やれやれ。僕は射精した。
- おっす河童!調子はどー? -- シロノワール・c・d
- 「悪くないよ」
僕は楽屋で人の持つそれよりかなり大きなコップに水を注いで飲んだ。 「そういう君はどうだい? シロノワール」 -- 村上ハルク
- 君が悪いって言ったらそれはそれで大変だってなるもんね、いひひ
私?私はそうだなぁ〜…終日だからソワソワしちゃって。微妙?はー、あっという間だったなー。今の問題が上手く解決したら、私もまたマイナーアイドル路線か〜〜 -- シロノワール・c・d
- 「頑丈さと歌声と演技力と見た目のインパクトだけが取り柄さ」
「マイナーアイドル路線は嫌いかい? この空には光らない星だってたくさんある」 -- 村上ハルク
- 最近の男アイドルってフィジカルも求められるもんねぇ〜(休日ゴールデンタイムの番組を思い浮かべながら)
別にぃ嫌いじゃないけどさ、元々そうだった訳だし。でもま、ほら、こーいうのも悪くないカモ、みたいな?河童は楽しくなかったの?目立つの -- シロノワール・c・d
- 「そう、そういうやつさ」
「僕も先週、無人島に行って蛇を食べてきたばかりだよ」 冗談めかして言わないと、相手に悲壮に見られてしまうかも知れない。 世界が滅ぶかもしれないのに、そんなことを気にしている自分がおかしい。 「僕は元から目立つほうだったよ、悪目立ちというやつさ」 -- 村上ハルク
- それマ?私無人島系のオファーは断ろ…
そう言われればそうだけど、そうじゃなくってぇ〜!こう、色んな人が喜んだり、楽しんだりしてくれるのって悪くないな〜…みたいな?もー河童〜、ニュアンスで気付け〜! -- シロノワール・c・d
- 「なら、最初から素直にそう言えばいい」
「人に喜んでもらうと嬉しい」 僕は掌を上に向けた。 「人に楽しんでもらえるとやりがいを感じる。それらは人の美徳だよ、恥じることなく口にするべきだ」 -- 村上ハルク
- いひひ…人の美徳ね〜。ま、そだね…この大移民時代になって、やりがいだなんて…そんなの古臭いって思ってたんだけどなぁ。昔、地球に居た頃を思い出すね
んーっ、それじゃ私はもう行くよ河童☆この、オペレーションなんとか?が上手く行ったら、また君の歌をきかせてよ♪ -- シロノワール・c・d
- 「君の口ぶりを聞くに、地球はよほどいいところだったらしい」
「ああ、シロノワール」 僕は水を口にした。心地よいと感じる。この感触さえ、消え去るのが滅びであるなら。 「新曲があるんだ、構想だけどね。次に会えたらお聞かせしよう」 僕は何度だって抗い続けるだろう。 -- 村上ハルク
- (>村上ハルクからコラボ曲リリースのお誘いを受けた!)
かーっ!…夜の風との共鳴を求めたな!老いたる獺よ!!(ハリウッドダイブでどこかから飛び込むようなポーズで村上ハルクに会いに来たのは地下アイドルのよるのかぜです。) -- よるのかぜ
- 「夜の風」
スタジオで対面に座るように促す。彼女の暖色の瞳と目が合った。 「ああ、さすがにもう時間がないから作曲・編曲はプログラム任せになるけど。コラボ曲、というのはどうだろう」 -- 村上ハルク
- いいだろう!夜の風はそれを求めるモノに与える!混沌も!滅亡も!終末も!
(やる気は十分ですが、方向性が問題かもしれません。よるのかぜと村上ハルクとのコラボはいったいどのような仕上がりになるのでしょうか?) -- よるのかぜ
- 「君は」
「混沌や、滅亡や、終末が好きなのかい」 未開封のミネラルウォーターのペットボトルをテーブルに二つ並べた。 「世界は滅びかけている。らしい。だから、僕はできればそれを避けたいと思っている」 -- 村上ハルク
- 好むも好まないもない!夜の風はそのために生きている。(それだけが存在理由。当たり前のことであると答えるよるのかぜ、キャラづくりの一環?それとも本気なのでしょうか。)
『我らを生かしている者』のためならば夜の風のためでもある。(自分自身の意思というより、よるのかぜに指示を与えている何者かの意思であり、よるのかぜはそれに疑問を持っていない。というのが正確なようです。) ならば夜の風も問おう、なぜ滅びてはいけない?盛者必衰、諸行無常、たけきものもついには滅びぬ、ひとえに… (風の前の塵に同じ。どんなものも滅びには抗えない…よるのかぜの言うことは生きながらにして死ぬことに備えよという一種の虚無主義、ニヒリズム、あるいはもっと根本的なことなのかもしれません。) -- よるのかぜ
- 「僕は死や滅びは生きていることの対極にあるとは考えていない」
自分の分のペットボトルを開封して喉を潤した。 「命とは死を内包しているもので、繁栄は滅亡を隠し持っているものなんだ」 「何故滅びてはいけないか、それは僕が良いことも悪いことも性急なのは好まないと思っているから」 でも、彼女の言うことは面白い。良い歌詞が出るかも知れない。やれやれ、僕は彼女の思想を利用しているのか。 -- 村上ハルク
- うむむ…賢者の考えではなく、愚か者の考えとも言えんゆえに…欲深い。(村上ハルクの言葉を、『命はすべてを欲する欲深いもの』という理解をし、なぜ滅びを拒むのかという答えと受け取ったのは地下アイドルのよるのかぜです。)
だが老いたる獺の言葉にも一理ある、予言は急ぎ過ぎても、遅すぎても狂う。(性急である。という考えに予言という重要なファクターを照らし合わせて、よるのかぜなりの理解を深めます。) まるで『双方の敵』のようだな、老いたる獺よ。(知り合いにも似た考えをする者がいる。とよるのかぜは感想を漏らします。双方の敵とは穏やかではありませんが、少なくともその人物はよるのかぜのように滅び一辺倒の考え方ではないようです。) ならば此度の共鳴、老いたる獺に任せよう…夜の風はそれに従う!楽しみにしているぞ!(村上ハルクの創作意欲が刺激されたと見るや、それに従うと言い出すのはお互いに利用し喰らいあっているという事なのかもしれません…) (神殿へ帰るよるのかぜ、Xデーまであとわずか、はたして滅びは回避できるのでしょうか?) -- よるのかぜ
- やれやれ。僕は欲深いことは知っていたけれど。
彼女に言われると心の底から強欲であることが確定したかのような。 そう、予言や神託を受けたような心持ちになる。 「オーケー」 「歌詞は僕がやる、滅びに至るエランプシスを表現しよう」 「そこから先は君にも努力してもらう」 双方の敵。そうなのかも知れない。この世界の終わりと、滅びを回避しようと足掻くSFの世界で。 「楽しみにしているのはこちらも同じさ」 一体、どんな結末が。 -- 村上ハルク
- (対バンライブを終え、興奮の余韻鳴り止まぬ会場の舞台裏。改めて彼の歌声の求心力を感じながら、ふと、問いかける)
以前、村上さんの音楽の道には終わりがないとおっしゃっていましたが…何か、アイドル活動以外にやりたいことはあったりしないんですか? -- 此方
- ペットボトルを開封し、水をほんの少し頭の皿にかけた。
「農作業」 「そう言ったら比較的自然に見えるかな? キュウリを作るのさ」 冗談で誤魔化していい場面でないことも知っている。 目の前の少女は、よく歌った。敬意に値する。だから。 「物書きをしてみたい。暴露本以外ならなんでもいい」 -- 村上ハルク
- (ところどころに浮いた汗をタオルに吸わせながら、彼の言葉を聞く。ライトアップされた舞台上は、ファンが想像する以上に暑い)
ふふ、村上さんが作った胡瓜なら私、食べてみたいです(冗談だろうが本気だろうが、素直にそう思えた。番組の企画でやっても受けそうだ。まあそうなると活動の一環になってしまうが) 物書き、ですか…ああ、それはいいですね。小説やノンフィクション、…もしくは自伝とか。村上さん歌声以外でも才能ありそうですし、いい本が書けそうです(うんうんと頷きつつ) -- 此方
- そのまま水を飲んで喉を潤す。熱が籠もったライブだった。
「君ならそう言うと思っていたよ」 天然の愛嬌がある。彼女ならどこへ行ってもやっていけるように感じた。 だから、ここで船もろとも道を閉ざしてはならない。そうも感じた。 「絵本にも興味がある。子供たちに読み聞かせるような素朴な本さ」 「君はどうだい? 小説やノンフィクション、それに自伝や絵本に興味は」 -- 村上ハルク
- (こちらはキューカンバー味のコークを口にし水分補給。対バン相手が相手ということで洒落を効かせたようだ)
絵本!それはいいですねぇ。村上さんの言葉には含蓄があります。子どもたちの教育にもいい影響がきっとあると思います。 (自らも子供の範疇のような年齢ではあるが、心よりそう思えた。彼の生き様は、強い。その人生経験…もとい、妖怪経験からくる深みは、学ぶ所多きものとなるだろう) 私ですか…そうですね。今でも一部の曲は作詞をやらせて頂いていますので、詩集など出せればいいなとは思いますが……そうでないならば、小説を書きたく思いますね。 -- 此方
- 「また面白いドリンクを飲んでいる。キューカンバー味は世間では不評だったようだが、僕には大ヒットだったよ」
僕は専用の椅子に座り込んで、塩味の効いたタブレットを口にした。 「そしてそこに考え至ると思考の袋小路に入るのさ」 「僕は子供が何を喜ぶのかがわからない、ってね」 詩集。素敵だ。彼女の歌を考えれば、春告げの鳥のように自由で伸びやかな詩集になるだろう。 「アイドル業は忙しい。けれど、プロジェクトが終われば本を書く時間くらいはあるといいと思う」 -- 村上ハルク
- (スタッフのスタイリストに任せてほんの少し崩れた化粧を直してもらう。この後はこの後で、ライブ後インタビューなりの仕事が待ち受けている)
美味しいのに残念ですよね。スポンサーさんが余ってるからって皆に配ってました(こくこくと飲む。ほんのりと青臭い風味、身体を動かした後の糖分は心地よく染みる) んー…(彼の言葉に、小さな顎に指先を当て、少し考え込み)…そこは、喜ぶものじゃなくてもいいと思います(などと言う) 活動の一環としての執筆なら、知名度を上げることを、売れる事を考えて、になるでしょうけど。この場合は…村上さんが書きたい事を書けばいいんじゃないかと。 (微笑んでそう言う。ああ、そうだ、と思う。なぜこんな質問をしたのかを、思った。人のためじゃない、彼自身のために) 私も…本を書くなら…そうですね。今のこの状況をモチーフにして書きたいと思います。ノンフィクションなりの本は一杯出るでしょうから、私なりの視点から見た、このプロジェクトを。 (あれ?そうなると自伝になっちゃうのかな?なんて言いながらもひとり細い小首をかしげていたりしつつ) -- 此方
- 僕にも男性用の化粧がある。けれど、その多くは河童用の化粧と言って差し障りのないものだった。
「キュウリの良さとコーラの良さを活かしている。だが、両方を同時に摂取したい人はどうやら少ないらしい」 僕が書きたいこと。それを考えれば、また思考は幾分かクリアになった。 最初から子供のために、子供向けにと考えれば子供騙しにしかならないのかも知れない。 「ありがとう。参考にさせてもらう」 肩を揺らして笑う。残念ながら僕の笑顔は一般的には不気味と言われるものだ。 「たくさんの人が関わっているプロジェクトだ、関わった人の分だけ本が出ていいくらいさ」 -- 村上ハルク
- (座ったままスタイリストによる衣装の着崩れチェック。ちらっと椅子の村上を見て、衣装が基本無いのは楽そうでいいな、なんて変な方向の羨望を覚える)
胡瓜に火を通す料理が少ないのと同じような理由でしょうか…地味に使われ方が限定されてるお野菜ですよね、胡瓜って(こくこくぷはあ。む。) (ちょっと真顔で固まる。シリアスな事を思いついた訳じゃなく、炭酸によるげっぷを我慢しているだけだ。曲りなりにもアイドルがシニカルダンディ大先輩妖ドルの前でげっぷなど出来ようものか。ぐぬぬ) ……けぷ(…出てしまった。軽い絶望。仕方ないではないか、対面では恐らく初めてみた彼の笑顔、それにびっくりしてしまったのだから) むー……(ほんのり肩を落としつつ)ええ、時間はかかるかもしれませんが…いずれ出したいと思います。その時には…、 また、村上さんの素敵な笑顔を引き出せるような本にしたいですね(いい顔だった、と微笑みつつ絵本も書くなら、ぜひ見せてくださいね、と付け加え) (そんな中、スタッフが二人に近づき)ん?…アンコールのコールが凄いことになってる…ですか?はい、承知しました。それじゃ村上さん、もうひと頑張りいきましょうか(また舞台へと歩を進めるのだった) -- 此方
- 「ホラ、前を向いてあげるといい。スタイリストさんが困るだろう?」
からかいながら空になったペットボトルをくしゃりと握り潰した。 「キュウリは……どうだろう。僕も味噌漬けが好きなだけでたくさんキュウリ料理を知っているわけではないからね」 大仰に肩を竦めてウインクをして見せる。 「ビックリさせたのは僕だからね、聞かなかったことにしよう」 アンコールが聞こえてくる。またあの熱狂が恋しくなる、というものだ。 「ああ、本の話もいいけど。今は目の前の観客のために全力を尽くす話がいいだろうね」 そう言って二人でステージに上がっていった。 -- 村上ハルク
- たまには、だけれど
- ハウスキーパーに頼らずに掃除を
- するべきなのかも知れない。
- こないだの話なんだけどね、第一種巨視的枕返しの子が楽屋を訪ねてきたんだよ 第一種……の友達もいなくはないけど、その子はたぶん初対面だった -- 祭
- 彼女の話に耳を傾ける。第一種巨視的枕返しは、クアンタム小豆洗いや伝播ソリトンすねこすりと並ぶメジャー宇宙妖怪の一種だったはずだ。
「その」 彼女の前で玉ねぎを剃刀の刃のように薄く切る。 「楽屋を訪ねてきた子はなんて言ったんだい」 -- 村上ハルク
- 彼女が口を開くまで、ほんのわずかな時間があった 僕は考えたよ 僕なりに想いを巡らせてみた、というのかな 何か”大切なこと”を忘れているような気がしてね
答えはすぐにわかったとも 彼女とは、やっぱり”はじめまして”だった 僕がうっかりド忘れをしていた線は消えたわけだ 小さな安堵というのかな、わかるだろ とにかく、僕は思ったよ この子を傷つけるようなことがなくてよかった、とね 君ほどじゃないが、僕だって人付き合いは大事にしている方だもの -- 祭
- 調教済みのパリッとしたレタスとホースラディッシュ・マスタード。
「僕自身を粗暴な河童と見る流れもあるよ」 混ぜっ返すつもりはない。ただ、彼女との間に気安い関係があるだけだ。 「忘れていた大切なことが“約束”ではなかった、それだけで話はぐっとハッピーエンドに近づくね」 スモーク・サーモン・サンドイッチ。スペース紀伊国屋のバター・フレンチ。 毎日のルーティン。僕は完璧に満たされる。 -- 村上ハルク
- そうとも、滑り出しは上々といったところだ 幸い、次の予定まで時間があったし、彼女にお茶をすすめて話を聞いてみることにした
何しろ、第一種巨視的枕返しだ まだご同業にはいなかっただろ もしもアイドルを目指しているなら、応援したいと僕も思った 君だってそうしただろう 銀河広しといえども君ほどジェントルなカッパはいないさ 我が友村上ハルクはいつだってそう振舞ってきた まあ、それはともかく……彼女は荷物を抱えているようだった -- 祭
- 「こんな世の中だ、希望は多いほうがいい」
それは君だってそうしただろうに対する答え。 彼女にスモーク・サーモン・サンドイッチを勧める。 「どうだい? うまくいけば」 「デリカテッセン・サンドイッチ・スタンドのスモーク・サーモン・サンドイッチに近い味になっているはずだ」 もちろん、うまくいかないことだってある。 しかし目標があり、試行錯誤があって物事は初めて成し遂げられる。 「荷物?」 ゆっくりと相槌を打ってフレッシュなオレンジ・ジュースが入った紙パックを開封した。 -- 村上ハルク
- どちらから言い出したのか、今考えても判らない 記憶に靄がかかったみたいだ 僕がのほほんとしていたのか、深遠なる宇宙の作為が働いたのかもわからない
話題は自然と彼女の”荷物”に向かっていった(ここまで話すと、小休止とばかりに新鮮なキュウリを所望した 彼のキュウリは間違いがない たしかな選キュウリ眼の持ち主だ) ………さて、どこまで話したかな シンギュラリティ見越し入道の件は? してない? ならいい……荷物はつまり、”枕”だった 第一種巨視的枕返しが技術の粋を集めて作った逸品だ 枕の概念が覆ると言っていたっけ 頭を置けば、たちまち第一種巨視的枕返し現象が始まる…… -- 祭
- 言われるがままに今朝、購入したキュウリを差し出す。自然農法のキュウリ。
「僕はキュウリが牛乳より水分が多いという言説で栄養がないことをわざわざ河童に言う存在が苦手だ」 「栄養が欲しいなら高度に発達したサプリメントを口にすればいい」 彼女の話は。枕に収束していった。 「第一種巨視的枕返しは」 「枕というものを考えて生きてきた妖怪のように思う」 だからこそ。 話の続きが気になった。 -- 村上ハルク
- 聡明な君のことだ ここまで話せばわかるだろ どういう伝手があったのかわからないけど、彼女はつまり……飛び込み営業をしにきたんだ
いや、この場合もっと相応しい呼びかたがあるんだろうな 僕らの業界に伝わる公然の秘密、口にするのも憚られるアレだ(サンドイッチを両手に抱えてじっと見る) そうだよ、”枕営業”だ さらに言うと、”彼女”は”彼”だった まさしくコペルニクス的転回だ 誰あろう、狸を化かすなんて大したものさ ほんとうに、大した奴だったよ(サンドイッチにかぶりつく)勧められるままに買ってしまった 高さもいい感じに調節してくれてね……それで、今ならキャンペーンだとか何とかで… -- 祭
- 「アイドルが枕の話をする以上、当然の帰結ではある」
「君は話を遮って相手の話す話題の結論を口にする友人を持ったことでも?」 自分もサンドイッチを口にする。うまくいっている。怖いくらいに。 だが、そういう時こそ日常と、それを支える仕事に細心の注意を払わなければならない。 「だが」 「良い枕は睡眠の質を高めるだけでなく、枕の語源が魂の蔵という説もある以上」 「心に良い影響があるのだろう」 大仰なまでにポジティブに解釈してみせた。それもまた、冗談の一種であるからには。 -- 村上ハルク
- もうひとつついてきた(第一種巨視的枕返しの妖力が籠った枕を放る)枕はひとつあればいい 二つあったって使えるもんか こちらは君が使ってくれ
お代はいいよ 誰かに押しつけ……使ってもらえたら、って思っただけだから 言うなれば、これもひとつの枕営業だな 少なくとも一つは売ってみせたわけだし ちなみにこの枕、寝相が悪い奴が使うと相殺されて快眠間違いなしになる 僕がそうだった モノは悪くないから、まあ大事にしてやってほしい 用件は以上だ おいしいごはんをありがとう、ごちそうさま!(いい感じの枕を置いていった) -- 祭
- 放られた枕を受け取る。キャンペーン。そうか、キャンペーン。
つまり彼女はウイットに富んだ話のついでに、これを僕に渡しに来たわけだ。 「押し付けるにしては随分と質の良いものに見えるな」 「ああ、ありがとう」 別れの挨拶をして部屋に一人になる。 枕を見ていると、自然と眠気が来た。 慌ててその日のライフワークとシャワーを終えて。
その日は深く眠ることができた。 -- 村上ハルク
- ミュートスXIII船団が鳴動した。その少し後、僕はポツリと空を見上げながら言った。
偽りの空だけど。独り言を言って不安を紛らわせるには丁度いい空のようにも思えた。 「自分に同情するな」 その言葉は広いフロアで誰にも聞かれず、ただ反響して足元に転がっていった。 「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」 船団に帰る場所があるとすれば、それは新しい世界で。 僕の帰る場所があるとすれば、それはぬかるみのように思えた。 -- 村上ハルク
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