁ・・・ はぁ・・・♡クラリッツ様 あぅん お洋服…頂けないかしら? クラリッツ様に染められたい…(唇同士が触れ合うギリギリの距離で囁く) -- ポォ
  • あは、おねーさんきれー…♥(魅了の魔力に半ば飛びこみ、ギリギリのところで踏みとどまるスリルを楽しみながら、手足を絡み合わせて少しでも快楽を得ようとする 二匹の雌の頭にあるのはもはや肉の快楽のみ)
    そうだね、ちゃんとサキュバスになったんだから…ちゃんとお洋服もあげなくちゃ♥(吐息の甘さを感じながら、自分も囁きかける。我慢できずに唇を重ねると、そこから唾液や舌と一緒に魔力を送り込んで)
    は、ン…♪、ちゅむっ、んく…っ♥(澄んだ菫色の清楚なドレスは、まるで水中に墨を流されたかのように暗い宵闇の色をたたえ、ポォを緊縛するように身体にフィットしたレオタードへとその形を変じていく)
    (やがて、肘に近い長さのロンググローブにすねまでのブーツ、腰に元のドレスとここだけ同じ色のリボンがゆれている、クラリッツのものと似たレオタード……そして、ややサイズが小さかった。いつもポォの身体に食い込み、微弱な快楽でじらすかのように) -- クラリッツ
  • あ・・・すごいっ ダメこんなの…もっと淫魔に染まっちゃウッ…(身体を捩り、軽い絶頂を繰り返しながらその淫らな衣服の着衣感を堪能した)
    ん…むクラリッツさまぁ♡(唇を押し付け舌を捻じ込み、激しく水音を立てて舌を愛撫し、または吸い付き、唇を甘く噛む)
    んふ…ちゅっ…(唇を離すと一筋の唾液の糸。 そしてクラリッツの唇にポォと同じピンク色の跡がプリントされる。それは強力な媚毒でもあり―)
    今度は私に…ご奉仕させて…?(尻尾は相変わらず絡み合い、ポォの手が湿ったクラリッツの秘所に伸びる)
    こんなになってる… すぐに行きますね…?(ゆっくりと首筋、乳首、臍と唇を触れていき、その度に性感帯が増やされていく) -- ポォ
  • ぢゅるっ…!ポォおねーさんのキス、おいしぃよ…♪ずっとしてたくなっちゃうけど…(唇についたピンクの跡。舌で舐め取れば身体が燃え上がる心地に包まれる)
    ぇへへ…あたしも淫乱だからっ、キスだけでおまんこぐちょ濡れになっちゃうのっ♥
    だから早くっ、早くおまんこ来てっ♪焦らさないでよ、おねーさぁん…♥(甘えた声音で淫語を垂れ流しながら、下品に足を開いてポォの唇を待ち受ける)
    (指が触れればぬちゃぁ、と淫靡な音を立てて秘裂が開き、濃い愛液を湧き立たせる。唇が触れるたびにぷしゃぁ、と小さく潮を噴いた) -- クラリッツ
  • (全身にキスマークを残しながら少しづつ下へ…下へ…下腹部に差し掛かるあたりからは焦らすように舌を這わせ)
    もうっ人の事をあれだけ淫乱といって はしたないのは…チュ…どちらかしらクラリッツさま?(しかしその行為に自分自身も下半身を濡らし)
    (そしてひざまづいてレオタードをずらすと現れる愛しい主の淫核についばむように挨拶のキス) -- ポォ
  • でもぉ…ひひゃんっ♥(一見すれば幼い外見そのままの秘裂は、しかし淫核に唇を受けるとその刺激に花開き、鮮やかで淫猥な秘肉を晒して白濁した愛液を垂れ流す)
    でもおねーさん、もしあたしが淫乱じゃなかったら、きっとおねーさんもサキュバスになれなかったよ?
    だから二人とも淫乱でよかったの…♪、ほら、早く舐めてぇ…?(舐めやすいよう大またに足を開き、ポォの顔を押し付けるように頭に手を添える 頭がくらくらするほどの濃密な甘い淫臭に否応なしに満たされる) -- クラリッツ
  • (跡は消える事無く疼きを与えつづける。一番最初にキスで魅了されたポォが作り上げた、口紅のそれを模した魔力なのだろう)
    (割れ目に指を浅く差し入れてまさぐりながら、クラリッツの尻尾を手に取りしごき始める)
    あ…はぁ…凄い…グチュグチュ卑猥な音…(わざとらしく淫靡な音をかき立てながら割れ目に深い深い接吻を始めた)
    (唇と交代で空いた手は自分の秘所をまさぐりはじめ)ん…んく…ちゅぷ…はっ…おいし…んむ…♡ -- ポォ
  • うん、えっちぃ音…♪おまんこもしっぽも、両方気持ちよすぎるよぉ…♥(新たな刺激を与えられるたびに催促するように腰が浮く しごかれた尻尾からは断続的にあの半透明の媚毒が吹き出し、かかったところからポォの身体を火照らせる)
    おまんこじゅるじゅる、尻尾もぉ…♥(愛液は喉の奥に滑り落ちるたび、ポォの頭を蕩かしていく媚毒だ。まるで中毒性の高い麻薬のように、飲むほどにもっと欲しくさせる)ポォおねーさん…あたしもほしい…おまんこほしぃよぅ…! -- クラリッツ
  • (顔に身体に尻尾からの媚毒を浴びて、それだけで快楽の波に思考が溶けて狂いそうになる)
    わたしぃ、クラリッツさまのでベちょべちょになっちゃったぁ♡(身体中を、そして秘所や肛門も媚毒のローションで満たしながら)
    ぃひんですかぁ? クラリッツさまのぉまんこ 貰っちゃっていいのかしらぁ(主の膝をかくりと崩れ落ちさせ押し倒し、身体を擦りつける)
    (ポォのしっぽがクラリッツの秘所に当てがれて、カリカリと擦り、そして…)
    ポォの初めてでぇ おまんこ沢山良くなってくださいねぇ♡(乳首同士を擦り合わせ、再びキスをしながら奥へと一気に差し込まれた) -- ポォ
  • いぃよぉ…♥あたしのおまんこあげるの、あげるから気持ちよくして…?おねーさんのしっぽでずぽずぽされたいの♥(されるがままに押し倒されれば、自分からも尖りきった乳首を擦り付けてポォの肌にこりこりとした感触を与え、また鎖骨に吸い付いてキスマークの跡を残す)
    んぅぅぅぅぅぅっ♥(淫魔の膣はやすやすと尻尾を飲み込み、媚毒を吸収せんとぬるぬると揉み上げ、こね回す 唇を重ねたままの挿入は快楽のあまりに上げた叫びをポォに吸収され、しかしポォには目の前の幼女淫魔の快楽に緩んで蕩けきった顔が良く見えるだろう) -- クラリッツ
  • 〜〜〜っっ?!? こ、こっれ…!? くらりっつさまの中ぁ…なにこれぇえ〜♡
    (あまりの快楽に身体を反り、舌をだらしなく伸ばして開いた口から唾液が主の顔に零れ落ちる)
    (抽送はその間も激しい水音をたてながら狂ったように止まず、主の膣内を滲み出る淫毒と尻尾で満たし、犯しつづける)
    おまんこのなかでぇ…しっぽすごいぃいい♡ しっぽ…とまららいよぉ(理性の消えた淫魔の雌は主をただただ愛欲の捌け口に使う) -- ポォ
  • あたしのおまんこ気持ちいいでしょぉ?これがサキュバスのおまんこだよ♪(組み敷かれながらも膣穴ひとつで自分を犯す少女を快楽の虜にしてのけ、いつの間にか余裕を取り戻して陶然と微笑む)
    れろ…っ、ん、おねーさんのよだれ、おいし♪(顔に垂れた唾液を指で救い、ポォに見せ付けるように舌を出して舐めしゃぶる)
    クラのおまんこで、いっぱいどぴゅどぴゅ…してねっ♪今度は…♥(激しい尻尾の動きで小さく軽い体を揺らされながらも、穴の中ににじみ出るポォの媚毒を感じて自分の足を腰に絡みつかせる、いわゆる妊娠固め)
    ほら、これでイっちゃえっ♥(意思に応じて自在に動く膣穴を収縮させ、一番奥まで招きいれた尻尾に満遍なく強制的に、精液を搾り取ろうと痛みと紙一重の強烈な快楽を送り込む) -- クラリッツ
  • (腰を固定され逃げ様にも逃げられず)い…いやあああ!?もぉゆるひてぇ〜!とめて…とめて…!!何か吸われていきますくらりつさま"ぁああ!?
    (既に通常の絶頂は越し、淫魔でもなければ発狂しているだろう。主に再びしなだれかかり、唇に、耳に落ち着きなく吸い付きながら懇願する)
    (快楽を貪る事をやめさせても貰えず、バチュバチュと杭打ち機の様に突付かされ、ひたすら尻尾を犯され続ける)
    へぁ… あ〜〜っ あぁ〜〜っっ!? しっふぉに何か…来る…きますゥ(そして脳がショートするような快楽が全身にのたうち走り)
    いぎぃっっ!?でるぅ!?わたしがたくさん吸われちゃうぅ!?イク…!?もっとすってくださいぃっくらりっつさまでいっちゃいますぅうううう!!!
    (尻尾からは夥しい量の淫魔の精が膣内、子宮へと意思に関わらず注がせられ、クラリッツの腹部を見る見るうちに膨れさせていく)
    (尻尾は最奥に突き刺さったままポォの全身と供に痙攣を続け、止まらない噴出音はおなかの中からも聞こえてきた) -- ポォ
  • んふ、ぁ…出てるぅ……♥(その腹を妊婦のように膨らませ、自らも淫魔の精液を胎内に受け止めて絶頂に身体を痙攣させながらも、しなだれかかるポォを抱きとめて優しく撫でている)
    尻尾で精液びゅるびゅるするの、気持ちいいでしょ?ポォおねーさんはおちんぽで犯されても、おまんこを犯しても、とっても気持ちよくなれちゃう体なの、よかったねぇ♥(その微笑みは幼児のように無邪気で、聖母のように慈愛に満ちて……そして娼婦よりも何倍も淫靡。夢うつつのポォに睡眠学習のように卑猥な単語を囁きかけながら、緩やかに膣穴を蠕動させて、絶頂を寄り深く、より長くなるよう)
    そろそろ朝かぁ…おきたらまた忘れちゃうかな? でも忘れないで、おねーさん。ポォおねーさんの本性は淫乱なサキュバス。それは起きてても夢の中でも変わらないよ?
    今度夢の世界で起きたら、男の人のおちんぽからいっぱい精液搾り取れるように頑張ろうね♪ -- クラリッツ
  • (終わる事の無い絶頂、冷めることのない余韻に惚けながら、クラリッツに抱かれ喘ぎ声を漏らす)
    (絞り粕になる寸前まで精と魔力と妖気の限りを謙譲し、クラリッツは淫魔としてより力を蓄える事となる)
    (ポォはその為に力と精と快楽を奉仕し、また時に主に犯される為のペットとなる為の誓いを―)
    はぁ… あ… んぅ…♡ はいぃぃ…ごしゅじん…さま…ぁ♡(口付けと供に交わして、完璧な主従関係が契約された) -- ポォ
  • (誓いの口付けの時にも下を差し入れ口内をかき回し、唾液とともに魔力も流し込み、分け与える)
    もう朝が来ちゃうから、今日はここまで…かな?おやすみおねーさん♥
    (一緒にころりと横になりながら、つながったままでポォの胸に身体をあずけ、一足早く眼を閉じた)
    (//ごめんなさい、さすがに限界のようで…ポォちゃんなんてエロい従者だ!ありがとうございました、おやすみなさい) -- クラリッツ
  • ―――――
  • (気がつけば闇の中に居た。先程まで部屋を満たしていた黄金は消えうせ、闇の中に自分と椅子と手紙の置かれたテーブルだけが浮いている)
    (手の先も見えないはずの暗闇であるのに、置かれたものは何故か見える…そんな不思議な空間だった)
    • (じわりとアリエルの前、回りの闇を濃くした影のようなものがにじみ出る)「…まさか、本当に集めるなんて、な」
      (忘れもしない。数十年前のあの日、あの時に聞いた声とまったく同じ、若い男の声)
      • …おかげ様での、時間だけは存分に余っておったおかげじゃ(最大限の嫌味を込めて答えた)
        言われたとおり200万きっかりと揃えたのじゃ、この忌々しい呪いからわらわを開放し、消え去るが良い -- アリエル
      • 「…。」(影は答えない、静かで…それでいて明確な否定の意思が感じられた)
      • やはりそうは簡単にいかぬか…何が望みじゃ、どうしたらこの呪いは解ける -- アリエル
      • 「…。」(やはり答えない、言葉など聞こえないという風にただ佇む影)
      • …っ!この、答えよ!(腹立ち紛れに宝剣でなぎ払った。しかし霊体すら切り裂く剣豪の腕を持っても影は微かに揺らめくだけ) -- アリエル
      • 「…無駄だ、俺はお前の服そのもの、それが消えない限り殺す事なんて出来やしない」(あざ笑うかのような声色で囁く)
      • 今度はアリエルが黙りこむ、しかしそれは諦めではなくその声に一つ思い当たる節があったからだ)
        …散々わらわの無様な姿を眺めてきたであろ、まだ気は済まぬか…のぅ、仕立て屋? -- アリエル
      • 「…!」(ゆらり、アリエルの言葉に初めて反応を示した)
        「…………………覚えているのか?俺を」(ぼそりと)
      • (王なら当然といった風に)わらわは謁見に来た者の顔も声も、ほぼ全員記憶しておる
        確か…「生活に困窮しておるので税を下げて欲しい」と陳情しに来た若い仕立て屋であったな -- アリエル
      • (ゆらゆらと小さく細かく影が揺れた、まるで怒りを爆発させる寸前の震えのようで)「…それなら話は早い」
        (ぶわっと、影が一回り膨らむ)「許せるものか、俺の妻や子だけじゃない…大勢死んだんだぞ!」
      • ……………なるほど、それでこの様な服を作ってまで、わらわに復讐をしようとした訳じゃな
        (深いため息をつき、闇色の空を仰ぐ)…………阿呆め -- アリエル
      • 「…は?」(思わず漏れ出たという感じの素の声)
        (影に仄かな赤が混じる、人であるなら激高しているといったところか)「俺が、阿呆だと!?」
      • まったくその通りではないか、何故このような回りくどい手段をとる必要がある?
        この様な呪物を作る前に、そなたはやるべき事があったはずじゃ(指を折りながら)
        再度陳情に来るも良い、母子と共に逃げるもよい、民を率いてわらわの首を取りに来るでも構わぬ -- アリエル
      • …おぬしが一市民であったから出来ぬとは言わせぬぞ、現にこのように、わらわは民の手によって追い出されておる
        (故郷からの手紙を叩きつけた。そこには最も近しかった者からの視点で、女王の政治、民による反乱の経緯、追放の経緯が事細かに書き記されていた)
        (そこに書かれていたのは恨み言などではない。純然たる事実と、女王に進言できなかった自分達の不徳に対する謝罪) -- アリエル
      • 「だ、黙れ!黙りやがれ!」(激昂した影が襲い掛かった!しかしアリエルが影に触れられぬよう、影もアリエルに触れることは出来ない様だ)
      • (空しく空振りする影の手を冷ややかに見つめ)どうした、わらわが難いか?その手で殺したいほどに
        「無駄じゃ、おぬしの呪いが解けぬ限りわらわが死ぬ事などできぬ」のじゃからな(先程の影の台詞をそのまま返す) -- アリエル
      • 「くっ、このっ!……お、俺が阿呆ならお前は恥知らずの大馬鹿だ!」
        (取っておきの切り札を披露するかのように)「お前は何か勘違いをしていた様だがな…」
        「それは馬鹿には見えない服じゃない、馬鹿に『しか』見えない服なんだからな!」
      • 「服の見えない連中を散々馬鹿にしていたようだが…その滑稽さといったら無かったぞ」
        「自分が利口だと思い込んで、恥も外聞もなく裸を晒して練り歩く姿は道化そのものだ!」
      • (アリエルはただ何かを考える様子で中空を見つめ、ぽつりと)……なるほど、合点がいった
        …そうじゃ、まったく、まったくおぬしの言う通りじゃ。わらわは救い様の無い大馬鹿者であった -- アリエル
      • 今思えばおかしな話であった、本当に国を追い出したのなら、何故わらわはこのようにのうのうと歩いていられる?
        本来なら逆賊からの追っ手の一つでも、かかっても良いはずだというに -- アリエル
      • (手紙を愛おしげに撫で)あの時わらわを追い出した家臣達、彼らはわらわを守ってくれたのじゃ
        民に嬲り殺される前に追放してしまおうと、あれが…わらわへの、父上母上への…最後の忠義だったのだろう -- アリエル
      • 冒険で、街で、わらわは友人を得た。玉座で座っているだけでは手に入らなかった、とてもとても貴重な物じゃ
        彼らはわらわを冒険者としての生活に馴染めるよう、朗らかに話しかけ、目標までの道を取り計らってくれた
        それなのに…それなのにわらわは…あんなに良くしてくれたあやつらに、罵声しか浴びせる事が出来なかった -- アリエル
      • …恋もした、自分でも何故あのような阿呆に惚れたのか良くわからぬ
        わからぬが…今思えばあの高鳴りは確かに、恋と呼ぶものなのじゃろう
        暴漢からわらわを守り、汚されたわらわを抱き上げ、介抱してくれた冷たい不死者の手の感触…今でも思い出せる -- アリエル
      • (悔いるように目を伏せ)しかし、わらわは…まごまごと手を手をこまねくばかりで、そのような事一言も言い出せなかった
        ただ過ぎる月日に身を任せるうち、あの阿呆は……………何処へと消えてしまった -- アリエル
      • (胸に貯まっていた思いを一息に言い切ったかのような、長い長い独白。影はただ静かにそれを聴いていた)
      • 最後まで忠義を尽くした家臣がいなければ逃げる事すらできなかった
        みらの達…臣下がおらねばわらわは、まともに生活もできぬ
        友とあやつが居なければ幾度となく迎えた苦痛にと屈辱に心を折られていたであろう -- アリエル
      • (大きく息を吸い万感の思いを込めて…続ける)
        そして何よりも…そんな事すらわらわは今の今まで気付く事も感謝もできなかった -- アリエル
      • (自重気味に笑い)王という身分に凝り固まり、自分の価値の中でしか物を見ることが出来なかった、働き始めてようやく…血税と金貨の重みを知ることが出来た有様であるから…の
        …仕立て屋よ、礼を言う(アリエルが生涯ではじめて、人に頭を下げた瞬間だった)
        おぬしや家臣、ここで過ごした数十の月日を経てわらわはようやく…自分がどれほどの大馬鹿者で、盲であったのか気づく事ができたのじゃから -- アリエル
      • (瞬間、アリエルの体が眩いばかりの光に包まれる)
        (闇一色だった世界が塗りつぶされるほどの真っ白な光。それは閉じた瞼すらも貫き…アリエルの意識を白く染めていった)
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Last-modified: 2011-05-14 Sat 18:53:10 JST (4724d)