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フラれ男は旅に出た、着の身着のまま一人旅。風の向くまま気の向くまま。 二束三文を頼りに海を渡り、辿り着いた東方の地は、摩訶不思議の宝庫だった。 自分とは異なる衣服を纏い、特に頭のてっぺんに一本に束ねた髪を乗せているのが可笑しく。そして変わった曲剣を腰から下げていた。 しかし旅すれば腹は減る、明日の飯も食い上げるようではと賊を叩きのめしては食い繋ぎでいたらば 不意に「惚れた」と男に声を掛けられた。男の名は甚八と言い、自分と同じく獣の耳を生やすも片方しかない優男であった。 この男、男色かと思いきや腕前に惚れこんだらしく、賭場の用心棒をやってくれと頼まれた。 「郷に入らば郷に従え」と押し付けられた着流しなる衣服とカタナという剣を頂き、賭場で暴れる愚か者を叩き伏せては碌を食み。 もちろん剣など教えてもらえるはずもなく、見よう見まねの我流なれども様にはなってきた頃。 「お前に教えることはもう何もないから、この国の凄さをお前の国で示してこい。」などと甚八。 そもそも教えて欲しかった剣などは教わった覚えはないのだが、手土産に数着の着流しと、箔がつくからと高楊枝とカタナの鍔の眼帯を受け取り岐路についた。
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