名簿/414147

かつて鉱山（とくに金山）は文字通り宝の山であった。
金という財力の象徴を産み出す金山は、それを有する国の力に直結している。
逆に言えば、金山を脅かされることは国力の基盤そのものへのダメージとなるのである。
ゆえに、金山で働く者たちの間で独自の自衛手段が編み出され培われていったことは、特段不思議なことではないのだ。

約1000年前。とある国のとある金山。
その山のオーナーであったピッケ＝ルーチン公は、現在もっともポピュラーな採掘道具であるピッケルの産みの親として有名であるが、
同時に陰茎武闘術『二天一根流』の始祖としても語り継がれている。
強靭に鍛えられた巨大なピッケルと、それに匹敵するほど硬く鋭く屹立した陰茎から繰り出される、変幻自在で痛烈な連撃のコンビネーション。
さらに引き締まった尿道から高圧で噴出される尿や精液は鉄の鎧をも粉砕する。近〜中距離、1対1も1対多でも遅れを取らぬ万能格闘術であった。
（ピッケルはピッケ＝ルーチン公のあまりにも見事に広がったカリの形を模して作られたと言われている）
しかし始祖である公の意志で、二天一根流は金山を守るためにのみ使うことを許され、その秘密は決して山を出ることはなかった。

そして、現代。
金山の血族の間で生まれた女児には、立派なおちんちんが生えていた。
鉱夫たちは彼女をピッケ＝ルーチン公の生まれ変わりと持て囃し、大事に育て上げ、二天一根流の奥義を余すことなく伝えていった。
しかし…。彼女はぬるま湯の中で育ちすぎてしまった。
彼女はいつしか、二天一根流を用いて周辺諸国の金山を牛耳ろうという邪な考えを持ち始めた。
反対する周囲。勃発する内乱。金山内での抗争は、彼女対ほか全員という圧倒的な状況ではあったが、二天一根流を極めた彼女は奮戦する。
しかし、金山の屈強な男たちに取り囲まれ、ついに彼女は追い詰められる。

そこで彼女が取った行動。
かのピッケ＝ルーチン公さえも使わず、禁じ手として封印され続けてきた究極奥義『秘剣・流沈孔』を解放したのだ。
それは身体の血流を強制的に変化させ、陰茎に全血液の90%以上を集結させ、瞬間的にだが通常の何十倍ものポテンシャルを得るという技。
その代償に、脳が長時間の酸欠状態に晒されるため、最悪の場合は脳死に至り、一命を取り留めても後遺症は免れない。

秘剣・流沈孔が彼女の体内で完成した瞬間、鉱山内に血飛沫と精液が舞った。鉱夫たちは超高圧の精液を浴びて尽く肉塊と化した。
彼女は見事勝利した…しかし、その代償に彼女は記憶を失い、性格が以前にも増してアレになってしまった。
彼女は師の名前を奪い、今や死の洞窟と化した鉱山を後にした。
彼女にはもはや、鉱山を牛耳るといった野望さえも残されていない。ただ、自分のちんぽと技をおもしろおかしく使える場所を求め、さまようのみであった…。