TOP 携帯用 FAQ 質問箱
俺には選択肢なんてハナからなかった……あったのは生きる理由と生きる為の手段だけ 5歳の時、俺のいた村はとある軍隊に襲われて壊滅した 後で聞いた話だが、物資調達の為に襲われたそうだ。これ以上ないくらいにシンプルな理由だと俺は思った 今でも途中までは昨日のことのようによく覚えている 父さんは真っ先に槍に刺されて殺された 悲鳴を上げた母さんもメイスで頭を吹っ飛ばされて殺された 姉さんは三人の男によってたかって犯されて、ずっと悲鳴を上げていた その後は暫く記憶が断片的になる。とりあえず、俺は死にたくないって思ったんだ まだ死にたくない。よくわかんないけど、とりあえずそう思って、倒れてる父さんの腰のロングソードを必死に握って、必死にそれで動くもの全部突いて回った 叩くよりも突っつくほうが痛いだろう。そう思ってそうした。それ以上は良く覚えてない 全部動くものがなくなるまで突いてたら、周りには家族と、家族を殺した連中の死体が転がってて、俺は血塗れだった 俺がその血が返り血だけだと気付いたとき、一人の大男が扉を開けて現れたんだ その大男は厳つい全身甲冑を身に纏っていた。そんで、俺と同じようにロングソードを握ってて、ついでに血塗れだった 大男は肩を竦めて苦笑してから、血の色よりも紅い眼光を細めて、俺にこう聞いた 「小僧、この『三人』はお前がやったのか?」 俺は「いや、突ついただけ」とだけ答えた。ついでに、「全部で六人だよ」とも答えた 「『三人』は俺の部下の数だ……ふむ、まぁ、そんな事はどうでもいい。結果は結果だ……小僧、選べ」 全身甲冑の男は右手に握ったロングソードを振り上げて、俺にこう聞いた 「此処で死ぬか、それとも生きて死んだ部下三人分の働きをするかをな……」 そして、振り下ろしてきた 俺はそれに対して小さく頷いて、握っていた血塗れのロングソードで全身甲冑の男を突っついた 「なら、ついて来い。戦場の子よ。今日からお前は俺の部下だ」 俺の突き出したロングソードは全身甲冑の男の持ったロングソードに叩き折られ、同時に俺の選択肢も叩き折られた 俺は死にたくなかった。死にたくないなら、選択肢は一つしかなかった
・元ガレオン統合帝国軍少年兵。当時山ほどいたアールヴァン?の弟子、というか部下の一人 ・弟子ロワに誘われて作った? ・上のプロローグはアールヴァンが25歳くらいの頃の話で、一番そこら中の戦場を駆け回ってた時期 ・アールヴァン曰く「コイツは兵士としては才能も素養もかけらも持っていない。死ぬほど努力して初めて一人前になれる凡人だよ……俺と同じさ。褒める部分があるとすれば……その貪欲な生存本能と時間だな」
・粗暴な性格だが、状況判断や生きる為の手段の選択には敏感 ・アールヴァンと違って基本的には楽観的で明るい ・でも変なとこで冷めてる生意気なガキ ・家族殺された事とか故郷が滅ぼされた事は別に恨んでいない。彼曰く、「俺の手と足が動いて、今日メシ食えてんだから別にいい」 ・よくも悪くも自分が生きること以外には関心が薄い ・昔、この地に自分の師にして元上官である男が冒険者として生きていた事はこれっぽっちも知らない。偶然流れ着いただけ ・アールヴァンと違って戦う事は生きる為の手段に過ぎない。冒険者になったのは金をためながら自分の身体を鍛える=これから生きていく為の手段を二方面で強固に出来る、と思ってなった ・Q,それでもさぁ、死にたくないのに危険な冒険者するなんて矛盾してね? ・A,いや俺死なないし。あんな危ない思いしたのに生きてんだからこれからも大丈夫だろ?(楽観的)
最新の10件を表示しています。 コメントページを参照