ソニア家出身 ロキ 487452 †ある日、貴方がロキを尋ねに部屋を訪れると
主の姿は勿論の事、家具等も無く閑散としていました そこは、騒がしい彼が住んでいたのか疑わしくなる程静かで…… ――なんだあいつ、引っ越したのか。挨拶も無いなんて薄情な奴だ―― 貴方は拍子抜けしたように部屋を見渡しました すると床に丁度、猫の爪か何かで引っかいたような傷があるのに気づきました 屈みこみ、よくよく観察すると下手糞ながら文字である事が読み取れます。 ありがとう 楽しかった その二言 貴方はため息を吐いて、立ち上がりました ――どうせあいつの事だ、騒がしくしているとそのうちひょっこり戻ってくるだろう―― そう結論付け、部屋から立ち去ろうと扉をくぐると 「ナァ〜ォ」と、どこかで猫の鳴く声が聞こえました それ以来、ロキがみんなの前に姿を現すことはありませんでしたが 時折、用意したお菓子が食べた覚えも無いのに減っていたり 小物が無くなったと思えば、あらぬところから見つかったりと 変な出来事は続いたようです そのような出来事が起こるたび、皆は口をそろえてこう言うのでした 「また、ロキの悪戯か」と |