ドゥリンダナ家出身 ロランス 352555 †
旅路 †
とある地方、とある街道で、偶然同道する事となった若者と獣人は、その別れ際
冒険者が集えばお決まりとも言える、故郷や旅の目的の話題で盛り上っていた。
若者は、特に変哲の無い田舎町から、都会見たさに上京して来たのだという。
自分の話を終え、若者は同行する獣人に、次は貴方の番だと話題を振った。
「私か? 私は此処から二山ばかり越えた街の出でな」
獣人は、とつとつと己の出自を語る。曰く、人間社会では珍しい獣人貴族の出であるらしい。
「…貴族の娘なぞつまらんものだ。あぁ、君からすれば羨ましい話かも知れんのだが…。
親の定めた道さえ辿っていれば、何の苦労も、飢える事さえ無く一生を終えられるだろう。
だがな、君。それは酷く不自由なんだ。心踊る冒険も、燃える様な恋も無い。
お家を守る為に、好きでも無い者の所に嫁がされ、同じく不自由な暮らしを続けて行く…。
私はそれが耐えられなくてな。 …逃げ出して来た」
悪戯っぽく微笑むと、獣人は言葉を続ける。
「だが、ただただ旅を続けるのも同じ事だ。当て所無く彷徨い続ける…其処に意味は無い。
だから私は、目的を定める事にした。
…古くから私の地方に伝わる、ラデスティ・ナスィオンという剣の伝承がある。
これを探して見る事にした。 荒唐無稽な話? はは、ご尤もだ。だが、唯彷徨うよりは、余程やりがいがあるとは思わないか?
…さて、私はこっちだ。楽しかったよ、君。また何れな」
互いに別れを告げ、別々の目的地へと向かう。
秋風薫る黄金暦134年、9月。獣人は、冒険者が多く集まるという、巨大な街へと向かって行った。
長ぇよ馬鹿! 三行で! †
・獣人が
・剣探し
・もふもふ
身形など †
・狐系の獣人族。ルナール、またはルナーリアと呼ばれる
・しなやかな身のこなしと、機敏さを殺さない為に極めて軽装
・得物はファルカタの亜種、或いは粗製
・姓であるドゥリンダナは偽名。家を出た際、本来の姓を名乗る事を禁じられた為、当人が適当に付けたもの
・複乳。しかし人と同じ位置に当たる乳房以外は退化し乳腺を持たず、下段四つの乳房は、僅かな膨らみと乳首のみを残す
・種族として上段二つの乳房を晒す事は恥じであるが、下段四つは特にその限りではないらしい
また、乳房の説明だけ長いが気にしてはいけない
・後は追々
安宿の一室 †
毛並みを直す
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来客 †
ラデスティ・ナスィオン †
ロランスが入手する事を当座の目的とする伝承の剣で、名は"目的地"を意味する。
手にした者に、物理的な力と英知を授けると言われる長剣。
その外見は一切記録に残されておらず、伝承を記した書物には
『優れた感覚を持った者が触れれば答える』との一文のみが記されている。
この剣は、誰かがこれを得る度人手に渡り、決して一つ所に留まらない。
流れ流れて、探し求める者にとって、その剣が"目的地"となる事が、名の由来と言われる。
頂き物 †
日誌を覗く(コメアウ) †