キルショナー家出身 エクシス 379833 †
ID: | 379833 |
名前: | エクシス |
出身家: | キルショナー |
年齢: | 24 |
性別: | |
前職: | |
理由: | |
状態: | |
方針: | |
難易度: | |
信頼性: | |
その他: | ステータス/戦歴 |
活動時間 | 大体19時帰還。以降不定期。0時頃に離脱 土曜夜は制限無し |
テーマソング的な | 自薦 |
状態 | |
盗賊の不意打ちを身に受け、地に伏してからどれだけの時が流れたろうか?
体はあちこち痛むが、どうやら命を落とした訳では無いらしい
はて、これはどうした事か? 盗賊の短刀が胸を突き抜いた感覚まで覚えていると言うのに
痛む体を庇いつつ、エクシスはゆっくりと半身を起こし、ぐるり、辺りを見回す
漂う死臭。いたる所に散らばる盗賊や冒険者、果ては護衛対象だった者達の遺体…
この場で生き残っているのは自分一人である事を確認し、取り合えずは周囲に敵が居ないと知って安堵する
安堵の次に去来したのは、一つの疑問だ
自分を含め、盗賊に太刀打ち叶わなかった同行者達が、その場で土に帰ろうとしているのはまぁ当然だろう
護衛者を失って、生き残りの盗賊共に好き放題にされた哀れな交易商人達も、土へ帰る順番待ちに加わっているのも納得できる
だが、一つ、解せない点があった
明らかに、あの時斬り倒した盗賊共より、倒れている盗賊の数が多いのだ
それも皆、刀傷と言うよりは、まるで獰猛な獣にでも食い千切られたかの様な有様だ
獣…?
街道とはいえ、獣が通らない訳では無いから、たまたま通りがかった猛獣が、これ幸いとばかりに
あちこちに散らばる人骸に喰らいついた…と言うのも、納得いかぬ話では無いが
それよりももっと確かな答えに、エクシスの思考は辿り付いた
この場に居て、生き残っている、一匹の獣…
覚束無い足で、ふらりと立ち上がり、ふと己の手に視線を落とした時、思いは確信へと変わった
思わず、笑いが零れた。狂気を孕んだ引き攣った笑い
けらけらと笑い続けるエクシスの手は、乾いた血と肉片、内臓の欠片がこびり付いて真っ赤に染まっていた
胸元から足先まで同じ様な有様で、己が何をしたのかを思い知るには十分だった
どうやら
この場に居た全ての生き残りを喰い殺したのは
自分自身であるらしい
もはや、人では居られなくなったのだ
主戻らぬ空部屋 †
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治すならまだ間に合う
詳しく †
昔……西方のとある国に、天災の如く、全くの突然に、それは現れた。
三頭三尾、山程の背丈を持つ、巨大な獣。
三つある首からそれぞれ、炎、冷気、そして毒を放つその怪物は、名をダーコーヴァと言った。
ダーコーヴァは街を襲い、獣を止めようと押し寄せた軍隊を蹴散らした。
大地は獣の瘴気に犯され腐敗し、更に獣に打ち殺された多くの人々の血を吸った。
獣も人々の血肉を喰らい、その甘美なる美酒に舌鼓を打つ。止める者は誰もいなかった。
ある時、獣の前に一人の娘が立ち塞がる。この国で唯一、最高位の魔術を極めた娘だった。
娘は若年ながら、自らが極めた多くの魔術で獣と対峙したが、それでも獣を撃ち滅ぼすには足りず、自らも傷を負う。
やがて娘は、最後の手段とばかりに、とある術を括った。
魔を己が身に封じる禁忌の呪法。程無く、獣は呪いの雄叫びを上げた後、娘の術に捕らわれた。
すなわち、娘の体に宿ったのだ。
やがて月日は流れ、娘は子を成したが、ダーコーヴァとの戦いで疲弊し、未だ癒えぬその身では、子を産む事だけが精一杯。
娘は早世し、残された子供は他所へ預けられ、親無きながらもすくすくと育った。
やがて世代を経て、何世代目かの娘の子孫が、とある村落で産声を上げた。
だがそれは、人の腹から出でし者なれど、人の形をしていなかった。
人と獣を掛け合わせた姿……。数世代を経た事で、先祖の娘の術が薄れ、獣の力が戻り始めたのだ。
村民は不吉の前兆と恐れたが、子を成した母親にはやはり我が子。捨てる事など出来なかった。
月日は更に流れ、人から産まれた獣の子も年頃を迎える。
だが折悪しく、その年、村は近代稀に見る大飢饉に襲われていた。
人も家畜も食う物が無く、次々と餓えて死ぬ。獣の娘もその運命から逃れられぬ筈だった。
飢餓感に襲われるまま、朦朧とした意識の中、娘が徐に尋ねた家は、良くしてくれた隣家だ。
隣家も無論、その日の食う物が無く、皆、息も絶え絶え。餓えて痩せこけた者達に、娘の牙から逃れるだけの力は無かった。
骨と皮ばかりとは言え、その血の、その肉の何と甘美たる事か。
恍惚と垂涎垂らし、欲の赴くままに貪る。やがて満足が行った所で、娘ははたと気が付いた。
己の所業、そして己の身に宿る何かに。
以来、娘は全滅した村を離れ、あちこちを転々と暮らしていたが、あの日以来、一向に薄れえぬ飢餓感があった。
何処に居ても、何をしていても。血と肉を欲する欲求は拭い去れない。
それは、幾ら食事を取ったとて、同じであった。
唯一つ。生きた者の血肉を喰らった時のみ、一時、それは癒える様であった。
娘は獣の姿の自分を育ててくれた人間には感謝していたし、愛しても居た。故に、その血肉を喰らうのは酷く苦痛を伴う。
しかして、求めずにはいられないのだ。
故に彼女は、要らぬ者の血肉を喰らう事とした。罪人と呼ばれる、流して惜しまれぬ血を。
人を愛し、人を喰らう。罪を裁き、罪を喰らう。
こうして罪喰らいの獣は生まれた。己の身に巣食う凶悪なる獣を、そうとは知らず育てながら。
彼女は何時も、口癖の様に呟く。裁かれるべきは、断罪されるべきは己なのだと。
身体的特徴など †
・とある組織に属している
・獣人の如き形をしているが、種族らしい種族は無い。当人は人間だと言い張る
・無論、罪人を喰らっている事は隠している
・得物は処刑用の剣であるエクスキューショナーズソード。故に刺突には向かないし、行わない
・組織内でのコードネームもその得物に因み、エクスキューショナーである
・また、彼女の名乗っている名前自体もそれに因んでいるが、偽名
・後は追々追加
内なる獣と対峙する †