其れは無想にして夢幻
其れは永遠にして刹那
其れは不朽にして腐朽
其れは偽典の真意にして真実の落丁
其れは懐疑にして結末
其れは伽にして歴
其れは現に浮かぶ白昼夢
全ての矛盾を統べる、懐疑と畏怖を振りまく深淵の王
人は畏まりては其れを嘲り、疑っては其れを解し、其の名を紡ぐ
--『矛盾の魔王』--と
其れは闇の顕現にして恐怖と懐疑そのもの
人は何事にも説明を求める。意味と解を求める
時に魔術で其れを求めるように。時に科学で其れを求めるように
では、何事にも説明のつかぬ事象は如何にするか?
如何に求めても解が出ぬ問答は如何に決着するのか?
然る地の人は云った――其れは神の御業であると
然る地の人は云った――其れは超越者の力であると
然る地の人は云った――其れは妖の謀りであると
そして、然る地の人は云った
――其れは、魔王の囁きであると――
果たして其れ等、解は違えど始末は同じ
信じる者は救われる――何を信じるのか――其れは然る地の人次第
魔王の業 †
其れら全ては魔王の術
彼の魔王の威を借る者は、魔王の術をも時に借る
遠近感無視 †
其れは現にして幻
其れを見たならば既に手遅れ
居ると思えば既に其れは其処に居る
彼の者は矛盾の魔王。彼我の距離など意味はない
何故なら「其」は「我」である故
- 「メタ説明」
文字通り遠近感を無視できる
攻撃射程が「相手がこちらを知覚したら」になる為、遠近感を無視した一方的な変則攻撃を可能とする
敵の視覚依存なので、目を瞑られると無効化される
闇を用いた転移 †
物陰の暗がり、月も見えぬ夜の闇
其れら全ては魔王の領邦
瘴気 †
魔性の気は生ける全てを蝕む
時に心を。時に身体を
矛盾結晶化 †
力とは本来触れられず、見えず、そして無形であるもの
矛盾の力は其れすら捻じ曲げる
力に形を与え、意味を与える
だが、振るう者は心せよ
其れは有象でありながら無象である
常に無象は有象を求める
そう、汝の心に映る有象を--
- 「メタ説明」
闇や自分の眷属を物質化して取り出すことができる
魔王が持つ大鎌のようなものが無尽蔵に作れる
普通の人間が持った場合、その人間の持つ負の願望を増幅しようとする
幻術 †
其れこそは魔王其のものにして彼の真髄
欺瞞の中で唯一輝く万物の詐術
しかし、其れすらもまた偽りでしかない
- 「メタ説明」
主に相手の精神に作用し、心を乱す
それは時に地形を変え、相手や自らの姿そのものを変化させる
要するに普段やってる悪堕ち小言
召喚 †
王とは即ち従えるモノ
王とは即ち統べるモノ
王が一度令を下せば、臣下は唯其れに従うのみ
- 「メタ説明」
矛盾の眷属を闇や物陰の暗がりから召喚できる
または、意志の薄弱な有機物(普通の植物や死体など)を矛盾の眷属に変異させる
一にして全なる者 †
其れは何処にでも居て何処にも居ない
其れは全てが魔王であり、全てが魔王ではない
魔王とは不朽の存在
打ち倒されるその時までは
- 「メタ説明」
HPが0になると自動発動
近隣の矛盾の眷属の内から自らが顕現する
手下の中から爆ぜて出てくる
矛盾の魔宮 †
其れは形を持った魔王の力其のもの
だが、矛盾はやはり同質のもの
其の宮殿は何処にも在りはしない
其の宮殿こそが魔王なのだ
- 「メタ説明」
周囲の空間を自らの望む空間に変質させる
空間内では矛盾の眷属全てのステータスが上昇する
矛盾 †
其れは全て違うが全て同質
是と答えながらも否と答え、一つといいながら全てを奪う
また逆も然り
火は水であり、昼は夜であり、聖は魔である
全ては魔王の望むままに
- 「メタ説明」
結果を矛盾させる
あらゆる結果を覆す能力
攻撃が外れたなら当てる
攻撃が当たるなら回避する
魔王の枷 †
其れは全ては魔王を縛る業
魔王は所詮--魔王
魔王の力を駆る者は心得よ
闇も世界の片鱗にして断片に過ぎず
真理を得るには遠すぎる
人の望む魔王 †
其れは人の心より出ずる魔王
即ち其れの顕現を望むは人自身
人は強大な天敵を無意識下に求める
だが、人は其れに滅される事まで望みはしない
- 「メタ説明」
結局のところ、多くの人間が理想とする魔王は最期には打ち倒されるモノである
ようするに、魔王は人間に勝てない
ただし、人の道を外れた者であれば肉体が人間でもその限りではない
逆に、例え肉体が人間のそれでなくても心が人間のそれならばこの能力は適用される
この能力のおかげで矛盾の魔王は真正の人間には絶対に勝てないため、現象という枷を脱して受肉することでこの枷から逃れようとしている
人間辞めてる類とやりあうときはこの枷は適用されない
御伽噺の制約 †
語り継ぐのは処世の人
そして、出ずる力も其れから来るもの
他に存在の固定を求める以上、それ以上にはなり得ない
- 「メタ説明」
自らの媒体に依存する
「人の望む魔王」のデメリットに加え、この「御伽噺の制約」に縛られるため、御伽噺の最期で討伐されていることもある矛盾の魔王はことさら人間に勝てない
顕現した地域での矛盾の眷属の逸話や御伽噺、または魔王としての知名度によって力が上下する
本来ならステータスアップの可能性も秘めた能力だが、この地域では主にステータスダウンとしてしか働かない
西方の魔導王国あたりだとこっちよりは御伽噺が伝わっているらしいので、向こうで顕現すればメリット能力になるかもしれない
魔王が討伐されず、魔王の逸話を凶事などの訓辞として多く伝えている地域でもやはりステータスアップに繋がる
力が増幅する御伽噺の例:夜の森は危ないから出入りするな→夜は魔王が出るから森に入ってはダメだよ子供達
魔力精神体 †
肉を持たぬ魔王は心が全て
其れは捉われず、そして無形である
それは現より隔絶せし超越の証--それ故に脆い
- 「メタ説明」
HPとMPが連動する
どっちか減ればもう片方も減る
つまり体力がなくなっても魔力がなくなっても消滅する
負の力 †
悲哀。憎悪。恐怖。懐疑
全ては負の念
人の心を闇に堕とす影其のもの
それらが渦巻く中心に凶事が起こるもまた已む無し
- 「メタ説明」
負の力を根源としている為、周囲の事象が負で満たされる
Luk極低下
想定外の自体が起きた場合、其のほぼ全ては自分から見て不利なものになる
因果の盟約 †
魔王は負の念より出でし現象
全ての事象は負に帰結する
- 「メタ説明」
デメリット能力とメリット能力がかち合った場合、デメリット能力が優先される
また、ステータスダウンとステータスアップの場合もステータスダウンが優先される
例:「矛盾」と「人の望む魔王」の場合、「人の望む魔王」が優先される
魔王の力を得る方法 †
光に絶望したのならば、
更なる力を欲するのならば、
物陰の暗がりに祈るがいい
全ての闇は我等が領邦にして神殿
汝が望めば其れは得られる
だが、心せよ。魔性の力は無償に在らず
代償なくして振るうことはかなわない
- 「メタ説明」
ご自由に設定共有してくださって結構です
祈れば時に神が奇跡を与えてくれるように、代償さえ支払えば魔王は力を与えます
他の魔族や世界の敵対者などへの態度 †
其れは魔王である
しかし、魔王とは即ち、王
王とは即ち、統べるもの
為れば即ち、自らの領邦領民を慮るもまた必定
敵対
矛盾の魔王と魔導魔族は近い性質を持った存在ではあるが、矛盾の魔王は人の持つ「恐怖」や「懐疑」などから生まれた魔王であり、前述したように人の負の心が無意識に存在を望む事で現界した魔王である
つまり、矛盾の魔王はあくまで此方側の世界の魔族であり、分類としてはこの世界の一片に相当する存在といえる
異世界を源流とする彼らは矛盾の魔王にから見ても侵略者であり、己の領邦を侵す敵対者なのだ
だからといって目立って何をするわけではないが、日の影、夜闇の何処かで矛盾の軍勢は彼らと戦っている事もあるかもしれない
- 「メタ説明」
矛盾の魔王からしてみるとこの世界のパワーソース(大地に宿る魔力や、魔王の存在を認知している人間)そのものが減ってしまうのは非常にいただけない為、此方の世界から力を奪い去ろうとしている魔導魔族は不倶戴天の大敵である
分かりやすく言えば敵対しあっているヤクザと海外マフィアの関係に似ているといえなくもない