ムーンボウ家出身 ホタル・コードウィル・ムーンボウ 12982 †
金髪の少年は満ち足りた表情で眠っている
静かな寝息を立て、最愛の女性の夢を見ている ホタルの人生はまだ続くだろう この先にも、楽しい出会いや、悲しいわかれがあるだろう いつかはディセアと死別するだろう いつかはホタルも死ぬだろう でも、それはまた別の話 この物語は、ここでおしまい 物語の最後の一行は、陳腐な一文で締めくくられるだろう 『それから、ホタルとディセアは、いつまでも幸せに暮らしましたとさ』
昔話のお姫様は、お話が終わった後、どうなったと思う?
歳をとって、しわくちゃの素敵なおばあちゃんになって やがて王子様か、お姫様のどっちかが死んで 取り残されたほうは嘆き悲しんで・・・ きっとハッピーエンドの後には、そんな日がきちゃうんだ ねえ。そう思うと悲しくならない? ううん。悲しくなんか、ならない きっと王子様もお姫様も、幸せだったと思うから 別れがくるって、わかっているから 「限りある人生のなか、あなたに会えて良かった」 そう強く思えるんだと、思うから だから、仲良かった誰かがいなくなっても あこがれていた誰かが、二度と戻らなくても 悲しいだなんて思いたくない 目を閉じて思いをはせれば、ほら あの日のお祭り騒ぎも、消えていったあの人も いま隣にいる大事な人も、まだ声をかけられない素敵な子も ほら。すぐ隣で笑っているのが、見えるじゃない そう。だからホタルの物語はハッピーエンド ディセアと暮らしたとしつきは、とても幸せだったから この物語は、笑顔とともに幕を下ろすのだ 最新の1件を表示しています。 コメントページを参照 |