シキザキ家出身 キョウジロー・スギシマ 75185 †
ID: | 75185 |
名前: | キョウジロー・スギシマ |
出身家: | シキザキ |
年齢: | 29 |
性別: | |
前職: | |
理由: | |
状態: | |
その他: | ステータス/戦歴 |
先に車を降りて、京次郎は辺りを見回した。
おかしな様子はない。車内の会長にその旨を伝えると、会長は車を降りる。
心配そうな表情で、京次郎は話しかけた。
「会長。今日の会合はやっぱり」
「なぁ京」
「はい」
「お前ァ確か、親がいたな」
「……はい」
屋敷の門をくぐる。そこから先は、既に他の組の本拠地。
「カタギに……なるか?」
「会長」
「言うな。俺たちの組はもう落ち目だ。長くは続かないだろう」
「でも、俺は!」
「お前が俺を慕ってくれてるのはわかる。だが、だからこそ、だ」
「俺は……俺は……ッ!?会長危ねェっ!」
とっさに会長を押し倒そうとする。
次の瞬間に、自身に突き刺さる銃弾。意識が遠のく。
そこで、目が覚めた。
「……あァ?」
意識を失っていたようだ。体の節々が痛む。自分の体に目を落とした。
あぁ、俺は死ぬ。助からない。それがわかった。
悲鳴が聞こえる。そちらに目を向けた。
写ったのは、同行者であった男と少女が逃げ出す姿。
そして、それを追おうとするゾンビの群れ。
日本で見たゾンビ映画にそっくりだった。ある種滑稽だが、笑っているわけにもいかない。
「………しゃあねェなァ」
おいわんこ。お前が神様だってんならよ。
あのスイカと桜餅の分くらい、力貸してくれや。
血を吐きながら、地面に腕を着いた。
歯を食いしばる。奥歯の割れる音。
だが、立ち上がれる。
まだだ、まだいける。俺の屑みたいな命にも、まだ使い道はある。
侠客にはなれなくても、最後の一瞬くらいは格好つける余裕がある。
「名乗りを上げるなんざァ族やってた頃以来かねェ……」
右手の中。刀はまだ折れていない。よくここまで着いてきてくれた。
最後の一仕事といこうや、相棒。
「四季咲会舎弟頭。杉島京次郎。一世一代の大立ち回りだ。あるかないかの目ん玉でよォく見ろよ化けモンども」
五分。それが彼の残った命そのものだった。