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水内うずの正体は、若き龍、蛟龍が人間の姿を取ったもの。出身は利根川水系の湖沼。
ことの始まりは天長元年(824年)平安時代、空海と守敏という高僧が雨乞い対決を行った。
結果として空海が雨乞いに成功したのだが、その裏では呪術的な駆け引きが行われており
その一つとして、守敏が各地の龍を壺に封じることで空海の雨乞いを失敗させようとしたというものが存在する。
さて、多くの壺は後に開封されたり壊れたりで、封じられていた龍は開放されたのだが
そのうちの一つの壺が開封されないままとなっていた。
千葉県の工事現場において発見されたそれは
重機をブチかましてガチャーン!やっぱり壺が悪いよなぁ…ともならず
開封もされず、さらにその壺は京において退魔の術に長けた水内家に持ち込まれる事となる。
1200年以上の年月を超え、龍が現代に蘇ったのだ。
しかし、多くの土地が人間のテリトリーと化し、古代末期の平安時代からはあらゆるものが様変わりした現代は
長い長い年月によって、力を失った龍にとっては決して楽な環境では無かった。~
そこで水内家当主よりある提案がなされ、その交換条件と引き換えに
現代を暮らす上での様々な支援を受ける運びとなる。
瑞祥高校への通学も支援の一つである。
「より人間を知る機会が欲しい」との当人の希望もあって、義務教育の現場にその身を置いている。
また、何らかの理由があって「龍」で有ることは隠している。
幸い外見や種族的性質の近い竜種が異種族として存在したため、隠れ蓑としてそちらを申告している。
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