そこは | 町の中でも湿度の高い地区 それなりに賑わう一角に海が近いわけでもないのに潮の香りが濃く漂う場所がある |
⇒奥へ | ひっそりとした人ごみを掻き分け進んでいくとそこには石造りの神殿があり、壁には様々な海棲生物が彫られている |
⇒中に入る | 扉もない入り口をくぐると、ぐるりと螺旋を描くような廊下が続いている 薄暗く、海に沈んでいくような壁画は、緩やかに下へ向かう勾配を実際よりもはるかに急なものと錯覚させる |
⇒深く | じめじめとした空気が濃くなってくるとそこは終点 太く大きな柱を中心とした円形の礼拝堂 背もたれのないベンチが、さながら波紋のようにゆったりと余裕を持たせ並べられている 天井からは町の明かりが差し込み、周囲の壁にはぽつんぽつんと扉が並んでいる |
⇒もっと深く | 中央は祭壇になっており、周囲より高くなっている その中心に立つ柱に近づけば、複雑な文様の中に大きな閉ざされた扉を見つけることができる |
⇒人が到達できるのはここまで | その扉は硬く閉ざされて開くことはない |
その扉こそが |