サリア家出身 アルティリアル・フラット 11393 †
ID: | 11393 |
名前: | アルティリアル |
出身家: | サリア家 |
年齢: | 23 |
性別: | |
前職: | |
理由: | |
状態: | |
その他: | ステータス/戦歴 |
現在: | 寝落ち多発警報(トアに会いたい病発症中) |
――どこかから声が聞こえる
「ほんとは、こんなものは要らない。私の勝利はだれかの喪失の上に築かれるべきじゃない。でも、しかたない。私は冒険者で音楽家であると同時に、ただの恋する女だ」
「好きって絶望だよね」
「本当に頭にくるわ、あんたの見失ってる答えを教えてあげる。あんたは、今さら死んだってどうしようもないくらい、とっくに体の隅から隅までしあわせなのよ」
「誰かを守って死ぬ? いいわね。そうやって死にたいわ。
誰かのために死ぬ。それは一番いい死にかただと思うわ。それがあなたのためならなおさらいいの。わかる?」
「わからない。私は誰かのためには死にたくない。私のために誰かを殺しても」
「こんなことを言う私は嫌い?」
「ええ、嫌いだわ」
「それでいいのよ。でも、覚えていてね。世の中には、たった一人くらいは命をかける相手がいるものなの。それが一人もいない人は
……死ぬか、英雄になるか、よ」
「名誉が欲しくないの?」
「やる、っていうならもらってもいいけど。でもなくても生きるには困らないから」
「いまの言葉、わたしの周りにいる大人たちに聞かせてあげたい」
「長いあいだ冒険をしていると、だんだん、世間一般の価値観に興味が持てなくなるんだ。僕と同じことをいう冒険者は多いと思う」
「あなたにとって、冒険が宝物なのね」
「その言い方、格好いいね」
「真面目に言ったのに」
「普通のことがくだらなく思える瞬間はあるかも。冒険者のなかでは身分なんて関係がないから」
「私たちは戦士だ。戦士は容赦しない。戦士は前しか見ない。敵をなぎ倒し、踏みにじり、斬り伏せろ。死を畏れるな。魂を燃やし尽くせ。あいつらを全員ぶっ殺すしか、私たちが生き残る道はない」
「所詮俺たちが獲得せんとするのは自己満足でしかない。真っ当な人間からすれば見窄らしい行為だろう。無様だと嘲笑う者もいるだろう。
しかし、だからこそ、俺たちは誇りを持ってここにいる。見窄らしい行為だからこそ、誇りを持って全力でこれに当たる。たとえ如何なるものであれ、人が一生懸命に頑張っているものを非難する権利は誰にもない。
それにな、誰しもに負けると思われている勝負を覆す。それが……楽しいんだよ」
「どんな世界にも善良な人間はいるしそうでない人間だっている。危ない目に遭うこともあるし、思いがけない相手に助けられることだってある。神様も奇蹟もないなら、人を救ってくれるのは、最後には人間と、愛情じゃないのか」
「冒険したい」
「冒険したい冒険したい冒険したい冒険したい。……これで、いい?
もし生まれた時からこうだったなら、こんな思いはしてなかったかもしれない。でも、私は知った。生と死の狭間の感覚を。敵を屠る感触を。だから余計に……そう願う」
「知ってる?絶対に叶わない願いは夢とは言わないの。寝言って言うのよ」
「弱きは叩く――」
「――敵は――」
「――潰す」
「それが――」
「――この世界の掟だ」
「今の気持ちを擬音三文字で表しなさいといわれたら、トホホと答えるだろう」
「擬音四文字で表しなさいといわれたら、トホホホと答えるだろう」
「粗末だな」
――もう何も聞こえない
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